JP2002319476A - セラミックヒータ - Google Patents

セラミックヒータ

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JP2002319476A
JP2002319476A JP2001123271A JP2001123271A JP2002319476A JP 2002319476 A JP2002319476 A JP 2002319476A JP 2001123271 A JP2001123271 A JP 2001123271A JP 2001123271 A JP2001123271 A JP 2001123271A JP 2002319476 A JP2002319476 A JP 2002319476A
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JP
Japan
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heater
heating element
resistance heating
ceramic
conductor
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Application number
JP2001123271A
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English (en)
Inventor
Yasutaka Ito
康隆 伊藤
Keizo Sugimoto
圭三 杉本
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腐食性ガスに対して優れた耐蝕性を有するセ
ラミックヒータを提供すること。 【解決手段】 セラミック基板の内部に抵抗発熱体、お
よび、前記抵抗発熱体と電気的に接続する導電体が形成
されたセラミックヒータであって、前記抵抗発熱体およ
び前記導電体は、露出することなく、セラミック基板の
内部に埋設され、前記抵抗発熱体または前記導電体の周
囲には、コイルが包巻形成されてなることを特徴とする
セラミックヒータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に半導体産業に
おいて、乾燥、スパッタリング等に用いられるセラミッ
クヒータに関し、特には、半導体製造、検査用セラミッ
クヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】エッチング装置や、化学的気相成長装置
等を含む半導体製造、検査装置等においては、従来、ス
テンレス鋼やアルミニウム合金等の金属製基材を用いた
ヒータが用いられてきた。しかしながら、金属製のヒー
タでは温度制御特性が悪く、また厚みも厚くなるため重
く嵩張るという問題があった。
【0003】また、半導体製造・検査用装置では、デポ
ジション用ガス、エッチング用ガス、クリーニング用ガ
スとして塩素系ガス、フッ素系ガス等の腐食性ガスが使
用されるが、このようなヒータは、金属製であるため、
耐食性が悪く、腐食性ガスによって腐食されてしまうと
いう問題もあった。
【0004】そこで、最近では、窒化アルミニウム等の
セラミック製基板に抵抗発熱体が形成されたセラミック
ヒータが開発されている。これらのヒータでは、曲げ強
度等の機械的特性に優れるため、その厚さを薄くするこ
とができ、また、熱容量を小さくすることができるた
め、温度追従性等の諸特性に優れ、さらに、腐食性ガス
に対する耐食性も良好である。
【0005】通常、このようなセラミックヒータにおい
て、抵抗発熱体の端部には、コバール等の金属材料を用
いた外部端子が設けられており、該外部端子と電源と
が、リード線等によって接続されることによって、抵抗
発熱体に電力が供給される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、金属製の外
部端子では、腐食性ガスに対する耐食性が悪く、腐食性
ガスによって外部端子が腐食され、脱落してしまうとい
った問題が発生した。また、上記外部端子は、非常に高
温となるため、耐食性樹脂等により被覆することも困難
であった。また、リード線についても同様で、腐食性ガ
スによって腐食されてしまうというおそれがあった。
【0007】これに対し、特願平3−301897号公
報等において、セラミック基板の底面に、外部端子やリ
ード線等を格納するセラミック製の管状部材が接合され
たセラミックヒータが開示されている。このような構成
のセラミックヒータであれば、腐食性ガスが外部端子や
リード線等に触れることがないため、外部端子やリード
線が腐食されることがない。
【0008】しかしながら、上述のような構成のセラミ
ックヒータでは、セラミック基板と、セラミック製の管
状部材を接合しなければならないが、このようなセラミ
ック同士を強固に接合することは困難であり、例えば、
酸化物系ガラスで接合すると、接合部分の機械的強度に
乏しく、また熱応力や熱疲労等によって、接合部分にク
ラック等が発生し、腐食性ガスが管状部材内に入り込ん
でしまい、その結果、外部端子やリード線等が腐食され
てしまうという問題が発生した。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述した問題点に鑑み、優れた耐食性を有し、腐食性ガ
ス等の雰囲気下においても、外部端子やリード線が、腐
食されることがないセラミックヒータを得るために鋭意
研究を行った結果、セラミック基板を、抵抗発熱体が形
成されたヒータ部と、コイルが包巻され、その内部に導
電体が設けられた起電部と、上記ヒータ部と上記起電部
とを結合させる結合部とから構成するとともに、上記抵
抗発熱体および上記導電体を、上記結合部内を介して接
続して閉回路とし、上記コイルに電力を供給することに
より生じる磁場の変化によって、上記閉回路に電流を発
生させれば、外部端子およびリード線を設けることなく
抵抗発熱体に電力を供給することができるため、上記セ
ラミック基板の表面(外部)に露出する金属部分がなく
なり、腐食性ガス等によって腐食されることがないこと
を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち、本発明のセラミックヒータは、
セラミック基板の内部に抵抗発熱体、および、上記抵抗
発熱体と電気的に接続する導電体が形成されたセラミッ
クヒータであって、上記抵抗発熱体および上記導電体
は、露出することなく、セラミック基板の内部に埋設さ
れ、上記抵抗発熱体または上記導電体の周囲には、コイ
ルが包巻形成されてなることを特徴とするセラミックヒ
ータである。
【0011】本発明のセラミックヒータによれば、外部
端子およびリード線を設けることなく抵抗発熱体に電力
を供給することができるため、腐食性ガスにより腐食さ
れるおそれのあるセラミック基板の表面(外部)に露出
する金属部分がなくなる。従って、本発明のセラミック
ヒータは優れた耐食性を有し、腐食性ガス等の雰囲気下
において好適に用いることができる。
【0012】また、上記コイルは、上記抵抗発熱体また
は上記導電体の近傍のセラミック基板表面に形成されて
なることが望ましい。
【0013】さらに、上記コイルには、交流電圧または
パルス電圧が印加されることが望ましい。直流電圧であ
っても、断続的に印加するように制御を行い、磁場の変
化を生じさせて、電流を発生させることは可能である
が、交流電圧であれば、上述のような制御を行うことな
く、容易に磁場の変化を生じさせることが可能となるか
らである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のセラミックヒータは、セ
ラミック基板の内部に抵抗発熱体、および、上記抵抗発
熱体と電気的に接続する導電体が形成されたセラミック
ヒータであって、上記抵抗発熱体および上記導電体は、
露出することなく、セラミック基板の内部に埋設され、
