JP2002322291A - ポリカーボネート樹脂成形体 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂成形体

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JP2002322291A
JP2002322291A JP2001124590A JP2001124590A JP2002322291A JP 2002322291 A JP2002322291 A JP 2002322291A JP 2001124590 A JP2001124590 A JP 2001124590A JP 2001124590 A JP2001124590 A JP 2001124590A JP 2002322291 A JP2002322291 A JP 2002322291A
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polycarbonate resin
impact strength
resin
surface impact
titanium oxide
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Application number
JP2001124590A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nakajima
大士 中島
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、酸化チタンを含有するポリカーボネ
ート樹脂組成物から製造される成形体においてより少な
い酸化チタン添加量で光線遮蔽性を確保し、成形時の熱
負荷の大きい大型成形体の成形時の安定性が向上し、得
られる成形体の機械的特性等の物性低下が小さい、優れ
た大型成形体を提供することを目的とする。 【解決手段】分子中の末端水酸基濃度が少なくとも10
モル%であり、かつ粘度平均分子量が1.6×104
2.2×104であるポリカーボネート樹脂100重量
部に、酸化チタン0.1重量部〜1.0重量部を分散さ
せてなるポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られ
る成形体であって、最大流動長/平均肉厚の比が120
以上であり、1ゲート当たりの樹脂充填容積が100m
l以上であるポリカーボネート樹脂成形体に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
樹脂からなる大型成形体に関する。さらに詳しくは、成
形時の熱負荷の影響が少なく成形品の物性低下が小さい
成形安定性に優れたポリカーボネート樹脂組成物からな
る大型成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐
熱性、耐候性等に優れており、その特性を生かして種々
の用途に広く利用されている。このようなポリカーボネ
ート樹脂は、一般にビスフェノールA等の二価フェノー
ルとホスゲンとを直接反応させる方法(所謂界面法)、
またはビスフェノールA等の二価フェノールとジフェニ
ルカーボネート等のジアリルカーボネートとを溶融状態
でエステル交換反応させる方法(所謂溶融法)により製
造することが知られている。このような製造方法におい
て溶融法は界面法で使用されるホスゲンやメチレンクロ
ライドなどのハロゲン化物が使用されないので、界面法
に比べ環境負荷が少なく製造することができる利点があ
る。またポリカーボネート樹脂は、OA機器、自動車分
野、家電機器などの種々の分野に利用されてきている。
例えばABS樹脂などのスチレン系樹脂を配合したポリカ
ーボネート樹脂組成物が種々の分野に広く利用されてい
る。
【0003】一般にポリカーボネート樹脂は、成形加工
温度が高く、射出成形、押出成形等により大型成形品を
成形する際に過大な熱負荷がかかりポリカーボネート樹
脂の有する優れた機械的特性等が損なわれ物性低下が起
こる場合がある。特にポリカーボネート樹脂に顔料など
の着色剤を配合し良好な着色成形体を製造する場合、通
常ポリカーボネート樹脂の透明性を隠蔽するための不透
明着色に酸化チタンが添加されるが、酸化チタンのよう
な金属酸化物が存在するポリカーボネート樹脂組成物の
場合には成形時の熱負荷に起因する機械的特性等の物性
低下が促進され易い問題点があり、特に成形時の熱負荷
が大きい大型成形体の場合に成形品の機械的特性等の物
性低下が顕著である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸化チタン
を含有するポリカーボネート樹脂組成物から製造される
不透明な成形体において、より少ない酸化チタン添加量
で光線遮蔽性を確保し、成形時の熱負荷の大きい大型成
形体の成形時の安定性が向上し、得られる成形体の機械
的特性等の物性低下が小さい、優れた大型成形体を提供
することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題につき種々の
観点から検討を行った結果、ポリカーボネート樹脂とし
て分子中の末端水酸基の含有量が少なくとも10モル
%、粘度平均分子量が1.6×10〜2.2×10
の範囲にある特定のポリカーボネート樹脂を用いること
により、酸化チタンの分散性が良好となり添加量を低減
しても不透明着色による光線遮蔽性を十分に確保するこ
とができ、熱負荷の大きい大型成形体においても物性低
下が極めて小さい大型成形体が得られることが認められ
た。
【0006】すなわち本発明は(1)分子中の末端水酸
基濃度が少なくとも10モル%であり、かつ粘度平均分
子量が1.6×10〜2.2×10であるポリカー
ボネート樹脂100重量部に、酸化チタン0.1重量部
〜1.0重量部を分散させてなるポリカーボネート樹脂
組成物を成形して得られる成形体であって、最大流動長
/平均肉厚の比が120以上であり、1ゲート当たりの
樹脂充填容積が100ml以上であるポリカーボネート
樹脂成形体に関する。
【0007】(2)上記(1)記載のポリカーボネート
樹脂組成物が、さらにポリカーボネート樹脂100重量
部に対して5重量部〜30重量部の他の熱可塑性樹脂を
含有してなるポリカーボネート樹脂組成物である上記
(1)記載のポリカーボネート樹脂成形体に関する。
【0008】(3)熱可塑性樹脂がスチレン系樹脂であ
る上記(2)記載のポリカーボネート樹脂成形体に関す
る。
【0009】さらには(4)スチレン系樹脂が、ABS
樹脂である上記(3)記載のポリカーボネート樹脂成形
