JP2002326199A - 微小光学素子の作製方法、及び該作製方法による微小光学素子、該素子を用いた光学装置 - Google Patents

微小光学素子の作製方法、及び該作製方法による微小光学素子、該素子を用いた光学装置

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JP2002326199A
JP2002326199A JP2001129376A JP2001129376A JP2002326199A JP 2002326199 A JP2002326199 A JP 2002326199A JP 2001129376 A JP2001129376 A JP 2001129376A JP 2001129376 A JP2001129376 A JP 2001129376A JP 2002326199 A JP2002326199 A JP 2002326199A
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Toshiaki Aeba
利明 饗場
Akira Kuroda
亮 黒田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】集束イオンビームによる加工(FIB加工)に
おいて、帯電の急激な変化によるイオンビームのドリフ
トの発生を抑制することができ、微小開口部を高精度に
加工をすることが可能となる微小光学素子の作製方法、
及び該作製方法による微小光学素子、該素子を用いた光
学装置を提供する。 【解決手段】光波長未満の開口部を形成する微小光学素
子の作製方法において、導電性遮光膜、絶縁性光透過基
体、及び前記導電性遮光膜と前記絶縁性光透過基体の間
に挿入された導電性光透過膜を有する被加工物を準備す
る工程と、前記被加工物に集束イオンビームを照射し、
前記導電性遮光膜の全部と前記導電性光透過膜の一部を
エッチングして所望の位置に前記光波長未満の開口部を
形成する工程とを有する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光波長未満の開口
部を有する微小光学素子の作製方法、及び該作製方法に
よる微小光学素子、該素子を用いた光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、近接場光学顕微鏡に代表されるよ
うに、光波長未満の開口部を有する微小光学素子及びそ
れを用いた光学装置が注目を集めている。微小光学素子
の形態としては、光透過基体上に遮光膜からなる遮光部
と光を透過する開口部を形成した形態をとる場合が多
い。
【0003】またここで光透過基体としては絶縁性を有
するガラス基体、遮光膜としては導電性を有する金属膜
を使用する場合が多い。さらに微小光学素子の開口部の
サイズとしては、数10〜数100nm以下であること
が要求されている。
【0004】このような微小な開口部を作製する従来の
方法としては、光露光、電子線露光によるパターニング
が挙げられる。ここで光露光によるパターニングでは、
分解能は100nm以上であるので、100nm以下の
開口部のパターニングは不可能であった。また電子線露
光によるパターニングでは、分解能は100nm以下で
あるので、100nm以下の開口部のパターニングは可
能であるが、露光時間が長いために光露光によるパター
ニングに比べてスループットが良くなかった。
【0005】さらに光露光、電子線露光によるパターニ
ングのどちらにおいても、レジスト塗布→露光→レジス
トパターン形成→エッチング→レジスト除去といった多
数の工程が必要であり、そのために工程に要する手間が
かかったり、ゴミの付着による欠陥の発生が起こりやす
くなるという課題があった。
【0006】一方、微小な開口部を作製する他の方法と
しては、集束イオンビーム加工(以下、FIB加工と記
す。)によるパターニングが挙げられる。ここでFIB
加工によるパターニングでは、分解能は数10nm以下
であるので、100nm以下の開口部のパターニングは
可能である。さらに、FIB加工によるパターニングで
は、直描であるので、レジスト塗布、露光、エッチン
グ、レジスト除去といった複雑な工程は一切不要である
ので、工程に要する手間が増えたり、ゴミの付着による
欠陥の発生が起こりやすくなるなどの光露光、電子線露
光によるパターニングにおいて記述した課題を解決する
