JP2002326444A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

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JP2002326444A
JP2002326444A JP2001135360A JP2001135360A JP2002326444A JP 2002326444 A JP2002326444 A JP 2002326444A JP 2001135360 A JP2001135360 A JP 2001135360A JP 2001135360 A JP2001135360 A JP 2001135360A JP 2002326444 A JP2002326444 A JP 2002326444A
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pigment
ink
resin emulsion
jet recording
ink jet
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JP2001135360A
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English (en)
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Kazuhide Kubota
和英 窪田
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐擦性及び耐スクラッチ性に優れた記録物を
得ることのできるインクジェット記録方法及びインクジ
ェット記録装置を提供する。 【解決手段】 インクジェット記録方法は、最低造膜温
度が室温以下である樹脂エマルジョンと顔料と水溶性有
機溶剤と水とを含む顔料インク組成物を、樹脂エマルジ
ョンのポリマー微粒子と顔料とを表面上に実質的に残留
させるが、顔料インク組成物の液体成分を実質的に吸収
する記録媒体の表面に吐出した後、吐出表面を室温以下
で押圧する。インクジェット記録装置は、顔料インク組
成物が吐出された記録媒体2の記録面を室温以下で押圧
する手段22,23を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方法及びインクジェット記録装置に関する。本発明に
よれば、例えば、インクジェット記録用専用紙への水性
顔料インク組成物による記録像の耐擦性及び耐スクラッ
チ性を向上させることができる。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、インク小滴
を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印
刷方法である。近年のインクジェット記録技術の革新的
な進歩により、これまで銀塩写真やオフセット印刷によ
ってのみ実現されてきた高精細印刷の分野にまでインク
ジェット記録方法が用いられるようになっている。それ
に伴い、銀塩写真やオフセット印刷の分野で用いられて
きた印画紙やアート紙等に匹敵する高光沢性を有するイ
ンクジェット記録媒体が開発されている。このような高
光沢インクジェット記録方法用記録媒体としては、紙や
フィルム等の基材上にシリカ等の多孔質顔料を含有する
インク受容層を設けたものが主流となっている。
【0003】また、前記高光沢インクジェット記録方法
用記録媒体に文字及び/又は画像を記録する際に用いら
れるインクとしては、水を主成分とし、これに色材、樹
脂エマルジョン及びその他の各種添加剤を含有させた水
系インクが一般的である。色材としては、染料又は顔料
を用いることができるが、耐光性、耐ガス性、耐水性、
及び耐湿性等の耐候性の点で顔料が優れているので、近
年その需要が高まってきており、顔料の特性を活かした
顔料インクの開発が進められている。また、記録媒体へ
の顔料の定着性を向上させるために樹脂エマルジョンを
含有する水系顔料インクが使用されている。
【0004】記録媒体として、前記のようなインク受容
層を有するインクジェット専用紙を用い、インクとし
て、前記のような樹脂エマルジョン含有水性顔料インク
組成物を用いるインクジェット記録方法においても、画
像品質への要求はますます高度化されてきている。例え
ば、前記のような専用紙における印刷画像の定着性に対
する要求も高くなり、高いレベルの耐擦性や耐スクラッ
チ性が求められるようになっている。すなわち、前記の
ような専用紙では、インク受容層が溶剤成分を吸収し、
顔料粒子や樹脂エマルジョンのポリマー微粒子を記録媒
体表面上に残留させる。記録媒体の表面上では、溶剤成
分が減少するのでポリマー微粒子の密度が上昇し、ポリ
マー微粒子による造膜反応が進行して膜が形成され、そ
の膜によって顔料が記録媒体表面に定着される。しかし
ながら、従来のインクジェット記録方法で得られる印刷
画像では、或る程度の定着性は得られるものの、耐擦性
や耐スクラッチ性の観点では不充分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記のよ
うな樹脂エマルジョン含有水性顔料インク組成物を用い
るインクジェット記録方法において、インクジェット記
録方法用インク組成物に求められている種々の特性(例
えば、吐出安定性、保存安定性、耐候性及び発色性)を
維持したままで、専用紙に対する耐擦性や耐スクラッチ
性を得る方法を鋭意研究したところ、インク組成物に含
有させる樹脂エマルジョンのポリマー微粒子及び顔料の
粒径や含有量を調整し、更に、記録媒体表面上へのイン
ク吐出後に押圧処理を実施することによって前記の課題
を解消することができることを見出した。
【0006】本発明は、こうした知見に基づくものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明によ
り、最低造膜温度が室温以下である樹脂エマルジョンと
顔料と水溶性有機溶剤と水とを含む顔料インク組成物
を、前記顔料インク組成物の前記樹脂エマルジョンのポ