上記抵抗発熱体または上記導電体の周囲には、コイルが
包巻形成されてなることを特徴とする。
【0015】図1は、本発明のセラミックヒータを模式
的に示す平面図であり、図2は、図1のセラミックヒー
タをを模式的に示す断面図である。図1に示したよう
に、セラミックヒータ10は、ヒータ部11a、起電部
11b、および、結合部11cが、一体的に形成された
セラミック基板11から構成されている。ヒータ部11
aは、円板形状であり、その内部には、2つの回路から
なる抵抗発熱体12(12a、12b)が形成されてい
る。抵抗発熱体12は、ヒータ部11aを均一に加熱す
るため、同心円の一部を描く円弧の繰り返しパターンか
らなる抵抗発熱体12aと抵抗発熱体12bとが、対向
して設けられている。そして、抵抗発熱体12a、12
bの端部は、それぞれ結合部11c内に延設されてい
る。
【0016】起電部11bは、平面視円環形状であり、
ヒータ部11aの外周に形成されている。また、その内
部に導電体13(13a、13b)が設けられ、導電体
13の端部は、結合部11c内に延設されている。
【0017】結合部11cは、図1に示すように、ヒー
タ部11aと起電部11bとの間に、2個形成されてお
り、各結合部に、抵抗発熱体12と導電体13の端部が
設けられている。そして、結合部11c内において、抵
抗発熱体12aおよび導電体13aの端部が接続され、
閉回路が構成されている。抵抗発熱体12bおよび導電
体13bも同様に接続されることにより、閉回路が構成
されている。従って、セラミックヒータ10には、抵抗
発熱体12aと導電体13aとからなる閉回路、およ
び、抵抗発熱体12bと導電体13aとからなる閉回路
の2つの閉回路が構成されている。なお、本発明のセラ
ミックヒータにおいて、結合部の個数は、2個に限定さ
れるものではなく、例えば、4個であってもよく、6個
であってもよい。
【0018】また、起電部11bには、コイル14(1
4a、14b)が包巻されており、コイル14には、電
力を供給する電源が接続されている。コイル14は、起
電部11bにおいて、結合部11cと接していない箇所
に包巻されるが、図1に示すように、起電部11bの一
部に包巻されていてもよく、起電部11bの略全体に包
巻されていてもよい。そして、コイル14aに電力を供
給し、コイル14aの周囲に磁場の変化を生じさせるこ
とにより、上記閉回路において、導電体13aに電流が
発生する。その電流が抵抗発熱体12aに供給されるこ
とによって、抵抗発熱体12aが発熱する。これは、抵
抗発熱体12bと導電体13aとからなる閉回路、およ
び、コイル14bについても同様である。なお、図1で
は、コイル14a、14bに、別々の電源が接続されて
いるが、同一の電源が接続されていてもよい。
【0019】そして、セラミックヒータ10が使用され
る際には、図2に示すように、その表面(外部)に金属
部分が全く形成されていないヒータ部11aのみが、容
器16内に格納され、腐食性ガス等に曝されることにな
る。従って、起電部11bは、腐食性ガス等に曝される
ことがないため、起電部11bに包巻されたコイル14
が腐食されるおそれはない。
【0020】起電部11bは、その内部に導電体13が
形成されているため、内部に抵抗発熱体12が形成され
たヒータ部11aと異なり、高温になりにくい。従っ
て、コイル14を耐食性樹脂等によって被覆し、より耐
食性を向上させることも可能である。また、起電部11
bに、水冷手段等を設け、冷却することによって、起電
部11bが高温となることを防止することも可能であ
る。
【0021】また、必要に応じて、ヒータ部11aの底
面には、ヒータ部11aの温度を測定するため、測温素
子(図示せず)を挿入する有底孔(図示せず)が形成さ
れていてもよい。このとき、予め測温素子をセラミック
製の保護管等に挿入しておくことによって、腐食性ガス
等による腐食を防止することが可能である。なお、ヒー
タ部11aの温度は、サーモビュア等を用いて測定する
ことも可能である。サーモビュア等であれば、セラミッ
クヒータ10と非接触に、かつ、遠隔からヒータ部11
aの温度を測定することが可能となるため、測温素子を
設けなくてもよい。さらに、ヒータ部11aには、必要
に応じて、半導体ウエハ29の運搬等を行うリフターピ
ン(図示せず)を挿通するための貫通孔(図示せず)が
形成されてもよい。
【0022】図1、2では、コイル14が起電部11b
に包巻されているが、コイルに代えて、起電部に導体層
を形成し、上記導体層を絶縁性被覆体によって被覆して
もよい。
【0023】図3は、このような導体層が絶縁性被覆体
によって被覆された起電部を有するセラミックヒータを
模式的に示す平面図であり、図4は、その断面図であ
る。図3に示したように、セラミックヒータ30は、セ
ラミックヒータ10と同様に、ヒータ部31a、起電部
31b、および、結合部31cが、一体的に形成された
セラミック基板30から構成されている。ヒータ部31
aは、円板形状であり、その内部には、4つの回路から
なる抵抗発熱体32(32a〜32d)が形成されてい
る。抵抗発熱体32は、ヒータ部31aを均一に加熱す
るため、同心円の一部を描く円弧の繰り返しパターンか
らなる抵抗発熱体32a〜32dが隣り合うように配置
されている。そして、抵抗発熱体32a〜32dの端部
は、それぞれ結合部31c内に延設されている。
【0024】起電部31bは、平面視円環形状であり、
ヒータ部31aの外周に形成されている。また、その内
部に導電体33(33a〜33d)が設けられ、導電体
33の端部は、結合部31c内に延設されている。
【0025】結合部31cは、ヒータ部31aと起電部
31bとの間に、等間隔に4個形成されており、各結合
部に、抵抗発熱体32と導電体33の端部が設けられて
いる。そして、結合部31c内において、抵抗発熱体3
2aおよび導電体33aの端部が接続され、閉回路が構
成されている。抵抗発熱体32b〜32dおよび導電体
33b〜33dも同様に接続されることにより、閉回路
が構成されている。従って、セラミックヒータ30に
は、4つの閉回路が構成されている。
【0026】また、起電部31bにおいて、結合部31
cと接していない箇所には、コイルに代えて、導体層3
4(34a〜34d)が螺旋状に形成されており、導体
層34の端部には、端子37を介して、電力を供給する
電源が接続されている。そして、導体層34aに電力を
供給し、導体層34aの周囲に磁場の変化を生じさせる
ことにより、上記閉回路において、導電体33aに電流
が発生する。その電流が抵抗発熱体32aに供給される
ことによって、抵抗発熱体32aが発熱する。他の3つ
の閉回路についても同様で、導体層34に電力を供給
し、磁場の変化を生じさせることにより、閉回路に電流
を発生させ、抵抗発熱体32を発熱させる。なお、図3
では、導体層34a〜34dに、別々の電源が接続され
ているが、同一の電源が接続されていてもよい。
【0027】さらに、起電部31bには、導体層34a
〜34dを覆うように、絶縁性被覆体35が形成されて
いる。また、端子37は、コイルとなる導体層34に接
続されており、高温にならないので、耐食性樹脂等を用
いて被覆することが可能である。従って、セラミックヒ
ータ30は、金属部分が全く表面(外部)に露出するこ
とがないので、図2に示したような容器等を用いて、ヒ
ータ部のみ覆うことなく、腐食性ガス雰囲気下で使用す
ることができる。また、起電部31bに、水冷手段等を
設け、冷却することによって、起電部31bが高温とな
ることを防止することも可能である。
【0028】また、必要に応じて、ヒータ部31aの底
面には、ヒータ部31aの温度を測定するため、測温素
子(図示せず)を挿入する有底孔(図示せず)が形成さ
れていてもよい。このとき、予め測温素子をセラミック
製の保護管等に挿入しておくことによって、腐食性ガス
等による腐食を防止することが可能である。なお、ヒー
タ部31aの温度は、サーモビュア等を用いて測定する
ことも可能である。サーモビュア等であれば、セラミッ
クヒータ30と非接触に、かつ、遠隔からヒータ部31