ことが可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、FIB加工
においては、荷電粒子を利用しているので、特に絶縁物
の被加工物の加工を行なう場合には、加工部の帯電によ
りイオンビームがドリフトしてしまうために高精度の微
細加工は困難であった。この不都合を解消するために絶
縁物の被加工物のFIB加工を行なう際は、帯電中和電
子銃を併用することにより、帯電によるイオンビームの
ドリフトを抑制することにより、加工精度を向上させる
ことが行なわれる。
【0008】しかしながら、被加工物が絶縁性基体上の
導電性膜の場合には、帯電中和電子銃を併用してFIB
加工を行なっても、導電性膜のエッチングが終了してイ
オンビームが絶縁性基体に達したときの帯電の急激な変
化に対応できずに、イオンビームのドリフトが発生して
しまうために、高精度の微細加工は困難であった。すな
わち、光学素子に一般的に使用される絶縁性光透過基体
(例えばガラス基体)上の導電性遮光膜(例えば金属
膜)という構成の被加工物に対しては、FIB加工によ
り微小な開口部を精度良く形成することは困難であっ
た。
【0009】さらに、こうしたイオンビームのドリフト
は、開口部が孤立して存在している被加工物の作製より
も、開口部が隣接している被加工物の作製、例えば、光
波長未満のスリット間隔を有する多重スリットのような
微小光学素子の作製において深刻な影響を及ぼしやす
く、場合によっては開口部間に残すべき導電性遮光膜ま
で完全にエッチングしてしまうために素子作製を全く行
なえないこともあった。
【0010】そこで、本発明は、上記課題を解決し、集
束イオンビームによる加工(FIB加工)において、帯
電の急激な変化によるイオンビームのドリフトの発生を
抑制することができ、微小開口部を高精度に加工するこ
とが可能となる微小光学素子の作製方法、及び該作製方
法による微小光学素子、該素子を用いた光学装置を提供
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、つぎの(1)〜(4)のように構成した
微小光学素子の作製方法、及び該作製方法による微小光
学素子、該素子を用いた光学装置を提供するものであ
る。 (1)光波長未満の開口部を形成する微小光学素子の作
製方法において、導電性遮光膜、絶縁性光透過基体、及
び前記導電性遮光膜と前記絶縁性光透過基体の間に挿入
された導電性光透過膜を有する被加工物を準備する工程
と、前記被加工物に集束イオンビームを照射し、前記導
電性遮光膜の全部と前記導電性光透過膜の一部をエッチ
ングして所望の位置に前記光波長未満の開口部を形成す
る工程と、を有することを特徴とする微小光学素子の作
製方法。 (2)前記導電性光透過膜のエッチングは、前記イオン
ビームが前記導電性光透過膜の残り膜厚にとどまること
が可能な範囲において行われることを特徴とする上記
(1)に記載の微小光学素子の作製方法。 (3)上記(1)または上記(2)に記載の微小光学素
子の作製方法によって形成された開口部を有することを
特徴とする微小光学素子。 (4)上記(3)の微小光学素子を用いて構成されてい
ることを特徴とする光学装置。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態においては、
上記構成を適用することにより、直描であるFIB加工
を用いて微小光学素子を作製する方法において、従来の
課題であった、帯電の急激な変化によるイオンビームの
ドリフトの発生を抑制して、高精度の微細加工を実現す
ることにより、光波長未満の開口部を有する微小光学素
子を作製する方法を実現することができる。したがっ
て、これにより、従来において、光露光、電子線露光に
よるパターニングで必要であったレジスト塗布、露光、
レジスト除去といった複雑な工程が不必要となる。この
ように、高精度の微細加工をすることが可能となるの
は、本発明者らが種々の検討を重ねた結果による、つぎ
のような知見に基づくものである。すなわち、被加工物
の導電性遮光膜と絶縁性光透過基体の間に導電性光透過
膜を挿入することにより、イオンビームが導電性光透過
膜にとどまっている状態でFIB加工を終了させること
ができ、帯電の急激な変化を起こすことが防止され、こ
れによりイオンビームのドリフトの発生を抑制すること
が可能となる、という知見に基づくものである。
【0013】また、本発明の光波長未満の開口部を有す
る微小光学素子の作製方法においては、導電性遮光膜の
