JP2002318208A - Xafs測定装置 - Google Patents

Xafs測定装置

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JP2002318208A
JP2002318208A JP2001122202A JP2001122202A JP2002318208A JP 2002318208 A JP2002318208 A JP 2002318208A JP 2001122202 A JP2001122202 A JP 2001122202A JP 2001122202 A JP2001122202 A JP 2001122202A JP 2002318208 A JP2002318208 A JP 2002318208A
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ray tube
rays
xafs
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JP2001122202A
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Takeyoshi Taguchi
武慶 田口
Katsumi Tsukamoto
勝美 塚本
Atsunori Kiku
敦徳 禧久
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線光路を覆う真空パスや大型の真空容器を
使わずにX線の光路を大気から隔離できるようにする。 【解決手段】 XAFS測定装置はX線分光装置と検出
部を備えている。このXAFS測定装置は、少なくとも
X線分光装置の全体を気密に覆うカバー10を備えてい
る。カバー10の内部にヘリウムガスを充填できる。X
線管20の外面とカバー10の開口部26はゴム製の蛇
腹22によって気密につながっている。この蛇腹22の
内部空間は、X線管20の高圧ブッシングの露出部分を
収容していて、かつ、前記開口部26を介して大気に連
通している。このように高圧ブッシングが大気中に存在
するので、高圧ブッシングのところで放電を生じること
はない。また、X線分光装置の動きに伴ってX線管が移
動しても、蛇腹22が曲がったり伸縮したりすること
で、X線管20の外面とカバー10の開口部26とは気
密につながった状態を保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、XAFS(ザフ
ス、X-ray Absorption Fine Structure: X線吸収微細
構造)測定装置に関し、特に、X線光路を大気から隔離
しうるXAFS測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】XAFS(ザフス、X-ray Absorption F
ine Structure: X線吸収微細構造)測定装置は、試料
のX線吸収端近傍の微細なX線吸収スペクトルを測定す
る装置である。XAFSは、EXAFS(イグザフス、
Extended X-ray Absorption Fine Structure: X線広域
吸収微細構造)とXANES(ゼーネス、X-ray Absorp
tion Near Edge Structure:X線吸収端近傍微細構造)
とに分類される。EXAFSは、試料のX線吸収端より
もエネルギーの高い方に向かって1keV程度の広い範
囲にわたって見られる吸収微細構造のことであり、従来
からよく知られている。一方、XANESはX線吸収端
の近傍(吸収端±50eV程度)の狭い領域に現れる吸
収端微細構造のことであり、最近注目を集めている。X
ANESは、EXAFS測定装置と同じ装置構成で測定
できるので、XANES測定とEXAFS測定の両方が
できる装置として、従来のEXAFS測定装置という名
称に代えて、最近はもっぱらXAFS測定装置の名称を
使うようになってきている。本件発明はこのXAFS測
定装置に関するものである。
【0003】XAFS測定装置は、連続X線を結晶モノ
クロメータで分光して任意の波長の単色X線を取り出す
ことができて、この波長を変化させて試料のX線吸収係
数を測定することができる。
【0004】XAFS測定装置は、試料の着目物質の吸
収端付近のエネルギーのX線波長をスキャンして試料の
X線吸収スペクトルを測定しているが、原子番号の小さ
な物質を測定する場合は吸収端のエネルギーが小さくな
