JP2002323428A - 微小光学素子の作製方法、及び該作製方法による微小光学素子、該素子を用いた光学装置 - Google Patents

微小光学素子の作製方法、及び該作製方法による微小光学素子、該素子を用いた光学装置

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JP2002323428A
JP2002323428A JP2001129212A JP2001129212A JP2002323428A JP 2002323428 A JP2002323428 A JP 2002323428A JP 2001129212 A JP2001129212 A JP 2001129212A JP 2001129212 A JP2001129212 A JP 2001129212A JP 2002323428 A JP2002323428 A JP 2002323428A
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ion beam
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Toshiaki Aeba
利明 饗場
Akira Kuroda
亮 黒田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】集束イオンビームによる加工(FIB加工)に
おいて、帯電の急激な変化によるイオンビームのドリフ
トの発生を抑制することができ、高精度の微細加工をす
ることが可能となる微小光学素子の作製方法、及び該作
製方法による微小光学素子、該素子を用いた光学装置を
提供する。 【解決手段】光波長未満の開口部を形成する微小光学素
子の作製方法において、導電性遮光膜と絶縁性光透過基
体を少なくとも有する被加工物を準備する工程と、前記
被加工物に集束イオンビームを照射し、前記導電性遮光
膜の膜厚方向の途中までエッチングして所望の位置に前
記光波長未満の開口部を形成する工程と、を備えた構成
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光波長未満の開口
部を有する微小光学素子の作製方法、及び該作製方法に
よる微小光学素子、該素子を用いた光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、近接場光学顕微鏡に代表されるよ
うに、光波長未満の開口部を有する微小光学素子及びそ
れを用いた光学装置が注目を集めている。微小光学素子
の形態としては、光透過基体上に遮光膜からなる遮光部
と光を透過する開口部を形成した形態をとる場合が多
い。またここで光透過基体としては絶縁性を有するガラ
ス基体、遮光膜としては導電性を有する金属膜を使用す
る場合が多い。さらに微小光学素子の開口部のサイズと
しては、数10〜数100nm以下であることが要求さ
れている。
【0003】このような微小な開口部を作製する従来の
方法としては、光露光、電子線露光によるパターニング
が挙げられる。ここで光露光によるパターニングでは、
分解能は100nm以上であるので、100nm以下の
開口部のパターニングは不可能であった。また電子線露
光によるパターニングでは、分解能は100nm以下で
あるので、100nm以下の開口部のパターニングは可
能であるが、露光時間が長いために光露光によるパター
ニングに比べてスループットが良くなかった。
【0004】さらに光露光、電子線露光によるパターニ
ングのどちらにおいても、レジスト塗布→露光→レジス
トパターン形成→エッチング→レジスト除去といった多
数の工程が必要であり、そのために工程に要する手間が
かかったり、ゴミの付着による欠陥の発生が起こりやす
くなるという課題があった。
【0005】一方、微小な開口部を作製する他の方法と
しては、集束イオンビーム加工(以下、FIB加工と記
す。)によるパターニングが挙げられる。ここでFIB
加工によるパターニングでは、分解能は数10nm以下
であるので、100nm以下の開口部のパターニングは
可能である。さらにFIB加工によるパターニングで
は、直描であるので、レジスト塗布、露光、エッチン
グ、レジスト除去といった複雑な工程は一切不要である
ので、工程に要する手間が増えたり、ゴミの付着による
欠陥の発生が起こりやすくなるなどの光露光、電子線露
光によるパターニングにおいて記述した課題を解決する
ことが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、FIB加工
においては、荷電粒子を利用しているので、特に絶縁物
の被加工物の加工を行なう場合には、加工部の帯電によ
りイオンビームがドリフトしてしまうために高精度の微
