JP2002328314A - 光スイッチング素子、光スイッチングデバイスおよび画像表示装置 - Google Patents

光スイッチング素子、光スイッチングデバイスおよび画像表示装置

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JP2002328314A
JP2002328314A JP2001132707A JP2001132707A JP2002328314A JP 2002328314 A JP2002328314 A JP 2002328314A JP 2001132707 A JP2001132707 A JP 2001132707A JP 2001132707 A JP2001132707 A JP 2001132707A JP 2002328314 A JP2002328314 A JP 2002328314A
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optical switching
refractive index
light
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light guide
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JP2001132707A
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Taisuke Yamauchi
泰介 山内
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の利用効率を維持しながら、薄型化がで
き、歩留り良く形成できる抽出部を備えた光スイッチン
グ素子を提供する。 【解決手段】 光2を導入する光ガイド1と、この光ガ
イド1から光を抽出する面3aを備えたマイクロプリズ
ム(抽出部)4と有する光スイッチング素子10を備え
たデバイス60であって、光ガイド1の屈折率n1と、
マイクロプリズム4の屈折率n2とを変える。これによ
り、マイクロプリズム4を薄くできるので、歩留まりを
向上でき、低コストで品質の良い光スイッチングデバイ
ス60を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データプロジェク
タ、ビデオプロジェクタなどの映像投映装置あるいは画
像表示装置などに使用される光スイッチング素子、およ
びその素子を用いたスイッチングデバイスおよび画像表
示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロジェクタなどの画像表示装置のライ
トバルブとして光をオンオフ制御できる画像表示デバイ
スとしては、液晶を用いたものが知られている。しかし
ながら、この液晶を用いた画像表示デバイスは、高速応
答特性が悪く、たかだか数ミリ秒程度の応答速度でしか
動作しない。このため、高速応答を要求されるような高
解像度の画像を表示する装置、さらには、光通信、光演
算、ホログラムメモリー等の光記録装置、光プリンター
を、液晶を用いたスイッチングデバイスで実現するのは
難しい。
【0003】そこで、上記のような用途に対応できる高
速動作可能なスイッチングデバイスあるいは画像表示デ
バイスが求められており、ミクロンオーダあるいはさら
に小さなサブミクロンオーダの微細構造(マイクロスト
ラクチャ)を備えたスイッチングデバイスの開発が鋭意
進められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】その1つが本願出願人
が出願中の、光を全反射して伝達可能な導光部の全反射
面に対しスイッチング部の抽出面を接触させてエバネセ
ント光を抽出し、光学素子の1波長程度あるいはそれ以
下の微小な動きによって、高速で光を変調制御可能な光
スイッチングデバイスである。
【0005】図4に、エバネセント光によるスイッチン
グを行う画像表示デバイス(光スイッチングデバイス)
を用いた画像表示装置の一例としてプロジェクタ80の
概略を示してある。このプロジェクタ80は、白色光源
81と、この白色光源81からの光を3原色に分解して
光スイッチングデバイス55の導光板(光ガイド)1に
光2を入射させる回転色フィルタ82と、各色の光を変
調して出射する光スイッチングデバイス55と、出射さ
れた光85を投映する投写用レンズ86とを備えてい
る。そして、各色毎の変調された光85がスクリーン8
9に投写され、時間的に混色されることにより多諧調の
マルチカラーの画像が出力される。プロジェクタ80
は、さらに、光スイッチングデバイス50および回転色
フィルタ82を制御してカラー画像を表示する制御回路
84を備えている。光スイッチングデバイス55は、光
ガイド1との組合せで光をスイッチングできるスイッチ
ング素子10が形成された基板50を備えており、制御
回路84からカラー画像を表示するためのデータφなど
が各々の光スイッチング素子10に供給される。
【0006】このように、図4に示したプロジェクタ8
0は、光を全反射しながら伝達する光ガイド1に投影用
の光を供給する光源81などと共に光ガイド1から出射
された光を投写するレンズ86などを備えた光を入出力
する手段と、光ガイド1に供給された投映用の光を変調
する光スイッチングデバイス55とを備えており、光ガ
イド1から漏出するエバネセント光を制御して画像が表
示される。
【0007】図5に、エバンセント波(エバネセント
光)を利用して光を変調する光スイッチングデバイス5
5の概要を示してある。光スイッチングデバイス55は
複数の光スイッチング素子(光スイッチング機構)10
が2次元に配列されたスイッチングデバイスであり、個
々の光スイッチング素子10は、単体では導入された光
