JP2002320087A - 画像処理装置、画像処理方法、および、画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、および、画像処理プログラム

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JP2002320087A
JP2002320087A JP2001125899A JP2001125899A JP2002320087A JP 2002320087 A JP2002320087 A JP 2002320087A JP 2001125899 A JP2001125899 A JP 2001125899A JP 2001125899 A JP2001125899 A JP 2001125899A JP 2002320087 A JP2002320087 A JP 2002320087A
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Akira Tazawa
昌 田澤
Maki Suzuki
真樹 鈴木
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透過原稿上に埃,塵,傷や指紋などが存在しな
い場合の過補正を回避できる画像処理装置、画像処理方
法、および、画像処理プログラムを提供する。 【解決手段】 透過原稿11の画像を濃度情報が主体の
第1成分(例えば可視成分(h))と欠陥情報が主体の第2
成分(例えば赤外成分(i))とに分解し、第2成分の中に
存在する欠陥43a,44aを検出し、第1成分の中に
上記した欠陥43a,44aに対応する欠陥(42a,4
5a)が存在するか否かを判定し、判定の結果、第1成
分の中に上記対応する欠陥が存在する場合(42a)の
み、第1成分を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過原稿の画像の
欠陥を画像処理によって補正する画像処理装置、画像処
理方法、および画像処理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、透過原稿(例えば現像済み写
真フィルム)の画像を読み取り、その画像データを出力
する画像読取装置と、この画像読取装置に読み取り条件
などを指示して、画像読取装置から画像データを入力す
るホストコンピュータとで構成された画像処理装置が知
られている。
【0003】また、上記の画像処理装置において、透過
原稿上の埃,塵,傷や指紋などに起因する画像の欠陥(ポ
ジフィルムの場合は黒点,ネガフィルムの場合は白点)を
検出し、画像処理によって補正する技術も知られている
(例えば特開平11−98370号公報)。画像の欠陥
の検出は、通常、赤外光の特質を利用して行われる。赤
外光の透過光量が減少した箇所が欠陥として検出され
る。この技術を採用した画像処理装置では、透過原稿上
に埃,塵,傷や指紋などが存在しても、品質の高い画像を
得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
画像処理装置では、透過原稿上に埃,塵,傷や指紋などが
存在していなくても、赤外光の透過光量が減少すると、
画像の欠陥を検出してしまい、その結果、不要な補正
(過補正)を行ってしまう問題があった。
【0005】透過原稿上に埃,塵,傷や指紋などが存在し
ないにも拘わらず赤外光の透過光量が減少する原因とし
ては、透過原稿がガラスマウントやガラスホルダに保持
されているときに、ガラス面で発生するニュートンリン
グの影響が考えられる。本発明の目的は、透過原稿上に
埃,塵,傷や指紋などが存在しない場合の過補正を回避で
きる画像処理装置、画像処理方法、および、画像処理プ
ログラムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、透過原稿の画像を濃度情報が主体の第1成分と欠陥
情報が主体の第2成分とに分解する分解手段と、第2成
分の中に存在する欠陥を検出する検出手段と、第1成分
の中に、検出手段によって検出された欠陥に対応する欠
陥が存在するか否かを判定する判定手段と、判定手段に
よる判定の結果、第1成分の中に上記対応する欠陥が存
在する場合のみ、第1成分を補正する補正手段とを備え
たものである。
【0007】また、本発明の他の画像処理装置は、透過
原稿の画像を可視成分と赤外成分とに分解する分解手段
と、赤外成分の中に存在する欠陥を検出する検出手段
と、可視成分の中に、検出手段によって検出された欠陥
に対応する欠陥が存在するか否かを判定する判定手段
と、判定手段による判定の結果、可視成分の中に上記対
応する欠陥が存在する場合のみ、可視成分を補正する補
正手段とを備えたものである。
【0008】本発明の画像処理方法は、透過原稿の画像
を濃度情報が主体の第1成分と欠陥情報が主体の第2成
分とに分解する分解工程と、第2成分の中に存在する欠
陥を検出する検出工程と、第1成分の中に、検出工程で
検出された欠陥に対応する欠陥が存在するか否かを判定
する判定工程と、判定工程による判定の結果、第1成分
の中に上記対応する欠陥が存在する場合のみ、第1成分
を補正する補正工程とを備えたものである。
【0009】また、本発明の他の画像処理方法は、透過
原稿の画像を可視成分と赤外成分とに分解する分解工程
と、赤外成分の中に存在する欠陥を検出する検出工程
と、可視成分の中に、検出工程で検出された欠陥に対応
する欠陥が存在するか否かを判定する判定工程と、判定
工程による判定の結果、可視成分の中に上記対応する欠
陥が存在する場合のみ、可視成分を補正する補正工程と
を備えたものである。
【0010】本発明の画像処理プログラムは、透過原稿
の画像を濃度情報が主体の第1成分と欠陥情報が主体の
第2成分とに分解する分解手順と、第2成分の中に存在
する欠陥を検出する検出手順と、第1成分の中に、検出
手順で検出された欠陥に対応する欠陥が存在するか否か
を判定する判定手順と、判定手順による判定の結果、第