aの温度を測定することが可能となるため、測温素子を
設けなくてもよい。さらに、ヒータ部31aには、半導
体ウエハ29の運搬等を行うリフターピン(図示せず)
を挿通するための貫通孔(図示せず)が形成されていて
もよい。
【0029】本発明のセラミックヒータを構成するセラ
ミック基板は、その内部に抵抗発熱体が形成されている
円板形状のヒータ部と、該ヒータ部の外周に形成される
とともに、コイルが包巻され、その内部に導電体が設け
られた円環形状の起電部と、上記ヒータ部と上記起電部
とを結合させる結合部とからなり、これらが一体的に形
成されている。
【0030】上記セラミック基板の厚さ、すなわち、上
記ヒータ部、上記起電部および上記結合部の厚さは、2
5mm以下であることが望ましい。上記セラミック基板
の厚さが25mmを超えると温度追従性が低下するから
である。また、その厚さは、0.5mm以上であること
が望ましい。0.5mmより薄いと、セラミック基板の
強度自体が低下するため破損しやすくなる。より望まし
くは、1.5を超え5mm以下である。5mmより厚く
なると、熱が伝搬しにくくなり、加熱の効率が低下する
傾向が生じ、一方、1.5mm以下であると、セラミッ
ク基板中を伝搬する熱が充分に拡散しないため加熱面に
温度ばらつきが発生することがあり、また、セラミック
基板の強度が低下して破損する場合があるからである。
【0031】上記ヒータ部、上記起電部および上記結合
部は、一体的に形成されるが、その厚さは、全て等しい
ことが望ましい。また、上記ヒータ部、上記起電部およ
び上記結合部の上面は、水平であることが望ましく、そ
れらの底面についても、水平であることが望ましい。上
記セラミック基板の加工が容易になるからである。
【0032】上記ヒータ部は円板形状であるが、その直
径は190mmを超えるものが望ましい。大口径の半導
体ウエハを載置することができるからである。なお、上
記ヒータ部の直径は、12インチ(300mm)以上で
あることがより望ましい。次世代の半導体ウエハの主流
となるからである。
【0033】また、被加熱物である半導体ウエハ等に、
ヒータ部加熱面の温度分布の影響による温度のばらつき
が発生しないように、半導体ウエハを上記ヒータ部の加
熱面と一定距離離間して保持するため、上記ヒータ部に
は、半導体ウエハを支持する支持ピン、および、支持ピ
ンを設ける凹部が形成されていてもよい。なお、凹部に
代えて、貫通孔を形成し、支持ピンを挿入し、固定する
ことも可能である。
【0034】上記支持ピンがヒータ部の加熱面から突出
する高さは、5〜5000μmであること、すなわち、
半導体ウエハをヒータ部の加熱面から5〜5000μm
離間した状態で保持することが望ましい。5μm未満で
は、ヒータ部の温度分布の影響をうけて半導体ウエハの
温度が不均一になり、5000μmを超えると、半導体
ウエハの温度が上昇しにくくなり、特に、半導体ウエハ
の外周部分の温度が低くなってしまうからである。半導
体ウエハとヒータ部の加熱面とは5〜500μm離間す
ることがより望ましく、20〜200μm離間すること
が更に望ましい。
【0035】上記ヒータ部の外周には、平面視円環形状
の起電部が設けられているが、上記起電部の内径は、上
記ヒータ部の直径より、5〜100mm大きいことが望
ましい。5mm未満であると、ヒータ部と起電部との距
離が狭くすぎるため、製造時において、起電部に対する
コイルの包巻や、導体層の形成等が困難となり、また、
使用時において、ヒータ部のみを容器で覆うことが困難
となる。一方、100mmを超えると、必要以上にヒー
タ部と起電部とが離れて、結合部が長くなって、機械的
強度が低下してしまい、結合部に割れ等が生じるおそれ
がある。
【0036】また、上記起電部の幅、すなわち、上記起
電部の外径と内径との差を2で除した値は、2.5mm
以上であることが望ましい。2.5mm未満であると、
起電部の幅が薄過ぎるため、起電部の機械的強度が低下
し、衝撃等により、起電部に割れや欠け等が生じるおそ
れがある。なお、起電部には、水冷手段等を設け、冷却
することによって、起電部が高温となることを防止する
ことができる。その結果、起電部に包巻されるコイルが
高温にならないため、耐食性樹脂等を用いて被覆するこ
とが可能となる。
【0037】上記結合部は、図1に示すセラミック基板
11では、2個形成されており、図3に示すセラミック
基板31では、4個形成されているが、結合部の個数は
特に限定されるものではない。セラミック基板内に構成
される閉回路の回路数等に応じて、結合部の個数を選択
することができる。
【0038】上記結合部の幅は、2mm以上であること
が望ましい。2mm未満であると、結合部の機械的強度
が低下し、結合部に割れ等が生じるおそれがあるからで
ある。
【0039】また、本発明のセラミックヒータは、図2
に示すように、ヒータ部11aのみが容器16によって
格納されていることが望ましい。セラミックヒータ10
を使用する際には、ヒータ部11aの加熱面に半導体ウ
エハ29を載置し、半導体ウエハ29に塩素系ガス、フ
ッ素系ガス等の腐食性ガスを接触させた状態で加熱し
て、種々の処理を行う。従って、ヒータ部11aのみが
容器16によって格納されていると、容器16内にある
ヒータ部11aのみが、腐食性ガスに曝されるため、コ
イル14が包巻された起電部11bは、上記腐食性ガス
と接触することがない。従って,コイル14が腐食され
るおそれがない。
【0040】上記容器としては、その材料および構成と
もに、特に限定されるものではなく、半導体ウエハに行
う処理や該処理に用いられるガス等に応じて、適宜選択
することが可能である。ただし、起電部に包巻されたコ
イルから生じる磁場が、ヒータ部に形成された抵抗発熱
体に接することがないように、上記容器は、例えば、ア
ルミニウム、ステンレス、SiC等の導電体で形成され
ていることが望ましい。上記磁場が、上記抵抗発熱体に
接すると、抵抗発熱体を流れる電流の電流密度が変化
し、上記抵抗発熱体の発熱量が、場所によって変化して
しまい、ヒータ部の加熱面に温度のばらつきが発生する
おそれがあるからである。
【0041】本発明のセラミックヒータにおいて、セラ
ミック基板を形成するセラミックは、窒化物セラミック
または炭化物セラミックであることが望ましい。窒化物
セラミックや炭化物セラミックは、熱膨張係数が金属よ
りも小さく、機械的な強度が金属に比べて格段に高いた
め、セラミック基板の厚さを薄くしても、加熱により反
ったり、歪んだりしない。そのため、セラミック基板を
薄くて軽いものとすることができる。さらに、セラミッ
ク基板の熱伝導率が高く、セラミック基板自体が薄いた
め、セラミック基板の表面温度が、抵抗発熱体の温度変
化に迅速に追従する。即ち、電圧、電流値を変えて抵抗
発熱体の温度を変化させることにより、セラミック基板
の表面温度を制御することができるのである。
【0042】なお、ヒータ部、起電部および結合部は、
一体的に形成されるため、同一の組成からなるセラミッ
クによって形成されていることが望ましい。ヒータ部、
起電部および結合部に、それぞれ異なるセラミックを用
いると、それらの熱膨張率等の違いに起因して、境界に
熱応力等が集中してしまい、クラック等が発生するおそ
れがあるからである。
【0043】上記窒化物セラミックとしては、例えば、
窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタ
ン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0044】また、炭化物セラミックとしては、例え
ば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化
タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。これら
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのなかでは、窒化アルミニウムが最も好ましい。