全部をエッチングしているので、単位面積当たりの光透
過量の多い完全な開口部を得ることが可能になる。さら
に、本発明の光波長未満の開口部を有する微小光学素子
の作製方法においては、導電性光透過膜内でのエッチン
グ量にある程度の幅を持たせることができるので、FI
B加工条件の許容誤差を大きくとることが可能である。
【0014】以下、図1を用いて、本発明の光波長未満
の開口部を有する微小光学の作製方法について説明す
る。図1のa)、b)順に追って説明する。以下の工程
a)、b)は、図1のa)、b)に対応する。
【0015】a)被加工物準備 まず、図1a)に示すように、被加工物1として導電性
遮光膜3、絶縁性光透過基体2、及び導電性遮光膜3と
絶縁性光透過基体2の間に挿入された導電性光透過膜4
からなる構成の被加工物1を準備する。本発明におい
て、導電性遮光膜の材質としては、Al、Au、Ag、
Cu、Cr、Tiなどの金属、あるいは合金などが挙げ
られるが、一定の遮光性があるものであれば、特に限定
されるものではない。また、本発明において、導電性光
透過膜の材質としては、ITO、酸化スズ、酸化インジ
ウム、などの透明電極材料が挙げられるが、ある程度の
導電性や光透過性のあるものであれば、特に限定される
ものではない。
【0016】本発明において、導電性遮光膜、導電性光
透過膜の成膜方法としては、抵抗加熱蒸着、EB蒸着、
スパッタ、CVD、メッキなどが挙げられるが、任意の
成膜方法で構わず、特に限定されるものではない。ま
た、本発明において、絶縁性光透過基体の材質として
は、ガラス、石英、アルミナ、酸化マグネシウム、フッ
化カルシウムなどが挙げられるが、一定の機械的強度や
光透過性のあるものであれば、特に限定されるものでは
ない。
【0017】本発明において、絶縁性光透過基体の形状
としては平滑な基板状のものに限らず、曲面を有するも
の、表面にある程度の凹凸や段差を有するもの、ファイ
バー状のものなどが挙げられるが、導電性遮光膜及び導
電性光透過膜の形成や、FIB加工による開口部の形成
に不都合がなければ、特に限定されるものではない。
【0018】b)開口部形成 次に、図1b)に示すように、被加工物1の所望の位置
にイオンビーム6を照射して導電性遮光膜3の全部及び
前記導電性光透過膜4の一部をエッチングして開口部5
を形成する。本発明において、開口部の形状としては、
ドット状のもの、ドーナツ状のもの、楕円形のもの、正
方形のもの、矩形のもの、スリット状のものなどが挙げ
られるが、任意の形状のもので構わず、特に限定される
ものではない。また、本発明において、開口部の配列と
しては、単独のもの、複数以上のもの、周期的なもの、
周期的なものの中に一部非周期的なものを含むもの、ラ
ンダムなものが挙げられるが、任意の配列のもので構わ
ず、特に限定されるものではない。
【0019】本発明において、開口部のサイズとして
は、光波長未満のもの、より具体的には、数10〜数1
00nm以下であるものが挙げられるが、微小光学素子
に使用する光波長に依存するので、必ずしもこの数値に
限定されるものではない。
【0020】また、本発明において、集束イオンビーム
のイオン種としては、液体金属イオン源である、Ga、
Si、Ge、Cs、Nb、Cuなどや、電界電離ガスイ
オン源であるO、N、H、He、Arなどが挙げられる
が、導電性遮光膜をエッチングしての開口部形成に不都
合がなければ、集束イオンビームのイオン種は特に制限
されるものではない。ただし、実際には扱いやすさなど
の理由から、集束イオンビームのイオン種としてGaを
使用することが多い。
【0021】本発明における導電性遮光膜の全部及び導
電性光透過膜の一部をFIB加工によりエッチングした
ときの導電性光透過膜の残り膜厚としては、導電性光透
過膜が充分な導電性を有する残り膜厚であればどのよう
な残り膜厚でも構わず、導電性光透過膜内でのエッチン
グ量にある程度の幅を持たせることができるので、FI
B加工条件の許容誤差を大きくとることが可能である。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 [実施例1] a)被加工物準備 図1a)に示すように、被加工物1として絶縁性光透過
基体2である#7059ガラス基板上に、導電性光透過
膜4として〜100nmのITO膜をスパッタ法で形成
した後に、導電性遮光膜3として〜100nmのAl膜
をスパッタ法で形成したものを準備した。 b)開口部形成 集束イオンビーム加工装置を用い被加工物にイオンビー
