JP2002321910A - エアロゲル薄膜の形成方法 - Google Patents

エアロゲル薄膜の形成方法

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JP2002321910A
JP2002321910A JP2001126605A JP2001126605A JP2002321910A JP 2002321910 A JP2002321910 A JP 2002321910A JP 2001126605 A JP2001126605 A JP 2001126605A JP 2001126605 A JP2001126605 A JP 2001126605A JP 2002321910 A JP2002321910 A JP 2002321910A
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Kenji Kono
謙司 河野
Hiroshi Yokogawa
弘 横川
Masaru Yokoyama
勝 横山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明で平滑に形成することができるエアロゲ
ル薄膜の形成方法を提供する。 【解決手段】 アルコキシドと、アルコキシドの溶解性
を有する両親媒性溶剤と、アルコキシド加水分解重合用
の反応触媒とを含有して調製されたアルコキシド溶液を
用いて薄膜を形成し、しかる後にこの薄膜を超臨界乾燥
することによってエアロゲル薄膜を形成する。この際
に、溶剤と反応触媒の少なくとも一方を室温で不揮発性
のものを用いる。シリコンアルコキシド溶液から薄膜を
作製する際に溶剤や反応触媒の揮発によって急激な乾燥
が生じないようにすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断熱性、電気絶縁
性、低屈折率性、低誘電率性などにおいて優れた特性を
示すエアロゲル薄膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリカエアロゲルは、米国特許第440
2927号明細書、米国特許第4432956号明細
書、米国特許第4610863号明細書に開示されてい
るように、シリコンアルコキシド(アルコキシシランや
アルキルシリケートとも称する)を加水分解し、これを
縮重合して得られるゲル状化合物を、分散媒の存在下
で、この分散媒の臨界点以上の超臨界条件で乾燥するこ
とによって得ることができる。また、特開平5−279
011号公報、特開平7−138375号公報に開示さ
れるように、シリカエアロゲルを疎水化処理することに
よって、シリカエアロゲルの耐湿性を高め、シリカエア
ロゲルの特性が低下することを防ぐようにすることがで
きる。
【0003】そしてシリカエアロゲルは、高断熱性、高
電気絶縁性、低屈折率性、低誘電率性などの特性を有し
ており、これらの特性を利用して各種の方面に応用する
ことが期待されている。例えば、基板の表面にシリカエ
アロゲルの薄膜を形成し、このシリカエアロゲルの表面
に機能性薄膜を設けることによって、高機能性基板を作
製することができるものであり、機能性薄膜として例え
ば銅などの導電性金属薄膜を設けて回路を形成すること
によって、シリカエアロゲルの低誘電率という特性を活
かした回路基板を作製することができるものである。
【0004】そしてシリカエアロゲルを薄膜として形成
するにあたっては、アルコキシドと、アルコキシドを加
水分解重合させるアンモニアなどの反応触媒とを、メタ
ノールなどの溶剤に溶解乃至分散してアルコキシド溶液
を調製し、このアルコキシド溶液を基板の表面に薄くコ
ーティングして、この溶液中のアルコキシドを加水分解
重合反応させることによってゲル状化合物の薄膜を作製
し、さらにこのゲル状化合物の薄膜を超臨界乾燥するこ
とによって、基板上に積層した状態でシリカエアロゲル
の薄膜を形成するのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
してシリカエアロゲルの薄膜を形成するにあたって、こ
のアルコキシド溶液をコーティングして薄膜を作製する
際に、溶剤のメタノールや反応触媒のアンモニアなどが
揮発することによる急激な乾燥で、薄膜に白濁もしくは
細かいひび割れが生じ易く、このために透明で平滑なエ
アロゲル薄膜を得ることが難しいという問題があった。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、透明で平滑に形成することができるエアロゲル薄
膜の形成方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
エアロゲル薄膜の形成方法は、アルコキシドと、アルコ
キシドの溶解性を有する両親媒性溶剤と、アルコキシド
加水分解重合用の反応触媒とを含有して調製されたアル
コキシド溶液を用いて薄膜を形成し、しかる後にこの薄
膜を超臨界乾燥することによってエアロゲル薄膜を形成
するにあたって、溶剤と反応触媒の少なくとも一方が室
