JP2002323359A - 超音波式渦流量計 - Google Patents

超音波式渦流量計

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JP2002323359A
JP2002323359A JP2001130246A JP2001130246A JP2002323359A JP 2002323359 A JP2002323359 A JP 2002323359A JP 2001130246 A JP2001130246 A JP 2001130246A JP 2001130246 A JP2001130246 A JP 2001130246A JP 2002323359 A JP2002323359 A JP 2002323359A
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vortex
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Hiroshi Yoshikura
博史 吉倉
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、被測流体を伝搬する超音波の伝搬
効率に変化に応じて超音波送信器の駆動電圧を調整する
際、受信信号の振幅を規定値に保つことを課題とする。 【解決手段】 超音波式渦流量計10は、渦発生体16
の下流に流量に比例して発生するカルマン渦を超音波の
位相変調を利用して検出し、被測流体の流量を求める。
制御回路58は、超音波の位相変調から被測流体の流量
を演算する流量演算部60と、受信側超音波センサ3
4,36から出力された受信信号の振幅が予め設定され
た値、あるいは設定範囲に入るように駆動電圧を制御す
る振幅調整部62と、振幅調整が終了した後に受信信号
の振幅が規定値以下に制御されていないときに異常発生
を検知して報知する異常検知部63とを有する。そのた
め、超音波の伝搬効率が高い場合でも駆動信号の電圧を
所定値以下に制御して常圧で十分な受信電圧を確保して
計測精度を保つことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波式渦流量計に
係り、特に被測流体中に超音波を送信して渦発生体の下
流に発生するカルマン渦を検出して被測流体の流量を測
定する超音波式渦流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、従来の超音波式渦流量計では、
被測流体が流れる流路内に流れ方向と直交する方向に延
在形成された渦発生体を設け、渦発生体の下流には1組
または2組の超音波センサを設けて渦発生体の下流に発
生するカルマン渦を検出するように構成されている。1
組の超音波センサは、互いに対向するように流路内に設
けられており、一方が超音波を送信する送信側であり、
他方が被測流体中を伝搬した超音波を受信する受信側と
なる。
【0003】この種の超音波式渦流量計では、流路中に
発生するカルマン渦の中を伝搬して受信された超音波の
受信信号と、送信側に供給される超音波の送信信号とを
位相比較することで超音波がカルマン渦から受けるドッ
プラー効果を位相変調として検出している。
【0004】また、2組の超音波センサを用いた超音波
式渦流量計では、カルマン渦の流れに対して相対的な相
反する方向から流体を伝搬した2つの超音波信号同士を
位相比較することにより、被測流体の音速変化の影響を
キャンセルしてカルマン渦から受ける位相変化のみを抽
出するように構成されている。
【0005】上記のように構成された従来の超音波式渦
流量計では、理論的には超音波がカルマン渦から受ける
ドップラー効果を位相変化として抽出する構成であるた
め、被測流体の種類によらずカルマン渦を検出すること
ができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記1組の超音波セン
サを用いた超音波式渦流量計では、超音波の伝搬効率が
高い場合に超音波送信器に出力される駆動信号の電圧を
高めると、伝搬経路で反射する超音波の音圧が強くなっ
て受信されてしまい、送信波と反射波との間で定在波が
