JP2002322941A - 車両管理システム - Google Patents

車両管理システム

Info

Publication number
JP2002322941A
JP2002322941A JP2001127957A JP2001127957A JP2002322941A JP 2002322941 A JP2002322941 A JP 2002322941A JP 2001127957 A JP2001127957 A JP 2001127957A JP 2001127957 A JP2001127957 A JP 2001127957A JP 2002322941 A JP2002322941 A JP 2002322941A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
diagnosis
engine
information
diagnostic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001127957A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahito Yamaki
眞仁 八巻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP2001127957A priority Critical patent/JP2002322941A/ja
Priority to US10/128,236 priority patent/US6701232B2/en
Priority to EP02009239A priority patent/EP1253415A3/en
Publication of JP2002322941A publication Critical patent/JP2002322941A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02T10/121
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Testing Of Engines (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 個々のユーザの車両に搭載される制御装置の
自己診断機能によるエンジン冷却系の診断情報を一括管
理して有効活用し、故障発生前の点検時期の予告を可能
とすると共に、システム信頼性の向上を図る。 【解決手段】 車両情報を受信した場合、これを識別し
て故障有りの診断結果が有るかを調べ(S100〜S1
02)、故障有りの場合、各種データを入手して故障部
位を推定し、サービス手順を決定する(S103〜S1
05)ことで、対応部品の事前手配、作業計画の円滑運
用を可能とする。また、故障無しの場合、車両の全情報
を入手して部品やシステムの劣化状態を演算して劣化特
性や寿命を推定し、サービス必要時期を演算する(S1
06〜S110)。そして、サービス時期・結果をユー
ザに通知すると共にディーラに各種情報を通知し、デー
タベースに記録する(S111〜S113)ことで、エ
ンジン冷却系の故障発生前にユーザへ点検時期を予告
し、修理に要する費用・時間を削減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、個々のユーザの車
両の車両健康状態を管理可能な車両管理システムに関
し、特に、エンジン冷却系の診断情報を一括管理して有
効に活用する車両管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等の車両においては、エ
ンジンの水冷式冷却系は、エンジンを冷却して高温とな
った冷却水をラジエータに循環して冷却し、サーモスタ
ットを介して再びエンジンに供給している。この冷却水
の循環システムでは、サーモスタットが劣化等により閉
弁不良となって開き過ぎになると、エンジンが過冷却さ
れて適正温度に達せず、燃焼状態が悪化して排気ガスエ
ミッションが悪化する虞がある。
【0003】このため、車載の電子制御装置では、自己
診断機能によるオンボード診断でサーモスタットの開閉
状態を監視しており、このオンボード診断の結果、異常
を検出した場合には、警告灯等を点灯して運転者に警告
を発し、ディーラ等のサービス工場への入庫による点検
・修理を促すようにしている。サービス工場では、車載
の電子制御装置に故障診断装置等の外部装置を接続する
ことで車載電子制御装置から故障部位やトラブルデータ
等の内部データを読出し、読出したデータに基づいて点
検・修理を行う。
【0004】尚、この種の故障診断装置として、本出願
人による特公平7−15427号公報に開示されている
故障診断装置がある。この故障診断装置では、故障診断
装置本体、或いは故障診断装置本体に外部のエキスパー
トシステム用コンピュータを接続して車載電子制御装置
内のデータ、すなわち車載電子制御装置内に記憶されて
いるセンサ・スイッチ類の検出信号やインジェクタなど
のアクチュエータ類に出力する制御信号、及びシステム
内部の演算データ等を読込むことができ、不具合箇所或
いは故障原因を探究し、必要な修理、又は調整を行うこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
車両のオンボード診断は、ユーザの日常の実使用条件下
において、実際に故障が発生したときに警告灯を点灯す
る等といった程度にしか活用されておらず、故障が発生
した後、外部の故障診断装置で診断データを読出して初
めて点検・修理が可能となる。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、個々のユーザの車両に搭載される制御装置の自己診
断機能によるエンジン冷却系の診断情報を一括管理して
有効活用し、故障発生前の点検時期の予告を可能とする
と共に、システム信頼性の向上を図ることのできる車両
管理システムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、個々の車両に搭載される制
御装置で自己診断したエンジン冷却系の診断情報を外部
のデータベースに蓄積し、上記データベースに蓄積され
た診断情報に基づいて個々の車両のエンジン冷却系の状
態を解析し、その解析結果を該当車両のユーザ及び上記
