JP2002326298A - 断熱複合材料およびこれを用いた自動車用シート - Google Patents
断熱複合材料およびこれを用いた自動車用シートInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 非着座時には熱伝導性が低く、着座時には熱
伝導性が高くなる断熱複合材料およびこれを用いたシー
トを提供する。 【解決手段】 表面層、複合繊維層および裏面層がこの
順序で積層されてなる断熱複合材料であって、前記表面
層および裏面層の通気量が20ml/cm2秒以下であ
り、前記複合繊維層は、高熱伝導性の主体繊維がバイン
ダー繊維で架橋された複合繊維からなることを特徴とす
る断熱複合材料。
伝導性が高くなる断熱複合材料およびこれを用いたシー
トを提供する。 【解決手段】 表面層、複合繊維層および裏面層がこの
順序で積層されてなる断熱複合材料であって、前記表面
層および裏面層の通気量が20ml/cm2秒以下であ
り、前記複合繊維層は、高熱伝導性の主体繊維がバイン
ダー繊維で架橋された複合繊維からなることを特徴とす
る断熱複合材料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は断熱複合材料および
自動車用シートに関し、より詳しくは、効果的な冷熱を
発現し得る断熱複合材料および自動車用シートに関す
る。
自動車用シートに関し、より詳しくは、効果的な冷熱を
発現し得る断熱複合材料および自動車用シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】炎天下駐車した場合などには車内は極め
て高温になり、不快に感じられることは広く知られると
ころである。このような車内環境を快適化するため種々
の冷却手段が利用される。車内を冷却するためにはエア
コンが一般に用いられるが、車内が涼しくなった後には
エアコン運転負荷は運転能力の3分の1以下である。す
なわち、一般的には、エアコンがフルパワーで作動する
のは炎天下駐車した車に乗車した直後に車内を急冷する
場合のみである。従って、炎天下駐車した車に乗車した
時に車内が暑くなければ、エアコンの運転能力を3分の
1以下に低減することが可能となる。また、エアコン自
体の軽量化によって燃費を向上させることもできる。こ
のようなエアコン運転負荷の低減および軽量化は、社会
の省エネルギー自動車に対する要求の増大と共に、ます
ます重要性が増している。
て高温になり、不快に感じられることは広く知られると
ころである。このような車内環境を快適化するため種々
の冷却手段が利用される。車内を冷却するためにはエア
コンが一般に用いられるが、車内が涼しくなった後には
エアコン運転負荷は運転能力の3分の1以下である。す
なわち、一般的には、エアコンがフルパワーで作動する
のは炎天下駐車した車に乗車した直後に車内を急冷する
場合のみである。従って、炎天下駐車した車に乗車した
時に車内が暑くなければ、エアコンの運転能力を3分の
1以下に低減することが可能となる。また、エアコン自
体の軽量化によって燃費を向上させることもできる。こ
のようなエアコン運転負荷の低減および軽量化は、社会
の省エネルギー自動車に対する要求の増大と共に、ます
ます重要性が増している。
【0003】炎天下駐車した車の車内温度対策として
は、タイマーや無線操作でエアコンを作動させる技術
や、車内外の熱の流れを部材でコントロールする技術が
ある。しかしながら、これらのみでは実用性や車体重量
の軽量化の点において充分なものとはいえなかった。
は、タイマーや無線操作でエアコンを作動させる技術
や、車内外の熱の流れを部材でコントロールする技術が
ある。しかしながら、これらのみでは実用性や車体重量
の軽量化の点において充分なものとはいえなかった。
【0004】そこで、人体が接触する部位であるシート
表面温度を体温以下に低下させることによって快適に感
じさせる技術が開発されている。このような従来の自動
車シートの表層部は、例えば図3に示すようにシート基
材101と表皮層103との間に冷却部102が設けら
れた構成を有し、夜間の冷気やケミカルヒートポンプに
よる冷熱をヒートパイプで冷却部102に熱伝導し蓄冷
する方法や、ケミカルヒートポンプで冷却した空気の通
風による対流熱伝導によって冷却部102を冷やし、蓄
冷する方法がある。
表面温度を体温以下に低下させることによって快適に感
じさせる技術が開発されている。このような従来の自動
車シートの表層部は、例えば図3に示すようにシート基
材101と表皮層103との間に冷却部102が設けら
れた構成を有し、夜間の冷気やケミカルヒートポンプに
よる冷熱をヒートパイプで冷却部102に熱伝導し蓄冷
する方法や、ケミカルヒートポンプで冷却した空気の通
風による対流熱伝導によって冷却部102を冷やし、蓄
冷する方法がある。
【0005】したがって、冷却部102に蓄冷された冷
気は、炎天下駐車された車に搭乗者が着座するまで保冷
される必要があり、かつ、着座した場合には冷熱を放出
する必要がある。つまり、搭乗者が着座するまでは熱伝
導率が低く、着座した場合には熱伝導率が高くなる必要
がある。
気は、炎天下駐車された車に搭乗者が着座するまで保冷
される必要があり、かつ、着座した場合には冷熱を放出
する必要がある。つまり、搭乗者が着座するまでは熱伝
導率が低く、着座した場合には熱伝導率が高くなる必要
がある。
【0006】しかしながら、これまで上記条件を実用化
可能なレベルで満足させたシートは存在しなかった。す
なわち、図3に示す構成とした場合には、着座時に人体
が冷熱を感じることはできるが着座するまでに冷熱が放
散されてしまう弊害があり、また、誰も着座していない
シートも着座しているシート同様に冷却されてしまう弊
害がある。一方、図4に示すように断熱材104を冷却
部102と表皮層103との間に設けた場合には、着座
前の冷熱の放散は防止できるが着座時の効果的な冷却も
図れなくなる。
可能なレベルで満足させたシートは存在しなかった。す
なわち、図3に示す構成とした場合には、着座時に人体
が冷熱を感じることはできるが着座するまでに冷熱が放
散されてしまう弊害があり、また、誰も着座していない
シートも着座しているシート同様に冷却されてしまう弊
害がある。一方、図4に示すように断熱材104を冷却
部102と表皮層103との間に設けた場合には、着座
前の冷熱の放散は防止できるが着座時の効果的な冷却も
図れなくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記事項に鑑み、本発
明は、非着座時には熱伝導性が低く、着座時には熱伝導
性が高くなる断熱複合材料およびこれを用いたシートを
提供することを目的とする。
明は、非着座時には熱伝導性が低く、着座時には熱伝導
性が高くなる断熱複合材料およびこれを用いたシートを
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、通気性の低い
表面層と裏面層との間に、高熱伝導性を有する主体繊維
をバインダー繊維で架橋した複合繊維層を設けることに
より、非着座時には熱伝導性が低く、着座時には熱伝導
性が高くすることが可能である点に着目し、完成された
ものである。すなわち、非着座時には複合繊維層中に含
まれる空気によって充分な熱伝導性が確保でき、着座時
にはこの空気が複合繊維層中から排出され、高熱伝導性
を有する主体繊維によって冷熱の放散を促進できる点に
鑑み完成されたものである。即ち本発明は、請求項毎に
次のように構成される。
表面層と裏面層との間に、高熱伝導性を有する主体繊維
をバインダー繊維で架橋した複合繊維層を設けることに
より、非着座時には熱伝導性が低く、着座時には熱伝導
性が高くすることが可能である点に着目し、完成された
ものである。すなわち、非着座時には複合繊維層中に含
まれる空気によって充分な熱伝導性が確保でき、着座時
にはこの空気が複合繊維層中から排出され、高熱伝導性
を有する主体繊維によって冷熱の放散を促進できる点に
鑑み完成されたものである。即ち本発明は、請求項毎に
次のように構成される。
【0009】請求項1に記載の発明は、表面層、複合繊
維層および裏面層がこの順序で積層されてなる断熱複合
材料であって、前記表面層および裏面層の通気量が20
ml/cm2秒以下であり、前記複合繊維層は、高熱伝
導性の主体繊維がバインダー繊維で架橋された複合繊維
からなることを特徴とする断熱複合材料である。
維層および裏面層がこの順序で積層されてなる断熱複合
材料であって、前記表面層および裏面層の通気量が20
ml/cm2秒以下であり、前記複合繊維層は、高熱伝
導性の主体繊維がバインダー繊維で架橋された複合繊維
からなることを特徴とする断熱複合材料である。
【0010】請求項2に記載の発明は、前記主体繊維
は、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチ
レン繊維、ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ
ビニルアルコール繊維またはガラス繊維からなる基材繊
維の表面に、銀、銅、金、アルミニウム、亜鉛、ニッケ
ル、白金または錫のメッキが形成されてなることを特徴
とする請求項1に記載の断熱複合材料である。
は、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチ
レン繊維、ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ
ビニルアルコール繊維またはガラス繊維からなる基材繊
維の表面に、銀、銅、金、アルミニウム、亜鉛、ニッケ
ル、白金または錫のメッキが形成されてなることを特徴
とする請求項1に記載の断熱複合材料である。
【0011】請求項3に記載の発明は、前記基材繊維の
太さが2〜90デニールであることを特徴とする請求項
2に記載の断熱複合材料である。
太さが2〜90デニールであることを特徴とする請求項
2に記載の断熱複合材料である。
【0012】請求項4に記載の発明は、前記複合繊維に
おける前記主体繊維の含有率が50〜90質量%である
ことを特徴とする請求項2または3に記載の断熱複合材
料である。
おける前記主体繊維の含有率が50〜90質量%である
ことを特徴とする請求項2または3に記載の断熱複合材
料である。
【0013】請求項5に記載の発明は、前記メッキの厚
さが0.1〜10μmであることを特徴とする請求項2
〜4のいずれか1項に記載の断熱複合材料である。
さが0.1〜10μmであることを特徴とする請求項2
〜4のいずれか1項に記載の断熱複合材料である。
【0014】請求項6に記載の発明は、前記複合繊維層
は、目付けが0.01〜0.08g/cm3であり、厚
さが2〜20mmであることを特徴とする請求項2〜5
のいずれか1項に記載の断熱複合材料である。
は、目付けが0.01〜0.08g/cm3であり、厚
さが2〜20mmであることを特徴とする請求項2〜5
のいずれか1項に記載の断熱複合材料である。
【0015】請求項7に記載の発明は、前記基材繊維表
面の40%以上に、幅または径が0.5〜10μmで、
粗さが0.2〜2μmの凹凸が形成されてなることを特
徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の断熱複合
材料である。
面の40%以上に、幅または径が0.5〜10μmで、
粗さが0.2〜2μmの凹凸が形成されてなることを特
徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の断熱複合
材料である。
【0016】請求項8に記載の発明は、前記基材繊維表
面に、前記基材繊維の軸方向に配向する深さ0.2〜2
μmの筋状凹凸が設けられてなり、前記基材繊維の断面
周囲の5%以上が該筋状凹凸に起因するものであること
を特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の断熱
複合材料である。
面に、前記基材繊維の軸方向に配向する深さ0.2〜2
μmの筋状凹凸が設けられてなり、前記基材繊維の断面
周囲の5%以上が該筋状凹凸に起因するものであること
を特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の断熱
複合材料である。
【0017】請求項9に記載の発明は、前記主体繊維
は、銅、アルミニウム、金、銀、鉄、ニッケル、白金、
錫および亜鉛からなる群より選択される1または2以上
の金属のフィラメント、または、鋳鉄、炭素鋼、ステン
レス、ジュラルミン、黄銅、ニクロムおよびクロメルか
らなる群より選択される1または2以上の合金のフィラ
メントであることを特徴とする請求項1に記載の断熱複
合材料である。
は、銅、アルミニウム、金、銀、鉄、ニッケル、白金、
錫および亜鉛からなる群より選択される1または2以上
の金属のフィラメント、または、鋳鉄、炭素鋼、ステン
レス、ジュラルミン、黄銅、ニクロムおよびクロメルか
らなる群より選択される1または2以上の合金のフィラ
メントであることを特徴とする請求項1に記載の断熱複
合材料である。
【0018】請求項10に記載の発明は、前記主体繊維
の太さが12〜580デニールであることを特徴とする
請求項9に記載の断熱複合材料である。
の太さが12〜580デニールであることを特徴とする
請求項9に記載の断熱複合材料である。
【0019】請求項11に記載の発明は、前記複合繊維
中の前記主体繊維の含有率が70〜95質量%であるこ