リマー微粒子と前記顔料とを表面上に実質的に残留させ
るが、前記顔料インク組成物の液体成分を実質的に吸収
する記録媒体の表面に吐出した後、その吐出表面を室温
以下の条件下で押圧することを特徴とする、インクジェ
ット記録方法により解決することができる。
【0008】また、本発明は、顔料インク組成物が吐出
された記録媒体の記録面を室温以下の条件下で押圧する
手段を有することを特徴とする、インクジェット記録装
置にも関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において使用する顔料イン
ク組成物は、最低造膜温度(MFT)が室温以下である
樹脂エマルジョンと顔料と水溶性有機溶剤と水とを含む
限り特に限定されるものではなく、インクジェット記録
方法に従来から一般的に使用されている水性顔料インク
組成物をそのまま用いることができる。
【0010】前記顔料インク組成物に含有される樹脂エ
マルジョンは、最低造膜温度(MFT)が室温以下(例
えば、25℃以下、特には、20℃以下)である限り、
特に限定されるものではなく、インクジェット記録方法
用の水性顔料インク組成物に従来から一般的に使用され
ている樹脂エマルジョンをそのまま用いることができ
る。なお、本明細書において「最低造膜温度(MF
T)」は、JIS K 6800に従って測定される温
度を意味する。
【0011】本発明において使用する顔料インク組成物
に含有される顔料も、インクジェット記録方法に従来か
ら一般的に使用されている顔料であることができ、具体
的には、無機顔料及び/又は有機顔料を、それぞれ単独
又は複数種混合して用いることができる。前記無機顔料
としては、例えば、酸化チタン又は酸化鉄の他、コンタ
クト法、ファーネス法、又はサーマル法等の公知の方法
によって製造されたカーボンブラックを使用することが
できる。また、前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔
料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、又は
キレートアゾ顔料等)、多環式顔料(例えば、フタロシ
アニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキ
ノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオ
インジゴ顔料、イソインドリノン顔料、又はキノフラロ
ン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレ
ート、又は酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニト
ロソ顔料、又はアニリンブラック等を使用することがで
きる。
【0012】更に前記顔料の具体例を挙げれば、イエロ
ーインクの顔料として、好ましく使用できるものとして
は、例えば、C.I.Pigment Yellow
1、C.I.Pigment Yellow 2、C.
I.Pigment Yellow 3、C.I.Pi
gment Yellow 12、C.I.Pigme
nt Yellow 13、C.I.Pigment
Yellow 14、C.I.Pigment Yel
low 16、C.I.Pigment Yellow
17、C.I.Pigment Yellow 7
3、C.I.Pigment Yellow 74、
C.I.Pigment Yellow 75、C.
I.Pigment Yellow 83、C.I.P
igmentYellow 93、C.I.Pigme
nt Yellow 95、C.I.Pigment
Yellow 97、C.I.Pigment Yel
low98、C.I.Pigment Yellow
109、C.I.Pigment Yellow 11
0、C.I.Pigment Yellow 114、
C.I.Pigment Yellow 128、C.
I.PigmentYellow 129、C.I.P
igment Yellow 138、C.I.Pig
ment Yellow 150、C.I.Pigme
nt Yellow 151、C.I.Pigment
Yellow 154、C.I.Pigment Y
ellow 155、C.I.Pigment Yel
low180、及びC.I.Pigment Yell
ow 185等を挙げることができ、これらのうち、特
に好ましく使用できるものとして、C.I.Pigme
nt Yellow 74、C.I.Pigment
Yellow 110、及びC.I.Pigment
Yellow 128等を挙げることができる。
【0013】また、マゼンタインクの顔料として、好ま
しく使用できるものとしては、例えば、C.I.Pig
ment Red 5、C.I.Pigment Re
d7、C.I.Pigment Red 12、C.
I.Pigment Red48(Ca)、C.I.P
igment Red 48(Mn)、C.I.Pig
ment Red 57(Ca)、C.I.Pigme
nt Red 57:1、C.I.Pigment R
ed 112、C.I.Pigment Red 12
2、C.I.Pigment Red 123、C.
I.Pigment Red 168、C.I.Pig
ment Red 184、及びC.I.Pigmen
t Red 202等を挙げることができ、これらのう
ち、特に好ましく使用できるものとして、C.I.Pi
gment Red 122等を挙げることができる。
【0014】なお、ライトマゼンタインクの顔料として
は、前記のマゼンタインクに用いられるものと同等のも
のを用いることができる。ライトマゼンタインクは、通
常、マゼンタインクよりも色濃度が薄いものであり、マ
ゼンタインクに使用される顔料及び/又はその他の成分
の組成を適宜変更することにより調製することができ
る。
【0015】また、シアンインクの顔料として、好まし
く使用できるものとしては、例えば、C.I.Pigm
ent Blue 1、C.I.Pigment Bl
ue2、C.I.Pigment Blue 3、C.
