JP2002318114A - 加速度センサを使用した設置型傾斜計 - Google Patents

加速度センサを使用した設置型傾斜計

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JP2002318114A
JP2002318114A JP2002031213A JP2002031213A JP2002318114A JP 2002318114 A JP2002318114 A JP 2002318114A JP 2002031213 A JP2002031213 A JP 2002031213A JP 2002031213 A JP2002031213 A JP 2002031213A JP 2002318114 A JP2002318114 A JP 2002318114A
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inclinometer
acceleration sensor
inclination
sensor
casing
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JP2002031213A
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English (en)
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Kenji Ogata
健治 緒方
Hiroyuki Matsuyama
裕幸 松山
Akio Sato
亜樹男 佐藤
Susumu Takemoto
将 竹本
Masahiro Nezu
正弘 根津
Takashi Kunimi
敬 国見
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Akebono Brake Industry Co Ltd
Japan Highway Public Corp
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
Japan Highway Public Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 小型・安価で且つ設置作業が容易な設置型傾
斜計を得る。 【解決手段】 設置型傾斜計10は、傾斜検出手段12
としてマイクロマシニング技術を利用して作成された加
速度センサを用いたものであり、少なくとも1つの傾斜
検出手段(傾斜センサ)12をケーシング11内に装備
して、ケーシング11と傾斜センサ12とを一体化した
構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木、建築分野に
おいて、例えば山間部などの傾斜地における地すべり計
測や土留め壁計測等に用いられる設置型傾斜計に関す
る。
【0002】
【従来の技術】地すべり計測や土留め壁計測等に用いら
れている傾斜計には、挿入型傾斜計と設置型傾斜計があ
り、一般に使用されている。前者の挿入型傾斜計は、図
13に示すように、予め専用のガイド管6を地盤や構造
物に鉛直に埋設した状態で、傾斜計7をガイド管6内に
挿入してガイド管6の傾斜角度を計測するものであり、
挿入用ケーブル8で傾斜計7を上から吊り下げ、傾斜計
7を所定の深さに位置させることで、所定深さにおける
ガイド管6の傾斜角度を求めている。
【0003】後者の設置型傾斜計は、予め傾斜計を地中
の所定の深さに埋設しておいて傾斜角度を計測するもの
であり、従来の設置型傾斜計には、専用のガイド管を介
して地中に設置するタイプのものや、そのまま地中に設
置するタイプのものがある。図14の(a)は専用のガ
イド管3を介して地中に設置するタイプで、傾斜計1を
複数個多段接続した場合の設置例であり、図14の
(b)はそのまま地中に設置するタイプで、傾斜計4を
複数個多段接続した場合の設置例である。前者のタイプ
の傾斜計1では、傾斜計1相互間の接続に中継ロッド2
および専用のガイド管3を使用し、各傾斜計1がガイド
管3内の測定位置に配置されるようにしてある。一方、
後者のタイプの傾斜計4では、傾斜計4相互間の接続に
専用の中継パイプ5を使用し、各傾斜計4が測定位置に
