JPH08170948A - X線装置のための試料雰囲気調節装置 - Google Patents

X線装置のための試料雰囲気調節装置

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JPH08170948A
JPH08170948A JP6334028A JP33402894A JPH08170948A JP H08170948 A JPH08170948 A JP H08170948A JP 6334028 A JP6334028 A JP 6334028A JP 33402894 A JP33402894 A JP 33402894A JP H08170948 A JPH08170948 A JP H08170948A
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JP
Japan
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sample
casing
atmosphere
ray
axis
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JP6334028A
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English (en)
Inventor
Naritami Sawano
成民 澤野
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線装置に用いられる試料雰囲気調節装置に
おいて、試料位置を調節するための機構を簡単且つ小型
に形成できるようにし、さらに特定雰囲気内に置かれた
試料の位置変動を防止する。 【構成】 試料4で回折するX線をX線カウンタによっ
て検出するX線装置に用いられ、試料4のまわりの雰囲
気を所望の状態、例えば絶対零度に近い極低温に保持す
る試料雰囲気調節装置である。この装置は、ケーシング
ユニット15と試料支持ユニット16の2つのユニット
を結合して形成される。試料4を収容する温度調節室R
T を極低温に調節する冷媒供給系及び真空排気系はケー
シングユニット15側に設けられ、試料4を位置調節の
ために移動させるX−Yテーブル41及び昇降機構3
7,38は試料支持ユニット16側に設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線を用いて試料を分
析するX線装置に利用される試料雰囲気調節装置、特に
試料のまわりの温度、ガス、真空度等の雰囲気を所望の
条件に保持するための試料雰囲気調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】試料にX線を照射し、その試料で回折、
反射又は散乱するX線をX線検出手段によって検出する
ようにしたX線装置は広く知られている。例えば、試料
で回折したX線を検出するX線回折装置、試料で反射し
たX線を検出するX線反射率測定装置、そして試料にX
線を照射したときの試料を中心とする低角度範囲、例え
ば0〜5゜程度の角度範囲に発生する散乱X線を検出す
るX線小角散乱装置、その他種々のX線装置が知られて
いる。
【0003】これらの各種X線装置において、試料を特
定の雰囲気条件、例えば特定の温度条件、真空条件、特
定のガス条件等に置いた状態で測定を行う場合がある。
このような場合は、一般に、試料のまわりをケーシング
によって気密に包囲した上で、そのケーシング内に液体
ヘリウム等の冷媒を導入してケーシング内部を冷却した
り、ケーシング内を排気して真空にしたり、ケーシング
内に特定のガスを導入して試料のまわりをそのガス雰囲
気に保持したりする。このように試料のまわりを特定の
雰囲気に保持するために用いられるのが試料雰囲気調節
装置である。
【0004】ところで、通常のX線装置では、入射X線
に対する試料の位置を測定に先立って調節するために試
料を垂直面内又は水平面内で平行移動させる必要があ
る。試料雰囲気調節装置を備えた従来のX線装置では、
そのように試料を平行移動させる際、試料を包囲するケ