体に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、最大流動長/平均肉厚
比(L/t)が120以上であり、かつ成形体の1ゲー
ト当たりの樹脂充填容積が100ml以上である大型成
形体に関するものである。このような大型成形体におい
ては、成形加工時において樹脂に対する熱負荷の影響が
大きくなり,ポリカーボネート樹脂の物性低下が生じ易
く、特に酸化チタンが存在する組成物では物性低下が顕
著にみられるものである。本発明においては、ポリカー
ボネート樹脂として、分子中の末端水酸基濃度10モル
%以上を有し、粘度平均分子量が1.6×10〜2.
2×10の樹脂を使用することにより、酸化チタンの
分散性が良好で、従来の一般のポリカーボネート樹脂に
使用される添加量よりも少ない量の酸化チタン添加によ
り光線遮蔽性を十分に確保することができ、機械的物性
の低下、特に耐衝撃強度の低下を抑制し、満足できる耐
衝撃性を有する大型成形体を製造することができる。
【0011】本発明に使用されるポリカーボネート樹脂
は、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸結合を導入し得る
化合物すなわちカーボネート前駆体とを溶融状態で反応
させるいわゆる溶融法により製造されるポリカーボネー
ト樹脂であり、分子中の末端水酸基濃度が少なくとも1
0モル%であり、かつ粘度平均分子量が1.6×10
〜2.2×10であるポリカーボネート樹脂である。
【0012】芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例え
ば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシー
3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフェニル)フェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシ−ジ
フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフ
ェニルジスルホン、ビス{(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシ)フェニル}スルホン、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシフェニルエ
ーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロ
ジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5
−ジエトキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルケトン等が例示される。これらの芳香族
ジヒドロキシ化合物は単独あるいは2種以上を混合して
用いることができ、必要に応じて共重合体として使用す
ることもできる。
【0013】カーボネート前駆体としては、カーボネー
トエステルなどが使用され、具体的には、例えば、ジフ
ェニルカーボネート、置換ジフェニルカーボネート、ジ
メチルカーボネート、ジトリルカーボネート、ジ−t−
ブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート等
が例示される。これらは単独または2種以上を混合して
用いることができる。これらのうち好ましくはジフェニ
ルカーボネート、置換ジフェニルカーボネートである。
【0014】上記の芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボ
ネート前駆体とを溶融法によって反応させポリカーボネ
ート樹脂を製造する際には、一般的には触媒が使用さ
れ、また必要に応じて末端停止剤などが使用される。上
記の触媒としては、例えば、アルカリ金属化合物、アル
カリ土類金属化合物、ホウ素系化合物、アミン系化合
物、アンモニウム化合物、あるいは燐系化合物等が使用
される。これらは1種または2種以上を混合して使用す
ることができる。触媒の使用量は、通常、芳香族ジヒド
ロキシ化合物に対して10-9〜10-3モル、好ましくは
10-7〜10-6モルである。
【0015】アルカリ金属化合物としては、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリ
ン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸
リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチ
ウム、水素化ホウ素カリウム、フェニル化ホウ素ナトリ
ウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リ
ン酸水素2カリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水
素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、フェニル
リン酸2カリウム、フェニルリン酸2リチウム、ビスフ
ェノールAの2ナトリウム塩、ビスフェノールAの2カ
リウム塩、ビスフェノールAの2リチウム塩、フェノー
ルのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が例示さ
れる。
【0016】またアルカリ土類金属化合物としては、例
えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウ
ム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸水素バリウム、炭酸
水素マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチ
ウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸ストロンチ
ウム等が例示される。
【0017】ホウ素系化合物としては、例えば、テトラ
メチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホ
ウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、
トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ
素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ
素、トリブチルメチルホウ素、トリブチルベンジルホウ
素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ
素、ベンジルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニル
ホウ素等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カ
ルシウム塩、マグネシウム塩等が例示される。
【0018】アミン系化合物としては、例えば、4−ア
ミノピリジン、2‐アミノピリジン、N,N‐ジメチル‐
4‐アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2
−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、2−ジ
エチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾー
ル、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−
メチルイミダゾール等が例示される。
【0019】アンモニウム化合物としては、例えば、テ
トラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチル
アンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアンモニ
ウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロ
キサイド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキサイ
ド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、
トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリ
メチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチ
ルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルベ
ンジルアンモニウムヒドロキサイド、テトラフェニルア
ンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリフェニルアン
モニウムヒドロキサイド、等のアンモニウムヒドロキサ
イド類、あるいはテトラメチルアンモニウムボロハライ
ド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレー
ト、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート
等の塩基性塩類が例示される。
【0020】またリン系化合物としては、例えば、トリ
エチルホスフィン、トリ‐n‐プロピルホスフィン、ト
リイソプロピルホスフィン、トリ‐N‐ブチルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、
トリフェニルホスファイト等が例示される。これらの触
媒のうち、実用的には、通常アルカリ金属化合物あるい
はアルカリ土類金属化合物が安価であり一般に用いられ
る。
【0021】さらに必要に応じて使用される末端停止剤
としては、フェノール、p−t−ブチルフェノール、p
−クミルフェノール等のフェノール類、あるいはp−t
−ブチルフェニルフェニルカーボネート、p−t−ブチ
ルフェニルカーボネート、p−クミルフェニルカーボネ
ート、p−クミルフェニルフェニルカーボネート、ビス
(クロロフェニル)カーボネート、ビス(ブロモフェニ
ル)カーボネート、ビス(ニトロフェニル)カーボネー
ト、クロロフェニルフェニルカーボネート、ブロモフェ
ニルフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネート、
2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネー
ト、2−エトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネ
ート等のカーボネート類が例示される。なお、本発明に
おけるポリカーボネート樹脂は、三官能以上の多官能性
芳香族化合物を共重合した分岐化ポリカーボネート樹
脂、または芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を
共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよ
く、またポリカーボネート樹脂を2種以上混合した混合
物であってもよい。
【0022】本発明に使用されるポリカーボネート樹脂
は、分子中の水酸基濃度が少なくとも10モル%、好ま
しくは12モル%以上、更に好ましくは15モル%以上
であることが望ましい。分子中の水酸基濃度の上限は特
に限定されないが、高濃度になると、耐熱色相安定性、
耐加水分解性が低下する傾向があるため、80モル%以
上は好ましくない。また水酸基濃度が10モル%を下回
る場合には、酸化チタンの分散性が低下するうえに、目
的とする不透明着色による隠蔽性を確保するために酸化
チタンの添加量を多くしなければならず成形体の耐衝撃
強度が低下し好ましくない。
【0023】分子中の末端水酸基濃度は、四塩化チタン
/酢酸法(Makromol. Chem. ,88,215 (1965)に記載の
方法)により、比色定量を行ってOH基量を求め、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(東ソー(株)
製、HLC−8020)(溶離液はテトラヒドロフラン
を用いた)によりポリカーボネート換算して数平均分子
量(Mn)を算出し、OH基濃度(mol%)を算出し
た。
【0024】また、本発明におけるポリカーボネート樹
脂は粘度平均分子量1.6×10〜2.2×10
範囲にあるものが使用される。粘度平均分子量が1.6
×10を下回る低分子量のものである場合には、得ら
れる成形体の強度が低く好ましくない。一方粘度平均分
子量が2.2×10を超える分子量のものでは、成形
性が低下し、成形時の熱負荷が大きくなり良好な大型成
形体を製造することができず好ましくない。したがっ
て、粘度平均分子量は、好ましくは1.7×10
2.2×10、更に好ましくは1.8×10〜2.