I.Pigment Blue 15:3、C.I.P
igment Blue 15:4、C.I.Pigm
ent Blue 15:34、C.I.Pigmen
t Blue 16、C.I.Pigment Blu
e 22、C.I.Pigment Blue 60、
C.I.Vat Blue 4、及びC.I.Vat
Blue 60を挙げることができ、これらのうち、特
に好ましく使用できるものとして、C.I.Pigme
nt Blue 15:3等を挙げることができる。
【0016】なお、ライトシアンインクの顔料として
は、前記のシアンインクに用いられるものと同等のもの
を用いることができる。ライトシアンインクは、通常、
シアンインクよりも色濃度が薄いものであり、シアンイ
ンクに使用される顔料及び/又はその他の成分の組成を
適宜変更することにより調製することができる。
【0017】ブラックインクの顔料として、好ましく使
用できるカーボンブラックとしては、例えば、三菱化学
製のNo.2300、No.900、MCF88、N
o.33、No.40、No.52、MA7、MA8、
MA100、及びNo.2200B等、コロンビア社製
のRaven5750、Raven5250、Rave
n5000、Raven3500、Raven125
5、及びRaven700等、キャボット社製のReg
al 400R、Regal 400R、Regal
1660R、Mogul 1、Monarch 70
0、Monarch800、Monarch 880、
Monarch 900、Monarch1000、M
onarch 1100、Monarch 1300、
及びMonarch 1400等、並びにテグッサ社製
のColor Black FW1、Color Bl
ack FW2、Color Black FW2V、
Color Black FW18、Color Bl
ack FW200、Color Black S15
0、Color Black S160、ColorB
lack S170、Printex 35、Prin
tex U、Printex V、Printex 1
40U、Special Black 6、Speci
al Black 5、Special Black
4A、及びSpecial Black 4等を挙げる
ことができる。
【0018】本発明において使用する顔料インク組成物
に含有される水溶性有機溶剤も特に限定されるものでは
なく、インクジェット記録方法用の顔料インク組成物に
従来から一般的に使用されている水溶性有機溶剤を用い
ることができる。
【0019】前記水溶性有機溶剤としては、例えば、イ
ンクの乾燥時間を短くする観点から、低沸点有機溶剤を
使用することができる。低沸点有機溶剤としては、例え
ば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、s
ec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブ
タノール、及びn−ペンタノール等を挙げることがで
き、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0020】また、別の水溶性有機溶剤としては、例え
ば、湿潤剤として、高沸点有機溶剤を使用することがで
きる。高沸点有機溶剤としては、例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,
2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシ
レングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、
又はトリメチロールプロパン等の多価アルコール類を挙
げることができ、これらの1種又は2種以上を用いるこ
とができる。
【0021】本発明において使用する顔料インク組成物
には、最低造膜温度(MFT)が室温以下である樹脂エ
マルジョン、顔料、水溶性有機溶剤、及び水以外にも、
インクジェット記録方法用の顔料インク組成物に一般的
に使用される各種助剤、例えば、水溶性分散剤、浸透促
進剤、及び/又は界面活性剤を含有させることもでき
る。
【0022】前記水溶性分散剤としては、例えば、スチ
レン−(メタ)アクリル酸系水溶性樹脂を挙げることが
でき、具体的には、例えば、スチレンアクリル酸共重合
体アンモニウム塩、又はスチレンアクリルエマルジョン
(「グランドールPP1100」;大日本インキ製)等
を挙げることができる。
【0023】前記浸透促進剤としては、例えば、多価ア
ルコールの炭素数3以上のアルキルエーテル誘導体、例
えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレング
リコールモノブチルエーテル、又はジプロピレングリコ
ールモノブチルエーテル等を挙げることができ、これら
の1種又は2種以上を用いることができる。
【0024】前記界面活性剤としては、例えば、アニオ
ン性界面活性剤(例えば、ドデシルベンゼルスルホン酸
ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、又はポリオキシエ
チレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩
等)、及び非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルアミン、又はポリオキシエ
チレンアルキルアミド等)を挙げることができ、これら
の1種又は2種以上を用いることができる。また、アセ
チレングリコール系界面活性剤を用いることもでき、例