1成分の中に上記対応する欠陥が存在する場合のみ、第
1成分を補正する補正手順とをコンピュータに実行させ
るためのものである。
【0011】また、本発明の他の画像画像処理プログラ
ムは、透過原稿の画像を可視成分と赤外成分とに分解す
る分解手順と、赤外成分の中に存在する欠陥を検出する
検出手順と、可視成分の中に、検出手順で検出された欠
陥に対応する欠陥が存在するか否かを判定する判定手順
と、判定手順による判定の結果、可視成分の中に上記対
応する欠陥が存在する場合のみ、可視成分を補正する補
正手順とをコンピュータに実行させるためのものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
形態を詳細に説明する。本発明の実施形態は、請求項1
〜請求項8に対応する。本実施形態の画像処理装置10
は、図1に示すように、フィルム原稿11のカラー画像
を透過照明で読み取る画像読取装置20と、ホストコン
ピュータ30とで構成されている。フィルム原稿11
は、例えば現像済み写真フィルム(ネガフィルムまたは
ポジフィルム)であり、ガラスマウントやガラスホルダ
に保持されている。
【0013】画像読取装置20には、フィルム原稿11
の下方に、照明光源12とトーリックミラー13と反射
ミラー14とが設けられている。照明光源12は、赤色
(R)の光を発する発光ダイオード(LED)と、緑色(G)
の光を発するLEDと、青色(B)の光を発するLED
と、赤外(IR)の光を発するLEDと(何れも不図示)で
構成されている。トーリックミラー13,反射ミラー1
4は、照明光源12から射出された光をx方向(フィル
ム原稿11の幅方向)に沿った線状の光に変換する。こ
れらの照明光源12,トーリックミラー13,反射ミラー
14により、フィルム原稿11には、x方向に沿った線
状の光が照射される。
【0014】また、画像読取装置20には、フィルム原
稿11の上方に、反射ミラー15と投影レンズ16とラ
インセンサ17とが設けられている。反射ミラー15,
投影レンズ16は、フィルム原稿11からの透過光をラ
インセンサ17に投影する。ラインセンサ17は、フィ
ルム原稿11の1ラインを撮像するモノクロラインセン
サであり、x方向に沿って一次元配列された複数の受光
部と、各受光部に蓄積された電荷を転送する転送部(C
CDシフトレジスタ)とを有する。
【0015】さらに、画像読取装置20には、フィルム
原稿11を搬送する不図示の搬送手段(例えばローラ対)
が設けられている。また、この搬送手段には、モータ1
8が取り付けられている。モータ18は、ステッピング
モータである。フィルム原稿11は、モータ18の回転
に応じてy方向に微細な間隔でステップ移動する。ま
た、画像読取装置20には、CPU21と、ROM22
と、RAM23と、LEDドライバ回路24と、タイミ
ング発生回路25と、前置増幅器26と、A/Dコンバ
ータ27と、モータドライバ回路28と、インターフェ
イス29とが設けられている。
【0016】上記した照明光源12は、LEDドライバ
回路24を介してCPU21に接続されている。LED
ドライバ回路24は、CPU21の指示にしたがい、照
明光源12の各色のLEDを個別に切り替えて点灯また
は消灯する。CPU21からLEDドライバ回路24へ
の指示には、照明光源12の各色のLEDを点灯させる
順序および時間の情報が含まれる。フィルム原稿11に
は、各色のLEDの点灯順序および点灯時間に応じて、
x方向に沿った線状の光が照射される。
【0017】上記したラインセンサ17は、タイミング
発生回路25を介してCPU21に接続されると共に、
前置増幅器26とA/Dコンバータ27とを介してCP
U21に接続されている。タイミング発生回路25は、
CPU21の指示にしたがい、ラインセンサ17にタイ
ミング信号を出力する。このタイミング信号は、ライン
センサ17の各受光部に蓄積された電荷を転送させるた
めのクロック信号である。ラインセンサ17では、タイ
ミング発生回路25からのタイミング信号に基づいて各
受光部の電荷を転送し(主走査)、アナログ画像信号に変
換して前置増幅器26へ出力する。
【0018】前置増幅器26は、ラインセンサ17から
のアナログ画像信号を増幅し、A/Dコンバータ27へ
出力する。A/Dコンバータ27は、前置増幅器26で
増幅されたアナログ画像信号を所定ビット数(例えば、
8ビット)のディジタル信号に変換し、1ラインのデジ
タル画像データとしてCPU21に出力する。上記した
モータ18は、モータライバ回路28介してCPU21
に接続されている。モータドライバ回路28は、CPU
21の指示に基づいて、モータ18に駆動パルスを出力
し、モータ18を回転させる。1つの駆動パルスによ
り、モータ18を1ステップ分だけ回転させ、フィルム
原稿11をy方向に1ライン分だけ移動させることがで
きる(副走査)。
【0019】なお、CPU21は、上記したLEDドラ
イバ回路24,タイミング発生回路25,モータドライ
バ回路28を制御するに当たり、ROM22に格納され
た制御プログラムや各種データを参照する。ROM22
に格納された制御プログラムには、フィルム原稿11の
2次元画像(1画面)を読み取る手順を記載したプログ
ラムが含まれる。
【0020】また、CPU21は、A/Dコンバータ2
7から出力された1ラインのデジタル画像データをRA
M23に一旦格納すると共に、既にRAM23に格納さ
れている1ラインのデジタル画像データを並列処理によ
ってインターフェイス29に出力する。インターフェイ
ス29は、ホストコンピュータ30と通信するための回
路であり、画像読取装置20は、インターフェイス29
を介してホストコンピュータ30に接続されている。
【0021】上記したCPU21の並列処理は、ホスト
コンピュータ30からの要求に応じて実行され、並列処
理によってRAM23からインターフェイス29に出力
されたデジタル画像データは、インターフェイス29か
らホストコンピュータ30側に出力される。ホストコン
ピュータ30は、CPU31と、メモリ32と、ハード
