JP2002319414A - 高分子電解質 - Google Patents
高分子電解質Info
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- Y02E60/50—Fuel cells
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Abstract
ン酸を含有させたものより、プロトン伝導性に優れた高
分子電解質を提供する。 【解決手段】〔1〕スルホン酸基を持つ高分子電解質
と、一般式(1)で表される1種または2種以上のリン
酸エステルとを含有する高分子電解質。 (1) (式(1)中、Rは直鎖、分岐もしくは環状のアルキル
基またはアリール基を表す。nは1または2を表す。n
が2の場合、2個あるRは同一でも異なっていてもよ
い。) 〔2〕上記〔1〕の高分子電解質を使用してなる燃料電
池。
Description
でも燃料電池用として好適に用いられる高分子電解質に
関する。
換装置として、燃料電池が注目を集めている。中でも、
電解質としてプロトン伝導性を有する高分子膜を用いた
固体高分子型燃料電池は、コンパクトな構造で高出力が
得られ、かつ簡単なシステムで運転できることから、車
両用等の移動用電源として注目されている。
側から供給される水素と空気極から供給される酸素によ
って、 燃料極 : H2 → 2H+ + 2e- 空気極 : 1/2O2 + 2H+ + 2e- → H2O なる電気化学的な反応が生じる。上記反応式において、
電子は燃料極から外部回路を通して、空気極側に移動
し、プロトンは電解質膜中を移動するので、電解質膜の
プロトン伝導性が燃料電池の特性を大きく左右する。
プロトン伝導性の高分子電解質としては、スルホン酸基
を持つ高分子電解質である、Nafion(デュポン社
の登録商標)をはじめとするパーフルオロカーボンスル
ホン酸系の材料が、燃料電池としての特性に優れること
から主に使用されており、例えば、Nafionにリン
酸を含有させた高分子電解質よりなる膜(R.Savi
nell et.al.,J.Electroche
m.Soc.,Vol.141,1994(4),L4
6−48)が開示されている。ここで、リン酸とは化学
式H3PO4で表されるオルトリン酸を指す。しかし、リ
ン酸を含有させた高分子電解質よりさらにプロトン伝導
性に優れた高分子電解質が求められていた。
ホン酸基を持つ高分子電解質であって、リン酸を含有さ
せたものより、プロトン伝導性に優れた高分子電解質を
提供することにある。
を達成するべく鋭意研究を行った結果、スルホン酸基を
持つ高分子電解質に特定のリン酸エステルを含有させる
ことにより、優れたプロトン伝導性を達成できることを
見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明
は、〔1〕スルホン酸基を持つ高分子電解質と、一般式
(1)で表される1種または2種以上のリン酸エステル
とを含有する高分子電解質に係るものである。 (1) (式(1)中、Rは直鎖、分岐もしくは環状のアルキル
基またはアリール基を表す。nは1または2を表す。n
が2の場合、2個あるRは同一でも異なっていてもよ
い。) また、本発明は、〔2〕上記〔1〕の高分子電解質を使
用してなる燃料電池に係るものである。
持つ高分子電解質としては、例えば、(A)主鎖が脂肪
族炭化水素からなる高分子にスルホン酸基を導入した高
分子電解質;(B)主鎖が、全ての水素原子がフッ素で
置換された脂肪族炭化水素からなる高分子にスルホン酸
基を導入した高分子電解質;(C)主鎖が芳香環を有す
る高分子にスルホン酸基を導入した高分子電解質;
(D)(A)〜(C)のスルホン酸基導入前の高分子を
構成する繰り返し単位から選ばれるいずれか2種以上の
繰り返し単位からなる共重合体にスルホン酸基を導入し
た高分子電解質等が挙げられる。ここに「高分子にスル
ホン酸基を導入した」とは、「高分子骨格にスルホン酸基
を化学結合を介して導入した」ことを意味する。中で
も、化学的安定性の観点からは、(B)が好ましい。ま
た、耐熱性の観点からは、(C)であることが好まし
い。
が酸素原子等のヘテロ原子で中断されているものであっ
てもよく、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレ
ンスルホン酸、ポリ(α−メチルスチレン)スルホン
酸、等が挙げられる。
が酸素原子等のヘテロ原子で中断されているものであっ
てもよく、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸、
ポリトリフルオロスチレンスルホン酸等が挙げられ、N
afion(デュポン社の登録商標)等のパーフルオロ
カーボンスルホン酸が好ましい。
が酸素原子等のヘテロ原子で中断されているものであっ
てもよく、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(アリーレン・
エーテル)、ポリフォスファゼン、ポリイミド、ポリ
(4-フェノキシベンゾイル-1,4-フェニレン)、ポリフ
ェニレンスルフィド、ポリフェニルキノキサレン等の単
独重合体のそれぞれにスルホン酸基が導入されたもの、
アルキルスルホン化ポリベンズイミダゾール等が挙げら
れる。
ダム共重合体にスルホン酸基が導入されたものでも、交
互共重合体にスルホン酸基が導入されたものでも、ブロ