えば、サーフィノール82、サーフィノール104、サ
ーフィノール440、サーフィノール465、及びサー
フィノール485(何れもAirProducts a
nd Chemicals.Inc.製)並びにオレフ
ィンY等を挙げることができ、これらの1種又は2種以
上を用いることができる。顔料インク組成物に、界面活
性剤を添加すると、顔料の分散安定性を向上させること
ができる。
【0025】更に、本発明において使用する顔料インク
組成物には、必要に応じ、例えば、粘度調整剤、防腐
剤、防カビ剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、表
面張力調整剤、及び/又は誘電率調整剤等の各種助剤を
含有させることもできる。
【0026】本発明では、記録媒体として、前記顔料イ
ンク組成物の前記樹脂エマルジョンのポリマー微粒子と
前記顔料とを表面上に実質的に残留させるが、前記顔料
インク組成物の液体成分を実質的に吸収する記録媒体を
用いる。こうした記録媒体は、例えば、表面の平均孔径
が、前記樹脂エマルジョンのポリマー微粒子の平均粒径
よりも小さく、しかも前記顔料の平均粒径よりも小さ
い。好ましい記録媒体は、前記樹脂エマルジョンのポリ
マー微粒子の平均粒径及び前記顔料の平均粒径よりもそ
れぞれ小さい平均孔径を有するインク受容層を含む記録
媒体である。
【0027】好ましい記録媒体として、多孔質顔料を含
有するインク受容層を、基材上に設けた記録媒体を使用
することができる。インク受容層は、記録媒体の最上層
であるか、あるいはその上に、例えば、光沢層を有する
中間層であることもできる。このような記録媒体として
は、そのインク受容層中に多孔質顔料及びバインダー樹
脂を含有する、いわゆる吸収型(空隙型ともいう)の記
録媒体と、前記インク受容層中にカゼイン、変性ポリビ
ニルアルコール(PVA)、ゼラチン、又は変性ウレタ
ン等の樹脂を更に含有する、いわゆる膨潤型の記録媒体
とが知られており、本発明ではいずれの記録媒体も使用
することができる。
【0028】吸収型記録媒体のインク受容層に含有され
る前記多孔質顔料としては、例えば、沈殿法、ゲルタイ
プ、又は気相法等のシリカ系、擬ベーマイト等のアルミ
ナ水和物、シリカ/アルミナハイブリッドゾル、スメク
タイト粘土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム、二酸化チタン、カオリン、白土、タルク、珪酸
マグネシウム、又は珪酸カルシウム等を挙げることがで
き、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0029】また、吸収型記録媒体のインク受容層に含
有される前記バインダー樹脂としては、結着能力を有
し、インク受容層の強度を高めることのできる化合物で
あれば特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコー
ル、シラノール変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニ
ル、澱粉、カルボキシメチルセルロース等のセルロース
誘導体、カゼイン、ゼラチン、スチレン−ブタジエン共
重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテック
ス、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体等のアクリル
系共重合体ラテックス等を挙げることができる。
【0030】前記インク受容層には、吸収型記録媒体の
インク受容層の場合も、膨潤型の記録媒体のインク受容
層の場合も、必要に応じ、定着剤、蛍光増白剤、耐水化
剤、防かび剤、防腐剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤、
pH調整剤、消泡剤、及び/又は保水剤等の各種添加剤
を含有させることもできる。
【0031】前記の各インク受容層が設けられる前記基
材としては、紙(サイズ処理紙を含む);ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、又はポリエステル等を紙にコート
したレジンコート紙;バライタ紙;ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン、又はポリプロピレン等の熱可
塑性樹脂フィルム;合成紙;合成繊維で形成されたシー
ト状物等を挙げることができる。
【0032】特に好ましい態様の記録媒体は、前記基材
と、その上に設けた最上層としての前記インク受容層と
を有する記録媒体であり、それらの基材及びインク受容
層も、例えば、以下の物性を有するものが好ましい。
【0033】前記基材としては、紙(木材パルプを含有
するもの)が好ましく、その坪量は、好ましくは100
〜350g/m2、更に好ましくは180〜260g/
2である。また、厚みは、好ましくは100〜400
μm、更に好ましくは180〜260μmである。前記
インク受容層は、インク受容層全体の重量を基準とし
て、固形分換算で、前記多孔質顔料として湿式法シリカ
ゲルを50〜60重量%の量で含有し、前記バインダー
樹脂としてポリビニルアルコールを30〜40重量%の
量で含有することが、インク吸収性、及び印字堅牢性等
の点で好ましい。また、前記インク受容層の塗工量は、
固形分換算で、5〜50g/m2であることが、インク
吸収性の点で好ましい。なお、インク受容層自体の厚み
としては、好ましくは10〜40μm、更に好ましくは
20〜30μmである。
