JP2002327872A - 樹脂組成物とそれを被覆した流体輸送管および被覆方法 - Google Patents

樹脂組成物とそれを被覆した流体輸送管および被覆方法

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充志 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オレフィン系樹脂をベースとしたノンハロゲン
難燃組成物を、素管上に薄肉に被覆したフレキシブル管
であって、難燃性で、外観も良好であり、好ましくは、
断面が同心円状ではなく、内面に凹凸のある被覆を設
け、これにより素管と被覆との間に長さ方向に連続した
ギャップを設けて、素管と被覆との間に通気性をもた
せ、この通気性を用いて、施工後の管に対し被覆の気密
試験を行うことが容易なフレキシブル管を得る。 【解決手段】 200〜400℃の範囲で吸熱反応を
示す周期律表第II族またはIII族に属する金属の水
酸化物40〜300重量部を含有するポリオレフィン樹
脂組成物を被覆したことを特徴とするフレキシブル管で
あって、好ましくは、前記の金属の水酸化物のX線回折
による(001)/(101)ピーク強度比として表される
配向度が15〜40の範囲になるように、前記の樹脂組
成物を素管上に被覆したことを特徴とするフレキシブル
管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノンハロゲン難燃
性組成物を被覆した流体輸送管およびその被覆材料、お
よびその被覆の製造方法に関するものである。流体輸送
管とは、水や油等の液体、各種ガス等の気体を輸送する
際に使用する管であって、本発明は、外部被覆を有する
構造を採る流体輸送管に関するものである。かかる流体
輸送管が利用される顕著な例は、燃料ガスを輸送するフ
レキシブル管である。フレキシブル管は、金属コルゲー
ト管に樹脂被覆を施したことを特徴とする。以下、この
フレキシブル管について記述を行う。
【0002】
【従来の技術】フレキシブル管の被覆材料としては、ポ
リ塩化ビニル(PVC)が広く使用されてきた。しか
し、最近、環境問題対策の面から、燃焼させても塩化水
素ガスなどの有害ガスが発生しないノンハロゲン樹脂組
成物が検討されるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】フレキシブル管などの
流体輸送管は、施工性を高めるために、曲げやすく、且
つ、端末の被覆の剥ぎやすさが必要とされる。そのた
め、被覆厚を薄くする必要があり、通常、0.5〜1.0
mmの厚みに制御される。しかし、オレフィン系樹脂をベ
ースとしたノンハロゲン難燃組成物の場合、このように
薄肉に被覆しても外観良好で、十分な難燃性があり、且
つ、薄肉被覆の機械的特性の均一性を保たせるに足る樹
脂組成物に関する技術は確立されていない。さらに、オ
レフィン系樹脂組成物は、PVCに比べて摩耗性が劣
り、配管施工時にコンクリート等に擦れた場合に被覆の
破れ等の損傷が生じやすいと言われていて、薄肉被覆を
行うフレキシブル管の被覆では、薄肉でありながら施工
時の外傷に耐えうる特性が要求される。また、フレキシ
ブル管をある程度使用した後、例えば素管をリサイクル
するにあたり、被覆と素管を分別しなくてはならない
が、通常、カッターナイフ等の工具を用いて手間をかけ
て分別処理をしている。分別が手間であるため最終処分
場にて埋め立て処理されることもある。従って、被覆を
剥ぎ取りやすくすることも求められている。
【0004】ところで、家屋等の壁や床の施工時に誤っ
て釘がフレキシブル管に打たれる可能性があり、フレキ
シブル管の被覆は、断面が同心円状ではなく、内面に凹
凸をつけ、素管と被覆との間に、長さ方向に連続したギ
ャップを設け、これにより通気性をもたせ、この通気性
を用いて、施工後の管に対し、被覆の気密試験を行うこ
とで釘打ち等による異常を発見できるように設計されて
いる。従来の被覆材料であるPVCは、前記のように断
面が同心円状ではなく、内面に凹凸のついた異型の形状
の押出加工も比較的やりやすかった。しかしながら、オ
レフィン系樹脂の場合、溶融し変形しやすい状態から、
冷却固化して変形しにくくなるまでに時間がかかるた
め、素管上に前記のように内面に凹凸をつけた被覆を施
す場合、素管表面が被覆の凸部を潰してしまうというこ
とが起き易い。その結果、被覆の凹凸は解消され、素管
と被覆との間のギャップがなくなり、通気性が確保でき
なくなる問題が生じやすい。 そうすると、この通気性
を用いて行うべき被覆の気密試験に支障をきたすことに
なる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、薄肉被覆にお
いて十分な難燃性と、押出等による被覆加工性が良好な
オレフィン系樹脂をベースとしたノンハロゲン難燃組成
物を、素管上に被覆したフレキシブル管であって、好ま
しくは、配管施工時に被覆の破れ等が起きにくく、か
つ、剥ぎ取りやすいこと、また、より好ましくは、断面
が同心円状ではなく、内面に凹凸のある被覆を設け、こ
れにより素管と被覆との間に長さ方向に連続したギャッ
