JP2002321071A - メタルハニカム担体の溶接方法 - Google Patents
メタルハニカム担体の溶接方法Info
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Abstract
イザ等に使用するメタルハニカム担体における上記平板
と波板との溶接方法に係り、使用時に熱膨張差による応
力で平板と波板との接合部が剥離したり、亀裂が生じる
等のおそれのない溶接方法を提供する。 【解決手段】 金属薄板よりなる平板2と波板3とを重
ねて多重に巻回したメタルハニカム担体1の端面に、電
子ビームを渦巻き状に且つ断続的に照射することによっ
て、上記平板と波板との接触部を、非溶接部を残して溶
接接合することを特徴とする。上記電子ビームを渦巻き
状に照射する際の渦巻きのピッチは、0.1〜1.0m
mの範囲内とするのが望ましく、またメタルハニカム担
体端面における電子ビームの断続ピッチは0.1〜1.
0mmとするのが望ましい。
Description
ジンの排気浄化用キャタライザ等に使用するメタルハニ
カム担体の溶接方法に関する。更に詳しくは金属製の平
板と波板とを重ねて渦巻き状に巻回したメタルハニカム
担体における上記平板と波板との溶接方法に関するもの
である。
とを溶接する方法の一つとして、メタルハニカム担体の
端面にレーザービームを照射することにより、上記平板
と波板との接触部を溶融接合させることが知られてい
る。具体的には例えばメタルハニカム担体の端面を上に
向けて前後左右に多数並べて配置し、それらの上方から
レーザー溶接装置のヘッドを左右方法に往復移動させる
と同時に前後方向に移動走査して各メタルハニカム担体
端面の略全面にレーザービームを照射し、それによって
上記平板と波板との上記端面側における接触部の略全面
を溶融接合させるものである。
触部の略全面を溶融接合させると、自動車エンジンのキ
ャタライザ等に実際に使用した場合には、排気ガスによ
る熱応力で平板と波板との接合部が剥離する等のおそれ
がある。例えばエンジンの始動時にはハニカム内の中央
部が外周部より高温になるのに対し、通常運転からアイ
ドル運転に移行したときには、ハニカム内の中央部が外
周部よりも早く低温になり、ハニカム内の中央部と外周
部とで大きな温度差が生じる。そのため、平板と波板と
の略全面が接合されていると、熱膨張差による応力を吸
収することができず、平板と波板との接合部が剥離した
り、亀裂が生じる等のおそれがある。
タルハニカム担体の端面を部分的に覆う遮蔽部材を設け
ることによって、メタルハニカム担体の端面の一部を溶
接することなく非溶接部として残し、これによって上記
平板と波板との接合部に作用する応力を軽減することが
提案されている(例えば特開平7−80667号公報参
照)。
ような遮蔽部材を用いるものは、その製作および組付け
が面倒であると共に、レーザービームによって比較的短
時間で変形もしくは劣化するため繰り返して多数回使用
することはできない。そのため製作コストが増大する等
の問題があった。
もので、上記のような遮蔽部材を用いることなく、容易
に被溶接部を残して溶接接合することのできるメタルハ
ニカム担体の溶接方法を提供することを目的としてい
る。
め本発明によるメタルハニカム担体の溶接方法は、以下
の構成としたものである。
ねて多重に巻回したメタルハニカム担体の端面に、電子
ビームを渦巻き状に且つ断続的に照射することによっ
て、上記平板と波板との接触部を、非溶接部を残して溶
接接合することを特徴とする。この場合、上記電子ビー
ムを渦巻き状に照射する際の渦巻きのピッチは、0.1
〜1.0mmの範囲内とするのが望ましく、またメタル
ハニカム担体端面における電子ビームの断続ピッチは
0.1〜1.0mmとするのが望ましい。
ム担体の溶接方法を図に基づいて具体的に説明する。図
1(a)は本発明を適用したメタルハニカム担体の平面
図、同図(b)はその正面図、図2(a)は溶接状態の
概略構成の説明図、同図(b)はその一部の平面図、図
3(a)はメタルハニカム担体の平面図、同図(b)は
それに対応する電子ビーム照射軌跡の平面図、同図
(c)はその一部の拡大図である。
板よりなる平板2と波板3とを重ねて渦巻き状に巻回し
たものを、金属厚板よりなる外筒4内に収容配置した構
成である。上記平板2と波板3および外筒4の材質や厚
さは適宜であるが、本実施形態にいては平板2および波
板3として厚さ0.15mmのステンレス鋼板が用いら
れ、また外筒4としては厚さ1.5mmのステンレス鋼
板が用いられている。
3とを溶接するに当たっては、例えば図2に示すように
メタルハニカム担体1の一端側を上に向けて配置すると
共に、そのハニカム担体1の上方の所定距離Dだけ離れ
た位置に電子ビーム溶接機10のヘッド11を上記メタ
ルハニカム担体1の略中心部に向けて配置する。
担体1に向けて電子ビームを断続的に照射すると同時
に、溶接機10に備えられた電磁石、図の場合は4つの
電磁石12に適宜通電して上記ヘッド11から照射され
た電子ビームBを渦巻き状に回動走査するもので、図3
(b)はその電子ビームBの上記メタルハニカム担体端
面(上面)上における照射軌跡を示す。
渦巻き状に巻いたものにあっては、その巻き方向と、電
子ビームBの渦巻きの巻き方向とを互いに反対方向にす
るのが望ましく、また電子ビームBの強度は、例えばビ
ーム電力1.4kW(加速電力40kV×ビーム電流3
5mA)程度のものを用いればよい。なお最も外側の平
板2または波板3と外筒4とも同時にビーム溶接するの
が望ましく、その場合のビーム電力は4.0kW(加速
電力40kV×ビーム電流100mA)程度のものを用
いればよい。
ニカム担体端面上における渦巻きのピッチP2は図3
(a)における平板2および波板3の積層ピッチP1よ
りも小さくするのが望ましく、例えば平板2および波板
3の積層ピッチP1は通常3.8mm程度であるが、そ
れに対して上記渦巻きのピッチP2は0.1〜1.0m
m程度、より好ましくは0.5mm程度とすればよい。
また図3(c)に示すメタルハニカム担体端面上におけ
る電子ビームの断続ピッチ(ドットピッチ)P3は0.