【0034】本発明においては、前記記録媒体の表面
(特には、インク受容層)の平均孔径が50nm以下で
あることが好ましく、30nm以下であることがより好
ましい。平均孔径が300nmを超えると、顔料がイン
ク受容層内部まで浸透し、発色性が低下することがあ
る。
【0035】また、本発明においては、前記樹脂エマル
ジョンのポリマー微粒子の平均粒径が50nm以上であ
ることが好ましく、100nm以上であることがより好
ましい。前記樹脂エマルジョンのポリマー微粒子の平均
粒径の上限は特に限定されないが、分散安定性の観点か
ら、前記樹脂エマルジョンのポリマー微粒子の平均粒径
は300nm以下であることが好ましく、200nm以
下であることがより好ましい。平均粒径が300nmを
超えると、分散不安定となることがある。
【0036】更に、本発明においては、前記顔料の平均
粒径が50nm以上であることが好ましく、70nm以
上であることがより好ましい。前記樹顔料の平均粒径の
上限は特に限定されないが、分散安定性の観点から、前
記顔料の平均粒径は300nm以下であることが好まし
く、200nm以下であることがより好ましい。平均粒
径が300nmを超えると、分散不安定となることがあ
る。
【0037】更にまた、本発明においては、前記顔料の
平均粒径(Dp)に対する前記樹脂エマルジョンの平均
粒径(Dr)の比(Dr/Dp)が1以上であることが
好ましく、1.5以上であることがより好ましい。前記
の比(Dr/Dp)の上限は特に限定されないが、イン
クの分散安定性の観点から、6以下であることが好まし
く、4以下であることがより好ましい。前記の比(Dr
/Dp)が1未満になると、樹脂が顔料を充分に被覆す
ることができず、耐擦性及び耐スクラッチ性が充分に改
善されないことがあり、6を超えるとインクの分散安定
性が低下することがある。
【0038】更にまた、本発明においては、前記顔料の
含有量(Ap)に対する前記樹脂エマルジョンのポリマ
ー微粒子の含有量(Ar)の比(Ar/Ap)が固形分
濃度比で0.1以上であることが好ましく、0.3以上
であることがより好ましい。前記の比(Ar/Ap)の
上限は特に限定されないが、インクの吐出安定性、及び
目詰まり性の観点から、5以下であることが好ましく、
3以下であることがより好ましい。前記の比(Ar/A
p)が0.1未満になると、充分な耐擦性が得られない
ことがあり、3を超えると吐出不安定となることがあ
る。
【0039】本発明においては、(1)前記記録媒体の
表面の平均孔径(特には、インク受容層の平均孔径)が
50nm以下であり、(2)同時に、前記樹脂エマルジ
ョンの平均粒径が50nm以上であり、(3)更に同時
に、前記顔料の平均粒径が50nm以上であり、(4)
更に同時に、前記の比(Dr/Dp)が1以上であり、
(5)更に同時に、前記の比(Ar/Ap)が0.1以
上であることがより好ましい。
【0040】本発明で用いる水性顔料インク組成物にお
いて、前記顔料の含有量は、特に限定されるものではな
いが、水性顔料インク組成物の全重量を基準として、好
ましくは0.1〜25重量%、より好ましくは0.5〜
15重量%である。顔料の含有量が、0.1重量%未満
になると、発色性が低下することがあり、25重量%を
超えると、目詰まり特性が低下することがある。本発明
で用いる水性顔料インク組成物において、前記樹脂エマ
ルジョンの含有量は、前記顔料の含有量に伴って変化
し、その変化は、前記顔料の含有量(Ap)に対する前
記樹脂エマルジョンの含有量(Ar)の比(Ar/A
p)の条件を満足させる範囲内で行う。
【0041】本発明のインクジェット記録方法では、前
記水性顔料インク組成物を、前記記録媒体の表面に吐出
する。この吐出工程それ自体は、従来の通常のインクジ
ェット記録方法で実施している吐出操作をそのまま利用
して実施することができる。本発明方法においては、前
記の通り、前記顔料インク組成物の前記樹脂エマルジョ
ンと前記顔料とを表面上に実質的に残留させるが、前記
顔料インク組成物の液体成分を実質的に吸収する記録媒
体を用いるので、この吐出工程によって記録媒体の被記
録表面に吐出されたインク組成物中の液体成分の大部分
は、記録媒体の中に吸収され、表面には前記樹脂エマル
ジョンと前記顔料とが残留する。このまま室温に放置し
ても、造膜反応が進行するが、本発明のインクジェット
記録方法では、前記の吐出工程の後で、その吐出表面を
室温以下の条件下で押圧する。この押圧工程によって、
液体成分の吸収が促進され、樹脂成分の密着性も向上す
るので、造膜反応が促進され、著しく強固な膜が形成さ
れる。こうして、定着性が著しく向上し、高レベルの耐
擦性と耐スクラッチ性とが得られ、更に光沢性も向上す
る。
【0042】本発明のインクジェット記録方法におい
て、押圧操作は、顔料インク組成物に含まれていた液体
成分が記録媒体(特にインク受容層)に吸収され、しか
も、記録媒体表面上で樹脂エマルジョンの樹脂成分が膜
化することのできる方法である限り、特に限定されるも
のではないが、例えば、従来より通常使用されているイ
ンクジェット記録方法用装置において、インク吐出操作
部分から排紙されたシート状記録媒体の全体を、前記記
録媒体の記録表面全体と同じか又はそれよりも広い支持
面を有する支持台と、前記記録媒体の記録表面全体と同
じか又はそれよりも広い押圧面を有する押圧板との間に
挟んだ状態で、その記録表面全体に一度に圧力をかける
方法、あるいは、後述する本発明のインクジェット記録
装置のように、インクジェット記録装置の吐出操作部分
から排紙されたシート状記録媒体を、順次、2本の押圧
ローラの間に通過させることにより、記録表面に連続的