温で不揮発性であることを特徴とするものである。
【0008】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、室温で不揮発性でありアルコキシドの溶解性を有す
る両親媒性溶剤として、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ジアセトンアルコールから
選ばれる一種類以上のものを用いることを特徴とするも
のである。
【0009】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、室温で不揮発性の反応触媒として、フッ化アン
モニウム、アミノシラン、錫から選ばれる一種類以上の
ものを用いることを特徴とするものである。
【0010】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、50μm以下の膜厚でエアロゲル薄
膜を形成することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0012】本発明においてアルコキシド溶液は、シリ
コンアルコキシド(アルコキシシラン、アルキルシリケ
ートとも称される)と、シリコンアルコキシドを加水分
解重合させる反応触媒と、水と、溶剤を混合して調合す
ることによって調製することができる。
【0013】上記のシリコンアルコキシドとしては、特
開平5−279011号公報等で開示されている、シリ
カエアロゲルの原料として従来より公知の各種のものを
用いることができるものであり、2官能シリコンアルコ
キシド、3官能シリコンアルコキシド、4官能シリコン
アルコキシドがある。2官能シリコンアルコキシドとし
ては例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニ
ルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラ
ン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジエト
キシシラン、ジエチルジメトキシシラン等を、3官能シ
リコンアルコキシドとしては例えば、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメト
キシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトシキシラン等を、4
官能シリコンアルコキシドとしては例えば、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン等をそれぞれ挙げる
ことができる。
【0014】そして本発明においては、シリコンアルコ
キシドを加水分解重合させる反応触媒として、室温(2
5℃)で不揮発性のものを用いるのが好ましい。反応触
媒には塩酸や硫酸などといった酸性触媒と、アンモニア
やアミノシラン、フッ化アンモニウムなどといった塩基
性触媒があり、酸性触媒と塩基性触媒とで得られるシリ
カエアロゲルの微細構造が変化するといわれているが、
本発明では酸性触媒と塩基性触媒のいずれであれ、室温
で不揮発性のものが好ましい。これらの反応触媒のなか
でも、本発明は、室温で不揮発性のフッ化アンモニウ
ム、アミノシラン、錫が特に好ましく、これらは一種単
独で用いる他、複数種を併用することもできる。
【0015】また本発明において、溶剤としては、水と
相溶性を有し且つシリコンアルコキシドを溶解する両親
媒性であり、室温(25℃)で不揮発性のものを用いる
のが好ましい。このような溶剤としては、N,Nジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジアセトンア
ルコールを用いるのが好ましい。これらの溶剤は低級ア
ルコールと異なり、沸点が100℃以上であって、室温
で不揮発性の性質を持っているものである。また本発明
で使用できる室温で不揮発性の溶剤としては、これらの
他に、エチレングリコール、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエー
テル等のエチレングリコール誘導体、ジエチレングリコ
ール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジ
エチレングリコール誘導体を挙げることができるもので
あり、さらにこれらの他にも、室温で不揮発であり、ア
ルコキシドの溶解性を有する両親媒性で、超臨界乾燥の
工程において超臨界状態で液化二酸化炭素と置換される
ものであれば、特に制限されることなく使用することが
できる。溶剤は一種を単独で用いる他、複数種を併用す
ることもできる。
【0016】本発明のシリコンアルコキシド溶液におい
て、シリコンアルコキシドと、シリコンアルコキシドの
加水分解重合反応触媒と、水と、溶剤の配合比率は、シ
リコンアルコキシド100質量部に対して、シリコンア
ルコキシドの加水分解重合反応触媒を0.001〜10