ディスク33と、CD−ROM36を装填可能なCD−
ROMドライブ34と、インターフェイス35とで構成
されている。
【0022】インターフェイス35は、画像読取装置2
0と通信するための回路であり、ホストコンピュータ3
0は、インターフェイス35を介して画像読取装置20
に接続されている。CD−ROM36は、各種プログラ
ムやデータが保存された記憶媒体である。また、ホスト
コンピュータ30は、図示省略したが、キーボードやマ
ウスなどの入力装置および表示装置も備えている。
【0023】ホストコンピュータ30のCPU31は、
後述する各種制御を実行するに当たり、ハードディスク
33に格納された制御プログラムや各種データを参照す
る。ハードディスク33に格納された制御プログラムに
は、画像読取装置20から入力したデジタル画像データ
に対して画像処理を施す手順を記載した画像処理プログ
ラム(図2〜図5)が含まれる。
【0024】画像処理プログラム(図2〜図5)を含む制
御プログラムをハードディスク33に格納するに当たっ
ては、必要な制御プログラムを記録したコンピュータ読
み取り可能な記録媒体(例えばCD−ROM36)を用
い、この記録媒体からハードディスク33にインストー
ルすればよい。次に、上記のように構成された画像処理
装置10の動作について、図2〜図6を用いて説明す
る。図2〜図5は、ホストコンピュータ30のCPU3
1が実行する処理手順を示したフローチャートである。
図6は、画像データに対する補正処理を説明する模式図
である。
【0025】ホストコンピュータ30のCPU31は、
ユーザーがメニュー画面のスキャン釦をクリックしたこ
とに応答して、画像読取装置20にプリスキャン開始命
令を送信する(図2のステップS1)。画像読取装置20
では、ホストコンピュータ30からのプリスキャン開始
命令に応じてプリスキャンを実施し、プリスキャン画像
データをホストコンピュータ30へ送信する。プリスキ
ャン画像データは、R,G,B,IRの各画像データから
なる。
【0026】ステップS2において、ホストコンピュー
タ30のCPU31は、画像読取装置20からのプリス
キャン画像データの受信を開始し、プリスキャン画像デ
ータの全てを受信完了すると、ステップS3に進む。そ
して、受信したプリスキャン画像データに基づいて、R
画像データの最大輝度レベルRmaxと、G画像データの
最大輝度レベルGmaxと、B画像データの最大輝度レベ
ルBmaxと、IR画像データの最大輝度レベルIRmaxと
を各々検出する。
【0027】次に、CPU31は、フィルム原稿11が
ポジフィルムであるか否かを判定し(ステップS4)、ポ
ジフィルムの場合(S4がY)にはステップS5〜S8の
処理を実行し、ネガフィルムの場合(S4がN)にはステ
ップS9〜S13の処理を実行する。ステップS5〜S
8およびステップS9〜S13の処理は、本スキャン時
の蓄積時間を設定する処理である。
【0028】フィルム原稿11がポジフィルムの場合
(ステップS5〜S8)、CPU31は、ステップS3で
求めた最大輝度レベルRmax,Gmax,Bmaxのうち最も大
きいものを「可視光max」と設定し(ステップS5)、こ
の可視光maxを画像読取装置20のA/Dコンバータ2
7のフルスケール近傍に設定するため、「RGBの倍
率」を計算する(ステップS6)。
【0029】例えばA/Dコンバータ27が8ビットの
場合、フルスケールは255であるため、255と可視
光maxとの比に基づいて、RGBの倍率(=255/可
視光max)を計算する。次に、CPU31は、ステップ
S3で求めた最大輝度レベルIRmaxをA/Dコンバー
タ27のフルスケール近傍に設定するため、「IRの倍
率」を計算する。例えば、A/Dコンバータ27が8ビ
ットの場合、255とIRmaxとの比に基づいて、IR
の倍率(=255/IRmax)を計算する。
【0030】そして、CPU31は、プリスキャン時の
蓄積時間Tr',Tg',Tb'にステップS6で算出した「R
GBの倍率」を掛けると共に、プリスキャン時の蓄積時
間Tir'にステップS7で算出した「IRの倍率」を掛
けることにより、本スキャン時の蓄積時間Tr,Tg,Tb,
Tirを設定する(ステップS8)。一方、フィルム原稿1
1がネガフィルムの場合(ステップS9〜S13)、CP
U31は、ステップS3で求めた最大輝度レベルRmax,
Gmax,Bmaxの各々をA/Dコンバータ27のフルスケ
ール近傍に設定するため、「Rの倍率」と「Gの倍率」
と「Bの倍率」とを各々計算する(ステップS9〜S1
1)。
【0031】例えば、A/Dコンバータ27が8ビット
の場合、255とRmaxとの比に基づいてRの倍率(=
255/Rmax)を計算し、255とGmaxとの比に基づ
いてGの倍率(=255/Gmax)を計算し、255と
Bmaxとの比に基づいてBの倍率(=255/Bmax)を
計算する。
【0032】次のステップS12の処理は、上記したス
テップS7の処理と同じであり、「IRの倍率」が計算
される。そして、ステップS13において、CPU31
は、プリスキャン時の蓄積時間Tr',Tg',Tb',Tir'の
各々に対して「Rの倍率」,「Gの倍率」,「Bの倍
率」,「IRの倍率」を掛けることにより、本スキャン
時の蓄積時間Tr,Tg,Tb,Tirを設定する。
【0033】このようにして本スキャン時の蓄積時間T
r,Tg,Tb,Tirの設定が終了すると、CPU31は、図
3のステップS14に進み、画像読取装置20に対して
蓄積時間Tr,Tg,Tb,Tirのデータと本スキャン開始命
令とを送信する。これにより、画像読取装置20では、
ホストコンピュータ30のCPU31からの本スキャン
開始命令に応じて、線順次方式または面順次方式により
フィルム原稿11の本スキャン画像データの読み取りを
実施する。
【0034】ちなみに、線順次方式は、各ライン毎に
R,G,B,IRの4色を切り換えて読み取りを行う方式
である。面順次方式は、1色で1画面の全体を読み取
り、次に色を代えて1画面の全体を読み取ることを4色
について行う方式である。何れの方式であれ、画像読取