2を全反射して伝達可能な導光板(光ガイド)1に接近
および離反して光を変調可能な光学素子(スイッチング
部)3と、この光学素子3を駆動するアクチュエータ6
とを備えている。そして、光学素子3の層およびアクチ
ュエータ6の層がアクチュエータ6を駆動する駆動回路
およびデジタル記憶回路(記憶ユニット)が作りこまれ
た半導体基板20の上に積層され、1つの画像表示デバ
イスとして集積化されている。
【0008】図5を参照してエバネセント光を利用した
本例の光スイッチングデバイス50についてさらに詳し
く説明しておく。個々の光スイッチング素子10をベー
スに説明すると、図5の左側に示した光スイッチング素
子10aはオン状態であり、右側に示した光スイッチン
グ素子10bがオフ状態である。光学素子3は、導波路
としての機能を果たす導光板1の面(全反射面)1aに
密着する面(接触面または抽出面)3aと、この面3a
が全反射面1aに密着したときに漏れ出たエバネセント
波を抽出するV字型のプリズム(マイクロプリズムまた
は抽出部)4と、このプリズム4の底面で導光板1に対
しほほ垂直な方向に反射するための反射膜46と、V字
型のプリズム4を支持するサポート構造5とを備えてい
る。
【0009】アクチュエータ6は、光学素子3を静電駆
動するタイプであり、光学素子3のサポート構造5と機
械的に連結されて光学素子3と共に動く上電極(第1の
電極)7と、この上電極7と対峙した位置で半導体基板
20に固定された下電極(第2の電極)8を備えてい
る。さらに、上電極7はアンカープレート9から上方に
伸びた支柱11により支持されている。
【0010】図5に示したように、導光板1には光源か
ら照明光2が全反射面1aで全反射する角度で供給され
ており、巨視的には照明光2は導光板1の内部に閉じ込
められ、その中を損失なく伝播している。一方、微視的
には、導光板1の全反射している面1aの付近では、光
ガイド1から光の波長程度のごく僅かな距離だけ、照明
光2が一度漏出し、進路を変えて再び光ガイド1の内部
に戻るという現象が起きている。このように面1aから
漏出した光を一般にエバネセント波と呼ぶ。このエバネ
セント波は、全反射面1aに光の波長程度またはそれ以
下の距離で他の光学部材を接近させることにより取り出
すことができる。本例の光スイッチング素子10は、こ
の現象を利用して光ガイド1を伝達する光を高速で変
調、すなわち、スイッチング(オンオフ)することを目
的としてデザインされている。
【0011】図5の光スイッチング素子10aでは、光
学素子3が光ガイド1の全反射面1aに接触した第1の
位置にあるので、光学素子3の面3aによりエバネセン
ト波を抽出することができる。このため、光学素子3の
マイクロプリズム4で抽出された光2は反射膜46で角
度が変えられて出射光2aとなり、プロジェクタ80の
投映用の光85として利用される。一方、光スイッチン
グ素子10bでは、電極7および8の間に働く静電力に
より光学素子3が光ガイド1から離れた第2の位置に動
かされる。したがって、光学素子3によってエバネセン
ト波は抽出されず、光2は光ガイド1の内部から出な
い。
【0012】エバネセント波を用いた光スイッチング素
子は単独でも光をスイッチングできる装置として機能す
るが、図5に示したように、これらを1次元あるいは2
次元方向、さらには3次元に並べて配置することができ
る構成になっている。特に、2次元にマトリクスあるい
はアレイ状に並べて配置することにより、液晶あるいは
DMDと同様に平面的な画像を表示可能な映像デバイス
あるいは光スイッチングデバイス55として提供するこ
とができる。そして、エバネセント光を用いた光スイッ
チングデバイス55では、スイッチング部である光学素
子3の移動距離がサブミクロンオーダとなるので、液晶
より1桁あるいはそれ以上応答速度の速い光変調装置と
して利用でき、これを用いた高速動作が可能なプロジェ
クタ80などの画像表示装置を提供することが可能とな
る。さらに、エバネセント光を用いた光スイッチング素
子10は、サブミクロンオーダの動きで光をほぼ100
%オンオフすることが可能であり、非常にコントラスト
の高い画像を表現することができる。このため、時間的
な分解能を高くすることが容易であり、高コントラスト
の画像表示装置を提供できる。
【0013】このような光スイッチングデバイス55を
用いたプロジェクタ80において、光スイッチングデバ
イス55を投影するレンズ86と、光源81との配置上
および光路上の干渉を無くすためには入射角θ1をでき
るだけ大きくすることが望ましい。しかしながら、入射
角θ1を大きくすると、出射光2aを垂直に出力するた
めにV溝の仰角(反射面46の傾斜角度)βが大きくな
り、プリズム高さhが大きくなる。したがって、デバイ
スが厚くなると共に、歩留まりが低下する要因ともな
る。これについてはさらに以下で説明する。また、入射
角θ1が大きくなり、反射面の仰角βの余角を越えると
V溝上の反射面46の一方の面を部分的にしか反射のた
めに利用できなくなるので、開口率Rが低下する。
【0014】一方、入射角θ1を小さくすると、反射面
46の仰角βを小さくできるのでプリズム4の高さhを
低くする点では効果があり、また、開口率Rは100%
を維持できる。しかしながら、光源81とレンズ86と
の干渉の問題もあり、さらに、入射光2を全反射面1a
で全反射するためには臨界角θ0以下に入射角θ1を小
さくすることができない。臨界角より小さくすると、入
射光2を光ガイド1に閉じ込めておけなくなるので、オ
フ光が迷光となって光スイッチングデバイス55の光学
的な性能が著しく悪化することになる。
【0015】図6に、光ガイド1の屈折率n1、および
抽出部であるマイクロプリズム(以降ではプリズム)4
の屈折率n2が共に1.5で、V字型の反射面46の一
辺の長さlが4.5μm(V字型がマイクロプリズム4