発生し、これが計測誤差の原因となる。
【0007】また、上記2組の超音波センサを用いた超
音波式渦流量計では、被測流体の圧力が脈動することに
より超音波が位相変調を受けて誤計測することを防止す
るため、2組の超音波センサから検出された受信信号の
位相比較して脈動による影響をキャンセルしている。し
かしながら、超音波伝搬経路において、超音波の反射な
どにより定在波や共鳴が発生すると、2組の超音波セン
サの位相比較を行っても脈動の影響をキャンセルできな
い場合がある。
【0008】また、超音波伝搬経路で反射波の音圧が大
きいと、送信波と反射波との間で定在波が発生する。こ
の定在波が発生していると、超音波送信器で受信される
超音波は、夫々が合成した音波として受信される。超音
波が流体中を伝搬して受信されるまでにお互いが同じ流
体中を同じ距離伝搬した場合には、圧力変化などの影響
は、同じように受ける。
【0009】ところが、このように定在波が発生してい
る場合には、夫々受信される超音波は、同じ影響を受け
るとは限らず、互いの位相比較を行ってもノイズの影響
をキャンセルできない場合がある。
【0010】そこで、超音波伝搬経路で反射波が発生し
ないように吸音材などを貼り付けることで余分な音波を
吸収してしまう構造や、超音波送信器の送信面と超音波
受信器の受信面とを対向させないように構成して反射波
による定在波が発生しないような構成が提案されてい
る。
【0011】さらに、上記従来の方式では、送信側超音
波センサから受信側超音波センサまでの直線的な超音波
伝搬経路を伝搬した超音波同士を位相比較することでお
互いが同じように受ける音速変化や流体ノイズの影響を
キャンセルする構造であるが、実際に受信される超音波
は、直線的に伝搬してきた超音波のみではなく、いろん
な部分で反射して伝搬してきた超音波の合成波が受信信
号として処理されるために超音波の伝搬状態によって
は、十分なキャンセル効果を得ることが出来ない場合が
ある。そのため、伝搬経路に吸音材を貼り付けることに
より、伝搬経路で乱反射する超音波を吸収して直線的に
伝搬する超音波の割合を高めるなどの対応をしている。
【0012】しかしながら、吸音材による吸音効果は、
材質や厚さにより決まるケースが多く、どんな条件にお
いても十分な吸音効果を確保するためには、より多くの
吸音スペースを必要とするばかりでなく、吸音材の劣化
によりその効果も変化してしまう可能性があるために経
年的に性能を保証することが難しかった。
【0013】また、特に気体を計測対象とする場合には
ガスの種類や成分比率、圧力によって超音波の伝搬効率
が大きく変化するため、伝搬経路内での音圧変化も大き
く流体条件によっては十分な吸音効果が得られない場合
がある。そのため、伝搬経路内での条件によって安定し
た流量計測が継続できないおそれがある。
【0014】さらに、被測流体がガスの場合、流体圧力
により音波伝搬効率が大きく変化するために、常圧で十
分な受信電圧を確保するには超音波送信器の駆動電圧を
高くして超音波受信器の増幅を上げるなどの対応が必要
である。
【0015】しかも、流量計の実使用流体条件が高圧下
であった場合には、超音波の伝搬効率が常圧に対して数
倍になり、吸音材の吸音効果では不要な超音波を吸収し
きれない状態になることがある。その場合、超音波受信
器は、伝搬経路内で乱反射を繰り返して到達した不要な
超音波までも合成波として受信してしまい、計測精度が
低下するという問題がある。そこで、本発明は、上記課
題を解決した超音波式渦流量計を提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下のような特徴を有する。上記請求項1
記載の発明は、受信の振幅値を監視し、受信信号の振幅
が所定値以上であることを検出したとき、超音波送信器
に出力される駆動信号の電圧を所定値以下に制限して受
信信号の振幅を制御するものであり、超音波の伝搬効率
が高い場合でも超音波送信器に出力される駆動信号の電
圧を所定値以下に制御して伝搬経路で反射する超音波が
受信されないように超音波の音圧を下げることができ、
吸音材で吸収できないような超音波が送信されることを
防止して計測精度を確保できる。
【0017】上記請求項2記載の発明は、超音波送信器