質量部、水を10〜200質量部、溶剤を10〜100
0質量部の範囲に設定するのが好ましい。
【0017】そしてまずこのシリコンアルコキシド溶液
をガラス板、樹脂板、樹脂フィルムなど任意の基板の表
面に薄くコーティングして薄膜を作製する。シリコンア
ルコキシド溶液をコーティングする方法としては、スピ
ンコーティングやバーコーティングなど任意の方法を用
いることができる。このようにシリコンアルコキシド溶
液を薄くコーティングすると、シリコンアルコキシド溶
液中のシリコンアルコキシドが水と加水分解重合反応触
媒の作用で加水分解すると共に重合反応してゲル化し、
シリカ骨格からなる湿潤状態のゲル状化合物の薄膜が形
成される。このとき、例えば溶剤としてメタノールを、
反応触媒としてアンモニアを用いると、これらはいずれ
も室温で容易に揮発するので、これらの揮発による急激
な乾燥で薄膜に白濁もしくは細かいひび割れが生じ易
く、透明で平滑なシリカエアロゲル薄膜を得ることが難
しくなる。特に、スピンコーティングで薄膜を形成する
場合、回転数を上げたり回転時間を長くすると、揮発が
生じ易く、このような問題が生じ易い。
【0018】このために本発明では、溶剤及び反応触媒
として少なくとも一方が室温で不揮発性のものを用いる
ようにしたものであり、シリコンアルコキシド溶液から
薄膜を作製する際に、溶剤や反応触媒の揮発によって急
激な乾燥が生じないようにし、薄膜に白濁や細かいひび
割れが発生することを防いで、透明で平滑なシリカエア
ロゲル薄膜を得ることができるようにしたものである。
尚、本発明においては、溶剤と反応触媒として両方とも
不揮発性のものを用いるのが特に好ましい。
【0019】上記のようにしてシリコンアルコキシドの
ゲル状化合物の薄膜を形成した後、ゲル状化合物の薄膜
を超臨界乾燥するが、この超臨界乾燥に先立って、ゲル
状化合物の薄膜を疎水化処理することによって、シリカ
エアロゲル薄膜に疎水性を付与することが好ましい。こ
のように疎水性を付与した疎水性シリカエアロゲルは、
湿気や水等が浸入し難くなり、シリカエアロゲル薄膜の
屈折率や光透過性、断熱性等の性能が劣化することを防
ぐことができるものである。疎水化処理は、ゲル状化合
物の表面に存在するシラノール基の水酸基を疎水化処理
剤の官能基と反応させ、疎水化処理剤の疎水基と置換さ
せることによって疎水化するために行なうものである。
疎水化処理を行なう手法としては、特開平5−2790
11号公報、特開平7−138375号公報に開示され
ているように、例えば、疎水化処理剤を溶剤に溶解させ
た疎水化処理液中にゲル状化合物の薄膜を浸漬し、混合
するなどしてゲル内に疎水化処理剤を浸透させた後、必
要に応じて加熱して、疎水化反応を行なわせる方法があ
る。
【0020】ここで、疎水化処理剤としては、ゲル状化
合物の有するシラノール基に対して反応可能な官能基と
疎水基を有する有機シラン化合物を用いるものであり、
例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロ
キサン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメト
キシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン等を挙げるこ
とができる。
【0021】また疎水化処理に用いる溶媒としては、例
えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、キ
シレン、トルエン、ベンゼン、N,N−ジメチルホルム
アミド、ヘキサメチルジシロキサン等を挙げることがで
きるが、疎水化処理剤が容易に溶解し、かつ、疎水化処
理前のゲル状化合物が含有する溶剤と置換可能なもので
あればよく、これらに限定されるものではない。また後
の工程で超臨界乾燥が行なわれる場合、超臨界乾燥の容
易な媒体、例えばメタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、液体二酸化炭素などと同一種類もしくはそれと
置換可能なものが好ましい。
【0022】このようにゲル状化合物の薄膜を疎水化処
理した後、アルコールあるいは二酸化炭素等の溶媒(分
散媒)の存在下で、この溶媒の臨界点以上の超臨界状態
で乾燥することによって、基板の表面に積層された状態
で、シリカエアロゲルの薄膜を得ることができるもので
ある。超臨界乾燥は、例えば基板の表面のゲル状化合物
を液化二酸化炭素(50〜60気圧(5.1〜6.1M
Pa)程度)中に浸漬し、ゲル状化合物が含む溶媒の全
部又は一部をこの溶媒よりも臨界点が低い液化二酸化炭
素に置換し、この後、二酸化炭素の単独系、あるいは二
酸化炭素と溶媒との混合系の超臨界条件下で乾燥するこ
とによって、行なうことができる。
【0023】ここで、上記のようにして得られるエアロ
ゲル薄膜の膜厚は、50μm以下であることが本発明で
は好ましい。エアロゲル薄膜の厚みが薄ければ薄い程、
製膜時の揮発成分の揮発による乾燥の影響が大きく、白
濁やひび割れが生じて透明で平滑なエアロゲル薄膜を形