とを特徴とする請求項9または10に記載の断熱複合材
料である。
中の前記主体繊維の含有率が70〜95質量%であるこ
とを特徴とする請求項9または10に記載の断熱複合材
料である。
【0020】請求項12に記載の発明は、前記複合繊維
層は、目付けが0.05〜0.5g/cm3であり、厚
さが2〜20mmであることを特徴とする請求項9〜1
1のいずれか1項に記載の断熱複合材料である。
層は、目付けが0.05〜0.5g/cm3であり、厚
さが2〜20mmであることを特徴とする請求項9〜1
1のいずれか1項に記載の断熱複合材料である。
【0021】請求項13に記載の発明は、前記主体繊維
は、断面形状が三角形、四角形または六角形である異形
断面繊維を30質量%以上含んでなることを特徴とする
請求項1〜12のいずれか1項に記載の断熱複合材料で
ある。
は、断面形状が三角形、四角形または六角形である異形
断面繊維を30質量%以上含んでなることを特徴とする
請求項1〜12のいずれか1項に記載の断熱複合材料で
ある。
【0022】請求項14に記載の発明は、前記主体繊維
の断面形状が、1.2≦d≦1.37を満たす三角形、
0.6≦d≦0.68をみたす四角形、または、0.9
8≦d≦1.12を満たす六角形である、ここで、dは
下記式(1)および(2):
の断面形状が、1.2≦d≦1.37を満たす三角形、
0.6≦d≦0.68をみたす四角形、または、0.9
8≦d≦1.12を満たす六角形である、ここで、dは
下記式(1)および(2):
【0023】
【数2】
【0024】(式中、Sは主体繊維の断面積(m2)で
あり、rは円等価半径(m)であり、Lは主体繊維の異
形断面の外周長さ(m)である)で定義される形状係数
である、ことを特徴とする請求項13に記載の断熱複合
材料である。
あり、rは円等価半径(m)であり、Lは主体繊維の異
形断面の外周長さ(m)である)で定義される形状係数
である、ことを特徴とする請求項13に記載の断熱複合
材料である。
【0025】請求項15に記載の発明は、前記バインダ
ー繊維は、太さが1〜25デニールであることを特徴と
する請求項1〜14のいずれか1項に記載の断熱複合材
料である。
ー繊維は、太さが1〜25デニールであることを特徴と
する請求項1〜14のいずれか1項に記載の断熱複合材
料である。
【0026】請求項16に記載の発明は、前記バインダ
ー繊維は、芯鞘構造を有することを特徴とする請求項1
〜15のいずれか1項に記載の断熱複合材料である。
ー繊維は、芯鞘構造を有することを特徴とする請求項1
〜15のいずれか1項に記載の断熱複合材料である。
【0027】請求項17に記載の発明は、前記芯鞘構造
を有するバインダー繊維は、融点220℃以上の芯部分
と軟化点100〜200℃の鞘部分とからなることを特
徴とする請求項16に記載の断熱複合材料である。
を有するバインダー繊維は、融点220℃以上の芯部分
と軟化点100〜200℃の鞘部分とからなることを特
徴とする請求項16に記載の断熱複合材料である。
【0028】請求項18に記載の発明は、前記表面層
は、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリプロピレン、
ポリエチレンもしくはポリエステルのフィルム、発泡層
または前記フィルムと前記発泡層との積層物であること
を特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の断
熱複合材料である。
は、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリプロピレン、
ポリエチレンもしくはポリエステルのフィルム、発泡層
または前記フィルムと前記発泡層との積層物であること
を特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の断
熱複合材料である。
【0029】請求項19に記載の発明は、前記表面層の
厚さが0.1〜0.6mmであることを特徴とする請求
項18に記載の断熱複合材料である。
厚さが0.1〜0.6mmであることを特徴とする請求
項18に記載の断熱複合材料である。
【0030】請求項20に記載の発明は、前記表面層
は、平均粗さ10〜100μmの凹凸が設けられ、天然
皮革調のシボ形状を呈してなることを特徴とする請求項
18または19に記載の断熱複合材料である。
は、平均粗さ10〜100μmの凹凸が設けられ、天然
皮革調のシボ形状を呈してなることを特徴とする請求項
18または19に記載の断熱複合材料である。
【0031】請求項21に記載の発明は、前記表面層
は、内部または複合繊維層と接する面に、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンまた
はポリエステル樹脂が設けられてなる織物、編物または
布帛であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか
1項に記載の断熱複合材料である。
は、内部または複合繊維層と接する面に、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンまた
はポリエステル樹脂が設けられてなる織物、編物または
布帛であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか
1項に記載の断熱複合材料である。
【0032】請求項22に記載の発明は、前記表面層の
厚さが0.5〜2.5mmであることを特徴とする請求
項21に記載の断熱複合材料である。
厚さが0.5〜2.5mmであることを特徴とする請求
項21に記載の断熱複合材料である。
【0033】請求項23に記載の発明は、前記裏面層
は、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリプロピレン、
ポリエチレンもしくはポリエステルのフィルムもしくは
発泡層または前記フィルムと前記発泡層の積層物である
ことを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載
の断熱複合材料である。
は、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリプロピレン、
ポリエチレンもしくはポリエステルのフィルムもしくは
発泡層または前記フィルムと前記発泡層の積層物である
ことを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載
の断熱複合材料である。
【0034】請求項24に記載の発明は、前記裏面層の
厚さが0.1〜0.6mmであることを特徴とする請求
項1〜23のいずれか1項に記載の断熱複合材料であ
る。
厚さが0.1〜0.6mmであることを特徴とする請求
項1〜23のいずれか1項に記載の断熱複合材料であ
る。
【0035】請求項25に記載の発明は、前記表面層お
よび裏面層の通気量が0〜5ml/cm2秒であること
を特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の断
熱複合材料である。
よび裏面層の通気量が0〜5ml/cm2秒であること
を特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の断
熱複合材料である。
【0036】請求項26に記載の発明は、前記表面層が
着座する面側に対応するように設けられてなる請求項1
〜25のいずれか1項に記載の断熱複合材料と、該断熱
複合材料の前記裏面層側に設けられた冷却部とを備えて
なる自動車用シートである。
着座する面側に対応するように設けられてなる請求項1
〜25のいずれか1項に記載の断熱複合材料と、該断熱
複合材料の前記裏面層側に設けられた冷却部とを備えて
なる自動車用シートである。
【0037】請求項27に記載の発明は、前記冷却部
は、ヒートパイプによる冷熱の伝導または冷却された空
気の通風による対流熱伝導によって冷却される構造であ
ることを特徴とする請求項26に記載の自動車用シート
である。
は、ヒートパイプによる冷熱の伝導または冷却された空
気の通風による対流熱伝導によって冷却される構造であ
ることを特徴とする請求項26に記載の自動車用シート
である。
【0038】請求項28に記載の発明は、前記冷却部
は、太陽熱または排気熱を利用するケミカルヒートポン
プ、夜間の外気または冷媒の断熱膨張を利用したメカニ
カルヒートポンプによって冷却される構造であることを
特徴とする請求項27に記載の自動車用シートである。
は、太陽熱または排気熱を利用するケミカルヒートポン
プ、夜間の外気または冷媒の断熱膨張を利用したメカニ
カルヒートポンプによって冷却される構造であることを
特徴とする請求項27に記載の自動車用シートである。
【0039】請求項29に記載の発明は、主体繊維中に
バインダー繊維を混合して繊維混合物を得る段階と、所
望形状の成形面を有する金型に裏面層、前記繊維混合
物、表面層をこの順序で積層する段階と、型締めし、前
記バインダー繊維の軟化点以上に加熱する段階と、から
なる請求項1〜25に記載の断熱複合繊維の製造方法で
ある。
バインダー繊維を混合して繊維混合物を得る段階と、所
望形状の成形面を有する金型に裏面層、前記繊維混合
物、表面層をこの順序で積層する段階と、型締めし、前
記バインダー繊維の軟化点以上に加熱する段階と、から
なる請求項1〜25に記載の断熱複合繊維の製造方法で
ある。
【0040】
【発明の効果】以上のように構成された本発明によれ
ば、請求項毎に次のような効果を奏する。
ば、請求項毎に次のような効果を奏する。
【0041】請求項1に記載の発明にあっては、高熱伝
導性の主体繊維をバインダー繊維で架橋した複合繊維層
を通気性の低い表面層と裏面層の間に入れる構成とする
ことによって、非着座時には冷却部を断熱し、冷却部の
冷熱が外部へ放散することを防止することが出来、着座
時には人体が冷却部の冷熱を感じることが出来る断熱複
合材料を得ることができる。
導性の主体繊維をバインダー繊維で架橋した複合繊維層
を通気性の低い表面層と裏面層の間に入れる構成とする
ことによって、非着座時には冷却部を断熱し、冷却部の
冷熱が外部へ放散することを防止することが出来、着座
時には人体が冷却部の冷熱を感じることが出来る断熱複
合材料を得ることができる。
【0042】このような材料を用いた場合、搭乗者が着
座するシートの表面温度を効率良く下げて、シートから
人体への伝熱量を小さくしたり、人体の熱をシートで冷
やすことができるため、今後拡大の予想される省エネル
ギー自動車のエアコン負荷を大幅に低減することが可能
となる。
座するシートの表面温度を効率良く下げて、シートから
人体への伝熱量を小さくしたり、人体の熱をシートで冷
やすことができるため、今後拡大の予想される省エネル
ギー自動車のエアコン負荷を大幅に低減することが可能
となる。
【0043】請求項2に記載の発明にあっては、主体繊
維を、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエ
チレン繊維、ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポ
リビニルアルコール繊維またはガラス繊維からなる基材
繊維の表面に、銀、銅、金、アルミニウム、亜鉛、ニッ
ケル、白金または錫のメッキを形成した構成とすること
により、好適な熱伝導性を有する断熱複合材料を得るこ
とができる。
維を、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエ
チレン繊維、ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポ
リビニルアルコール繊維またはガラス繊維からなる基材
繊維の表面に、銀、銅、金、アルミニウム、亜鉛、ニッ
ケル、白金または錫のメッキを形成した構成とすること
により、好適な熱伝導性を有する断熱複合材料を得るこ
とができる。
【0044】請求項3に記載の発明にあっては、基材繊
維の太さを2〜90デニールとすることにより、基材繊
維が細すぎることに起因する耐へたり性の低下、およ
び、太すぎることによる熱伝導性の低下を抑制すること
ができる。
維の太さを2〜90デニールとすることにより、基材繊
維が細すぎることに起因する耐へたり性の低下、およ
び、太すぎることによる熱伝導性の低下を抑制すること
ができる。
【0045】請求項4に記載の発明にあっては、複合繊
維中の主体繊維の含有率を50〜90質量%とすること
により、主体繊維同士の接触面積の減少に起因する熱伝
導性の低下や、主体繊維の含有率が高すぎることに起因
する耐へたり性の低下を抑制できる。
維中の主体繊維の含有率を50〜90質量%とすること
により、主体繊維同士の接触面積の減少に起因する熱伝
導性の低下や、主体繊維の含有率が高すぎることに起因
する耐へたり性の低下を抑制できる。
【0046】請求項5に記載の発明にあっては、メッキ
の厚さを0.1〜10μmとすることにより、メッキの
厚さが不充分なことに起因する熱伝導性の低下や、厚す
ぎることに起因する耐へたり性の低下を抑制できる。
の厚さを0.1〜10μmとすることにより、メッキの
厚さが不充分なことに起因する熱伝導性の低下や、厚す
ぎることに起因する耐へたり性の低下を抑制できる。
【0047】請求項6に記載の発明にあっては、複合繊
維層の目付けを0.01〜0.08g/cm3とし、厚
さを2〜20mmとすることにより、目付けが小さすぎ
ることに起因する耐へたり性の低下を抑制でき、非着座