に出力される駆動信号の電圧を所定値以下に制限した
後、超音波受信器で受信された受信信号の振幅が予め設
定された規定値に達しないときは異常発生を検知するも
のであり、超音波受信器あるいは超音波送信器や制御系
で異常が発生したことを検知できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】図1は本発明になる超音波式渦流量計の一
実施例の回路構成を示すブロック図である。また、図2
は超音波式渦流量計の横断面図である。また、図3は超
音波式渦流量計を流路方向からみた縦断面図である。
【0020】図1乃至図3に示されるように、超音波式
渦流量計10は、被測流体としての気体(ガス)が流れ
る流路12を有する流量計本体14と、流量計本体14
の流路12内で被測流体の流れ方向(図2中矢印で示
す)と直交する垂直方向に延在する渦発生体16とを有
する。この渦発生体16は、上方からみると水平方向の
断面が概略三角形になっている。
【0021】そして、上流側に対向する渦発生体16の
正面16aに被測流体が衝突しながら下流側へ流れる過
程において、カルマン渦が渦発生体16の下流側左右で
交互に発生する。このカルマン渦が発生する周波数が被
測流体の流速に比例しているため、被測流体中に発生す
るカルマン渦を検出することにより被測流体の流量を求
めることができる。
【0022】渦発生体16は、長手方向に延在する一対
の通路18,20が超音波伝搬経路として貫通してい
る。この通路18,20は、夫々渦発生体16の下流側
に形成された斜辺16b,16cに開口する第1乃至第
4の圧力導入路22,24,26,28と連通されてい
る。尚、各圧力導入路22,24,26,28は、夫々
渦発生体16の長手方向(高さ方向)にずらしてあり、
夫々が互いに交差しないように設けられている。
【0023】第1の圧力導入路22は、一端が斜辺16
bに開口し、他端が通路18に連通されている。また、
第2の圧力導入路24は、一端が斜辺16cに開口し、
他端が通路20に連通されている。また、第3の圧力導
入路26は、一端が斜辺16bに開口し、他端が通路2
0に連通されている。また、第4の圧力導入路28は、
一端が斜辺16cに開口し、他端が通路18に連通され
ている。
【0024】従って、渦発生体16の下流を流れる被測
流体中にカルマン渦が発生したとき、カルマン渦の発生
に伴う圧力変化により渦発生体16の左右両側で圧力差
が生じ、この圧力差によって通路18,20内に被測流
体の流れが生じる。すなわち、通路18,20内におい
ては、カルマン渦の発生と同じ周期で交互に逆向きの流
れが生じる。
【0025】図3に示されるように、渦発生体16の上
端には、送信側超音波センサ(超音波送信器)30,3
2を保持する保持部材38が設けられている。また、渦
発生体16の下端には、受信側超音波センサ(超音波受
信器)34,36を保持する保持部材40が設けられて
いる。各超音波センサ30,32,34,36は、保持
部材38,40に設けられた取付孔38a,38b,4
0a,40bに挿入され、さらに環状に形成されたパッ
キン(またはOリング)42によりシールされる。
【0026】尚、パッキン42の材質としては、テフロ
ン(登録商標)系のバッキンや、石綿にテフロンを含有
させた樹脂製リングも含まれる。
【0027】各超音波センサ30,32,34,36が
挿入される取付孔38a,38b,40a,40bは、
通路18,20の上端開口及び下端開口に連通してい
る。送信側超音波センサ30,32から送信された超音
波は、通路18,20内の流体中を伝搬して受信側超音
波センサ34,36で受信される。その際、通路18,
20内を伝搬する超音波は、カルマン渦の発生に伴う渦
発生体16の左右両側の圧力差によって通路18,20
内を流れる被測流体の流速により変調される。そのた
め、受信側超音波センサ34,36から出力された検出
信号を復調してカルマン渦の発生周波数を検出し、この
周波数に基づいて流路12内を流れる被測流体の流量を
計測することができる。
【0028】通路18,20の両端には、円筒状に形成
された吸音部材43と、吸音部材43の両端を挟持する
リング状の挟持部材44とが取り付けられている。ま