ック共重合体にスルホン酸基が導入されたものでもよ
い。ランダム共重合体にスルホン酸基が導入されたもの
としては、例えば、スルホン化ポリエーテルスルホン-
ジヒドロキシビフェニル共重合体が挙げられる(例え
ば、特開平11−116679号公報。)ブロック共重
合体にスルホン酸基が導入されたもの(以下、スルホン
酸基を持つブロック共重合体ということがある)として
は、全てのブロックの主鎖が脂肪族炭化水素で構成され
るブロック共重合体、例えばスチレン-(エチレン-ブチ
レン)-スチレントリブロック共重合体にスルホン酸基
を導入したもの等であってもよいが、少なくとも一つの
ブロックがその主鎖に芳香環を有するブロック共重合体
であることが耐熱性が高く好ましい。またスルホン酸基
を持つブロックとスルホン酸基を実質的に持たないブロ
ックとをそれぞれ一つ以上有するブロック共重合体が伝
導性に優れるためより好ましい。
は、スルホン酸基の数がブロックを構成する繰り返し単
位1個あたり平均0.5個以上であるブロックを、スルホ
ン酸基を実質的に持たないブロックとは、スルホン酸基
の数がブロックを構成する繰り返し単位1個あたり平均
0.1個以下であるブロックをいう。
ては、例えば、ポリスチレン、ポリ(α―メチルスチレ
ン)、ポリ(アリルフェニルエーテル)、ポリ(フェニ
ルグリシジルエーテル)、ポリ(フェニレンエーテ
ル)、ポリフェニレンスルフィド、ポリ(フェニレ
ン)、ポリ(アニリン)、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリエーテルエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリ
(フェニルメチルシロキサン)、ポリ(ジフェニルシロ
キサン)、ポリ(フェニルメチルフォスファゼン)、ポ
リ(ジフェニルフォスファゼン)、エポキシ樹脂等を有
するブロックのそれぞれにスルホン酸基が導入されたブ
ロックが挙げられる。中でも、ポリ(フェニレンエーテ
ル)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(フェニレ
ン)、ポリ(アニリン)、等を有する一般式(2)で表さ
れるブロックにスルホン酸基が導入されたブロック、ポ
リ(フェニルグリシジルエーテル)を有する一般式
(3)で表されるブロックにスルホン酸基が導入された
ブロックが好ましく用いられる。
結合を表し、R1 は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数1〜6のアルコキシ基、またはフェニル基を表わし、
aは0〜3の整数である。 R1 が複数ある場合は、こ
れらは同一でも異なっていてもよい。) 一般式(2)のブロックを構成する繰り返し単位の数は、
通常2〜200個であり、好ましくは5〜50個であ
る。
−で表されるポリ(フェニレンエーテル)が好ましく、
その代表例としては、例えば、ポリ(1,4−フェニレ
ンエーテル)、ポリ(2−メチル−1,4−フェニレン
エーテル)、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンエーテル)、ポリ(2−フェニル−1,4−フェニ
レンエーテル)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−
フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−1,3−フ
ェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジメチル−1,3
−フェニレンエーテル)、ポリ(2−フェニル−1,3
−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジフェニル−
1,3−フェニレンエーテル)等が挙げられる。中で
も、ポリ(1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−
フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,
6−ジフェニル−1,4−フェニレンエーテル)が好ま
しく、ポリ(2−フェニル−1,4−フェニレンエーテ
ル)がさらに好ましい。
り製造することができる。例えば、ポリ(フェニレンエ
ーテル)の場合、フェノールを触媒存在下で酸化する酸
化重合法や、ハロゲン化フェノールを触媒とアルカリ存
在下に縮合するいわゆるウルマン反応により製造でき
る。
香族基を表す。) 一般式(3)の繰り返し単位の数は、通常2〜200個
であり、好ましくは5〜50個である。
芳香族基としては、例えば下記の基が挙げられる。 (式中、R2は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1
〜6のアルコキシ基、フェニル基、またはフェノキシ基
を表わし、bは0〜4の整数を、cは0〜6の整数を表
す。R2が複数ある場合は、これらは同一であっても異
なっていてもよい。)
(Ar2−OH)で示すと、例えばフェノール、o-クレ
ゾール、m-クレゾール、p−クレゾール、2,3−ジ
メチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,
5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノー
ル、2,3,4,−トリメチルフェノール、2,4,6