データベースへのアクセス権を有する部署の少なくとも
一者に配信することを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記診断情報に、上記エンジン冷却系の診
断に用いるパラメータに加え、運転状態を表すパラメー
タと制御状態を表すパラメータとの少なくとも一方を含
めることを特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、上記診断情報に、診断結果が正常範
囲内であっても故障レベルに接近したときのデータを含
めることを特徴とする。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1,2,3
の何れか一に記載の発明において、上記診断情報を、診
断実行中或いは診断開始前から診断終了後までの所定期
間におけるデータを含む情報とすることを特徴とする。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項1,2,
3,4の何れか一に記載の発明において、個々の車両
に、該車両に搭載される制御装置のデータをリアルタイ
ムで外部に無線通信可能なデータ通信手段を備え、該デ
ータ通信手段から送信された診断情報を受信して上記デ
ータベースに蓄積することを特徴とする。
【0012】すなわち、請求項1記載の発明は、個々の
車両に搭載される制御装置で自己診断したエンジン冷却
系の診断情報を外部のデータベースに蓄積し、データベ
ースに蓄積された診断情報に基づいて個々の車両のエン
ジン冷却系の状態を解析する。そして、解析結果を該当
車両のユーザ及びデータベースへのアクセス権を有する
部署の少なくとも一者に配信することで、実際に車両の
エンジン冷却系に異常が生じる前にユーザへの告知を可
能とすると共に、関連部署へのフィードバックにより、
診断仕様の評価やエンジン制御性の評価を経てシステム
信頼性の向上に寄与することができる。
【0013】その際、診断情報には、請求項2記載の発
明のように、エンジン冷却系の診断に用いるパラメータ
に加え、運転状態を表すパラメータと制御状態を表すパ
ラメータとの少なくとも一方を含める、或いは、請求項
3記載の発明のように、診断結果が正常範囲内であって
も故障レベルに接近したときのデータを含めることが望
ましい。また、請求項4記載の発明のように、診断情報
は、診断実行中或いは診断開始前から診断終了後までの
所定期間におけるデータを含む情報とすることが望まし
い。
【0014】更に、請求項5記載の発明のように、個々
の車両からデータ通信手段を介して診断情報を無線送信
してデータベースに蓄積することが望ましく、これによ
り走行中の車両からもリアルタイムで容易に診断情報を
収集することができ、走行中にしか現れない異常や再現
性の希薄な異常についても対処可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図8は本発明の実施の一形
態に係わり、図1は車両管理システムの全体構成図、図
2は車両のネットワーク系を示す説明図、図3はエンジ
ン系の全体図、図4はエンジン冷却系の概略構成図、図
5はエンジン電子制御系の回路構成図、図6は車両側に
おけるサーモスタット診断ルーチンのフローチャート、
図7は車両側における診断情報処理ルーチンのフローチ
ャート、図8は中央情報管理センター側における情報処
理ルーチンのフローチャートである。
【0016】図1は、工場の生産ラインにおける車両の
制御情報の初期値を蓄積・管理すると共に、市場におけ
る各ユーザの車両毎の車両健康状態を24時間リアルタ
イムで管理し、ユーザに最新の自己車両情報(健康状
態)を提供するための車両管理システムを示すものであ
る。この車両管理システムにおいては、市場における車
両100毎に、車載制御装置のデータ(車両情報)をリ
アルタイムで外部に無線通信可能なデータ通信手段とし
ての無線通信端末110が備えられ、この無線通信端末
110を介して送信された車両情報が中央情報管理セン
ター151におけるホストコンピュータ151aのデー
タベースDBに蓄積されて管理される。
【0017】車両100と中央情報管理センター151
との間のデータ通信には、図示しない基地局を介した移
動体無線通信システムや図示しない人工衛星を介した衛
星通信システム等を利用することができる。また、車両
100の車両情報を送信する無線通信端末110として
は、車両100の制御装置にハーネスを介して接続され
る通信端末でも良いが、車載の制御装置との間でワイヤ
レス通信を行うことにより車両100と切り離して携帯
可能な小型通信端末を採用することが望ましい。この携
帯可能な通信端末として、本形態では、車載の制御装置
とのワイヤレス通信のための通信回路を内蔵した専用の
携帯型電話機(携帯電話)を採用し、以下、無線通信端
末110を携帯電話110として説明する。尚、既にユ
ーザが携帯電話を所有している場合には、ユーザの携帯
電話に接続してデータを送信させる通信端末でも良い。
【0018】このため、本形態においては、車両100
に搭載される制御装置が単一である場合、その制御装置
にワイヤレス通信を制御するための通信回路が内蔵され
る。また、車両100に複数の制御装置、例えば、図2
に示すように、制御装置#01,#02,#03,#0
4,#05,…が搭載されている場合には、各制御装置
#01,#02,#03,#04,#05,…がネット
ワーク101を介して互いに接続され、制御情報が一元
化されることが望ましく、ネットワーク101中の所定
の制御装置、例えば制御装置#01にワイヤレス通信を
制御するための通信回路#01aが内蔵される。尚、ネ
ットワーク101は、リアルタイム制御に適した車両用
のネットワークであり、また、車載の制御装置との間の
ワイヤレス通信方式としては、例えば、近距離のワイヤ
レス通信を司るブルートゥース(Bluetooth)規格によ
る通信方式やその他の通信方式を採用することができ
る。
【0019】車両100の制御装置に備えられた通信回
路#01aは、ユーザの専用の携帯電話110との間の
ワイヤレス通信を可能とするばかりでなく、以下に説明
するように、工場の生産ラインにおけるラインエンドの
検査ツールやディーラ等のサービス工場におけるサービ
スツールとの間のワイヤレス通信を可能とする。また、
車両100に搭載される各制御装置#01,#02,#