プを設けて、素管と被覆との間に通気性をもたせ、この
通気性を用いて、施工後の管に対し被覆の気密試験を行
うことが容易なフレキシブル管を得ることを目的とする
ものである。
【0006】配管施工時に被覆の破れ等が起きにくい具
体的基準として、素管の被覆について、JIS K 72
04(摩耗輪によるプラスチックの磨耗試験)に定めら
れた方法で、#150番の研磨材を使用し、設定荷重1
000g、回転数60rpmの条件下でテーバー式摩耗試
験を行い、摩耗輪を1000回回転させたときの摩耗質
量が250mg以下となることを特徴とする。また、剥ぎ
取りやすいことの基準としては、切り込みを入れた被覆
を管軸方向に引っ張ったとき、被覆が裂ける力が3N以
上50N以下であることを特徴とする。
【0007】そして、これらの基準を達成するために、
200〜400℃の範囲で吸熱反応を示す周期律表第I
I族またはIII族に属する金属の水酸化物、特に水酸
化マグネシウム、または水酸化アルミニウムを、ポリオ
レフィン樹脂100重量部に対して40〜300重量部
添加したノンハロゲン難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
を、X線回折による(001)/(101)ピーク強度比と
して表される配向度が15〜40の範囲になるように、
素管上に被覆したことを特徴とする。
【0008】ポリオレフィンをベースとした樹脂組成物
は、一般に軟質PVCに比べ耐摩耗性に劣ると言われて
いる。しかし、これまで、ノンハロゲン難燃樹脂組成物
をフレキシブル管等の流体輸送管上に薄肉に被覆を施し
た場合に於いて、被覆材料の摩耗性と配管施工時の外傷
性との相関に関する議論は成されていない。本発明者ら
は、本件につき鋭意検討を繰り返した結果、施工時に特
に多いコンクリートの角面に擦れた際の被覆破れと、下
記に示した磨耗輪による摩耗試験(テーバー摩耗試験)
での摩耗質量との間に有意な相関があり、下記の摩耗試
験で、摩耗質量が250mg以下になるようにすること
で、コンクリート角面での擦れに際し、被覆が破れるこ
とがなくなることを見出した。 (テーバ摩耗試験)JIS K 7204-1995(摩耗輪によるプ
ラスティックの摩耗試験)に定められた方法に準拠し、
フレキシブル管に被覆した被覆材料を切り出して、直径
約120mmの円板状形状とし、回転円板に取り付け、#1
50の研磨材粒度を有する摩耗輪を使用し、設定荷重10
00g、回転速度60rpm、連続1000回の回転を与えた際の
摩耗質量変化を計測する。
【0009】従来からフレキシブル管に使用されている
PVC被覆には、被覆の断裂強度の異方性がなく、被覆
に切り込みを入れて管軸方向に引っ張った場合に被覆が
破断してしまうため、容易に被覆を剥離分別することが
できないが、本発明では、配向度を制御することによ
り、被覆の断裂強度に異方性を持たせることで、通常の
使用状態で印加される力では断裂せず、通常加わること
のない特定方向に加えられた力により、選択的に断裂さ
せることができる。この特徴を使うことにより、被覆を
剥離し、分別する作業を容易に実施することができる。
縦裂け性をフレキシブル管の被覆に付加することで、被
覆と素管の分別が容易となり、素管のリサイクル率が向
上し、産廃量の削減やコストの削減が可能となる。縦裂
け性の好適な範囲は次の通りである。フレキシブル管の
長さ方向に平行に2本の切り込みを被覆に入れて被覆を
折り返すようにして掴み、被覆を管軸の切り込みを入れ
ていない方向に引っ張ったとき、被覆が裂ける力が3N
未満であれば、通常の使用状態で印加される長さ方向の
引張力、圧縮力に対して被覆が破れてしまうおそれがあ
り、好ましくない。一方、50Nを超えると切り込みを
引っ張って被覆を剥ぐことが困難であり、皮剥ぎの作業
性が悪い。従って、3N〜50Nの範囲が望ましい。よ
り望ましくは、例えばコンクリート角やコンジット管に
擦れたとき破れる恐れがなく、分別のための皮剥ぎの作
業が容易となる10N〜30Nの範囲が求められる。更
に望ましくは、被覆の断裂強度を保持しつつより分別が
容易となる10N〜20Nの範囲が適している。
【0010】流体輸送管の素管上に被覆を行った際の、
被覆の凹凸の潰れ難さと、被覆材料の諸特性との相関を
検討した結果、被覆の凹凸の潰れ難さの程度と、被覆材
料の配向性とが非常に良く相関することがわかった。こ
こで言う被覆材料の配向度とは、X線回折による(00
1)ピーク強度と(101)ピーク強度の比[(00
1)/(101)]により表されるもので、この値が高
いほど配向度は高い。そして配向度が高いほど被覆の凹
凸が潰れにくいが、これは、配向組織の形成により、オ
レフィン系ポリマーの結晶成長が促された結果、冷却に
よる固化速度が増したためと考察される。上記の配向度
と被覆の凹凸の潰れとの相関をさらに検討した結果、
[(001)/(101)]ピーク強度比(配向度)の
値が15未満では、被覆の凹凸の潰れが認められた。配
向度の値が15未満では配向組織の形成が不十分で、固
化に時間がかかるためと考えられる。一方、配向度が高
くなるにつれて、凹凸の形状維持には有利になるもの