−トリメチルフェノール、2,4,5,6−テトラメチ
ルフェノール、2−エチルフェノール、4−エチルフェ
ノール、2−プロピルフェノール、4−プロピルフェノ
ール、2−i−プロピルフェノール、4−i−プロピル
フェノール、2−n−ブチルフェノール、2−sec−ブ
チルフェノール、2−i−ブチルフェノール、2−tert
−ブチルフェノール、4−n−ブチルフェノール、4−
sec−ブチルフェノール、4−i−ブチルフェノール、4
−tert−ブチルフェノール、2−ビフェノール、4−ビ
フェノール、1-ナフトール、2−ナフトールなどが挙げ
られる。
するブロックは、公知の方法、例えば、対応する下記式 で表される芳香環を有するグリシジルエーテルを開環重
合することにより製造し得る。
の代表例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテ
ル、o−トルイルグリシジルエーテル、m−トルイルグ
リシジルエーテル、p−トルイルグリシジルエーテル、
2,3−ジメチルフェニルグリシジルエーテル、2,4
−ジメチルフェニルグリシジルエーテル、2,5−ジメ
チルフェニルグリシジルエーテル、2,6−ジメチルフ
ェニルグリシジルエーテル、2,3,4−トリメチルフ
ェニルグリシジルエーテル、2,4,6−トリメチルフ
ェニルグリシジルエーテル、2,4,5,6−テトラメ
チルフェニルグリシジルエーテル、2−エチルフェニル
グリシジルエーテル、4−エチルフェニルグリシジルエ
ーテル、2−プロピルフェニルグリシジルエーテル、4
−プロピルフェニルグリシジルエーテル、2−i−プロ
ピルフェニルグリシジルエーテル、4−i−プロピルフ
ェニルグリシジルエーテル、2−n−ブチルフェニルグ
リシジルエーテル、2−sec−ブチルフェニルグリシジ
ルエーテル、2−tert−ブチルフェニルグリシジルエー
テル、2−i−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4
−n−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−sec−
ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−tert−ブチル
フェニルグリシジルエーテル、4−i−ブチルフェニル
グリシジルエーテル、2−ビフェニルグリシジルエーテ
ル、4−ビフェニルグリシジルエーテル、1−ナフチル
グリシジルエーテル、2−ナフチルグリシジルエーテル
等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数
のグリシジルエーテルを用いてもよい。
グリシジルエーテルと芳香環を含まないエポキシ化合
物、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、
1,2−エポキシブタン、シクロヘキサンエポキシド、
エピフロロヒドリン、エピクロロヒドリン、エピブロモ
ヒドリン、トリフルオロプロピレンオキシド、メチルグ
リシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピ
ルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテルなど
とを共重合したものであってもよいが、その場合は、芳
香環を有するグリシジルエーテル成分は60重量%以上
であることが好ましく、80重量%以上であることがよ
り好ましい。
は、分子内に1または2個以上のエポキシ基をもつ樹脂
(エポキシ樹脂)を前駆体とするブロックが挙げられる
が、エポキシ樹脂を前駆体とするものでなくても、結果
としてその形態になっているブロックを含む。エポキシ
樹脂を有するブロックのなかで、主鎖に芳香環を有する
エポキシ樹脂を有するブロックがより好ましく、下記一
般式(4)で表わされる繰返し単位を有するブロックで
あることがさらに好ましい。
香族基を表す。) 一般式(4)の繰り返し単位を有するブロックを構成す
る繰り返し単位の数は、通常2〜200個であり、好ま
しくは4〜50個である。
香族基としては、例えば下記の基が挙げられる。 (式中、R3は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1
〜6のアルコキシ基、またはフェニル基を表わし、dは
0〜3の整数であり、eは0〜2の整数である。R3が
複数ある場合は、これらは同一でも異なっていてもよ
い。Yは、直接結合、−O−、−S−、炭素数1〜20
のアルキレン基、炭素数1〜10のアルキリデン基、炭
素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、または炭素数
1〜20のアルキレンジオキシ基を表わす。Yが複数あ
る場合は、これらは同一でも異なっていてもよい。)
ックは、公知の方法により製造し得る。例えば、HO−
Ar3−OHで表わされるジオール化合物をアルカリ存
在下にエピクロロヒドリンと反応させる方法や、ジオー
ル化合物とジグリシジルエーテル化合物を反応させる方
法が挙げられる。
ジオール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レ
ゾルシノール、カテコール、2-メチルハイドロキノン、
2、6-ジメチルハイドロキノン、2-フェニルハイドロキ
ノン、2,6-ジフェニルハイドロキノン、2-メチルレゾ