配置されるようにしてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の各傾斜計にあっては、次のような問題がある。挿入
型傾斜計においては、計測する度に、傾斜計を毎回同
じ計測位置(所定の深さ)に挿入して傾斜角度を計測す
るのであるが、同じ計測位置に設定することが難しく、
従って、計測位置の誤差が生じ易い、ガイド管が変形
するような大変形時には、傾斜計がガイド管に挿入不可
能になり、計測できなくなる。
【0005】設置型傾斜計においては、予め地中に設置
する構造上の利点により、上述した挿入型傾斜計の各課
題は解消しているが、従来の設置型傾斜計においては、
共通課題として、傾斜検出手段の寸法が大きく、太いガ
イド管やパイプを使用する必要があり、従って、ボーリ
ング径が大きくなって、設置コストが高価であった。加
えて、専用のガイド管を介して地中に設置するタイプで
は、ガイド管3を設置箇所の地盤や構造物に鉛直に埋設
する作業が必要であり、また、各傾斜計1が測定位置に
くるように中継ロッド2を準備し、傾斜計1の相互間を
中継ロッド2により接続して固定しているので、部品点
数が多数になることの外に、設置作業が煩雑である。更
に、これらのことから設置コストも高価となった。一
方、そのまま地中に設置するタイプでは、中継ロッドに
よる位置調整がなく設置作業が簡単であるが、傾斜計4
に耐衝撃性を持たせる必要があることから、傾斜計4そ
のものが高価になり、これが全体の設置コストを引き上
げた。さらに、挿入型あるいは設置型いずれのタイプの
傾斜計であっても、傾斜検出手段に例えば加速度センサ
を適用した場合、従来技術では、本願の用途に適した小
型の加速度センサを製作することが難しかった。
【0006】本発明は上述した事情に鑑みてなされたも
ので、挿入型傾斜計に対しては、計測位置の誤差が生
じない、大変形時にも計測できる、という利点が得ら
れ、また、従来の設置型傾斜計に対しては、必要な角度
計測の精度を保った上で、本体および設置コストが安価
で、且つ設置作業が容易である、という利点が得られる
設置型傾斜計を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る請求項1記載の設置型傾斜計は、傾斜検
出手段にマイクロマシニング技術を利用した加速度セン
サを使用することを特徴とする。あるいは、上記目的を
達成するための本発明に係る請求項2記載の設置型傾斜
計は、請求項1記載の設置型傾斜計において、前記加速
度センサをウェット異方性エッチングによるバルクマイ
クロマシニングにより製作したことを特徴とする。ある
いは、上記目的を達成するための本発明に係る請求項
記載の設置型傾斜計は、少なくとも1つの傾斜検出手段
と前記傾斜検出手段を覆うパイプ状のケーシングとが一
体化されてなることを特徴とする。
【0008】上記請求項1記載の設置型傾斜計によれ
ば、傾斜検出手段の寸法が小さく、細いガイド管やパイ
プを利用できるためボーリング径が小さくできて、設置
コストの低減が計れる。また、上記請求項2記載の設置
型傾斜計によれば、ウェット異方性エッチングを行うこ
とにより、被加工物が特定の方向に選択的にエッチング
されて立体的な構造の加速度センサを製作できる。ま
た、上記請求項3記載の設置型傾斜計によれば、ガイド
管を使用することなく傾斜計をそのまま地中に設置する
ことができるので、ボーリング孔内に設置するにあた
り、傾斜検出手段が測定位置にくるようなパイプ長さを
選択することにより、設置作業が簡単になる。更に、傾
斜検出手段がケーシングと一体化されて耐衝撃性が得ら
れるので、耐衝撃性を持たない安価な傾斜検出手段が使
用できる。したがって、安価で、且つ設置作業が容易な
設置型傾斜計を提供できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る設置型傾斜計
の好適な実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本
発明の第1の実施の形態に係る設置型傾斜計の構成を示
す図であり、図2は同傾斜計を多段接続した状態を示す
図である。また、図3は傾斜計の断面図であり、図4は
その分解図である。
【0010】本実施の形態に係る設置型傾斜計10は、
傾斜検出手段(以下、傾斜センサと呼ぶ)12を1つの
み有して、多段接続して使用するものである。ここで、