時の冷熱放散を好適に抑制できる。
維層の目付けを0.01〜0.08g/cm3とし、厚
さを2〜20mmとすることにより、目付けが小さすぎ
ることに起因する耐へたり性の低下を抑制でき、非着座
時の冷熱放散を好適に抑制できる。
【0048】請求項7に記載の発明にあっては、基材繊
維表面の40%以上に、幅または径が0.5〜10μm
で、粗さが0.2〜2μmの凹凸を形成することによ
り、主体繊維とバインダー繊維との接合界面の面積を増
加させ、複合繊維層の耐へたり性を向上させることがで
きる。また、微小な凹凸を基材繊維に形成することによ
って金属メッキの接着性が向上し、金属メッキの剥離を
抑制できるため、断熱複合材料の耐久性を向上させるこ
とができる。
維表面の40%以上に、幅または径が0.5〜10μm
で、粗さが0.2〜2μmの凹凸を形成することによ
り、主体繊維とバインダー繊維との接合界面の面積を増
加させ、複合繊維層の耐へたり性を向上させることがで
きる。また、微小な凹凸を基材繊維に形成することによ
って金属メッキの接着性が向上し、金属メッキの剥離を
抑制できるため、断熱複合材料の耐久性を向上させるこ
とができる。
【0049】請求項8に記載の発明にあっては、基材繊
維表面に、基材繊維の軸方向に配向する深さ0.2〜2
μmの筋状凹凸を設けることによって、主体繊維とバイ
ンダー繊維との接合強度が増加し、複合繊維層の耐へた
り性が向上する。また、微小な凹凸を基材繊維に形成す
ることによってメッキされる金属の接着性が向上し、断
熱複合材料の耐久性を向上させることができる。
維表面に、基材繊維の軸方向に配向する深さ0.2〜2
μmの筋状凹凸を設けることによって、主体繊維とバイ
ンダー繊維との接合強度が増加し、複合繊維層の耐へた
り性が向上する。また、微小な凹凸を基材繊維に形成す
ることによってメッキされる金属の接着性が向上し、断
熱複合材料の耐久性を向上させることができる。
【0050】請求項9に記載の発明にあっては、主体繊
維を、銅、アルミニウム、金、銀、鉄、ニッケル、白
金、錫および亜鉛からなる群より選択される1または2
以上の金属のフィラメント、または、鋳鉄、炭素鋼、ス
テンレス、ジュラルミン、黄銅、ニクロムおよびクロメ
ルからなる群より選択される1または2以上の合金のフ
ィラメントから構成することによって、着座時に高い熱
伝導性が得られる。
維を、銅、アルミニウム、金、銀、鉄、ニッケル、白
金、錫および亜鉛からなる群より選択される1または2
以上の金属のフィラメント、または、鋳鉄、炭素鋼、ス
テンレス、ジュラルミン、黄銅、ニクロムおよびクロメ
ルからなる群より選択される1または2以上の合金のフ
ィラメントから構成することによって、着座時に高い熱
伝導性が得られる。
【0051】請求項10に記載の発明にあっては、主体
繊維の太さを12〜580デニールとすることにより、
主体繊維が細すぎることに起因する耐へたり性の低下、
および、太すぎることによる熱伝導性の低下を抑制する
ことができる。
繊維の太さを12〜580デニールとすることにより、
主体繊維が細すぎることに起因する耐へたり性の低下、
および、太すぎることによる熱伝導性の低下を抑制する
ことができる。
【0052】請求項11に記載の発明にあっては、複合
繊維中の主体繊維の含有率を70〜95質量%とするこ
とにより、主体繊維同士の接触面積の減少に起因する熱
伝導性の低下や、主体繊維の含有率が高すぎることに起
因する耐へたり性の低下を抑制できる。
繊維中の主体繊維の含有率を70〜95質量%とするこ
とにより、主体繊維同士の接触面積の減少に起因する熱
伝導性の低下や、主体繊維の含有率が高すぎることに起
因する耐へたり性の低下を抑制できる。
【0053】請求項12に記載の発明にあっては、複合
繊維層の目付けを0.05〜0.5g/cm3とするこ
とにより、目付けが小さすぎることに起因する耐へたり
性の低下を抑制でき、非着座時の冷熱放散を好適に抑制
できる。
繊維層の目付けを0.05〜0.5g/cm3とするこ
とにより、目付けが小さすぎることに起因する耐へたり
性の低下を抑制でき、非着座時の冷熱放散を好適に抑制
できる。
【0054】請求項13に記載の発明にあっては、主体
繊維の断面形状を三角形、四角形または六角形の異形断
面繊維とすることによって、主体繊維とバインダー繊維
との接合界面の面積が増加し、着座時の熱伝導性が向上
する。また、主体繊維とバインダー繊維との接合強度が
向上し、耐へたり性を向上させる効果もある。さらに、
主体繊維が金属メッキ繊維である場合においては、金属
の繊維への接着性が向上し、断熱複合材料の耐久性が向
上する。
繊維の断面形状を三角形、四角形または六角形の異形断
面繊維とすることによって、主体繊維とバインダー繊維
との接合界面の面積が増加し、着座時の熱伝導性が向上
する。また、主体繊維とバインダー繊維との接合強度が
向上し、耐へたり性を向上させる効果もある。さらに、
主体繊維が金属メッキ繊維である場合においては、金属
の繊維への接着性が向上し、断熱複合材料の耐久性が向
上する。
【0055】請求項14に記載の発明にあっては、主体
繊維の断面形状についての形状係数を所定の範囲に規定
することによって、着座時の主体繊維同士の密着性を更
に向上させ、着座時の熱伝導性を更に大きくすることが
できる。
繊維の断面形状についての形状係数を所定の範囲に規定
することによって、着座時の主体繊維同士の密着性を更
に向上させ、着座時の熱伝導性を更に大きくすることが
できる。
【0056】請求項15に記載の発明にあっては、バイ
ンダー繊維の太さを1〜25デニールとすることによっ
て、バインダー繊維が細すぎることに起因する耐へたり
性の低下や、バインダー繊維が太すぎることに起因する
熱伝導性低下を抑制できる。
ンダー繊維の太さを1〜25デニールとすることによっ
て、バインダー繊維が細すぎることに起因する耐へたり
性の低下や、バインダー繊維が太すぎることに起因する
熱伝導性低下を抑制できる。
【0057】請求項16に記載の発明にあっては、バイ
ンダー繊維を芯鞘構造を有する化合物から構成すること
により、本発明の効果を好適に得ることができる。
ンダー繊維を芯鞘構造を有する化合物から構成すること
により、本発明の効果を好適に得ることができる。
【0058】請求項17に記載の発明にあっては、芯鞘
構造を有するバインダー繊維において、芯部分の融点を
220℃以上、鞘部分の軟化点を100〜200℃とす
ることにより、炎天下環境においても問題なく機能する
断熱複合材料とすることができ、成形時・成形後におい
て安定した機能発現を期待できる。
構造を有するバインダー繊維において、芯部分の融点を
220℃以上、鞘部分の軟化点を100〜200℃とす
ることにより、炎天下環境においても問題なく機能する
断熱複合材料とすることができ、成形時・成形後におい
て安定した機能発現を期待できる。
【0059】請求項18に記載の発明にあっては、表面
層を、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンもしくはポリエステルのフィルムもし
くは発泡層または該フィルムと該発泡層の積層物とする
ことによって、着座時には充分な熱伝導性が得られ、非
着座時には複合繊維層内の空気の外界への移動を好適に
防ぐことができる。
層を、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンもしくはポリエステルのフィルムもし
くは発泡層または該フィルムと該発泡層の積層物とする
ことによって、着座時には充分な熱伝導性が得られ、非
着座時には複合繊維層内の空気の外界への移動を好適に
防ぐことができる。
【0060】請求項19に記載の発明にあっては、表面
層の厚さを0.1〜0.6mmとすることによって、表
面層不足に起因する磨耗耐久性の低下や、表面層過剰に
起因する熱伝導率の低下を抑制できる。
層の厚さを0.1〜0.6mmとすることによって、表
面層不足に起因する磨耗耐久性の低下や、表面層過剰に
起因する熱伝導率の低下を抑制できる。
【0061】請求項20に記載の発明にあっては、表面
層を、平均粗さ10〜100μmの凹凸が設けられた天
然皮革調のシボ形状とすることにより、外観向上効果や
着座時のすべり止め効果を得ることができる。
層を、平均粗さ10〜100μmの凹凸が設けられた天
然皮革調のシボ形状とすることにより、外観向上効果や
着座時のすべり止め効果を得ることができる。
【0062】請求項21に記載の発明にあっては、表面
層を、内部または複合繊維層と接する面に、ポリ塩化ビ
ニル、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンま
たはポリエステル樹脂が設けられてなる織物、編物また
は布帛から構成することによって、着座時には充分な熱
伝導性が得られ、非着座時には複合繊維層内の空気の外
界への移動を好適に防ぐことができる。
層を、内部または複合繊維層と接する面に、ポリ塩化ビ
ニル、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンま
たはポリエステル樹脂が設けられてなる織物、編物また
は布帛から構成することによって、着座時には充分な熱
伝導性が得られ、非着座時には複合繊維層内の空気の外
界への移動を好適に防ぐことができる。
【0063】請求項22に記載の発明にあっては、表面
層の厚さを0.5〜2.5mmとすることによって、表
面層不足に起因する磨耗耐久性の低下や、表面層過剰に
起因する熱伝導率の低下を抑制できる。
層の厚さを0.5〜2.5mmとすることによって、表
面層不足に起因する磨耗耐久性の低下や、表面層過剰に
起因する熱伝導率の低下を抑制できる。
【0064】請求項23に記載の発明にあっては、裏面
層を、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンもしくはポリエステルのフィルムもし
くは発泡層または該フィルムと該発泡層の積層物とする
ことによって、着座時には充分な熱伝導性が得られ、非
着座時には複合繊維層内の空気の外界への移動を好適に
防ぐことができる。
層を、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンもしくはポリエステルのフィルムもし
くは発泡層または該フィルムと該発泡層の積層物とする
ことによって、着座時には充分な熱伝導性が得られ、非
着座時には複合繊維層内の空気の外界への移動を好適に
防ぐことができる。
【0065】請求項24に記載の発明にあっては、裏面
層の厚さを0.1〜0.6mmとすることによって、裏
面層不足に起因する磨耗耐久性の低下や、裏面層過剰に
起因する熱伝導率の低下を抑制できる。
層の厚さを0.1〜0.6mmとすることによって、裏
面層不足に起因する磨耗耐久性の低下や、裏面層過剰に
起因する熱伝導率の低下を抑制できる。
【0066】請求項25に記載の発明にあっては、表面
層および裏面層の通気量を0〜5ml/cm2秒とする
ことによって、非着座時の断熱性をより高めることがで
きる。
層および裏面層の通気量を0〜5ml/cm2秒とする
ことによって、非着座時の断熱性をより高めることがで
きる。
【0067】請求項26に記載の発明にあっては、請求
項1〜25の効果を有する自動車用シートを得ることが
できる。
項1〜25の効果を有する自動車用シートを得ることが
できる。
【0068】請求項27および28に記載の発明にあっ
ては、冷却部を好適に冷却する手段が提供され、自動車
のより一層の省エネルギー化を達成できる。
ては、冷却部を好適に冷却する手段が提供され、自動車
のより一層の省エネルギー化を達成できる。
【0069】請求項29に記載の発明にあっては、請求
項1〜25の断熱複合繊維を得ることができる。
項1〜25の断熱複合繊維を得ることができる。
【0070】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0071】図1には本発明に係る断熱複合材料をシー
トに適用した場合の断面構造を示す。断熱複合材料6
は、表面層5、複合繊維層4および裏面層3がこの順序
に積層されてなり、自動車用シートとして用いられた場
合には、図1に示すようにシート基材1の外部に冷却部
2が設けられ、冷却部2の外部に表面層5が着座側に対
応するように設けられる。
トに適用した場合の断面構造を示す。断熱複合材料6
は、表面層5、複合繊維層4および裏面層3がこの順序
に積層されてなり、自動車用シートとして用いられた場
合には、図1に示すようにシート基材1の外部に冷却部
2が設けられ、冷却部2の外部に表面層5が着座側に対
応するように設けられる。
【0072】複合繊維層4は図2に示すように3次元網
目形状を呈する複合繊維からなり、複合繊維は高熱伝導
性主体繊維7とバインダー繊維8とが接合点9において
接合した架橋構造を有する。また、表面層5および裏面
層3の通気量が0〜20ml/cm2秒であることを特
徴とする。高熱伝導性を有する主体繊維をバインダー繊
維で架橋した複合繊維層とした場合、非着座時にはバイ
ンダー繊維に支持された主体繊維同士は密着しないた
め、主体繊維を介しての熱移動は極めて少なくなる。ま
た、複合繊維中に含まれる空気の作用によって断熱複合
材料6は高い熱伝導性を有する。このとき、空気の対流
による熱伝導は、表面層5および裏面層3の通気量を0
〜20ml/cm2秒とすることにより制御することが
できる。好ましくは0〜5ml/cm2秒である。なお
通気量の測定はJIS L1096(1999年)8.