装置20のRAM23には、R,G,B,IRの4色の本
スキャン画像データが格納される。そして、画像読取装
置20は、これらの本スキャン画像データをホストコン
ピュータ30へ送信する。
【0035】ここで、4色の画像データの相違について
説明しておく。可視光であるR,G,Bの各画像データ
は、それぞれ、フィルム原稿11のR成分,G成分,B成
分に対応している。つまり、R,G,Bの各画像データ
は、フィルム原稿11の濃度情報を示している。一方、
フィルム原稿11は、元々、赤外光(IR)に対する受光
感度がないので、赤外光(IR)に対しては、フィルム原
稿11上で濃度差が生じない。したがって、照明光が赤
外光(IR)である場合には、ほぼ素通しに近い状態でフ
ィルム原稿11を透過し、得られる1R画像データは如
何なるフィルム原稿を持ってきてもほぼ一定の値(素通
しレベル)となる。
【0036】ところで、例えば図6(a)に示すように、
フィルム原稿11上に塵40が付着している場合、照明
光が塵40によって遮光されるため、ラインセンサ18
に到達する光量は減少する。このため、R,G,Bの3色
の照明光によって得られる画面には、図6(b)に示すよ
うに、人物像41だけでなく、暗い塵像42も写ること
になる。そして、これに対応するラインデータには、図
6(c)に示すように、人物像41に対応するデータ41
aと、塵像42に対応するデータ42aとが含まれ、デ
ータ42aの部分では、あたかもフィルム原稿11が暗
い状態(濃い状態)であるかのようになる。
【0037】これに対し、赤外光(IR)の照明光によっ
て得られる画面には、図6(d)に示すように、塵40に
対応する位置に塵像43が暗く写る。そして、これに対
応するラインデータには、図6(e)に示すように、一定
の素通しレベルV1の中に、塵像43に対応するデータ
43aが含まれる。このデータ43aは、素通しレベル
V1から大きく減衰している。
【0038】要するに、フィルム原稿11上に塵40が
付着している場合(図6(a))、可視光であるR,G,B
の照明光で得られる可視画像データ(図6(c))には「フ
ィルム原稿本来の濃度情報」に「塵や傷などによる欠陥
情報」が重畳され、IRの照明光で得られるIR画像デ
ータ(図6(e))には「塵や傷などによる欠陥情報」が反
映される。
【0039】このことから、IR画像データ(図6(e))
に基づいて、塵40の存在の有無を判定でき、塵40が
ある場合には、その塵40の存在箇所(塵像43a)を
特定することもできる(詳細は後述する)。また、塵40
がある場合、可視画像データ(図6(c))にも、IR画像
データ(図6(e))に基づいて特定した箇所に、塵40に
起因する情報(塵像42a)が含まれるので、後述する
補正処理を施すことで、あたかも塵40が存在しなかっ
たかのように補正することができる(図6(f),
(g))。
【0040】しかし、フィルム原稿11上に塵が付着し
ていない(図6(a)の部分11a参照)にも関わらず、I
R画像データ(図6(i))の中に、一定の素通しレベルV
1から大きく減衰したデータ44aが含まれることがあ
る。これは、フィルム原稿11がガラスマウントやガラ
スホルダに保持され、ガラス板に挟まれているときに、
ガラス面で発生するニュートンリングの影響によるもの
である。
【0041】この場合、可視画像データ(図6(h))に
は、IR画像データ(図6(i))に基づいて特定した箇所
45aに、塵に起因する情報(塵像)が存在しない。し
たがって、可視画像データ(図6(h))に対して、塵40
が付着しているときと同様な補正処理を施してしまう
と、図6(j)に示すように、フィルム原稿本来の濃度情
報にはない異常なデータ46aが現れてしまう(過補
正)。
【0042】このため、本実施形態の画像処理装置10
では、詳細は後述するように、IR画像データ(図6
(i))に基づいて塵などによる欠陥(43a,44a)が予
想されても、可視画像データ(図6(h))の特定した箇所
(42a,45a)において、塵に起因する情報が存在し
ない場合は、その箇所(45a)の補正を行わないように
する。その結果、図6(k)に示すように、塵40に起因
するデータ42aのみが補正された良好な可視画像デー
タが得られる。
【0043】これを実現するため、ホストコンピュータ
30のCPU31は、図3のステップS15において、
画像読取装置20からの本スキャン画像データの受信を
開始し、本スキャン画像データの全てを受信完了する
と、ステップS16に進む。本スキャン画像データは、
R画像データ,G画像データ,B画像データ,IR画像デ
ータの4種類である。
【0044】以下に説明するステップS16〜S25,
図4のステップS26〜S36,図5のステップS37
の処理は、ステップS15で得られたR画像データ,G
画像データ,B画像データの各々に対して順次に繰り返
し実行される。このため、ステップS16〜S37の処
理内容には、R画像データ,G画像データ,B画像データ
の何れかを表す名称として「可視画像データ」を用い
る。
【0045】CPU31は、まず、ステップS15で得
られたIR画像データに基づいて、次のステップS1
6,S17の処理を実行する。つまり、IR画像データ
の全画素から第mブロックの画素を選択し(ステップS
16)、選択した第mブロックの画素の中に、輝度レベ
ルが「第1基準レベル」未満の画素があるか否かを判定
する(ステップS17)。すなわち、選択した第mブロッ
クに欠陥があるか否かを判定する。第mブロックは、例
えば3×3画素からなる。
【0046】欠陥の判定基準となる「第1基準レベル」
は、フィルム原稿11に欠陥がないときの赤外透過レベ
ル(図6(e),(i)の素通しレベルV1)に相当する。
フィルム原稿11がポジフィルムの場合の第1基準レベ
ルは、図2のステップS3で算出した最大輝度レベルI
RmaxとステップS7で算出した「IRの倍率」との積
になる。フィルム原稿11がネガフィルムの場合の第1
基準レベルは、最大輝度レベルIRmaxとステップS1