の、配向度が高くなりすぎると被覆が脆くなり、特に低
温での衝撃などによる割れが生じやすくなることがわか
った。この特性を明確化するために、―15℃での被覆
の割れやすさ(縦裂けしやすさ)を評価したところ、配
向度の値が40を越えると割れやすくなることがわかっ
た。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に於いてポリオレフィン樹
脂としては、エチレンの単独重合体、エチレンとα−オ
レフィンとの共重合体(LLDPE)、エチレンと酢酸
ビニルとの共重合体(EVA)又は、エチレンとアクリ
ル酸エチルとの共重合体(EEA)、エチレンとアクリ
ル酸メチルとの共重合体(EMA)等のエチレンとアク
リル酸エステルとの共重合体、エチレンとプロピレンと
の共重合体およびプロピレンの単独重合体とエチレンと
プロピレンとの共重合体とのブロック重合体等が使用で
きる。
【0012】添加する粉体を安定に材料系中に保持させ
るため、ポリマー系中にポリマーの主鎖と結合した極性
基を存在させることが有効で、特に、ポリマーの主鎖と
結合したアセトキシ基、アルコキシカルボニル基の少な
くとも1種類の含有比率が、全樹脂組成分の1.5〜1
2wt%の範囲であることが効果的である。ここで言うポ
リマーの主鎖と結合したアセトキシ基、アルコキシカル
ボニル基としては、次のようなものが挙げられる。 ポリマーの主鎖と結合したアセトキシ基: −CH−CH(OCOCH)− ポリマーの主鎖と結合したメトキシカルボニル基: −CH−CH(COOCH)− ポリマーの主鎖と結合したエトキシカルボニル基: −CH−CH(COOC)− ポリマーの主鎖と結合したアセトキシ基、アルコキシカ
ルボニル基の共存のさせ方は一様ではないが、簡便に
は、アセトキシ基の場合、エチレンと酢酸ビニルとの共
重合体を、アルコキシカルボニル基の場合、エチレンと
アクリル酸エチルまたはアクリル酸メチル等のアクリル
酸エステルとの共重合体をベースポリマーにブレンドす
ることで実現される。
【0013】なお、ポリマーの主鎖と結合したアセトキ
シ基、アルコキシカルボニル基の全樹脂成分中の含有比
率は、下記に示した赤外吸収スペクトル分析により同定
することができる。 (赤外吸収スペクトル分析)(1)赤外吸収スペクトルの測定条件 装置 :Nicolet Magna 560 治具 :1回反射ATRアクセサリ「Durascope(ダイヤモンド)」(Sen s IR社) 積算回数 :16回 分解能 :4 cm-1 入射角度 :45°(2)ポリマーの主鎖と結合したアセトキシ基、アルコ
キシカルボニル基の定量 ポリマーの主鎖と結合したアセトキシ基、アルコキシカ
ルボニル基の定量は、ポリマーの主鎖と結合したアセト
キシ基、アルコキシカルボニル基の含有量が既知の標準
サンプルを用いて検量線をあらかじめ作成し、これを用
いて所望サンプルでの含有量をもとめる。検量線の作成 標準サンプルとして、定量するべき極性基を有し、且つ
その極性基の含有量が既知のポリマーを標準ポリマーと
して用いる。アセトキシ基の場合はエチレンと酢酸ビニ
ルとの共重合体(EVA)を、アルコキシカルボニル基
の場合は、エチレンとアクリル酸メチルとの共重合体
(EMA)、エチレンとアクリル酸エチルとの共重合体
(EEA)等を標準ポリマーとして用いるのが簡便であ
る。これらは、エチレンに対するコモノマーの含有量が
既知のサンプルの入手が容易である。コモノマー含有量
の異なる2種以上の標準ポリマーの赤外吸収スペクトル
分析を行い、メチレン基のC−H伸縮振動に由来する2
900cm−1 付近のピークを基準ピークとし、この
基準ピーク強度に対するアセトキシ基、アルコキシカル
ボニル基の特性吸収ピークの相対強度を算出し、検量線
を作成する。アセトキシ基、アルコキシカルボニル基の
特性吸収ピークとは、1730〜1740cm−1
近のエステル結合のC=O伸縮振動に由来するピークを
指す。また、ピーク強度は、ピークとベースラインとで
囲まれた部分の面積を用いてあらわすものとする。
【0014】ところで、所望の配向度を得るためには、
樹脂組成物中に、130℃〜180℃の範囲に融点を持
つポリエチレン及びポリプロピレン等の高結晶成分をブ
レンドし、高結晶成分が全樹脂成分に対し、3.5〜3
0wt%の範囲で含まれることが有効である。ここで、1
30℃〜180℃の範囲に融点を持つポリエチレンとし
ては、DSCによる融点がこの温度範囲にある、高密度
ポリエチレン(HDPE)等のエチレンとαオレフィン
の共重合体が適用できる。また、130℃〜180℃の
範囲に融点を持つポリプロピレンとしては、被覆の柔軟
性、低温での耐衝撃性を考慮すると、プロピレンの単独
重合体(ホモポリマー)とエチレンとプロピレンとの共
重合体とのブロック重合体の使用が好ましい。そして、
プロピレンホモポリマーから成るハードセグメントの存
在比が50〜70wt%、エチレンとプロピレンとの共重
合体から成るソフトセグメントの存在比が30〜50wt
%の範囲にあるものが特に好ましい。
【0015】以上のことから、上記ポリエチレン及びポ
リプロピレン等の高結晶成分の全樹脂成分中に含まれる