27に記載の方法に準拠して実施することができる。一
方、着座時には、着座した際の圧力によって複合繊維中
の空気は排出され、高い熱伝導性を有する主体繊維が互
いに密着する。これにより熱伝導性を高めることがで
き、冷却部2の冷熱を効果的に着座者に伝えることがで
きる。また、バインダー繊維の復元性によって、乗降の
繰り返しによる複合繊維層4のへたりを大幅に低減する
ことができる。すなわち、優れた耐へたり性が得られ
る。
目形状を呈する複合繊維からなり、複合繊維は高熱伝導
性主体繊維7とバインダー繊維8とが接合点9において
接合した架橋構造を有する。また、表面層5および裏面
層3の通気量が0〜20ml/cm2秒であることを特
徴とする。高熱伝導性を有する主体繊維をバインダー繊
維で架橋した複合繊維層とした場合、非着座時にはバイ
ンダー繊維に支持された主体繊維同士は密着しないた
め、主体繊維を介しての熱移動は極めて少なくなる。ま
た、複合繊維中に含まれる空気の作用によって断熱複合
材料6は高い熱伝導性を有する。このとき、空気の対流
による熱伝導は、表面層5および裏面層3の通気量を0
〜20ml/cm2秒とすることにより制御することが
できる。好ましくは0〜5ml/cm2秒である。なお
通気量の測定はJIS L1096(1999年)8.
27に記載の方法に準拠して実施することができる。一
方、着座時には、着座した際の圧力によって複合繊維中
の空気は排出され、高い熱伝導性を有する主体繊維が互
いに密着する。これにより熱伝導性を高めることがで
き、冷却部2の冷熱を効果的に着座者に伝えることがで
きる。また、バインダー繊維の復元性によって、乗降の
繰り返しによる複合繊維層4のへたりを大幅に低減する
ことができる。すなわち、優れた耐へたり性が得られ
る。
【0073】上記作用を発現し得るものであれば材料構
成は特に限定されず各種の材料を用いることができる
が、実際の使用に関しては耐環境性や、好適な熱伝導性
の発現等に考慮する必要がある。例えば、自動車室内の
空気温度は、夏期炎天下においては80℃近くにまで上
昇しうるものであり、直射日光が当たる部位においては
100℃近くにまで上昇する可能性がある。このため、
シートはこのような高温環境下においても劣化がない材
料から構成することが好ましい。このような優れた作用
を発現しうる材料に関して、順次説明する。
成は特に限定されず各種の材料を用いることができる
が、実際の使用に関しては耐環境性や、好適な熱伝導性
の発現等に考慮する必要がある。例えば、自動車室内の
空気温度は、夏期炎天下においては80℃近くにまで上
昇しうるものであり、直射日光が当たる部位においては
100℃近くにまで上昇する可能性がある。このため、
シートはこのような高温環境下においても劣化がない材
料から構成することが好ましい。このような優れた作用
を発現しうる材料に関して、順次説明する。
【0074】主体繊維7は、優れた耐久性を有するポリ
エステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊
維、ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリビニル
アルコール繊維、ガラス繊維などの基材繊維からなり、
熱伝導性を高めるために繊維表面が金属材料でメッキさ
れたもの(以下「金属メッキ繊維」とも記載)を用いる
ことが好ましい。主体繊維7はこれらの繊維の混合物で
あってもよい。メッキに用いられる金属材料としては、
極めて高い熱伝導性を有する銀、銅、金、アルミニウ
ム、亜鉛、ニッケル、白金、錫等が挙げられる。金属材
料によるメッキは、無電解メッキなどの手段を用いて行
うことができる。なお、金属メッキ繊維を用いて複合繊
維層を形成する場合、基材繊維とは金属材料がメッキさ
れる繊維を指す。
エステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊
維、ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリビニル
アルコール繊維、ガラス繊維などの基材繊維からなり、
熱伝導性を高めるために繊維表面が金属材料でメッキさ
れたもの(以下「金属メッキ繊維」とも記載)を用いる
ことが好ましい。主体繊維7はこれらの繊維の混合物で
あってもよい。メッキに用いられる金属材料としては、
極めて高い熱伝導性を有する銀、銅、金、アルミニウ
ム、亜鉛、ニッケル、白金、錫等が挙げられる。金属材
料によるメッキは、無電解メッキなどの手段を用いて行
うことができる。なお、金属メッキ繊維を用いて複合繊
維層を形成する場合、基材繊維とは金属材料がメッキさ
れる繊維を指す。
【0075】金属メッキ繊維を用いる場合には、基材繊
維が細すぎると断熱複合材料の耐へたり性が低下する恐
れがある。このため、2デニール以上であることが好ま
しく、10デニール以上であることがより好ましい。一
方、太すぎると着座時の主体繊維同士の接触面積が小さ
くなり、着座時の熱伝導性が低下する恐れがある。この
ため、90デニール以下であることが好ましく、50デ
ニール以下であることがより好ましい。
維が細すぎると断熱複合材料の耐へたり性が低下する恐
れがある。このため、2デニール以上であることが好ま
しく、10デニール以上であることがより好ましい。一
方、太すぎると着座時の主体繊維同士の接触面積が小さ
くなり、着座時の熱伝導性が低下する恐れがある。この
ため、90デニール以下であることが好ましく、50デ
ニール以下であることがより好ましい。
【0076】金属メッキ繊維を用いる場合には、複合繊
維層4を構成する複合繊維中の主体繊維の含有率が低す
ぎると、着座時の主体繊維同士の接触面積が少なくな
り、着座時の熱伝導性を確保できない恐れがある。この
ため、主体繊維の含有率が50質量%以上であることが
好ましく、75質量%以上であることがより好ましい。
一方、複合繊維中の主体繊維の含有率が高すぎると、耐
へたり性が著しく低下する恐れがある。このため、主体
繊維の含有率が90質量%以下であることが好ましく、
85質量%以下であることがより好ましい。なお、複合
繊維中の主体繊維の含有率とは、主体繊維およびバイン
ダー繊維の総質量に対する主体繊維の割合をいう。従っ
て、主体繊維の含有率を測定する場合には、直接主体繊
維の含有率を測定しなくとも、バインダー繊維の含有率
を測定して逆算してもよい。なお、含有率の算出は主体
繊維およびバインダー繊維から複合繊維層を調製する段
階の配合比から算出することができる。
維層4を構成する複合繊維中の主体繊維の含有率が低す
ぎると、着座時の主体繊維同士の接触面積が少なくな
り、着座時の熱伝導性を確保できない恐れがある。この
ため、主体繊維の含有率が50質量%以上であることが
好ましく、75質量%以上であることがより好ましい。
一方、複合繊維中の主体繊維の含有率が高すぎると、耐
へたり性が著しく低下する恐れがある。このため、主体
繊維の含有率が90質量%以下であることが好ましく、
85質量%以下であることがより好ましい。なお、複合
繊維中の主体繊維の含有率とは、主体繊維およびバイン
ダー繊維の総質量に対する主体繊維の割合をいう。従っ
て、主体繊維の含有率を測定する場合には、直接主体繊
維の含有率を測定しなくとも、バインダー繊維の含有率
を測定して逆算してもよい。なお、含有率の算出は主体
繊維およびバインダー繊維から複合繊維層を調製する段
階の配合比から算出することができる。
【0077】金属メッキ繊維を用いる場合には、金属メ
ッキ部分が薄すぎると、着座時に充分な熱伝導性を得ら
れない恐れがある。このため、金属メッキの厚さは0.
1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であ
ることがより好ましい。一方、厚すぎると耐へたり性が
低下する恐れがある。このため、10μm以下であるこ
とが好ましく、6μmであることがより好ましい。な
お、金属メッキの厚さは繊維断面の走査型電子顕微鏡撮
影によって測定することができる。
ッキ部分が薄すぎると、着座時に充分な熱伝導性を得ら
れない恐れがある。このため、金属メッキの厚さは0.
1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であ
ることがより好ましい。一方、厚すぎると耐へたり性が
低下する恐れがある。このため、10μm以下であるこ
とが好ましく、6μmであることがより好ましい。な
お、金属メッキの厚さは繊維断面の走査型電子顕微鏡撮
影によって測定することができる。
【0078】金属メッキ繊維を用いる場合には、複合繊
維層4の目付けが小さすぎると耐へたり性が著しく低下
する恐れがある。このため複合繊維層の目付けは0.0
1g/cm3以上であることが好ましく、0.02g/
cm3以上であることが好ましい。一方、目付けが大き
すぎると非着座時の熱伝導性が大きくなり、冷熱の放散
を抑制できなくなる恐れがある。このため複合繊維層の
目付けは0.08g/cm3以下であることが好まし
く、0.05g/cm3以下であることがより好まし
い。なお、目付けは任意の大きさに切り出した複合繊維
層の質量をその体積で割ることによって測定することが
できる。また、非着座時の熱伝導性および耐へたり性を
考慮すると、複合繊維層4の厚さは2〜20mmである
ことが好ましい。
維層4の目付けが小さすぎると耐へたり性が著しく低下
する恐れがある。このため複合繊維層の目付けは0.0
1g/cm3以上であることが好ましく、0.02g/
cm3以上であることが好ましい。一方、目付けが大き
すぎると非着座時の熱伝導性が大きくなり、冷熱の放散
を抑制できなくなる恐れがある。このため複合繊維層の
目付けは0.08g/cm3以下であることが好まし
く、0.05g/cm3以下であることがより好まし
い。なお、目付けは任意の大きさに切り出した複合繊維
層の質量をその体積で割ることによって測定することが
できる。また、非着座時の熱伝導性および耐へたり性を
考慮すると、複合繊維層4の厚さは2〜20mmである
ことが好ましい。
【0079】金属メッキ繊維を用いる場合には、基材繊
維の表面に微小な凹凸を設けることが好ましい。これに
より、主体繊維とバインダー繊維との接合界面の面積が
増加し、主体繊維とバインダー繊維との接合強度が向上
する。その結果、複合繊維層の耐へたり性を向上させる
ことができる。また、微小な凹凸を主体繊維の基材表面
に形成することによって金属メッキの接着性が向上し、
金属メッキの剥離を抑制できるため、断熱複合材料の耐
久性を向上させることができる。これらの効果を充分に
得るためには主体繊維の基材繊維表面における凹凸の占
める割合が40%以上であることが好ましく、基材繊維
の強度低下による複合繊維層のへたりを考慮すると80
%以下であることが好ましい。また、凹凸の大きさによ
っては、これらの効果を充分に得られない恐れがある。
このため、凹凸の幅または径が0.5〜10μmであ
り、凹凸の粗さが0.2〜2μmであることが好まし
い。なお、凹凸の幅または径とは凹凸が設けられている
部分の平均径をいい、凹凸の粗さとは複合繊維層面に対
する凸部または凹部の突出長さをいい、それぞれ走査型
電子顕微鏡によって測定できる。図5に表面に凹凸が設
けられた基材繊維の概略図を参考として示す。
維の表面に微小な凹凸を設けることが好ましい。これに
より、主体繊維とバインダー繊維との接合界面の面積が
増加し、主体繊維とバインダー繊維との接合強度が向上
する。その結果、複合繊維層の耐へたり性を向上させる
ことができる。また、微小な凹凸を主体繊維の基材表面
に形成することによって金属メッキの接着性が向上し、
金属メッキの剥離を抑制できるため、断熱複合材料の耐
久性を向上させることができる。これらの効果を充分に
得るためには主体繊維の基材繊維表面における凹凸の占
める割合が40%以上であることが好ましく、基材繊維
の強度低下による複合繊維層のへたりを考慮すると80
%以下であることが好ましい。また、凹凸の大きさによ
っては、これらの効果を充分に得られない恐れがある。
このため、凹凸の幅または径が0.5〜10μmであ
り、凹凸の粗さが0.2〜2μmであることが好まし
い。なお、凹凸の幅または径とは凹凸が設けられている
部分の平均径をいい、凹凸の粗さとは複合繊維層面に対
する凸部または凹部の突出長さをいい、それぞれ走査型
電子顕微鏡によって測定できる。図5に表面に凹凸が設
けられた基材繊維の概略図を参考として示す。
【0080】金属メッキ繊維を用いる場合には、基材繊
維の軸方向に配向した微細な筋状凹凸が設けられてなる
ことが好ましい。これにより、主体繊維とバインダー繊
維との接合界面の面積が増加し、主体繊維とバインダー
繊維との接合強度が向上する。その結果、複合繊維層の
耐へたり性を向上させることができる。また、筋状凹凸
を基材繊維表面に形成することによってメッキされる金
属の接着性が向上し、金属メッキ剥離を抑制できるた
め、断熱複合材料の耐久性を向上させることができる。
なお、これらの効果は、基材繊維の軸方向に配向する筋
状凹凸の密度や深さによっては充分に得られない恐れが
ある。このため、筋状凹凸の深さは0.2〜2μmであ
ることが好ましく、隣接する凸部間距離または凹部間距
離は0.2〜5μmであることが好ましく、主体繊維の
断面における周囲長の5%以上は筋状凹凸に起因するも
のであることが好ましい。なお、凹凸の深さとは複合繊
維層面に対する凸部または凹部の突出長さをいい、走査
型電子顕微鏡によって測定できる。また、凸部間または
凹部間距離ならびに周囲長における筋状凹凸の占める割