ーシングの全体を移動することによって試料を移動させ
ていた。しかしながら、ケーシングにはその内部へガス
を導入及び排出するための配管や、ケーシングの内部に
装備される電気機器に通電するための電気配線等が接続
される。従って、上記のように試料位置の調節のために
ケーシングの全体を移動させるときには、それに接続し
た配管、配線等が初期位置からズレてしまい、それらの
配管等とケーシングとの間に不要な応力が発生し、その
結果、試料位置が初期位置から変動することがあった。
また、試料の位置調節のためにケーシングの全体を移動
させる場合には、位置調節のための機構が大きくなり、
X線装置の測角範囲が小さく制限されるという問題もあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の試料
雰囲気調節装置にみられる上記の問題点を解消するため
になされたものであって、試料位置を調節するための機
構を簡単且つ小型に形成できるようにすること及びケー
シングに接続される配管等のズレに起因する試料位置の
変動を防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解消する
ため、本発明に係るX線装置のための試料雰囲気調節装
置は、試料を気密に包囲するケーシングと、そのケーシ
ング内の雰囲気を調節する雰囲気調節手段と、そのケー
シングから独立して試料を直交3方向のうちの少なくと
もいずれか1方向へ平行移動させる試料移動手段とを有
することを特徴とする。試料移動手段は、ケーシングを
位置不動にさせたままで試料のみを平行移動できる機構
である。
【0007】雰囲気調節手段は、ケーシングの内部を真
空状態、特殊ガス雰囲気状態、低温状態又は高温状態の
少なくともいずれか1つの状態に設定する。例えば、真
空状態に設定するための雰囲気調節手段としては、ケー
シングの内部を排気する排気装置が考えられる。また、
ケーシングの内部を極低温状態に設定するための雰囲気
調節手段としては、ケーシングの内部に液体窒素、液体
ヘリウム等の冷媒を導入及び排出する冷媒供給機構が考
えられる。また、ケーシングの内部を高温状態に設定す
るための雰囲気調節手段としては、通電によって発熱す
るヒータ等が考えられる。
【0008】試料移動手段はケーシングに直接に取り付
けることもできるが、次のように構成することもでき
る。すなわち、試料を支持するための試料支持手段をケ
ーシングとは別体に設け、ケーシングと試料支持手段と
を互いに結合することによって試料雰囲気調節装置が形
成されるようにする。そして、試料を移動させるための
試料移動手段は試料支持手段側に設け、一方、雰囲気調
節手段はケーシング側に設ける。ケーシングには、試料
支持手段を挿入するためのケーシング開口部を形成し、
ケーシングと試料支持手段の両者を結合する時には、試
料支持手段のうちの試料を支持した部分をケーシング開
口部に挿入する。
【0009】ケーシングに関しては種々の構造が考えら
れる。例えば、試料を包囲するための単なる1重構造の
管によってケーシングを構成できる。また、試料を包囲
すると共に内部が低温又は高温に設定される温度調節室
と、その温度調節室を包囲すると共に内部が真空状態又
は減圧状態(以下単に、真空状態という)に設定される
減圧室とを有する多重構造の管ユニットによってケーシ
ングを構成することもできる。特に温度調節室を低温状
態に設定する場合には、その温度調節室に液体窒素又は
液体ヘリウム等の冷媒を導入する構造が好ましい。減圧
室内の真空状態は、温度調節室内の低温又は高温状態を
外部の雰囲気から熱的に遮断する。
【0010】本発明に係る試料雰囲気調節装置は、X線
回折装置、X線反射率測定装置、X線カメラ装置、その
他種々の形式のX線装置に適用できる。例えば、X線回
折装置の1種として4軸ゴニオメータを用いた単結晶構
造解析装置が知られている。この4軸ゴニオメータは、
試料を通るφ軸線を中心として試料を回転させるΦ回転
系と、試料を通りφ軸線に直交するχ軸線を中心として
Φ回転系を回転させるΧ回転系と、試料を通りχ軸線に
直交するω軸線を中心としてΧ回転系を回転させるΩ回