ルシノール、2、6-ジメチルレゾルシノール、2-フェニ
ルレゾルシノール、2,6-ジフェニルレゾルシノール、
1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキ
シナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,
6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナ
フタレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,
4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキ
シビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、
α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−
ジイソプロピルベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル、2,2’−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、
ビス(2−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス
(4−ヒドロキシフェノキシ)エタン、1,2−ビス
(3−ヒドロキシフェノキシ)エタン、1,2−ビス
(4−ヒドロキシフェノキシ)プロパン、1,3−ビス
(4−ヒドロキシフェノキシ)プロパン、1,4−ビス
(4−ヒドロキシフェノキシ)ブタン、1,6−ビス
(4−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサン、ジエチレング
リコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等が
挙げられる。
酸基を持つブロックとスルホン酸基を実質的に持たない
ブロックとをそれぞれ一つ以上有することが好ましい
が、スルホン酸基を実質的に持たないブロックとして
は,ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン等を有
する一般式(5)で表されるブロックであることが耐熱
性が高いので好ましい。
fは0〜4の整数である。R4が複数ある場合はこれら
は同一でも異なっていてもよい。Zは−CO−または−
SO2−を表わす。)
ルスルホンが、溶媒に対する溶解性が高くより好まし
い。一般式(5)で示されるブロックは、公知の方法で
製造し得る。ポリエーテルスルホンは、例えば、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンと4,4’−ジ
クロロジフェニルスルホンとを重縮合して合成すること
ができる。一般式(5)で示されるブロックの繰り返し単
位の数は、10〜1000個が好ましく、20〜400
個がより好ましい。繰り返し単位の数が小さすぎると共
重合体のフィルム強度や耐熱性が低下する傾向にあり、
大きすぎると溶解性が低下する傾向にある。
体の製造方法について説明する。先ずブロック共重合体
を製造し、次いでこれをスルホン化する方法が通常用い
られる。共重合体の製法すなわち2種以上のブロックを
結合させる方法には特に制限はなく、それぞれのブロッ
クの組み合わせに応じた適切な公知の方法を用いること
ができる。
の一例であるポリ(フェニレンエーテル)と、一般式
(5)で示されるブロックの一例であるポリエーテルス
ルホンとを結合させる場合、末端に水酸基が残存したポ
リ(フェニレンエーテル)と末端にハロゲンが残存した
ポリエーテルスルホンとをアルカリ存在下に縮合する方
法が挙げられる。また、末端に水酸基が残存したポリ
(フェニレンエーテル)と末端に水酸基が残存したポリ
エーテルスルホンとを結合させる場合は、4,4’−ジ
フルオロジフェニルスルホン、4,4’−ジクロロジフ
ェニルスルホン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノ
ン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,4−ジフ
ルオロベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノ
ン、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,6−ジク
ロロベンゾニトリル、ヘキサフルオロベンゼン、デカフ
ルオロビフェニル等のハロゲン化合物を連結剤として用
い、同様の縮合反応で結合させることもできる。
例であるポリ(フェニルグリシジルエーテル)と、一般
式(5)で示されるブロックの一例であるポリエーテル
スルホンとを結合させる場合、末端に水酸基を有するポ
リエーテルスルホンの末端水酸基をアルカリ金属フェノ
ラートに変換し、これを重合開始点として芳香環を含む
グリシジルエーテルの開環重合を行う方法等が挙げられ
る。また、エピクロロヒドリン等のブロック化反応に使
用できるハロゲンを含むグリシジルエーテルをフェニル
グリシジルエーテルと共重合したブロックをまず合成
し、これと末端に水酸基が残存したポリエーテルスルホ
ンとをアルカリ存在下に縮合する方法等も挙げられる。