熱伝導率が180W/m・Kと最も高く、温度追従性に
優れるからである。
【0045】また、上記セラミック基板は、焼結助剤を
含有していてもよい。上記焼結助剤としては、例えば、
アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類
酸化物等が挙げられる。これらの焼結助剤のなかでは、
CaO、Y23 、Na2 O、Li2 O、Rb2 Oが好
ましい。これらの含有量としては、0.1〜20重量%
が好ましい。また、アルミナを含有していてもよい。ま
た、セラミック基板の気孔率は、0または5%以下が好
ましい。機械的な強度が高く、絶縁性にも優れるからで
ある。
【0046】なお、セラミック基板として窒化物セラミ
ックまたは炭化物セラミック等を使用する際、必要によ
り、絶縁層を形成してもよい。窒化物セラミックは酸素
固溶等により、高温で体積抵抗値が低下しやすく、また
炭化物セラミックは特に高純度化しない限り導電性を有
しており、絶縁層を形成することにより、高温時あるい
は不純物を含有していても回路間の短絡を防止して温度
制御性を確保できるからである。
【0047】上記絶縁層としては、酸化物セラミックが
望ましく、具体的には、シリカ、アルミナ、ムライト、
コージェライト、ベリリア等を使用することができる。
このような絶縁層としては、アルコキシドを加水分解重
合させたゾル溶液をセラミック基板にスピンコートして
乾燥、焼成を行ったり、スパッタリング、CVD等で形
成してもよい。また、セラミック基板表面を酸化処理し
て酸化物層を設けてもよい。
【0048】上記絶縁層は、0.1〜1000μmであ
ることが望ましい。0.1μm未満では、絶縁性を確保
できず、、1000μmを超えると抵抗発熱体からセラ
ミック基板(ヒータ部)への熱伝導性を阻害してしまう
からである。さらに、上記絶縁層の体積抵抗率は、上記
セラミック基板の体積抵抗率の10倍以上(同一測定温
度)であることが望ましい。10倍未満では、回路の短
絡を防止できないからである。
【0049】また、上記セラミック基板は、カーボンを
含有し、その含有量は、200〜5000ppmである
ことが望ましい。セラミック基板の内部に形成された導
電体および抵抗発熱体を隠蔽することができ、また黒体
輻射を利用しやすくなるからである。
【0050】なお、上記セラミック基板は、明度がJI
S Z 8721の規定に基づく値でN6以下のもので
あることが望ましい。この程度の明度を有するものが輻
射熱量、隠蔽性に優れるからである。ここで、明度のN
は、理想的な黒の明度を0とし、理想的な白の明度を1
0とし、これらの黒の明度と白の明度との間で、その色
の明るさの知覚が等歩度となるように各色を10分割
し、N0〜N10の記号で表示したものである。そし
て、実際の測定は、N0〜N10に対応する色票と比較
して行う。この場合の小数点1位は0または5とする。
【0051】上記ヒータ部に形成される抵抗発熱体のパ
ターンについては、上記抵抗発熱体の端部が結合部まで
延設されていれば、図1および図3に示した円弧の繰り
返しパターンに限らず、例えば、同心円形状のパター
ン、屈曲線の繰り返しパターン、渦巻き状のパターン、
偏心円状のパターン等を用いることができる。また、こ
れらのパターンは、単独で形成してもよく、これらのパ
ターンを任意に組み合わせて形成してもよい。
【0052】なお、上記抵抗発熱体は、少なくとも2以
上の回路に分割されていることが望ましい。回路を分割
することにより、各回路に投入する電力を制御して発熱
量を変えることができ、半導体ウエハの加熱面の温度を
調整することができるからである。
【0053】抵抗発熱体形成層を複数層設けてもよい。
この場合は、各層のパターンは、相互に補完するように
どこかの層に抵抗発熱体が形成され、加熱面の上方から
見ると、どの領域にもパターンが形成されている状態が
望ましい。このような構造としては、例えば、互いに千
鳥の配置になっている構造が挙げられる。
【0054】抵抗発熱体の形成位置をこのように設定す
ることにより、抵抗発熱体から発生した熱が伝搬してい
くうちに、ヒータ部全体に拡散し、被加熱物(半導体ウ
エハ)を加熱する面の温度分布が均一化され、その結
果、被加熱物の各部分における温度が均一化される。
【0055】上記抵抗発熱体の厚さは、1〜50μmが
好ましい。また、上記抵抗発熱体の幅は、50〜200
00μmが好ましい。抵抗発熱体は、その幅や厚さによ
り抵抗値に変化を持たせることができるが、上記した範
囲が最も実用的である。
【0056】抵抗発熱体は、断面形状が矩形であっても
楕円であってもよいが、偏平であることが望ましい。偏
平の方が加熱面に向かって放熱しやすいため、加熱面の
温度分布ができにくいからである。断面のアスペクト比
(抵抗発熱体の幅/抵抗発熱体の厚さ)は、10〜50
00であることが望ましく、200〜5000であるこ
とがより望ましい。この範囲に調整することにより、抵
抗発熱体の抵抗値を大きくすることができるとともに、
加熱面の温度の均一性を確保することができるからであ
る。
【0057】抵抗発熱体の厚さを一定とした場合、アス
ペクト比が上記範囲より小さいと、セラミック基板の加
熱面方向への熱の伝搬量が小さくなり、抵抗発熱体のパ
ターンに近似した熱分布が加熱面に発生してしまい、逆
にアスペクト比が大きすぎると抵抗発熱体の中央の直上
部分が高温となってしまい、結局、抵抗発熱体のパター
ンに近似した熱分布が加熱面に発生してしまう。従っ
て、温度分布を考慮すると、断面のアスペクト比は、1
0〜5000であることが好ましいのである。
【0058】抵抗発熱体の抵抗値のばらつきに関し、平
均抵抗値に対する抵抗値のばらつきは5%以下が望まし
く、1%がより望ましい。本発明の抵抗発熱体は複数回
路に分割されていることが望ましいが、このように抵抗
値のばらつきを小さくすることにより、抵抗発熱体の分
割数を減らすことができ温度を制御しやすくすることが
できる。さらに、昇温の過渡時の加熱面の温度を均一に
することが可能となる。
【0059】また、上記導体ペーストとしては特に限定
されないが、上記金属粒子または導電性セラミックが含
有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むもの
が好ましい。
【0060】上記金属粒子としては、例えば、貴金属
(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モ
リブデン、ニッケルなどが好ましい。これらは、単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの金
属は、比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を
有するからである。上記導電性セラミックとしては、例
えば、タングステン、モリブデンの炭化物などが挙げら
れる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0061】これら金属粒子または導電性セラミック粒
子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μ
m未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100
μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくな
るからである。なお、上記金属粒子の形状は、球状であ
っても、リン片状であってもよい。これらの金属粒子を
用いる場合、上記球状物と上記リン片状物との混合物で
あってよい。
【0062】導体ペーストに使用される樹脂としては、
例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ
る。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコ
ールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースな
どが挙げられる。
【0063】また、抵抗発熱体として金属箔や金属線を
使用することもできる。上記金属箔としては、ニッケル
箔、ステンレス箔をエッチング等でパターン形成して抵
抗発熱体としたものが望ましい。パターン化した金属箔
は、樹脂フィルム等ではり合わせてもよい。金属線とし
ては、例えば、タングステン線、モリブデン線等が挙げ
られる。
【0064】このような構成の導体ペーストを使用して
抵抗発熱体を形成した際の面積抵抗率は、1mΩ/□〜
10Ω/□が好ましい。面積抵抗率が1mΩ/□未満で
あると、抵抗率が小さすぎ、発熱量も小さくなるため抵
抗発熱体として機能しにくくなり、一方、面積抵抗率が
10Ω/□を超えると、印加電圧量に対して発熱量が大
きくなりすぎて、抵抗発熱体の発熱量を制御しにくいか
らである。発熱量の制御の点からは、抵抗発熱体の面積
抵抗率は、1〜50mΩ/□がより好ましい。ただし、
面積抵抗率を大きくすると、パターン幅(断面積)を広
くすることができ、断線の問題が発生しにくくなるた
め、場合によっては、50mΩ/□以上とすることが好
ましい場合もある。
【0065】また、セラミック基板において、起電部の
内部に形成される導電体は、その端部が、結合部内で、
上記抵抗発熱体の端部と接続されていれば、図1に示す
ように、起電部の任意の箇所において、1本のみとなる
ように形成されていてもよく、複数本が並行となるよう
に形成されていてもよい。ヒータ部に形成される抵抗発
熱体の回路数に応じて選択することが可能である。
【0066】上記導電体としては、例えば、金属または
導電性セラミックの焼結体、金属線等が挙げることがで
きる。金属焼結体としては、タングステン、モリブデン
から選ばれる少なくとも1種からなるものを用いること
ができる。金属線としては、例えば、タングステン線、
モリブデン線等を用いることができる。これらの金属は
比較的酸化しにくく、充分な導電性を有するからであ
る。また、導電性セラミックとしては、タングステン、
モリブデンの炭化物から選ばれる少なくとも1種やカー
ボン(グラファイト)を使用することができる。
【0067】また、上記導電体としてニッケル等の強磁
性体を用いることも可能である。上記強磁性体は、磁化
されて磁場が発生するため、コイルにより生じる磁場と
重なってより強い磁場が生じ、磁場の変化(磁束の増
減)が大きくなる。従って、コイルに所定の電力を供給
した際、上記導電体により大きな電流が流れ、抵抗発熱
体を効率よく発熱させることが可能となる。
【0068】上記導電体の面積抵抗率は、200mΩ/
□以下であることが望ましい。面積抵抗率が200mΩ
/□を超えると、抵抗が大きいため、導電体において電
流が流れにくくなり、抵抗発熱体に、発熱に必要な電流
を供給することが困難となるからである。なお、本発明
のセラミックヒータにおいて、コイルに交流電圧が印加
される場合、上述した抵抗発熱体と導電体からなる回路
は、必ずしも閉回路である必要はない。上記コイルに交
流電圧が印加される場合、閉回路でなくても、電流が発
生するからである。
【0069】また、上記起電部に包巻されたコイル一本
あたりの長さは、10mm以上であることが望ましく、
上記コイルの断面積は、6mm2 以上であることが望ま
しく、単位長さあたりの上記コイルの巻数は、2回/m
m以上であることが望ましい。これらの条件を満たすコ
イルであれば、抵抗発熱体を発熱させるために必要な電
圧を発生させる磁場の変化(磁束の増減)を得ることが
できるからである。
【0070】また、上記コイルに用いる材料としては、
導電性を有していれば、特に限定されず、銅等の金属線
を用いることができる。なお、上記コイルは、耐食性樹
脂により被覆されていてもよい。そのような耐食性樹脂
として、例えば、PTFE、PFE等を挙げることがで
きる。
【0071】なお、図3に示すように、起電部には、上
記コイルに代えて、導体層が螺旋状に形成されるととも
に、上記導体層を覆うように、絶縁性被覆体が形成され
ていることが望ましい。上記導体層は絶縁性被覆体に覆
われているため、比較的高温であり、かつ、腐食性ガス
雰囲気下においても、コイルとなる導体層が腐食される
おそれがない。従って、図2に示したような容器等を設
けて、ヒータ部のみを格納することなく、セラミックヒ
ータを使用することができる。
【0072】上記導体層としては、導電性を有していれ
ば、特に限定されるものではないが、上述した導電体と
同様のものを用いることが可能である。
【0073】また、上記導体層を被覆する絶縁性被覆体
としては、例えば、酸化物系ガラス材料を用いることが
できる。該酸化物系ガラス材料は、素材自体が高い電気
絶縁性を有し、起電部(セラミック基板)および導体層
に対する密着強度が大きく、化学的に安定であるので、
起電部(セラミック基板)との安定な界面および導体層
との安定な界面を構成することができる。
【0074】その具体的な組成の例としては、例えば、
ZnOを主成分とするZnO−B2 3 −SiO2 、P
bOを主成分とするPbO−SiO2 、PbO−B2
3 −SiO2 、PbO−ZnO−B23 等を挙げるこ
とができる。これらの酸化物系ガラス材料は、結晶性の
部分が存在してもよい。これらガラス材料のガラス転移
点は、400〜700℃であり、熱膨張係数が4〜9p
pm/℃である。さらに、上記導体層を被覆する絶縁性
被覆体としては、このような酸化物系ガラス材料のほか
に、酸化物系セラミックとして、アルミナが挙げられ
る。
【0075】このような酸化物系ガラス材料等からなる
絶縁性被覆体を形成する方法としては、上記酸化物ガラ
ス粉末を含むペーストを起電部表面にスクリーン印刷等
により塗布し、乾燥、焼成を行うことにより絶縁性被覆
体を形成する方法を挙げることができる。この場合、上
記導体層と電源とを接続する端子を形成する部分には、
絶縁性被覆体を形成しないように、加熱の際に比較的簡
単に分解する樹脂等からなる層を形成しておく必要があ
る。
【0076】なお、上述のように、上記導体層と電源と
は、端子を介して接続されることになるが、上記導体層
は、抵抗発熱体と比較すると発熱量が少なく、低温であ
るため、上記端子は、PTFE等の耐食性樹脂を用いて
被覆することが可能である。従って、起電部にコイルと
なる導体層を形成したセラミックヒータは、ヒータ部に
加えて、起電部においても、表面(外部)に露出する金
属部分がなくなるため、腐食性ガス雰囲気下において好
適に用いることができる。
【0077】さらに、上記コイルおよび上記導体層に
は、交流電圧が印加されることが望ましい。直流電圧で
あっても、断続的に印加するように制御を行い、磁場の
変化を生じさせて、電流を発生させることは可能である
が、交流電圧であれば、上述のような制御を行うことな
く、容易に磁場の変化を生じさせることが可能となるか
らである。
【0078】また、本発明のセラミックヒータを構成す
るセラミック基板において、ヒータ部の温度を測定する
ため、該ヒータ部には、被加熱物を載置する加熱面の反
対側から加熱面に向けて有底孔を設けるとともに、有底
孔の底を抵抗発熱体よりも相対的に加熱面に近く形成
し、この有底孔に熱電対等の測温素子を挿入しておくこ
とができる。なお、測温素子は、セラミック製の保護管
等に挿入し、上記測温素子を腐食性ガスから隔離するこ
とにより、測温素子の腐食を防止することができる。
【0079】上記測温素子としては、例えば、熱電対、
白金測温抵抗体、サーミスタ等が挙げられる。また、上
記熱電対としては、例えば、JIS−C−1602(1
980)に挙げられるように、K型、R型、B型、S
型、E型、J型、T型熱電対等が挙げられるが、これら
のなかでは、K型熱電対が好ましい。
【0080】上記熱電対の接合部の大きさは、素線の径
と同じか、または、それよりも大きく、0.5mm以下
であることが望ましい。これは、接合部が大きい場合
は、熱容量が大きくなって応答性が低下してしまうから
である。なお、素線の径より小さくすることは困難であ
る。
【0081】上記測温素子を腐食性ガス等から隔離する