る(測定に使うX線波長が大きくなる)ために、空気に
よるX線の吸収が無視できなくなる。特に、吸収端のエ
ネルギーが5keV以下の元素(チタンよりも原子番号
の小さい元素)を測定する場合には、空気によるX線の
吸収が大きいために、大気中ではXAFS測定に必要な
X線強度が確保できない。したがって、吸収端のエネル
ギーが5keV以下の元素を測定するには、従来は、X
線の光路部分を大気から隔離して、この光路部分にヘリ
ウムガスを充填したり、この光路部分を真空排気したり
していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】XAFS測定装置にお
いて、X線の光路部分だけを大気から隔離する場合、次
の問題がある。XAFS測定装置は、連続X線源から任
意の波長のX線を取り出すために、湾曲結晶モノクロメ
ータを用いたX線分光装置を用いている。このX線分光
装置において、取り出す波長を変更するには、モノクロ
メータに対するX線の入射角を変更する必要があり、そ
の場合、X線の光路部分を物理的に移動させる必要があ
る。このような移動可能な光路部分だけを大気から隔離
しようとすると、移動可能な真空パスを作る必要があ
る。このような真空パスを作ると、X線分光装置の移動
可能な範囲に制約が出てくる。すなわち、真空パスがな
い場合は湾曲結晶モノクロメータの回折角度(2θ)が
30度の低角になるまで分光装置を動かすことができて
も、真空パスを備えたX線分光装置の場合は、2θが5
0〜60度程度が下限となる。
【0006】次に、モノクロメータを低角で使うと有利
になることを説明する。モノクロメータを使って所望の
X線波長を取り出す場合に、同じ波長のX線を取り出す
のに、モノクロメータの結晶材質とX線入射角との組み
合わせがいくつか考えられる。例えば、硫黄(元素記号
S)のXAFS測定をすることを想定すると、その吸収
端エネルギーは2471eVであり、このエネルギーに
相当するX線の波長を取り出すには、図5に示すような
組み合わせが考えられる。この中で、EDdTは Ethyl
ene Diamine Dextrotartrate の略称、ADPは Ammoni
um DihydrogenPhosphate の略称、PETは Pentaeryth
ritol の略称である。また、Berylは日本語では緑
柱石である。また、dは回折に寄与する格子面間隔であ
り、θはモノクロメータに対するX線の入射角である。
【0007】上述の組み合わせのうちで、X線入射角θ
が小さいほどX線強度を稼ぐことができる。したがっ
て、図5に示す組み合わせの中では、モノクロメータと
してBeryl結晶の(1010)面を使う組み合わせ
が、X線の入射角θが一番小さくなり、X線強度を稼ぐ
ことができる。しかしながら、このようにX線入射角を
小さくしようとしても、真空パスを使う従来のXAFS
測定装置では、分光光学系の移動が制約されるので、最
適なBeryl(1010)を使うことができないこと
になる。
【0008】そこで、X線の光路だけを真空パスにしな
いで、X線分光装置の全体を真空容器の内部に配置する
ことが考えられる。このようにすれば、分光装置の角度
範囲について上述のような制約がなくなる。しかしなが
ら、X線分光装置の全体を真空容器の内部に配置する
と、次のような問題がある。第1に、真空容器がかなり
大型になり、このような大型の真空容器を大気圧に耐え
るようにするためには、かなり頑丈な容器にする必要が
ある。第2に、X線管の高圧ブッシングのところで放電
が生じ易くなる(大気圧では放電は起こらない)。第3
に、X線管の放熱性が悪くなる。
【0009】この発明は上述の問題点を解決するために
なされたものであり、その目的は、X線光路を覆う真空
パスや大型の真空容器を使わずにX線の光路を大気から
隔離できるようなXAFS測定装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明のXAFS測定
装置はX線分光装置と検出部を備えている。X線分光装
置はX線管とモノクロメータと受光スリットとを含んで
いて、モノクロメータに対するX線の入射角を変更する
ことで波長の異なるX線を受光スリットから取り出すこ
とができる。検出部は、受光スリットを出て試料に入射
する前のX線の強度を検出する第1のX線検出器と、試
料から出てきたX線の強度を検出する第2のX線検出器
とを含んでいる。そして、この発明に特徴的なことは、
少なくともX線分光装置の全体を気密に覆うカバーを備