03,#04,#05,…には、制御装置の電源OFF
時にも保存される各種定数項すなわち各種学習値や各種
制御定数等を、ラインエンドの検査ツールからの指令に
より書換え可能なファームウエアが備えられている。
【0020】一方、中央情報管理センター151は、図
1に示すように、専用のネットワーク150を介して、
開発本部152、ソフトウエア開発環境153、営業・
サービス本部154、検査・品質保証本部155等の複
数の部門に接続されると共に、工場の生産ラインにおけ
るラインエンド156のシャーシダイナモメータ156
a上で車両100を検査するための検査ツール156b
に接続されている。検査ツール156bには、車両10
0の制御装置に備えられた通信回路#01aとワイヤレ
ス通信を行うための通信アダプタが備えられている。ま
た、この専用のネットワーク150には、各地のディー
ラ等の専用のネットワーク160,170,…が接続さ
れ、各ネットワーク160,170,…に、それぞれに
接続されるサービスツール161,171,…やセール
スツール162,172,…等を介して中央情報管理セ
ンター151の管理情報に基づく車両100の実際の診
断や修理を可能とする車両管理システムが形成される。
更に、各専用のネットワーク150,160,170,
…は、一般公開用ネットワークとしてのインターネット
180に相互接続されており、携帯電話110を介して
の情報提供に加え、各ユーザのパーソナルコンピュータ
(パソコン)PCを介しての情報提供を可能としてい
る。
【0021】以上の車両管理システムでは、工場の生産
ラインにおけるラインエンド156で、検査ツール15
6bを用いて個々の車両の制御情報の初期値(初期情
報)を蓄積し、蓄積された車両初期情報を解析して求め
られた最適学習値や最適定数等を制御装置にセットして
出荷する。そして、市場への出荷後は、初期情報にユー
ザからのアクセスによる車両情報を加えて蓄積する。こ
の場合、各ユーザは、自己の車両100が稼動状態にあ
れば、停車中か走行中かに拘らず自己の車両情報を中央
情報管理センター151に随時無線送信することが可能
である。
【0022】すなわち、ユーザは、自己の車両100の
状態を知りたい場合には、車両100専用の携帯電話1
10を用いて中央情報管理センター151に車両情報を
送信することにより、自己の車両の整備状態や不具合の
有無等の車両健康状態に係わる情報を受け取ることがで
きる。特に、走行中の車両から無線通信によってリアル
タイムでデータを送信することができるため、走行中に
しか現れない異常や再現性の希薄な異常等、従来では迅
速な原因究明が困難であった故障に対しても、迅速に原
因を究明して対処することが可能となる。
【0023】ユーザが自己の車両100の車両情報を中
央情報管理センター151に送信するには、車両100
専用の携帯電話110を用い、この携帯電話110に予
めセットされている特定の番号を押すのみで良く、自動
的に車両100の制御装置#01とのワイヤレス通信が
スタンバイすると共に中央情報管理センター151を呼
び出す。そして、携帯電話110と中央情報管理センタ
ー151との接続が確立すると、車両100内のネット
ワーク101を介した各制御装置のデータが制御装置#
01の通信用回路#01aから車体番号が付加されて携
帯電話110へ送信され、更にユーザの識別コード等が
付加されて携帯電話110をスルーし、中央情報管理セ
ンター151へ送信される。
【0024】中央情報管理センター151のデータベー
スDBに蓄積された車両の初期情報及び市場における情
報(個々のユーザ毎の車両情報)は、データベースDB
へのアクセス権を与えられた各部署にネットワーク15
0を介して配信され、車両健康状態を管理すると共に各
種サービスを行う。すなわち、ユーザの車両における各
種部品の使用頻度情報の収集、制御アルゴリズムの評
価、リアルタイムな診断や不具合対応、各部品の経時変
化や学習値の変化を把握しての予測診断、再現困難な不
具合の診断等を該当部署にて行い、制御アルゴリズムの
改良や新規開発のための情報収集等を該当部署にて行
う。また、ユーザサービスの一環として、ユーザの車両
100の入庫前の事前診断、個別ユーザに対応した定期
検査等の入庫連絡等を該当部署にて行い、ディーラ等に
情報を配信してサービスツール161(171)による
点検或いは診断を指示する。更に、市場における部品レ
ベルでの絶対的な品質評価、リアルタイムな生の統計デ
ータの採取、部品製造メーカ毎の相対的な品質評価等を
該当部署にて行い、評価結果を各部門にフィードバック
する。
【0025】各ユーザの車両に対するデータ解析結果や
診断結果等の情報は、中央情報管理センター151にお
いて各ユーザ毎の履歴情報として時系列的に蓄積され
る。そして、インターネット180上のホームページを
介して、或いは、直接、携帯電話110を介して個々の
ユーザに提供される。すなわち、各ユーザは、自己のパ
ソコンPCからインターネット180を介して該当する
ホームページにアクセスし、或いは携帯電話110から
中央情報管理センター151に直接アクセスし、予め登
録してある自己の識別番号、氏名、パスワード等を入力
し、自己の車両情報を閲覧することができる。尚、正規
に登録されたユーザからパソコンPCを介して中央情報
管理センター151のホストコンピュータ151aへア
クセスすることも可能であるが、その場合、セキュリテ
ィを考慮してユーザからのアクセスには制限が設けら
れ、自己の車両に関する診断結果等の一般情報の閲覧の
みが許可される。
【0026】次に、以上の車両管理システムによる車両
100の管理内容として、本発明に係わるエンジン冷却
系に対する診断情報の管理について説明する。先ず、車
両100に搭載されるエンジン系について説明し、次い
で、エンジン系を制御する電子制御系、エンジン制御装
置のエンジン冷却系診断に係わる処理、中央情報管理セ
ンター151の情報処理について説明する。
【0027】図3に示すように、車両100のエンジン
系の構成において、車両100に搭載されるエンジン1
は、本形態においては、シリンダブロック1aがクラン
クシャフト1bを中心として両側のバンク(図の右側が
左バンク、左側が右バンク)に2分割される水平対向型
4気筒エンジンである。このエンジン1のシリンダブロ
ック1aの左右両バンクには、シリンダヘッド2がそれ
ぞれ設けられ、各シリンダヘッド2に、吸気ポート2a
と排気ポート2bが形成されている。