転系と、そして上記ω軸線を中心としてX線検出手段を
回転させる2θ回転系の4つの回転系を有するゴニオメ
ータである。この4軸ゴニオメータに本発明の試料雰囲
気調節装置を装着するときには、ケーシングを上記Χ回
転系上に配設し、そして試料移動手段を上記Φ回転系の
上に配設するのが望ましい。
【0011】
【作用】雰囲気調節手段によってケーシングの内部の雰
囲気を希望の雰囲気に調節することにより試料のまわり
を希望の雰囲気に設定する。通常のX線装置では、ケー
シングを通過して試料に入射するX線ビームに対して試
料を常に一定の位置に置く必要がある。このような試料
位置の調節は、試料移動手段によって試料を直交3方向
のいずれかに平行移動させることによって行われる。そ
の際、試料移動手段はケーシングから独立して試料を移
動させる、すなわちケーシングを位置不動にしたままで
試料のみを移動させるので、試料を移動させたとしても
ケーシングに付属の配管や配線等の位置は変動しない。
【0012】配管等の位置が変動すると、その位置変動
に応じてケーシング及び配管等に不要な応力が発生し、
その結果、測定中の試料の位置が変動するおそれがあ
る。しかしながら、試料のみを移動させてケーシングは
位置不動に保持するようにした本発明によれば、そのよ
うな試料の位置変動の心配がない。また、試料移動手段
は試料だけを移動させればよく、ケーシングまでも移動
させる必要はないので、試料移動手段の構造を簡単且つ
小型にできる。
【0013】
【実施例】(実施例1) 図1及び図2は、本発明に係る試料雰囲気
調節装置を4軸ゴニオメータを用いたX線単結晶構造解
析装置に付設した場合の実施例を示している。この単結
晶構造解析装置は、好ましくはポイントフォーカスのX
線を発生するX線源1と、X線の発散を制限する発散規
制スリット28と、X線を単色化するモノクロメータ2
と、X線を平行ビームに成形するコリメータ3と、そし
て4軸ゴニオメータ5とを有している。4軸ゴニオメー
タ5は、測定対象である単結晶試料4を収容した試料雰
囲気調節装置20、受光ユニット21及びX線カウンタ
7を支持すると共に、それらの各機器の測角を行う。受
光ユニット21の中には、不要なX線ビームがX線カウ
ンタ7へ入るのを防止する受光スリット6や、必要に応
じてモノクロメータが収容される。
【0014】4軸ゴニオメータ5は、単結晶試料4をそ
の試料4を通るφ軸線のまわりに回転させるΦ回転駆動
系8と、ブラケット25によってΦ回転駆動系8を支持
するχサークル部材9と、試料4を通りφ軸線に直交す
るχ(カイ)軸線を中心としてχサークル部材9を回転
させるΧ(カイ)回転駆動系22と、Χ回転駆動系22
が固着されたΩテーブル23と、試料4を通りχ軸線に
直交するω軸線のまわりにΩテーブル23を回転させる
Ω回転駆動系10と、Ωテーブル23から独立してω軸
線を中心として回転可能な2θテーブル24と、その2
θテーブル24をω軸線を中心として回転させる2θ回
転駆動系11とを有している。つまり、4軸ゴニオメー
タは、それぞれが独立している4つの回転系を有してい
る。
【0015】試料4を収容した試料雰囲気調節装置20
は、Χサークル部材9から延びる一方のブラケット26
とΦ回転駆動系8によって駆動されて回転するΦテーブ
ル14との間に装着されている。受光ユニット21及び
X線カウンタ7は、2θテーブル24から延びる検出器
アーム27によって支持される。Φ回転駆動系8、Χ回
転駆動系22、Ω回転駆動系10及び2θ回転駆動系1
1は、それぞれ、ステッピングモータ等のモータを駆動
源として各種機器を精密に測角制御する。
【0016】本実施例の単結晶構造解析装置は以上のよ
うに構成されているので、X線源1から放射されたX線
は、モノクロメータ2によって単色化及び集束されてコ
リメータ3へ送り込まれ、その後、単結晶試料4へ照射
される。単結晶4の結晶格子面と入射X線との間で回折
条件が満足されると、X線の回折が生じ、その回折X線
がX線カウンタ7によって検出され、そのX線強度に対
応した出力信号が生じる。この出力信号は結晶構造演算
回路へ送られ、所定の演算処理が実行されて結晶構造、
すなわち単結晶試料4を構成する各種の原子の座標値が