細加工は困難であった。この不都合を解消するために絶
縁物の被加工物のFIB加工を行なう際は、帯電中和電
子銃を併用することにより、帯電によるイオンビームの
ドリフトを抑制することにより、加工精度を向上させる
ことが行なわれる。
【0007】しかしながら、被加工物が絶縁性基体上の
導電性膜の場合には、帯電中和電子銃を併用してFIB
加工を行なっても、導電性膜のエッチングが終了してイ
オンビームが絶縁性基体に達したときの帯電の急激な変
化に対応できずに、イオンビームのドリフトが発生して
しまうために、高精度の微細加工は困難であった。すな
わち光学素子に一般的に使用される絶縁性光透過基体
(例えばガラス基体)上の導電性遮光膜(例えば金属
膜)という構成の被加工物に対しては、FIB加工によ
り微小な開口部を精度良く形成することは困難であっ
た。
【0008】さらに、こうしたイオンビームのドリフト
は、開口部が孤立して存在している被加工物の作製より
も、開口部が隣接している被加工物の作製、例えば、光
波長未満のスリット間隔を有する多重スリットのような
微小光学素子の作製において深刻な影響を及ぼしやす
く、場合によっては開口部間に残すべき導電性遮光膜ま
で完全にエッチングしてしまうために素子作製を全く行
なえないこともあった。
【0009】そこで、本発明は、上記課題を解決し、集
束イオンビームによる加工(FIB加工)において、帯
電の急激な変化によるイオンビームのドリフトの発生を
抑制することができ、微小開口部を高精度に加工するこ
とが可能となる微小光学素子の作製方法、及び該作製方
法による微小光学素子、該素子を用いた光学装置を提供
することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、つぎの(1)〜(7)のように構成した
微小光学素子の作製方法、及び該作製方法による微小光
学素子、該素子を用いた光学装置を提供するものであ
る。 (1)光波長未満の開口部を形成する微小光学素子の作
製方法において、導電性遮光膜と絶縁性光透過基体を少
なくとも有する被加工物を準備する工程と、前記被加工
物に集束イオンビームを照射し、前記導電性遮光膜の膜
厚方向の途中までエッチングして所望の位置に前記光波
長未満の開口部を形成する工程と、を有することを特徴
とする微小光学素子の作製方法。 (2)前記開口部を形成する工程において、前記導電性
遮光膜の残り膜厚が前記開口部における光透過が可能な
膜厚までエッチングすることを特徴とする上記(1)に
記載の微小光学素子の作製方法。 (3)前記開口部を形成する工程において、前記導電性
遮光膜の残り膜厚が100nm以下となるように設定さ
れていることを特徴とする上記(2)に記載の微小光学
素子の作製方法。 (4)前記開口部を形成する工程の後に、前記導電性遮
光膜の全面をエッチングする工程を有することを特徴と
する上記(1)に記載の微小光学素子の作製方法。 (5)前記開口部を形成する工程において、前記導電性
遮光膜の残り膜厚が500nm以下となるように設定さ
れていることを特徴とする上記(4)に記載の微小光学
素子の作製方法。 (6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の微小光学
素子の作製方法によって形成された開口部を有すること
を特徴とする微小光学素子。 (7)上記(6)の微小光学素子を用いて構成されてい
ることを特徴とする光学装置。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態においては、
上記構成を適用することにより、直描であるFIB加工
を用いて微小光学素子を作製する方法において、従来の
課題であった、帯電の急激な変化によるイオンビームの
ドリフトの発生を抑制して、高精度の微細加工を実現す
ることにより、光波長未満の開口部を有する微小光学素
子を作製する方法を実現することができる。したがっ
て、これにより、従来において、光露光、電子線露光に
よるパターニングで必要であったレジスト塗布、露光、
レジスト除去といった複雑な工程が不必要となる。この
ように、高精度の微細加工をすることが可能となるの
は、本発明者らが種々の検討を重ねた結果による、つぎ
のような知見に基づくものである。すなわち、導電性遮
光膜の膜厚方向の途中でFIB加工によるエッチングを
終了させることにより、イオンビームが導電性遮光膜に
とどまっている状態でFIB加工を終了させることがで
き、帯電の急激な変化を起こすことが防止され、これに
よりイオンビームのドリフトの発生を抑制することが可
能となる、という知見に基づくものである。
【0012】以下、図1を用いて、本発明の実施の形態
における光波長未満の開口部を有する微小光学の作製方
