JP2002322070A - 血液ろ過方法 - Google Patents

血液ろ過方法

Info

Publication number
JP2002322070A
JP2002322070A JP2001129176A JP2001129176A JP2002322070A JP 2002322070 A JP2002322070 A JP 2002322070A JP 2001129176 A JP2001129176 A JP 2001129176A JP 2001129176 A JP2001129176 A JP 2001129176A JP 2002322070 A JP2002322070 A JP 2002322070A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood
product
filter
platelet
filtration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001129176A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Fukuda
達也 福田
Morikazu Miura
司和 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Medical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Medical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Medical Co Ltd filed Critical Asahi Medical Co Ltd
Priority to JP2001129176A priority Critical patent/JP2002322070A/ja
Priority to PCT/JP2002/004201 priority patent/WO2002087660A1/ja
Priority to AT02722812T priority patent/ATE530212T1/de
Priority to EP02722812A priority patent/EP1382357B1/en
Priority to US10/475,987 priority patent/US7217365B2/en
Publication of JP2002322070A publication Critical patent/JP2002322070A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】全血製剤及び濃厚血小板製剤や多血小板製剤等
の血液製剤から、白血球を選択的に除去し、血小板回収
率を安定して高めることができる、血液ろ過方法の提
供。 【解決手段】フィルターに血液製剤を満たした後、所定
時間、血液製剤の通液を制御し、その後血液製剤をろ過
することを特徴とする血液のろ過方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血小板及び白血球
を含む血液製剤から、白血球を選択的に除去し、血小板
を高率で回収するための血液ろ過方法に関する。より詳
しくは、本発明は、全血製剤、または、濃厚血小板製剤
あるいは多血小板血漿製剤等の血小板を多く含む血液製
剤から、白血球を選択的に除去し、血小板を高率で回収
するための血液ろ過方法に関する。本発明のろ過方法
は、血液センター等における白血球除去製剤の調整に適
した血液のろ過方法である。
【0002】
【従来の技術】輸血医学の進歩により、受血者が必要と
する成分のみを輸血する、いわゆる成分輸血が今日の輸
血医療の主流となっている。成分輸血が普及した理由と
して、受血者の負荷を軽減できること、治療効果を高め
ることができること等の利点を挙げることができる。成
分輸血に用いられている濃厚赤血球製剤、濃厚血小板製
剤、血漿製剤などの血液成分製剤は、献血によって得ら
れた全血製剤を遠心分離することによって調整されてい
る。一方、このようにして調整された血液成分製剤に
は、多量の白血球が混入しており、この混入白血球が、
輸血に伴う頭痛、吐き気、悪寒、非溶血性発熱反応など
の比較的軽微な副作用や、受血者に深刻な影響を及ぼす
アロ抗原感作、ウィルス感染、輸血後GVHDなどの重篤な
副作用を引き起こすことが明らかとなり、繊維素材や連