【0028】吸気ポート2aには、インテークマニホル
ド3が連通され、このインテークマニホルド3に各気筒
の吸気通路が集合するエアチャンバ4を介してスロット
ルチャンバ5が連通され、スロットルチャンバ5の上流
側に吸気管6を介してエアクリーナ7が取り付けられ、
エアインテークチャンバ8に連通されている。また、排
気ポート2bには、エキゾーストマニホルド9を介して
排気管10が連通され、各バンクからの排気管10の合
流部に触媒コンバータ11が介装されてマフラ12に連
通されている。
【0029】また、スロットルチャンバ5には、アクセ
ルペダルに連動するスロットル弁5aが設けられ、スロ
ットル弁5aをバイパスするバイパス通路13が吸気管
6から分岐されている。バイパス通路13には、アイド
ル時にバイパス通路13を流れる空気量を調整してアイ
ドル回転数を制御するアイドル回転数制御弁(ISC
弁)14が介装されている。また、インテークマニホル
ド3の各気筒の吸気ポート2aの直上流側にインジェク
タ15が臨まされ、更に、シリンダヘッド2の各気筒毎
に、先端の放電電極を燃焼室1cに露呈する点火プラグ
16が取り付けられ、この点火プラグ16に連設される
点火コイル17にイグナイタ18が接続されている。
【0030】インジェクタ15は、燃料供給路19を介
して燃料タンク20に連通されており、この燃料タンク
20内には、インタンク式の燃料ポンプ21が設けられ
ている。この燃料ポンプ21からの燃料は、燃料供給路
19に介装された燃料フィルタ22を経てインジェクタ
15及びプレッシャレギュレータ23に圧送され、この
プレッシャレギュレータ23から燃料タンク20にリタ
ーンされて、インジェクタ15への燃料圧力が所定の圧
力に調圧される。
【0031】また、燃料タンク20の上部には、万一の
車両転倒時の燃料漏れの防止及び燃料タンク20内で発
生した蒸発燃料ガス(エバポガス)をパージするエバポ
パージ系への燃料流入を防止するためのフューエルカッ
ト弁24が設けられ、このフューエルカット弁24を介
してエバポガスを導く第1のエバポパージ通路25が延
出され、活性炭などからなる吸着部を備えたキャニスタ
26の上部に連通されている。このキャニスタ26の下
部には、電磁開閉弁からなる大気開放弁27を介して大
気に連通する新気導入口が設けられ、この新気導入口か
らの新気と吸着部に貯えられたエバポガスとを導く第2
のエバポパージ通路28が上部から延出され、エバポガ
スのパージ量を調整するキャニスタパージコントロール
(CPC)弁29を介して吸気系(スロットル弁5a全
閉状態でスロットル弁5aの直下流位置)に連通されて
いる。
【0032】更に、エンジン1の排気系から吸気系へ排
気ガスを還流させるため、一方のバンクのエキゾースト
マニホルド9から排気ガス還流(EGR)通路30が延
出され、エアチャンバ4に連通されている。EGR通路
30の途中には、EGR量を調整するためのEGR弁3
1が介装されており、このEGR弁31の開度に応じて
排気ガスの一部が吸気系に還流される。
【0033】ここで、図4に基づきエンジン1の冷却系
の概略構成について説明する。エンジン1のシリンダブ
ロック1a及び左右バンクのシリンダヘッド2にはウォ
ータジャケット32が形成され、このウォータジャケッ
ト32の冷却水入口33にウォータポンプ34の吐出側
が接続されている。そして、ウォータポンプ34の吸入
側通路35にサーモスタット36が配設され、このサー
モスタット36の入口側が冷却水通路37を経てラジエ
ータ38に接続されている。
【0034】また、エンジン1の上方で各バンクからの
ウォータジャケット32に合流通路39が連通接続し、
この合流通路39にラジエータ38に連通するリターン
通路40が接続されている。更に、合流通路39に上述
のISC弁14、スロットル弁5aを格納するスロット
ルボディ41を経由する吸気予熱用冷却水通路42とヒ
ータ43を経由するヒータ用冷却水通路44とが接続さ
れている。そして、これら冷却水通路42,44が循環
通路45に合流してウォータポンプ34の吸入側通路3
5(サーモスタット36の出口側)に接続されている。
【0035】そして、冷却水温度の低温時にはサーモス
タット36の閉弁により通路42,44、循環通路45
を介して冷却水が流れ、冷却水温度の上昇に応じてサー
モスタット36が開き、冷却水の循環に加え、ラジエー
タ38により冷却された冷却水をウォータポンプ34に
よってエンジン1の下方からエンジン1のウォータジャ
ケット32に送出し、ウォータジャケット32で熱交換
された冷却水をエンジン1の上方からラジエータ38に
戻すダウンフロー方式を採用している。
【0036】また、ラジエータ38に、ラジエータ38
からオーバーフローした冷却水を貯溜するリザーブタン
ク46が接続されている。更に、ラジエータ38の前面
にエアコン用のコンデンサ47が配設され、ラジエータ
38の裏面に吸引送風によってラジエータ38及びコン
デンサ47を冷却する電動モータ式ラジエータファン4
8が配設されている。
【0037】次に、エンジン運転状態を検出するための
センサ類について説明する。図3に示すように、吸気管
6のエアクリーナ7の直下流には、吸入空気量を計測す
るための吸入空気量センサ50aと吸入空気の温度を計
測するための吸気温センサ50bとを一体的に内蔵する
吸入空気量・吸気温計測ユニット50が介装されてい
る。また、スロットルチャンバ5に設けられたスロット
ル弁5aに、スロットル開度センサ51aとスロットル
全閉でONするアイドルスイッチ51bとを内蔵したス
ロットルセンサ51が連設され、エアチャンバ4に、ス
ロットル弁5a下流の吸気管圧力を検出する吸気管圧力
センサ52が取付けられている。
【0038】また、エンジン1のシリンダブロック1a
にノックセンサ53が取り付けられ、シリンダブロック
1aの左右バンクを連通する合流通路39に、冷却水温
センサ54が臨まされている(図4参照)。また、EG
R通路30にEGRガスの温度を検出するEGRガス温
度センサ55が臨まされ、触媒コンバータ11の上流側
にフロント空燃比センサ56が配設されると共に、触媒
コンバータ11の下流側にリヤ空燃比センサ57が配設
されている。
【0039】また、エンジン1のクランクシャフト1b
に軸着するクランクロータ58の外周に、クランク角セ
ンサ59が対設され、更に、クランクシャフト1bに対