1mm〜1.0mm程度、より好ましくは0.4mm程
度とすればよい。なお図示例は電子ビームをドット状
(点状)に照射したが、破線状に照射してもよい。
に、電子ビームを渦巻き状に且つ断続的に照射すること
によって、上記平板2と波板3とを非溶接部を残して良
好に溶接接合することができるものである。
体1の端面を上に向けて、その上方から電子ビームを照
射するようにしたが、例えばメタルハニカム担体1の端
面を横向きにして、その横方向外方から電子ビームを照
射するようにしてもよい。
ルハニカム担体1の軸線方向両端部を溶接するのが望ま
しく、この場合、両端面同時に溶接することも可能であ
り、また両端面への電子ビームを照射条件を異ならせる
こともできる。
に排気流通方向下流側の端部4bに図4に示すような絞
り加工を施し、その段部4dに平板2と波板3の端部を
当接させる、あるいは図5に示すように筒体4の下流側
端部4bにS字状もしくは直線状のストッパ5をビーム
溶接等で一体的に設けて上記平板2と波板3とを位置決
め固定するようにしてもよい。そのように構成した場合
には、排気流通方向下流側端部における平板2と波板3
との溶接、および最も外側の平板2または波板3と外筒
4との溶接を省略することができる。
渦巻き状に巻回したものに適用したが、例えば平板2と
波板3とを同心状に積層巻回したもの等にも適用でき
る。
接方法を適用した具体的な実施例について説明する。
5mmのステンレス鋼板よりなる平板2および波板3を
前記図1のように渦巻き状に巻回し、それを厚さ1.5
mmのステンレス鋼板よりなる外筒4内に収容配置した
ものを用いた。なお上記平板2および波板3の渦巻きの
ピッチP1は約0.5mmとした。
2のように上に向けて配置すると共に、そのハニカム担
体1の上方に前記の距離Dとして約30cm離して電子
ビーム溶接機10のヘッド11を、メタルハニカム担体
1の略中心部に向けて配置した。
4.0kW(加速電力40kV×ビーム電流100m
A)程度の電子ビームBを断続的に照射して最外側の平
板2と外筒4とを周方向全長にわたって溶接すると共
に、ビーム電力1.4kW(加速電力40kV×ビーム
電流35mA)程度の電子ビームBをドット状に断続的
に照射しながら溶接機10に備えられた電磁石12によ
り電子ビームBを渦巻き状に回動走査して平板2と波板
3とを溶接した。なお上記電子ビームBの渦巻き方向
は、平板2および波板3の巻き方向と反対方向にした。
またメタルハニカム担体端面上における渦巻きのピッチ
P2は0.5mm程度とし、電子ビームのメタルハニカ
ム担体端面上における断続ピッチ(ドットピッチ)P3
は約0.4mmとした。
方向両側の平板2と波板3および外筒4とを溶接したメ
タルハニカム担体を用いてキャタライザを作製し、それ
を排気量2000cm3 の自動車用エンジンの排気系
内に装着して走行距離約20000kmに相当する実車
を模した運転操作を行ったところ、上記溶接部に亀裂が
生じるようなことはなく、また溶接箇所の剥離も殆どな
く、良好に接合状態を維持できることが確認できた。
ム担体の溶接方法は、上記のようにメタルハニカム担体
1の端面に、電子ビームを渦巻き状に且つ断続的に照射
することによって、上記平板2と波板3とを非溶接部を
残して良好に溶接接合することができるもので、前記従
来のように遮蔽部材を用いる必要がないから、製作が容
易であり、熱応力による剥離や亀裂の生じるおそれの少
ないメタルハニカム担体を安価に製作出来る等の効果が
ある。
の平面図。(b)はその一部縦断正面図。
はその一部の平面図。
はそれに対応する電子ビーム照射軌跡の平面図。(c)
は電子ビーム照射軌跡の一部の拡大図。
担体の一部縦断正面図。
ニカム担体の一部縦断正面図。(b)はその底面図。
Claims (2)
- 【請求項1】 金属薄板よりなる平板と波板とを重ねて
多重に巻回したメタルハニカム担体の端面に、電子ビー
ムを渦巻き状に且つ断続的に照射することによって、上
記平板と波板との接触部を、非溶接部を残して溶接接合
することを特徴とするメタルハニカム担体の溶接方法。 - 【請求項2】 上記電子ビームを渦巻き状に照射する際
の渦巻きのピッチを0.1mm〜1.0mmとし、かつ
メタルハニカム担体の端面における電子ビームの断続ピ
ッチを0.1mm〜1.0mmとした請求項1記載のメ
タルハニカム担体の溶接方法。
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