JP2002322582A - 硝フッ酸廃液の再生方法およびステンレス鋼の酸洗方法 - Google Patents

硝フッ酸廃液の再生方法およびステンレス鋼の酸洗方法

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浩三 弓立
Tomoshige Ono
友重 尾野
Yoshihide Kato
嘉英 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄、クロム、ニッケルなどの金属イオンを含
む硝フッ酸廃液から、金属イオンを除去して硝フッ酸を
再生し、酸洗液として再利用する。 【解決手段】 金属イオンを含有する硝フッ酸廃液に、
アルカリ金属の水酸化物および/または炭酸塩を添加し
て、廃液のpHを8以上とすることにより、金属水酸化
物を生成させ、次いで、生成した金属水酸化物を廃液か
ら分離除去し、さらに、金属水酸化物が除去された廃液
をOH型陰イオン交換樹脂と接触させることにより、
フッ素イオンおよび硝酸イオンを陰イオン交換樹脂に吸
着させ、前記各イオンを吸着した陰イオン交換樹脂をア
ルカリ金属の水酸化物および/または炭酸塩の水溶液と
接触させることにより、アルカリ金属イオン、フッ素イ
オンおよび硝酸イオンを含有する水溶液となし、その
後、この水溶液をH型陽イオン交換樹脂と接触させる
ことにより、水溶液からアルカリ金属イオンを除去して
硝フッ酸を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄イオン、クロム
イオン、ニッケルイオンなどの金属イオンを含有する硝
フッ酸廃液の再生方法、特に、ステンレス鋼の硝フッ酸
酸洗で生じた硝フッ酸廃液の再生方法およびこの再生液
を用いるステンレス鋼の酸洗方法に関する。
【0002】ステンレス鋼においては、耐食性や耐熱性
などの機能の他に、とくに表面の美麗さ (光沢、白色度
等) も製品の価値を左右する。このため、ステンレス鋼
を製造する際には、一般に、鋼表面のスケールを除去
(脱スケール)する処理が行われる。ステンレス鋼のス
ケールは、鋼中のFe、Cr等の合金成分が熱間圧延や焼鈍
工程で酸化され、鋼表面に生成したものであって、一般
に、数μmから数十μmの厚みのものである。このスケ
ールは、ステンレス鋼表面の美麗さを損なったり、耐食
性や加工性を阻害するので、スケールのこうした悪影響
を脱スケール処理によって排除するのである。
【0003】しかし、ステンレス鋼のスケールは一般の
鋼スケールに比べて緻密であるために、通常の塩酸や硫
酸では酸との反応性が低く、かかる酸のみでステンレス
鋼のスケールを脱スケールすることは困難である。この
ため、一般的には、酸洗処理の前処理として、ブラス
ト、グラインダー、メカニカルブラシによるスケールの
機械的な除去や、ベンディング、テンションレベラー、
スキンパス等によるスケール層へのクラック付与や、塩
浴 (溶融アルカリ塩) 浸漬処理や中性塩電解によるCr系
酸化物の変質等の処理が行われる。その後、これらの前
処理に続いて、硫酸、硝酸および硝フッ酸 (フッ酸と硝
酸の混合液) 等の酸を用いて、酸洗処理が行われる。こ
の酸洗は、多くの場合、脱スケールとともに不動態化の
処理も兼ねて実施される。これらの酸のうち、特に硝フ
ッ酸は、酸洗能力が最も強く、短時間で美麗な表面肌が
得られることから、ステンレス鋼の酸洗で一般的に使用
されている。
【0004】ところで、ステンレス鋼を硝フッ酸で酸洗
した酸洗廃液は、従来から、水酸化カルシウムを添加し