して1/2回転するカムシャフト1dに連設するカムロ
ータ60に、現在の燃焼行程気筒、燃料噴射対象気筒や
点火対象気筒を判別するための気筒判別センサ61が対
設されている。一方、燃料タンク20の上部には、エバ
ポパージ系内の圧力を検出する内圧センサ62が望まさ
れ、燃料タンク20内の燃料ポンプ21に、燃料レベル
を検出する燃料レベルセンサ63と燃料温度を検出する
燃料温度センサ64とが一体的に備えられている。
【0040】以上のエンジン系に備えられたアクチュエ
ータ類、センサ・スイッチ類は、図5に示すエンジン制
御装置(ECU)70に接続されている。このECU7
0は、車両100のネットワーク101を構成する制御
装置#01,#02,#03,#04,#05,…の中
の一つ、例えば、制御装置#02に該当するものであ
り、マイクロコンピュータを中心として構成され、CP
U71、ROM72、RAM73、バックアップRAM
74、車載ネットワーク用のネットワークコントローラ
75、カウンタ・タイマ群76、及びI/Oインターフ
ェイス77が内部バス70aを介して互いに接続される
と共に、ネットワークコントローラ75から外部バス1
01aを介して車載の他の制御装置と相互接続される。
【0041】尚、ROM72は、製造段階でフォトマス
クによりデータが焼き付けられるマスクROMと、電気
的にデータを書換え可能なEEPROM、例えば、オン
ボードでデータを一括消去して書き換えの容易なフラッ
シュROMとを含むものである。マスクROMには、例
えば、ネットワークコントローラ75を介した通信プロ
グラム、外部装置との通信によりEEPROMにプログ
ラムや定数等を書き込むためのプログラム等が格納さ
れ、EEPROMには、製品初期の段階では意味のある
データは格納されておらず、車両にECU70を組み込
んだ段階で、ラインエンド156の検査ツール156b
を介して燃料噴射制御や点火時期制御等のエンジン制御
プログラム、制御定数等の車種に応じたデータが書き込
まれる。
【0042】また、カウンタ・タイマ群76は、フリー
ランカウンタ、気筒判別センサ信号(気筒判別パルス)
の入力計数用カウンタ等の各種カウンタ、燃料噴射用タ
イマ、点火用タイマ、定期割り込みを発生させるための
定期割り込み用タイマ、クランク角センサ信号(クラン
クパルス)の入力間隔計時用タイマ、及びシステム異常
監視用のウオッチドッグタイマ等の各種タイマを便宜上
総称するものであり、その他、各種のソフトウエアカウ
ンタ・タイマが用いられる。
【0043】また、ECU70には、各部に安定化電源
を供給する定電圧回路78、I/Oインターフェイス7
7に接続される駆動回路79及びA/D変換器80等の
周辺回路が内蔵されている。定電圧回路78は、2回路
のリレー接点を有する電源リレー81の第1のリレー接
点を介してバッテリ82に接続されると共に、直接、バ
ッテリ82に接続されており、イグニッションスイッチ
83がONされて電源リレー81の接点が閉になると、
ECU70内の各部へ電源を供給する一方、イグニッシ
ョンスイッチ83のON,OFFに拘らず、常時、バッ
クアップRAM74にバックアップ用の電源を供給す
る。更に、バッテリ82には、燃料ポンプリレー84の
リレー接点を介して燃料ポンプ21が接続されると共
に、ラジエータファンリレー86のリレー接点を介して
電動モータ式ラジエータファン48が接続されている。
尚、電源リレー81の第2のリレー接点には、バッテリ
82から各アクチュエータに電源を供給するための電源
線が接続されている。
【0044】I/Oインターフェイス77の入力ポート
には、イグニッションスイッチ83、アイドルスイッチ
51b、ノックセンサ53、クランク角センサ59、気
筒判別センサ61、及び、車速センサ65等が接続され
ている。更に、I/Oインターフェイス77の入力ポー
トには、A/D変換器80を介して、吸入空気量センサ
50a、吸気温センサ50b、スロットル開度センサ5
1a、吸気管圧力センサ52、冷却水温センサ54、E
GRガス温度センサ55、フロント空燃比センサ56、
リヤ空燃比センサ57、内圧センサ62、燃料レベルセ
ンサ63、燃料温度センサ64、ECU70に内蔵され
る大気圧センサ66等が接続されると共に、バッテリ電
圧VBが入力されてモニタされる。
【0045】一方、I/Oインターフェイス77の出力
ポートには、電源リレー81のリレーコイル、燃料ポン
プリレー84のリレーコイル、ラジエータファンリレー
86のリレーコイル、ISC弁14、インジェクタ1
5、大気開放弁27、CPC弁29、EGR弁31、異
常発生を報知する警報ランプ(MILランプ)85等が
駆動回路79を介して接続されると共に、イグナイタ1
8が接続されている。
【0046】ECU70では、ROM72に記憶されて
いる制御プログラムをCPU71にて実行し、I/0イ
ンターフェイス77を介して入力されるセンサ・スイッ
チ類からの検出信号、及びバッテリ電圧VB等を処理
し、RAM73に格納される各種データ、及びバックア
ップRAM74に格納されている各種学習値データ,R
OM72に記憶されている固定データ等に基づき、燃料
噴射量、点火時期、各アクチュエータに対する制御量等
を演算し、空燃比制御(燃料噴射制御)、点火時期制
御、アイドル回転数制御、エバポパージ制御、EGR制
御、ラジエータファン制御等のエンジン制御を行う。
【0047】同時に、ECU70は、エンジン1及び周
辺機器を含むエンジン系の異常の有無を自己診断機能に
よって監視し、異常を検出した場合、MILランプ85
を点灯或いは点滅すると共に、バックアップRAM74
へトラブルデータをストアする。この場合、エンジン冷
却系の自己診断においては、異常判定時は勿論のこと、
正常範囲であっても故障レベルに近い状態のときには、
診断に使用したパラメータに加え、運転状態や制御状態
を表すパラメータ、特にエンジン冷却系の状態に関連す
るパラメータを主として、診断時や診断前後でバックア
ップRAM74にストアしておき、車両100のネット
ワーク101から携帯電話110を介して中央情報管理
センター151へ送信する。
【0048】次に、ECU70の自己診断機能によるエ
ンジン冷却系の診断及び診断情報の処理について説明す
る。
【0049】図6に示すルーチンは、エンジン冷却系の
サーモスタット36の開き側の故障を診断するサーモス
タット診断ルーチンであり、先ず、ステップS10で、
診断実行条件が成立するか否かを調べる。そして、診断