法について説明する。図1のa)、b)、c)順に追っ
て説明する。以下の工程a)、b) 、c)は、図1の
a)、b)、c)に対応する。
【0013】a)被加工物準備 まず図1a)に示すように、被加工物1として絶縁性光
透過基体2及び導電性遮光膜3からなる構成の被加工物
1を準備する。本発明において、導電性遮光膜の材質と
しては、Al、Au、Ag、Cu、Cr、Tiなどの金
属、あるいはそれらの合金などが挙げられるが、一定の
遮光性があるものであれば、特に限定されるものではな
い。また、本発明において、導電性遮光膜の成膜方法と
しては、抵抗加熱蒸着、EB蒸着、スパッタ、CVD、
メッキなどが挙げられるが、任意の成膜方法で構わず、
特に限定されるものではない。
【0014】本発明において、絶縁性光透過基体の材質
としては、ガラス、石英、アルミナ、酸化マグネシウ
ム、フッ化カルシウムなどが挙げられるが、一定の機械
的強度や光透過性のあるものであれば、特に限定される
ものではない。また、本発明において、絶縁性光透過基
体の形状としては、平滑な基板状のものに限らず、曲面
を有するもの、表面にある程度の凹凸や段差を有するも
の、ファイバー状のものなどが挙げられるが、導電性遮
光膜の形成や、FIB加工による開口部の形成に不都合
がなければ、特に限定されるものではない。
【0015】b)FIB照射 次に図1b)に示すように、被加工物1の所望の位置に
イオンビーム6を照射して導電性遮光膜3の途中までエ
ッチングして開口部5を形成する。本発明において、開
口部の形状としては、ドット状のもの、ドーナツ状のも
の、楕円形のもの、正方形のもの、矩形のもの、スリッ
ト状のものなどが挙げられるが、任意の形状のもので構
わず、特に限定されるものではない。また、本発明にお
いて、開口部の配列としては、単独のもの、複数以上の
もの、周期的なもの、周期的なものの中に一部非周期的
なものを含むもの、ランダムなものが挙げられるが、任
意の配列のもので構わず、特に限定されるものではな
い。
【0016】本発明において、開口部のサイズとして
は、光波長未満のもの、より具体的には、数10〜数1
00nm以下であるものが挙げられるが、微小光学素子
に使用する光波長に依存するので、必ずしもこの数値に
限定されるものではない。また、本発明において、集束
イオンビームのイオン種としては、液体金属イオン源で
ある、Ga、Si、Ge、Cs、Nb、Cuなどや、電
界電離ガスイオン源であるO、N、H、He、Arなど
が挙げられるが、導電性遮光膜をエッチングしての開口
部形成に不都合がなければ、集束イオンビームのイオン
種は特に制限されるものではない。ただし実際には扱い
やすさなどの理由から、集束イオンビームのイオン種と
してGaを使用することが多い。
【0017】本発明において、導電性遮光膜をFIB加
工によりエッチングしたときの残り膜厚であるが、工程
b)までで微小光学素子作製を終了させる場合と、工程
c)までで微小光学素子作製を終了させる場合とで様相
は異なってくる。まず、前者の場合には、開口部におい
て光透過が可能になる残り膜厚まで、導電性遮光膜をF
IB加工によりエッチングするのが望ましい。また導電
性遮光膜の材質である金属あるいは合金などの光透過率
は厚さ10〜30nmで〜1/10になることが知られ
ているので、導電性遮光膜の残り膜厚が100nm以下
であることが望ましいが、さらにより好ましくは30n
m以下であることが望ましい。次に、後者の場合には、
さらに全面をエッチングする工程を含むので、前者より
も大きな残り膜厚でも特に構わない。また全面をエッチ
ングする工程は導電性遮光膜の残り膜厚を小さくすると
同時にサイドエッチにより開口部のサイズを大きくする
効果があるので、微小光学素子の開口部のサイズを考慮
すると、導電性遮光膜の残り膜厚は500nm以下であ
ることが望ましい。
【0018】c)全面エッチング 次に図1c)に示すように、被加工物1の導電性遮光膜
3の全面をエッチングすることに開口部5を形成する。
本発明において、エッチング方法としては、イオン照
射、ウェットエッチング、ドライエッチングなどが挙げ
られるが、導電性遮光膜をエッチングしての開口部形成
に不都合がなければ、特に制限されるものではない。な
お、ここでイオン照射としてFIBをスキャンして被加
工物1の導電性遮光膜3の全面をエッチングする方法も
挙げられるが、この方法によれば単一の装置を用いて
b)FIB照射及びc)全面エッチングを行なうことが
可能である。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 [実施例1] a)被加工物準備 図1a)に示すように、被加工物1として絶縁性光透過
基体2である#7059ガラス基板上に、導電性遮光膜
3として〜100nmのAl膜をスパッタ法で形成した