本発明の特長的な構成要件の一つとして、傾斜センサ1
2に後述するウェット異方性エッチングによるバルクマ
イクロマシニング技術を利用した加速度センサ20が使
用されていることである。
【0011】図1に示すように、各傾斜計10は、パイ
プ状のケーシング11と傾斜センサ12とから成り、こ
れらが一体構造となっている。傾斜センサ12には2本
のケーブル13、14が接続されており、各ケーブル1
3、14の先端には防水処理されたコネクタ15が取り
付けられている。
【0012】ケーシング11は、図3または図4に示す
ように、ケーシング本体11Aと、他の傾斜計10を接
続するための接続部を構成するカップリング11Bとか
ら構成される。カップリング11Bは、内壁の略中央部
に半径方向に延設したフランジ16が形成されている。
このフランジ16は、その長さがケーシング本体11A
の厚みと略同一になっている。
【0013】ウェット異方性エッチングにより製作され
る加速度センサ20は、図5(a)に示すように、中央
基板120と外側基板122a、122bとで積層体を
構成し、そして、中央基板120をエッチングで加工し
て、カンチレバー型の可動電極部124を形成したもの
である。
【0014】更に詳述すれば、中央基板120と外側基
板122a、122bとが封止絶縁部123a、123
bで封止されている。中央基板120は、例えばSiか
らなり、可動電極部124、可動電極支持部126及び
中央端子部113を有している。外側基板122a、1
22bは、例えばSiからなり、固定電極部221a、
221b及び外側端子部223a、223bを有してい
る。封止絶縁部123a、123bは、導電層131
a、131bを有している。導電層131a、131b
はGNDに接続される。上下対称構造となっているた
め、中央基板120と外側基板(第1層)122a間、
及び、中央基板120と外側基板(第3層)122b間
の容量を同じとすることができる。
【0015】導電層131を、端子部233を介してG
NDに接続することにより、封止絶縁部123a、12
3bを介して対向する基板部分に生じる静電容量の影響
を完全に排除することができるため、加速度センサの検
出感度を極限まで向上させることができ、封止絶縁部1
23a、123bは、導電層131a、131b有する
ため、封止絶縁部123a、123bの厚さが、固定電
極と可動電極と間のギャップを形成しており、シリコン
等の基板エッチングが不要となるため、ギャップの寸法
精度が非常に高く、加速度センサの特性を安定なものに
できる。また、積層体はSi基板の3層構造となるた
め、温度特性の向上を図ることができる。
【0016】加速度センサは可動電極部124と固定電
極部221a、221bとの間に不図示の外部回路から
端子部113、223を介して電圧を印加しており、そ
して、可動電極部124が加速度により力を受けて変位
すると、可動電極部124と固定電極部221との間の
静電容量が変化し、この変化量を外部回路が検知するこ
とにより、変位量がわかり、加速度の値を測定すること
ができる。そして、加速度センサ20は、可動電極部1
24が垂直となるように設置された状態で、例えば地す
べりが発生して、図5(b)に示すように加速度センサ
20が傾斜すると、重力で常に垂直状態にある可動電極
部124の自由端側と固定電極部221との間の間隔が
変わって静電容量が変化することから、その変化量を計
測して、傾斜角度を演算するようにしたものである。
【0017】傾斜センサ12は、図6に示すように、上
記構成による加速度センサ20が、パイプ状の金属ケー
シング80内に、後述する制御回路等と共に2個組み込
まれて構成されている。
【0018】図6において、傾斜センサ12は、金属ケ
ーシング80の両端の開口面がケーブル13、14を挿
通させたプラグ82によって封止されている。ケーブル
13、14とプラグ82との間にはシール材84が、ま
た、プラグ82と金属ケーシング80との間にはO−リ
ング86が嵌め込まれて水密構造に形成されると共に、
金属ケーシング80に設けられたネジ穴とネジ97によ
って固着されている。一端側のプラグ82には、金属ケ
ーシング80の内部において、断面コ字状からなるブラ
ケット90の一端が、ボルト92によって締結されてい
る。ブラケット90の対向端には、ブラケット90を挟
持した状態で2個の加速度センサ20、20が対向配置
されている。