決定される。
【0017】結晶構造を決定するための演算処理及びそ
れに付随する4軸ゴニオメータ5の動作は、それ自体は
周知であるので、詳しい説明は省略するが、基本的に
は、次のような演算処理が実行される。まず、面指数が
(hkl)の面の回折条件を満たすように、2θ、ω、
χ(カイ)、φの各角度を計算によって求める。なお、
2θはω軸線を中心とするX線カウンタ7の回転角度を
示し、ωはω軸線を中心とするΧサークル部材9の回転
角度を示し、χはχ軸線を中心とするΧサークル部材9
の回転角度を示し、そしてφはφ軸線を中心とする試料
4の回転角度を示している。
【0018】そして、4軸ゴニオメータ5の上記各軸線
まわりの角度を上記の算出された各角度に設定し、その
状態で試料4にX線を照射し、さらにX線カウンタ7に
よって回折X線を検出する。そして、検出したカウント
値に基づいて回折X線の積分強度I(h)を算出し、そ
の積分強度I(h)から結晶構造因子 F0(h)を算出
し、さらにその F0(h)をフーリエ変換して電子密度
ρ(r)を算出する。この電子密度ρ(r)により、原
子の座標値が明らかになり、それ故、試料4の結晶構造
が明らかになる。必要に応じて、実測された結晶構造因
子 F0(h)と計算による結晶構造因子 FC(h)を比
較し、それらが最も一致するように、求められた電子密
度ρ(r)に修正を加える。
【0019】この単結晶構造解析装置に関しては、単結
晶試料4を特定の雰囲気内に置いた場合の試料の内部構
造を知りたい場合がある。特定の雰囲気というのは、絶
対零度等といった極低温状態や、室温よりも高い高温状
態や、真空状態や、特定のガス雰囲気状態等の各種の状
態が考えられる。図1に示した装置では、特に、試料4
を試料雰囲気調節装置20によって極低温状態の雰囲気
内に置く場合を考えている。以下、そのための構造を詳
しく説明する。
【0020】図3に示すように、試料雰囲気調節装置2
0は、Χサークル部材9の一方から延びるブラケット2
6にネジその他の締結具によって固着されたケーシング
ユニット15と、Φ回転駆動系8によって回転駆動され
るΦテーブル14にネジその他の締結具によって固着さ
れた試料支持ユニット16とによって構成されている。
ケーシングユニット15は、図4に示すように、試料4
を収容するための温度調節室RT を形成する内管17
と、温度調節室RT を包囲する内部減圧室RG1を形成す
る中管18と、そして内部減圧室RG1を包囲する外部減
圧室RG2を形成する外管19とによって構成されてい
る。
【0021】外管19の上部には、取り付け用のフラン
ジ19aが形成され、さらにその上部には空気排気口3
0が接続されている。外管19の上端には、内管17の
内部に連通する補助室RH が設けられ、その補助室RH
にガス排気口31が接続されている。内管17の内部に
はガス導管32が挿入され、そのガス導管32の内部に
ガス用トランスファーチューブ33が挿入されている。
ガス導管32の下端には、多方向に分岐したガス噴出口
を備えたノズル34が装着されている。
【0022】内管17、中管18及び外管19の全体
は、例えばステンレスによって形成されるが、それらの
うちのX線光路Rを含む円周部分PはX線を通過させる
ことのできる材料、例えばベリリウム等によって形成さ
れる。また、内管17の下端及び外管19の下端は、い
ずれも外部に開放されていて、ケーシング開口部35を
構成している。このケーシング開口部35には、密封用
のO(オー)リング50が設けられる。また、ガス用ト
ランスファーチューブ33には冷媒としての液体ヘリウ
ムを保有したガスタンク46が接続され、他方、外管1
9に設けた空気排気口30には排気ポンプ47が接続さ
れる。本実施例では、ガスタンク46を含めた液体ヘリ
ウムの供給系及び排気ポンプ47を含めた空気の排気系
によって、ケーシングユニット15内の雰囲気、すなわ
ち極低温状態を調節するための雰囲気調節手段が構成さ
れている。
【0023】試料支持ユニット16は、図5に示すよう
に、ネジその他の締結具によってΦテーブル14に固着
される筒状フレーム36と、そのフレーム36の内部に