続気孔を有する多孔質体などのろ材を充填した白血球除
去フィルターが広く用いられるようになっている。
【0003】白血球除去フィルターを用いた白血球の除
去は、全血製剤から除去する場合と、各血液成分製剤を
調整した後に除去する場合に大別される。後者は各血液
成分製剤毎にフィルターが必要となるのに対し、前者は
1つのフィルターで全血製剤から白血球を除去し、その
後遠心分離することによって、複数種の白血球を除去し
た血液成分製剤を調整できるため、より好ましい方法と
考えられている。
【0004】特に最近では、全血製剤用バッグ、フィル
ター、及び遠心分離後に調整される各血液成分製剤用の
バッグ等が一体となり、無菌的に白血球を除去した血液
成分製剤が調整できる、いわゆるクローズドシステムが
注目され、血液センター等で使用されている(特開平1
−320064号公報等)。このようなクローズドシス
テムも含め、血液センター等での全血製剤や血液成分製
剤からのフィルターによる白血球除去は、白血球未除去
の被処理血液製剤が入っている血液バッグに白血球除去
フィルターを接続し、1〜2m程度の落差でフィルター
を通して白血球を除去し、回収バッグに回収する方法で
行われている。
【0005】さらに、近年では、全血製剤から白血球の
みを選択的に除去するだけでなく、赤血球、血漿ととも
に血小板を回収する機能を有するフィルターが開発され
つつある(Transfusion Vol.39(1999)、No.10S、Sup
plement、S541-040K、S542-040K)。このようなフィル
ターを用いて全血製剤をろ過すると、最終的に白血球を
除去した濃厚赤血球製剤、濃厚血小板製剤、血漿製剤の
3成分の血液成分製剤を調整することができる。しかし
ながら、新鮮な全血製剤に含まれている血小板は、採血
によるストレス等でやや活性化された状態にあり、フィ
ルターに粘着しやすい性質となっているので、高い血小
板回収率を安定して確保できるレベルには至っていない
のが現状である。
【0006】また、濃厚血小板製剤や多血小板血漿製剤
等の血液製剤から白血球を選択的に除去するフィルター
は市販され、血液センターや臨床現場で使用されてい
る。かかるフィルターを用いれば、粘着性の高い血小板
をある程度回収することができるものの、血液個体差等
により血小板回収率にばらつきが生じ、血小板回収率の
安定性の面にはさらなる改善の余地が残っている。即
ち、さらに高い血小板回収率を安定して確保できるろ過
方法の確立が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、この
ような従来技術の問題点を解決しようとするものであっ
て、血小板及び白血球を含む血液製剤、即ち全血製剤、
濃厚血小板製剤、多血小板血漿製剤等の血小板を多く含
む血液製剤から白血球を選択的に除去しつつ、且つ血小
板回収率を高く安定化できる血液のろ過方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】通常、血液センター等に
おいて、白血球除去製剤を調整する場合の血液製剤のろ
過は、フィルターに血液製剤を満たした後に、直ちに通
液を開始してろ過を行っている。通液を一旦低速に保持
したり、停止させるような通液制御を行うことは、ろ過
実施者を拘束するために好ましくないと考えられている
ためである。
【0009】しかしながら、本発明者らは、上記課題を
達成する血液のろ過方法について鋭意検討を行った結
果、フィルターを血液製剤でまず満たし、その後、一旦
通液を低速保持または停止させ、しかる後に血液製剤を
ろ過することによって、驚くべきことに白血球除去能を
維持しつつ、且つ血小板回収率を大幅に向上させること
ができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、以下の発明に関する。 (1)フィルターを通して血液製剤をろ過する血液のろ
過方法において、フィルターを血液製剤で満たした後、
所定時間、血液製剤の通液制御し、その後血液製剤をろ
過することを特徴とする血液のろ過方法。 (2)血液製剤の通液を1分以上低速保持するかまたは
停止させて通液制御を行う上記(1)の血液のろ過方
法。 (3)血液製剤の通液を0.2cm/分以下に制御する
ことからなる上記(1)または(2)の血液のろ過方
法。 (4)血液製剤が全血製剤である、上記(1)〜(3)
のいずれかに記載の血液ろ過方法。
【0011】血液製剤をフィルターに満たした後、一旦