例であるエポキシ樹脂と、一般式(5)で示されるブロ
ックの一例であるポリエーテルスルホンとを結合させる
場合、エポキシ樹脂の末端に残存するグリシジル基をポ
リエーテルスルホンの末端に残存する水酸基に開環付加
させて結合させる方法等が挙げられる。
ーテルスルホンを用いる場合、ブロック共重合反応は、
溶媒を用いない溶融状態でも行うことは可能であるが、
適当な溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、芳
香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、
アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒な
どを用いることが出来るが、溶解性が高いことからアミ
ド系溶媒が好ましい。ここで、アミド系溶媒としては、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチルピロリドン等が好ましく用いられ
る。ブロック共重合反応の反応温度は通常20℃〜25
0℃、好ましくは50℃〜200℃である。
ホン化することによりスルホン酸基が導入されるが、ス
ルホン化剤としては、例えば、硫酸、発煙硫酸、クロロ
スルホン酸、SO3などの公知のスルホン化剤を用いる
ことができる。これらの中で濃度が90%以上の硫酸が
好ましく、濃度94〜99重量%の硫酸がより好まし
い。このような硫酸を使用することにより、スルホン酸
基を持つブロックとスルホン酸基を実質的に持たないブ
ロックとを有する共重合体を製造し得る。例えば一般式
(5)で表わされる繰り返し単位を有するブロックと、
一般式(2)、(3)、または(4)で表わされる繰り
返し単位を有するブロックを有するブロック共重合体か
ら、一般式(2)、(3)、または(4)で表わされる
繰り返し単位を有するブロックに選択的にスルホン酸基
が導入され、一般式(5)で示されるブロックには実質
的にスルホン酸基が導入されていないブロック共重合体
を製造することができる。
に不活性な有機溶媒を共存させることもできる。硫酸を
使用する場合の、硫酸に対するブロック共重合体の濃度
は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜3
0重量%である。また、反応温度は0℃〜80℃が好ま
しく、より好ましくは20℃〜40℃である。ブロック
共重合体の硫酸への溶解とスルホン化は同時に進行し、
室温では通常2〜20時間で反応が完了して均一な溶液
になる。スルホン化されたブロック共重合体は、硫酸溶
液を大量の水に注いで回収することができる。
つブロック共重合体が製造されるが、スルホン酸基があ
らかじめ導入されたブロックと、スルホン酸基が実質的
に導入されていないブロックとを結合させる方法等によ
っても製造し得る。
般式(1)で表される1種または2種以上のリン酸エス
テルである。 (1) 式(1)中、Rは、直鎖、分岐もしくは環状のアルキル
基またはアリール基を表し、アルキル基が、プロトン伝
導性向上の観点から好ましい。アルキル基としては、通
常炭素数1〜6であり、炭素数1〜3がプロトン伝導性
向上の観点から好ましく、炭素数2又は3が、さらに好
ましい。アルキル基は、ハロゲン原子、アミノ基、ヒド
ロキシ基などの基を有していてもよい。また、nは1ま
たは2を表す。nが2の場合、2個あるRは同一でも異
なっていてもよいが、入手性の観点から同一であること
が好ましい。
基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ナフ
チル基、アントリル基、フェナントリル基、ニトロフェ
ニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基などのハ
ロゲン置換フェニル基、などがあげられる。
ルとしては、リン酸モノメチルエステル、リン酸モノエ
チルエステル、リン酸モノn−プロピルエステル、リン
酸モノイソプロピルエステル、リン酸モノn−ブチルエ
ステル、リン酸モノイソブチルエステル、リン酸モノs
ec−ブチルエステル、リン酸モノtert−ブチルエ
ステル、リン酸モノn−ペンチルエステル、リン酸モノ
(1−メチルブチル)エステル、リン酸モノ(2−メチ
ルブチル)エステル、リン酸モノ(3−メチルブチル)
エステル、リン酸モノ(1,1−ジメチルプロピル)エ
ステル、リン酸モノ(2,2−ジメチルプロピル)エス
テル、リン酸モノ(1,2−ジメチルプロピル)エステ
ル、リン酸モノn−ヘキシルエステル、リン酸モノ(2
−メチルペンチル)エステル、リン酸モノ(3−メチル
ペンチル)エステルなどがあげられる。
ルとしては、リン酸ジメチルエステル、リン酸ジエチル
エステル、リン酸ジn−プロピルエステル、リン酸ジイ
ソプロピルエステル、リン酸ジn−ブチルエステル、リ
ン酸ジイソブチルエステル、リン酸ジsec−ブチルエ
ステル、リン酸ジtert−ブチルエステル、リン酸ジ
n−ペンチルエステル、リン酸ジ(1−メチルブチル)
エステル、リン酸ジ(2−メチルブチル)エステル、リ
ン酸ジ(3−メチルブチル)エステル、リン酸ジ(1,
1−ジメチルプロピル)エステル、リン酸ジ(2,2−
ジメチルプロピル)エステル、リン酸ジ(1,2−ジメ
チルプロピル)エステル、リン酸のジn−ヘキシルエス
テル、リン酸ジ(2−メチルペンチル)エステル、リン
酸ジ(3−メチルペンチル)エステルが挙げられる。