えている。カバーの内部は大気から隔離されており、こ
のカバーの内部にヘリウムガスなどの充填ガスを充填で
きる。さらに、この発明は、X線管の外面とカバーの開
口部とを気密につなぐ可撓性の筒状部材(例えば、ゴム
製の蛇腹)を備えている。この筒状部材の内部空間は、
X線管の高圧ブッシングの露出部分を収容していて、か
つ、前記開口部を介して大気に連通している。このよう
に高圧ブッシングが大気中に存在するので、高圧ブッシ
ングのところで放電を生じることはない。また、X線分
光装置の動きに伴ってX線管が移動しても、可撓性の筒
状部材が曲がったり伸縮したりすることで、X線管の外
面とカバーの開口部とは気密につながった状態を保つ。
【0011】
【発明の実施の形態】図1はこの発明のXAFS測定装
置のひとつの実施形態の正面図であり、カバー10だけ
は断面で示してある。このXAFS測定装置は、その全
体が気密性のカバー10で覆われている。この実施形態
ではカバー10はアクリル製である。カバー10は第1
カバー80と第2カバー82からなり、それらの内部空
間は薄い仕切り膜84(例えば、ポリイミド製のフィル
ム)で仕切られている。第1カバー80はX線分光装置
の全体を気密に覆うものであり、第2カバー82は検出
部を気密に覆うものである。通常の測定では第1カバー
80の内部だけをヘリウムガスで満たしており、第2カ
バー82の内部は大気にしている。第1カバー80の上
端付近にはガス供給口12があり、供給弁14が接続さ
れている。一方、第1カバー80の下端付近にはガス排
出口16があり、排出弁18が接続されている。ガス供
給口12はヘリウムガスを第1カバー80の内部に供給
するためのものであり、ガス排出口は第1カバー80の
内部の空気を外部に追い出すためのものである。
【0012】図2はXAFS測定装置の第1カバー80
の内部の斜視図である。したがって、この図はX線分光
装置を示している。まず、このX線分光装置の構成を説
明する。
【0013】このX線分光装置は湾曲結晶モノクロメー
タ30を用いるものであり、その回折光学系のローラン
ド円は鉛直面内にある。X線分光装置のほぼ全ての荷重
は下方のベース32で支持されている。ベース32の一
端の上面には1対の第1ブラケット34が固定されてい
る。この第1ブラケット34に第1アーム36の下端が
回転可能に連結されている。また、正面側の第1ブラケ
ット34にはスリットボックス35が正面側に突き出る
ように固定されている。このスリットボックス35の内
部に受光スリットが収納されている。ベース32の上面
には1対の第1ガイドレール38が固定されている。こ
の第1ガイドレール38の上に第1スライド台40がス
ライド可能に載っている。第1スライド台40は第1ボ
ールねじ42に噛み合っており、第1ボールねじ42は
第1モータ43の出力軸に結合されている。第1モータ
43が回転すると第1ボールネジ42が回転し、これに
よって第1スライド台40が第1ガイドレール38上を
スライドする。
【0014】第1スライド台40の上面には1対の第2
ブラケット44が固定されている。この第2ブラケット
44に支柱45の下端が回転可能に連結されている。ま
た、正面側の第2ブラケット44には第2アーム46の
下端が回転可能に連結されていて、そこにモノクロメー
タ支持台48が固定されている。このモノクロメータ支
持台48に湾曲結晶モノクロメータ30が取り付けられ
ている。
【0015】図1に戻って、支柱45の正面側に1対の
第2ガイドレール50が固定されている。この第2ガイ
ドレール50に第2スライド台52がスライド可能に連
結されている。第2スライド台52は第2ボールねじ5
4に噛み合っており、第2ボールねじ54は上方の第2
モータ56の出力軸に結合されている。第2モータ56
が回転すると第2ボールネジ54が回転し、これによっ
て第2スライド台52が第2ガイドレール50に沿って
スライドする。第2スライド台52の正面側には第3ア
ーム58の上端が回転可能に連結されている。そして、
第1アーム36の上端と第2アーム46の上端と第3ア
ーム58の下端は回転中心59のところで互いに回転可
能に連結されている。回転中心59はローランド円の中
心に一致している。
【0016】第2スライド台52の正面側の上端付近に
はX線管支持板60(図2も参照)が固定されている。
このX線管支持板60は第2スライド台52から正面側
に突き出している。このX線管支持板60の下面にX線
管20が固定されている。また、第2スライド台52の