実行条件が成立しない場合には、そのままルーチンを抜
け、診断実行条件が成立する場合、診断を実行すべくス
テップS11へ進む。
【0050】ステップS11では、クランク角センサ5
9に信号に基づくエンジン回転数と、燃料噴射量や吸入
空気量等によって代表されるエンジン負荷とに基づい
て、エンジン1で発生する熱量(エンジン発生熱量)を
演算し、ステップS12で、車速センサ65で検出した
車速と、燃料温度センサ64で検出した燃料温度から推
定した外気温、或いは外気温センサを設けて直接検出し
た外気温とに基づいて、エンジン1から放熱される熱量
(エンジン放熱熱量)を演算する。エンジン発生熱量、
エンジン放熱熱量は、例えば、エンジン形式や排気量、
エンジン房内のレイアウト、冷却系の構成等を考慮し、
それぞれ、シミュレーション或いは実験等により予め求
めた値をマップ化しておき、エンジン回転数とエンジン
負荷とに基づくマップ参照によりエンジン発生熱量を求
め、また、車速と外気温とに基づくマップ参照によりエ
ンジン放熱熱量を求めることができる。
【0051】次いで、ステップ13へ進み、エンジン発
生熱量、エンジン放熱熱量、エンジン始動時に予め記憶
しておいたエンジン始動時の冷却水温に基づいて、現在
の冷却水温の推定値(推定水温)を演算する。そして、
ステップS14へ進み、推定水温から冷却水温センサ5
4で検出した実水温を減算し、その水温差が判定閾値を
越えているか否かを調べる。
【0052】その結果、ステップS14において、水温
差が判定閾値以下の場合、すなわち、エンジン運転状態
から推定した冷却水温と冷却水温センサ54で検出した
実際の冷却水温とが許容範囲内で略一致する場合には、
ステップS15へ進んでエンジン冷却系は正常であると
判定し、一方、水温差が判定閾値を越えている場合に
は、サーモスタット36が設定温度より低い温度で開弁
して開き過ぎの状態、或いは開弁状態で固着している開
固着故障が発生し、実際の冷却水温が運転状態に応じた
適正温度に達していないと判断されるため、ステップS
16でサーモスタット36が故障と判定し、MILラン
プ85を点灯或いは点滅させて運転者に警告し、本診断
処理を終了する。
【0053】以上のエンジン冷却系の診断情報は、図7
の診断情報処理ルーチンによってECU70内のバック
アップRAM74にストアされる。このバックアップR
AM74内のエンジン冷却系の診断情報は、ユーザーが
携帯電話110を用いて車両情報を送信する際、車両1
00の車両情報の一部として中央情報管理センター15
1へ送信され、データベースDBに蓄積される。
【0054】図7の診断情報処理ルーチンでは、先ず、
ステップS50で、エンジン冷却系に故障判定が成立し
たか否かを調べる。そして、エンジン冷却系の故障判定
が成立した場合には、ステップS50からステップS5
1へ進み、エンジン回転数、エンジン負荷、冷却水温、
車速、エンジン始動後時間、燃料温度等の運転状態パラ
メータを、診断実行時や診断実行前後の所定点火回数或
いは所定時間分だけバックアップRAM74に記憶・保
存する。
【0055】次いで、ステップS52へ進み、燃料噴射
量、空燃比、空燃比補正量、空燃比学習値、点火時期、
エバポパージ量、ISC制御量等の制御状態パラメータ
を、診断実行時や診断実行前後の所定点火回数或いは所
定時間分だけバックアップRAM74に記憶・保存す
る。尚、運転状態パラメータ、制御状態パラメータは、
それぞれ、バックアップRAM74の記憶容量やエンジ
ン冷却系の故障診断の診断仕様を考慮し、エンジン冷却
系に対して影響の大きい代表的なパラメータに限定して
も良い。
【0056】その後、ステップS53へ進み、エンジン
冷却系の診断において演算したエンジン発生熱量及びエ
ンジン放熱熱量を、運転状態や制御状態による領域に対
応させて記憶し、また、ステップS54で、診断時に推
定した推定水温及び実際に検出した実冷却水温を、運転
状態や制御状態による領域に対応させて記憶する。そし
て、ステップS55で、エンジン冷却系の故障発生に対
応する故障コードを記憶し、ステップS60へ進む。
【0057】一方、ステップS50において、故障判定
が成立しておらず、明確な故障でない場合には、ステッ
プS50からステップS56へ進み、診断結果が故障レ
ベルに接近し、近い将来に故障発生となる可能性が強い
設定範囲内にあるか否かを調べる。そして、診断結果が
設定範囲内にない場合には、ステップS56からステッ
プS60へジャンプし、診断結果が設定範囲内にある場
合、ステップS56からステップS57以降へ進み、ス
テップS57,S58,S59で、それぞれ、ステップ
S52,S53,S54と同様、制御状態パラメータ、
エンジン発生熱量及びエンジン放熱熱量、推定水温及び
実冷却水温をバックアップRAM74に記憶・保存して
ステップS60へ進む。
【0058】ステップS60では、ユーザの携帯電話1
10の車両情報の送信操作に伴うデータ送信要求が有る
か否かを調べる。そして、データ送信要求が無い場合に
は、ルーチンを抜け、データ送信要求がある場合、ステ
ップS61へ進んでバックアップRAM74のデータを
車内のネットワーク101を介して送信し、ルーチンを
抜ける。尚、バックアップRAM74内のトラブルデー
タを除く診断情報は、中央情報管理センター151への
データ送信後、次回診断時の記憶領域確保のため、クリ
アされる。
【0059】一方、中央情報管理センター151では、
図8に示す情報処理をホストコンピュータ151aにて
実行する。この処理では、先ず、最初のステップS10
0で、ユーザの携帯電話110からのアクセスによる車
両情報を受信したか否かを調べる。そして、データを受
信していない場合には、ルーチンを抜け、データ受信の
場合、ステップS101へ進み、車体番号、ユーザ識別
コード、走行距離、データ受付日時等に基づいて車両情
報のデータ種別や対応するシステムを識別し、ステップ
S102で、車両情報の中に故障有りの診断判定結果が
含まれているか否かを調べる。
【0060】その結果、故障有りの判定結果が含まれて
おらず、特に異常が無い場合には、ステップS102か
らステップS106へジャンプする。また、故障有りの
判定結果が有る場合、ステップS102からステップS
103へ進んで、故障発生に対応する運転状態パラメー
タ、制御状態パラメータ、診断パラメータ等の各種デー
タを入手する。次に、ステップS104へ進み、入手し