ものを準備した。 b)FIB照射 集束イオンビーム加工装置を用い被加工物にイオンビー
ム6の照射を行なって導電性遮光膜3の途中までエッチ
ングして、図1b)に示すように被加工物に開口部5を
形成した。
【0020】ここで、集束イオンビーム加工装置のイオ
ン種はGa、加速電圧は30kVである。まず、集束イ
オンビーム加工装置付属の2次電子観察機能を用いて、
開口部を形成する位置を定めた。次に、イオンビーム径
〜100nm、イオン電流〜1nAのイオンビームを用
いて、60本の長さ〜20μmのラインを間隔〜350
nmで配列するように被加工物にイオンビームをライン
状に照射した。また、イオンビーム照射時間はAl膜の
残り膜厚が〜10nmになるように設定した。
【0021】(評価)まず、FE−SEM(電界放出走
査型電子顕微鏡)にて実施例1の被加工物を観察したと
ころ、間隔〜350nmで並行配列した60個の幅〜1
00nm、長さ〜20μmのスリット状の領域でAl膜
が途中まで除去されており、所望の形状の開口部が形成
されていることが確認された。次に、被加工物の背面か
ら光(波長〜532nm)の照射を行ない、開口部を透
過した光を近接場光学プローブを用いて測定したとこ
ろ、FE−SEM観察と同様な形状を示す像が観察可能
であった。以上より、本実施例において、良好な微小光
学素子(多重スリット)が作製されていることが確認さ
れた。
【0022】(比較例1) a)被加工物準備 実施例1のa)と同様な被加工物1を準備した。 b)FIB照射 イオンビーム照射時間をAl膜が充分に除去できるよう
な時間に設定したこと以外は、実施例1のb)と同様な
方法を用いて、被加工物1にイオンビーム照射を行なっ
た。
【0023】(比較例2) a)被加工物準備 実施例1のa)と同様な被加工物1を準備した。 b)FIB照射 イオンビーム照射中に帯電中和電子銃(加速電圧〜30
0V、イオン電流〜30nA)を併用したこと以外は、
比較例1のb)と同様な方法を用いて、被加工物1にイ
オンビームの照射を行なった。 評価 まずFE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて比
較例1、2の被加工物を観察したところ、両者共に〜2
0×20μmの領域全体のAl膜がエッチングされてお
り、実施例1で観察された所望の形状の開口部が形成さ
れていないことが確認された。
【0024】次に比較例1、2の被加工物の背面から光
(波長〜532nm)の照射を行ない、開口部を透過し
た光を近接場光学プローブを用いて測定したところ、両
者共に実施例1で観察された所望の形状の開口部が形成
されていないことが確認された。
【0025】以上より、本比較例1、2において、良好
な微小光学素子(多重スリット)が作製されていないこ
とが確認された。
【0026】[実施例2] a)被加工物準備 図1a)に示すように、被加工物1として絶縁性光透過
基体2である#7059ガラス基板上に、導電性遮光膜
3として〜100nmのAg膜をスパッタ法で形成した
ものを準備した。 b)FIB照射 集束イオンビーム加工装置を用い被加工物にイオンビー
ム6の照射を行なって導電性遮光膜3の途中までエッチ
ングして、図1b)に示すように被加工物に開口部5を
形成した。
【0027】ここで、集束イオンビーム加工装置のイオ
ン種はGa、加速電圧は30kVである。まず、集束イ
オンビーム加工装置付属の2次電子観察機能を用いて、
開口部を形成する位置を定めた。次に、イオンビーム径
〜40nm、イオン電流〜20pAのイオンビームを用
いて、図2a)に示すように、100本の長さ〜10μ
mのラインを間隔〜100nmで配列するように被加工
物にイオンビームをライン状に照射した。また、イオン
ビーム照射時間はAg膜の残り膜厚が〜10nmになる
ように設定した。
【0028】(評価)まず、FE−SEM(電界放出走
査型電子顕微鏡)にて実施例2の被加工物を観察したと
ころ、間隔〜100nmで並行配列した100個の幅〜
40nm、長さ〜10μmのスリット状の領域でAg膜
が除去されており、所望の形状の開口部が形成されてい
ることが確認された。次に、被加工物の背面から光(波
長〜532nm)の照射を行ない、開口部を透過した光
を近接場光学プローブを用いて測定したところ、FE−
SEM観察と同様な形状を示す像が観察可能であった。
以上より、本実施例において、良好な微小光学素子(多
重スリット)が作製されていることが確認された。
【0029】(比較例3) a)被加工物準備 実施例2のa)と同様な被加工物1を準備した。 b)FIB照射 イオンビーム照射時間をAg膜が充分に除去できるよう
な時間に設定したこと以外は、実施例2のb)と同様な
方法を用いて、被加工物1にイオンビーム照射を行なっ