【0019】これらの加速度センサ20、20は、2軸
(x、y)方向の加速度を検出するために、相互に90
°回転した状態で配置されている。プラグ82には、2
軸の内の一方と合わせた位置にビス穴98を設け、これ
にケーシング本体11Aに設けた穴99を通して取り付
けられるビス100によって方向決めされる。ブラケッ
ト90の中央部には、スペーサ96を介して制御回路を
搭載した基板94が固定されている。
【0020】さらに詳述すると、傾斜センサ12は、図
7のブロック図に示すように、2軸(x、y)方向の加
速度を検出可能とした加速度センサ20と、基板94上
の加速度センサ20の出力信号をデジタル変換するA/
D変換器21と、多段に連接した傾斜計10とデータ収
集・解析装置30(図2参照)との間でネットワークを
組むための伝送手段としてのネットワーク制御回路22
と、このネットワーク制御回路22を制御してA/D変
換器21からのデータをデータ収集・解析装置30へ送
る制御回路23と、電源ライン25を介してデータ収集
・解析装置30から供給される電源電圧を傾斜センサ1
2で使用する電圧に変換する電源回路24とを備えて構
成される。
【0021】ネットワーク制御回路22は、バスライン
26を介して他の傾斜計10のネットワーク制御回路2
2及びデータ収集・解析装置30と接続される。1つの
傾斜計10のバスライン26と電源ライン25は、1本
に束ねられて図1に示すケーブル13、14となってい
る。この場合、ケーブル13が1次側で、ケーブル14
が2次側である。制御回路23は、図示せぬCPU、R
OM、RAMを有して構成されており、ROMにはCP
Uを制御するプログラムが記憶されている。RAMはC
PUの動作に使用される。なお、ROMには、傾斜セン
サ部12を特定するためのIDデータも書き込まれてい
る。
【0022】データ収集・解析装置30からは、所定時
間(例えば1時間)毎に電源が出力されるようになって
おり、傾斜計10はその都度動作して傾斜センサ12に
て検出された加速度をデータとしてデータ収集・解析装
置30へ出力する。データ収集・解析装置30は、各傾
斜計10から送られてきた角度データを元に演算して変
位を求め、その結果を無線で中央の監視センタ40(図
8参照)に送信する。ここで、変位計測の原理は、図9
に示すように、水平移動量をt、前後する2つの傾斜セ
ンサ12の間隔を例えば50cmとすると、先の図5
(b)により演算した傾斜角度を用いて、 t=50・sinθ (cm) として求められる。
【0023】本実施の形態の設置型傾斜計10は以上の
ように構成されている。上記した傾斜計10を、複数個
多段に連結して、測定深度に応じてボーリング孔内に鉛
直に設置した状態で、ボーリング孔との間をグラウトで
固めて固定する。そして、地すべりが生じると、すべり
面を境に前後する2つの傾斜計10が直線上に配置され
なくなる。このときの変位がデータ収集・解析装置30
にて求められて、監視センタ40へ送られる。
【0024】多段接続した傾斜計10を複数個設置した
場合、図8に示すように、連鎖状にした各組の傾斜計1
0のうち、すべり面50を境にして前後する2つの傾斜
計10が直線上に配置されなくなる。この場合、各組毎
に前後にずれる傾斜計10の深度位置が異なることか
ら、すべり面を正確に把握することができる。
【0025】このように、本実施の形態に係る設置型傾
斜計10は、バルクマイクロマシニング技術を利用した
加速度センサを使用していることで、傾斜センサ自体の
寸法が小さくなされて、細いパイプが利用できるためボ
ーリング径を小さくして、設置コストの低減が計れる。
具体的には、従来品として要求されたパイプの径が、傾
斜センサ自体の高さ寸法を20mm程度に形成できるこ
とで、ケーシング寸法を60mmから30mm程度に縮
径できる。また、ガイド管を使用することなくそのまま
地中に埋設することができるので、設置作業の省力化が
図れる。また、傾斜センサ12がケーシング11によっ
て保護されるので、耐衝撃性を持たない安価な傾斜セン
サ12を使用できる。
【0026】また、複数の傾斜計10とデータ収集・解
析装置30との接続をネットワークにより行うようにし
たので、信号ケーブルが1本で済むことから設置の作業
性に優れ、また地中の変位によりケーブルが途中で切断
された場合にも切断点手前側の傾斜計10のデータは通