に圧力をかける方法などを挙げることができる。
【0043】本発明のインクジェット記録方法におい
て、記録媒体上の記録表面に付与する圧力の程度は、顔
料インク組成物に含まれていた液状成分が記録媒体(特
にインク受容層)に吸収され、しかも、記録媒体表面上
で樹脂エマルジョンの樹脂成分が膜化することのできる
圧力であれば、特に限定されるものではないが、0.9
8〜98kPaであることが好ましく、2〜98kPa
であることがより好ましい。圧力が0.98kPa未満
であると、樹脂エマルジョンのポリマー微粒子の膜化が
充分には進行せず、耐擦性、及び耐スクラッチ性が充分
に改善されない状態となることがあり、圧力が98kP
aを越えると、記録媒体表面に残留した顔料が剥離した
り、印刷面に傷が付いたりして印字品質を劣化する場合
がある。
【0044】また、本発明のインクジェット記録方法に
おいて、記録媒体上に顔料インク組成物を吐出してか
ら、その記録表面を押圧するまでの時間は、記録媒体表
面上における樹脂エマルジョンの樹脂成分の膜化が完全
に完了しない限り、特に限定されるものではないが、吐
出操作直後〜3分間以内であることが好ましく、吐出操
作直後〜1分間以内であることがより好ましい。
【0045】更に、本発明のインクジェット記録方法に
おいて、押圧処理時間(加圧時間)は、顔料インク組成
物に含まれていた液状成分が記録媒体(特にインク受容
層)に吸収され、しかも、記録媒体表面上で樹脂エマル
ジョンのポリマー微粒子による造膜反応が完了するのに
必要な時間であれば、特に限定されるものではないが、
3秒〜5分間であることが好ましく、5秒〜1分間であ
ることがより好ましい。3秒間より短いと、顔料インク
組成物の液状成分が記録媒体に充分に吸収されない場合
があり、押圧処理の際に押圧するローラ等に印字部分が
転写され、印字品質が劣化する場合があり、5分間を越
えると、樹脂エマルジョンの樹脂成分が部分的に膜化し
てしまい、押圧処理を施しても緻密な樹脂皮膜となら
ず、耐擦性、及び耐スクラッチ性が充分に改善されない
場合がある。
【0046】本発明のインクジェット記録方法において
は、最低造膜温度が室温以下である樹脂エマルジョンを
用いるので、前記の押圧工程を室温以下の条件で実施す
ることができ、押圧処理以外の処理(例えば、加熱等)
を必要としない点で有利である。
【0047】本発明のインクジェット記録方法によって
カラー印刷を行う場合には、そのカラー印刷に用いるイ
ンクセットを構成するインク組成物の少なくとも1つと
して、前記の水性顔料インク組成物を用いることができ
るが、インクセットを構成する全ての水性顔料インク組
成物が、前記の水性顔料インク組成物であることが好ま
しい。
【0048】本発明のインクジェット記録方法は、例え
ば、本発明によるインクジェット記録装置によって実施
することができる。本発明によるインクジェット記録装
置は、記録媒体の被記録表面を押圧することのできる手
段を有すること以外は、従来公知のインクジェット記録
装置をそのまま用いることができる。こうした態様の本
発明によるインクジェット記録装置を図1に沿って説明
する。
【0049】図1は、本発明によるインクジェット記録
装置1の模式的斜視図である。
【0050】本発明によるインクジェット記録装置1に
おいて、キャリッジ11が、キャリッジ機構12を構成
するタイミングベルト13を介してキャリッジモータ1
4に接続され、ガイド部材15に案内されて、インクジ
ェット記録用専用紙2の紙幅方向に往復運動するように
構成されている。インクジェット記録装置1には、紙送
りローラ21を含む紙送り機構も形成されている。キャ
リッジ11にはインクジェット記録用専用紙2の被記録
表面と対向する面に、インクジェット方式の記録ヘッド
16が取り付けられている。記録ヘッド16は、キャリ
ッジ11の上部に載置されているインクカートリッジ1
7からインクの補給を受けてキャリッジ11の移動に合
わせてインクジェット記録用専用紙2にインク液滴を吐
出してドットを形成し、インクジェット記録用専用紙2
に画像や文字を印刷する。
【0051】また、インクジェット記録装置1の非印刷
領域(非記録領域)には、キャッピング装置3が設けら
れており、印刷の休止中に記録ヘッド16のノズル開口
部を封止して、印刷の休止中にノズルに目詰まりが発生
するのを防止する。また、キャッピング装置3は、印刷
動作中に行われるフラッシング動作による記録ヘッド1
6からのインク液滴を受ける。キャッピング装置3の傍
らにワイピング装置4を配置し、記録ヘッド16の表面
をブレード等でワイピングする。
【0052】本発明によるインクジェット記録装置1に
おいては、記録ヘッド16からインク液滴を吐出され、
紙送りローラ21によって送り出される方向(矢印Aの
方向)に一対の押圧ローラ22,23を設け、その押圧
ローラ22,23の間にインクジェット記録用専用紙2
を通過させて、押圧処理を実施することができる。
【0053】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【0054】<製造例1> (1)水性樹脂エマルジョンの調製 攪拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備
えた反応容器に、純水370g、及びドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム1gを仕込み、窒素雰囲気中、攪
拌下、及び温度70℃の条件下で過硫酸カリウム2.3
gを添加した。一方、次の組成の三層の乳化モノマーを
別々に準備した。すなわち、第一層として、純水36.