通液を低速に保持したり、停止させることにより、血小
板回収性能が向上するメカニズムは不明であるが、血漿
タンパク質の影響が考えられる。即ち、血液で一旦満た
されたフィルター材料の表面はアルブミン等の血漿タン
パク質で充分に覆われていると考えられ、このような表
面は、血小板が粘着し難くなって、回収率が向上したも
のと予測される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の血液ろ過方法は、フィルターを血液製剤で満た
した後、血液製剤の通液を低速保持または停止させうる
通液制御手段を作動させることによって血液製剤の通液
を所定時間制御し、その後通液制御手段を解除すること
によって血液製剤をろ過する、血液ろ過方法である。
【0013】より具体的には、血液バッグに代表される
血液製剤の貯留部、回収部、及び血液の導入口と導出口
を有するフィルターとを、中空管状の連結管を用いて接
続し、フィルターを血液製剤で満たした後に、通液制御
手段によって一旦血液製剤の通液を低速に保持したり、
停止させ、その後に通液制御手段を解除してろ過を開始
し、白血球を除去した血液製剤を血液バッグ等の回収部
で回収する方法である。
【0014】本発明で言う「フィルターを血液製剤で満
たす」とは、フィルター導入口から血液をフィルター内
に充填し、導出口から血液が導出するまでの操作を言
う。かかる操作においては、フィルター材料全体を血液
によって湿潤させた方がより血小板回収率が向上するた
め、できるだけフィルター内に空気が残らないように血
液を満たすことが好ましい。
【0015】本発明の通液制御手段は、フィルターを血
液で満たした後に、血液の通液を低速に保持したり、停
止できる機能を有するものであれば特に限定はなく如何
なるものも使用できる。具体的には、ローラークランプ
やスライドクランプ、ロバートクランプ等のクランプ
類、鉗子等の連結管を圧縮変形できる治具類や、血液の
線速をコントロールできるポンプを挙げることができ
る。連結管を圧縮変形する治具を通液制御手段として用
いる場合には、連結管を圧縮し、開口径を小さくするこ
とによって通液を低速に制御したり、または連結管を完
全に閉塞することによって、通液を停止させることがで
きる。
【0016】ここで、「血液製剤の通液を低速に保持す
る」とは血液製剤がほとんど通液しない状態を言い、具
体的には、血液製剤の平均線速を、0cm/分を超え
0.2cm/分以下、好ましくは0cm/分を超え0.
1cm/分以下の平均線速にすることを言い、「血液製
剤の通液を停止する」とは血液製剤が全く通液しない状
態、即ち0cm/分の平均線速にすることを言う。な
お、上記した「平均線速」とは、血液の流速(mL/
分)を、血液の流れ方向に対して垂直な、血液が流れう
るフィルターの有効ろ過断面積(cm2)で除した値で
ある。フィルターの形状によっては、有効ろ過断面積が
異なる複数のフィルター材料を含み得るが、その場合
は、各フィルター材料の有効ろ過断面積の平均値を用い
る。本発明では、フィルターを血液で満たした後に、通
液を低速に保持または停止させるいずれの方法でもよい
が、操作が簡便であること、及び血小板回収率がより高
まることの理由により、停止させる方が好ましい。
【0017】本発明において、上記の通液制御手段によ
って血液の通液を低速に保持する、あるいは停止する制
御時間は1分以上が好ましい。1分未満の制御時間で
は、フィルター材料が血漿タンパクで充分に覆われ難い
ためか、血小板回収率の向上が見られないことがあるた
め好ましくない。より好ましくは5分以上300分未
満、さらには10分以上180分未満、最も好ましくは
30分以上120分未満が相応しい。
【0018】また、通液制御手段の解除は、クランプ等
による連結管の圧縮を解除して、連結管の開口径を広げ
たり、あるいは連結管の閉塞状態を解除して行えばよ
い。ポンプを用いている場合には、ポンプの設定を変更
し、0.2cm/分を超える線速域まで平均線速を高め
ればよい。
【0019】また、本発明でいう血液製剤とは、適切量
の抗凝固剤が添加される、あるいは遠心分離を施される
等の加工が施された製剤であるが、ろ過する血液製剤の
容量に特に限定はない。
【0020】ここで言う全血製剤は、ACD(アシッド
サイトレートデキストローズ)やCPD(サイトレート
・フォスフェート・デキストローズ)等の抗凝固剤を含
む、採血後3日以内、望ましくは1日以内、さらに望ま
しくは8時間以内の血液製剤が好ましい。また、全血製