に2つあるとすると、その画素サイズが18×18μ
m)としたときの、開口率Rを破線611で示し、プリ
ズム高さhを実線621で示してある。ただし、開口率
Rは、V字型の反射面46の一方の面全体で反射された
場合を100%にしてあり、入射光2が一方からしか照
射されない光学系であると有効な開口率は50%に相当
する。
【0016】このケースでは、臨界角θ0が41.8度
であり、入射光2の入射角θ1は41.8度以上にする
必要がある。そして、開口率Rが100%で最も入射角
θ1が大きいのは60度である。また、このケースで
は、入射角θ1が60度のときに、反射面46の仰角β
が30度となるので、入射光2の利用効率Eが最も大き
く100%となる。したがって、入射角θ1が60度と
なるように光スイッチングデバイス55の開発および設
計が進められる。
【0017】このデバイス55を製造するためには、プ
リズム4の高さhは2.6μmとなり、2.6μmの高
さ(厚さ)hの膜を均一に成膜(形成)することが要望
される。このような厚みの膜を成膜する際に、1つの基
板(ウェハ)内における膜厚誤差の3σ値を±0.1μ
mに設定すると、求められる均一性は1.9%であり、
非常に高い均一性が要求されることになる。これに対し
て、マイクロプリズム4の厚みhを、小さく、例えば、
膜厚を2.0μmにすることができれば、膜厚誤差の3
σ値を同じ値、すなわち±0.1μmとしても、均一性
は3%程度になる。したがって、成膜が容易になり、歩
留まりを向上し、製造コストを下げることができる。こ
のように、プリズム高さhを小さくすることが歩留まり
では有利であり、そのためには、入射光2の入射角θ1
を小さくすることが有効であるが、上述したように臨界
角θ0以下にすることができない。すなわち、このケー
スであると、プリズム高さhは1.72μm以下にはな
らない。また、入射角θ1を小さくすることは光源の配
置条件が厳しくなるので好ましくない。そして、開口率
Rおよび利用効率Eを考えると、入射角θ1は60度以
上にすることができない。したがって、入射角θ1が6
0度でないと、ディメリットが大きい。
【0018】一方、反射面46をV字型でなく、片傾斜
にすることができる。片傾斜の反射面を備えたデバイス
について、上記のケースと同様の条件、すなわち、光ガ
イド1の屈折率n1、および抽出部であるプリズム4の
屈折率n2が共に1.5で、片傾斜の反射面の一辺の長
さlが4.5μmとしたときの、開口率Rを、図6に、
一点鎖線631で示してある。なお、プリズム高さh
は、上記と同じであり、実線621で示すとおりであ
る。片傾斜のデバイスの開口率Rは、反射面の全面から
反射したときを100%にしている。片傾斜のデバイス
は、入射光2の入射方向が一方に限定されるが、その条
件で画素単位で比較すると、反射面がV字型のデバイス
が開口率Rが100%のときに有効開口率が50%であ
るのに対し、片傾斜のデバイスでは開口率Rが有効開口
率であり、V字型のデバイスよりも高い値となる。ま
た、入射した光2は、全て前方に出射されるので、利用
効率Eは常に100%になる。一方、V字型のデバイス
は、入射光2を両側から入射すると有効開口率を100
%にできるのに対し、片傾斜のデバイスは、入射光2を
両側から入れても一方からの光しか利用できないので、
有効開口率は変わらない。
【0019】したがって、一方からしか入射光2が照射
されないようなプロジェクタ80に対しては、多くの点
で片傾斜のデバイスが優れている。しかしながら、この
片傾斜のデバイスの開口率Rは入射角θ1に依存してお
り、入射角θ1が小さくなると開口率Rは高くなるが、
臨界角θ0における値、たとえば、上記のケースでは、
開口率Rは、0.745を超えることはない。したがっ
て、開口率Rを大きくするためには入射角θ1を小さく
することが望ましいが、臨界角および光源の配置などの
問題があり、また限界もあり、配置上からは入射角θ1
が大きいほうが良いので、開口率Rを大きくすることが
難しい。そして、片傾斜のデバイスでも上記のV字型の
デバイスと同様に、プリズム4の厚みは、入射角θ1が
小さい方が薄くなるので好ましいが、同様の問題があ
る。
【0020】そこで、本発明においては、入射角θ1が
大きくても、プリズムを薄くでき、歩留まりを向上でき
る光スイッチング素子および光スイッチングデバイスを
提供することを目的としている。さらに、入射角θ1が
大きくても、V字型のデバイスでは光の利用効率を大き
くでき、片傾斜のデバイスでは開口率を大きくすること
ができる光スイッチング素子、光スイッチングデバイス
および画像表示装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
光を導入する光ガイドの屈折率と、この光ガイドからオ
ンオフする光を抽出する面を備えた光学素子の抽出部の
屈折率を変えることにより、上記の問題を解決するよう
にしている。すなわち、本発明の光スイッチング素子
は、光を全反射して伝達可能な全反射面を備えた光ガイ
ドと、全反射面に抽出面が接し、その全反射面から漏出
するエバネセント光を抽出可能な第1の位置、および抽
出面が離れてエバネセント光を抽出しない第2の位置に
移動し、第1の位置で抽出したエバネセント光を全反射
面の方向に戻す抽出部を備えた光学素子部と、この光学
素子部を駆動するアクチュエータ部とを有する光スイッ
チング素子であって、抽出部は、光ガイドの屈折率と異
なる屈折率の屈折層を備えていることを特徴としてい
る。抽出部全体の屈折率を変えても良く、あるいは、光
ガイドと接触する部分に光ガイドと同じ屈折率の層を設
け、屈折率の異なる層と積層して抽出部を構成しても良
い。さらに、複数の異なる屈折率の層を積層することも
可能である。屈折率の異なる屈折層を設けることによ
り、抽出部に抽出された入射光の角度(抽出角)を光ガ
イドから入射される角度(入射角)と変えることができ