た。
【0030】(比較例4) a)被加工物準備 実施例2のa)と同様な被加工物1を準備した。 b)FIB照射 イオンビーム照射中に帯電中和電子銃(加速電圧〜30
0V、イオン電流〜30nA)を併用したこと以外は、
比較例3のb)と同様な方法を用いて、被加工物1にイ
オンビームの照射を行なった。
【0031】(評価)まず、FE−SEM(電界放出走
査型電子顕微鏡)にて比較例3、4の被加工物を観察し
たところ、両者共に〜10×10μmの領域全体のAg
膜がエッチングされており、実施例2で観察された所望
の形状の開口部が形成されていないことが確認された。
次に、比較例3、4の被加工物の背面から光(波長〜5
32nm)の照射を行ない、開口部を透過した光を近接
場光学プローブを用いて測定したところ、両者共に実施
例2で観察された所望の形状の開口部が形成されていな
いことが確認された。以上より、本比較例3、4におい
て、良好な微小光学素子(多重スリット)が作製されて
いないことが確認された。
【0032】[実施例3] a)被加工物準備 導電性遮光膜3の膜厚が〜150nmであること以外
は、実施例1のa)と同様な被加工物1を準備した。 b)FIB照射 イオンビーム照射時間をAl膜の残り膜厚が〜50nm
になるような時間に設定したこと以外は、実施例1の
b)と同様な方法を用いて、被加工物1にイオンビーム
照射を行なった。 c)全面エッチング 次に、図1c)に示すように、被加工物1の導電性遮光
膜3の全面をArイオンエッチングすることにより開口
部5を形成した。
【0033】ここで、Arイオンエッチングは加速電圧
3kV、イオン電流1mAにて行なった。また、Arイ
オンエッチング時間は開口部5でAl膜を充分に除去で
きるような時間に設定した。
【0034】(評価)まず、FE−SEM(電界放出走
査型電子顕微鏡)にて実施例3の被加工物を観察したと
ころ、間隔〜350nmで並行配列した60個の幅〜1
50nm、長さ〜20μmのスリット状の領域でAl膜
が充分に除去されており、所望の形状の開口部が形成さ
れていることが確認された。次に、被加工物の背面から
光(波長〜532nm)の照射を行ない、開口部を透過
した光を近接場光学プローブを用いて測定したところ、
FE−SEM観察と同様な形状を示す像が観察可能であ
った。また、このとき開口部/非開口部での透過光量の
差に起因する像のコントラストは実施例1に比べてやや
大きかった。
【0035】これは、実施例3では開口部においてAl
膜が充分に除去されているので、開口部においてAl膜
の一部が残存している実施例1よりも、開口部での単位
面積当たりの透過光量が大きくなることによると推定さ
れた。以上より、本実施例において、良好な微小光学素
子(多重スリット)が作製されていることが確認され
た。
【0036】(比較例5) a)被加工物準備 実施例3のa)と同様な被加工物1を準備した。 b)FIB照射 イオンビーム照射時間をAl膜が充分に除去できるよう
な時間に設定したこと以外は、実施例3のb)と同様な
方法を用いて、被加工物1にイオンビーム照射を行なっ
た。
【0037】(比較例6) a)被加工物準備 実施例3のa)と同様な被加工物1を準備した。 b)FIB照射 イオンビーム照射中に帯電中和電子銃(加速電圧〜30
0V、イオン電流〜30nA)を併用したこと以外は、
比較例5のb)と同様な方法を用いて、被加工物1にイ
オンビームの照射を行なった。
【0038】(評価)まず、FE−SEM(電界放出走
査型電子顕微鏡)にて比較例5、6の被加工物を観察し
たところ、両者共に〜20×20μmの領域全体のAl
膜がエッチングされており、実施例3で観察された所望
の形状の開口部が形成されていないことが確認された。
次に、比較例5、6の被加工物の背面から光(波長〜5
32nm)の照射を行ない、開口部を透過した光を近接
場光学プローブを用いて測定したところ、両者共に実施
例3で観察された所望の形状の開口部が形成されていな
いことが確認された。以上より、本比較例5、6におい
て、良好な微小光学素子(多重スリット)が作製されて
いないことが確認された。
【0039】[実施例4] a)被加工物準備 図2a)に示すように、被加工物1として絶縁性光透過
基体2である光ガラスファイバー上に、導電性遮光膜3
として〜100nmのAl膜をスパッタ法で形成したも
のを準備した。 b)FIB照射 集束イオンビーム加工装置を用い被加工物にイオンビー
ム6の照射を行なって導電性遮光膜3の途中までエッチ
ングして、図2b)に示すように被加工物の先端に開口
部5を形成した。
【0040】ここで、集束イオンビーム加工装置のイオ
ン種はGa、加速電圧は30kVである。まず、集束イ
オンビーム加工装置付属の2次電子観察機能を用いて、
開口部を形成する位置を定めた。次に、イオンビーム径