成分比が3.5〜30wt%の範囲にあり、且つ、ポリマ
ーの主鎖と結合したアセトキシ基、エトキシカルボニル
基、メトキシカルボニル基の少なくとも1種類の全樹脂
成分中の含有比率が、1.5〜12wt%の範囲にある樹
脂組成物が、本発明の樹脂組成物として特に有効であ
る。
【0016】特に有効な前記の樹脂組成物を形成するた
めの簡便法の例を挙げると次の通りである。まず、例え
ば、低密度ポリエチレンに、130℃〜180℃の範囲
に融点を持つポリエチレン又はポリプロピレンを3.5
〜30wt%添加する。エチレンとプロピレンとの共重合
体とのブロック重合体を使用する場合は、プロピレンホ
モポリマーから成るハードセグメントの存在比をもと
に、高結晶成分が上記の3.5〜30wt%の範囲となる
よう調製する。例えば、ハードセグメントの存在比(含
有量)が65wt%(ソフトセグメント含有量:35wt
%)のブロック重合体の場合、全樹脂成分中で5.5〜
45wt%の範囲になるようにして添加してやればよい。
次に、ポリマーの主鎖と結合したアセトキシ基、エトキ
シカルボニル基、メトキシカルボニル基の供給源とし
て、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体(EVA)、エ
チレンとアクリル酸エチルとの共重合体(EEA)、エ
チレンとアクリル酸メチルとの共重合体(EMA)を用
いる場合、エチレンに対する極性コモノマーの含有率が
5.0〜35%のポリマーをブレンドする。エチレンに
対する極性コモノマーの含有率が35%以上のものは、
130℃〜180℃の範囲に融点を持つポリエチレン及
びポリプロピレンに対し混ざりにくくなる傾向があり、
樹脂組成物を形成しづらくなるので好ましくない。すな
わち、エチレンに対する極性コモノマーの含有率が5.
0〜35wt%の範囲にあるEVA、EEA、EMA等
を、EVAの主鎖と結合したアセトキシ基、EEAの主
鎖と結合したエトキシカルボニル基、EMAの主鎖と結
合したメトキシカルボニル基の少なくとも1種類の含有
比率が、全樹脂成分の1.5〜12wt%の範囲になるよ
う添加、ブレンドする。例えば、コモノマー含有率が2
5wt%のEVAを使用する場合、全樹脂成分に6〜48
wt%の範囲で添加してやればよい。
【0017】すなわち、特に有効な前記の樹脂組成物
は、ポリオレフィン樹脂組成物中に於いて、130℃〜
180℃の範囲に融点を持つポリエチレン又はポリプロ
ピレンと、エチレンに対する極性コモノマーの含有率が
5.0〜35wt%の範囲にあるEVA、EEA、EMA
の2種類がいわば必要成分であるが、これらが上記の成
分比を満足する形で存在していれば、必要成分以外の第
三成分を共存させることも可能である。例えば、各種ス
チレン系の熱可塑性エラストマー等、オレフィン成分と
相溶性の高いポリマー成分等を共存させてもよい。
【0018】本発明に於いて、200〜400℃の範囲
で吸熱反応を示す周期律表第II族またはIII族に属
する金属の水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム等が挙げられる。吸熱反応が200℃
以下で起こると、被覆加工の際に結晶水放出による吸熱
反応が進行し、水分のガス化により発泡現象を生じる結
果、被覆の凹凸形状が形成されにくくなり好ましくな
い。また、吸熱反応が400℃より高い温度で起こるも
のでは、フレキシブル管等の流体輸送管被覆の難燃化に
不適当である。特に水酸化マグネシウムとしては、海水
を出発原料として合成されるもの或いは天然鉱物の粉砕
により得られるものが何れも使用できるが、粉体粒子と
して異方性を有するものの方が有利であり、この点で生
産時に異方性を付与される天然鉱物の粉砕物が好まし
い。平均粒子径は1.0〜8.5μmの範囲にあるものが
使用でき、あらかじめ種々の脂肪酸塩やシランカップリ
ング剤等の表面処理剤により処理されていても、されて
いなくても、どちらも使用可能である。平均粒子径が
1.0μmより小さいと、2次粒子の形成によると考えら
れる粉体の分散不良が生じ、配向組織の形成が十分に行
われにくくなる。一方、8.5μmより大きいとポリマー
分子の流動状態を阻害するためか、やはり配向組織の形
成を不十分にする傾向があり、また同時に耐摩耗性の低
下が生じることで被覆が破れやすくなり好ましくない。
水酸化マグネシウムの添加量は40〜300重量部のも
のが好ましい。40重量部より少なければ難燃性発現効
果が不十分となり、300重量部より多ければ被覆の機
械的特性、加工性等を損なうこととなり、耐摩耗性の低
下と被覆の破れ易さを助長し好ましくない。
【0019】本発明に於いて、水酸化マグネシウム40
〜300重量部を含有するポリオレフィン樹脂組成物に
は、所望により、炭酸カルシウム、タルク等の他の充填
剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の樹脂劣化防止剤、着
色剤、カーボン、架橋剤、滑性付与剤、軟化剤等を添加
することもできる。また、樹脂組成物の混合は、オープ
ンロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、二軸押