るので、抽出部を薄くしたり、入射角度を大きくした
り、開口率を大きくすることが可能となる。
【0022】したがって、本発明の光スイッチング素子
を用いることにより、これらの素子を複数有し、それら
の光スイッチング素子が2次元に配列されている光スイ
ッチングデバイスを薄く、歩留まり良く製造することが
可能となり、また、光学的な性能も高いデバイスを提供
することが可能となる。そして、それを画像表示用に用
いることにより、コンパクトで明るい画像表示装置を提
供することができる。そして、屈折層を備えた抽出部
を、抽出部の抽出面と光ガイドの全反射面とが密着(接
する)するように駆動するアクチュエータは、低消費電
力で駆動可能な静電駆動式を採用することが望ましい。
【0023】抽出部を薄くし、入射角を大きくし、ま
た、開口率を上げる効果は、抽出部の屈折層の屈折率n
2を光ガイドの屈折率n1に対して大きくすることによ
り得られる。また、抽出部に、片傾斜した反射面、ある
いは、V字型に傾斜した反射面を設けることにより、屈
折層により屈折されたエバネセント光を抽出面に対し垂
直に反射することが可能である。そして、屈折層で、所
望の角度(向き)に光を導くことができるので、従来よ
りも抽出部の厚みを薄くすることができる。抽出部を薄
型化することで、面内均一性の許容度が高くなり、成膜
の歩留りを向上できる。
【0024】すなわち、抽出部の最小厚さhminは光
ガイドの屈折率をn1、反射面の傾斜した面を垂直に投
影した長さをLとしたときに、抽出部の屈折率が光ガイ
ドと同じ場合は、以下の式(A)´で与えられるが、h
minをさらに小さくすることができる。 hmin=L・tan((sin-1(1/n1))/2)・・・(A)´ そして、抽出部の屈折率がn2のときは、hminを以
下の式(A)にすることができる。 hmin=L・tan((sin-1(1/n2))/2)・・・(A) また、入射光をより大きく屈折させることで、高い開口
率を得ることが可能である。特に、片傾斜の反射面を備
えた光スイッチング素子および光スイッチングデバイス
においては、入射光を全反射できる臨界角θ0のときの
開口率が最大となるが、その開口率を大きくすることが
できる。
【0025】すなわち、抽出面の最大開口率Rmax
は、光ガイドの屈折率をn1とし、抽出部の屈折率が光
ガイドと同じ場合は、以下の式(C)´で与えられる
が、Rmaxをさらに大きくすることができる。 Rmax=1−2sin2((sin-1(1/n1))/2)・・・(C)´ そして、抽出部の屈折率がn2のときは、最大開口率R
maxを以下の式(C)にすることができる。 Rmax=1−2sin2((sin-1(1/n2))/2)・・・(C) さらに、V字型の反射面を備えた光スイッチング素子お
よび光スイッチングデバイスにおいては、入射角θeが
60度のときに開口率が100%なり、利用効率が10
0%になるが、その条件を与える入射角θeをさらに大
きくすることが可能となる。そして、光ガイドの屈折率
がn1、抽出部の屈折率がn2のときに、その入射角θ
2を以下の式(B)にすることができる。 θe=sin-1(n2/n1/2/√3)・・・(B) このように、本発明により、光ガイドと抽出部の屈折率
を変えることにより、光源から光ガイドに供給される入
射角度の制約が少なくなり、光スイッチングデバイスと
光源の配置に関して、大きな自由度を持たせることがで
きる。したがって、本発明の光スイッチングデバイス
と、光ガイドに対し画像表示用の光を入力する手段とを
有する画像表示装置を提供する際に、本発明により装置
全体をコンパクトに纏めることも容易にできる。さら
に、常に光の利用効率が理論上は100%となる片傾斜
のデバイスでは、その開口率を向上させることができ
る。それと共に抽出部を薄型化することができ、均一性
を確保し易く、歩留り良く形成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照しながら、本発
明についてさらに説明する。図1に、本発明に係る光ス
イッチングデバイス60の光ガイド1と光学素子部3を
抜き出して示してある。本例の光スイッチングデバイス
60の全体的な構成は、図5に基づき説明したエバネセ
ント光を用いた光スイッチングデバイス55と同様であ
り、光学素子部3を不図示のアクチュエータで上下の第
1の位置および第2の位置に動かすことにより入射光2
をスイッチングすることができる。また、図1には、1
つの光スイッチング素子10の光ガイド1および光学素
子3の構成を抜き出して示してあるが、これらを2次元
に配列することにより図5に示した画像表示デバイスと
して利用可能な光スイッチングデバイスとすることが可
能であり、図4に示したプロジェクタ80などのライト
バルブとして利用することができる。したがって、共通
する部分には共通の符号を付して説明を省略する。
【0027】本例の光スイッチングデバイス60は、屈
折率n1の素材からなる光ガイド1と、屈折率n2の素
材ならなるプリズム4とを備えており、これらの屈折率
n1およびn2が異なり、屈折率n2が屈折率n1より
大きくなるようにしている。たとえば、光ガイド1は、
屈折率n1が1.5程度のガラス材などで形成され、プ
リズム4は、屈折率n2が1.65程度となるようガラ
ス材などに適当な不純物が添加されている。さらに、反
射面46は、アルミニウムなどの反射膜によりV溝状に
形成されており、1つの光学素子3に2つのV字型のプ
リズム4が形成されている。
【0028】本例のデバイス60において、光ガイド1
の全反射面1aに対する入射角をθ1、プリズム4に抽
出された出射角(抽出角)をθ2、反射面46の仰角を
β、プリズム4の反射面46の一方の斜面の底辺をL、
底辺Lと仰角βにより決まるプリズム4の高さをh、プ
リズム4のサイズ(水平方向の長さ)をPとすると、入