〜40nm、イオン電流〜20pAのイオンビームを用
いて、被加工物の先端にイオンビームをドット状に照射
した。また、イオンビーム照射時間はAl膜の残り膜厚
が〜10nmになるように設定した。
【0041】(評価)まず、FE−SEM(電界放出走
査型電子顕微鏡)にて実施例4の被加工物を観察したと
ころ、被加工物の先端において〜40nmφのほぼ円形
の領域でAl膜が途中まで除去されており、所望の形状
の開口部が形成されていることが確認された。次に、こ
の被加工物を近接場光学プローブとして使用して、近接
場光学顕微鏡像を撮影したところ分解能が高く歪みのな
い良好な像が得られた。以上より、本実施例において、
良好な微小光学素子(近接場光学プローブ)が作製され
ていることが確認された。
【0042】(比較例7) a)被加工物準備 実施例4のa)と同様な被加工物1を準備した。 b)FIB照射 イオンビーム照射時間をAl膜が充分に除去できるよう
な時間に設定したこと以外は、実施例4のb)と同様な
方法を用いて、被加工物1にイオンビーム照射を行なっ
た。
【0043】(比較例8) a)被加工物準備 実施例4のa)と同様な被加工物1を準備した。 b)FIB照射 イオンビーム照射中に帯電中和電子銃(加速電圧〜30
0V、イオン電流〜30nA)を併用したこと以外は、
比較例7のb)と同様な方法を用いて、被加工物1にイ
オンビームの照射を行なった。
【0044】(評価)まずFE−SEM(電界放出走査
型電子顕微鏡)にて比較例7、8の被加工物を観察した
ところ、両者共に被加工物の先端において〜40nmφ
のほぼ円形の領域以外の個所でもAl膜がエッチングさ
れており、実施例4で観察された所望の形状の開口部が
形成されていないことが確認された。次にこの被加工物
を近接場光学プローブとして使用して、近接場光学顕微
鏡像を撮影したところ分解能が高くかつ歪みのない良好
な像が得られなかった。以上より、本比較例7、8にお
いて、良好な微小光学素子(近接場光学プローブ)が作
製されていないことが確認された。
【0045】[実施例5] a)被加工物準備 導電性遮光膜5の膜厚が〜150nmであること以外
は、実施例4のa)と同様な被加工物1を準備した。 b)FIB照射 イオンビーム照射時間をAl膜の残り膜厚が〜50nm
になるような時間に設定したこと以外は、実施例4の
b)と同様な方法を用いて、被加工物1にイオンビーム
照射を行なった。 c)全面エッチング 次に図2c)に示すように、被加工物1の導電性遮光膜
3の全面をArイオンエッチングすることにより開口部
5を形成した。
【0046】ここで、Arイオンエッチングは加速電圧
3kV、イオン電流1mAにて行なった。また、Arイ
オンエッチング時間は開口部5でAl膜をほぼ充分に除
去できるような時間に設定した。 評価 まず、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて
実施例4の被加工物を観察したところ、被加工物の先端
において〜90nmφのほぼ円形の領域でAl膜がほぼ
充分に除去されており、所望の形状の開口部が形成され
ていることが確認された。次に、この被加工物を近接場
光学プローブとして使用して、近接場光学顕微鏡像を撮
影したところ分解能が高く歪みのない良好な像が得られ
た。
【0047】またこのとき近接場光学顕微鏡像は実施例
4に比べてより大きな信号量を有するものであった。
【0048】これは、実施例5は実施例4よりも開口部
が大きいこと及び、実施例5では開口部においてAl膜
が充分に除去されているので、開口部においてAl膜の
一部が残存している実施例4よりも、開口部での単位面
積当たりの透過光量が大きくなっていることによると推
定された。以上より、本実施例において、良好な微小光
学素子(近接場光学プローブ)が作製されていることが
確認された。
【0049】(比較例9) a)被加工物準備 実施例5のa)と同様な被加工物1を準備した。 b)FIB照射 イオンビーム照射時間をAl膜が充分に除去できるよう
な時間に設定したこと以外は、実施例5のb)と同様な
方法を用いて、被加工物1にイオンビーム照射を行なっ
た。
【0050】(比較例10) a)被加工物準備 実施例5のa)と同様な被加工物1を準備した。 b)FIB照射 イオンビーム照射中に帯電中和電子銃(加速電圧〜30
0V、イオン電流〜30nA)を併用したこと以外は、
比較例9のb)と同様な方法を用いて、被加工物1にイ
オンビームの照射を行なった。
【0051】(評価)まず、FE−SEM(電界放出走
査型電子顕微鏡)にて比較例9、10の被加工物を観察
したところ、両者共に被加工物の先端において〜90n
mφのほぼ円形の領域以外の個所でもAl膜がエッチン
グされており、実施例5で観察された所望の形状の開口