側縁にはバランスウェイト支持板62が固定されてい
る。このバランスウェイト支持板62にバランスウェイ
ト64が固定されている。バランスウェイト64はX線
管20の重量のバランスをとるためのものであり、支柱
45に対してX線管20とバランスウェイト64が互い
に反対方向にほぼ等しい曲げモーメントが作用するよう
にしている。
【0017】図1と図2において、このX線分光装置
は、その荷重のほぼすべてをベース32で支持してい
る。ベース32は、X線管20を移動させる機構(支柱
45、第2ガイドレール50、第2スライド台52、第
2ボールねじ54及び第2モータ56)と、湾曲結晶モ
ノクロメータ30を移動させる機構(第1ガイドレール
38、第1スライド台40、第1ボールねじ42及び第
1モータ43)のすべてを支持していることになる。こ
れにより、X線分光装置の構成がコンパクトになってい
る。
【0018】X線管20は開放型の固定対陰極X線管で
あり、X線管20の内部を真空排気するためのターボ分
子ポンプ66が接続されている。なお、このX線管20
は、回転対陰極X線管としてもよいし、封入式のX線管
としてもよい。
【0019】次に、このX線分光装置の動作を説明す
る。図1において、X線管20の焦点Fと湾曲結晶モノ
クロメータ30の反射面と受光スリットRSはローラン
ド円上に位置している。X線管20の焦点Fから出た連
続X線は、発散スリット(第2スライド台52に取り付
けられている)で発散角を制限されてから湾曲結晶モノ
クロメータ30に入射する。そのときの入射角θ(モノ
クロメータ30の反射面と入射X線とのなす角度)に対
応した波長(ブラッグ条件を満足した波長)のX線だけ
がモノクロメータ30で反射して受光スリットRSに集
光する。図1は、モノクロメータ30に対するX線の入
射角θが45度(2θ=90度)の状態を示している。
このとき、支柱45は鉛直状態にある。
【0020】図3は図1の状態からモノクロメータ30
に対するX線の入射角θを30度(2θ=60度)に変
更した状態を示している。このような状態にするには、
第1スライド台40を図3の右方向に所定距離だけ移動
させて、同時に、第2スライド台52を同じ距離だけ支
柱45に沿って下降させればよい。そのためには、第1
モータ43(図2を参照)を所定量だけ回転させ、同時
に、第2モータ56を所定量だけ回転させる。第1モー
タ43と第2モータ56はパルスモータであり、パルス
数を制御することによって第1スライド台40と第2ス
ライド台52の位置を正確に制御できる。図3の状態に
なっても、X線管20の焦点Fと湾曲結晶モノクロメー
タ30の反射面と受光スリットRSはローランド円上に
載っている。
【0021】図1の状態と図3の状態を比較すると分か
るように、このX線分光装置では、X線の波長を変化さ
せるように湾曲結晶モノクロメータ30とX線管20と
を動かしても、受光スリットRSは完全に静止してい
る。さらに、湾曲結晶モノクロメータ30から受光スリ
ットRSに向かう光軸の方向も全く変化しない。このこ
とは、X線分光装置から取り出すX線の波長を変化させ
ても受光スリットRSの後方に設置する試料やX線検出
器は全く動かす必要がないことを意味する。
【0022】次に、図1に戻って、検出部の構造を説明
する。スリットボックス35の後方(図面の右側)に
は、透過型比例計数管74(第1のX線検出器)と試料
76とシンチレーションカウンタ78(第2のX線検出
器)とが、この順番に配置されている。スリットボック
ス35内の受光スリットRSを通過したX線は、透過型
比例計数管74を通過して、試料76を透過し、シンチ
レーションカウンタ78に達する。試料76を透過する
前のX線強度は透過型比例計数管74で検出され、試料
76を透過した後のX線強度はシンチレーションカウン
タ78で検出される。両者のX線強度を比較することに
より、試料76のX線吸収係数を求めることができる。
そして、第1スライド台40と第2スライド台52を移
動させることにより、モノクロメータ30へのX線入射
角θを変化させることができ、このようにX線の波長を
変化させて試料76のX線吸収係数を測定すれば、試料
76のX線吸収スペクトルを求めることができる。な
お、第1のX線検出器としては、上述の透過型比例計数
管のほかに、イオンチャンバー(電離箱)やシリコンP
INダイオードなども使用できる。また、第2のX線検
出器としては、比例計数管やSSD(半導体検出器)な
ども使用できる。