回転可能に配設された回転筒37と、そして回転−直動
変換機構38を介して回転筒37によって支持された可
動管39とを有している。可動管39の下部に固着され
た円筒スリーブ40の下端には、水平面内の直交2方向
へ自由に平行移動できるX−Yテーブル41が固着さ
れ、可動管39の内部に挿入された支持管42の下端が
そのX−Yテーブル41に固着されている。支持管42
は、その内部を軸線方向に貫通する支持棒43を一体に
有しており、その支持棒43の上端に測定対象である単
結晶試料4が接着剤等によって固着されている。本実施
例では、回転−直動変換機構38及びX−Yテーブル4
1によって試料移動手段が構成されている。
【0024】回転−直動変換機構38は、支持棒43を
中心とする回転筒37の回転を可動管39の上下移動に
変換するための運動変換機構であり、その具体的な構造
は特定の構造に限定されない。例えば、回転筒37の内
周面に雌ネジを切り、そして可動管39の外周にその雌
ネジに嵌合する雄ネジを形成することによってその運動
変換機構を構成できる。もちろんそのときには、可動管
39が支持棒43のまわりに回転することを防止するた
めのガイド機構を設ける必要がある。
【0025】支持管42は、X−Yテーブル41によっ
て駆動されて可動管39の中で図の前後左右方向へ相対
的に平行移動するが、支持棒43の上端部と可動管39
の上端部とから成る相対移動部分にはリン青銅等によっ
て形成された金属ベローズ44が設けられ、他方、可動
管39の下端部と支持管42の下部とから成る相対移動
部分には同じくリン青銅等によって形成された金属ベロ
ーズ45が設けられている。これらの金属ベローズは、
そのベローズによって区分けされる内外を気密に遮蔽し
ている。なお、可動管39の下部には空気排気口48が
設けられ、その排気口48に排気ポンプ49が接続され
る。
【0026】本発明に係る試料雰囲気調節装置は以上の
ように構成されているので、単結晶試料4を単結晶構造
解析装置に装着する際には、まず、図5において、試料
4を支持棒43の上端に固着する。次いで、試料支持ユ
ニット16の全体をΦテーブル14に固着し、その後、
図3に示すように、ケーシングユニット15のケーシン
グ開口部35(図4参照)を可動管39の上部にはめ込
んで、試料4を温度調節室RT の中に配置する。そして
その後、ケーシング外管19のフランジ19aをΧサー
クル部材9のフランジ26に固着し、これにより試料4
の4軸ゴニオメータへの装着が完了する。この状態で、
温度調節室RT の内部、すなわち試料4のまわりが外部
から気密に保持される。
【0027】その後、ガス用トランスファーチューブ3
3を通して液体ヘリウムがケーシングユニット15の内
部に導入され、その液体ヘリウムがノズル34を通して
温度調節室RT 内へ供給される。供給された液体ヘリウ
ムは、試料4のまわりを流れた後、トランスファーチュ
ーブ33とガス導管32との間を通って補助室RH へ回
収され、さらにガス排気口31を通して外部へ排気され
る。この液体ヘリウムの供給により、試料4は絶対零
度、例えば−269℃程度まで冷却される。
【0028】以上のようにして液体ヘリウムが流される
間、ケーシングユニット15の空気排気口30から空気
が排気されて、温度調節室RT を包囲する内部減圧室R
G1及び外部減圧室RG2が真空に保持される。また同時
に、試料支持ユニット16の空気排気口48からも空気
が排気されて、温度調節室RT に隣接する試料支持ユニ
ット16の内部、具体的には可動管39の内部が真空に
保持される。これらの真空領域は、温度調節室RT を外
部からほぼ完全に断熱して、温度調節室RT 内の極低温
を確実に保持する。
【0029】図1に示す単結晶構造解析装置によって再
現性の高い測定を行うためには、X線光路に対する試料
4の初期位置を常に一定の位置に設定する必要がある。
そのためには、試料支持ユニット16及びケーシングユ
ニット15の両方をΧサークル部材9に固着した後に、
試料4の位置を調節する。具体的には、図3において、
X−Yテーブル41によって支持管42及び支持棒43
を直交2方向へ適宜に平行移動させて試料4を水平面内