射光2が全反射面1aからプリズム4に抽出され、出射
光2aが全反射面1aに垂直に反射されるためには以下
のような条件を満たす必要がある。まず、光ガイド1の
屈折率n1、マイクロプリズム4の屈折率n2を用い、
入射角θ1と抽出角θ2との間には次関係が成立する。 n1・sinθ1=n2・sinθ2 ・・・(1) 反射面46で垂直方向に出射されるために、反射面46
に対する抽出された光の仰角をαとすると、次のように
なる。 α=(π/2)−θ2 ・・・(2) したがって、反射される点の回りの角度を考えると、反
射面46の傾き(仰角)βを入れて次のようになる。 α+β+θ2/2=π/2 ・・・(3) よって、仰角βは抽出角θ2により(4)式のように導
かれる。β=π/2−α−(θ2/2) =θ2/2 ・・・(4) ここで、1つの画素サイズPにおいて、v個のV字型プ
リズムを備えており、1つの反射面46となる頂点0ま
での距離L、すなわち、反射面46の1つの斜面の底辺
の長Lは式(5)で示される。 L=P/2v ・・・(5) したがって、マイクロプリズム4の厚みhは式(6)で
示される。 h=Ltanβ =P/2v・tan((sin-1(n1/n2・sinθ1))/2) ・・・(6) また、入射光2がマイクロプリズム4のV斜面(反射
面)46で全て反射される条件は以下のとおりである。 θ2+β≦π/2 ・・・(7) したがって、(4)式および(1)式を考慮すると、抽
出角θ2の条件および入射角θ1の条件は以下のように
なる。 θ2≦π/3 ・・・(8) θ1≦sin-1(n2/n1・sin(π/3)) ・・・(9) さらに、光スイッチングデバイス50(光スイッチング
素子10b)がオフの状態のとき、入射光2が光ガイド
1の界面で全反射するための境界条件は式(10)で得
られる。 n1・sinθ0=sin(π/2) ・・・(10) すなわち、臨界角θ0は下記の式(11)より得られ、
入射角θ1は臨界角θ0より大きくなくてはならない。
したがって、入射角θ1の範囲は以下のとおりである。 θ0=sin-1(1/n1・sin(π/2))=sin-1(1/n1)・・・(11) θ1>sin-1(1/n1) ・・・(12) この式(12)の条件を満たすとき、本例の光スイッチ
ングデバイスは、光ガイド1で光を閉じ込めることがで
きる。また、この条件が、プリズム4の最小厚みhmi
nとなることは上述した通りである。すなわち、最小厚
みhminは以下の式(A)となる。 hmin=L・tan((sin-1(n1/n2・1/n1))/2) =L・tan((sin-1(1/n2))/2) ・・・(A) 一方、光ガイド1とプリズム4の屈折率が等しくn1で
ある場合は、最小厚みhminが以下のようになる。 hmin=L・tan((sin-1(1/n1))/2) ・・・(A)´ ここで、関数sin-1は0からπ/2までの間で単調増加
する関数であるので、プリズム4の屈折率n2を光ガイ
ド1の屈折率n1より大きくすることにより、プリズム
4の最小厚みhminを小さくすることができ、その値
は式(A)で表される。さらに、関数sin-1は単調増加
する関数なので、式(6)から、プリズム4の屈折率n
2を光ガイド1の屈折率n1より大きくすることによ
り、全ての入射角θ1において、プリズム高さhを小さ
くできることが分かる。
【0029】さらに、開口率Rについて検討する。抽出
角θ2が60度、すなわち、θ2<π/3のときは、開
口率Rは100%である。したがって、抽出角θ2がπ
/3より大きいときを検討する。このとき、プリズム4
のV頂点0に接して入射した光2が、反対側のV斜面で
反射される座標(a,b)は次のようになる。但し、θ
2>π/3、つまりβ>π/6の範囲とする。V頂点0
の座標を(0,0)とすると、座標(a,b)は下記の式
で表される。 (a,b)=(4L・sin2β,−2L・tanβ・(2cos2β−1)) ・・・(13) これにより、θ2>π/3のとき、V斜面46で光2の
反射を行える領域の割合、すなわち、マイクロプリズム
4の開口率は、以下のようになる。 R=(2L−4L・sin2β)/L=2−4sin2β ・・・(14) Rが1、すなわち、開口率Rが100%で、入射した光
2が全て垂直方向に反射される条件、すなわち、光の利
用効率Eが100%となる条件は、プリズム4の仰角β
がπ/6であり、抽出角θ2が60度のときである。し
たがって、開口率Rが100%で、光の利用効率Eが1
00%となる入射角θeは次の式(B)で表される。 θe=sin-1(n2・sin(π/3)/n1) =sin-1(n2/n1/2/√3) ・・・(B) 上述したように、関数sin-1は0からπ/2までの間で
単調増加する関数であるので、プリズム4の屈折率n2
を光ガイド1の屈折率n1より大きくすることにより、
入射角θeを60度以上にすることが可能であり、たと
えば、屈折率n1が1.5、屈折率n2が1.65のケ
ースでは、入射角θeを72.3度まで大きくすること
ができる。
【0030】図2に、光ガイド1の屈折率n1が1.
5、抽出部であるマイクロプリズム(プリズム)4の屈
折率n2が1.65で、V字型の反射面46の一辺の長
さLが4.5μm(V字型がマイクロプリズム4に2つ
あるとすると、その画素サイズが18×18μm)とし
たときの、開口率Rを破線71で示し、プリズム高さh
を実線72で示してある。ただし、開口率Rは、V字型
の反射面46の一方の面全体で反射された場合を100
%にしてあり、入射光2が一方からしか照射されない光
学系であると有効な開口率は50%に相当することは上
述した通りである。
【0031】このケースでは、臨界角θ0が41.8度
であり、入射光2の入射角θ1は41.8度以上にする
必要がある。そして、そのときのプリズム4の厚さが最
小とhminとなるが、式(A)より、hminは1.