【0023】ところで、第2カバー82の内部は通常は
大気の状態にしているので、仕切り膜84(スリットボ
ックス35の直後に位置している)を通過したX線は空
気中を進むことになる。したがって、この検出部のとこ
ろでは空気によってX線が吸収されてX線強度が減衰す
ることになる。しかしながら、仕切り膜84からシンチ
レーションカウンタ78(第2検出器)までの距離は、
X線分光装置におけるX線経路の長さと比較すればわず
かであるので、検出部における空気の影響はそれほど大
きくなく、測定に影響するほどのものではない。したが
って、検出部はヘリウムガスで満たしていない。ただ
し、非常に低いエネルギー(例えば3keV以下)で測
定をする場合には、この検出部における空気の吸収も無
視できなくなるので、第1カバー80と第2カバー82
の間の仕切り膜84を外して、第2カバー82の内部空
間もヘリウムガスで満たすことが望ましい。その際は、
通常の比例計数管やシンチレーション検出器をそのまま
使うと、高圧印加部で放電を生じるおそれがあるので、
高圧印加部を気密にシールドしたX線検出器を使う必要
がある。
【0024】次に、第1カバー80の内部をヘリウムガ
スで充填する作業を説明する。第1カバー80の内部に
空気が充満している状態で、この空気をヘリウムガスに
置換するには次のようにする。供給弁14と排出弁18
を開いて、供給弁14を通してヘリウムガスを第1カバ
ー80の内部に供給する。ヘリウムガスは空気よりも軽
いので、第1カバー80の内部空間の上方から空気がヘ
リウムガスに置換されていき、重い空気は下方の排出弁
18から出ていく。排気弁18からヘリウムガスが出て
くるようになれば、第1カバー80の内部空間はすべて
ヘリウムガスに置換されたことになる。その後は、ヘリ
ウムガスの供給流量を少なくして、わずかにヘリウムガ
スが流れる状態にしておく。こうすると、カバーに多少
の洩れがあっても、第1カバー80の内部空間は常にヘ
リウムガスで満たされた状態になる。第1カバー80内
のヘリウムガスの圧力を大気圧と同じにすれば、第1カ
バー80には気圧差に起因する力がかからないので、頑
丈なカバーは必要ない。
【0025】次に、X線管とカバーとを気密につなぐ構
造を説明する。図1において、X線管20には蛇腹22
の一端が接続されており、蛇腹22の他端はカバーの窓
24に形成された開口26に接続されている。窓24か
らはX線管20の高圧ケーブル28が取り出される。こ
の点を図2を参照して詳しく説明する。図2において、
X線管20の真空容器の一方の端面からは対陰極支持部
68の一部が露出している。この対陰極支持部68に、
冷却水の供給口及び排出口(図示せず)が接続されてお
り、さらには、高圧ブッシング70(高電圧用の電気導
入端子)が接続されている。高圧ブッシング70には高
圧ケーブル28が接続されている。そして、X線管20
の真空容器の一方の端部付近にはフランジ72が気密に
固定されている。このフランジ72にゴム製の蛇腹22
の一端が気密に接続されている。蛇腹22の他端は図1
に示すように窓24の開口26に気密に接続されてい
る。なお、図2では蛇腹22は、その内部が見えるよう
に一部を削除して図示している。
【0026】図1において、蛇腹22は第1カバー80
の内部空間(ヘリウムガス雰囲気)と外部空間(大気)
とを仕切るものである。すなわち、蛇腹22の内部空間
は開口26を通して外部空間とつながっている。したが
って、蛇腹22の内部に存在する高圧ブッシングは大気
中にある。ゆえに、高圧ブッシングに高電圧を印加した
場合に、高圧ブッシングとX線管の真空容器との間で放
電が生じない。もし高圧ブッシングがヘリウムガス中に
あると、高圧ブッシングのところで放電が生じるおそれ
がある。なお、X線管の内部の真空度を測定するイオン
ゲージをX線管に設ける場合があるが、その場合は、こ
のイオンゲージも蛇腹22の内部空間に収容するのが好
ましい。イオンゲージをヘリウムガス雰囲気に入れる
と、イオンゲージのところでも放電が生じるおそれがあ
るからである。したがって、イオンゲージの配線も蛇腹
22の内部を通って開口26から取り出される。さらに
は、上述の冷却水の配管も蛇腹22の内部を通って開口
26から取り出される。なお、図1と図2ではイオンゲ
ージの配線や冷却水配管は図示を省略してある。
【0027】第1カバー80の内部を大気圧のヘリウム
ガスで満たした場合は、蛇腹22の内部空間(大気)と
外部(ヘリウムガス雰囲気)との間には気圧差が生じな
いので、耐圧製の蛇腹にする必要はない。したがって、