で位置調節し、さらに、回転筒37を回して可動管39
及びX−Yテーブル41の全体を上下移動させて試料4
の垂直方向の位置を調節する。支持管42及び支持棒4
3を可動管39に対して相対的に平行移動させるとき、
金属ベローズ44及び45はその平行移動に追従して復
元可能に弾性変形するが、可動管39内の気密性はそれ
らの金属ベローズによって保持される。
【0030】以上のような位置調節作業は専ら試料支持
ユニット16に関して行われるものであって、ケーシン
グユニット15を構成する各部材はその間、位置不動に
支持されている。ケーシングユニット15には液体ヘリ
ウムを導入するための配管系や、真空引きのための空気
配管等が付設されるので、仮にケーシングユニット15
が位置移動するものとすれば、位置移動した配管によっ
てケーシングユニット15に不要な応力が発生し、その
結果、測定中にケーシングユニット15に位置ズレが生
じて試料4の位置が変動するおそれがある。しかしなが
ら、ケーシングユニット15を位置不動に支持するよう
にした本実施例によれば、そのような測定中の試料4の
変動の心配はない。また、試料4に関する位置調節のた
めに、ケーシングユニット15と分離した試料支持ユニ
ット16だけを移動させればよいので、回転−直動変換
機構38及びX−Yテーブル41によって構成される試
料移動手段を簡単な構造で且つ小型に形成できる。
【0031】(実施例2)図6は、本発明に係るX線装
置の試料雰囲気調節装置の他の実施例を示している。こ
の実施例が図3に示した先の実施例と異なる点は、ケー
シングユニット及び試料支持ユニットの両方に以下のよ
うな改変を加えたことである。
【0032】(1)ケーシングユニットに関して:図3
の実施例におけるケーシングユニット15は、内管1
7、中管18及び外管19から成る3重管構造を採用し
た。これに対し本実施例では、1個の管59による1重
管構造によってケーシングユニット55を構成してあ
る。その他の部材であって図3と同一の符号で示す部材
は図3の実施例の場合と同一の部材を示している。
【0033】(2)試料支持ユニットに関して:図3の
実施例における試料支持ユニット16では、回転−直動
変換機構38及びX−Yテーブル41によって試料移動
手段を構成したが、本実施例における試料支持ユニット
56では、回転−直動変換機構を省略してX−Yテーブ
ル41のみによって試料移動手段を構成してある。すな
わち、図3の実施例では試料を3次元的に平行移動でき
る構成としたが、図6の実施例では試料を2次元的に平
行移動させる構成としている。その他の部材であって図
3と同一の符号で示す部材は図3の実施例の場合と同一
の部材を示している。
【0034】本実施例では、ケーシング管59によって
試料4のまわりに形成される空間RX のまわりに真空領
域が設けられないので、図3の実施例に比べて断熱性の
能力が低下するかもしれない。従って、ガス用トランス
ファーチューブ33を通して液体ヘリウム等を導入して
試料4のまわりを極低温状態に設定するという機能を達
成するためには不十分であるかもしれない。よって、本
実施例は、試料4のまわりを温度に関係のない適宜の特
定ガス雰囲気に設定する必要がある場合に好適である。
【0035】(実施例3)図7は、本発明に係るX線装
置の試料雰囲気調節装置のさらに他の実施例を示してい
る。図3及び図6に示した実施例は、4軸ゴニオメータ
を用いた単結晶X線構造解析装置に本発明を適用した場
合を示している。これに対し本実施例は、それ以外のX
線装置であるX線カメラ装置に本発明を適用した場合の
実施例を示している。また、試料雰囲気調節装置をケー
シングユニットと試料支持ユニットの2つの独立したユ
ニットによって構成するのではなくて、1個のケーシン
グに直接、試料移動手段を付設することによって試料雰
囲気調節装置を構成してある。
【0036】より具体的に説明すれば、本実施例のX線
カメラ装置は、X線源1と、X線発散規制スリット28
と、モノクロメータ2と、コリメータ3と、試料雰囲気
調節装置60と、そしてスタンド51に支持されたX線
フィルム52とを有している。試料雰囲気調節装置60
は、床61の上に固定設置された1個の円筒状ケーシン