た、通路18,20の両端内壁には、吸音部材43及び
挟持部材44が収容される凹部45が全周に設けられて
いる。吸音部材43は、音波を吸収できるように多孔質
材により形成されており、例えば、スポンジのような弾
性を有する材質により形成されている。
【0029】従って、吸音部材43は、凹部45内に収
容されて通路18,20内に突出しないように挿入さ
れ、且つ上下両端が挟持部材44により挟持されている
ので、脱落が防止されるとともに、高温流体の温度制限
を無くすことができる。また、吸音部材43を確実に固
定することができるとともに、超音波伝搬経路としての
通路18を狭くせず、超音波の受信効率を安定させるこ
とができる。
【0030】図1に示されるように、送信側超音波セン
サ30,32は、駆動回路70に接続されており、駆動
回路70からの駆動電圧により振動して通路18,20
内の流体中に超音波を送信する。駆動回路70には、発
振回路46から一定の周期の信号が入力されており、こ
の入力信号の周波数で送信側超音波センサ30,32に
駆動信号を出力する。
【0031】また、駆動回路70は、後述する電圧制御
回路72からの制御信号により、送信側超音波センサ3
0,32へ出力する駆動電圧を調整される。尚、電圧制
御回路72は、受信側超音波センサ34,36から出力
された受信信号の振幅が一定値になるように駆動回路7
0の駆動電圧を制御する。
【0032】そして、渦発生体16の内部を貫通する通
路18,20内を伝搬した超音波は、受信側超音波セン
サ34,36に受信される。また、受信側超音波センサ
34,36は、流量を演算する演算部47に接続されて
いる。
【0033】演算部47は、受信増幅回路48,50、
波形整形回路52,54、位相比較回路56、制御回路
58、出力部64、振幅監視回路66,68を有する。
そして、制御回路58は、送信信号と受信信号との位相
差から被測流体の流量を演算する制御プログラムが格納
された流量演算部60と、受信側超音波センサ34,3
6から出力された受信信号の振幅が予め設定された値、
あるいは設定範囲に入るように駆動電圧を制御する制御
信号を生成するための制御プログラムが格納された振幅
調整部62と、振幅調整が終了した後に受信信号の振幅
が規定値以下に制御されていないときに異常発生を検知
して報知する異常検知部63とを有する。
【0034】流量演算部60では、後述するように受信
側超音波センサ34,36から出力された受信信号の位
相差から得られたカルマン渦の周波数に基づいて流路1
2を流れる被測流体の流量を演算する。また、振幅監視
回路66,68は、受信側超音波センサ34,36から
出力された受信信号の振幅を監視しており、受信信号の
振幅に応じた検出信号を振幅調整部62へ出力する。そ
して、振幅調整部62では、予め設定された閾値または
上限値、下限値と比較し、その比較結果に応じて振幅が
一定値になるように制御信号を電圧制御回路72へ出力
する。
【0035】カルマン渦を検出のための超音波は、送信
側超音波センサ30,32から送信され渦発生体16の
通路18,20内で乱反射をしながら伝搬する。渦発生
体16の通路18,20内で乱反射した超音波は、吸音
部材43に入射し、そこで吸収される。そのため、受信
側超音波センサ34,36で受信される超音波信号は、
送信側超音波センサ30,32から受信側超音波センサ
34,36に直線的に伝搬してきた超音波のみが受信さ
れるようになっている。
【0036】ここで、流体の圧力変化などにより超音波
信号の伝搬効率が変化した場合、渦発生体16の通路1
8,20内に入射される超音波音圧は、大きくなり、吸
音部材43に入射する音圧も大きくなることから、乱反
射した超音波を吸音部材43で十分吸収しきれない状態
になり得る。
【0037】この場合、受信側超音波センサ34,36
での受信振幅も大きくなる。この情報は、受信増幅回路
48,50から出力される受信信号の振幅が大きくなる
ことで得られる。そのため、振幅監視回路66,68に
より受信振幅の変化を監視し、その情報を制御回路58
で判定する。
【0038】制御回路58では、後述するように上記受
信信号の振幅情報から渦発生体16の通路18,20内
の超音波音圧を予測して吸音部材43での音波吸収が十