て処理されてきた。すなわち、この処理方法では、酸洗
廃液に水酸化カルシウムを添加することにより、中和す
ると共に、鉄、クロム、ニッケルなどの金属イオンを金
属水酸化物として、また、フッ素イオンをフッ化カルシ
ウムとして沈殿させる。沈殿した金属水酸化物とフッ化
カルシウムをろ過などで除去すると、ろ液には主に硝酸
が残る。こうして得られた硝酸を再利用することは可能
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、硝酸の
酸化力は硝フッ酸よりも弱いため、硝フッ酸として回収
して再利用する方が、ステンレス鋼の酸洗液としてより
有効に利用できる。上述した、水酸化カルシウムを用い
る従来の方法を、硝フッ酸の酸洗廃液に利用しても、再
生される酸は、硝酸が主体である。このため、再生した
酸を用いてステンレス鋼の硝フッ酸による酸洗を行うに
は、当然ながら、再生された硝酸にフッ酸を添加する必
要があった。また、得られた沈殿物 (金属水酸化物とフ
ッ化カルシウムの混合物) は、溶融還元などの処理を行
うことにより、金属成分を再生することは可能である。
しかし、溶融還元処理時に生成するスラグ中にフッ素分
が混入してしまい、スラグ処理の問題があった。という
のは、現在フッ素の排出規制が行われているため、スラ
グを安易に廃棄することができず、スラグを保管するな
どの処置を取らざるを得なかったのである。そこで、本
発明は、鉄、クロム、ニッケルなどの金属イオンを含む
硝フッ酸廃液から、金属イオンを除去して硝フッ酸を再
生する方法およびこの方法で得られた硝フッ酸をステン
レス鋼の酸洗液として再利用する方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】金属イオンを含む硝フッ
酸廃液から金属イオンを除去する方法として、陽イオン
交換樹脂を充填したカラムに上記硝フッ酸廃液を流通さ
せる方法が考えられる。鉄、クロム、ニッケルなどの金
属イオンは陽イオン交換樹脂に吸着されるため、硝フッ
酸を得ることはできる。しかし、上記の金属イオンが吸
着された陽イオン交換樹脂を再生するには、陽イオン交
換樹脂と上記金属イオンとの親和性が強いために、陽イ
オン交換樹脂の洗浄に多量の酸が必要となる。したがっ
て、この方法は工業的に得策でなく採用しがたい。
【0007】また、陰イオン交換樹脂を充填したカラム
に金属イオンを含む硝フッ酸廃液を流通させる方法も考
えられる。この場合は、フッ素イオンと硝酸イオンが陰
イオン交換樹脂に吸着され、金属イオンを含有する液が
排出される。しかし、陰イオン交換樹脂としてOH
の陰イオン交換樹脂を用いると、金属水酸化物が析出
し、カラムの閉塞原因となる。SO 型の陰イオン交
換樹脂の場合は、フッ素イオン、硝酸イオンの吸着効率
が悪く、排出液中にこれらのイオンが残留してしまう。
また、Cl型の陰イオン交換樹脂を用いると、陰イオン
樹脂を再生して、フッ素イオンと硝酸イオンを取り出す
際に、塩素イオンが硝フッ酸中に混入してしまう。塩素
イオンが混入した硝フッ酸をステンレス鋼の酸洗に用い
ると、ステンレス鋼にピットと称される欠陥が生じやす
くなる。
【0008】そこで、発明者らは、鉄、クロム、ニッケ
ルなどの金属イオンを含む硝フッ酸廃液に水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムや炭酸ナトリウムなどのアルカリ
金属の水酸化物および/または炭酸塩を添加し、pHを
8 以上として、予め金属イオンのみを水酸化物として沈