2で算出した「IRの倍率」との積になる。
【0047】CPU31は、IR画像データから選択し
た第mブロックに欠陥が無い場合(ステップS17が
N)、後述するステップS18〜S25,図4のステップ
S26〜S36の処理を実行せずに、図5のステップS
37に進む。IR画像データに欠陥が無ければ、図3の
ステップS16,S17と図5のステップS37の処理
を繰り返すことになる。
【0048】そして、CPU31は、IR画像データか
ら選択した第mブロックに欠陥がある場合(ステップS
17がY)、ステップS18〜S25の処理を実行す
る。ここで、IR画像データの第mブロックに欠陥が検
出された場合、この第mブロック(3×3画素)の各画素
の輝度レベルは、例えば図7(a)に示すようになってい
る。図7(a)において、欠陥の判定基準となる「第1基
準レベル」は「255」であり、「255」未満の輝度
レベルの画素(欠陥部分)には網掛けを付してある。
【0049】既に説明したように、IR画像データに欠
陥が存在しても(図7(a)参照)、可視画像データには、
必ずしも欠陥が存在するとは限らない。図7(b)は、可
視画像データにも欠陥が存在する場合の輝度レベルを例
示した図であり、図7(c)は、可視画像データには欠陥
が存在しない場合の輝度レベルを例示した図である。C
PU31は、IR画像データから選択した第mブロック
に欠陥がある場合(図3のステップS17がY)、ステッ
プS15で得られた可視画像データに欠陥がある(図7
(b))か、または無い(図7(c))かを判定するため、次
のステップS18〜S25の処理を実行する。
【0050】ステップS18〜S25の処理対象となる
可視画像データのブロックは、可視画像データの全画素
から選択された第mブロック(3×3画素)と、この第m
ブロックを縦方向,横方向に1画素ずつ±3画素分だけ
ずらして得られる48個のブロックとである(合計49
個)。図8(a)〜図10(a)には、ステップS18〜S
25の処理対象となる49個のブロックのうち、9個の
ブロックを例示してある。図8(a)〜図10(a)におい
て、太枠A1〜A3,B1〜B3,C1〜C3で囲った箇
所(3×3画素)が処理対象となる各ブロックである。
【0051】図3のステップS18において、CPU3
1は、処理対象となる全ブロック(図8(a)〜図10
(a)参照)の中から1つのブロック(第nブロック)を
選択し、ここで選択した第nブロックと上記したIR画
像データの第mブロックとを用いて次のステップS19
〜S21の処理を実行する。まず、CPU31は、ステ
ップS19において、(可視画像データの第nブロック
の輝度レベル)−(IR画像データの第mブロックの輝度
レベル)の演算を各々の画素(9個)について実行し、
「減算レベルDpk」を算出する(k=1〜9)。
【0052】例えば、ステップS18において図8(a)
のブロックA1が可視画像データの第nブロックとして
選択された場合、ステップS19の処理を実行すること
により、図8(b)の太枠A1内に示す減算レベルDpk
(第1行は「-55」「-55」「80」,第2行は「80」「150」「80」,
第3行は「-55」「-161」「-235」)が得られる。ちなみに、
第1行の「-55」「-55」「80」は、それぞれ「-55=200-255」「-
55=200-255」「80=200-120」と求められる。
【0053】次に、図3のステップS20において、C
PU31は、ステップS19で求めた各画素の減算レベ
ルDpkの絶対値の総和(合計値Sn)を算出する。例
えば、上記した図8(b)の太枠A1内に示す減算レベル
Dpkの場合、第1行の総和は「190」、第2行の総和は
「310」、第3行の総和は「451」であり、太枠A1内の全体
の総和である合計値Snは「951」となる。
【0054】そして、CPU31は、図3のステップS
20で算出した第nブロックの合計値Snをメモリ32
に格納し(ステップS21)、処理対象となる全ブロック
(図8(a)〜図10(a)参照)に対して合計値Snの算出
(図8〜図10の(a)→(b))を終えるまで、ステップ
S18〜S22の処理を繰り返して行う。CPU31
は、可視画像データの49個のブロック全てに対して合
計値Snを算出し終えると(ステップS22がY)、次の
ステップS23に進む。
【0055】ステップS23において、CPU31は、
メモリ32に格納された49個の合計値Sn(図8(b)
〜図10(b)参照)の中から最大合計値Smaxと最小合計
値Sminとを選択し、(最大合計値Smax)−(最小合計値
Smin)の演算を行うことにより、「減算レベルDs」を
算出する。減算レベルDsは、合計値Snのばらつきの
幅を表している。
【0056】また、ステップS24において、CPU3
1は、IR画像データの「第1基準レベル」と「所定の
判定係数」との積を計算して、「判定値P」を算出す
る。所定の判定係数とは、任意に設定可能な数値であ
る。次に、CPU31は、ステップS25において、ス
テップS23で算出した減算レベルDsがステップS2
4で算出した判定値Pより大きいか否かの判定を行う。
この判定は、可視画像データの49個のブロック(図8
(a)〜図10(a)参照)の中に欠陥がある(図7(b))か
無い(図7(c))かの判定である。
【0057】減算レベルDsが判定値Pより小さい場合
(ステップS25がN)、つまり、合計値Snのばらつき
が小さい場合、CPU31は、可視画像データの49個
のブロックには欠陥がない(図7(c))と判断して、後述
する図4のステップS26〜S36の処理を実行せず
に、図5のステップS37に進む。ステップS26〜S
36の処理は、可視画像データに対する補正処理であ
る。
【0058】このように、IR画像データに欠陥があっ
ても(図3のステップS17がY,図7(a))、可視画像
データに欠陥が無ければ(ステップS25がN,図7
(c))、CPU31は、可視画像データに対する補正を
行わずに、図3のステップS16〜S25と図5のステ
ップS37の処理を繰り返すことになる。逆に、減算レ