1×10である。
【0025】粘度平均分子量は、ウベローデ粘度計を用
い、塩化メチレン中20℃の極限粘度[η]を測定し、
下記の式より求めた。
【0026】
【数1】 [η]=1.11×10−4×(Mv)0.83
【0027】本発明におけるポリカーボネート樹脂組成
物は、ポリカーボネート樹脂の光線遮蔽性を確保するた
めに酸化チタンが添加される。酸化チタンの添加量は許
容できる範囲内で少ない方が成形時の熱負荷の影響を少
なくできるので好ましく、特に成形時の熱負荷が大きい
大型成形体においては物性低下を極力抑制するという観
点から少ない方が好ましい。本発明においては酸化チタ
ンの添加量は、通常、大型成形体の不透明着色による光
線遮蔽を行う場合を考慮し、2mm厚における全光線透
過率が5%となるように酸化チタンの添加量を決定し
た。本発明においては、酸化チタンの添加量は、ポリカ
ーボネート樹脂100重量部に対して、0.1〜1.0
重量部の範囲で光線遮蔽性を確保することができる。酸
化チタンの添加量が0.1重量部未満の場合には、光線
遮蔽性を確保することができず、1.0重量部を超える
添加量では、得られる成形体の耐衝撃性が低下するなど
の物性に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0028】本発明に使用される酸化チタンの平均粒子
径は好ましくは0.1〜0.7μm、さらに好ましくは
0.1〜0.4μmである。平均粒子径が0.1μm未
満では光線遮蔽性に劣り、0.7μmを超えるものでは
成形体の表面平滑性が劣り、また機械的強度の低下を起
こしたりし好ましくない。酸化チタンの製造法は硫酸法
と塩酸法があるが、硫酸法で製造された酸化チタンは、
添加した樹脂組成物の白度の点において劣り、塩酸法で
製造されたものが好ましい。また、酸化チタンの結晶形
態はルチル型とアナターゼ型があるが、耐光性の点から
ルチル型が好ましい。また、本発明に使用される酸化チ
タンは、アルミナ水和物、珪酸水和物から選ばれた1種
以上の化合物で表面処理された酸化チタンが好ましい。
本発明で使用される酸化チタンの表面処理剤としては、
珪酸水和物系のものが熱安定性を向上させるので好まし
い。具体的には、ポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ンで、下記構造式(1)、(2)および(3)で示され
る構造単位を有する化合物である。
【0029】
【化1】
【0030】
【化2】
【0031】
【化3】
【0032】表面処理方法は、湿式法と乾式法とがあ
り、(1)湿式法は、ポリオルガノハイドロジェンシロ
キサンと溶剤の混合物に、表面処理された酸化チタンを
加え、撹拌後脱溶剤を行う。さらにその後、100〜3
00℃で熱処理される。(2)乾式法は、酸化チタンと
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンをヘンシェルミ
キサーなどで混合するか、ポリオルガノハイドロジェン
シロキサンの有機溶液を酸化チタンに噴霧して付着さ
せ、100〜300℃で熱処理される。
【0033】本発明のポリカーボネート樹脂組成物に
は、所望により、さらに酸化チタン以外の着色用顔料や
染料を本発明の目的を損なわない範囲で添加することが
できる。酸化チタン以外の顔料としては、酸化物顔料、
水酸化物顔料、硫化物顔料、フェリシアン化物顔料、ク
ロム酸塩顔料、ケイ素塩顔料、炭酸塩顔料、硫酸塩顔
料、リン酸塩顔料、金属粉顔料、カーボンブラック等の
無機顔料が挙げられる。酸化物顔料としては、亜鉛華、
チタンイエロー、亜酸化銅、ベンガラ、鉛丹、酸化クロ
ム、コバルトブルー、鉄黒等が例示される。水酸化物顔
料としては、アルミナホワイト、黄色酸化鉄、ビリジア
ンなどが例示される。硫化物顔料としては、硫化亜鉛、
リトポン、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、朱
などが例示される。フェロシアン化物顔料としては、紺
青などが例示される。クロム酸塩顔料としては、黄鉛、
ジンククロメート、モリブデンオレンジ、等が例示され
る。ケイ素酸顔料としては、ホワイトカーボン、クレ
ー、タルク、群青等が例示される。炭酸塩顔料として
は、炭酸カルシウム、鉛白、などが例示される。硫酸塩
顔料としては、沈降性硫酸ベリウム、バライド粉などが
例示される。リン酸塩顔料は、マンガンバイオレットが
例示される。また金属粉顔料としては、アルミニウム
粉、ブロンズ粉、亜鉛粉末等が例示される。またカーボ
ンブラックは、チャンネルブラック、サーマルブラッ
ク、アセチレンブラック、ランプブラックなどが例示さ
れる。これらの着色用無機顔料は、乾燥粉のままで樹脂