出機等により行うことができる。
【0020】本発明に於いて、フレキシブル管の被覆
は、パイプ、チューブ等の製造が可能な設備で行うこと
ができ、一般的には単軸押出機を使用することが好まし
い。押出機に用いるスクリューの形状(デザイン)は特に
規定するものではなく、一般的なフルフライトタイプス
クリューの他、バリアタイプのスクリューが使用可能で
ある。
【0021】本発明に於いて、被覆の際に用いる、ダイ
および口金について図を用いて説明する。被覆の際に用
いる、ダイおよび口金の一例の模式図を図1に示す。樹
脂組成物はダイと口金の間を流動し素管の上に被覆され
る。図1の例ではランド部が平行に配置されるデザイン
のものを示しているが、本発明においては、特に平行で
ある必要はなく、テーパーが掛けられた状態のものでも
同様に使用可能である。口金のランド部の先端には、図
に示したように、断面に山形の凹凸を施す。図2は、図
1の口金ランド部先端の断面図である。この例では、三
角形状の山形凹凸をつけたものを例示している。本発明
の所望の配向度を得るためには、この形状に拘る必要は
なく、矩形状、楕円状の凹凸でもよい。また山数も特に
規定するものではない。検討の結果、口金ランド部外周
長と口金ランド部外周の谷部を結んで得られる円周長と
の比が、1.60〜5.25の間の口金を使用すること
で、所望の配向度が得られ易いことが解った。1.60
より低いと、樹脂流動の際に生じる剪断が不十分とな
り、十分に組織配向が形成されない。一方、5.25よ
り高いと、逆に配向組織の形成が著しくなり、被覆が管
軸方向と平行に裂ける縦裂け性が過度となり、被覆に適
しなくなり易い。なお、樹脂組成物の流動速度などは、
特に規定する必要はなく、通常の押出被覆加工で実施さ
れている範囲で任意に採用し得る。
【0022】以上に述べた通り、200〜400℃の範
囲で吸熱反応を示す周期律表第II族またはIII族に
属する金属の水酸化物、好ましくは水酸化マグネシウ
ム、より好ましくは天然鉱石を粉砕したことにより得ら
れる水酸化マグネシウムを40〜300重量部含有する
ポリオレフィン樹脂組成物であり、ポリエチレン及びポ
リプロピレン等の高結晶成分の全樹脂成分中に含まれる
成分比が3.5〜30wt%の範囲にあり、且つ、ポリマ
ーの主鎖と結合したアセトキシ基、エトキシカルボニル
基、メトキシカルボニル基の少なくとも1種類の全樹脂
成分中の含有比率が、1.5〜12wt%の範囲にある樹
脂組成物、好ましくは、樹脂組成物中にHDPE等のポ
リエチレンまたはプロピレンの単独重合体とエチレンと
プロピレンとの共重合体とのブロック重合体とを共存さ
せ、130℃〜180℃の範囲に融点を持つポリエチレ
ン及びポリプロピレン等の高結晶成分が全樹脂成分に対
し3.5〜30wt%の範囲で含まれ、且つ、EVA、E
MA、EEA等の樹脂を共存させることで酢酸ビニルに
由来するアセトキシ基、アクリル酸エチルに由来するエ
トキシカルボニル基またはアクリル酸メチルに由来する
メトキシカルボニル基等の少なくとも1種類の含有比率
が全樹脂成分に対し、1.5〜12wt%の範囲になるよ
うに構成したものを素管上に被覆すること、あるいは、
被覆加工の際に用いる口金として、口金のランド部先端
の総外周長が、口金ランド部外周の谷部を結んで得られ
る円周長の1.60〜5.25倍である口金を使用するこ
とにより、 X線回折による(001)/(101)ピーク
強度比として表される配向度が15〜40の範囲にある
ように、ポリオレフィン樹脂組成物を素管上に被覆する
ことができ、その結果、被覆の断面を、同心円状ではな
く、内面に凹凸をつけたものとし、素管と被覆との間
に、長さ方向に連続したギャップを設け、これにより通
気性をもたせ、この通気性を用いて、施工後の管に対
し、被覆の気密試験を行うことが容易なフレキシブル管
が得られる。
【0023】
【実施例】( 実施例1〜11 および 比較例1〜2)
表1、表2上方に示した配合内容で樹脂組成物を製造
し、外径18.4mm、内径15.0mm、ピッチ(ピッチ=
10山)38.0mm、山高さ1.50mmの素管に、被覆内
側の山数を30山とし、被覆管外径が約19.9mmとな
るよう、押出機により被覆を施し、押出後の被覆外観を
チェックするとともに、被覆管の難燃性を下記の方法で
テストした。 (難燃性評価)被覆管の被覆面が還元炎の下端から10
mm離れた位置になるように被覆管を5秒間、炎の中に入
れた後取り出して、30秒以上炎を出して燃え続けない
ことを確認することで行った。このとき、加熱用バーナ
ーはブンゼンバーナーを用い、炎口内径φ10mm、ノズ
ル口径φ0.3mm、使用ガスは、JIS K2240
「液化石油ガス」の1種2号または、1種1号ガスを完
全燃焼させ、炎の長さは約40mmとした。なお、被覆
は、シリンダー径90φ、L/D=24、フルフライト
スクリューの押出機を用いて行い、ヘッド、ダイ部の温
度設定を200℃、スクリュー回転数16rpmで実施し
た。また、EVAは、コモノマー含量25wt%のEVA
(密度;0.95,メルトインデックス;3.0)を、LL
DPEは、密度;0.920,メルトインデックス;1.