剤の中でも、採血して後、フィルターでろ過するまでの
間、4℃以上30℃未満、好ましくは15℃以上25℃
未満の温度で保存された全血製剤であることがより好ま
しい。採血後3日を超えて保存された全血製剤や、4℃
以下の温度で保存された全血製剤は、含まれる血小板の
機能が低下する恐れがあるため好ましくない。また30
℃を超える温度で保存した全血製剤は、血漿タンパク質
の変性等が起こりやすく、血小板回収率の向上が見られ
ない恐れがあるため好ましくない。
【0021】また、濃厚血小板製剤や多血小板血漿製剤
は、採血した全血製剤を遠心して調整されたか、または
成分採血によって調整された血小板製剤や血漿製剤であ
り、調整後5日以内であることが好ましい。また、かか
る製剤は、調整されて後、フィルターでろ過するまでの
間は、20℃以上25℃未満の室温下で振とう保存され
たものが好ましい。調整後5日を超え、上記の温度範囲
外で保存された製剤は、血小板機能の低下等を起こす恐
れがあるため好ましくない。
【0022】本発明は、血小板と白血球を含む血液製剤
から白血球を選択的に除去し、血小板を回収するろ過方
法であるが、中でも全血製剤をろ過対象血液製剤とした
場合に特に有効であった。全血製剤は、濃厚血小板製剤
や多血小板血漿製剤に比べて含有する血小板数が少ない
ため、本発明の効果がより顕著になったと思われる。
【0023】本発明のろ過方法は、血液製剤を貯留する
貯留部、ろ過した血液製剤を回収する回収部、及び貯留
部及び回収部とフィルターとを接続する中空管状の連結
管を用いて実施されることが好ましい。また、連結管に
よる接続は、無菌接続装置(SCD)を使用して行って
も良い。
【0024】血液製剤を貯留する貯留部とは、血液を貯
留できる容器であって、血液細胞の活性化や血漿タンパ
ク質の著しい吸着や変性等を起こさないものであれば特
に限定なく如何なるものも使用できる。より具体的に
は、血液の採血及び保存に広く一般で使用されている軟
質ポリ塩化ビニル製、ポリオレフィン製の血液バッグ
や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン製の
シリンジ等を挙げることができる。
【0025】血液製剤を回収する回収部とは、血液を回
収し保存できる容器であって、血液細胞の活性化や血漿
タンパク質の著しい吸着や変性等を起こさないものであ
れば特に限定なく如何なるものも使用できる。また、回
収部は、ろ過後の血液製剤を回収後、遠心分離によって
各成分毎に回収する為の容器を少なくとも一つ以上含み
得る。より具体的には、血液の採血及び保存に広く一般
的に使用されている軟質ポリ塩化ビニル製、ポリオレフ
ィン製の血液バッグ等を挙げることができる。
【0026】中空管状の連結管とは、貯留部、白血球除
去フィルターなどを接続し、血液製剤を流すための中空
管であり、血球にダメージを与えないものであれば特に
限定はない。中でも、塩化ビニル、シリコン、ポリスル
フォン、ポリアミド、ポリエステル、ウレタン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等の有機材料が加工性に優れる
ため好ましい。
【0027】本発明で好適に使用できる白血球除去フィ
ルターとは、血液の導入口と導出口を有し、血液製剤に
混入している白血球を捕捉し、除去できるフィルター材
料を充填したフィルターであり、公知の白血球除去フィ
ルターが全て使用できる。より具体的には、ろ過後の残
存白血球濃度をろ過前の白血球濃度で除した値の対数値
(−Log(ろ過後の白血球濃度/ろ過前の白血球濃
度))を白血球除去能と定義した時に、その値が2.3
0以上、好ましくは3.00以上となるフィルターを言
う。
【0028】フィルター材料としては、繊維状媒体、ス
ポンジ状媒体等を挙げることができる。さらに、血液に
対して悪影響を与えないものであれば、フィルター材料
が血液で濡れやすくする等の目的で、親水性のポリマー
をコーティングしたり、放射線グラフト重合によって、
フィルター材料の表面を改質しても良い。
【0029】また、白血球除去フィルターに血小板の通
過機能を付与するために、血小板低粘着性材料をフィル
ター材料の表面に導入しても良い。血小板低粘着性材料
としては、特公平6−51060号や特開平1−249
063号等に記載されているような、親水性基と、アミ
ノ基またはカルボキシル基等の荷電性基を有するポリマ
ーや、ポリウレタンを好適な材料として挙げることがで
きる。