信できるため、被害を最小限に食い止めることができ、
しかも残った傾斜計10で引き続き地中の変位を測定す
ることができる。
【0027】なお、上記実施の形態では、傾斜センサ1
2をケーシング本体11A内の所定位置に設けたが、ケ
ーシング11のカップリング11B内に設定する構成と
してもよい。また、上記実施の形態では、ケーシング本
体11Aの内部を中空としたが、樹脂を用いてポッティ
ング処理を施してもよい。
【0028】また、上記実施の形態では、長さの同じ傾
斜計10を多段接続するようにしたが、測定深度に応じ
た異なる長さの傾斜計10を用意することで、現場の状
況に合った最適な長さに設定することができる。
【0029】また、上記実施の形態では、加速度センサ
20をウェット異方性エッチングによるバルクマイクロ
マシニングにより製作するとしたが、表面マイクロマシ
ニング、deep−RIE(プラズマによる深いトレン
チエッチング)によるバルクマイクロマシニングを利用
して製作することもできる。下記の表1に、表面マイク
ロマシニング、ウェット異方性エッチングによるバルク
マイクロマシニング、deep−RIEによるバルクマ
イクロマシニングの特徴を比較した。
【0030】
【表1】
【0031】なお、比較項目には、形状の自由度、被加
工物の深さ方向の厚さ、実現可能な寸法精度、異方性、
実現できるアスペクト比、典型的なデバイス例を挙げて
ある。上記の表1において、 1.形状の自由度、被加工物の深さ方向の厚さ、実現可
能な寸法精度に関し a.表面マイクロマシニングは、成膜・リソグラフィ・
エッチングの繰り返しであるため、構造物は基本的には
平面的で、その厚さは数mm程度である。等方性エッチ
ング・異方性エッチング・犠牲層エッチングなどを駆使
すれば、平面的な構造物である限り、非常に自由な構造
を作れる。また、薄膜技術であるため、寸法精度も比較
的良く、一般的に数100nmである。 b.ウェット異方性エッチングでは、結晶方位面に沿っ
た加工という制約のもとで、立体構造を実現できる。寸
法精度は1mm程度であるが、液体中で加工するために
深さ方向の加工の制約は少なく、構造物が数100mm
の厚さでも容易に加工できる。 c.deep−RIEでは、基板表面に対して垂直方向
への加工という制約のもとで、立体構造を実現できる。
また、分子加工であるため、寸法精度は数10nmと非
常に高いが、エッチングされた面の平滑性は異方性ウェ
ットエッチングに劣る。マイクロマシニングでRIEを
用いて加工する厚さは、通常は数mm程度である。
【0032】2.異方性、実現できるアスペクト比に関
し、異方性ウェットエッチングで(110)面と(11
1)面のエッチングレートの比は180:1、RIEで
側面と底面のエッチング速度比は0.05〜0.4程度
である。この特徴と前項の寸法精度とを考慮すると、実
現できるアスペクト比は、前者では数100、後者では
数10程度になる。
【0033】3.典型的なデバイス例に関し、 a.表面マイクロマシニングでは、ヒンジやマイクロモ
ータの回転機構やスライダ機構といった可動機構を作れ
る。 b.ウェット異方性エッチングを用いれば、三角溝や四
角錘のような形状を容易に作れる。これらの形状は、光
ファイバのアライナや走査型プローブ顕微鏡の探針に利
用されている。また、ウェット異方性エッチングは、ダ
イヤフラム形状も容易に作れるため、圧力センサのよう
な各種センサにもしばしば利用されている。 c.deep−RIEでは、井戸状の構造、剣山状の構
造、階段状の構造のようなウェット異方性エッチングで
は加工できない微細構造を実現できる。また、ウェット
異方性エッチングと同様に機械的なセンサを作るとき
も、しばしば利用される。
【0034】図10は、本発明の第2実施の形態に係る
傾斜計の構成を示す図である。この実施の形態の傾斜計
59は、パイプ状のケーシング60と、このケーシング
60内に設けられた2つの傾斜センサ61、62とが一
体構造となっている。傾斜センサ61、62は、先の第
1実施の形態と同様、ケーブル(共に不図示のバスライ
ンと電源ライン)で接続されており、また傾斜センサ6
1には1次側のケーブル、傾斜センサ62には2次側の
ケーブルがそれぞれ接続されている。また、これらのケ
ーブルには防水処置された不図示のコネクタが接続され
る。
【0035】本実施の形態においても、多段に連結さ
れ、且つ複数準備された傾斜計59とデータ収集・解析