に分散使用することができる。さらに、ドライカラー、
顆粒状カラー、潤性カラー、マスターバッチ、カラーチ
ップ、ペーストカラー、リキッドカラーなどの加工顔料
化して樹脂に分散させ使用することもできる。
【0034】その他上記無機顔料以外の樹脂着色用染料
も使用することができ、例えば、アゾ染料、アントラキ
ノン染料、フタロシアン染料、インジゴ染料、チオイン
ジゴ染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン
染料、ポリメチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染
料、アクリジン染料、キノンイミン染料、シアニン染
料、キノリン染料、ニトロ染料、ナフトキノン染料、ペ
リレン染料、等の有機染料を使用することができる。ま
たニトロ顔料、ニトロソ顔料、染付けレーキ、アゾ顔
料、フタロシアニン顔料、縮合多環顔料、金属錯塩顔
料、蛍光顔料、などの有機顔料も使用することができ
る。
【0035】本発明のポリカーボネート樹脂組成物には
さらに他の熱可塑性樹脂を、ポリカーボネート樹脂10
0重量部に対して5〜30重量部の範囲で配合すること
ができる。熱可塑性樹脂の配合量が5重量部より少ない
場合には配合の目的の一つである流動性の改良が十分に
達成されず、一方30重量部を超える配合量は耐熱性等
のポリカーボネート樹脂本来の物性を損なう虞があり好
ましくない。
【0036】他の熱可塑性樹脂は、所望する物性等によ
り適宜選択可能であるが、例えば、スチレン系樹脂が好
適に使用される。該スチレン系樹脂としては、スチレン
モノマーを必須成分とし、アクリロニトリル、ブタジエ
ン、アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル
などの共重合用モノマーや、ポリブタジエン、ポリイソ
プレン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルゴムなど
を用いて重合、共重合させたもの、またはこれらのスチ
レン系樹脂にポリブタジエン、ポリイソブチレン、スチ
レン−プロピレン−ブタジエン系共重合体ゴム、ポリス
チレン−ポリブタジエン−ポリスチレン共重合体ゴム、
ポリスチレン‐ポリブタジエン‐ポリスチレン共重合体
ゴム、アクリル酸エステル系コア−シェルポリマーなど
を配合してなる樹脂組成物であり、具体的には、ポリス
チレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン(HIP
S)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS)、メチ
ルメタクリレート‐スチレン樹脂(MS)、アクリロニ
トリル‐ブタジエン‐スチレン樹脂(ABS樹脂)、メ
チルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂(MB
S樹脂)、エチレン−プロピレン−ジエンモノマーから
のエラストマーを含有したスチレン‐アクリロニトリル
樹脂(EPDM‐SAN,AESなど)アクリル酸エステル系コア
−シェルポリマーを含有したスチレン‐アクリロニトリ
ル樹脂やメチルメタクリレート‐スチレン樹脂(MAS樹
脂)等が挙げられる。これらの中でも、ポリスチレン、
ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニ
トリル‐スチレン樹脂(AS樹脂)、メチルメタクリレー
ト−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)、アクリロ
ニトリル‐ブタジエン‐スチレン樹脂(ABS樹脂)が
好ましい。
【0037】さらに、本発明のポリカーボネート樹脂組
成物には、所望に応じて従来から使用される熱安定剤、
酸化防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、難燃剤、滑
剤、離型剤、有機または無機充填材、流動改質材等、そ
の他の樹脂添加材などを、本発明の目的を損なわない範
囲で使用することができる。
【0038】また、本発明におけるポリカーボネート樹
脂組成物の調製法は、特に制限されるものではなく、所
定のポリカーボネート樹脂と酸化チタンとを、または所
定のポリカーボネート樹脂および他の熱可塑性樹脂と酸
化チタンを、その他必要に応じて添加剤などを、バンバ
リーミキサー、ロールミル、押出機などを用いて機械的
に混合することにより行なわれる。得られたポリカーボ
ネート樹脂組成物は、射出成形等の通常の成形法により
成形体とすることができる。
【0039】本発明における大型形成体の用途は、例え