ム6の照射を行なって導電性遮光膜3の全部及び前記導
電性光透過膜4の一部を除去して、図1b)に示すよう
に被加工物に開口部5を形成した。
【0023】ここで、集束イオンビーム加工装置のイオ
ン種はGa、加速電圧は30kVである。まず、集束イ
オンビーム加工装置付属の2次電子観察機能を用いて、
開口部を形成する位置を定めた。次に、イオンビーム径
〜100nm、イオン電流〜1nAのイオンビームを用
いて、60本の長さ〜20μmのラインを間隔〜350
nmで配列するように被加工物にイオンビームをライン
状に照射した。なお、イオンビーム照射時間は〜100
nmのAl膜の全部及びITO膜の一部が除去できるよ
うな時間に設定した。
【0024】(評価)まず、FE−SEM(電界放出走
査型電子顕微鏡)にて実施例1の被加工物を観察したと
ころ、間隔〜350nmで並行配列した60個の幅〜1
00nm、長さ〜20μmのスリット状の領域でAl膜
が除去されており、所望の形状の開口部が形成されてい
ることが確認された。次に、被加工物の背面から光(波
長〜532nm)の照射を行ない、開口部を透過した光
を近接場光学プローブを用いて測定したところ、FE−
SEM観察と同様な形状を示す像が観察可能であった。
以上より、本実施例において、良好な微小光学素子(多
重スリット)が作製されていることが確認された。
【0025】(比較例1) a)被加工物準備 導電性光透過膜4としての〜100nmのITO膜を形
成しないこと以外は、実施例1と同様な被加工物1を準
備した。 b)開口部形成 実施例1のb)と同様な方法を用いて、被加工物1に集
束イオンビームの照射を行なった。またイ、オンビーム
照射時間は実施例1のb)と同様な時間に設定した。
【0026】(比較例2) a)被加工物準備 比較例1のa)と同様な被加工物1を準備した。 b)FIB照射 イオンビーム照射中に帯電中和電子銃(加速電圧〜30
0V、イオン電流〜30nA)を併用したこと以外は、
実施例1のb)と同様な方法を用いて、被加工物1に集
束イオンビームの照射を行なった。また、イオンビーム
照射時間は実施例1のb)と同様な時間に設定した。
【0027】(評価)まず、FE−SEM(電界放出走
査型電子顕微鏡)にて比較例1、2の被加工物を観察し
たところ、両者共に〜20×20μmの領域全体のAl
膜がエッチングされており、実施例1で観察された所望
の形状の開口部が形成されていないことが確認された。
次に、比較例1、2の被加工物の背面から光(波長〜5
32nm)の照射を行ない、開口部を透過した光を近接
場光学プローブを用いて測定したところ、両者共に実施
例1で観察された所望の形状の開口部が形成されていな
いことが確認された。以上より、本比較例1、2におい
て、良好な微小光学素子(多重スリット)が作製されて
いないことが確認された。
【0028】[実施例2] a)被加工物準備 図1a)に示すように、被加工物1として絶縁性光透過
基体2である石英基板上に、導電性光透過膜4として〜
60nmの酸化インジウム膜をスパッタ法で形成した後
に、導電性遮光膜3として〜60nmのAl膜をスパッ
タ法で形成したものを準備した。 b)開口部形成 集束イオンビーム加工装置を用い被加工物にイオンビー
ム6の照射を行なって導電性遮光膜3を除去して、図1
b)に示すように被加工物に開口部5を形成した。
【0029】ここで、集束イオンビーム加工装置のイオ
ン種はGa、加速電圧は30kVである。まず、集束イ
オンビーム加工装置付属の2次電子観察機能を用いて、
開口部を形成する位置を定めた。次に、イオンビーム径
〜40nm、イオン電流〜20pAのイオンビームを用
いて、図2a)に示すように、100本の長さ〜10μ
mのラインを間隔〜100nmで配列するように被加工
物にイオンビームをライン状に照射した。なお、イオン
ビーム照射時間は〜60nmのAl膜の全部及び酸化イ
ンジウム膜の一部が除去できるような時間に設定した。
【0030】(評価)まず、被加工物をFE−SEM
(電界放出走査型電子顕微鏡)にて構造観察したとこ
ろ、間隔〜100nmで並行配列した100個の幅〜4
0nm、長さ〜10μmのスリット状の領域でAl膜が
除去されており、所望の形状の開口部が形成されている
ことが確認された。次に、被加工物の背面から光(波長
〜532nm)の照射を行ない、開口部を透過した光を
近接場光学プローブを用いて測定したところ、FE−S
EM観察と同様な形状を示す像が観察可能であった。以