0,DSC法による融点(融解温度);117℃の直鎖
状低密度ポリエチレン(オクテンコモノマー)を、水酸化
マグネシウムは、天然ブルーサイトを原料とする粉砕品
(平均粒子径;3.7μm)を用いた。そのほか、コモノマ
ー含量25wt%のEEA(密度;0.940,メルトイン
デックス;0.5)、コモノマー含量23.5wt%のEM
A(密度;0.939,メルトインデックス;1.0)およ
びブロックPPとして、密度0.880、ソフトセグメ
ント含有量;35wt%、230℃でのメルトインデック
ス;0.8,DSC法による融点;165℃であるもの
を用いた。
【0024】引き続き、コンクリート角に対する被覆の
外傷性の代用特性として、前記の被覆材料の摩耗輪によ
る摩耗特性(テーバー摩耗試験)を、更に、被覆の配向
度、被覆管の縦裂け性、通気性を、それぞれ、以下に述
べる方法で調査した。そして、これらの調査結果を表
1、表2の下方に示した。 (被覆の配向度測定)広角測定法によるX線回折により
実施した。回析角2θを測定する時、X線の入射方向
は、被覆の管軸方向と角度θをなすようにして行うこと
とした。測定条件は次の通りである。 使用X線 Cu-Ka 励起条件 50kV 200mA スリット DS1゜RS 0.15mmSS1゜ 測角範囲 2θ=10゜〜80゜ 本発明において配向度とは、上記X線回折により測定し
た結果について、Mg(OH)2の(001)ピーク強度と
(101)ピーク強度との比[(001)/(101)]を指
す。ピーク強度は、ピークトップの測定値を使用するこ
ととした。 (常温での縦裂け性評価)万能試験機で引張試験を行い
被覆が裂けるときのピーク値を測定した。引っ張る方法
としては、図4に示したように、被覆管の長さ方向に平
行に間隔5mmで、2本の切り込みを被覆に入れ、2本の切
り込みに挟まれた部分の被覆を折り返すようにして掴
み、これを切り込みの入っていない方向に向けて引っ張
るものとした。 (低温(−15℃)での縦裂け性の評価)被覆管より、
管の長さ方向と平行に長さ20mm、これと垂直に幅30
mmの長方形のサンプルを採取し、−15℃に保持した低
温恒温槽中に10分間保持した後、被覆の内側の面が外
を向くように、サンプルの長さ方向と平行に中心線から
折り返し、サンプルに裂け目が生じるか否かで判断し
た。僅かでも裂け目の生じるものは不良とした。 (通気性試験)図5に示すように全長が10m以上の被
覆管をバッファータンクに接続し、内容積が10リットル
以上になるように設定した。被覆管のバッファータンク
側は被覆を取り除きテープ等にて被覆と原管をシール
し、もう一方は端末キャップをはめ込んだ。(端末キャ
ップは被覆とは密着しているが、管と被覆との空隙はシ
ールされない。)配管全体の気密が3kPa以上で保持さ
れていることを確認した後、被覆管の端末キャップから
10mの位置で、被覆管はくりカッターにて、被覆を約
1cmの幅で切断、はくりし、配管全体の内圧が3kPaにな
った時点で1分間の圧力降下量を測定した。管と被覆と
の間に所定の空隙が確保されていて、通気性が良好なも
のほど圧力降下量(kPa)が大きい。通気性の判定
は、少しずつでも圧力降下があれば、時間をかけること
で判定可能であるが、判定に要する時間が長くかかるの
は好ましくなく、実用上、1分間の圧力降下量が、0.