成することは難しいが、本発明では溶剤や反応触媒とし
て室温で不揮発性のものを用いることによって、厚みが
50μm以下のエアロゲル薄膜でも、乾燥することなく
製膜を行なうことがき、透明で平滑なエアロゲル薄膜を
形成することができるのである。従って本発明は、膜厚
が50μm以下のようなエアロゲル薄膜を形成する場合
に、特に意義が大きいものである。エアロゲル薄膜の下
限は特に設定されないが、エアロゲルが有する優れた高
断熱性、高電気絶縁性、低屈折率性、低誘電率性などの
特性を有効に発揮させるには、エアロゲル薄膜は0.1
μm以上であることが好ましく、より好ましくは1μm
以上である。
【0024】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
る。
【0025】(実施例1)テトラメトキシシランのオリ
ゴマー(コルコート社製「メチルシリケート51」)と
N,N−ジメチルホルムアミドを質量比47:85で混
合してA液を調製し、また水、フッ化アンモニウム、
N,N−ジメチルホルムアミドを質量比12:1:36
で混合してB液を調製した。
【0026】そしてA液とB液を16:17の質量比で
混合して得たシリコンアルコキシド溶液を、混合開始後
1分を経過した時点で、予め表面をアルカリ洗浄したソ
ーダガラス板の上に滴下し、スピンコーターの回転室に
このガラス板を入れ、ガラス板を回転させてガラス板の
表面にシリコンアルコキシド溶液をスピンコーティング
した。ここで、スピンコーターの回転室には予めメタノ
ールを入れてメタノール雰囲気になるようにしてあり、
またガラス板の回転は700rpmの回転数で10秒間
行なった。このようにシリコンアルコキシド溶液をスピ
ンコーティングした後、1分15秒間放置してシリコン
アルコキシドがゲル化した薄膜を得た。
【0027】次に、このゲル状の薄膜を、5分間、水と
28質量%アンモニア水とメタノールを質量比で16
2:4:640で混合した組成の養生溶液中に浸漬し、
室温で1昼夜養生した。さらにこのように養生したゲル
状の薄膜をヘキサメチルジシラザンの10質量%イソプ
ロパノール溶液中に浸漬し、疎水化処理を行なった。
【0028】次に、このように疎水化処理をした薄膜状
のゲル状化合物をイソプロパノール中へ浸漬することで
洗浄した後、高圧容器中に入れ、高圧容器内を液化炭酸
ガスで満たし、80℃、16MPa、2時間の条件で超
臨界乾燥をすることによって、ガラス板の表面に形成さ
れた膜厚20μmのシリカエアロゲル薄膜を得た。
【0029】(実施例2)テトラメトキシシランのオリ
ゴマー(コルコート社製「メチルシリケート51」)と
N,N−ジメチルホルムアミドを質量比47:85で混
合してA液を調製し、また水、28質量%アンモニア
水、N,N−ジメチルホルムアミドを質量比50:1:
95で混合してB液を調製した。
【0030】そしてA液とB液を16:17の質量比で
混合して得たシリコンアルコキシド溶液を用い、あとは
実施例1と同様にして、シリコンアルコキシド溶液から
シリコンアルコキシドがゲル化した薄膜を作製し、さら
に実施例1と同様にしてこのゲル状の薄膜に養生、疎水
化、超臨界乾燥の各処理をして、膜厚20μmのシリカ
エアロゲル薄膜を得た。
【0031】(実施例3)テトラメトキシシランのオリ
ゴマー(コルコート社製「メチルシリケート51」)と
メタノールを質量比47:81で混合してA液を調製
し、また水、フッ化アンモニウム、メタノールを質量比
12:1:30で混合してB液を調製した。
【0032】そしてA液とB液を16:17の質量比で
混合して得たシリコンアルコキシド溶液を用い、あとは
実施例1と同様にして、シリコンアルコキシド溶液から
シリコンアルコキシドがゲル化した薄膜を作製し、さら
に実施例1と同様にしてこのゲル状の薄膜に養生、疎水
化、超臨界乾燥の各処理をして、膜厚20μmのシリカ
エアロゲル薄膜を得た。
【0033】(比較例1)テトラメトキシシランのオリ
ゴマー(コルコート社製「メチルシリケート51」)と
メタノールを質量比47:81で混合してA液を調製
し、また水、28質量%アンモニア水、メタノールを質
量比50:1:81で混合してB液を調製した。
【0034】そしてA液とB液を16:17の質量比で
混合して得たシリコンアルコキシド溶液を用い、混合開
始後1分30秒、混合終了後50秒経過した時点でガラ
ス板の上に滴下するようにした他は、実施例1と同様に
して、シリコンアルコキシド溶液からシリコンアルコキ
シドがゲル化した薄膜を作製し、さらに実施例1と同様
にしてこのゲル状の薄膜に養生、疎水化、超臨界乾燥の
各処理をして、膜厚20μmのシリカエアロゲル薄膜を
得た。
【0035】上記の実施例1〜3及び比較例1で作製し
た、シリコンアルコキシドがゲル化した薄膜について、
大気中に5分間放置した後、表面の凹凸の大きさ(深
さ)を測定した。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1にみられるように、各実施例のもの
は、表面の凹凸が小さく、表面が平滑なものであった。