【0030】本発明の血液ろ過方法は、血液製剤を白血
球除去フィルターでろ過する方法であり、ろ過操作自体
に特に限定はない。即ち、血液バッグ等を貯留部とし
て、適切な落差を確保した後にろ過を行っても良いし、
ポンプ等を用いて一定の流量でろ過を行っても良い。
【0031】本発明のろ過方法により全血製剤をろ過し
た場合には、白血球を除去した全血製剤を得た後、公知
の遠心法によって、白血球が除去された血液成分製剤を
調整することもできる。
【0032】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【実施例1】(白血球除去フィルター)平均繊維径が
1.2μm、目付が40g/m2、厚みが0.2mmの
ポリエチレンテレフタレート製不織布と、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート(HEMA)とジメチルアミノ
エチルメタクリレート(DM)からなるランダムポリマ
ー(HEMAとDMのモル組成比は97:3。以下HM
−3と略す。)を血小板低粘着性材料として用い、実験
を行った。
【0033】(ポリマーの合成及びコーティング)HM
−3ポリマーは、エタノール中のモノマー濃度を1モル
/Lとし、開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、商品名
V−65)を1/200モル/Lの存在下、60℃で8
時間ランダム重合することによって合成した。合成した
HM−3ポリマーを、下記の操作によって不織布表面に
コーティングした。まず合成したHM−3ポリマーをエ
タノールと水の混合溶媒(重量比:エタノール/水=7
0/30)で溶解させ、濃度を7g/dLとした液を調
整した。次に不織布を直径25mmに打ち抜き、このポ
リマー液に25℃で1分間浸し、ポリカーボネート製の
ホルダーに充填し、乾燥窒素を4.5分間通気させ、そ
の後60℃で18時間、真空乾燥することによってコー
ティングした。HM−3がコーティングされた不織布を
取り出し、さらに直径20mmに打ち抜いて後、有効ろ
過断面積が1.33cm2で、血液の導入口と導出口を
有する容器に16枚充填することによってフィルターを
作製した。
【0034】(血液のろ過方法)軟質ポリ塩化ビニル製
血液バッグに採血され、室温下(20〜25℃)で2〜
3時間保存されたCPD添加全血製剤をよく混和した
後、この中から8mLの血液をシリンジ(テルモ社製、
商品名テルモシリンジ(登録商標)SS−20ESZ)
に採取した。全血製剤を含むシリンジに内径2.5mm
のポリ塩化ビニル製チューブを接続し、チューブの反対
側末端を上述したフィルターの血液導入口と接続した。
また、フィルターの血液導出口にクランプを備えた同じ
チューブを接続し、この反対側末端から導出する血液を
回収するために、軟質ポリ塩化ビニル製バッグを回収バ
ッグとして配置した。その後、全血製剤の入ったシリン
ジをよく混和し、ポンプを用いて0.68cm/分の一
定の平均線速(0.9mL/分流速)でフィルターに充
填した。フィルターの血液導出口に血液が出てきたとこ
ろでポンプを停止し、フィルターと回収バッグの間でク
ランプを用いてチューブを閉塞し、血液の通液を60分
間停止させた。その後、クランプを解除し、ポンプを再
起動させて、0.68cm/分の一定の平均線速でろ過
を行った。
【0035】(白血球除去能及び血小板回収率の測定)
ろ過前及びろ過後の白血球濃度は次の方法により測定
し、白血球除去能を算出した。ろ過前の全血製剤中の白
血球濃度は、混和して均質な状態とした全血製剤よりサ
ンプリングし、チュルク液で白血球を染色後、光学顕微
鏡を用いて測定した。ろ過後の全血製剤中の白血球濃度
は、ポリエチレン製のスピッツ管に回収した血液をサン
プリングし、アクリジンオレンジ液で漏れてきた白血球
を染色した後、蛍光顕微鏡を用いて測定した。かくして
得られたろ過前及びろ過後の白血球濃度より、次式によ
り、白血球除去能を求めた。 白血球除去能=−Log(ろ過後の白血球濃度/ろ過前
の白血球濃度)
【0036】ろ過前及びろ過後の血小板濃度は、白血球
濃度を測定した血液と同一の血液を用い、多項目自動血
球計数装置(東亜医用電子株式会社製、Sysmex
K−4500)で測定した。その後、次式により、血小
板回収率を求めた。 血小板回収率=ろ過後血小板濃度/ろ過前血小板濃度×
100(%) 以上の結果、白血球除去能は3.58、血小板回収率は
92%であった。
【0037】