分に出来ないと判断した場合には、電圧制御回路72に
より送信側超音波センサ30,32の駆動電圧を小さく
するように制御して通路18,20内の超音波の音圧を
小さくする。
【0039】制御回路58は、逆に超音波受信振幅が小
さくなった場合には、送信側超音波センサ30,32の
駆動電圧を大きくすることで流量演算に必要な受信電圧
を確保する制御を行う。また、制御回路58は、送信側
超音波センサ30,32の駆動電圧を大きくしても振幅
監視回路66,68からの信号で受信信号の振幅変化が
ないとき、あるいは受信信号の振幅が規定値以下である
と判断した場合には、送信側超音波センサ30,32あ
るいは受信側超音波センサ34,36の故障が予測でき
ることからアラーム信号出力や警報表示により、異常発
生を警告する。
【0040】ここで、制御回路58が実行する振幅調整
処理について説明する。図4は制御回路58が実行する
振幅調整処理を説明するための第1実施例のフローチャ
ートである。尚、図4の処理は、所定時間ごとに繰り返
し実行される。
【0041】図4に示されるように、ステップS11
(以下「ステップ」を省略する)では、振幅監視回路6
6,68から出力された受信信号の振幅を読み込む。次
のS12では、受信信号の振幅と予め設定された閾値と
を比較する。この閾値は、送信側超音波センサ30,3
2から送信される超音波が吸音部材43に吸収可能な音
圧以下となるように設定される規定値である。
【0042】S13において、受信信号の振幅が予め設
定された閾値より大きいときは、S14に進み、送信側
超音波センサ30,32への駆動電圧をn%(nは任意
の値)低下させる制御信号を生成して電圧制御回路72
へ出力する。
【0043】尚、S13において、受信信号の振幅が予
め設定された閾値より小さいときは、S14の処理を省
略して今回の処理を終了する。
【0044】従って、超音波式渦流量計10において
は、常圧で十分な受信電圧を確保するために、送信側超
音波センサ30,32の駆動電圧を高くして受信側超音
波センサ34,36の増幅を上げた場合、実使用流体条
件が高圧になると、超音波の伝搬効率が常圧に対して数
倍になり、吸音部材43の吸音効果では不要な超音波を
吸収しきれない状態になるおそれがある。
【0045】そのため、本実施例では、上記のように受
信側超音波センサ34,36から出力された受信信号の
振幅が予め設定された閾値より大きいときは、送信側超
音波センサ30,32への駆動電圧をn%下げることに
より、受信信号の振幅が一定値を保ように送信側超音波
センサ30,32への駆動電圧を制御するため、超音波
の伝搬効率が高い場合でも送信側超音波センサ30,3
2に出力される駆動信号の電圧を所定値以下に制御して
伝搬経路で反射する超音波が受信されないように超音波
の音圧を下げることができ、吸音部材43で吸収できな
いような超音波が送信されることを防止して計測精度を
確保できる。
【0046】さらに、送信側超音波センサ30,32か
ら受信側超音波センサ34,36までを直接的に伝搬し
て受信される超音波の比率を高めることができ、それぞ
れの超音波は圧力脈動などの影響を同じように受けて受
信されるために外乱を安定してキャンセルすることが出
来、広い条件で安定した流量計測が可能になる。また、
被測流体の種類や成分、使用条件(圧力)などに合わせて
吸音効果を設定したり、吸音部材43の厚さや材質など
を変える必要がないため、吸音部材43や部品の共通化
が図れる。図5は制御回路58が実行する振幅調整処理
を説明するための第2実施例のフローチャートである。
尚、図5の処理は、所定時間ごとに繰り返し実行され
る。
【0047】図5に示されるように、S21では、振幅
監視回路66,68から出力された受信信号の振幅を読
み込む。次のS22では、受信信号の振幅と予め設定さ
れた上限値とを比較する。この上限値は、送信側超音波
センサ30,32から送信される超音波が吸音部材43
に吸収可能な音圧以下となるように設定される規定値で
ある。
【0048】S23において、受信信号の振幅が予め設
定された上限値より大きいときは、S24に進み、送信
側超音波センサ30,32への駆動電圧をn%(nは任
意の値)低下させるための制御信号を生成して電圧制御