部が形成されていないことが確認された。次にこの被加
工物を近接場光学プローブとして使用して、近接場光学
顕微鏡像を撮影したところ分解能が高くかつ歪みのない
良好な像が得られなかった。以上より、本比較例9、1
0において、良好な微小光学素子(近接場光学プロー
ブ)が作製されていないことが確認された。
【0052】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、集束イオンビームによる加工(FIB加工)におい
て、帯電の急激な変化によるイオンビームのドリフトの
発生を抑制することができ、高精度の微細加工をするこ
とが可能となる微小光学素子の作製方法、及び該作製方
法による微小光学素子、該素子を用いた光学装置を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における光波長未満の開口
部を有する微小光学素子の作製方法の一例を示す断面模
式図。
【図2】本発明の実施例における光波長未満の開口部を
有する微小光学素子の作製方法の一例を示す断面模式
図。
【符号の説明】
1:被加工物 2:絶縁性光透過基体 3:導電性遮光膜 5:開口部 6:集束イオンビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23K 15/00 508 G12B 1/00 601C Fターム(参考) 2H042 AA05 AA18 AA21 2H052 AA00 AC01 4E066 BA13 CB16 5D119 AA11 AA22 EB02 JA34 NA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光波長未満の開口部を形成する微小光学素
    子の作製方法において、 導電性遮光膜と絶縁性光透過基体を少なくとも有する被
    加工物を準備する工程と、 前記被加工物に集束イオンビームを照射し、前記導電性
    遮光膜の膜厚方向の途中までエッチングして所望の位置
    に前記光波長未満の開口部を形成する工程と、 を有することを特徴とする微小光学素子の作製方法。
  2. 【請求項2】前記開口部を形成する工程において、前記
    導電性遮光膜の残り膜厚が前記開口部における光透過が
    可能な膜厚までエッチングすることを特徴とする請求項
    1に記載の微小光学素子の作製方法。
  3. 【請求項3】前記開口部を形成する工程において、前記
    導電性遮光膜の残り膜厚が100nm以下となるように
    設定されていることを特徴とする請求項2に記載の微小
    光学素子の作製方法。
  4. 【請求項4】前記開口部を形成する工程の後に、前記導
    電性遮光膜の全面をエッチングする工程を有することを
    特徴とする請求項1に記載の微小光学素子の作製方法。
  5. 【請求項5】前記開口部を形成する工程において、前記
    導電性遮光膜の残り膜厚が500nm以下となるように
    設定されていることを特徴とする請求項4に記載の微小
    光学素子の作製方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の微小
    光学素子の作製方法によって形成された開口部を有する
    ことを特徴とする微小光学素子。
  7. 【請求項7】請求項6の微小光学素子を用いて構成され
    ていることを特徴とする光学装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7217605B2 (en) 2000-11-29 2007-05-15 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Laser irradiation method and method of manufacturing a semiconductor device
US7821650B2 (en) * 2006-03-21 2010-10-26 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method with reduced scribe lane usage for substrate measurement
US9329311B2 (en) 2011-05-25 2016-05-03 3M Innovative Properties Company Light control film

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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