【実施例2】血液の通液を停止させた時間を5分とした
以外は実施例1と同じフィルターを使用し、同じ方法で
ろ過を行った。以上の結果、白血球除去能は3.60、
血小板回収率は83%であった。
【0038】
【実施例3】血液の通液を停止させた時間を1分とした
以外は実施例1と同じフィルターを使用し、同じ方法で
ろ過を行った。以上の結果、白血球除去能は3.62、
血小板回収率は76%であった。
【0039】
【比較例1】フィルターを血液で充填した後の停止時間
を設けることなしにろ過を行った以外は実施例1と同じ
フィルターを用い、同じ方法でろ過を行った。以上の結
果、白血球除去能は3.64、血小板回収率は64%で
あった。
【0040】
【実施例4】平均繊維径が1.4μm、目付が42g/
2、厚みが0.22mmのポリプロピレンテレフタレ
ート製不織布と、HEMAとジエチルアミノエチルメタ
クリレート(DE)からなるランダムコポリマー(HE
MAとDEのモル組成比は95:5。以下HE−5と略
す。)を血小板低粘着性材料として用いて実験を行っ
た。HE−5ポリマーの合成、不織布へのコーティン
グ、及び血液のろ過は実施例1と同様の条件及び方法で
行った結果、白血球除去能は3.48、血小板回収率は
93%であった。
【0041】
【実施例5】実施例1と同様のフィルター及び全血製剤
を用い、フィルターを全血製剤で0.68cm/分の一
定の平均線速で満たした。その後、ポンプの設定を変更
して0.08cm/分の平均線速に5分間保持し、ポン
プの設定を再度変更して0.68cm/分の平均線速に
戻して、ろ過を行った。以上の結果、白血球除去能は
3.61、血小板回収率は78%であった。
【0042】
【実施例6】実施例1と同様の方法で作成した、HE−
3がコーティングされた不織布14枚を、有効ろ過断面
積が1.33cm2で、血液の導入口と導出口を有する
容器に充填することによってフィルターを作製した。C
PD添加全血製剤を遠心分離し、22〜24℃で3日
間、振とう保存した濃厚血小板製剤から8mLをシリン
ジに採取し、よく混和した後、実施例1と同様の方法で
ろ過を行った。但し、濃厚血小板製剤のフィルターへの
充填はポンプを用いて0.92cm/分の一定線速
(1.2mL/分流速)で行い、充填後に濃厚血小板製
剤の通液を30分間停止させた後、0.92cm/分の
一定の線速でろ過を行った。白血球除去能及び血小板回
収率の測定は実施例1と同じ方法で行った。以上の結
果、白血球除去能は3.20、血小板回収率は88%で
あった。
【0043】
【発明の効果】本発明の血液ろ過方法によると、全血製
剤、濃厚血小板製剤や多血小板製剤等の血小板と白血球
を含む血液製剤から白血球を選択的に除去することがで
き、血小板回収率を大幅に向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C077 AA12 BB02 GG07 JJ03 JJ16 KK10 KK13 LL02 NN02 PP07 PP08 PP12 PP13 PP14 PP15 PP16 PP29 4C087 AA03 BB34 MA66 ZC80 4D064 AA29 BQ01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルターを通して血液製剤をろ過する
    血液のろ過方法において、フィルターを血液製剤で満た
    した後、所定時間、血液製剤の通液を制御し、その後血
    液製剤をろ過することを特徴とする血液のろ過方法。
  2. 【請求項2】 血液製剤の通液を1分以上低速保持する
    かまたは停止させて通液制御を行う請求項1記載の血液
    のろ過方法。
  3. 【請求項3】 血液製剤の通液を0.2cm/分以下に
    制御することからなる請求項1または2に記載の血液の
    ろ過方法。
  4. 【請求項4】 血液製剤が全血製剤である、請求項1〜
    3のいずれかに記載の血液ろ過方法。
JP2001129176A 2001-04-26 2001-04-26 血液ろ過方法 Withdrawn JP2002322070A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001129176A JP2002322070A (ja) 2001-04-26 2001-04-26 血液ろ過方法