グ69と、そのケーシング69の下面に固定設置された
X−Yテーブル41と、そのX−Yテーブル41によっ
て支持された支持棒63とを有している。測定対象であ
る試料4はその支持棒63の上端に固着される。ケーシ
ング69の内部は、例えば、排気口30を介して排気ポ
ンプ等によって排気されて真空状態に設定され、その状
態下で試料4にX線が照射され、その試料4で回折した
X線によってX線フィルム52が露光されてそのX線フ
ィルム上にX線回折図形が得られる。
【0037】この実施例においても、X−Yテーブル4
1はケーシング69を位置不動のままにしておいて試料
4のみを移動させるようにしたので、ケーシング69ご
と移動させた場合に発生する空気配管30の位置ズレに
起因する試料4の位置変動を防止でき、さらにケーシン
グ69ごと移動させる場合に比べて、X−Yテーブル4
1の構造を簡単且つ小型にできる。
【0038】以上、好ましい実施例を挙げて本発明を説
明したが、本発明はそれらの実施例に限定されるもので
はなく、請求の範囲に記載した技術的範囲内で種々に改
変できる。例えば、図3の実施例では試料を極低温状態
に置く場合を例示し、図6の実施例では試料を特殊ガス
雰囲気状態に置く場合を例示し、そして図7の実施例で
は試料を真空状態に置く場合を例示したが、本発明の試
料雰囲気調節装置を用いて試料をその他の雰囲気状態、
例えば極低温以外の低温状態に置いたり、又はケーシン
グの内外に通電によって発熱するヒータを装備して試料
を高温状態に置くことができることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】請求項1記載の試料雰囲気調節装置によ
れば、X線ビームに対する試料位置を調節する際に、試
料をケーシングごと移動させなくて済むので、試料位置
を調節するための機構を簡単且つ小型に形成できる。し
かも、試料位置の調節の際にケーシングは移動しないの
で、ケーシングに接続される配管、配線等のズレに起因
して発生する試料位置の変動を確実に防止できる。
【0040】請求項3記載の試料雰囲気調節装置によれ
ば、試料雰囲気調節装置をケーシングと試料支持手段の
2つに分離可能にしたので、試料雰囲気調節装置の取り
扱いが非常に容易となった。
【0041】請求項4記載の試料雰囲気調節装置によれ
ば、減圧室の存在により温度調節室がほぼ完全に断熱さ
れるので、温度調節室内の温度を精密に制御できる。
【0042】請求項6記載の試料雰囲気調節装置は、特
に、4軸ゴニオメータを用いたX線装置に試料雰囲気調
節装置を装備する場合を考えている。このようなX線装
置では、試料雰囲気調節装置が種々の方向に回転移動す
るので、ケーシングが一旦X線装置に装着された後は、
できる限りそのケーシングの位置が変動しないことが望
ましい。従って、試料位置の調節の際に試料だけを移動
させてケーシングは移動させないようにした本発明の試
料雰囲気調節装置は特に有利である。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る試料雰囲気調節装置を用いた単結
晶X線構造解析装置の一実施例を示す正面図である。
【図2】図1におけるII−II線に従った側面断面図
である。
【図3】本発明に係る試料雰囲気調節装置の一実施例を
示す正面断面図である。
【図4】同試料雰囲気調節装置を構成するケーシングユ
ニットの断面図である。
【図5】同試料雰囲気調節装置を構成する試料支持ユニ
ットの断面図である。
【図6】本発明に係る試料雰囲気調節装置の他の実施例
を示す正面断面図である。
【図7】本発明に係る試料雰囲気調節装置のさらに他の