15kPa以上あることが好ましい。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】比較例1では難燃性も低く、比較例1の水
酸化マグネシウム添加量では、フレキシブル管の薄肉被
覆で十分な難燃性を発現することができなかった。ま
た、水酸化マグネシウム添加量が多い比較例2は、押出
外観が不良で、さらに、摩耗質量も大きく、コンクリー
ト角面に対する外傷性が不良となり、配向度も高く、低
温での縦裂け性が高くなりすぎる傾向があった。このこ
とから、フレキシブル管の薄肉被覆の押出加工では、水
酸化マグネシウム粉体の添加量が300重量部を越える
と外観不良、外傷性不良、縦裂け性の不良等が顕著に生
じるようになることがわかった。これに対して実施例で
は、いずれも、押し出し外観、難燃性が共に良好なフレ
キシブル管が得られた。
【0028】ところで、表1、表2の下方に示した通
り、EVA、または、ブロックPPを単独でポリエチレン
とブレンドした系(実施例1、2)では、配向度が10〜
13と低く、配向組織の形成が十分でなかった。一方、
実施例3〜11および比較例2のように、EVAとブロ
ックPPの両方をポリエチレンにブレンドし、水酸化マ
グネシウムを40重量部以上添加した配合は、配向度が
15〜48と高く、配向組織の形成が良好であった。但
し、EVAとブロックPPの両方をポリエチレンにブレ
ンドした配合でも、水酸化マグネシウムを添加量が35
重量部と少ない配合(比較例1)は、配向度が12と低
く、配向組織の形成が十分でなかった。配向度の低い実
施例1、2および比較例1では、被覆の凸部が潰れ易
く、管と被覆の間の空隙の確保が充分ではなく、通気性
が不充分となった。また、配向が十分でないため、常温
での縦裂きに大きな力を必要とし、皮剥ぎ加工性も良い
とは言えなかった。 一方、EVA、ブロックPPが多
すぎる(実施例10、11)と、水酸化マグネシウムの添
加量が多すぎる配合(比較例2)では、配向度が高くな
りすぎ、少々の衝撃でも裂けやすくなる。この状態は低
温(−15℃)条件下でより顕著となり、フレキシブル管
の被覆としては不満が残る。特にEVAが多いもの(実
施例11)は、配向度が高い割に被覆の凸部が潰れ易
く、管と被覆の間の空隙の確保が充分でなく、通気性が
充分ではないという傾向があるうえ、摩耗質量も大き
く、コンクリート角に対する外傷性に不満が残った。こ
れらに対して、実施例3〜9は、通気性も良好であり、
常温での縦裂け性もほどほどで、皮剥ぎ性も良好で、低
温での縦裂け不良もなく、全て良好となることがわかっ
た。特に、実施例8、9は、EEA、EMAを使用した
ものであるが、これらでも同様に満足のいく被覆が得ら
れることが示された。
【0029】( 実施例12 〜15)押し出し加工に於
ける口金ランド部の形状の影響について次のようにして
調査した。表3上方に示した配合内容で樹脂組成物を製
造し、外径18.4mm、内径15.0mm、ピッチ(ピッチ
=10山)38.0mm、山高さ1.50mmの素管に、被覆
内側の山数を30〜90山とし、口金ランド部外周長と
内径円周長との比の異なる口金を用いて、被覆管外径が
約19.9mmとなるよう、押出機により被覆を施した。
フレキシブル管被覆は、シリンダー径90φ、L/D=
24、フルフライトスクリューの押出機を用いて行い、
ヘッド、ダイ部の温度設定を200℃、スクリュー回転
数16rpmで実施した。得られたフレキシブル管の被覆
の配向度、通気性、縦裂け性を調査し、表3の下方に示
した。
【0030】なお、表3上方に示した樹脂組成物には、
コモノマー含量25wt%のEVA(密度;0.95,メル
トインデックス;3.0)および密度;0.920,メル
トインデックス;1.0,DSC法による融点(融解温
度);117℃の直鎖状低密度ポリエチレン(オクテン
コモノマー)、天然ブルーサイトを原料とする粉砕品(平
均粒子径;3.7μm)の水酸化マグネシウムを用いた。
融点(融解温度)の測定は、ISO11357−3:9
8に準じてDSC(示差走査熱量測定)法にて行い、具
体的には、サンプル10mgをセットし、30℃からスタ
ート、320℃/分で昇温させ、190℃で5分間保持
した後、5℃/分で−10℃まで降温させ、−10℃に
て5分間保持した後、10℃/分で昇温させ測定を開始
する。測定時の到達温度は190℃、測定時に観測され
る融解ピークのうち最も高い温度のピークを融点(融解
温度)とした。
【0031】
【表3】
【0032】表3下方に示したとおり、口金ランド部外
周長と口金ランド部外周の谷部を結ぶ円周長との比が
1.24である実施例12は、配向度が低く、配向組織
の形成が不十分で、蛇腹管への被覆時に被覆の山形形状
が潰れやすく、フレキシブル管として通気性が不足であ
った。また、常温での縦裂けに大きな力が必要で、皮剥
ぎ加工性も充分満足とは言えなかった。また、口金ラン
ド部外周長と、口金ランド部外周の谷部を結んで得られ
る円周長との比が5.85である実施例15は、配向度
44と配向状態が良好で、通気性もよく、縦裂きも容易
であるが、過度に裂けやすいため、低温(−15℃)での
縦裂け性に問題があり、被覆として万全とは言えなかっ
た。これらに対して、口金ランド部外周長と口金ランド
部外周の谷部を結ぶ円周長との比が、1.60〜5.25
の範囲の実施例13、14は、通気性も良好であり、縦
裂け性もほどほどで、皮剥ぎ性も良好で、低温での縦裂
け不良もなく、全て良好となることがわかった。
【0033】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明のフレキシ
ブル管は、難燃性で、外観も良好であり、また、被覆材
料がポリオレフィン系樹脂組成物なので、環境問題対策
としても、大変有効である。更に、好ましくは、外傷を
受け難く、低温での縦裂け不良もなく、縦裂け性もほど
ほどで、皮剥ぎ性も良好で、通気性も良好な、全て良好
なフレキシブル管が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に於いて、被覆の際に用いる、ダイおよ
び口金の一例の模式図。
【図2】本発明に於いて、被覆の際に用いる、口金の一
例のランド部先端の断面図。
【図3】本発明に於いて、図1、2の口金を用いたとき
の被覆の断面を示す。
【図4】常温での縦裂性の試験方法を示す模式図。
【図5】通気性の試験方法を示す模式図。
【符号の説明】