51μmとなり、屈折率が同一の場合が1.72μmで
あったので、12%ほど薄くすることができる。プリズ
ム4の厚さhを薄くできる効果は、式(6)で示したよ
うに、スイッチング素子として有効な全ての入射角度で
得られるものであり、これにより、スイッチングデバイ
ス60を薄くできると共に、製造時の歩留まりを向上す
ることができる。上記にて説明したが、たとえば、入射
角θ1が60度のときに図6に示した条件で、屈折率が
同じ場合はマイクロプリズム4の厚みhは上記の条件に
おいて2.6μm程度になる。これに対し、図2に示し
た条件では、プリズム4の厚みhは2.19μmにな
る。したがって、マイクロプリズム4を形成(成膜)す
る際には、1つのウェハ内における膜厚誤差の3σ値を
±0.1μmに設定すると、求められる均一性は3%程
度となる。言い換えると、均一性が3%程度であって
も、ウェハ全面での膜厚誤差の3σ値は0.1μm程度
しか発生しないので成膜が容易になり歩留まりが向上す
る。このような効果はプリズム4の屈折率n2を光ガイ
ド1の屈折率n1に対して大きくすることにより、さら
に顕著になる。
【0032】また、図6に示したように、プリズム4お
よび光ガイド1の屈折率が同じ場合は、開口率Rが10
0%で最も入射角θ1が大きいのは60度であり、その
ときに光の利用効率Eも100%になる。これに対し、
図2に示した例では、開口率Rが100%で光の利用効
率Eも100%になる入射角θ1を72.3度にするこ
とができる。したがって、図4に示したようなプロジェ
クタに本例のデバイス60を採用すると、光源81から
の入射角を大きくできるので、照明系とレンズ系とのセ
パレートが容易となり、フレキシブルなレイアウトが可
能となり、設計において自由度を高めることもできる。
【0033】図3に、反射面46が片傾斜になった光ス
イッチングデバイス61の光ガイド1と光学素子部3を
抜き出して示してある。本例の光スイッチングデバイス
61の全体的な構成は、図5に基づき説明したエバネセ
ント光を用いた光スイッチングデバイス55と同様であ
り、光学素子部3を不図示のアクチュエータで上下の第
1の位置および第2の位置に動かすことにより入射光2
をスイッチングすることができる。また、図3には、1
つの光スイッチング素子10の光ガイド1および光学素
子3の構成を抜き出して示してあるが、これらを2次元
に配列することにより図5に示した画像表示デバイスと
して利用可能な光スイッチングデバイスとすることが可
能であり、図4に示したプロジェクタ80などのライト
バルブとして利用することができる。したがって、共通
する部分には共通の符号を付して説明を省略する。
【0034】本例の光スイッチングデバイス61も、屈
折率n1の素材からなる光ガイド1と、屈折率n2の素
材ならなるプリズム4とを備えており、これらの屈折率
n1およびn2が異なり、屈折率n2が屈折率n1より
大きくなるようにしている。たとえば、光ガイド1は、
屈折率n1が1.5程度のガラス材などで形成され、プ
リズム4は、屈折率n2が1.65程度となるようガラ
ス材などに適当な不純物が添加されている。そして、反
射面46が片傾斜であり、その傾きが仰角βとなるよう
に設けられている。
【0035】本例のデバイス61においても、光ガイド
1の全反射面1aに対する入射角をθ1、プリズム4に
抽出された出射角(抽出角)をθ2、反射面46の仰角
をβ、プリズム4の反射面46の一方の斜面の底辺を
L、底辺Lと仰角βにより決まるプリズム4の高さを
h、プリズム4のサイズ(水平方向の長さ)をPとした
場合を検討する。上述した式(1)から(12)は、本
例のデバイス61に対しても同等に成立する。したがっ
て、プリズム4の最小厚みhminは以下の式(A)と
なる。 hmin=L・tan((sin-1(n1/n2・1/n1))/2) =L・tan((sin-1(1/n2))/2) ・・・(A) 一方、光ガイド1とプリズム4の屈折率が等しくn1で
ある場合は、最小厚みhminが以下のようになる。 hmin=L・tan((sin-1(1/n1)/2) ・・・(A)´ したがって、式(6)も考慮すると、本例のデバイス6
1においても、プリズム4の屈折率n2を光ガイド1の
屈折率n1より大きくすることにより、全ての入射角θ
1において、プリズム高さhを小さくできることが分か
る。
【0036】さらに、本例のデバイス61の開口率Rに
ついて検討する。本例のデバイス61において、プリズ
ム4のV頂点0に接して入射した光2が、反対側のV斜
面で反射される座標(s,t)は、V頂点0の座標を
(0,0)とすると、以下のように表される。 (s,t)=(2L・sin2β,−L・tanβ・(2cos2β−1)) ・・・(15) これにより、片斜面46で光2の反射を行える領域の割
合、すなわち、マイクロプリズム4の開口率は、以下の
ようになる。 R=(L−2L・sin2β)/L=1−2sin2β ・・・(16) また、入射角θ1で表すと、以下のようになる。 R=1−2sin2((sin-1(n1/n2・sinθ1))/2)・・・(17) 上述したように、片傾斜のデバイス61では、入射した
光2は全て垂直方向に反射されるので、光の利用効率E
は常に100%であるが、開口率Rは100%にはなら
ず、最大の開口率Rmaxは、臨界角θ0で得られる。
したがって、最大開口率Rmaxは次の式(C)とな
る。 Rmax=1−2sin2((sin-1(n1/n2・1/n1))/2) =1−2sin2((sin-1(1/n2))/2) ・・・(C) 一方、光ガイド1とプリズム4の屈折率が等しくn1で
ある場合は、最大開口率Rmaxは、が以下のようにな
る。 Rmax=1−2sin2((sin-1(1/n1))/2) ・・・(C)´ ここで、関数sin-1は0からπ/2までの間で単調増加
する関数であるので、プリズム4の屈折率n2を光ガイ
ド1の屈折率n1より大きくすることにより、プリズム
4の最大開口率Rmaxを大きくすることができ、その
値は式(C)で表される。さらに、関数sin-1は単調増
加する関数なので、式(31)から、プリズム4の屈折
率n2を光ガイド1の屈折率n1より大きくすることに
より、全ての入射角θ1において、開口率Rを大きくで
きることが分かる。
【0037】図2に、光ガイド1の屈折率n1が1.