PCT/JP2002/004201 WO2002087660A1 (fr) 2001-04-26 2002-04-26 Procedes et dispositif de filtration du sang
AT02722812T ATE530212T1 (de) 2001-04-26 2002-04-26 Blutfiltrationsmethode
EP02722812A EP1382357B1 (en) 2001-04-26 2002-04-26 Blood filtration method
US10/475,987 US7217365B2 (en) 2001-04-26 2002-04-26 Blood filtration methods

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001129176A JP2002322070A (ja) 2001-04-26 2001-04-26 血液ろ過方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002322070A true JP2002322070A (ja) 2002-11-08

Family

ID=18977741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001129176A Withdrawn JP2002322070A (ja) 2001-04-26 2001-04-26 血液ろ過方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002322070A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7182865B2 (en) Device for separating whole blood under gravitational force
US4985153A (en) Method for separating blood into blood components, and blood components separator unit
US4197847A (en) Method and apparatus for collecting transfusable granulocytes
JP2002500931A (ja) 生物学的流体処理システム
JPH07507558A (ja) 活性化された血小板の上清の製造装置並びに該装置を用いる方法及び得られた上清
US20070275459A1 (en) Method for Preparing Cell Concentrate and Cell Composition
JPWO2002101029A1 (ja) 腎再生用細胞の分離濃縮方法
JP2002526172A (ja) 生物学的流体フィルターおよびシステム
US7217365B2 (en) Blood filtration methods
JPH114682A (ja) 有核細胞保存方法、有核細胞保存用組成物及び有核細胞分離方法
JPH01320064A (ja) 血液成分分離方法
JPH05317413A (ja) 白血球除去血液成分採取装置
JPH0725776A (ja) 白血球選択除去フィルター材
JP2002087971A (ja) 生体組織再生用細胞の分離方法及び装置
JPH0624995A (ja) 白血球捕捉材
JP2001000178A (ja) 細胞分離方法及び細胞分離装置
JP3208132B2 (ja) 血液成分分離方法
JPH08281100A (ja) 白血球除去材料
JP3459836B2 (ja) 血小板純化用フィルター
JP2002322070A (ja) 血液ろ過方法
JP3088764B2 (ja) 血液成分分離方法
JP4043094B2 (ja) 細胞分離器
JP3005019B2 (ja) 凍結保存用血液の調製キット及び調製方法
JP2004121144A (ja) 単核球の採取方法
Böck et al. Transfusion of leukocyte-depleted red cell concentrates and whole blood with a new bedside filter system

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20071106

A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080701