保護管としては、セラミック製のものを用いることがで
き、そのようなセラミックとして、例えば、アルミナ、
AlN等を挙げることができる。
【0082】さらに、上記保護管と有底孔との隙間を、
耐熱性樹脂等で封止して、上記保護管を固定することが
できる。上記耐熱性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹
脂、特にはエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイ
ミド−トリアジン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0083】なお、ヒータ部31aの温度は、サーモビ
ュア等を用いて測定することも可能である。サーモビュ
ア等であれば、セラミックヒータ30と非接触に、か
つ、遠隔からヒータ部31aの温度を測定することが可
能となるため、測温素子を設けなくてもよい。
【0084】次に、本発明のセラミックヒータ30の製
造方法を図5(a)〜(d)に示した断面図に基づき説
明する。
【0085】(1) グリーンシートの作製 まず、窒化物セラミック、炭化物セラミックなどのセラ
ミックの粉体をバインダおよび溶剤と混合してグリーン
シート70を得る。セラミック粉体としては、例えば、
窒化アルミニウム粉末、窒化珪素粉末などを使用するこ
とができる。また、イットリヤ等の焼結助剤を添加して
もよい。
【0086】また、バインダとしては、アクリル系バイ
ンダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニ
ルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに、溶媒としては、α−テルピネオール、グリコー
ルから選ばれる少なくとも1種が望ましい。これらを混
合して得られるペーストをドクターブレード法でシート
状に成形してグリーンシート70を作製する。グリーン
シート70の厚さは、0.1〜5mm程度が好ましい。
なお、グリーンシート70には、貫通孔となる部分に貫
通孔を形成しておくことも可能である。
【0087】次に、グリーンシート70上に抵抗発熱体
となる導体ペーストAを印刷する。印刷は、グリーンシ
ート70の収縮率を考慮して所望のアスペクト比が得ら
れるように行い、これにより導体ペーストA層72を得
る。導体ペーストAは、導電性セラミック、金属粒子な
どを含む粘度の高い流動物である。
【0088】さらに、グリーンシート70上に導電体と
なる導体ペーストBを印刷し、導体ペーストB層73を
得る。このとき、抵抗発熱体32と導電体33とが閉回
路を形成するように、導体ペーストA層72および導体
ペーストB層73の端部を接続する。導体ペーストB
は、導電性セラミック、金属粒子などを含む粘度の高い
流動物であり、導体ペーストAと同様の組成のものを用
いることが可能であるが、体積抵抗率が小さくなるよう
な材料を用いることが好ましく、また、抵抗値を低下さ
せるため、抵抗発熱体となる導体ペーストA層72に比
べて断面積が大きくなるように導体ペーストB層73を
形成することが望ましい。
【0089】これらの導体ペースト中に含まれる導電性
セラミック粒子としては、タングステンまたはモリブデ
ンの炭化物が最適である。酸化しにくく、熱伝導率が低
下しにくいからである。また、金属粒子としては、例え
ば、タングステン、モリブデン、白金、ニッケルなどを
使用することができる。
【0090】導電性セラミック粒子、金属粒子の平均粒
子径は0.1〜5μmが好ましい。これらの粒子は、大
きすぎても小さすぎても導体ペーストを印刷しにくいか
らである。このようなペーストとしては、金属粒子また
は導電性セラミック粒子85〜97重量部、アクリル
系、エチルセルロース、ブチルセロソルブおよびポリビ
ニルアルコールから選ばれる少なくとも1種のバインダ
1.5〜10重量部、α−テルピネオール、グリコー
ル、エチルアルコールおよびブタノールから選ばれる少
なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部混合して調製
した導体用ぺーストが最適である。なお、導体ペースト
Bに代えて、ニッケル等の強磁性体からなる金属線を用
いることも可能である。
【0091】(2) グリーンシート積層体の作製 次に、図5(a)に示すように、導体ペーストA層72
および導体ペーストB層73を有するグリーンシート7
0と、導体ペーストA層72および導体ペーストB層7
3を有さないグリーンシート70とを積層する。
【0092】(3) 積層体の焼成 次に、積層体の加熱および加圧を行い、グリーンシート
の積層体を形成する。この後、グリーンシート中のセラ
ミック粉末、導体ペーストAおよび導体ペーストB中の
金属粒子を焼結させる。焼成の際の温度は、1700〜
2000℃、焼成の際の加圧の圧力は10〜20MPa
(100〜200kg/cm2 )が好ましい。これらの
加熱および加圧は、不活性ガス雰囲気下で行う。不活性
ガスとしては、アルゴン、窒素などを使用することがで
きる。この焼成工程で、抵抗発熱体32、導電体33等
が形成される。さらに、得られた焼結体において、ヒー
タ部31aとなる部分に、半導体ウエハをヒータ部と離
間した状態で載置するための支持ピンを挿入し、該支持
ピンを固定するための凹部を形成することも可能であ
る。
【0093】(4) ヒータ部、起電部および結合部の形成 得られた焼結体に、表面研磨を実施した後、SiC粒子
等を用いたブラスト処理や、ドリル加工等に行い、ヒー
タ部31a、起電部31bおよび結合部31cからなる
セラミック基板31を形成する(図5(b)参照)。グ
リーンシートを積層して積層体とした後、焼成の前にパ
ンチング等の打ち抜き処理をして、ヒータ部31a、起
電部31bおよび結合部31cとなる部分を形成してお
いてもよい。
【0094】(5) 導体層の形成 次に、起電部31bの表面に、コイルとなる螺旋状の導
体層34を形成する。導体層34は、導体ペーストBと
同様の組成のものを印刷、焼結することにより形成する
ことがことができる。また、スパッタリング等によって
も形成することが可能である(図5(c)参照)。
【0095】(6) 絶縁性被覆体の形成 導体層34を被覆するために、起電部31bの表面に更
に、絶縁性被覆体35を形成する。絶縁性被覆体35
は、スクリーン印刷等を用いて、酸化物系ガラス材料を
起電部31bの表面全体に塗布し、乾燥、焼成すること
によって形成することができる。導体層34と電源(図
示せず)とを接続する端子37を形成する部分には、絶
縁性被覆体35を形成しないように、加熱の際に比較的
簡単に分解する樹脂層を形成しておく(図5(d)参
照)。
【0096】(7) 端子等の接続 次に、導体層34と電源とを接続するための端子37
を、半田等を用いて、導体層34の端部に取り付ける
(図5(e)参照)。半田は銀−鉛、鉛−スズ、ビスマ
ス−スズなどの合金を使用することができる。なお、半
田層の厚さは、0.1〜50μmが望ましい。半田によ
る接続を確保するに充分な範囲だからである。
【0097】さらに、ヒータ部31aの上面に凹部を形
成している場合、該凹部に、支持ピンを嵌め込み、ヒー
タ部31aの底面に有底孔を形成している場合、該有底
孔に、セラミック製の保護管に覆われた熱電対等の測温
素子を挿入する。
【0098】また、必要に応じて、ヒータ部31aを格
納するための容器(図2参照)を設けてもよい。そし
て、端子37と電源とをリード線等を用いて、接続する
ことにより、セラミックヒータ30の製造を完了する。
なお、上記電源は、交流電圧を印加することができるも
のであることが望ましい。
【0099】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0100】(実施例1)セラミックヒータ(図3、4
および5参照)の製造 (1) 窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径0.