合は走査型電子顕微鏡によって測定できる。図6に表面
に筋状凹凸が設けられた基材繊維の概略図を参考として
示す。
維の軸方向に配向した微細な筋状凹凸が設けられてなる
ことが好ましい。これにより、主体繊維とバインダー繊
維との接合界面の面積が増加し、主体繊維とバインダー
繊維との接合強度が向上する。その結果、複合繊維層の
耐へたり性を向上させることができる。また、筋状凹凸
を基材繊維表面に形成することによってメッキされる金
属の接着性が向上し、金属メッキ剥離を抑制できるた
め、断熱複合材料の耐久性を向上させることができる。
なお、これらの効果は、基材繊維の軸方向に配向する筋
状凹凸の密度や深さによっては充分に得られない恐れが
ある。このため、筋状凹凸の深さは0.2〜2μmであ
ることが好ましく、隣接する凸部間距離または凹部間距
離は0.2〜5μmであることが好ましく、主体繊維の
断面における周囲長の5%以上は筋状凹凸に起因するも
のであることが好ましい。なお、凹凸の深さとは複合繊
維層面に対する凸部または凹部の突出長さをいい、走査
型電子顕微鏡によって測定できる。また、凸部間または
凹部間距離ならびに周囲長における筋状凹凸の占める割
合は走査型電子顕微鏡によって測定できる。図6に表面
に筋状凹凸が設けられた基材繊維の概略図を参考として
示す。
【0081】以上、金属メッキ繊維を用いて複合繊維層
を構成する場合について記載したが、主体繊維7は、
銅、アルミニウム、金、銀、鉄、ニッケル、白金、錫、
亜鉛等の金属単独またはこれらの混合物のフィラメント
であってもよく、鋳鉄、炭素鋼、ステンレス、ジュラル
ミン、黄銅、ニクロム、クロメル等の合金のフィラメン
トであってもよい。これらの材料(以下「金属繊維」と
も記載)は、主体繊維自体の熱伝導率が非常に大きく、
着座時にはこの高熱伝導性の主体繊維同士が密着するこ
とによって高い熱伝導性を得られる。
を構成する場合について記載したが、主体繊維7は、
銅、アルミニウム、金、銀、鉄、ニッケル、白金、錫、
亜鉛等の金属単独またはこれらの混合物のフィラメント
であってもよく、鋳鉄、炭素鋼、ステンレス、ジュラル
ミン、黄銅、ニクロム、クロメル等の合金のフィラメン
トであってもよい。これらの材料(以下「金属繊維」と
も記載)は、主体繊維自体の熱伝導率が非常に大きく、
着座時にはこの高熱伝導性の主体繊維同士が密着するこ
とによって高い熱伝導性を得られる。
【0082】金属繊維を用いる場合には、主体繊維が細
すぎると断熱複合材料の耐へたり性が低下する恐れがあ
る。このため、12デニール以上であることが好まし
く、50デニール以上であることがより好ましい。一
方、太すぎると着座時の主体繊維同士の接触面積が小さ
くなり、着座時の熱伝導性が低下する恐れがある。この
ため、580デニール以下であることが好ましく、25
0デニール以下であることがより好ましい。
すぎると断熱複合材料の耐へたり性が低下する恐れがあ
る。このため、12デニール以上であることが好まし
く、50デニール以上であることがより好ましい。一
方、太すぎると着座時の主体繊維同士の接触面積が小さ
くなり、着座時の熱伝導性が低下する恐れがある。この
ため、580デニール以下であることが好ましく、25
0デニール以下であることがより好ましい。
【0083】金属繊維を用いる場合には、複合繊維層4
を構成する主体繊維の含有率が低すぎると、着座時の主
体繊維同士の接触面積が少なくなり、着座時の熱伝導性
を確保できない恐れがある。このため、複合繊維中の主
体繊維含有率が70質量%以上であることが好ましく、
75質量%以上であることがより好ましい。一方、複合
繊維中の主体繊維の含有率が高すぎると、耐へたり性が
著しく低下する恐れがある。このため、主体繊維の含有
率が95質量%以下であることが好ましく、90質量%
以下であることがより好ましい。含有率の測定は主体繊
維が金属メッキ繊維である場合同様、含有率の算出は主
体繊維およびバインダー繊維から複合繊維層を調製する
段階の配合比から算出することができる。
を構成する主体繊維の含有率が低すぎると、着座時の主
体繊維同士の接触面積が少なくなり、着座時の熱伝導性
を確保できない恐れがある。このため、複合繊維中の主
体繊維含有率が70質量%以上であることが好ましく、
75質量%以上であることがより好ましい。一方、複合
繊維中の主体繊維の含有率が高すぎると、耐へたり性が
著しく低下する恐れがある。このため、主体繊維の含有
率が95質量%以下であることが好ましく、90質量%
以下であることがより好ましい。含有率の測定は主体繊
維が金属メッキ繊維である場合同様、含有率の算出は主
体繊維およびバインダー繊維から複合繊維層を調製する
段階の配合比から算出することができる。
【0084】金属繊維を用いる場合には、複合繊維層4
の目付けが小さすぎると耐へたり性が著しく低下する恐
れがある。このため複合繊維層の目付けは0.05g/
cm 3以上であることが好ましく、0.1g/cm3以上
であることが好ましい。一方、目付けが大きすぎると非
着座時の熱伝導性が大きくなり、冷熱の放散を抑制でき
なくなる恐れがある。このため複合繊維層の目付けは
0.5g/cm3以下であることが好ましく、0.3g
/cm3以下であることがより好ましい。また、非着座
時の熱伝導性および耐へたり性を考慮すると、複合繊維
層4の厚さは2〜20mmであることが好ましい。
の目付けが小さすぎると耐へたり性が著しく低下する恐
れがある。このため複合繊維層の目付けは0.05g/
cm 3以上であることが好ましく、0.1g/cm3以上
であることが好ましい。一方、目付けが大きすぎると非
着座時の熱伝導性が大きくなり、冷熱の放散を抑制でき
なくなる恐れがある。このため複合繊維層の目付けは
0.5g/cm3以下であることが好ましく、0.3g
/cm3以下であることがより好ましい。また、非着座
時の熱伝導性および耐へたり性を考慮すると、複合繊維
層4の厚さは2〜20mmであることが好ましい。
【0085】以上の説明においては、主体繊維として金
属メッキ繊維を用いる場合と金属繊維を用いる場合とに
分けて説明したが、金属メッキ繊維を用いる場合であ
れ、金属繊維を用いる場合であれ、断面形状が三角形、
四角形または六角形である異形断面繊維を含むことが好
ましい。断面形状が三角形、四角形または六角形である
主体繊維を含むことによって主体繊維とバインダー繊維
との接合界面の面積が増加し、着座時の主体繊維同士の
密着性を向上させることができる。その結果、着座時の
熱伝導性が向上する。また、主体繊維とバインダー繊維
との接合強度が向上し、耐へたり性を向上させる効果も
ある。さらに、主体繊維が金属メッキ繊維である場合に
おいては、金属の繊維への接着性が向上し、主体繊維表
面の金属メッキの剥離を抑制でき、断熱複合材料の耐久
性が向上する。熱伝導性向上効果を充分得るためには異
形断面繊維の含有量は主体繊維に対して30質量%以上
であることが好ましい。異形断面繊維の含有量の上限は
特に限定されるものではなく100質量%であっても構
わない。なお、主体繊維中の異形断面繊維の含有量は異
形断面繊維および丸断面繊維の混毛比から算出できる。
属メッキ繊維を用いる場合と金属繊維を用いる場合とに
分けて説明したが、金属メッキ繊維を用いる場合であ
れ、金属繊維を用いる場合であれ、断面形状が三角形、
四角形または六角形である異形断面繊維を含むことが好
ましい。断面形状が三角形、四角形または六角形である
主体繊維を含むことによって主体繊維とバインダー繊維
との接合界面の面積が増加し、着座時の主体繊維同士の
密着性を向上させることができる。その結果、着座時の
熱伝導性が向上する。また、主体繊維とバインダー繊維
との接合強度が向上し、耐へたり性を向上させる効果も
ある。さらに、主体繊維が金属メッキ繊維である場合に
おいては、金属の繊維への接着性が向上し、主体繊維表
面の金属メッキの剥離を抑制でき、断熱複合材料の耐久
性が向上する。熱伝導性向上効果を充分得るためには異
形断面繊維の含有量は主体繊維に対して30質量%以上
であることが好ましい。異形断面繊維の含有量の上限は
特に限定されるものではなく100質量%であっても構
わない。なお、主体繊維中の異形断面繊維の含有量は異
形断面繊維および丸断面繊維の混毛比から算出できる。
【0086】着座時の主体繊維同士の密着性を更に向上
させ、着座時の熱伝導性を更に大きくするには、下記式
(1)および(2):
させ、着座時の熱伝導性を更に大きくするには、下記式
(1)および(2):
【0087】
【数3】
【0088】(式中、Sは主体繊維の断面積(m2)で
あり、rは円等価半径(m)であり、Lは主体繊維の異
形断面の外周長さ(m)である)によって形状係数を定
義した場合に、主体繊維の断面形状と形状係数との関係
が、1.2≦d≦1.37を満たす三角形、0.6≦d
≦0.68をみたす四角形、または、0.98≦d≦
1.12を満たす六角形であることが好ましい。
あり、rは円等価半径(m)であり、Lは主体繊維の異
形断面の外周長さ(m)である)によって形状係数を定
義した場合に、主体繊維の断面形状と形状係数との関係
が、1.2≦d≦1.37を満たす三角形、0.6≦d
≦0.68をみたす四角形、または、0.98≦d≦
1.12を満たす六角形であることが好ましい。
【0089】バインダー繊維8は、主体繊維7として金
属メッキ繊維を用いた場合であれ、金属繊維を用いた場
合であれ、主体繊維を接合することにより架橋構造を呈
し、高温環境下においても機能を発揮し得る材料であれ
ば特に限定されるものではないが、好適な架橋構造を形
成するためには芯鞘構造を有するバインダー繊維が好ま
しい。芯鞘構造を有する繊維の具体例としては、芯部分
をポリエステル、鞘部分をコポリエステルとした繊維な
どが挙げられる。以下、バインダー繊維に関する特性と
得られる性能との相関について説明する。
属メッキ繊維を用いた場合であれ、金属繊維を用いた場
合であれ、主体繊維を接合することにより架橋構造を呈
し、高温環境下においても機能を発揮し得る材料であれ
ば特に限定されるものではないが、好適な架橋構造を形
成するためには芯鞘構造を有するバインダー繊維が好ま
しい。芯鞘構造を有する繊維の具体例としては、芯部分
をポリエステル、鞘部分をコポリエステルとした繊維な
どが挙げられる。以下、バインダー繊維に関する特性と
得られる性能との相関について説明する。
【0090】バインダー繊維8は、細すぎると複合断熱
材料の耐へたり性が著しく低下する恐れがある。このた
めバインダー繊維の太さは1デニール以上であることが
好ましく、2デニール以上であることがより好ましい。
一方、バインダー繊維が太すぎると、着座時の主体繊維
の密着性が低下するため着座時の熱伝導性が著しく低下
する恐れがある。このため、25バインダー以下である
ことが好ましく、10デニール以下であることがより好
ましい。
材料の耐へたり性が著しく低下する恐れがある。このた
めバインダー繊維の太さは1デニール以上であることが
好ましく、2デニール以上であることがより好ましい。
一方、バインダー繊維が太すぎると、着座時の主体繊維
の密着性が低下するため着座時の熱伝導性が著しく低下
する恐れがある。このため、25バインダー以下である
ことが好ましく、10デニール以下であることがより好
ましい。
【0091】また、芯鞘構造のバインダー繊維とする場
合、夏期の炎天下においても図2のような主体繊維7と
バインダー繊維8とが接合した3次元網目状構造を保持
し問題なく機能する必要があり、この観点からはバイン
ダー繊維の鞘部分の軟化点は100℃以上であることが
好ましい。また、複合繊維層を成形する際の成形型内の
温度は、バインダー繊維の鞘部分の軟化点と芯部分の融
点との間にする必要があり、バインダー繊維の芯部分の
物理的性質が成形時および成形後において安定している
ことが必要である。このため、バインダー繊維の芯部分
は融点220℃以上であり、バインダー繊維の鞘部分は
軟化点が100〜200℃であることが望ましい。芯部
分の融点の上限値は特に限定されるものではない。
合、夏期の炎天下においても図2のような主体繊維7と
バインダー繊維8とが接合した3次元網目状構造を保持
し問題なく機能する必要があり、この観点からはバイン
ダー繊維の鞘部分の軟化点は100℃以上であることが
好ましい。また、複合繊維層を成形する際の成形型内の
温度は、バインダー繊維の鞘部分の軟化点と芯部分の融
点との間にする必要があり、バインダー繊維の芯部分の
物理的性質が成形時および成形後において安定している
ことが必要である。このため、バインダー繊維の芯部分
は融点220℃以上であり、バインダー繊維の鞘部分は
軟化点が100〜200℃であることが望ましい。芯部
分の融点の上限値は特に限定されるものではない。
【0092】続いて表面層5および裏面層3について説
明する。表面層5および裏面層3には、上述したような
低い通気性が求められる他、シートに適応した際の品質
向上のため、人体乗降時の磨耗耐久性、熱や光に対する
耐久性が求められる。このようなシート材料としての特
性を満足するものであれば公知の材料を用いることがで
きる。以下、表面層5と裏面層3との材料構成について
説明する。
明する。表面層5および裏面層3には、上述したような
低い通気性が求められる他、シートに適応した際の品質
向上のため、人体乗降時の磨耗耐久性、熱や光に対する
耐久性が求められる。このようなシート材料としての特
性を満足するものであれば公知の材料を用いることがで
きる。以下、表面層5と裏面層3との材料構成について
説明する。
【0093】表面層5は、高分子フィルム、発泡層およ
びフィルムと発泡層との積層物等から構成することがで