が高い点で、リン酸モノメチルエステル、リン酸モノエ
チルエステル、リン酸モノn−プロピルエステル、リン
酸モノイソプロピルエステル、リン酸ジメチルエステ
ル、リン酸ジエチルエステル、リン酸ジn−プロピルエ
ステル、リン酸ジイソプロピルエステルまたはその混合
物が好ましく、リン酸モノエチルエステル、リン酸モノ
n−プロピルエステル、リン酸モノイソプロピルエステ
ル、リン酸ジエチルエステル、リン酸ジn−プロピルエ
ステル、リン酸ジイソプロピルエステルまたはその混合
物がより好ましく、リン酸モノイソプロピルエステル、
リン酸ジイソプロピルエステルまたはその混合物が特に
好ましい。入手性の観点からは、アルキル基が同一のモ
ノエステルおよびジエステルの混合物が好ましい。
ルとしては、リン酸モノフェニルエステル、リン酸モノ
トリルエステル、リン酸モノエチルフェニルエステル、
リン酸モノイソプロピルフェニルエステル、リン酸モノ
ナフチルエステル、リン酸モノアントリルエステル、リ
ン酸モノフェナントリルエステル、リン酸モノニトロフ
ェニルエステル、リン酸モノクロロフェニルエステル、
リン酸モノブロモフェニルエステルなどがあげられる。
ルとしては、リン酸ジフェニルエステル、リン酸ジトリ
ルエステル、リン酸ジ(エチルフェニル)エステル、リ
ン酸ジ(イソプロピルフェニル)エステル、リン酸ジナ
フチルエステル、リン酸ジアントリルエステル、リン酸
ジフェナントリルエステル、リン酸ジ(ニトロフェニ
ル)エステル、リン酸ジ(クロロフェニル)エステル、
リン酸ジ(ブロモフェニル)エステルなどが挙げられ
る。入手性の観点からは、アリール基が同一のモノエス
テルおよびジエステルの混合物が好ましい。
高分子電解質100重量部に対して10重量部〜200
重量部が好ましく、20重量部〜160重量部がさらに
好ましい。リン酸エステルが過少のときは、十分にプロ
トン伝導度向上に寄与できない場合がある。また、過大
のときは、フィルム強度が低下し、燃料電池用プロトン
伝導膜としての使用が困難となることがある。
る方法は、高分子電解質の溶液にリン酸エステルを添
加する方法、例えば後述の方法により製造された高分
子電解質のフィルムをリン酸エステル溶液に浸漬処理す
る方法などがあげられ、処理が簡便である点で、の方
法が好ましい。の方法においては、高分子電解質の溶
液に、高分子電解質100重量部に対して、通常10重
量部〜200重量部のリン酸エステルを添加後、ガラス
板等に流延製膜した後、溶媒を除去することにより、高
分子電解質にリン酸エステルを含有させたフィルムを作
ることができる。フィルムの厚みは、特に制限はないが
10〜200μmが好ましい。実用に耐えるフィルムの
強度を得るには10μmより厚い方が好ましく、膜抵抗
の低減つまり発電性能の向上のためには200μmより
薄い方が好ましい。膜厚は溶液濃度あるいは基板上への
塗布厚により制御できる。高分子電解質の溶液の溶媒と
しては、高分子電解質を溶解可能であり、その後に除去
し得るものであるならば特に制限はなく、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の
非プロトン性極性溶媒、あるいはジクロロメタン、クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、
ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、メタノール、エタノ
ール、プロパノール等のアルコール類、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアル
キレングリコールモノアルキルエーテル、または水など
が用いられる。これらは単独で用いることもできるが、
必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いることもで
きる。リン酸エステル添加前の高分子電解の溶液の濃度
としては、用いる高分子電解質、溶媒、リン酸エステル
により異なるが、溶媒100重量部に対して、通常2重
量部〜50重量部、好ましくは、5重量部〜30重量部
である。濃度が低すぎると、溶液の粘度が低すぎて膜厚
の制御が難しくなる傾向にあり、濃度が高すぎると、粘
度が高すぎて均一な膜の作製が難しくなる傾向にある。
液の溶媒としては、高分子電解質を溶解せず、リン酸エ
ステルを溶解可能であり、その後に除去し得るものであ
るならば特に制限はなく、なかでも、メタノール、エタ
ノール、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン等揮発性の
溶媒、又は水が、溶媒の除去が容易なので好ましい。
の方法においては、リン酸エステル溶液の濃度、溶液の
温度、又は用いる溶媒を変えることによって、膜への導
入量をコントロールすることができる。濃度としては通
常5重量%〜100重量%の範囲であり、プロトン伝導
性向上に寄与する導入を確保する点から20重量%〜1
00重量%が好ましい。浸漬処理の際の温度は、通常0
℃〜100℃が好ましく、浸漬処理中の溶媒の揮発を防
ぐ点から20℃〜40℃がさらに好ましい。
る際には、通常フィルム(以下、高分子電解質フィルム
ということがある)の状態で使用される。本発明の高分
子電解質をフィルムへ転化する方法に特に制限はない
が、溶液状態より製膜する方法(溶液キャスト法)が好
ましい。具体的には、例えば、高分子電解質を適当な溶
媒に溶解し、その溶液をガラス板上に流延塗布し、溶媒