ベルDsが判定値Pより大きい場合(ステップS25が
Y)、つまり、合計値Snのばらつきが大きい場合、C
PU31は、可視画像データの49個のブロックには欠
陥がある(図7(b))と判断して、図4のステップS26
〜S36の処理(可視画像データに対する補正処理)を
実行する。
【0059】ここでの補正処理は、可視画像データの4
9個のブロックのうち1つに対して実行される。このた
め、CPU31は、まず、ステップS26において、メ
モリ32に格納された49個の合計値Sn(図8(b)〜
図10(b)参照)の中から最小合計値Sminを選択し、こ
の最小合計値Sminのブロック(例えば図9(a)のブロ
ックB2)を補正対象のブロックとして特定する。この
補正対象のブロックは、IR画像データの第mブロック
(図7(a))に対応する可視画像データのブロックであ
る。
【0060】図6のステップS26で可視画像データの
補正対象ブロックが1つ特定されると、CPU31は、
この補正対象ブロックに対して、補正処理(ステップS
27〜S36)を実行する。まず、CPU31は、IR
画像データの第mブロック(図7(a))から1画素を選択
し(ステップS27)、この選択された画素(IR注目画
素)の輝度レベルが「第1基準レベル」未満か否かを判
定する(ステップS28)。
【0061】そして、IR注目画素の輝度レベルが「第
1基準レベル」以上の場合(ステップS28がN)、CP
U31は、可視画像データの補正対象ブロック(図9
(a)のブロックB2)の中からIR注目画素に対応する
1画素を選択し、この選択された画素(可視注目画素)
の輝度レベルをそのままメモリ32に格納して(ステッ
プS29)、ステップS36に進む。
【0062】例えば、IR注目画素が図7(a)に示す画
素P1の場合、図9(a)に示す補正対象ブロックB2の
画素P2が可視注目画素として選択され、この画素P2
の輝度レベル「200」がそのままメモリ32に格納され
る。一方、IR注目画素の輝度レベルが「第1基準レベ
ル」未満の場合(図4のステップS28がY)、CPU3
1は、このIR注目画素に対応する可視注目画素の輝度
レベルに対して、2通りの方法の何れかによって実際に
補正を行う。
【0063】例えば、IR注目画素が図7(a)に示す画
素P3の場合、図9(a)に示す補正対象ブロックB2の
画素P4が可視注目画素として選択され、この画素P4
の輝度レベル「94」に対して補正処理が施される。補正
方法を選択するため、CPU31は、図4のステップS
30において、IR注目画素の輝度レベルが「第2基準
レベル」以上であるか否かを判定する。そして、IR注
目画素の輝度レベルが「第2基準レベル」以上の場合
(ステップS30がY)、CPU31は、ステップS31
〜S33の処理を実行することにより可視注目画素を補
正する。逆に、IR注目画素の輝度レベルが「第2基準
レベル」未満の場合(ステップS30がN)、CPU31
は、ステップS34,S35の処理を実行することによ
り補正を行う。
【0064】まず、ステップS31〜S33の補正処理
について説明する。CPU31は、ステップS31にお
いて、(最大輝度レベルIRmax)/(IR注目画素の輝度
レベル)の演算を行うことにより、補正係数を求める。
この補正係数は、フィルム原稿11上の欠陥箇所(例え
ば図6(a)の塵40)において光量が減衰する割合の逆
数を示している。
【0065】次いで、CPU31は、ステップS31で
求めた補正係数を用い、(可視注目画素の輝度レベル)×
(補正係数)の演算を行うことにより、可視注目画素の輝
度レベルを補正する(ステップS32)。そして、得られ
た補正輝度レベルをメモリ32に格納し(ステップS3
3)、ステップS36に進む。例えば、IR注目画素が
図7(a)に示す画素P3の場合、補正係数は「2.125(=2
55/120)」となる。そして、可視注目画素P4(図9
(a))の輝度レベル「94」が補正係数「2.125」によって
補正され、補正輝度レベル「200」がメモリ32に格納
される。
【0066】ただし、上記の補正処理(ステップS31
〜S33)では、IR注目画素の輝度レベルが低すぎる
と、ステップS31で補正係数を算出できないため、可
視注目画素の輝度レベルを補正することもできない。こ
のため、IR注目画素の輝度レベルが「第2基準レベ
ル」未満の場合(ステップS30がN)、CPU31は、
ステップS34,S35の補間処理によって可視注目画
素の輝度レベルを補正する。
【0067】次に、ステップS34,S35の補正処理
について説明する。CPU31は、可視注目画素の輝度
レベルを周辺の画素の輝度レベルに基づいて補間し(ス
テップS34)、得られた可視注目画素の補正輝度レベ
ルをメモリ32に記録し(ステップS35)、ステップS
36に進む。
【0068】一般的には、塵や傷などが存在する箇所の
占有面積は、それほど大きくないので、その占有面積内
では、元々のフィルム原稿11での濃度差(模様)がほ
とんど無い。つまり、上記の占有面積内は、一様な絵柄
である可能性が高い。したがって、塵や傷などが存在す
る箇所(可視注目画素)において、その両側に隣接する部
分の輝度レベルを滑らかにつなぐことで、元々のフィル
ム原稿11の画像に対して違和感のない補正を行うこと
ができる。
【0069】CPU31は、上記した1組のIR注目画
素と可視注目画素とに対する処理が終了すると、ステッ
プS36において、IR画像データの第mブロックおよ
び可視画像データの補正対象ブロックの全画素に対して
処理を終了したか否かを判定し、未処理の画素が残って
いる場合には(ステップS36がN)、ステップS27に
戻って、次の画素に対して同様の処理を行う。
【0070】そして、IR画像データの第mブロックお
よび可視画像データの補正対象ブロックの全画素に対し
て処理が終了すると(ステップS36がY)、CPU31
は、図5のステップS37に進み、IR画像データの全
ブロックに対して処理が終了したか否かを判定し、未処
理のブロックが残っている場合(ステップS37がN)に