5、抽出部であるマイクロプリズム(プリズム)4の屈
折率n2が1.65で、V字型の反射面46の一辺の長
さLが4.5μm(V字型がマイクロプリズム4に4つ
あるとすると、その画素サイズが18×18μm)とし
たときの、デバイス61の開口率Rを一点鎖線73で示
してある。また、プリズム高さhは、デバイス60と同
様の結果が得られるので実線72で示したとおりであ
る。また、このデバイス61の開口率Rは、V字型のデ
バイス60と異なり、入射光2が一方からしか照射され
ない光学系であっても両側から照射される光学系であっ
ても有効な開口率は変わらない。
【0038】このケースでは、臨界角θ0が41.8度
であり、入射光2の入射角θ1は41.8度以上にする
必要がある。そして、そのときの開口率Rが最大開口率
Rmaxとなるが、式(C)より、Rmaxは0.78
7となり、屈折率が同一の場合が0.745であったの
で、6%ほど開口率Rを高くすることができる。また、
本例の反射面が片斜面になったデバイス61においても
プリズム4の厚さhを薄くできる効果はデバイス60と
同様であり、プリズム4の屈折率n2を光ガイド1の屈
折率n1より大きくすることにより、スイッチングデバ
イス61を薄くできると共に、製造時の歩留まりを向上
することができ、さらに開口率Rも大きく明るいスイッ
チングデバイスを提供することができる。
【0039】さらに、片傾斜のマイクロプリズム4を備
えたデバイス61では、光の利用効率Eは100%であ
り、また、入射光2の方向が一方のときはV字型のデバ
イス60では最大で開口率が50%であるのに対し、片
傾斜の本デバイス61では、上記の例で80%近くまで
開口率を上げることができる。そして、プリズム4の屈
折率を大きくすることにより、さらに開口率を大きくす
ることができる。
【0040】なお、上記ではマイクロプリズム4の全体
を、屈折率n2(1.65程度)となるように形成した
ものを用いた例を説明しているが、これに限らず、マイ
クロプリズム(抽出部)4を、屈折率の異なる複数の層
で構成し、それらの層の少なくとも1つを、光ガイドの
屈折率と異なる屈折率の屈折層とすることによっても上
記と同等の効果を得ることができる。たとえば、光ガイ
ド1と接触する上層は光ガイドと同じ屈折率を備えた層
として抽出面における反射を防止し、下層に高屈折率の
層を用意して上記のような効果を得ることができる。さ
らに、屈折率の高い層(屈折層)を複数積層し、プリズ
ム内において抽出された光の光路をさらに制御するよう
にしても良い。
【0041】また、上記では、光スイッチング素子10
において、アクチュエータ6は、上述したように、屈折
率n2となるマイクロプリズム4を、異なる屈折率n1
の光ガイド1の全反射面1aとが密着(接する)するよ
うに駆動する機能を備えていればよく、静電アクチュエ
ータ6に限られない。たとえば、ピエゾ素子などをアク
チュエータとして利用することができる。しかしなが
ら、低消費電力で高速な駆動が可能な静電アクチュエー
タ(静電駆動式)6を採用することが望ましい。
【0042】さらに、本例では、光ガイド1の屈折率n
1およびマイクロプリズム(屈折層)4の屈折率n2
は、互いに異なる値となるように形成すれば良く、本発
明は上述した値の屈折率の組合わせに限定されるもので
はない。
【0043】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、エバネセント光を利用した光スイッチング素子およ
びデバイスにおいて、光を導入する光ガイドの屈折率
と、この光ガイドからオンオフする光を抽出する面を備
えた抽出部の屈折率とを変えることにより、抽出部を薄
くし、歩留まりを向上して低コストで製造できるように
すると共に、入射角度を大きくして光源の配置などが容
易になるようにしている。さらに、片傾斜のデバイスに
おいては、開口率を向上できるようにしている。したが
って、本発明により、薄く、光学的性能の良い光スイッ
チングデバイスと低コストで供給することが可能とな
り、さらにコンパクトで明るい画像表示装置を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光スイッチングデバイスの一例を
模式的に示す図である。
【図2】図1に示す、異なる屈折率を備えた光スイッチ
ング素子のマイクロプリズムの厚みと、入射角および開
口率の関係を示すグラフである。
【図3】図1に示す光スイッチング素子と異なり、片傾
斜状のマイクロプリズムを用いた例を模式的に示す図で
ある。
【図4】エバネセント光を用いた光スイッチング素子に
よる画像形成装置の概略構成の一例を示す図である。
【図5】図4に示した光スイッチング素子および光スイ
ッチングデバイスの例を模式的に示す図である。
【図6】図4に示した光スイッチング素子のマイクロプ
リズムの厚みと、入射角および開口率の関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 光ガイド 2 出射光 3 抽出部 4 マイクロプリズム 5 サポート構造 6 静電アクチュエータ 10 光スイッチング素子 20 半導体基板 46 反射膜 55、60、61 光スイッチングデバイス

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を全反射して伝達可能な全反射面を備
    えた光ガイドと、 前記全反射面に抽出面が接し、当該全反射面から漏出す
    るエバネセント光を抽出可能な第1の位置、および前記
    抽出面が離れてエバネセント光を抽出しない第2の位置
    に移動し、前記第1の位置で抽出したエバネセント光を
    前記全反射面の方向に戻す抽出部を備えた光学素子部
    と、 この光学素子部を駆動するアクチュエータ部とを有する
    光スイッチング素子であって、 前記抽出部は、前記光ガイドの屈折率と異なる屈折率の
    屈折層を備えている光スイッチング素子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記抽出部は屈折率
    が前記光ガイドと同じ層と、前記屈折層とを備えている
    光スイッチング素子。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記光ガイドの屈折
    率に対し前記屈折層の屈折率が高い光スイッチング素
    子。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記抽出部は、抽出
    されたエバネセント光を全反射面の方向に反射するよう
    に片傾斜した反射面を備えている光スイッチング素子。
  5. 【請求項5】 請求項3において、前記抽出部は、抽出
    されたエバネセント光を全反射面の方向に反射するよう
    にV字型に傾斜した反射面を備えている光スイッチング