殿、除去し、得られた液体を、OH型陰イオン交換樹
脂と接触させることにより、硝フッ酸を再生できること
を見出し、本発明に想到したのである。
【0009】すなわち、本発明の要旨構成は、以下のと
おりである。 (1)金属イオンを含有する硝フッ酸廃液に、アルカリ金
属の水酸化物および/または炭酸塩を添加して、廃液の
pHを8以上とすることにより、金属水酸化物を生成さ
せ、次いで、生成した金属水酸化物を廃液から分離除去
し、さらに、金属水酸化物が除去された廃液をOH
陰イオン交換樹脂と接触させることにより、フッ素イオ
ンおよび硝酸イオンを陰イオン交換樹脂に吸着させ、前
記各イオンを吸着した陰イオン交換樹脂をアルカリ金属
の水酸化物および/または炭酸塩の水溶液と接触させる
ことにより、アルカリ金属イオン、フッ素イオンおよび
硝酸イオンを含有する水溶液となし、その後、この水溶
液をH型陽イオン交換樹脂と接触させることにより、
水溶液からアルカリ金属イオンを除去して硝フッ酸を得
ることを特徴とする硝フッ酸廃液の再生方法。
【0010】(2)上記金属イオンが、鉄イオン、クロム
イオンおよびニッケルイオンの内から選ばれる少なくと
も一種であることを特徴とする (1)に記載の硝フッ酸廃
液の再生方法。
【0011】(3)上記硝フッ酸廃液が、ステンレス鋼の
酸洗廃液であることを特徴とする (1)または (2)に記載
の硝フッ酸廃液の再生方法。
【0012】(4) (1)〜 (3)のいずれか1つに記載の方
法で再生された硝フッ酸の再生液をステンレス鋼の酸洗
液として使用することを特徴とするステンレス鋼の酸洗
方法。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に、本発明に従うステンレス
鋼酸洗廃液から有価金属(鉄、クロムおよびニッケルな
ど)と硝フッ酸を回収する方法の1態様をフローで示
す。ステンレス鋼の脱スケールには、硝酸(HNO)およ
びフッ酸(HF)を混合した硝フッ酸の溶液が用いられ、こ
の酸洗廃液には、鉄、ニッケル、クロムがイオンの形態
で存在するとともに、脱スケールに直接関与しなかった
硝酸およびフッ酸も含まれる。この酸洗廃液にNaOH, N
aCO, KOHなどのアルカリ金属の水酸化物および/ま
たは炭酸塩を添加し、溶液のpHを8以上にすることに
よって、廃液中の上記イオンは、鉄、ニッケル、クロム
の水酸化物(固体)として沈殿する。ここに、金属イオ
ンの溶解度とpHの関係は、たとえば「水処理管理便
覧」 (水処理管理便覧編集委員会編、丸善株式会社) に
記載されていて、金属の種類によってその挙動は異な
る。鉄、ニッケル、クロムを含む酸洗廃液から、これら
金属をほぼすべて金属水酸化物として効率良く、経済的
に沈殿させるには、pHを8以上、好ましくは8〜12
にする必要がある。pHが8に満たないと、鉄、ニッケ
ル、クロムがイオンの形態で廃液中に残存する。pHが
高すぎると、鉄、ニッケル、クロムはほぼすべて金属水
酸化物として沈殿するものの、NaOH, NaCO, KOH な
どのアルカリの添加量が多くなるので、経済的ではな
い。
【0014】溶液から固体として沈殿した、鉄、ニッケ
ル、クロムの水酸化物は、ろ過、遠心分離、静置分離な
どの固液分離方法によって、分離除去する。水酸化物を
分離除去したろ液にはNa,Kなどのアルカリ金属イ
オンとフッ素イオン(F)と硝酸イオン(NO ) が含
まれる。このろ液を、水酸基を含むOH型陰イオン交換