ば、パソコン、ワープロ、コピー機、プリンター等のOA
機器のハウジングや部品、テレビ、ビデオ、洗濯機、電
気掃除機、電気乾燥機等の家電製品のハウジングや部
品、自動車用部品、光学機器のボデイーやハウジング等
々が挙げられる。
【0040】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げて説明するが、
本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものでは
ない。尚、実施例、比較例に使用したポリカーボネート
樹脂は下記の通りである。 PC−a:粘度平均分子量(Mv):21000、末端
水酸基濃度:15モル% PC−b:Mv:19000、末端水酸基濃度:16モ
ル% PC−c:Mv:15000、末端水酸基濃度:15モ
ル% PC−d:Mv:20100、末端水酸基濃度:50モ
ル% PC−e:Mv:20500、末端水酸基濃度:3モル
% (PC:ポリカーボネート樹脂)また、酸化チタンの添
加量は、通常大型成形体の不透明着色を行う場合を考慮
し、2mm厚における光線透過率5%を基準にして添加
量を決定した。
【0041】光線透過率は、日本電色工業(株)製、濁
度計NDH2000を用い、JISK7361に準拠し
て光源D65で、2mm厚の板にて測定した。
【0042】面衝撃強度の測定は、落錘式衝撃試験機フ
ラクトビス(チャスト社製)を使用し、測定温度23℃
で、負荷衝撃エネルギーは500Jとし、試験用板を口
径80mmの試験支持台に固定し、先端20mm径の半
球型落錘を使用した。落錘が試験用板を打ち抜く際の吸
収エネルギーを測定した。
【0043】実施例1 PC−aに酸化チタンSR−1(堺化学工業(株)製)
を添加し、日本製鋼所製の2軸押出機TEX30により
シリンダー温度280℃、200rpm、吐出量10k
g/hで混練しPC組成物を得た。この組成物を「組成
物a」とする。尚、酸化チタンの添加量は、厚さ2mm
の成形品の全光線透過率が5%となる量で、PC−aに
対して0.92重量%であった。該組成物aを三菱重工
業(株)製550MM成形機により100mm×200
mm×厚さ2mm平板を(1点ピンゲート、(径1.5
mm、以下同じ))評価金型Aにより280℃で成形
し,図1の破線で示した位置で測定用試験片(100m
m×100mm×2mm)を切り出し面衝撃強度を測定
した。また、上記の組成物aを200mm×300mm
×2mm平板を(1点ピンゲート)評価金型Bにより上
記と同温度で成形し,図2の破線で示した位置で測定用
試験片(100mm×100mm×2mm)を切り出し
面衝撃強度を測定した。評価金型Aによる試験片の面衝
撃強度を100としたときの評価金型Bによる試験片に
おける面衝撃強度の百分率比は94であった。また30
0mm×300mm×2mm平板を(1点ピンゲート)
評価金型Cにより成形し,図3の破線で示した位置で測
定用試験片(100mm×100mm×2mm)を切り
出し、面衝撃強度を測定した。評価金型Aによる試験片
の面衝撃強度を100としたときの評価金型Cによる試
験片における面衝撃強度の百分率比は92であった。
尚、参考値として、上記と同一の組成物aを、最大流動
長/平均肉厚比(L/t)が152であり、樹脂充填容
積が60mlの100mm×300mm×2mm平板を
(1点ピンゲート)評価金型Dにより成形し,図4破線
で示した位置で測定用試験片(100mm×100mm
×2mm)を切り出し、面衝撃強度を測定した。評価金
型Aによる試験片の面衝撃強度を100としたときの評
価金型Dによる試験片における面衝撃強度の百分率比は
99であった。また上記と同一の組成物aを、最大流動
長/平均肉厚比(L/t)が111であり、樹脂充填容
積が80mlの200mm×200mm×2mm平板を
(1点ピンゲート)評価金型Eにより成形し,図5破線
で示した位置で測定用試験片(100mm×100mm
×2mm)を切り出し、面衝撃強度を測定した。評価金
型Aによる試験片の面衝撃強度を100としたときの評
価金型Eによる試験片における面衝撃強度の百分率比は
97であった。
【0044】実施例2 実施例1におけるPC−aに変えてPC−bを用いた場
合は、全光線透過率を5%とするには酸化チタンをPC
−bに対して0.90重量%必要とした。このPC組成
物を「組成物b」とする。組成物bを用いて実施例1と
同様に面衝撃強度測定用の試験片を作製し面衝撃強度を
測定した。評価金型Aによる試験片の面衝撃強度を10
0としたときの評価金型Bによる試験片の面衝撃強度の
百分率比は92であった。尚、参考値として、組成物b
を実施例1と同様に評価金型Dによる試験片を作製し面
衝撃強度を測定した。評価金型Aによる試験片の面衝撃