は、図3のステップS16に戻り、次のブロックに対し
て同様の処理を行う。
【0071】IR画像データの全ブロックに対して処理
が終了すると(図5のステップS37がY)、CPU31
は、R画像データ,G画像データ,B画像データの全てに
ついて処理が終了したか否かの判定を行い(ステップS
38)、未処理の可視画像データが残っている場合には
(S38がN)、図3のステップS16に戻って同様の処
理を繰り返す。
【0072】そして、R画像データ,G画像データ,B画
像データに対して処理が終了すると(ステップS38が
Y)、CPU31は、補正処理後のR画像データ,G画像
データ,B画像データに基づいてフィルム原稿11のカ
ラー画像をディスプレイに表示させる(ステップS3
9)。
【0073】以上説明したように、本実施形態の画像処
理装置10によれば、図3のステップS17において
「IR画像データに欠陥がある」と判定されても(図7
(a))、ステップS25において「可視画像データには
対応する欠陥が無い」と判定されれば(図7(c))、可視
画像データに対する補正処理(図4のステップS26〜
S36)を行わないので、フィルム原稿11上に埃,塵,
傷や指紋などが存在しない場合の過補正を回避すること
ができる。
【0074】したがって、フィルム原稿11上に存在す
る埃,塵,傷や指紋などに起因する欠陥のみが補正され、
良好なカラー画像を得ることができる。なお、上記した
実施形態では、フィルム原稿11の画像の赤外成分(I
R画像データ)には濃度情報が含まれないことを前提に
説明したが、赤外成分に多少の濃度情報が含まれていて
も、赤外成分は「欠陥情報が主体の成分」であるため、
同様の効果が得られる。
【0075】また、上記した実施形態では、赤外成分
(IR画像データ)に基づいて欠陥を検出したが、赤外成
分ではない他の色成分であっても、「画像の欠陥情報が
主体の成分」であれば、欠陥の検出に用いることがで
き、同様の効果が得られる。さらに、上記した実施形態
では、フィルム原稿11の画像を「濃度情報が主体の成
分」と「欠陥情報が主体の成分」と分解し、さらに、
「濃度情報が主体の成分」を3つの可視成分(R成分,G
成分,B成分)に分解する例を説明したが、「濃度情報が
主体の成分」を1以上の可視成分に分解する場合にも本
発明を適用できる。
【0076】また、上記した実施形態では、照明光源1
2の各色のLEDを切り替えて点灯することによりフィ
ルム原稿11の画像を色分解する例を説明したが、白色
光源と各色の透過フィルタとを用いて色分解しても良
い。また、白色光源によってフィルム原稿11の画像を
読み取り、得られた画像データに対して画像処理を施す
ことで色分解しても良い。
【0077】さらに、上記した実施形態では、補正処理
後の画像データをそのままディスプレイに表示させる処
理の例を説明したが、ユーザーにより階調変換処理が設
定されていれば、その設定に応じて画像データに階調変
換処理を施してから表示させることが好ましい。欠陥補
正の処理後に階調変換処理を行うため、欠陥補正の処理
が単純になる。
【0078】また、上記した実施形態では、IR画像デ
ータの欠陥を検出した後、直ちに、可視画像データの欠
陥の有無を判定する処理の例を説明したが、本発明はこ
の構成に限定されない。光学系の特性から、IRの結像
位置と可視光の結像位置とのずれが大きい場合には、I
R画像データの欠陥を検出した後、可視画像データの欠
陥の有無を判定する前に、IR像と可視光像との大きさ
合わせを行うことが好ましい。大きさ合わせには、周知
のフーリェ解析による方法を用いれば良い。IR像と可
視光像との大きさは、画像読取装置20での読み取りの
際に結像位置を調節することで合わせることもできる。
【0079】さらに、上記した実施形態では、ホストコ
ンピュータ30のCPU31が実行する画像処理プログ
ラム(図2〜図5)をハードディスク33に格納するに当
たって、CD−ROM36などの記録媒体を用いたが、
これに限定されない。例えば、ホストコンピュータ30
などの端末からインターネットを介してホームページに
アクセスし、画像処理プログラム(ドライバソフト,フ
ァームウェア)をハードディスク33にダウンロードし
てもよい。ダウンロードは、例えば、端末からホームペ
ージにアクセスした状態において、画面上の製品表示の
中から画像入力装置を選択(クリック)し、さらに端末の
OS環境に合致するドライバソフト,ファームウェアを
選択することにより実行される。端末とインターネット
との接続には、ダイアルアップ接続や、プロバイダとの
間の専用回線を用いた接続がある。
【0080】また、上記した実施形態では、ホストコン
ピュータ30のハードディスク33に画像処理プログラ
ム(図2〜図5)を格納する例を説明したが、メモリ32
に格納しても良い。画像読取装置20とホストコンピュ
ータ30とのインターフェイス29,35には、SCS
Iインターフェイスに限らず、他のインターフェイス
(IEEE1394、USB、パラレルなど)を使用する
ことができる。
【0081】さらに、ホストコンピュータ30のCPU
31の代わりに、画像読取装置20のCPU21を用い
て、可視画像データに対する補正処理を行っても構わな
い。この場合、CPU21が実行する画像処理プログラ
ム(図2〜図5)は、画像読取装置20のROM22に格
納しても良いし、ホストコンピュータ30のハードディ
スク33やメモリ32に格納しても良い。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
透過原稿上に埃,塵,傷や指紋などが存在しない場合の過
補正を回避するため、透過原稿の高品質な画像を常に得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の画像処理装置の全体構成図であ
る。
【図2】本実施形態の画像処理装置における処理手順を
示すフローチャートである。
【図3】本実施形態の画像処理装置における処理手順を
示すフローチャートである。
【図4】本実施形態の画像処理装置における処理手順を