樹脂と接触させることによって、次式: R−N(CH)OH+NaF → R−N(CH)F+NaOH R−N(CH)OH+NaNO→ R−N(CH)NO +NaOH により、フッ素イオンおよび硝酸イオンを陰イオン交換
樹脂に吸着させ、アルカリ金属イオンと分離することが
できる。アルカリ金属(Na, K) とフッ素イオン(F) お
よび硝酸イオン(NO ) の分離に用いられるOH型陰
イオン交換樹脂は、強塩基性陰イオン交換樹脂と呼ばれ
ているもので、アミン基(N(CH)) の官能基が付
き、水酸基(OH) とフッ素イオン(F) 、硝酸イオン
(NO ) の交換によって分離が行われる。
【0015】ここで、陰イオン交換樹脂に接するろ液
は、鉄、クロム、ニッケルの濃度が100 ppm 以下、硝酸
イオン濃度は 0.5〜15質量%、フッ素イオン濃度は 0.5
〜10質量%、アルカリ金属イオン濃度が 0.5〜35質量%
であることが望ましい。なぜなら、鉄、クロム、ニッケ
ルの濃度が100 質量ppm 超えであると、これらの金属が
フッ素イオンおよび硝酸イオンと錯体を形成してしま
い、フッ素イオン、硝酸イオンが陰イオン交換樹脂の水
酸基との交換が阻害され陰イオン交換樹脂に吸着され難
くなる。また、硝酸イオン濃度が 0.5質量%未満、フッ
素イオン濃度が 0.5質量%未満、アルカリ金属イオン濃
度が 0.5質量%未満であると、回収される酸の濃度が低
くなり経済的でない。一方、硝酸イオン濃度が15質量%
超え、フッ素イオン濃度が10質量%超え、アルカリ金属
イオン濃度が35質量%超えであると、陰イオン交換樹脂
による水酸基とのイオン交換率が悪くなり、経済的でな
い。ここで回収されたNaOHは、F,NO が吸着され
た陰イオン交換樹脂の再生に使用することができるし、
更にはステンレス酸洗溶液の中和処理にも使用すること
ができる。
【0016】フッ素イオンおよび硝酸イオンと交換した
陰イオン交換樹脂は、水酸化ナトリウム(NaOH)のような
アルカリ溶液である再生液を通すことにより、次式: R−N(CH)F+NaOH → R−N(CH)OH+NaF R−N(CH)NO +NaOH → R−N(CH)OH+NaNO により水酸基を含む陰イオン交換樹脂とし、再び使用さ
れる。陰イオン交換樹脂にアルカリ溶液を通して、回収
された溶液には、Na, Kのアルカリ金属イオンとフ
ッ素イオン(F) 、硝酸イオン(NO ) が含まれる。
ここで得られるフッ素イオン(F) と硝酸イオン(NO
) の濃度は、高濃度のアルカリ溶液を用いることによ
り、陰イオン交換樹脂を通す前のフッ素イオン(F) と
硝酸イオン(NO ) の濃度と比較して2倍〜10倍の濃
度とすることができる。このような高濃度のフッ素イオ
ンおよび硝酸イオンにすれば、後工程で再生液の濃縮を
必ずしも行わなくとも再使用することができる。
【0017】ついで、NaF およびNaNOをH型陽イ
オン交換樹脂と接触させることにより、次式: R−SO H+NaF,NaNO → R−SO Na+HF,HNO により、硝フッ酸を得ることができる。アルカリ金属(N
a,K) とフッ素イオン(F) および硝酸イオン(NO )
との分離に用いられる陽イオン交換樹脂は、強酸性陽
イオン交換樹脂とよばれているもので、スルホン酸基(S
O ) の官能基が付き、プロトン(H) とアルカリ金
属の交換によって分離が行われる。ここで、陽イオン交
換樹脂に通す溶液は、硝酸イオン濃度は 2.5〜20質量
%、フッ素イオン濃度は 2.5〜15質量%、アルカリ金属
イオン濃度が2.5 〜35質量%であることが望ましい。硝
酸イオン濃度が 2.5質量%未満、フッ素イオン濃度が2.