4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、
分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノール
とからなるアルコール53重量部を混合したペーストを
用い、ドクターブレード法により成形を行って厚さ0.
47mmのグリーンシート70を得た。 (2) 次に、このグリーンシート70を80℃で5時間乾
燥させた。
【0101】(3) 平均粒子径1μmのタングステンカー
バイド粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重
量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量および分散剤
0.3重量部を混合して導体ペーストAを調整した。
【0102】平均粒子径3μmのタングステン粒子10
0重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テル
ピネオール溶媒3.7重量および分散剤0.2重量部を
混合して導体ペーストBを調整した。
【0103】上記導体ペーストAをグリーンシートにス
クリーン印刷で印刷し、抵抗発熱体32となる導体ペー
ストA層72を形成した。印刷パターンは、図3に示し
たような円弧の繰り返しパターンであった。また、上記
導体ペーストBをグリーンシートにスクリーン印刷で印
刷し、導体層34となる導体ペーストB層73を形成し
た。このとき、導体ペーストA層72および導体ペース
トB層73の端部を接続し、抵抗発熱体32と導電体3
3とが閉回路を形成するようにした。上記処理の終わっ
たグリーンシートに、印刷処理を施していないグリーン
シートを上側(加熱面)に37枚、下側に13枚積層
し、130℃、8MPa(80Kg/cm2 )の圧力で
一体化することにより積層体を作製した(図5(a)参
照)。
【0104】(4) 次に、得られた積層体を窒素ガス中、
600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15MPa
(150kg/cm2 )で10時間ホットプレスし、厚
さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを34
0mmの円板状に切り出し、内部に、厚さ6μm、幅1
0mmの抵抗発熱体32、および、厚さ0.02mm、
幅5mmの導電体を有する円板形状の窒化アルミニウム
板状体とした。
【0105】(5) さらに、得られた板状体の表面を研磨
した後、マスクを載置し、SiC等によるブラスト処理
を行い、ヒータ部31a、起電部31bおよび結合部3
1cからなるセラミック基板31を形成した(図5
(b)参照)。セラミック基板31において、ヒータ部
31aの直径は310mmであった。また、起電部31
bの内径は320mmであり、その幅は10mmであっ
た。さらに、結合部31cは等間隔に4個形成し、その
幅は10mmであった。
【0106】(6) 次に、起電部31bの表面に、コイル
となる導体層34を形成した。すなわち、Agペースト
を、螺旋状となるように起電部31bの表面に印刷し、
焼成することによって導体層34をを形成した。また、
図3に示すように、導体層34は、各結合部31c間
に、計4箇所形成した。なお、導体層34の幅は0.3
mmであり、その厚さは0.02mmであった。また、
導体層34からなるコイルについて、コイル一本あたり
の長さは、10mmであり、上記コイルの断面積は、8
mm2 であり、単位長さあたりの上記コイルの巻数は、
2回/mmであった。
【0107】(7) この後、導体層34を被覆するため、
起電部31bの表面に、アルミナからなる絶縁性被覆体
35を形成した。まず、アルミナ87重量部に、ビヒク
ル3重量部、溶剤10重量部を添加してペースト状混合
物を調製した。
【0108】次に、このペースト状混合物を起電部31
bの表面を覆うように印刷し、ペースト状混合物の層を
形成した。この後、このペースト状混合物を、120℃
で乾燥、固着させ、空気雰囲気中、680℃、10分間
の条件で加熱することにより、起電部31bの表面およ
び導体層33に融着させ、絶縁性被覆体35を形成し
た。このとき、絶縁性被覆体35の厚さは10μmであ
った。但し、導体層33両端の端子37接続部分には、
絶縁性被覆体35を形成しなかった。
【0109】(8) 次に、端子37を取付ける部分に、銀
含有鉛はんだペースト(田中貴金属工業株式会社製)を
印刷してはんだ層を形成し、さらに、このはんだ層の上
にコバール製の端子37を載置して420℃で加熱リフ
ローし、外部端子37を導体層34の両端部分に接続、
固定させた。なお、先に導体層34と端子37とを接続
し、この後、端子37が形成された導体層34の部分を
も被覆するように絶縁性被覆体35を形成してもよい。
【0110】(9) この後、端子37と電源(図示せず)
とを、耐食性樹脂により被覆されたリード線(図示せ
ず)で接続して、セラミックヒータ30の製造を完了し
た。なお、ヒータ部31aの温度測定および温度制御
は、サーモビュア(日本データム社製 IR−1620
12−0012)を用いて、ヒータ部31aとは非接触
に行うことができるようにした。
【0111】(実施例2)セラミックヒータ(図1、2
参照)の製造 (1) 実施例1と同様の方法を用いて、内部に抵抗発熱体
12および導電体13が形成されたセラミック基板11
を製造した。ただし、抵抗発熱体12および導電体13
からなる閉回路は2つ形成し、また、結合部11cは、
図1に示すように、ヒータ部11aの対向する位置に2
個形成した。
【0112】(2) 次に、起電部11bに、アルミナによ
って被覆されたNi製のコイル14を包巻した。また、
図1に示すように、コイル14は、結合部11c間に、
計2個包巻した。なお、コイル14を形成する導電線の
断面積は0.1mm2 であった。また、コイル一本あた
りの長さは、10mmであり、上記コイルの断面積は、
8mm2 であり、単位長さあたりの上記コイルの巻数
は、10回/mmであった。 (3) コイル14の端部と電源(図示せず)とを接続し
て、セラミックヒータ10の製造を完了した。そして、
図2に示すように、ヒータ部11aを格納するための容
器16を設けた。なお、容器16はステンレス製であ
る。なお、ヒータ部11aの温度測定および温度制御
は、セラミックヒータ30と同様で、サーモビュア(日
本データム社製 IR−162012−0012)を用
いて、ヒータ部11aとは非接触に行うことができるよ
うにした。
【0113】(比較例1)セラミックヒータの製造 (1) 実施例1と同様の方法により、厚さ0.47mmの
グリーンシートを得た。 (2) 次に、このグリーンシートを80℃で5時間乾燥さ
せた後、パンチングにより直径1.8mm、3.0mm
および5.0mmの貫通孔をそれぞれ形成した。これら
の貫通孔は、リフターピンを挿入するための貫通孔とな
る部分、抵抗発熱体と、外部端子とを接続するスルーホ
ールとなる部分等である。 (3) 実施例1と同様にして、導体ペーストAと導体ペー
ストBとを調整した。
【0114】導体ペーストAをグリーンシートにスクリ
ーン印刷で印刷し、抵抗発熱体となる導体ペーストA層
を形成した。印刷パターンは、図3に示したように、円
弧の繰り返しパターンとした。また、スルーホールとな
る貫通孔部分に導体ペーストBを充填した。上記処理の
終わったグリーンシートに、印刷処理を施していないグ
リーンシートを上側(加熱面)に37枚、下側に13枚
積層し、130℃、8MPa(80Kg/cm2 )の圧
力で一体化することにより積層体を作製した。
【0115】(4) 次に、得られた積層体を窒素ガス中、
600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15MPa
(150kg/cm2 )で10時間ホットプレスし、厚
さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを31
0mmの円板状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10