実施例を示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 X線源 2 モノクロメータ 3 コリメータ 4 単結晶試料 5 4軸ゴニオメータ 6 受光スリット 7 X線カウンタ 8 Φ回転駆動系 9 Χサークル部材 10 Ω回転駆動系 11 2θ回転駆動系 14 Φテーブル 15 ケーシングユニット 16 試料支持ユニット 17 内管 18 中管 19 外管 20 試料雰囲気調節装置 21 受光ユニット 22 Χ回転駆動系 23 Ωテーブル 24 2θテーブル 25,26 ブラケット 27 検出器アーム 28 X線発散規制スリット 30 空気排気口 31 ガス排気口 32 ガス導管 33 ガス用トランスファーチューブ 34 ガス噴出ノズル 35 ケーシング開口部 36 筒状フレーム 37 回転筒 38 回転−直動変換機構 39 可動管 41 X−Yテーブル 42 支持管 43 支持棒 44,45 金属ベローズ RG1 内部減圧室 RG2 外部減圧室 RT 温度調節室 RH 補助室

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料にX線を照射し、その試料で回折、
    反射又は散乱するX線をX線検出手段によって検出する
    X線装置のための試料雰囲気調節装置であって、試料の
    まわりの雰囲気を所望の状態に保持する試料雰囲気調節
    装置において、 試料を気密に包囲するケーシングと、 そのケーシング内の雰囲気を調節する雰囲気調節手段
    と、 そのケーシングから独立して試料を直交3方向のうちの
    少なくともいずれか1方向へ平行移動させる試料移動手
    段とを有することを特徴とする試料雰囲気調節装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の試料雰囲気調節装置にお
    いて、雰囲気調節手段は、ケーシングの内部を真空状
    態、特殊ガス雰囲気状態、低温状態又は高温状態の少な
    くともいずれか1つの状態に設定することを特徴とする
    試料雰囲気調節装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の試料雰囲気
    調節装置において、 試料を支持するための試料支持手段を上記ケーシングと
    別体に設け、 上記試料移動手段をその試料支持手段と一体に設け、 上記雰囲気調節手段を上記ケーシングと一体に設け、 そのケーシングに試料支持手段を挿入するためのケーシ
    ング開口部を形成し、そして試料支持手段のうちの試料
    を支持した部分を上記ケーシング開口部に挿入して試料
    をケーシングの内部に位置させることを特徴とする試料
    雰囲気調節装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3記載の試料雰囲気
    調節装置において、上記ケーシングは、試料を包囲する
    と共に内部が低温又は高温に設定される温度調節室と、
    その温度調節室を包囲すると共に内部が真空状態又は減
    圧状態に設定される減圧室とを有することを特徴とする
    試料雰囲気調節装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の試料雰囲気調節装置にお
    いて、温度調節室に液体窒素又は液体ヘリウムが導入さ
    れてその内部が低温状態に設定されることを特徴とする
    試料雰囲気調節装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5記載のX線装置の
    ための試料雰囲気調節装置において、 X線装置は、試料を通るφ軸線を中心として試料を回転
    させるΦ回転系と、試料を通りφ軸線に直交するχ軸線
    を中心としてΦ回転系を回転させるΧ回転系と、試料を
    通りχ軸線に直交するω軸線を中心としてΧ回転系を回
    転させるΩ回転系と、そして上記ω軸線を中心としてX
    線検出手段を回転させる2θ回転系とを有する4軸ゴニ
    オメータを有しており、 上記ケーシングは上記Χ回転系上に配設され、さらに上
    記試料移動手段は上記Φ回転系の上に配設されることを
    特徴とするX線装置のための試料雰囲気調節装置。
JP6334028A 1994-12-16 1994-12-16 X線装置のための試料雰囲気調節装置 Pending JPH08170948A (ja)

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