強度を100としたときの評価金型Dによる試験片の面
衝撃強度の百分率比は95であった。
【0045】実施例3 実施例1におけるPC−aに変えてPC−dを用いた場
合は、全光線透過率を5%とするには酸化チタンをPC
−dに対して0.88重量%必要とした。このPC組成
物を「組成物d」とする。組成物dを用いて実施例1と
同様に面衝撃強度測定用の試験片を作製し面衝撃強度を
測定した。評価金型Aによる試験片の面衝撃強度を10
0としたときの評価金型Bによる試験片の面衝撃強度の
百分率比は90であった。尚、参考値として、組成物d
を実施例1と同様に評価金型Dによる試験片を作製し面
衝撃強度を測定した。評価金型Aによる試験片の面衝撃
強度を100としたときの評価金型Dによる試験片の面
衝撃強度の百分率比は96であった。
【0046】比較例1 実施例1におけるPC−aに変えてPC−eを使用し
た。全光線透過率5%とするにはPC−eに対して酸化
チタンを1.15重量%を必要とした。このPC組成物
を「組成物e」とする。組成物eを用いて実施例1と同
様に面衝撃強度測定用の試験片を作製し面衝撃強度を測
定した。評価金型Aによる試験片の面衝撃強度を100
としたときの評価金型Bによる試験片の面衝撃強度の百
分率比は82であった。また評価金型Cによる試験片の
面衝撃強度の百分率比は72であった。尚、参考値とし
て、組成物eを実施例1と同様に評価金型Dによる試験
片を作製し面衝撃強度、評価金型Eによる試験片の面衝
撃強度を測定した。評価金型Dによる試験片の面衝撃強
度は82、評価金型Eによる試験片の面衝撃強度は72
であった。
【0047】比較例2 実施例1におけるPC−aに変えてPC−cを使用し
た。全光線透過率5%とするにはPC−cに対して酸化
チタンを0.90重量%を必要とした。このPC組成物
を「組成物c」とする。組成物cを用いて実施例1と同
様に面衝撃強度測定用の試験片を作製し面衝撃強度を測
定した。評価金型Aによる試験片の面衝撃強度を100
としたときの評価金型Bによる試験片の面衝撃強度の百
分率比は50であった。なお、参考値として、組成物c
を評価金型Dにより成形した試験片の面衝撃強度は評価
金型Aによる試験片の面衝撃強度を100としたときの
面衝撃強度の百分率比は35であった。以上の結果を表
1にまとめて示す。
【0048】
【表1】
【0049】実施例4 PC−a72重量部、ABS樹脂「サンタックAT−0
5」(日本A&L社製)18重量部、リン酸エステル系難
燃剤「FP500」(旭電化工業(株)製)10重量部
からなる組成物に酸化チタン「SR−1」(堺化学工業
(株)製)を添加し、(株)日本製鋼所製2軸押出機T
EX30を使用しシリンダー温度250℃、200rp
m、吐出量10kg/hで混練し、PC組成物を得た。こ
れを「組成物f」とする。尚、酸化チタンの添加量は、
組成物fを用いて厚さ2mmの成形品とした場合の全光
線透過率が5%となるには、組成物fに対して0.88
重量%を必要とした。該組成物fを用い実施例1で使用
したと同様の成形機により、成形温度250℃で実施例
1と同様に、評価金型Aによる成形品を成形し、実施例
1と同様の面衝撃測定用試験片を作製した。また実施例
1と同様に、評価金型Bによる成形品を成形し実施例1
と同様の面衝撃測定用試験片を作製した。評価金型Aに
よる試験片の面衝撃強度を100としたときの評価金型
Bによる試験片の面衝撃強度の百分率比は95であっ
た。なお、参考値として、組成物fを用いて評価金型D
により試験片を作製し、面衝撃強度を測定したところ、
評価金型Aによる試験片の面衝撃強度を100としたと
きの評価金型Dによる試験片の面衝撃強度の百分率比は
100であった。
【0050】比較例3 実施例4におけるPC−aに変えてPC−eを使用し
た。全光線透過率5%とするにはPC−eに対して酸化
チタンを1.09重量%を必要とした。このPC組成物
を「組成物g」とする。組成物gを用いて実施例1と同
様に面衝撃強度測定用の試験片を作製し面衝撃強度を測
定した。評価金型Aによる試験片の面衝撃強度を100
としたときの評価金型Bによる試験片の面衝撃強度の百
分率比は78であった。なお、参考値として、組成物g
を評価金型Dにより成形した試験片の面衝撃強度は評価
金型Aによる試験片の面衝撃強度を100としたときの
面衝撃強度の百分率比は98であった。以上の結果を表
2にまとめて示す。
【0051】
【表2】
【0052】上記の結果から、 (1)実施例1の場合、評価金型BおよびCによる大型
成形体の面衝撃強度は評価金型Aによる大型成形体の面
衝撃強度の94%、および92%であり、大型成形体の
場合でも面衝撃強度の低下が小さい。 (2)実施例2の場合、評価金型Bによる大型成形体の