    素子。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、前記反射面
    は、前記抽出面で抽出され、前記屈折層により屈折され
    たエバネセント光を前記抽出面に対し垂直に反射する光
    スイッチング素子。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記抽出部の最小厚
    さhminが次の条件を満たす光スイッチング素子。た
    だし、前記光ガイドの屈折率をn1、前記反射面の傾斜
    した面を垂直に投影した長さをLとする。 hmin<L・tan((sin-1(1/n1))/2)
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記最小厚さhmi
    nが次の式で与えられる光スイッチング素子。ただし、
    前記抽出部の屈折率をn2とする。 hmin=L・tan((sin-1(1/n2))/2)
  9. 【請求項9】 請求項4において、前記反射面は、前記
    抽出面で抽出され、前記屈折層により屈折されたエバネ
    セント光を前記抽出面に対し垂直に反射し、その抽出面
    の最大開口率Rmaxが以下の条件を満たす光スイッチ
    ング素子。ただし、前記光ガイドの屈折率をn1とす
    る。 Rmax>1−2sin2((sin-1(1/n1))/2)
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記最大開口率R
    maxが以下の式で与えられる光スイッチング素子。た
    だし、前記抽出部の屈折率をn2とする。 Rmax=1−2sin2((sin-1(1/n2))/2)
  11. 【請求項11】 請求項5において、前記反射面は、前
    記抽出面で抽出され、前記屈折層により屈折されたエバ
    ネセント光を前記抽出面に対し垂直に反射し、その光の
    利用効率が100%になる入射角θeが60度より大き
    い光スイッチング素子。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記入射角θe
    が以下の式で与えられる光スイッチング素子。ただし、
    前記光ガイドの屈折率をn1、前記抽出部の屈折率がn
    2である。 θe=sin-1(n2/n1/2/√3)
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の光スイッチング素子
    を複数有し、それらの光スイッチング素子が2次元に配
    列されている光スイッチングデバイス。
  14. 【請求項14】 光を全反射して伝達可能な全反射面を
    備えた光ガイドと、 前記全反射面に抽出面が接し、当該全反射面から漏出す
    るエバネセント光を抽出可能な第1の位置、および前記
    抽出面が離れてエバネセント光を抽出しない第2の位置
    に移動し、前記第1の位置で抽出したエバネセント光を
    前記全反射面の方向に戻す抽出部を備えた光学素子が2
    次元に配置された光学素子層と、 これらの光学素子をそれぞれ駆動するアクチュエータが
    2次元に配置されたアクチュエータ層とを有する光スイ
    ッチングデバイスであって、 前記抽出部は、前記光ガイドの屈折率と異なる屈折率の
    屈折層を備えている光スイッチングデバイス。
  15. 【請求項15】 請求項14において、前記抽出部は屈
    折率が前記光ガイドと同じ層と、前記屈折層とを備えて
    いる光スイッチングデバイス。
  16. 【請求項16】 請求項14において、前記光ガイドの
    屈折率に対し前記屈折層の屈折率が高い光スイッチング
    デバイス。
  17. 【請求項17】 請求項16において、前記抽出部は、
    抽出したエバネセント光を全反射面の方向に反射するよ
    うに片傾斜した反射面を備えている光スイッチングデバ
    イス。
  18. 【請求項18】 請求項16において、前記抽出部は、
    抽出したエバネセント光を全反射面の方向に反射するよ
    うにV字型に傾斜した反射面を備えている光スイッチン
    グデバイス。
  19. 【請求項19】 請求項17または18において、前記
    反射面は、前記抽出面で抽出され、前記屈折層により屈
    折されたエバネセント光を前記抽出面に対し垂直に反射
    する光スイッチングデバイス。
  20. 【請求項20】 請求項19において、前記抽出部の最
    小厚さhminが次の条件を満たす光スイッチングデバ
    イス。ただし、前記光ガイドの屈折率をn1、前記反射
    面の傾斜した面を垂直に投影した長さをLとする。 hmin<L・tan((sin-1(1/n1))/2)
  21. 【請求項21】 請求項20において、前記最小厚さh
    minが次の式で与えられる光スイッチングデバイス。
    ただし、前記抽出部の屈折率をn2とする。 hmin=L・tan((sin-1(1/n2))/2)
  22. 【請求項22】 請求項17において、前記反射面は、
    前記抽出面で抽出され、前記屈折層により屈折されたエ
    バネセント光を前記抽出面に対し垂直に反射し、その抽
    出面の最大開口率Rmaxが以下の条件を満たす光スイ
    ッチングデバイス。ただし、前記光ガイドの屈折率をn
    1とする。 Rmax>1−2sin2((sin-1(1/n1))/2)
  23. 【請求項23】 請求項22において、前記最大開口率
    Rmaxが以下の式で与えられる光スイッチングデバイ
    ス。ただし、前記抽出部の屈折率をn2とする。 Rmax=1−2sin2((sin-1(1/n2))/2)
  24. 【請求項24】 請求項18において、前記反射面は、
    前記抽出面で抽出され、前記屈折層により屈折されたエ
    バネセント光を前記抽出面に対し垂直に反射し、その光
    の利用効率が100%になる入射角θeが60度より大
    きい光スイッチングデバイス。
  25. 【請求項25】 請求項24において、前記入射角θe
    が以下の式で与えられる光スイッチングデバイス。ただ
    し、前記光ガイドの屈折率をn1、前記抽出部の屈折率
    がn2である。 θe=sin-1(n2/n1/2/√3)
  26. 【請求項26】 請求項17または18において、前記
    アクチュエータは、静電駆動式である光スイッチングデ
    バイス。
  27. 【請求項27】 請求項17または18に記載の光スイ
    ッチングデバイスと、前記光ガイドに対し画像表示用の
    光を入力する手段とを有する画像表示装置。
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