5質量%未満、アルカリ金属イオン濃度が 2.5質量%未
満であると、回収される酸の濃度が低くなり経済的でな
い。また、硝酸イオン濃度が20質量%超え、フッ素イオ
ン濃度が15質量%超え、アルカリ金属イオン濃度が35質
量%超えであると、陽イオン交換樹脂によるプロトンと
のイオン交換率が悪くなり、結局回収された酸中にアル
カリ金属イオンが残存し、酸の回収が行われない。な
お、アルカリ金属イオンと交換した陽イオン交換樹脂
は、塩酸(HCl) のような再生液を通して、 R−SO Na+HCl → R−SO H+NaCl の反応から、プロトンを含む陽イオン交換樹脂として、
再び使用される。以上説明した方法で回収された硝酸お
よびフッ酸は、再びステンレス鋼の酸洗用の酸として再
利用することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例にて具体的に説明す
る。 (実施例1)ステンレス304 (18Cr-8Ni)を硝酸とフッ酸の
混合液で、酸洗し、鉄イオン濃度2.2質量%、クロムイ
オン濃度 0.4質量%、ニッケルイオン濃度 0.1質量%、
フッ素イオン濃度 2.0質量%、硝酸イオン濃度 3.2質量
%の酸洗廃液を得た。この廃液に3規定のNaOH溶液をpH
=10になるまで添加し、その後30分間、攪拌した。攪拌
終了後、溶液は金属水酸化物を含むスラッジ状となり、
この溶液を濾過により金属水酸化物と濾液に分離した。
このろ液には、鉄、クロム、ニッケルが全く含有され
ず、フッ素イオン濃度 1.0質量%、硝酸イオン濃度 1.7
質量%、ナトリウムイオン濃度 4.0質量%であった。水
酸基の付いた陰イオン交換樹脂 (モノスフィアー550A:
室町化学社製) を充填したカラム( 直径:2.5cm 、長さ
50cm) に、このろ液を流速10cm/min で通し、フッ素
イオンと硝酸イオンを樹脂に吸着させた。カラムより出
てくる溶液にはナトリウムイオンと水酸基イオンが含ま
れていた。次いで、フッ素イオンと硝酸イオンを吸着し
た陰イオン交換樹脂に3規定のNaOH溶液を流速10cm/m
in で通し、水酸基を陰イオン交換樹脂に吸着させ、再
生させると同時に、ナトリウムイオンとフッ素イオン濃
度 3.3質量%、硝酸イオン濃度 4.7質量%を含む溶液を
溶出液として得た。この溶出液をプロトンが付いた陽イ
オン交換樹脂 (商品名:マラソンC、室町化学社製) を
充填したカラム (直径:2.5cm 、長さ50cm) に、流速10
cm/min で通し、ナトリウムイオンを陽イオン交換樹
脂に吸着分離させ、フッ酸と硝酸を回収した。この時、
フッ素イオン濃度 3.0質量%、硝酸イオン濃度 4.3質量
%であり、ナトリウムイオンを全く含まない硝フッ酸が
回収できた。回収した硝フッ酸をステンレス鋼の酸洗に
使用したところ、ピットなどの欠陥の発生はなく、回収
硝フッ酸はステンレス鋼の酸洗に問題なく使用できるこ
とを確認した。
【0019】(実施例2)ステンレス304 (18Cr-8Ni)を硝
酸とフッ酸の混合液で、酸洗し、鉄イオン濃度2.2質量
%、クロムイオン濃度 0.4質量%、ニッケルイオン濃度
0.1質量%、フッ素イオン濃度 3.5質量%、硝酸イオン
濃度 4.2質量%の酸洗廃液を得た。この廃液に3規定の
KOH溶液をpH=10になるまで添加し、30分間、攪拌し
た。攪拌終了後、溶液は金属水酸化物を含むスラッジ状
となり、この溶液を濾過により金属水酸化物と濾液に分
離した。この濾液は、鉄、クロム、ニッケルが全く含有
されず、フッ素イオン濃度 2.3質量%、硝酸イオン濃度
3.2質量%、カリウムイオン濃度 5.3質量%であった。
水酸基の付いた陰イオン交換樹脂 (モノスフィアー550
A:室町化学社製) を充填したカラム( 直径:2.5cm 、
長さ50cm) に、この溶液を流速10cm/min で通し、フ
ッ素イオンと硝酸イオンを樹脂に吸着させた。カラムよ
り出てくる溶液にはカリウムイオンと水酸基イオンが含
まれていた。次いで、フッ素イオンと硝酸イオンが吸着
した陰イオン交換樹脂に3規定の KOH溶液を流速10cm
/min で通し、水酸基を陰イオン交換樹脂に吸着させ、