回路72へ出力する。
【0049】また、S23において、受信信号の振幅が
予め設定された上限値より小さいときは、S25に進
み、受信信号の振幅と予め設定された下限値とを比較す
る。次のS26において、受信信号の振幅が予め設定さ
れた下限値より小さいときは、S27に進み、送信側超
音波センサ30,32への駆動電圧をn%(nは任意の
値)上げるための制御信号を生成して電圧制御回路72
へ出力する。
【0050】また、S26において、受信信号の振幅が
予め設定された下限値より大きいときは、S27の処理
を省略して今回の処理を終了する。尚、本実施例では、
受信信号の振幅が上記上限値と下限値との範囲に入るよ
うに調整されるため、送信側超音波センサ30,32へ
の駆動電圧がハンチングしないように安定的に制御でき
る。
【0051】従って、超音波式渦流量計10において
は、常圧で十分な受信電圧を確保するために、送信側超
音波センサ30,32の駆動電圧を高くして受信側超音
波センサ34,36の受信振幅を上げた場合、実使用流
体条件が高圧になると、超音波の伝搬効率が常圧に対し
て数倍になり、吸音部材43の吸音効果では不要な超音
波を吸収しきれない状態になるおそれがある。
【0052】そのため、本実施例では、受信側超音波セ
ンサ34,36から出力された受信信号の振幅が予め設
定された上限値と下限値との範囲に入るように、送信側
超音波センサ30,32への駆動電圧を調整することに
より、受信信号の振幅が一定範囲に入るように送信側超
音波センサ30,32への駆動電圧を制御するため、超
音波の伝搬効率が高い場合でも送信側超音波センサ3
0,32に出力される駆動信号の電圧を所定値以下に制
御して伝搬経路で反射する超音波が受信されないように
超音波の音圧を下げることができ、吸音部材43で吸収
できないような超音波が送信されることを防止して計測
精度を確保できる。
【0053】ここで、上記振幅調整処理の終了後に制御
回路58が実行する異常検出処理について説明する。図
6は制御回路58が実行する異常検出処理を説明するた
めのフローチャートである。尚、図6の処理は、上記振
幅調整処理の終了後に実行される。
【0054】図6に示されるように、S31では、上記
振幅調整処理が予め設定されたn回(nは任意の規定
値)実行された否かを判定する。S31において、上記
振幅調整処理が予め設定されたn回実行されたときは、
S32に進み、振幅監視回路66,68から出力された
受信信号の振幅を読み込む。次のS33では、受信信号
の振幅と予め設定された閾値とを比較する。
【0055】S33において、受信信号の振幅が予め設
定された閾値以下であるときは、受信信号の振幅が正常
に制御されているものと判断して今回の処理を終了す
る。しかしながら、S33において、受信信号の振幅が
予め設定された規定値(閾値あるいは下限値)より大き
いときは、S34に進み、受信側超音波センサ34,3
6あるいは送信側超音波センサ30,32や駆動回路7
0、電圧制御回路72で異常が発生したことを検知して
警報を発することにより、異常発生を報知する。
【0056】これにより、上記振幅調整処理により受信
信号の振幅を規定値に制御できないときは、受信側超音
波センサ34,36あるいは送信側超音波センサ30,
32や駆動回路70、電圧制御回路72で何らかの異常
が発生したものと判断し、受信信号の振幅調整が行えな
いことを検知できるので、これらの異常発生による計測
誤差の発生を防止できる。
【0057】尚、本実施例の構成では、受信信号の振幅
監視回路66,68の出力を制御回路58に入力し、制
御回路58で駆動電圧の制御を行う構成になっている
が、受信信号の振幅監視回路66,68の信号で送信側
超音波センサ30,32の駆動電圧制御を直接行っても
構わない。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、受信の振幅値を監視し、受信信号の振幅が
所定値以上であることを検出したとき、超音波送信器に
出力される駆動信号の電圧を所定値以下に制限して受信
信号の振幅を制御するため、超音波の伝搬効率が高い場
合でも超音波送信器に出力される駆動信号の電圧を所定
値以下に制御して伝搬経路で反射する超音波が受信され