き(以下「フィルム系表面層」とも記載)、フィルムの
具体例としては、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリエステルなどのフィル
ムが挙げられる。また、発泡層材料の具体例としては、
ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ユリア
樹脂発泡体などが挙げられる。このような材料を用いる
ことにより、着座時には充分な熱伝導性が得られ、非着
座時には複合繊維層内の空気の外界への移動を充分に防
ぐことができる。
びフィルムと発泡層との積層物等から構成することがで
き(以下「フィルム系表面層」とも記載)、フィルムの
具体例としては、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリエステルなどのフィル
ムが挙げられる。また、発泡層材料の具体例としては、
ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ユリア
樹脂発泡体などが挙げられる。このような材料を用いる
ことにより、着座時には充分な熱伝導性が得られ、非着
座時には複合繊維層内の空気の外界への移動を充分に防
ぐことができる。
【0094】表面層5をフィルム系表面層とする場合に
は、表面層の厚さは0.1〜0.6mmであることが好
ましい。表面層の厚さが0.1mm未満であると、充分
な磨耗耐久性が得られない恐れがあり、0.6mmを超
えると着座時の断熱複合材料6の熱伝導率が低くなり、
冷熱の効果的な放散が図れない恐れがあるからである。
は、表面層の厚さは0.1〜0.6mmであることが好
ましい。表面層の厚さが0.1mm未満であると、充分
な磨耗耐久性が得られない恐れがあり、0.6mmを超
えると着座時の断熱複合材料6の熱伝導率が低くなり、
冷熱の効果的な放散が図れない恐れがあるからである。
【0095】表面層5をフィルム系表面層とする場合に
は、外観向上効果や着座時のすべり止め効果を得るた
め、表面層5は、平均粗さ10〜100μmの凹凸が設
けられており、天然皮革調のシボ形状を呈していること
が好ましい。
は、外観向上効果や着座時のすべり止め効果を得るた
め、表面層5は、平均粗さ10〜100μmの凹凸が設
けられており、天然皮革調のシボ形状を呈していること
が好ましい。
【0096】表面層5は上記記載の材料の他、内部また
は複合繊維層5と接する面に、ポリ塩化ビニル、ポリウ
レタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル
等の樹脂が設けられている織物、編物または布帛等から
構成することもでき(以下「織物系表面層」とも記
載)、織物の具体例としてはモケットや平織が、編物の
具体例としてはトリコットやラッセルやジャージが、布
帛の具体例としては不織布がそれぞれ挙げられる。内部
にこれらの樹脂を設ける場合には、樹脂を充填すればよ
く、複合繊維層5を接する面に設ける場合には、コーテ
ィングによって樹脂層を形成すればよい。
は複合繊維層5と接する面に、ポリ塩化ビニル、ポリウ
レタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル
等の樹脂が設けられている織物、編物または布帛等から
構成することもでき(以下「織物系表面層」とも記
載)、織物の具体例としてはモケットや平織が、編物の
具体例としてはトリコットやラッセルやジャージが、布
帛の具体例としては不織布がそれぞれ挙げられる。内部
にこれらの樹脂を設ける場合には、樹脂を充填すればよ
く、複合繊維層5を接する面に設ける場合には、コーテ
ィングによって樹脂層を形成すればよい。
【0097】表面層5を織物系表面層とする場合には、
表面層の厚さは0.5〜2.5mmであることが好まし
い。表面層の厚さが0.5mm未満であると、充分な磨
耗耐久性が得られない恐れがあり、2.5mmを超える
と着座時の断熱複合材料6の熱伝導率が低くなり冷熱の
効果的な放散が図れない恐れがあるからである。
表面層の厚さは0.5〜2.5mmであることが好まし
い。表面層の厚さが0.5mm未満であると、充分な磨
耗耐久性が得られない恐れがあり、2.5mmを超える
と着座時の断熱複合材料6の熱伝導率が低くなり冷熱の
効果的な放散が図れない恐れがあるからである。
【0098】裏面層3は、フィルム系表面層と同様の材
料を用いることができる。すなわち、高分子フィルム、
発泡層およびフィルムと発泡層との積層物等から構成す
ることができ、高分子フィルム、発泡層の具体例は上記
例示したものを用いることができる。このような材料を
用いることにより、着座時には充分な熱伝導性が得ら
れ、非着座時には複合繊維層内の空気の外界への移動を
充分に防ぐことができる。
料を用いることができる。すなわち、高分子フィルム、
発泡層およびフィルムと発泡層との積層物等から構成す
ることができ、高分子フィルム、発泡層の具体例は上記
例示したものを用いることができる。このような材料を
用いることにより、着座時には充分な熱伝導性が得ら
れ、非着座時には複合繊維層内の空気の外界への移動を
充分に防ぐことができる。
【0099】裏面層3の厚さは0.1〜0.6mmであ
ることが好ましい。表面層の厚さが0.1mm未満であ
ると、充分な磨耗耐久性が得られない恐れがあり、0.
6mmを超えると着座時の断熱複合材料6の熱伝導率が
低くなり、冷熱の効果的な放散が図れない恐れがあるか
らである。
ることが好ましい。表面層の厚さが0.1mm未満であ
ると、充分な磨耗耐久性が得られない恐れがあり、0.
6mmを超えると着座時の断熱複合材料6の熱伝導率が
低くなり、冷熱の効果的な放散が図れない恐れがあるか
らである。
【0100】表面層5および裏面層3の製造方法につい
ては特に限定されるものではなく、従来公知の技術を用
いることができ、市販の材料を用いてもよいことは勿論
である。
ては特に限定されるものではなく、従来公知の技術を用
いることができ、市販の材料を用いてもよいことは勿論
である。
【0101】本発明にかかる断熱複合材料6を自動車用
シートに適用する場合には、図1に示すように、シート
基材の着座面方向に、冷却部2と、断熱複合材料6とを
設け、このとき断熱複合材料6を表面層が着座する面側
に対応するように配置する構成とするとよい。冷却部へ
の冷熱の供給方法については、冷却部に冷熱を伝導しう
るものであれば特に限定されるものではない。例えば、
ヒートパイプによる冷熱の伝導や、冷却した空気の通風
による対流熱伝導によって冷却する方法が挙げられる。
省エネルギーの観点からは、ヒートパイプが熱伝導する
冷熱源は太陽熱または排気熱を利用するケミカルヒート
ポンプによる冷熱、夜間の外気の冷熱、または、冷媒の
断熱膨張を利用したメカニカルヒートポンプによる冷熱
であることが好ましい。
シートに適用する場合には、図1に示すように、シート
基材の着座面方向に、冷却部2と、断熱複合材料6とを
設け、このとき断熱複合材料6を表面層が着座する面側
に対応するように配置する構成とするとよい。冷却部へ
の冷熱の供給方法については、冷却部に冷熱を伝導しう
るものであれば特に限定されるものではない。例えば、
ヒートパイプによる冷熱の伝導や、冷却した空気の通風
による対流熱伝導によって冷却する方法が挙げられる。
省エネルギーの観点からは、ヒートパイプが熱伝導する
冷熱源は太陽熱または排気熱を利用するケミカルヒート
ポンプによる冷熱、夜間の外気の冷熱、または、冷媒の
断熱膨張を利用したメカニカルヒートポンプによる冷熱
であることが好ましい。
【0102】次に、断熱複合繊維の製造方法の一実施形
態について説明する。
態について説明する。
【0103】まず、主体繊維中にバインダー繊維を混合
して、主体繊維とバインダー繊維とが混合した繊維混合
物を得る。主体繊維とバインダー繊維との混合比は、断
熱複合繊維に求める特性に考慮して決定すればよい。
して、主体繊維とバインダー繊維とが混合した繊維混合
物を得る。主体繊維とバインダー繊維との混合比は、断
熱複合繊維に求める特性に考慮して決定すればよい。
【0104】次に、所望形状の成形面を有する金型に、
裏面層、繊維混合物、表面層をこの順序で積層する。な
お、「この順序で積層する」とは、まず裏面層を金型に
設置する方法に限定するものではなく、表面層をまず金
型に設置し、結果として上記順序に積層されることを意
味するものである。
裏面層、繊維混合物、表面層をこの順序で積層する。な
お、「この順序で積層する」とは、まず裏面層を金型に
設置する方法に限定するものではなく、表面層をまず金
型に設置し、結果として上記順序に積層されることを意
味するものである。
【0105】金型を型締めし、バインダー繊維の軟化点
以上にまで加熱する。これにより、繊維混合物中のバイ
ンダー繊維が軟化し、主体繊維はバインダー繊維によっ
て架橋された構造の複合繊維となる。これを型から取り
出すことによって、本発明に係る断熱複合材料を得るこ
とができる。なお、上記製造方法は単なる一実施形態に
過ぎず、各種公知技術を用いた改良や、他の製造方法を
用いて製造することを妨げるものでは全くない。自動車
用シートに適応する際に用いられる製造方法も各種公知
の技術を用いることが可能である。
以上にまで加熱する。これにより、繊維混合物中のバイ
ンダー繊維が軟化し、主体繊維はバインダー繊維によっ
て架橋された構造の複合繊維となる。これを型から取り
出すことによって、本発明に係る断熱複合材料を得るこ
とができる。なお、上記製造方法は単なる一実施形態に
過ぎず、各種公知技術を用いた改良や、他の製造方法を
用いて製造することを妨げるものでは全くない。自動車
用シートに適応する際に用いられる製造方法も各種公知
の技術を用いることが可能である。
【0106】
【実施例】以下に本発明の実施例について比較例ととも
に記載するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
に記載するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0107】<実施例1>主体繊維として、膜厚2μm
の銅メッキ加工されたポリエステル繊維(融点256
℃)を用いた。基材繊維の太さは15デニール、異形断
面繊維の含有率は100%であり、異形断面繊維の断面
形状は三角形、上記式(2)で表される形状指数dは
1.29であった。また、主体繊維表面の60%が粗さ
2μmの微小凹凸で覆われていた。
の銅メッキ加工されたポリエステル繊維(融点256
℃)を用いた。基材繊維の太さは15デニール、異形断
面繊維の含有率は100%であり、異形断面繊維の断面
形状は三角形、上記式(2)で表される形状指数dは
1.29であった。また、主体繊維表面の60%が粗さ
2μmの微小凹凸で覆われていた。
【0108】バインダー繊維として、太さ2デニールの
芯鞘構造繊維を用いた。芯部はポリエステル(融点25
6℃)であり、鞘部はコポリエステル繊維(軟化点11
0℃)とした。
芯鞘構造繊維を用いた。芯部はポリエステル(融点25
6℃)であり、鞘部はコポリエステル繊維(軟化点11
0℃)とした。
【0109】金型を用いてこれらを加熱し、主体繊維が
バインダー繊維で架橋された複合繊維を製造した。複合
繊維中の主体繊維の含有量は80質量%で、バインダー
繊維の含有量は20質量%であった。複合繊維の目付け
は0.025g/cm3であった。
バインダー繊維で架橋された複合繊維を製造した。複合
繊維中の主体繊維の含有量は80質量%で、バインダー
繊維の含有量は20質量%であった。複合繊維の目付け
は0.025g/cm3であった。
【0110】この複合繊維層4を用いて図1に示すよう
な断熱複合材料を作製した。表面層5は、厚さ0.5m
mのポリウレタンフィルム(通気性0ml/cm2秒)
を用い、裏面層3は厚さ0.3mmのポリウレタンフィ
ルム(通気性0ml/cm2秒)を用いた。
な断熱複合材料を作製した。表面層5は、厚さ0.5m
mのポリウレタンフィルム(通気性0ml/cm2秒)
を用い、裏面層3は厚さ0.3mmのポリウレタンフィ
ルム(通気性0ml/cm2秒)を用いた。
【0111】この断熱複合材料について、着座時および
非着座時の熱伝導度、並びに、耐へたり性を測定した。
この測定結果を主体繊維・バインダー繊維の種類と共に
表1に示す。非着座時の熱伝導度は0.032W/mK
と小さな値を示し、着座時の熱伝導度は12.8W/m
Kと大きな値を示した。耐へたり性は8%で、自動車用
シートとしての耐久性能を充分に満足するものであっ
た。なお、耐へたり性はJIS K6401(1997
年;クッション用軟質ウレタンフォーム)に基づいて、
幅100mm×長さ100mm×高さ50mmの試験片
に対し70℃での圧縮残留ひずみ率を測定した。
非着座時の熱伝導度、並びに、耐へたり性を測定した。
この測定結果を主体繊維・バインダー繊維の種類と共に
表1に示す。非着座時の熱伝導度は0.032W/mK
と小さな値を示し、着座時の熱伝導度は12.8W/m
Kと大きな値を示した。耐へたり性は8%で、自動車用
シートとしての耐久性能を充分に満足するものであっ
た。なお、耐へたり性はJIS K6401(1997
年;クッション用軟質ウレタンフォーム)に基づいて、
幅100mm×長さ100mm×高さ50mmの試験片
に対し70℃での圧縮残留ひずみ率を測定した。
【0112】<実施例2>基材繊維の太さを2デニール
とした以外は実施例1と同様にして断熱複合材料を作製
し、熱伝導率および耐へたり性について測定した。結果