mmの抵抗発熱体を有するセラミック基板とした。な
お、スルーホールの大きさは、直径0.2mm、深さ
0.2mmであった。
【0116】(5) さらに、得られた板状体に、マスクを
載置し、SiC等によるブラスト処理で表面に測温素子
のための有底孔を設け、また、ドリル加工により、スル
ーホールの直下に、直径5mm、深さ0.5mmの袋孔
を形成した。
【0117】(6) この袋孔にW製のワッシャーを嵌め込
み、ワッシャーの中心孔にリード線を挿入した後、Ni
−Au合金(Au:81.5重量%、Ni:18.4重
量%、不純物:0.1重量%)からなる金ろうを用い、
970℃で加熱リフローすることにより、これらワッシ
ャーとリード線とをセラミック基板に固定し、さらに、
上記リード線を電源に接続した。また、測温素子を有底
孔に埋め込んだ。さらに、上記リード線や測温素子から
の配線等を格納する管状部材を、セラミック基板の底面
に接合した。
【0118】上記管状部材は、アルミナ製の円管であ
り、内径5mm、厚さ1.5mmであった。なお、上記
セラミック基板と上記管状部材との接合には、PbO3
0重量%、SiO2 50重量%、B23 15重量%、
Al23 3重量%、Cr232重量%からなる組成
のガラス粉末87重量部に、ビヒクル3重量部、溶剤1
0重量部を添加したペースト状混合物を用いた。すなわ
ち、上記ペースト状混合物を、上記セラミック基板と上
記管状部材との接面に塗布し、乾燥、加熱することによ
って、上記セラミック基板と上記管状部材とを融着させ
て、接合した。
【0119】(比較例2)セラミックヒータの製造 セラミック基板の底面に、管状部材を接合しなかった以
外は、比較例1と同様にしてセラミックヒータを製造し
た。
【0120】上記工程を経て得られた実施例1、2、お
よび、比較例1、2に係るセラミックヒータについて、
以下の方法により評価した。なお、実施例1、2、およ
び、比較例1、2に係るセラミックヒータにおいて、コ
イルまたは導体層には、単相、60Hz、200Vの交
流電圧を印加した。
【0121】評価方法 (1)耐食性試験 実施例1、2、および、比較例1、2に係るセラミック
ヒータを、腐食性ガスであるCF4 ガスを10vol%
含むCF4 ガス雰囲気下において、100〜300℃
で、1000時間、昇温と降温とを繰り返した後、肉眼
により、腐食の有無等を確認した。なお、ヒータ部11
aを格納する容器16が設けられた実施例2に係るセラ
ミックヒータについては、容器16内のみにCF4 ガス
を10vol%含むCF4 ガスを充填した。
【0122】(2)半導体ウエハの温度の均一性 実施例1、2、および、比較例1、2に係るセラミック
ヒータを、300℃まで昇温した後、上記セラミックヒ
ータにシリコンウエハを載置し、サーモビュア(日本デ
ータム社製 IR−16−2012−0012)によ
り、シリコンウエハの最高温度と最低温度とを測定し、
その温度差を求めた。これらの結果を表1に示す。
【0123】
【表1】
【0124】その結果、表1に示すように、実施例1〜
2および比較例1に係るセラミックヒータでは、セラミ
ックヒータや周囲の付属部品(ポルト、バネ等)に腐食
は発生していなかったのに対し、比較例2に係るセラミ
ックヒータでは、外部端子や、測温素子のリード線等の
腐食が激しく、また、腐食の影響によって、外部端子が
3個脱落してしまっていた。
【0125】実施例に係るセラミックヒータが、腐食性
ガスによって腐食されることなく、試験開始時の状態と
略同じ状態を維持することができたのは、上記セラミッ
クヒータが、外部端子およびリード線を設けることなく
抵抗発熱体に電力を供給することができるため、腐食性
ガスにより腐食されるおそれのあるセラミック基板の表
面(外部)に露出する金属部分がなくなったためである
と考えられる。
【0126】また、実施例1〜2および比較例2に係る
セラミックヒータでは、最高温度と最低温度の温度差は
小さく、温度分布がほとんど発生していなかったのに対
し、比較例1に係るセラミックヒータでは、表1に示し
たように、最高温度と最低温度との温度差が大きくなっ
た。これは、セラミック製の筒状体が接合されているた
め、筒状体の内部に不活性ガスを導入することによる筒
状体内への熱の逃散やセラミック基板と筒状体との接合
部分を介しての熱の逃散に起因して温度分布が発生した
ものと考えられた。
【0127】
【発明の効果】本発明のセラミックヒータによれば、外
部端子およびリード線を設けることなく抵抗発熱体に電
力を供給することができるため、腐食性ガスにより腐食
されるおそれのあるセラミック基板の表面(外部)に露
出する金属部分がなくなる。従って、本発明のセラミッ
クヒータは優れた耐食性を有し、腐食性ガス等の雰囲気
下において好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックヒータを模式的に示した平
面図である。
【図2】図1に示したセラミックヒータを模式的に示し
た断面図である。
【図3】本発明のセラミックヒータの他の一例を模式的
に示す平面図である。
【図4】図3に示したセラミックヒータを模式的に示し
た断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、図3に示したセラミックヒ
ータの製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1、31 セラミックヒータ 11、31 セラミック基板 11a、31a ヒータ部 11b、31b 起電部 11c、31c 結合部 12(12a〜12b)、32(32a〜32d) 抵
抗発熱体 13(13a〜13b)、33(33a〜33d) 導
電体 14(14a〜14b) コイル 16 容器 29 半導体ウエハ 34(34a〜34d) 導体層 37 端子
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/00 350 H05B 3/10 A 3/10 C 3/18 3/18 6/02 Z 6/02 C04B 35/58 104Y Fターム(参考) 3K058 AA51 BA19 3K059 AA08 AB20 AD34 CD52 CD77 3K092 PP09 QA05 QB62 RF03 RF11 RF27 UB01 VV09 4G001 BA09 BA36 BA61 BB09 BB36 BB61 BC32 BC42 BC72 BC73 BD21 BE32 4M106 AA01 DH02 DH44 DH46

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板の内部に抵抗発熱体、お
    よび、前記抵抗発熱体と電気的に接続する導電体が形成
    されたセラミックヒータであって、 前記抵抗発熱体および前記導電体は、露出することな
    く、セラミック基板の内部に埋設され、 前記抵抗発熱体または前記導電体の周囲には、コイルが
    包巻形成されてなることを特徴とするセラミックヒー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記コイルは、前記抵抗発熱体または前
    記導電体の近傍のセラミック基板表面に形成されてなる
    請求項1に記載のセラミックヒータ。
  3. 【請求項3】 前記コイルには、交流電圧またはパルス
    電圧が印加される請求項1または2に記載のセラミック
    ヒータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021068653A (ja) * 2019-10-25 2021-04-30 京セラ株式会社 ヒータ
CN116349406A (zh) * 2020-10-09 2023-06-27 Agc株式会社 SiSiC部件和加热器具

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JP2021068653A (ja) * 2019-10-25 2021-04-30 京セラ株式会社 ヒータ
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