上より、本実施例において、良好な微小光学素子(多重
スリット)が作製されていることが確認された。
【0031】(比較例3) a)被加工物準備 導電性光透過膜4としての〜60nmの酸化インジウム
膜を形成しないこと以外は、実施例2と同様な被加工物
1を準備した。 b)開口部形成 実施例2のb)と同様な方法を用いて、被加工物1に集
束イオンビームの照射を行なった。またイオンビーム照
射時間は実施例2のb)と同様な時間に設定した。
【0032】(比較例4) a)被加工物準備 比較例3と同様な被加工物を準備した。 b)開口部形成 イオンビーム照射中に帯電中和電子銃(加速電圧〜30
0V、電流電流〜30nA)を併用したこと以外は、実
施例2のb)と同様な方法を用いて、被加工物1にイオ
ンビームの照射を行なった。また、イオンビーム照射時
間は実施例2のb)と同様な時間に設定した。
【0033】(評価)まず、FE−SEM(電界放出走
査型電子顕微鏡)にて比較例3、4の被加工物を構造観
察したところ、両者共に〜10×10μmの領域全体の
Al膜がエッチングされており、実施例2で観察された
所望の形状の開口部が形成されていないことが確認され
た。次に、比較例3、4の被加工物の背面から光(波長
〜532nm)の照射を行ない、開口部を透過した光を
近接場光学プローブを用いて測定したところ、両者共に
実施例2で観察された所望の形状の開口部が形成されて
いないことが確認された。以上より、本比較例3、4に
おいて、良好な微小光学素子(多重スリット)が作製さ
れていないことが確認された。
【0034】[実施例3] a)被加工物準備 図2aに示すように、被加工物1として絶縁性光透過基
体2である光ガラスファイバー上に、導電性光透過膜4
として〜100nmのITO膜をスパッタ法で形成した
後に、導電性遮光膜3として〜100nmのAl膜をス
パッタ法で形成したものを準備した。 b)FIB照射 集束イオンビーム加工装置を用い被加工物にイオンビー
ム6の照射を行なって導電性遮光膜3を除去して、図2
b)に示すように被加工物の先端に開口部5を形成し
た。
【0035】ここで、集束イオンビーム加工装置のイオ
ン種はGa、加速電圧は30kVである。まず、集束イ
オンビーム加工装置付属の2次電子観察機能を用いて、
開口部を形成する位置を定めた。次に、イオンビーム径
〜40nm、イオン電流〜20pAのイオンビームを用
いて、被加工物の先端にイオンビームをドット状に照射
した。なお、イオンビーム照射時間は〜100nmのA
l膜の全部及びITO膜の一部が除去できるような時間
に設定した。
【0036】(評価)まず、FE−SEM(電界放出走
査型電子顕微鏡)にて実施例4の被加工物を構造観察し
たところ、被加工物の先端において〜40nmφのほぼ
円形の領域でAl膜が除去されており、所望の形状の開
口部が形成されていることが確認された。次に、この被
加工物を近接場光学プローブとして使用して、近接場光
学顕微鏡像を撮影したところ分解能が高く歪みのない良
好な像が得られた。以上より、本実施例において、良好
な微小光学素子(近接場光学プローブ)が作製されてい
ることが確認された。
【0037】(比較例5) a)被加工物準備 導電性光透過膜4としての〜100nmのITO膜を形
成しないこと以外は、実施例3と同様な被加工物1を準
備した。 b)開口部形成 実施例3のb)と同様な方法を用いて、被加工物1に集
束イオンビームの照射を行なった。また、イオンビーム
照射時間は実施例3のb)と同様な時間に設定した。
【0038】(比較例6) a)被加工物準備 比較例3のa)と同様な被加工物1を準備した。 b)FIB照射 イオンビーム照射中に帯電中和電子銃(加速電圧〜30
0V、イオン電流〜30nA)を併用したこと以外は、
実施例3のb)と同様な方法を用いて、被加工物1に集
束イオンビームの照射を行なった。また、イオンビーム
照射時間は実施例3のb)と同様な時間に設定した。
【0039】(評価)まず、FE−SEM(電界放出走
査型電子顕微鏡)にて比較例5、6の被加工物を観察し
たところ、両者共に被加工物の先端において〜40nm
φのほぼ円形の領域以外の個所でもAl膜がエッチング
されており、実施例3で観察された所望の形状の開口部
が形成されていないことが確認された。次に、この被加
工物を近接場光学プローブとして使用して、近接場光学
顕微鏡像を撮影したところ分解能が高くかつ歪みのない
良好な像が得られなかった。以上より、本比較例5、6
において、良好な微小光学素子(近接場光学プローブ)