たデータを解析してシステムや部品の故障部位を推定
し、ステップS105で修理・点検に関するサービス手
順を決定してステップS106へ進む。
【0061】すなわち、車両側(ECU70)の自己診
断によってエンジン冷却系のサーモスタット36が故障
と判定されている場合、エンジン発生熱量、エンジン放
熱熱量、推定水温、実冷却水温、判定閾値、故障コード
等の診断パラメータ、及び、診断時や診断前後の運転状
態・制御状態に基づいて、故障の程度、故障原因がサー
モスタット36のみか否かを確認し、修理に必要な部品
及びサービス手順を決定する。
【0062】例えば、サーモスタット診断時及び診断前
後の運転状態及び制御状態に基づいて、サーモスタット
36以外の原因によって実冷却水温が上昇せず、サーモ
スタット診断で推定水温と実冷却水温との差が判定閾値
を越えてサーモスタット不良と判定されている可能性が
あるか否かを判断し、ラジエータファンリレー86が故
障してリレー接点が常時閉状態となり、ラジエータファ
ン48が常時駆動されて実冷却水温が上昇せずにサーモ
スタット36が不良であると判定されている可能性があ
る場合には、サーモスタット36のみならずラジエータ
ファン48の系統の点検をサービス手順に組み込む。
【0063】その後、ステップS106では、車両の全
情報を入手し、ステップS107で、車両の初期情報か
ら部品やシステムの経時変化を把握し、その劣化状態を
演算する。そして、ステップS108へ進んで各部品や
システムの劣化特性を推定する。例えば、時系列的に蓄
積された車載制御装置のデータの変化、例えば、学習値
データや、決められた条件下での入出力データ或いは制
御データ(演算データ)の変化からシステムや部品の経
時変化を把握し、ラインエンド検査による車両の初期情
報とユーザから送信されてきた該当データとを比較する
ことにより、センサ系やアクチュエータ系等の部品やシ
ステムの劣化進行状況を演算する。
【0064】次に、ステップS109へ進み、各部品や
システムの劣化状況から各部品の寿命を推定し、ステッ
プS110で、該当する部品に対するサービスが必要な
時期を演算する。そして、ステップS111で、修理・
点検が必要な個所とサービス時期の判断結果をユーザに
通知し、ステップS112で、ディーラ等のサービス工
場に、車両情報、ユーザへの通知情報、サービス手順、
サービス部品(準備部品)等の各種情報を通知する。そ
の後、ステップS113へ進み、これらの内容を車体番
号及びユーザ識別コードによる車両毎の履歴データと共
にデータベースDBに記録し、処理を終了する。
【0065】すなわち、車両側のオンボード診断でエン
ジン冷却系のサーモスタット36は正常であると判断さ
れている状態であっても、故障レベルに接近した設定範
囲にある場合には、そのときのエンジン発生熱量、エン
ジン放熱熱量、推定水温、実冷却水温、判定閾値等の診
断パラメータ、診断時や診断前後の運転状態・制御状態
を車両側から受信し、現在のエンジン冷却系の状態が故
障判定レベルに対して、どの程度のレベルにあるかを把
握することができ、推定した各部品の劣化状態と合わせ
て、近い将来に故障が発生するか否かを判断することが
可能となる。また、サーモスタット36以外にも、例え
ば、アイドル運転時に、ラジエータファンリレー86を
ONしてリレー接点を開から閉に切換えても、冷却水温
が低下しないといった現象が確認される場合、ラジエー
タファン48のモータ故障或いはラジエータファンリレ
ー86のリレー接点不良と判断することが可能となる。
【0066】そして、車両別の部品の劣化傾向、故障部
品の推定結果、故障到達までの時間或いは走行距離、排
気ガスエミッションへの影響等を、関連部署へフィード
バックすることにより、エンジン冷却系のシステム及び
部品の妥当性を確認し、信頼性及び耐久性の向上を図る
と共に、診断仕様の評価、エンジン制御性の評価を行う
ことができる。
【0067】これにより、エンジン冷却系に故障が発生
する前にユーザへ点検時期の予告が可能となり、修理に
要する費用・時間を削減することができるばかりでな
く、サービス工場においても、配信された診断情報によ
り、対応部品の事前手配、作業計画の円滑運用を可能と
することができる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、個
々のユーザの車両のエンジン冷却系の状態を一括管理し
て有効活用し、故障発生前の点検時期の予告を可能とす
ると共に、関連部署へのフィードバックにより、診断仕
様の評価やエンジン制御性の評価を経てシステム信頼性
の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両管理システムの全体構成図
【図2】車両のネットワーク系を示す説明図
【図3】エンジン系の全体図
【図4】エンジン冷却系の概略構成図
【図5】エンジン電子制御系の回路構成図
【図6】車両側におけるサーモスタット診断ルーチンの
フローチャート
【図7】車両側における診断情報処理ルーチンのフロー
チャート
【図8】中央情報管理センター側における情報処理ルー
チンのフローチャート
【符号の説明】
100 車両 #01,#02,#03,#04,#05 制御装置 70 エンジン制御装置 110 携帯電話(データ通信手段) DB データベース

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 個々の車両に搭載される制御装置で自己
    診断したエンジン冷却系の診断情報を外部のデータベー
    スに蓄積し、 上記データベースに蓄積された診断情報に基づいて個々
    の車両のエンジン冷却系の状態を解析し、その解析結果
    を該当車両のユーザ及び上記データベースへのアクセス
    権を有する部署の少なくとも一者に配信することを特徴
    とする車両管理システム。
  2. 【請求項2】 上記診断情報に、上記エンジン冷却系の
    診断に用いるパラメータに加え、運転状態を表すパラメ
    ータと制御状態を表すパラメータとの少なくとも一方を
    含めることを特徴とする請求項1記載の車両管理システ
    ム。
  3. 【請求項3】 上記診断情報に、診断結果が正常範囲内
    であっても故障レベルに接近したときのデータを含める
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の車両管理システ