面衝撃強度は、評価金型Aによる大型成形体の面衝撃強
度の92%であり、大型成形体の場合でも面衝撃強度の
低下が小さい。 (3)実施例3の場合、評価金型Bによる大型成形体の
面衝撃強度は、評価金型Aによる大型成形体の面衝撃強
度の90%であり、大型成形体の場合でも面衝撃強度の
低下が小さい。 (4)比較例1の場合、評価金型BおよびCによる大型
形成体の面衝撃強度は、評価金型Aによる大型成形体の
面衝撃強度の82%であり、大型成形体の場合面衝撃強
度の低下が大きい。 (5)比較例2の場合、評価金型Bによる大型成形体の
面衝撃強度は、評価金型Aによる大型成形体の面衝撃強
度の35%であり、大型成形体の場合面衝撃強度の低下
が大きい。 (6)実施例4の場合、評価金型Bによる大型成形体の
面衝撃強度は、評価金型Aによる大型成形体の面衝撃強
度の95%であり、大型成形体の場合でも面衝撃強度の
低下は小さい。 (7)比較例3の場合、評価金型Bによる大型成形体の
面衝撃強度は、評価金型Aによる大型成形体の面衝撃強
度の78%であり、大型成形体の場合面衝撃強度の低下
が大きい。 (8)いずれの例においても参考値として評価金型Dま
たはEによる成形体の値を示した。これらの成形体は本
発明で規定する大型成形体とは異なる。この場合、実施
例1,2,3と比較例1との比較、および実施例4と比
較例3との比較では、基準値である評価金型Aによる成
形体の面衝撃強度に対するそれぞれの金型による成形体
の面衝撃強度の低下の程度は差異が小さい。一方、大型
成形体である評価金型BまたはCを用いた場合はそれら
の比較における差異が顕著である。
【0053】
【発明の効果】本発明の特定のポリカーボネート樹脂を
使用することにより、酸化チタンの分散性が良好で、従
来一般に使用される添加量よりも少ない量で酸化チタン
添加による光線遮蔽性(不透明着色)を十分に確保する
ことができ、機械的物性、特に耐衝撃性を損なうことな
く、従来困難であった大型成形体を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
図1〜図5は本発明の面衝撃性を評価するためのモデル
金型を示す。
【図1】本発明の面衝撃性を評価する基準値の評価金型
Aの上面図を示す。
【図2】評価金型Bの上面図を示す。
【図3】評価金型Cの上面図を示す。
【図4】評価金型Dの上面図を示す。
【図5】評価金型Eの上面図を示す。
【符号の説明】
1 樹脂充填用ピンゲート 2 面衝撃試験用試験片切り出し部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA12X AA22 AA22X AA34X AA50 AA75 AA76 AA81 AB18 AE22 AF23 AH11 AH12 AH16 BA01 BB05 BC03 4F206 AA13 AA28 AB11 AH18 AH42 JA07 JN11 4J002 BB152 BC032 BC052 BC062 BC072 BN142 BN152 BP012 CG001 CG011 CG021 DE136 FB096 FD090 FD206 GN00 GP00 GQ00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中の末端水酸基濃度が少なくとも10
    モル%であり、かつ粘度平均分子量が1.6×10
    2.2×10であるポリカーボネート樹脂100重量
    部に、酸化チタン0.1重量部〜1.0重量部を分散さ
    せてなるポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られ
    る成形体であって、最大流動長/平均肉厚の比が120
    以上であり、1ゲート当たりの樹脂充填容積が100m
    l以上であるポリカーボネート樹脂成形体。
  2. 【請求項2】請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成
    物が、さらにポリカーボネート樹脂100重量部に対し
    て5重量部〜30重量部の他の熱可塑性樹脂を含有して
    なるポリカーボネート樹脂組成物である請求項1記載の
    ポリカーボネート樹脂成形体。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂がスチレン系樹脂である請求
    項2記載のポリカーボネート樹脂成形体。
  4. 【請求項4】スチレン系樹脂が、ABS樹脂である請求
    項3記載のポリカーボネート樹脂成形体。
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