示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の画像処理装置における処理手順を
示すフローチャートである。
【図6】画像データに対する補正処理を説明する模式図
である。
【図7】IR画像データに欠陥が検出された場合の各画
素の輝度レベル(a)、可視画像データに欠陥が存在する
場合の各画素の輝度レベル(b)、可視画像データに欠陥
が存在しない場合の各画素の輝度レベル(c)を例示した
図である。
【図8】可視画像データに欠陥が存在するか否かを判定
する処理の説明図である。
【図9】可視画像データに欠陥が存在するか否かを判定
する処理の説明図である。
【図10】可視画像データに欠陥が存在するか否かを判
定する処理の説明図である。
【符号の説明】
10 画像処理装置 11 フィルム原稿 12 照明光源 13 トーリックミラー 14,15 反射ミラー 16 投影レンズ 17 ラインセンサ 20 画像読取装置 30 ホストコンピュータ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/60 H04N 1/46 Z Fターム(参考) 5B057 CA01 CA08 CB01 CB08 CE17 DB02 DB06 5C062 AB03 AC02 AC61 AE03 5C072 AA01 BA19 VA03 5C077 LL19 MP08 PP15 5C079 HB01 LA12 LB01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過原稿の画像を濃度情報が主体の第1
    成分と欠陥情報が主体の第2成分とに分解する分解手段
    と、 前記第2成分の中に存在する欠陥を検出する検出手段
    と、 前記第1成分の中に、前記検出手段によって検出された
    欠陥に対応する欠陥が存在するか否かを判定する判定手
    段と、 前記判定手段による判定の結果、前記第1成分の中に前
    記対応する欠陥が存在する場合のみ、前記第1成分を補
    正する補正手段とを備えたことを特徴とする画像処理装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像処理装置におい
    て、 前記分解手段は、前記第1成分をさらに可視成分と可視
    以外の成分とに分解し、 前記判定手段は、前記可視成分の中に前記対応する欠陥
    が存在するか否かを判定し、 前記補正手段は、前記可視成分の中に前記対応する欠陥
    が存在する場合のみ、前記可視成分を補正することを特
    徴とする画像処理装置。
  3. 【請求項3】 透過原稿の画像を可視成分と赤外成分と
    に分解する分解手段と、 前記赤外成分の中に存在する欠陥を検出する検出手段
    と、 前記可視成分の中に、前記検出手段によって検出された
    欠陥に対応する欠陥が存在するか否かを判定する判定手
    段と、 前記判定手段による判定の結果、前記可視成分の中に前
    記対応する欠陥が存在する場合のみ、前記可視成分を補
    正する補正手段とを備えたことを特徴とする画像処理装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の画像処
    理装置において、 前記分解手段は、前記可視成分をさらに複数の色成分に
    分解し、 前記判定手段は、前記複数の色成分の各々の中に前記対
    応する欠陥が存在するか否かを判定し、 前記補正手段は、前記複数の色成分の少なくとも1つに
    前記対応する欠陥が存在する場合のみ、前記対応する欠
    陥が存在する色成分を補正することを特徴とする画像処
    理装置。
  5. 【請求項5】 透過原稿の画像を濃度情報が主体の第1
    成分と欠陥情報が主体の第2成分とに分解する分解工程
    と、 前記第2成分の中に存在する欠陥を検出する検出工程
    と、 前記第1成分の中に、前記検出工程で検出された欠陥に
    対応する欠陥が存在するか否かを判定する判定工程と、 前記判定工程による判定の結果、前記第1成分の中に前
    記対応する欠陥が存在する場合のみ、前記第1成分を補
    正する補正工程とを備えたことを特徴とする画像処理方
    法。
  6. 【請求項6】 透過原稿の画像を可視成分と赤外成分と
    に分解する分解工程と、 前記赤外成分の中に存在する欠陥を検出する検出工程
    と、 前記可視成分の中に、前記検出工程で検出された欠陥に
    対応する欠陥が存在するか否かを判定する判定工程と、 前記判定工程による判定の結果、前記可視成分の中に前
    記対応する欠陥が存在する場合のみ、前記可視成分を補
    正する補正工程とを備えたことを特徴とする画像処理方
    法。
  7. 【請求項7】 透過原稿の画像を濃度情報が主体の第1
    成分と欠陥情報が主体の第2成分とに分解する分解手順
    と、 前記第2成分の中に存在する欠陥を検出する検出手順
    と、 前記第1成分の中に、前記検出手順で検出された欠陥に
    対応する欠陥が存在するか否かを判定する判定手順と、 前記判定手順による判定の結果、前記第1成分の中に前
    記対応する欠陥が存在する場合のみ、前記第1成分を補
    正する補正手順とをコンピュータに実行させるための画
    像処理プログラム。
  8. 【請求項8】 透過原稿の画像を可視成分と赤外成分と
    に分解する分解手順と、 前記赤外成分の中に存在する欠陥を検出する検出手順
    と、 前記可視成分の中に、前記検出手順で検出された欠陥に
    対応する欠陥が存在するか否かを判定する判定手順と、 前記判定手順による判定の結果、前記可視成分の中に前
    記対応する欠陥が存在する場合のみ、前記可視成分を補
    正する補正手順とをコンピュータに実行させるための画
    像処理プログラム。
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