【0038】また、上記の実施例1〜3及び比較例1で
得たシリカエアロゲル薄膜について、その表面1mm2
あたりに存在する乾燥によるくぼみの数を測定した。結
果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】表2にみられるように、各実施例のもの
は、表面のくぼみが少なく、表面が平滑なものであっ
た。
【0041】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係るエ
アロゲル薄膜の形成方法は、アルコキシドと、アルコキ
シドの溶解性を有する両親媒性溶剤と、アルコキシド加
水分解重合用の反応触媒とを含有して調製されたアルコ
キシド溶液を用いて薄膜を形成し、しかる後にこの薄膜
を超臨界乾燥することによってエアロゲル薄膜を形成す
るにあたって、溶剤と反応触媒の少なくとも一方が室温
で不揮発性であるので、シリコンアルコキシド溶液から
薄膜を作製する際に溶剤や反応触媒の揮発によって急激
な乾燥が生じないようにすることができ、薄膜に白濁や
細かいひび割れが発生することを防いで、透明で平滑な
シリカエアロゲル薄膜を得ることができるものである。
【0042】また請求項2の発明は、室温で不揮発性で
ありアルコキシドの溶解性を有する両親媒性溶剤とし
て、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、ジアセトンアルコールから選ばれる一種類以上の
ものを用いるようにしたので、シリコンアルコキシド溶
液から薄膜を作製する際に溶剤の揮発を抑制することが
でき、急激な乾燥が生じないようにすることができるも
のである。
【0043】また請求項3の発明は、室温で不揮発性の
反応触媒として、フッ化アンモニウム、アミノシラン、
錫から選ばれる一種類以上のものを用いるようにしたの
で、シリコンアルコキシド溶液から薄膜を作製する際に
反応触媒の揮発を抑制することができ、急激な乾燥が生
じないようにすることができるものである。
【0044】また請求項4の発明は、50μm以下の膜
厚でエアロゲル薄膜を形成するようにしたものであり、
厚みが50μm以下と極薄のエアロゲル薄膜でも、乾燥
することなく製膜を行なうことができ、透明で平滑なエ
アロゲル薄膜を形成することができるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 83:02 C08L 83:02 (72)発明者 横山 勝 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA66 AA67 AG34 AH19 BA02 BB02 BB12 BC01 4G072 AA28 BB09 CC08 HH30 KK09 KK11 KK15 KK17 LL11 LL15 MM01 MM31 NN21 RR05 RR12 4J035 AA02 AB03 BA01 BA11 CA01K CA061 EA01 LA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコキシドと、アルコキシドの溶解性
    を有する両親媒性溶剤と、アルコキシド加水分解重合用
    の反応触媒とを含有して調製されたアルコキシド溶液を
    用いて薄膜を形成し、しかる後にこの薄膜を超臨界乾燥
    することによってエアロゲル薄膜を形成するにあたっ
    て、溶剤と反応触媒の少なくとも一方が室温で不揮発性
    であることを特徴とするエアロゲル薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 室温で不揮発性でありアルコキシドの溶
    解性を有する両親媒性溶剤として、N,N−ジメチルホ
    ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジアセトンアルコ
    ールから選ばれる一種類以上のものを用いることを特徴
    とする請求項1に記載のエアロゲル薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 室温で不揮発性の反応触媒として、フッ
    化アンモニウム、アミノシラン、錫から選ばれる一種類
    以上のものを用いることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のエアロゲル薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 50μm以下の膜厚で形成することを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエアロゲル
    薄膜の形成方法。
JP2001126605A 2001-04-24 2001-04-24 エアロゲル薄膜の形成方法 Pending JP2002321910A (ja)

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