0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2
g、スチレン38.6g、ブチルアクリレート32.9
g、グリシジルメタクリレート22.5g、及びt−ド
デシルメルカプタン0.1gの混合物を、第二層とし
て、純水72.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム0.4g、スチレン93.2g、ブチルアクリレ
ート88.8g、及びt−ドデシルメルカプタン0.2
gの混合物を、第三層として、純水72.0g、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4g、スチレン5
7.6g、ブチルアクリレート110.9g、メタクリ
ル酸30g及びt−ドデシルメルカプタン0.2gの混
合物を用意した。
【0055】次に、上記の水溶液に第一層の乳化モノマ
ーを滴下した後、熟成させた。更に、第二層及び第三層
の乳化モノマーの滴下及び熱成を順次繰り返した。
【0056】滴下時間は第一層では3時間、第二層及び
第三層では2時間、また熟成時間は各層で2時間とし
た。
【0057】得られた水性樹脂エマルジョンを常温まで
冷却した後、イオン交換水とアンモニア水とを添加し
て、固形分35重量%、及びpH8に調製した。得られ
た水性樹脂エマルジョンは、最低成膜温度が約18℃
で、平均粒子径が0.12μmであった。
【0058】 (2)ブラックインク組成物1の組成 カーボンブラックMA7(三菱化学(株)) 3重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% 製造例1(1)の樹脂エマルジョン(ポリマ一微粒子の濃度として) 1重量% グリセリン 10重量% イオン交換水 残量 顔料分散液中の顔料の平均粒径:80(nm) 樹脂エマルジョンのポリマー微粒子の平均粒径:120
(nm) 粒径比:Dr/Dp=1.5 添加量比:Ar/Ap=0.33
【0059】 (3)ブラックインク組成物2の組成 C.I.ピグメントブラック1 1重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% グリセリン 15重量% イオン交換水 残量
【0060】 (4)カラーインクセット1 (a)シアンインク組成物の組成 C.I.ピグメントブルー15:3 2重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% 製造例1(1)の樹脂エマルジョン(ポリマー微粒子の濃度として) 1重量% ジエチレングリコール 10重量% イオン交換水 残量 顔料分散液中の顔料の平均粒径:100(nm) 樹脂エマルジョンのポリマー微粒子の平均粒径:120
(nm) 粒径比:Dr/Dp=1.2 添加量比:Ar/Ap=0.5 (b)マゼンタインク組成物の組成 C.I.ピグメントレッド122 3重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% 製造例1(1)の樹脂エマルジョン(ポリマー微粒子の濃度として) 1重量% グリセリン 5重量% ジエチレングリコール 5重量% イオン交換水 残量 顔料分散液中の顔料の平均粒径:70(nm) 樹脂エマルジョンのポリマー微粒子の平均粒径:120
(nm) 粒径比:Dr/Dp=1.7 添加量比:Ar/Ap=0.33 (c)イエローインク組成物の組成 C.I.ピグメントイエロー74 4重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% 製造例1(1)の樹脂エマルジョン(ポリマー微粒子の濃度として) 2重量% グリセリン 8重量% イオン交換水 残量 顔料分散液中の顔料の平均粒径:80(nm) 樹脂エマルジョンのポリマー微粒子の平均粒径:120
(nm) 粒径比:Dr/Dp=1.5 添加量比:Ar/Ap=0.5
【0061】 (5)カラーインクセット2 (a)シアンインク組成物の組成 顔料 KET BLUE EX−1 3重量% (大日本インキ化学工業(株)製) スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% グリセリン 10重量% イオン交換水 残量 (b)マゼンタインク組成物の組成 顔料 KET Red 309 4重量% (大日本インキ化学工業(株)製) スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% ジエチレングリコール 15重量% イオン交換水 残量 (c)イエローインク組成物の組成 顔料 KET Yellow 403 3重量% スチレン−アクリル酸共重合体(分散剤) 1重量% エチレングリコール 10重量% イオン変換水 残量
【0062】(6)インクジェット記録用インク組成物
の調製 顔料と分散剤と水(前記製造例の各組成中のイオン交換
水の一部)とを混合して、サンドミル(安川製作所製)
中で、ガラスビーズ〔直径1.7mm;混合物の1.5
倍量(重量)〕とともに2時間分散させた。その後、ガ
ラスビーズを取り除き、顔料分散液を調製した。
【0063】次いで、前記製造例の各組成中の溶剤と水
(インク組成物中のイオン交換水よりインク組成物中に
含まれる水性樹脂エマルジョン中のイオン交換水と顔料
分散液中のイオン交換水を除いた量)とを混合し、その
後、水性樹脂エマルジョンを添加し、更に混合してイン
ク溶媒とした。水性樹脂エマルジョンを使用しない場合
は、上記溶剤と水との混合溶液をインク溶媒とした。
【0064】上記の顔料分散液を撹拌しながらインク溶
媒を徐々に滴下し、常温で20分間撹拌した。5μmの
メンブランフィルターでろ過し、インクジェット記録用
インクを得た。
【0065】顔料分散液中の顔料の平均粒子径及び樹脂
エマルジョンのポリマー微粒子の平均粒子径は粒度分布
計(MICROTRAC UPA−150)を用いて測
定した。
【0066】<実施例1>前記の製造実施例1(2)の
ブラックインク組成物1と前記の製造実施例1(4)の
カラーインクセット1との組み合わせを用い、図1に示
す2本の押圧ローラ22,23を有するインクジェット
プリンターを用いて印字を行った。記録媒体2に印字し
た後に、排紙された記録媒体2を圧力2kPaの押圧ロ
ーラ22,23の間を通過させた。記録媒体としては、
PM写真用紙〔セイコーエプソン(株)製;記録媒体の
表面の平均孔径は50nm以下〕を使用した。 <比較例1>前記の実施例1において、押圧ローラ2
2,23による押圧処理を実施しないこと以外は、前記
の実施例1に記載の操作を繰り返して、PM写真用紙に
印字を行った。 <比較例2>前記の実施例1において、前記の製造実施
例1(3)のブラックインク組成物2と前記の製造実施
例1(5)のカラーインクセット2との組み合わせを用
いること以外は、前記の実施例1に記載の操作を繰り返
して、PM写真用紙に印字を行った。 <印字評価>前記の実施例1並びに比較例1及び2で印
字した記録像について、耐擦性及び耐スクラッチ性を評
価した。耐擦性及び耐スクラッチ性評価は、実施例1及