を表1に示す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度およ
び耐へたり性の双方に関して優れたものであった。
とした以外は実施例1と同様にして断熱複合材料を作製
し、熱伝導率および耐へたり性について測定した。結果
を表1に示す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度およ
び耐へたり性の双方に関して優れたものであった。
【0113】<実施例3>基材繊維の太さを90デニー
ルとした以外は実施例1と同様にして断熱複合材料を作
製し、熱伝導率および耐へたり性について測定した。結
果を表1に示す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度お
よび耐へたり性の双方に関して優れたものであった。
ルとした以外は実施例1と同様にして断熱複合材料を作
製し、熱伝導率および耐へたり性について測定した。結
果を表1に示す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度お
よび耐へたり性の双方に関して優れたものであった。
【0114】<実施例4>複合繊維層の目付けを0.0
1g/cm3とした以外は実施例1と同様にして断熱複
合材料を作製した。結果を表1に示す。得られた断熱複
合材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優
れたものであった。
1g/cm3とした以外は実施例1と同様にして断熱複
合材料を作製した。結果を表1に示す。得られた断熱複
合材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優
れたものであった。
【0115】<実施例5>複合繊維層の目付けを0.0
8g/cm3とした以外は実施例1と同様にして断熱複
合材料を作製した。結果を表1に示す。得られた断熱複
合材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優
れたものであった。
8g/cm3とした以外は実施例1と同様にして断熱複
合材料を作製した。結果を表1に示す。得られた断熱複
合材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優
れたものであった。
【0116】<実施例6>断熱複合材中の主体繊維の含
有率を50%とした以外は実施例1と同様にして断熱複
合材料を作製した。結果を表1に示す。得られた断熱複
合材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優
れたものであった。
有率を50%とした以外は実施例1と同様にして断熱複
合材料を作製した。結果を表1に示す。得られた断熱複
合材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優
れたものであった。
【0117】<実施例7>複合繊維層中の主体繊維の含
有率を90%とした以外は実施例1と同様にして断熱複
合材料を作製した。結果を表1に示す。得られた断熱複
合材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優
れたものであった。
有率を90%とした以外は実施例1と同様にして断熱複
合材料を作製した。結果を表1に示す。得られた断熱複
合材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優
れたものであった。
【0118】<実施例8>異形断面繊維の断面形状を六
角形とし、形状指数dを1.05とした以外は実施例1
と同様にして断熱複合材料を作製した。結果を表1に示
す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度および耐へたり
性の双方に関して優れたものであった。
角形とし、形状指数dを1.05とした以外は実施例1
と同様にして断熱複合材料を作製した。結果を表1に示
す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度および耐へたり
性の双方に関して優れたものであった。
【0119】<実施例9>異形断面繊維の断面形状を四
角形とし、形状指数dを0.64とした以外は実施例1
と同様にして断熱複合材料を作製した。結果を表1に示
す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度および耐へたり
性の双方に関して優れたものであった。
角形とし、形状指数dを0.64とした以外は実施例1
と同様にして断熱複合材料を作製した。結果を表1に示
す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度および耐へたり
性の双方に関して優れたものであった。
【0120】<実施例10>主体繊維における異形断面
繊維含有率を0%(即ち、円形繊維)とした以外は実施
例1と同様にして断熱複合材料を作製した。結果を表1
に示す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度および耐へ
たり性の双方に関して優れたものであった。
繊維含有率を0%(即ち、円形繊維)とした以外は実施
例1と同様にして断熱複合材料を作製した。結果を表1
に示す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度および耐へ
たり性の双方に関して優れたものであった。
【0121】
【表1】
【0122】<実施例11>主体繊維における異形断面
繊維含有率を30質量%とした以外は実施例1と同様に
して断熱複合材料を作製した。結果を表2に示す。得ら
れた断熱複合材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方
に関して優れたものであった。
繊維含有率を30質量%とした以外は実施例1と同様に
して断熱複合材料を作製した。結果を表2に示す。得ら
れた断熱複合材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方
に関して優れたものであった。
【0123】<実施例12>主体繊維の銅メッキの膜厚
を0.1μmとした以外は実施例1と同様にして断熱複
合材料を作製した。結果を表2に示す。得られた断熱複
合材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優
れたものであった。
を0.1μmとした以外は実施例1と同様にして断熱複
合材料を作製した。結果を表2に示す。得られた断熱複
合材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優
れたものであった。
【0124】<実施例13>主体繊維の銅メッキの膜厚
を10μmとした以外は実施例1と同様にして断熱複合
材料を作製した。結果を表2に示す。得られた断熱複合
材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優れ
たものであった。
を10μmとした以外は実施例1と同様にして断熱複合
材料を作製した。結果を表2に示す。得られた断熱複合
材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優れ
たものであった。
【0125】<実施例14>バインダー繊維の鞘部をコ
ポリエステル繊維(軟化点170℃)とした以外は実施
例1と同様にして断熱複合材料を作製した。結果を表2
に示す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度および耐へ
たり性の双方に関して優れたものであった。
ポリエステル繊維(軟化点170℃)とした以外は実施
例1と同様にして断熱複合材料を作製した。結果を表2
に示す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度および耐へ
たり性の双方に関して優れたものであった。
【0126】<実施例15>バインダー繊維の太さを1
デニールとした以外は実施例1と同様にして断熱複合材
料を作製した。結果を表2に示す。得られた断熱複合材
料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優れた
ものであった。
デニールとした以外は実施例1と同様にして断熱複合材
料を作製した。結果を表2に示す。得られた断熱複合材
料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優れた
ものであった。
【0127】<実施例16>バインダー繊維の太さを2
5デニールとした以外は実施例1と同様にして断熱複合
材料を作製した。結果を表2に示す。得られた断熱複合
材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優れ
たものであった。
5デニールとした以外は実施例1と同様にして断熱複合
材料を作製した。結果を表2に示す。得られた断熱複合
材料は、熱伝導度および耐へたり性の双方に関して優れ
たものであった。
【0128】<実施例17>主体繊維として、太さ15
0デニールの銅線を用いた。主体繊維中の異形断面繊維
の含有率は100%であり、異形断面繊維の断面形状は
三角形、形状指数dは1.29であった。また、主体繊
維表面の60%が粗さ2μmの微小凹凸で覆われてい
た。
0デニールの銅線を用いた。主体繊維中の異形断面繊維
の含有率は100%であり、異形断面繊維の断面形状は
三角形、形状指数dは1.29であった。また、主体繊
維表面の60%が粗さ2μmの微小凹凸で覆われてい
た。
【0129】主体繊維として上記銅線を用いた以外は、
実施例1と同様にして上部シートを作製した。結果を表
2に示す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度および耐
へたり性の双方に関して優れたものであった。
実施例1と同様にして上部シートを作製した。結果を表
2に示す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度および耐
へたり性の双方に関して優れたものであった。
【0130】<実施例18>太さ12デニールの銅線を
用いた以外は実施例17と同様にして上部シートを作製
した。結果を表2に示す。得られた断熱複合材料は、熱
伝導度および耐へたり性の双方に関して優れたものであ
った。
用いた以外は実施例17と同様にして上部シートを作製
した。結果を表2に示す。得られた断熱複合材料は、熱
伝導度および耐へたり性の双方に関して優れたものであ
った。
【0131】<実施例19>主体繊維における異形断面
繊維含有率を0%(即ち、円形繊維)とした以外は実施
例17と同様にして断熱複合材料を作製した。結果を表
2に示す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度および耐
へたり性の双方に関して優れたものであった。
繊維含有率を0%(即ち、円形繊維)とした以外は実施
例17と同様にして断熱複合材料を作製した。結果を表
2に示す。得られた断熱複合材料は、熱伝導度および耐
へたり性の双方に関して優れたものであった。
【0132】<実施例20>断熱複合材中のバインダー
繊維の含有率を5質量%とした以外は実施例17と同様
にして断熱複合材料を作製した。結果を表2に示す。得
られた断熱複合材料は、熱伝導度および耐へたり性の双
方に関して優れたものであった。
繊維の含有率を5質量%とした以外は実施例17と同様
にして断熱複合材料を作製した。結果を表2に示す。得
られた断熱複合材料は、熱伝導度および耐へたり性の双
方に関して優れたものであった。
【0133】
【表2】
【0134】<比較例1:ポリエステル不織布>主体繊
維として金属メッキ加工されていない太さ15デニール
のポリエステル繊維(融点256℃)、バインダー繊維
として太さ2デニールの芯鞘構造繊維を用いたポリエス
テル不織布について、着座時および非着座時の熱伝導
度、並びに、耐へたり性を測定した。この測定結果を主
体繊維・バインダー繊維の種類と共に表3に示す。非着
座時の熱伝導性、着座時の熱伝導性のいずれも実施例に
比べて劣るものであった。
維として金属メッキ加工されていない太さ15デニール
のポリエステル繊維(融点256℃)、バインダー繊維
として太さ2デニールの芯鞘構造繊維を用いたポリエス
テル不織布について、着座時および非着座時の熱伝導
度、並びに、耐へたり性を測定した。この測定結果を主
体繊維・バインダー繊維の種類と共に表3に示す。非着
座時の熱伝導性、着座時の熱伝導性のいずれも実施例に
比べて劣るものであった。
【0135】<比較例2:合成皮革>比較例1と同様に
して得たポリエステル繊維の表面層に、厚さ0.5mm
のポリウレタン(通気性0ml/cm2秒)を設けた合
成皮革について、着座時および非着座時の熱伝導度、並
びに、耐へたり性を測定した。この測定結果を主体繊維
・バインダー繊維の種類と共に表3に示す。非着座時の
熱伝導性、着座時の熱伝導性のいずれも実施例に比べて
劣るものであった。
して得たポリエステル繊維の表面層に、厚さ0.5mm
のポリウレタン(通気性0ml/cm2秒)を設けた合
成皮革について、着座時および非着座時の熱伝導度、並
びに、耐へたり性を測定した。この測定結果を主体繊維
・バインダー繊維の種類と共に表3に示す。非着座時の