を除去することにより製膜される。製膜に用いる溶媒
は、高分子電解質を溶解可能であり、その後に除去し得
るものであるならば特に制限はなく、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メ
チル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プ
ロトン性極性溶媒、あるいはジクロロメタン、クロロホ
ルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジク
ロロベンゼン等の塩素系溶媒、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール類、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレ
ングリコールモノアルキルエーテルが好適に用いられ
る。これらは単独で用いることもできるが、必要に応じ
て2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。中で
も、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドがポリマー
の溶解性が高く好ましい。
〜200μmが好ましい。実用に耐えるフィルムの強度
を得るには10μmより厚い方が好ましく、膜抵抗の低
減つまり発電性能の向上のためには200μmより薄い
方が好ましい。膜厚は溶液濃度あるいは基板上への塗布
厚により制御できる。
本発明の燃料電池は、高分子電解質フィルムの両面に、
触媒および集電体としての導電性物質を接合することに
より製造することができる。該触媒としては、水素また
は酸素との酸化還元反応を活性化できるものであれば特
に制限はなく、公知のものを用いることができるが、白
金の微粒子を用いることが好ましい。白金の微粒子は活
性炭や黒鉛などの粒子状または繊維状のカーボンに担持
されて用いることが好ましい。集電体としての導電性物
質に関しても公知の材料を用いることができるが、多孔
質性のカーボン不織布またはカーボンペーパーが、原料
ガスを触媒へ効率的に輸送するために好ましい。多孔質
性のカーボン不織布またはカーボンペーパーに白金微粒
子または白金微粒子を担持したカーボンを接合させる方
法、およびそれを高分子電解質フィルムと接合させる方
法については、例えば、J. Electroche
m. Soc.: Electrochemical
Science and Technology, 1
988, 135(9), 2209 に記載されてい
る方法等の公知の方法を用いることができる。
本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものでは
ない。実施例および比較例に使用した高分子電解質には
Nafion115(膜厚130μm)(Du Pon
t社製)、詳細は後述するが、ポリエーテルスルホン−
ポリフェニレンエーテル共重合体スルホン酸膜(以下B
1と呼ぶ)(膜厚50μm)を使用した。またリン酸お
よびリン酸エステルは、市販の試薬特級を用いた。リン
酸(85wt%)(和光純薬製)、リン酸メチルエステ
ル(モノ-,ジエステル混合物)(東京化成製、モノエス
テル:ジエステルの混合モル比53:47)、リン酸エチル
エステル(モノ-,ジエステル混合物)(東京化成製、モ
ノエステル:ジエステルの混合モル比49:51)、リン酸
イソプロピルエステル(モノ-,ジエステル混合物)(東
京化成製、モノエステル:ジエステルの混合モル比45:
55)、リン酸トリエチルエステル(純正化学製)を使用
した。上記リン酸エステルのモノエステルとジエステル
の混合モル比は、31P-NMR測定結果により計算した値で
ある。リン酸およびリン酸エステルの溶媒としては、エ
タノール(和光純薬製)を用いた。浸漬処理前後のフィ
ルム重量の測定にはハロゲン水分計HR73(メトラー
トレド社製)を使用し、100℃で重量が一定になった
ところで測定した。なお、リン酸エステルの導入率
(%)の算出には数1の式を用いて計算した。
−[浸漬処理前のフィルム重量])/[浸漬処理前のフ
ィルム重量]}×100
に切り出し、フイルム重量を測定した。またリン酸イソ
プロピルエステル3.0gにエタノール7.0gを加
え、処理液とした。このフィルムを処理液中で室温で1
2時間浸漬処理した。その後フィルムを取り出し、表面
に付着した処理液をろ紙で拭い取り、100℃で1時間
常圧乾燥してエタノールを蒸発させたのち、フィルム重
量を測定し、数1の式を用いて導入率を算出した。その
後、プロトン伝導度測定を行った。プロトン伝導度測定
は、恒温槽中120℃で1287型高性能ポテンショ/ガル
バノスタット(ソーラトロン社製)及び1260型インピー
ダンス・ゲイン/フェースアナライザ(ソーラトロン社
製)を用いて、交流インピーダンス法で測定した。
験操作は実施例1と同様の方法で行った。処理液にはリ
ン酸メチルエステル2.0gにエタノール8.0gを加
えたものを使用した。処理条件、導入率は表1に示し
た。
作は実施例1と同様の方法で行った。処理液にはリン酸
85wt%溶液(和光純薬製)を10.0g用いた。処
理条件、導入率は表1に示した。
びプロトン伝導度(120℃)を表1に示した。これに
よると、同じNafion115をベースポリマーとし
て用いた場合、実施例1では比較例1と比較すると、導