再生させると同時に、カリウムイオンとフッ素イオン濃
度 4.3質量%、硝酸イオン濃度 4.7質量%を含む溶液を
溶出液として得た。この溶出液をプロトンが付いた陽イ
オン交換樹脂 (商品名:マラソンC、室町化学社製) を
充填したカラム (直径:2.5cm 、長さ50cm) に、流速10
cm/min で通し、カリウムイオンを陽イオン交換樹脂
に吸着分離させ、フッ酸と硝酸を回収した。この時、フ
ッ素イオン濃度 4.0質量%、硝酸イオン濃度 4.2質量%
であり、カリウムイオンを全く含まない硝フッ酸が回収
できた。回収した硝フッ酸をステンレス鋼の酸洗に使用
したところ、ピットなどの欠陥の発生はなく、回収硝フ
ッ酸はステンレス鋼の酸洗に問題なく使用できることを
確認した。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ステンレスの硝フッ酸酸洗において使用された酸洗廃液
を、アルカリ中和処理とそれに引き続く陰イオン交換樹
脂による処理により、有価金属と硝フッ酸を効果的に回
収でき、再利用することができる。したがって、本発明
は、有価金属と酸の有効利用を可能とするので、ステン
レス製品の製造コスト低下を可能にするだけでなく、地
球環境の保全、循環型社会の形成に大いに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による硝フッ酸廃液の再生方法を説明す
るためのフロー図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/62 C02F 1/62 Z 1/64 1/64 Z C23G 1/08 C23G 1/08 (72)発明者 尾野 友重 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 加藤 嘉英 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D025 AA09 AB06 AB18 BA11 BA16 BB09 DA10 4D038 AA08 AB65 AB66 AB67 AB79 BA04 BB08 BB17 4K053 PA03 QA01 RA16 RA17 YA06 YA13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属イオンを含有する硝フッ酸廃液に、
    アルカリ金属の水酸化物および/または炭酸塩を添加し
    て、廃液のpHを8以上とすることにより、金属水酸化
    物を生成させ、次いで、生成した金属水酸化物を廃液か
    ら分離除去し、さらに、金属水酸化物が除去された廃液
    をOH型陰イオン交換樹脂と接触させることにより、
    フッ素イオンおよび硝酸イオンを陰イオン交換樹脂に吸
    着させ、前記各イオンを吸着した陰イオン交換樹脂をア
    ルカリ金属の水酸化物および/または炭酸塩の水溶液と
    接触させることにより、アルカリ金属イオン、フッ素イ
    オンおよび硝酸イオンを含有する水溶液となし、その
    後、この水溶液をH型陽イオン交換樹脂と接触させる
    ことにより、水溶液からアルカリ金属イオンを除去して
    硝フッ酸を得ることを特徴とする硝フッ酸廃液の再生方
    法。
  2. 【請求項2】 上記金属イオンが、鉄イオン、クロムイ
    オンおよびニッケルイオンの内から選ばれる少なくとも
    一種であることを特徴とする請求項1に記載の硝フッ酸
    廃液の再生方法。
  3. 【請求項3】 上記硝フッ酸廃液が、ステンレス鋼の酸
    洗廃液であることを特徴とする請求項1または2に記載
    の硝フッ酸廃液の再生方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方
    法で再生された硝フッ酸の再生液をステンレス鋼の酸洗
    液として使用することを特徴とするステンレス鋼の酸洗
    方法。
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