び比較例では、押圧後3分間経過した時点で評価し、比
較例1では、印字後3分間経過した時点で評価した。
【0067】耐擦性の評価は、印字をした記録媒体の表
面を指で擦り、色剤の剥離により目視で判断した。耐ス
クラッチ性の評価は、印字媒体を爪で擦り、記録媒体表
面上に傷がつくか否かで目視で判断した。評価結果を以
下の表1に示す。
【0068】評価基準は、以下の通りである。 耐擦性: A:色剤の剥離が全くない。 B:色剤の剥離がわずかにある(色剤全体の20%未
満)。 C:色剤の剥離がある(色剤全体の20%以上80%未
満)。 D:色剤がほとんど剥離する(色剤全体の80%以上剥
離する)。 耐スクラッチ性: A:記録媒体表面に傷がつかない。 B:記録媒体表面にわずかに傷がつく。 C:記録媒体表面に傷がつくが、色剤の剥離はない。 D:記録媒体に傷がつき、色剤も剥離する。
【0069】
【表1】
【0070】表1に示す評価結果から明らかなとおり、
インク組成物中に含まれる顔料の平均粒径と、ポリマー
微粒子の平均粒径が、記録媒体のインク受容層の平均孔
径よりも大きく、樹脂エマルジョンの最低成膜温度が室
温以下である場合には、印字後の押圧処理により耐擦
性、及び耐スクラッチ性が向上する結果となった。
【0071】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録方法及びイ
ンクジェット記録装置によれば、耐擦性及び耐スクラッ
チ性に優れた記録物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるインクジェット記録装置1の模
式的斜視図である。
【符号の説明】 1・・・インクジェット記録装置 2・・・インクジェット記録用専用紙 3・・・キャッピング装置 4・・・ワイピング装置 11・・・キャリッジ 12・・・キャリッジ機構 13・・・タイミングベルト 14・・・キャリッジモータ 15・・・ガイド部材 16・・・記録ヘッド 17・・・インクカートリッジ 18・・・記録ヘッド制御用ケーブル 21・・・紙送りローラ 22,23・・・押圧ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 FC02 HA45 2H086 BA02 BA05 BA15 BA41 BA52 BA53 BA55 BA59 BA60 BA62 4J039 AD03 AD10 BA04 BA13 BA35 BA37 BE01 BE12 BE22 CA06 EA36 GA24

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最低造膜温度が室温以下である樹脂エマ
    ルジョンと顔料と水溶性有機溶剤と水とを含む顔料イン
    ク組成物を、前記顔料インク組成物の前記樹脂エマルジ
    ョンのポリマー微粒子と前記顔料とを表面上に実質的に
    残留させるが、前記顔料インク組成物の液体成分を実質
    的に吸収する記録媒体の表面に吐出した後、その吐出表
    面を室温以下の条件下で押圧することを特徴とする、イ
    ンクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】 前記記録媒体の表面の平均孔径が前記樹
    脂エマルジョンのポリマー微粒子の平均粒径及び前記顔
    料の平均粒径よりもそれぞれ小さい、請求項1に記載の
    インクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 前記記録媒体が、前記樹脂エマルジョン
    のポリマー微粒子の平均粒径及び前記顔料の平均粒径よ
    りもそれぞれ小さい平均孔径を有するインク受容層を含
    む、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 前記インク受容層の平均孔径が50nm
    以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のイン
    クジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 前記樹脂エマルジョンのポリマー微粒子
    の平均粒径が50nm以上である、請求項1〜4のいず
    れか一項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 前記顔料の平均粒径が50nm以上であ
    る、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  7. 【請求項7】 前記顔料の平均粒径(Dp)に対する前
    記樹脂エマルジョンのポリマー微粒子の平均粒径(D
    r)の比(Dr/Dp)が1以上である、請求項1〜6
    のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】 前記顔料の含有量(Ap)に対する前記
    樹脂エマルジョンのポリマー微粒子の含有量(Ar)の
    比(Ar/Ap)が固形分濃度比で0.1以上である、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記
    録方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載のイ
    ンクジェット記録方法で記録された記録像。
  10. 【請求項10】 顔料インク組成物が吐出された記録媒
    体の記録面を室温以下の条件下で押圧する手段を有する
    ことを特徴とする、インクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 最低造膜温度が室温以下である樹脂エ
    マルジョンと顔料と水溶性有機溶剤と水とを含む顔料イ
    ンク組成物が吐出され、前記顔料インク組成物の前記樹
    脂エマルジョンのポリマー微粒子と前記顔料とを表面上
    に実質的に残留させるが、前記顔料インク組成物の液体
    成分を実質的に吸収する記録媒体の記録面を室温以下の
    条件下で押圧する手段を有することを特徴とする、イン
    クジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 押圧手段がローラである、請求項10
    又は11に記載のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006169525A (ja) * 2004-12-10 2006-06-29 Xerox Corp 不均一反応性インク組成物
JP2007051176A (ja) * 2005-08-15 2007-03-01 Seiko Epson Corp インクセット及びこれを用いた記録方法、記録物
JP2011057866A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録装置及びインク記録物

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