この実施形態ではゴム製の蛇腹を用いている。ゴム製の
蛇腹は伸縮性に優れている。
【0028】X線分光装置が図3のように姿勢を変更し
た場合に、X線管20は開口26から離れる方向に移動
するが、その場合でも、蛇腹22が伸びることによって
X線管20と開口26との間はつながっている。
【0029】図4はカバー10の斜視図である。第1カ
バー80と第2カバー82の外観がよく示されている。
第1カバー80の窓24に形成された開口26からは、
高圧ケーブル28が外部に取り出されている。
【0030】
【発明の効果】この発明のXAFS測定装置は、少なく
ともX線分光装置を気密カバーで覆って、X線管の外面
とカバーの開口部とを可撓性の筒状部材でつなぎ、この
筒状部材の内部空間にX線管の高圧ブッシングの露出部
分を収容して、この内部空間を大気に連通したので、X
線の光路だけを覆う真空パスや大型の真空容器を使わず
にX線の光路を大気から隔離できる。したがって、空気
の影響がなくなり低エネルギーでのXAFS測定が可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のXAFS測定装置のひとつの実施形
態の正面図である。
【図2】図1のXAFS測定装置のX線分光装置の部分
を示す斜視図である。
【図3】図1の状態からモノクロメータに対するX線の
入射角を変更した状態を示す正面図である。
【図4】カバーの斜視図である。
【図5】硫黄の吸収端エネルギーに相当するX線波長を
得るためのモノクロメータの結晶材質と回折角度2θと
の組み合わせを示す表である。
【符号の説明】
10 カバー 12 ガス供給口 14 供給弁 16 ガス排出口 18 排出弁 20 X線管 22 蛇腹 24 窓 26 開口 28 高圧ケーブル 30 湾曲結晶モノクロメータ 70 高圧ブッシング 72 フランジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 禧久 敦徳 東京都昭島市松原町3丁目9番12号 理学 電機株式会社内 Fターム(参考) 2G001 AA01 BA13 CA01 DA01 EA01 GA01 GA13 JA01 JA04 JA05 JA11 JA14 SA01 SA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の構成を備えるXAFS測定装置。 (a)X線管とモノクロメータと受光スリットを含んで
    いて、モノクロメータに対するX線の入射角を変更する
    ことで波長の異なるX線を受光スリットから取り出すこ
    とができるX線分光装置。 (b)前記受光スリットを出て試料に入射する前のX線
    の強度を検出する第1のX線検出器と、試料から出てき
    たX線の強度を検出する第2のX線検出器とを含む検出
    部。 (c)少なくとも前記X線分光装置の全体を気密に覆う
    カバー。 (b)前記X線管の外面と前記カバーの開口部とを気密
    につなぐ可撓性の筒状部材であって、その内部空間がX
    線管の高圧ブッシングの露出部分を収容していてかつ前
    記開口部を介して大気に連通している筒状部材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のXAFS測定装置にお
    いて、前記可撓性の筒状部材はゴム製の蛇腹であること
    を特徴とするXAFS測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のXAFS測定装置にお
    いて、前記カバーの内部に充填ガスを供給するためのガ
    ス供給口が前記カバーに設けられていることを特徴とす
    るXAFS測定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5463909B2 (ja) * 2007-04-11 2014-04-09 三菱電機株式会社 樹脂中Br検出方法、樹脂分別装置、および再生樹脂製品の製造方法
CN104567756A (zh) * 2014-12-10 2015-04-29 国家电网公司 用于高压断路器的分合闸触头插入深度成像检测方法
CN116256380A (zh) * 2023-05-15 2023-06-13 安徽吸收谱仪器设备有限公司 一种台式xafs测试装置

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