ないように超音波の音圧を下げることができ、吸音材で
吸収できないような超音波が送信されることを防止して
計測精度を確保できる。
【0059】さらに、超音波送信器から超音波受信器ま
でを直接的に伝搬して受信される超音波の比率を高める
ことができ、それぞれの超音波は圧力脈動などの影響を
同じように受けて受信されるために外乱を安定してキャ
ンセルすることが出来、広い条件で安定した流量計測が
可能になる。また、被測流体の種類や成分、使用条件
(圧力)などに合わせて吸音効果を設定したり、吸音材の
厚さや材質などを変える必要がないため、吸音材や部品
の共通化が図れる。
【0060】上記請求項2記載の発明によれば、超音波
送信器に出力される駆動信号の電圧を所定値以下に制限
した後、超音波受信器で受信された受信信号の振幅が予
め設定された規定値に達しないときは異常発生を検知す
るため、超音波受信器あるいは超音波送信器や制御系で
異常が発生したことを検知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる超音波式渦流量計の一実施例の回
路構成を示すブロック図である。
【図2】本発明になる超音波式渦流量計の一実施例の横
断面図である。
【図3】超音波式渦流量計を流路方向からみた縦断面図
である。
【図4】制御回路58が実行する振幅調整処理を説明す
るための第1実施例のフローチャートである。
【図5】制御回路58が実行する振幅調整処理を説明す
るための第2実施例のフローチャートである。
【図6】制御回路58が実行する異常検出処理を説明す
るためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 超音波式渦流量計 12 流路 14 流量計本体 16 渦発生体 18,20 通路 22,24,26,28 圧力導入路 30,32 送信側超音波センサ 34,36 受信側超音波センサ 38,40 保持部材 43 吸音部材 44 挟持部材 45 凹部 46 発振回路 47 演算部 48,50 受信増幅回路 52,54 波形整形回路 56 位相比較回路 58 制御回路 60 流量演算部 62 振幅調整部 66,68 振幅監視回路 70 駆動回路 72 電圧制御回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測流体としてのガスが流れるガス流路
    が形成された流量計本体と、該ガス流路内に流れ方向と
    直交するように設けられた渦発生体と、前記渦発生体の
    下流で超音波を送信する超音波送信器と、該超音波送信
    器から送信された超音波を受信する超音波受信器と、該
    超音波受信器で受信された受信信号と送信信号との位相
    差から前記渦発生体の下流に発生するカルマン渦の発生
    を検出し流量信号に変換・出力する制御部とを備えてな
    る超音波式渦流量計において、 前記受信信号の振幅を監視する振幅監視手段と、 前記振幅監視手段により前記受信信号の振幅が所定値以
    上であることを検出したとき、前記超音波送信器に出力
    される駆動信号の電圧を所定値以下に制限して前記受信
    信号の振幅を制御する振幅制御手段と、 を備えてなることを特徴とする超音波式渦流量計。
  2. 【請求項2】 前記振幅制御手段により前記超音波送信
    器に出力される駆動信号の電圧を所定値以下に制限した
    後、前記超音波受信器で受信された受信信号の振幅が予
    め設定された規定値に達しないときは異常発生を検知す
    る異常検知手段を備えてなることを特徴とする請求項1
    記載の超音波式渦流量計。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04343016A (ja) * 1991-05-20 1992-11-30 Tokico Ltd 渦流量計
JPH0814964A (ja) * 1994-07-01 1996-01-19 Osaka Gas Co Ltd 超音波流量計

Patent Citations (2)

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