が作製されていないことが確認された。
【0040】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、集束イオンビームによる加工(FIB加工)におい
て、被加工物の導電性遮光膜と絶縁性光透過基体の間に
導電性光透過膜を挿入することにより、イオンビームが
導電性光透過膜にとどまっている状態でFIB加工を終
了させることができ、帯電の急激な変化を起こすことが
防止され、これによりイオンビームのドリフトの発生を
抑制することが可能となり、高精度の微細加工をするこ
とが可能になる微小光学素子の作製方法、及び該作製方
法による微小光学素子、該素子を用いた光学装置を実現
することができる。また、本発明によれば、導電性遮光
膜の全部をエッチングしているので、単位面積当たりの
光透過量の多い完全な開口部を得ることが可能となる。
また、本発明によれば、導電性光透過膜のエッチング
を、イオンビームが導電性光透過膜の残り膜厚にとどま
ることが可能な範囲において行うことができるから、導
電性光透過膜内でのエッチング量にある程度の幅を持た
せることができ、FIB加工条件の許容誤差を大きく取
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における光波長未満の開口
部を有する微小光学素子の作製方法の一例を示す断面模
式図。
【図2】本発明の実施例における光波長未満の開口部を
有する微小光学素子の作製方法の一例を示す断面模式
図。
【符号の説明】
1:被加工物 2:絶縁性光透過基体 3:導電性遮光膜 4:導電性光透過膜 5:開口部 6:イオンビーム
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/3213 H01L 21/302 D Fターム(参考) 2H042 AA12 AA15 AA21 4E066 BA13 CB16 5F004 BA17 DB09 DB13 DB31 EA05 5F033 GG04 HH08 HH11 HH13 HH14 HH17 HH18 HH38 PP06 PP15 PP19 PP27 PP28 QQ08 QQ14 QQ53 XX00 XX03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光波長未満の開口部を形成する微小光学素
    子の作製方法において、 導電性遮光膜、絶縁性光透過基体、及び前記導電性遮光
    膜と前記絶縁性光透過基体の間に挿入された導電性光透
    過膜を有する被加工物を準備する工程と、 前記被加工物に集束イオンビームを照射し、前記導電性
    遮光膜の全部と前記導電性光透過膜の一部をエッチング
    して所望の位置に前記光波長未満の開口部を形成する工
    程と、 を有することを特徴とする微小光学素子の作製方法。
  2. 【請求項2】前記導電性光透過膜のエッチングは、前記
    イオンビームが前記導電性光透過膜の残り膜厚にとどま
    ることが可能な範囲において行われることを特徴とする
    請求項1に記載の微小光学素子の作製方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の微小光学
    素子の作製方法によって形成された開口部を有すること
    を特徴とする微小光学素子。
  4. 【請求項4】請求項3の微小光学素子を用いて構成され
    ていることを特徴とする光学装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008522848A (ja) * 2004-12-09 2008-07-03 ザ プレジデント アンド フェロウズ オブ ハーバード カレッジ 固体凝縮ガス層のエネルギー誘導局所除去を用いるリフトオフパターニング方法
JP2008528288A (ja) * 2004-12-09 2008-07-31 ザ プレジデント アンド フェロウズ オブ ハーバード カレッジ 固体凝縮ガス層のエネルギー誘導局所除去によるパターニングおよびそのような層で生じる固体化学反応
JP2010238734A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Toshiba Corp 圧電素子の製造方法

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