1 口金 2 ダイ 3 口金ランド部外周 4 口金谷部を結ぶ円周 5 コールゲート管 6 コールゲート管最外周 7 被覆 8 被覆内周 9 被覆管 10 端末キャップ 11 被覆のはくり部分 12 テープ巻きなど 13 フレキシフル管 14 継ぎ手 15 バファータンク 16 圧力計
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/22 C08K 3/22 C08L 23/00 C08L 23/00 // B29K 23:00 B29K 23:00 105:16 105:16 B29L 23:00 B29L 23:00 (72)発明者 日浦 孝久 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 井上 正人 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 大西 久男 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)発明者 木村 充志 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)発明者 鉈橋 則秀 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA01 BA34 CA47 CA52 CB02 CB29 DA26 DB03 DB05 DB08 DB11 4F100 AA17B AA18 AK03B AK07 AK63 AK68 AL05B AT00A BA02 BA07 DD31 EH17 GB90 JD02 JJ05B JJ07 JK17 YY00B 4F207 AA07 AA11 AB05 AB11 AD12 AG03 AG08 AH43 KA01 KA17 KB11 KL63 4J002 BB031 BB032 BB051 BB052 BB061 BB071 BB122 BB151 BP021 DE076 DE146 FA086 FD136 GL00 GT00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体輸送管の素管上に押出被覆すること
    を特徴とし、200〜400℃の範囲で吸熱反応を示す
    周期律表第II族またはIII族に属する金属の水酸化
    物を主成分とし、その平均粒子径が1.0〜8.5μmの
    範囲にある粉体を、ポリオレフィン樹脂100重量部に
    対して40〜300重量部含有することを特徴としたポ
    リオレフィン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物であり、且
    つ、流体輸送管の素管上に押出被覆した被覆材料に対
    し、#150番の研磨材を使用し、設定荷重1000
    g、回転数60rpmの条件下でテーバー式摩耗試験を行
    い、摩耗輪を1000回回転させたときの摩耗質量が2
    50mg以下となることを特徴としたポリオレフィン樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 流体輸送管の素管上に被覆した際、被覆
    を引っ張った力が3N以上50N以下で管軸方向に裂ける
    ことを特徴とする流体輸送管被覆用ポリオレフィン樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 流体輸送管の素管上に被覆した際、X線
    回折による(001)/(101)ピーク強度比として
    表される配向度が15〜40の範囲にあることを特徴と
    した流体輸送管被覆用ポリオレフィン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の樹脂組成物であり、且
    つ、請求項3記載の特徴を、又は、請求項4記載の配向
    度を有することを特徴とした流体輸送管被覆用ポリオレ
    フィン樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の樹脂組成物であり、且
    つ、請求項3記載の特徴を、又は請求項4記載の配向度
    を有することを特徴とした流体輸送管被覆用ポリオレフ
    ィン樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のポリオレフィン樹脂組成
    物として、130〜180℃の範囲に融点を持つ高結晶
    性成分比が全樹脂成分に対し3.5〜30wt%の範囲に
    あり、且つ、ポリマーの主鎖と結合したアセトキシ基、
    アルコキシカルボニル基の少なくとも1種類の含有比率
    が、全樹脂成分に対し1.5〜12wt%の範囲にあるこ
    とを特徴とする流体輸送管被覆用ポリオレフィン樹脂組
    成物。
  8. 【請求項8】 請求項2記載のポリオレフィン樹脂組成
    物として、130〜180℃の範囲に融点を持つ高結晶
    性成分比が全樹脂成分に対し3.5〜30wt%の範囲に
    あり、且つ、ポリマーの主鎖と結合したアセトキシ基、
    アルコキシカルボニル基の少なくとも1種類の含有比率
    が、全樹脂成分に対し1.5〜12wt%の範囲にあるこ
    とを特徴とする流体輸送管被覆用ポリオレフィン樹脂組
    成物。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の樹脂組成物であり、且
    つ、請求項3記載の特徴を、又は請求項4記載の配向度
    を有する流体輸送管被覆用ポリオレフィン樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の樹脂組成物であり、且
    つ、請求項3記載の特徴を、又は請求項4記載の配向度
    を有する流体輸送管被覆用ポリオレフィン樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれかに
    記載のポリオレフィン樹脂組成物を被覆した流体輸送管
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項10のいずれかに
    記載のポリオレフィン樹脂組成物を使用し、被覆加工の
    際に用いる口金として、口金のランド部の総外周長が、
    口金ランド外周の谷部を結んで得られる円周長の1.6
    0〜5.25倍である口金を使用することを特徴とする
    流体輸送管被覆材の被覆方法。
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