入率はほぼ同じであるにもかかわらず、120℃で10
倍程度高いプロトン伝導度が得られており、また、実施
例2でも、比較例1の2倍以上高いプロトン伝導度が得
られており、リン酸イソプロピルエステル及びリン酸メ
チルエステルを導入した高分子電解質は、リン酸を導入
したものに比べ、高温で高いプロトン伝導特性を得た。
体スルホン酸膜(B1)は下記の方法で合成した。無水
塩化第一銅と2−メチルベンズイミダゾールをトルエン
中で大気下室温で15分攪拌した。これに2−フェニル
フェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェニルとトル
エンを加え、酸素雰囲気下50℃で10時間攪拌した
後、塩酸を含むメタノール中に注いでポリマーを析出さ
せ、ろ過、乾燥してポリ(2−フェニルフェニレンエー
テル)を得た。次に共沸蒸留装置を備えたフラスコに、
スミカエクセルPES5003P(住友化学工業製、水
酸基末端ポリエーテルスルホン)、上記の方法で合成し
たポリ(2−フェニルフェニレンエーテル)、炭酸カリ
ウム、N,N−ジメチルアセトアミド(以下DMAcと
呼ぶ)及びトルエンを加え、加熱攪拌してトルエンと水
の共沸条件下にて脱水し、トルエンを蒸留除去した後、
4,4−ジフルオロベンゾフェノンを添加し、160℃
にて10時間加熱攪拌した。反応液を大量の塩酸酸性メ
タノールに滴下し、得られた沈殿物をろ過回収し、乾燥
して、ブロック共重合体を得た。得られたブロック共重
合体を98%硫酸中室温下にて攪拌して溶解させること
によりスルホン化した後、氷水中に滴下して析出させ、
ろ過回収、洗浄、乾燥してスルホン化したブロック共重
合体を得た。製膜法としてはDMAcに溶解し、ガラス
板上にキャスト製膜し、乾燥してフィルムを作成した。
得られた高分子電解質のイオン交換容量1.6meq/
gであった。
る以外は実施例1と同様の方法で行った。処理液にはリ
ン酸イソプロピルエステルを10.0g用いた。処理条
件、導入量は表2に示した。
作を行った。処理液としてリン酸メチルエステルを1
0.0g用いた。処理条件、導入量は表2に示した。
作を行った。処理液にリン酸85wt%溶液を10.0
g用いた。処理条件、導入率は表2に示した。
入率及びプロトン伝導度(120℃)を表2に示した。
B1をベースポリマーに用いた場合、プロトン伝導度の
向上効果が顕著に表れるためにはNafion115の
場合に比べると多くの導入量を必要とするが、実施例
3、実施例4では浸漬時に100℃に加熱することによ
り、それぞれ150%、153%まで導入できたのに対
し、比較例2では100℃で2時間浸漬処理しても36
%にとどまった。120℃でのプロトン伝導度について
は実施例3は、比較例2に比べ、10倍以上の高いプロ
トン伝導度が得られ、実施例4でも比較例2に比べ2倍
以上のプロトン伝導度が得られた。リン酸イソプロピル
エステル及びリン酸メチルエステルを導入した高分子電
解質は、リン酸を導入したものに比べ、100℃以上の
高温で高いプロトン伝導特性を得た。
後の操作は実施例1と同様の方法で行った。処理液はリ
ン酸エチルエステル2.0gにエタノール8.0gを加
えたものを使用した。処理条件、導入率は表3に示し
た。
液にリン酸トリエチルエステル10.0gを用いて、実
施例1と同様の操作を行った。処理条件、導入率は表3
に示した。
例3のリン酸トリエチルエステルに比べ、100℃以上
の高温で高いプロトン伝導性を有していることが分かっ
た。このことから、トリエステルではなくモノエステル
及びジエステル及びその混合物であることが、100℃
以上でのプロトン伝導度向上に効果があると考えられ
る。以上の結果より、本発明のスルホン酸基を持つ高分
子電解質にリン酸イソプロピルエステルに代表されるリ
ン酸エステルを導入した高分子電解質では、リン酸に比
べ、高温で高いプロトン伝導特性が得られることがわか
った。
質に特定のリン酸エステルを含有させた高分子電解質
は、リン酸を含有させた高分子電解質に比べて、高いプ
ロトン伝導性を有し、固体高分子型燃料電池用高分子電
解質として有用である。また、100℃以上の高温でも
高いプロトン伝導性を有することから、100℃以上の
高温で動作させる固体高分子型燃料電池用高分子電解質
として有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】スルホン酸基を持つ高分子電解質と、一般
式(1)で表される1種または2種以上のリン酸エステ
ルとを含有することを特徴とする高分子電解質。 (1)(式(1)中、Rは直鎖、分岐もしくは環状のア
ルキル基またはアリール基を表す。nは1または2を表
す。nが2の場合、2個あるRは同一でも異なっていて
もよい。) - 【請求項2】スルホン酸基を持つ高分子電解質100重
量部に対し、リン酸エステルを10〜200重量部含有
することを特徴とする請求項1記載の高分子電解質。 - 【請求項3】請求項1または2記載の高分子電解質を使
用してなることを特徴とする燃料電池。
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- 2001-04-23 JP JP2001124006A patent/JP4907010B2/ja not_active Expired - Fee Related
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