熱伝導性、着座時の熱伝導性のいずれも実施例に比べて
劣るものであった。
【0136】<比較例3:モケット>ポリエステル繊維
の起毛調織物の裏側をポリウレタン繊維でコーティング
(通気性0ml/cm2秒)したモケットについて、着
座時および非着座時の熱伝導度、並びに、耐へたり性を
測定した。この測定結果を主体繊維・バインダー繊維の
種類と共に表3に示す。非着座時の熱伝導性、着座時の
熱伝導性のいずれも実施例に比べて劣るものであった。
の起毛調織物の裏側をポリウレタン繊維でコーティング
(通気性0ml/cm2秒)したモケットについて、着
座時および非着座時の熱伝導度、並びに、耐へたり性を
測定した。この測定結果を主体繊維・バインダー繊維の
種類と共に表3に示す。非着座時の熱伝導性、着座時の
熱伝導性のいずれも実施例に比べて劣るものであった。
【0137】<比較例4:不織布>80%の異形断面繊
維を含むポリエステルを用いた以外は比較例1と同様の
不織布について、着座時および非着座時の熱伝導度、並
びに、耐へたり性を測定した。この測定結果を主体繊維
・バインダー繊維の種類と共に表3に示す。非着座時の
熱伝導性、着座時の熱伝導性のいずれも実施例に比べて
劣るものであった。
維を含むポリエステルを用いた以外は比較例1と同様の
不織布について、着座時および非着座時の熱伝導度、並
びに、耐へたり性を測定した。この測定結果を主体繊維
・バインダー繊維の種類と共に表3に示す。非着座時の
熱伝導性、着座時の熱伝導性のいずれも実施例に比べて
劣るものであった。
【0138】<比較例5:塩ビレザー>比較例1の不織
布表面に厚さ1mmのポリ塩化ビニルを設けた塩ビレザ
ーについて、着座時および非着座時の熱伝導度、並び
に、耐へたり性を測定した。この測定結果を主体繊維・
バインダー繊維の種類と共に表3に示す。非着座時の熱
伝導性、着座時の熱伝導性のいずれも実施例に比べて劣
るものであった。
布表面に厚さ1mmのポリ塩化ビニルを設けた塩ビレザ
ーについて、着座時および非着座時の熱伝導度、並び
に、耐へたり性を測定した。この測定結果を主体繊維・
バインダー繊維の種類と共に表3に示す。非着座時の熱
伝導性、着座時の熱伝導性のいずれも実施例に比べて劣
るものであった。
【0139】<比較例6:本革>表面に厚さ0.05m
mのポリウレタンが布設された本革について、着座時お
よび非着座時の熱伝導度、並びに、耐へたり性を測定し
た。この測定結果を主体繊維・バインダー繊維の種類と
共に表3に示す。非着座時の熱伝導性、着座時の熱伝導
性のいずれも実施例に比べて劣るものであった。
mのポリウレタンが布設された本革について、着座時お
よび非着座時の熱伝導度、並びに、耐へたり性を測定し
た。この測定結果を主体繊維・バインダー繊維の種類と
共に表3に示す。非着座時の熱伝導性、着座時の熱伝導
性のいずれも実施例に比べて劣るものであった。
【0140】<比較例7:トリコット>太さ2デニール
のポリエステル(融点256℃)からなるトリコットに
ついて、表面層および裏面層のいずれも設けず、着座時
および非着座時の熱伝導度、並びに、耐へたり性を測定
した。この測定結果を主体繊維・バインダー繊維の種類
と共に表3に示す。非着座時の熱伝導性、着座時の熱伝
導性のいずれも実施例に比べて劣るものであった。
のポリエステル(融点256℃)からなるトリコットに
ついて、表面層および裏面層のいずれも設けず、着座時
および非着座時の熱伝導度、並びに、耐へたり性を測定
した。この測定結果を主体繊維・バインダー繊維の種類
と共に表3に示す。非着座時の熱伝導性、着座時の熱伝
導性のいずれも実施例に比べて劣るものであった。
【0141】
【表3】
【図1】 本発明に係る自動車用シートの一実施形態の
断面図である。
断面図である。
【図2】 本発明に係る複合材料の構成を模式的に示す
図である。
図である。
【図3】 従来の自動車用シートの一実施形態の断面図
である。
である。
【図4】 従来の自動車用シートの他の実施形態の断面
図である。
図である。
【図5】 表面に凹凸が設けられた基材繊維の概略図で
ある。
ある。
【図6】 表面に筋状凹凸が設けられた基材繊維の概略
図である。
図である。
1 シート基材 2 冷却部 3 裏面層 4 複合繊維層 5 表面層 6 断熱複合材料 7 主体繊維 8 バインダー繊維 9 接合点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 9/08 D01F 9/08 D 4L047 D04H 1/54 D04H 1/54 A D06M 11/83 D06M 11/00 D Fターム(参考) 3B084 JA03 JA06 JE00 JG02 4F100 AB03C AB04C AB10C AB13C AB16C AB17C AB18C AB21C AB24C AB25C AB31C AK04A AK04B AK04C AK07A AK07B AK07C AK15A AK15B AK15C AK21C AK41A AK41B AK41C AK46C AK51A AK51B AS00A AS00B AT00B BA04 BA10A BA10B BA25C DD01A DD01C DG01C DG06C DG11D DG12D DG13D DG15C DG17C DG20C DJ01A DJ01B EH71C GB33 HB21A HB22A JA13C JD02A JD02B JJ01C YY00A YY00B YY00C 4L031 AA13 AA18 AA20 AA26 AB01 AB34 BA04 CB12 DA15 4L037 CS10 FA01 FA02 UA04 UA07 4L041 BA02 BA05 BA21 BD03 BD11 CA06 CA12 DD01 DD05 4L047 AA05 AA14 AA15 AA16 AA21 AA23 AB09 AB10 BA09 CB06
Claims (29)
- 【請求項1】 表面層、複合繊維層および裏面層がこの
順序で積層されてなる断熱複合材料であって、 前記表面層および裏面層の通気量が20ml/cm2秒
以下であり、 前記複合繊維層は、高熱伝導性の主体繊維がバインダー
繊維で架橋された複合繊維からなることを特徴とする断
熱複合材料。 - 【請求項2】 前記主体繊維は、ポリエステル繊維、ポ
リプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊
維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリビニルアルコール繊維ま
たはガラス繊維からなる基材繊維の表面に、銀、銅、
金、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、白金または錫のメ
ッキが形成されてなることを特徴とする請求項1に記載
の断熱複合材料。 - 【請求項3】 前記基材繊維の太さが2〜90デニール
であることを特徴とする請求項2に記載の断熱複合材
料。 - 【請求項4】 前記複合繊維における前記主体繊維の含
有率が50〜90質量%であることを特徴とする請求項
2または3に記載の断熱複合材料。 - 【請求項5】 前記メッキの厚さが0.1〜10μmで
あることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記
載の断熱複合材料。 - 【請求項6】 前記複合繊維層は、目付けが0.01〜
0.08g/cm3であり、厚さが2〜20mmである
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の
断熱複合材料。 - 【請求項7】 前記基材繊維表面の40%以上に、幅ま
たは径が0.5〜10μmで、粗さが0.2〜2μmの
凹凸が形成されてなることを特徴とする請求項2〜6の
いずれか1項に記載の断熱複合材料。 - 【請求項8】 前記基材繊維表面に、前記基材繊維の軸
方向に配向する深さ0.2〜2μmの筋状凹凸が設けら
れてなり、前記基材繊維の断面周囲の5%以上が該筋状
凹凸に起因するものであることを特徴とする請求項2〜
6のいずれか1項に記載の断熱複合材料。 - 【請求項9】 前記主体繊維は、銅、アルミニウム、
金、銀、鉄、ニッケル、白金、錫および亜鉛からなる群
より選択される1または2以上の金属のフィラメント、
または、鋳鉄、炭素鋼、ステンレス、ジュラルミン、黄
銅、ニクロムおよびクロメルからなる群より選択される
1または2以上の合金のフィラメントであることを特徴
とする請求項1に記載の断熱複合材料。 - 【請求項10】 前記主体繊維の太さが12〜580デ
ニールであることを特徴とする請求項9に記載の断熱複
合材料。 - 【請求項11】 前記複合繊維中の前記主体繊維の含有
率が70〜95質量%であることを特徴とする請求項9
または10に記載の断熱複合材料。 - 【請求項12】 前記複合繊維層は、目付けが0.05
〜0.5g/cm3であり、厚さが2〜20mmである
ことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載
の断熱複合材料。 - 【請求項13】 前記主体繊維は、断面形状が三角形、
四角形または六角形である異形断面繊維を30質量%以
上含んでなることを特徴とする請求項1〜12のいずれ
か1項に記載の断熱複合材料。 - 【請求項14】 前記主体繊維の断面形状が、1.2≦
d≦1.37を満たす三角形、0.6≦d≦0.68を
みたす四角形、または、0.98≦d≦1.12を満た
す六角形である、ここで、dは下記式(1)および
(2): 【数1】 (式中、Sは主体繊維の断面積(m2)であり、rは円
等価半径(m)であり、Lは主体繊維の異形断面の外周
長さ(m)である)で定義される形状係数である、こと
を特徴とする請求項13に記載の断熱複合材料。 - 【請求項15】 前記バインダー繊維は、太さが1〜2
5デニールであることを特徴とする請求項1〜14のい
ずれか1項に記載の断熱複合材料。 - 【請求項16】 前記バインダー繊維は、芯鞘構造を有
することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に
記載の断熱複合材料。 - 【請求項17】 前記芯鞘構造を有するバインダー繊維
は、融点220℃以上の芯部分と軟化点100〜200
℃の鞘部分とからなることを特徴とする請求項16に記
載の断熱複合材料。 - 【請求項18】 前記表面層は、ポリ塩化ビニル、ポリ
ウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンもしくはポリ
エステルのフィルム、発泡層または前記フィルムと前記
発泡層との積層物であることを特徴とする請求項1〜1
7のいずれか1項に記載の断熱複合材料。 - 【請求項19】 前記表面層の厚さが0.1〜0.6m
mであることを特徴とする請求項18に記載の断熱複合
材料。 - 【請求項20】 前記表面層は、平均粗さ10〜100
μmの凹凸が設けられ、天然皮革調のシボ形状を呈して
なることを特徴とする請求項18または19に記載の断
熱複合材料。 - 【請求項21】 前記表面層は、内部または複合繊維層
と接する面に、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリプ
ロピレン、ポリエチレンまたはポリエステル樹脂が設け
られてなる織物、編物または布帛であることを特徴とす
る請求項1〜17のいずれか1項に記載の断熱複合材
料。 - 【請求項22】 前記表面層の厚さが0.5〜2.5m
mであることを特徴とする請求項21に記載の断熱複合
材料。 - 【請求項23】 前記裏面層は、ポリ塩化ビニル、ポリ
ウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンもしくはポリ
エステルのフィルムもしくは発泡層または前記フィルム
と前記発泡層の積層物であることを特徴とする請求項1
〜22のいずれか1項に記載の断熱複合材料。 - 【請求項24】 前記裏面層の厚さが0.1〜0.6m
mであることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1
項に記載の断熱複合材料。 - 【請求項25】 前記表面層および裏面層の通気量が0
〜5ml/cm2秒であることを特徴とする請求項1〜
24のいずれか1項に記載の断熱複合材料。 - 【請求項26】 前記表面層が着座する面側に対応する
ように設けられてなる請求項1〜25のいずれか1項に
記載の断熱複合材料と、該断熱複合材料の前記裏面層側
に設けられた冷却部とを備えてなる自動車用シート。 - 【請求項27】 前記冷却部は、ヒートパイプによる冷
熱の伝導または冷却された空気の通風による対流熱伝導
によって冷却される構造であることを特徴とする請求項
26に記載の自動車用シート。 - 【請求項28】 前記冷却部は、太陽熱または排気熱を
利用するケミカルヒートポンプ、夜間の外気または冷媒
の断熱膨張を利用したメカニカルヒートポンプによって
冷却される構造であることを特徴とする請求項27に記
載の自動車用シート。 - 【請求項29】 主体繊維中にバインダー繊維を混合し
て繊維混合物を得る段階と、 所望形状の成形面を有する金型に裏面層、前記繊維混合
物、表面層をこの順序で積層する段階と、 型締めし、前記バインダー繊維の軟化点以上に加熱する
段階と、からなる請求項1〜25に記載の断熱複合繊維
の製造方法。
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