    ム。
  4. 【請求項4】 上記診断情報を、診断実行中或いは診断
    開始前から診断終了後までの所定期間におけるデータを
    含む情報とすることを特徴とする請求項1,2,3の何
    れか一に記載の車両管理システム。
  5. 【請求項5】 個々の車両に、該車両に搭載される制御
    装置のデータをリアルタイムで外部に無線通信可能なデ
    ータ通信手段を備え、該データ通信手段から送信された
    診断情報を受信して上記データベースに蓄積することを
    特徴とする請求項1,2,3,4の何れか一に記載の車
    両管理システム。
JP2001127957A 2001-04-25 2001-04-25 車両管理システム Pending JP2002322941A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001127957A JP2002322941A (ja) 2001-04-25 2001-04-25 車両管理システム
US10/128,236 US6701232B2 (en) 2001-04-25 2002-04-24 Vehicle management system
EP02009239A EP1253415A3 (en) 2001-04-25 2002-04-25 Vehicle control system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001127957A JP2002322941A (ja) 2001-04-25 2001-04-25 車両管理システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002322941A true JP2002322941A (ja) 2002-11-08

Family

ID=18976738

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001127957A Pending JP2002322941A (ja) 2001-04-25 2001-04-25 車両管理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002322941A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008157186A (ja) * 2006-12-26 2008-07-10 Nissan Motor Co Ltd オイル温度推定装置及びオイル温度推定方法
JP2015221630A (ja) * 2014-05-23 2015-12-10 日産自動車株式会社 車両診断情報処理装置及び車両診断情報処理方法
CN114184384A (zh) * 2021-11-15 2022-03-15 中国人民解放军63963部队 车辆健康管理系统的数据集联装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008157186A (ja) * 2006-12-26 2008-07-10 Nissan Motor Co Ltd オイル温度推定装置及びオイル温度推定方法
JP4692478B2 (ja) * 2006-12-26 2011-06-01 日産自動車株式会社 オイル温度推定装置及びオイル温度推定方法
JP2015221630A (ja) * 2014-05-23 2015-12-10 日産自動車株式会社 車両診断情報処理装置及び車両診断情報処理方法
CN114184384A (zh) * 2021-11-15 2022-03-15 中国人民解放军63963部队 车辆健康管理系统的数据集联装置
CN114184384B (zh) * 2021-11-15 2023-10-17 中国人民解放军63963部队 车辆健康管理系统的数据集联装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002323409A (ja) 車両管理システム
CN106527403B (zh) 车辆智能诊断方法及装置
US6701232B2 (en) Vehicle management system
JP4037923B2 (ja) 所定の車両型式に対する診断しきい値の決定方法および車両用電子計算装置
US7502718B2 (en) Vehicle fault diagnostic system
EP0853722B1 (en) Diagnostic system particularly for an engine management system
US8239093B1 (en) Vehicle diagnostic tool—running multiple tests
EP0972132B1 (en) Diagnostic system in an engine management system
US5750886A (en) Engine emissions analyzer with diagnostic
KR20120075555A (ko) 스마트폰을 이용한 운전 정보 관리 시스템 및 방법
JP2002322942A (ja) 車両管理システム
CN112394282B (zh) 碳罐电磁阀诊断方法、装置、设备及存储介质
JP2002323410A (ja) 車両管理システム
JP2002322941A (ja) 車両管理システム
JP2002322943A (ja) 車両管理システム
JP2002322935A (ja) 車両管理システム
US7020547B2 (en) Vehicle traveling state recording method and computer for engine control
JP2002322949A (ja) 車両管理システム
JP2002322948A (ja) 車両管理システム
JP2007076402A (ja) 車両状態解析装置および車両状態解析システム
JP2002322937A (ja) 車両管理システム
JP2002322939A (ja) 車両管理システム
JP2002322940A (ja) 車両管理システム
JP2004515674A (ja) 母集団データ取得システム
JP4251007B2 (ja) 車両用故障診断制御装置