装置30(図2参照)とがネットワーク接続される。な
お、傾斜センサ61、62は第1実施の形態の傾斜セン
サ12と同一構成からなっている。傾斜計59を多段接
続した場合は、図示のようにカップリング63を使用し
てケーシング60同士を接続する。
【0036】このように、本実施の形態に係る傾斜計5
9は、ガイド管を使用することなくそのまま地中に埋設
することができるので、設置作業の省力化が図れる。ま
た、傾斜センサ61、62がケーシング11によって保
護されるので、耐衝撃性を持たない安価な傾斜センサ1
2を使用することができる。
【0037】また、第1実施の形態と同様、複数の傾斜
計59とデータ収集・解析装置30との接続をネットワ
ークにより行うようにしたので、信号ケーブルが1本で
済むことから設置の作業性に優れ、また地中の変位によ
りケーブルが途中で切断された場合にも切断点手前側の
傾斜計59のデータは通信できるため、被害を最小限に
食い止めることができ、しかも残った傾斜計59で引き
続き地中の変位を測定することができる。
【0038】また、1本のケージング60内に傾斜セン
サを2個設けることで、1個の場合よりもケーブル接続
用のコネクタの数を減らすことができ、作業の省力化及
び全体的なコストの引き下げが可能となる。
【0039】なお、上記実施の形態では、2個の傾斜セ
ンサ61、62を有するものであったが、この数に限定
はなく、それ以上であってもよい。また、上記実施の形
態では、ケーシング60の内部を中空としたが、樹脂を
用いてポッティング処理を施してもよい。
【0040】また、上記実施の形態では、ケーシング1
1、60の形状を共に丸型パイプ状としたが、図10に
示すような、断面四角形や断面コ字形であっても構わな
い。要は地中への設置をスムーズに行える形状であれば
どのような形状にしてもよい。また、ポッティング処理
は、例えば図12に示すように、センサケース72内に
検出センサ12を入れた状態でポッティング材料73を
流し込んで構成することもできる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
傾斜検出手段にマイクロマシニング技術を利用して作成
される小型の加速度センサを使用しているので、ボーリ
ング径を小さくできて、設置コストの低減が計れる。ま
た、ウェット異方性エッチングを行っているので、被加
工物が特定の方向に選択的にエッチングされて立体的な
構造の加速度センサを製作できる。また、ケーシングと
傾斜センサを一体化した構造としたので、単にケーシン
グを接続してボーリング孔内に挿入すればよいので、設
置の準備及び設置作業の省力化が図れるとともに、部品
点数が少ないことから本体価格および設置コストの低減
が図れる。すなわち、安価で且つ設置作業が容易な設置
型傾斜計が得られる。さらに、傾斜センサは金属ケーシ
ング内に収容されて高い防水性が確保されているので、
傾斜計への適用に充分対応できる構造からなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る設置型傾斜計の
構成図である。
【図2】図1の傾斜計の使用時の形態を示す図である。
【図3】傾斜計の詳細な構成を示す断面図である。
【図4】傾斜計の詳細な構成を示す分解断面図である。
【図5】ウェット異方性エッチングにより製作される加
速度センサの構造を示し、aは加工方法を説明すると共
に、その傾斜前の状態を示す断面図、bはその傾斜状態
を示して傾斜角度を演算する原理を説明する図である。
【図6】傾斜センサの構造を示す断面図である。
【図7】傾斜計を用いた計測システムの構成を示すブロ
ック図である。
【図8】同計測システムに係る傾斜計の動作を説明する
図である。
【図9】傾斜計における変位の算出を説明するための図
である。
【図10】本発明の第2実施の形態に係る設置型傾斜計
の構成図である。
【図11】本発明に係る設置型傾斜計の変更例を示し、
aはケーシングが四角形になされた斜視図、bはケーシ
ングが断面コ字形になされた斜視図である。
【図12】本発明に係る設置型傾斜計の変形例を示し、
aは傾斜計の組立前の斜視図、bは組立後の断面図であ
る。
【図13】従来の挿入型傾斜計の構成図である。
【図14】従来の設置型傾斜計を示し、aは専用のガイ
ド管を介して埋設するタイプの断面図、bはそのまま地
中に埋設するタイプの断面図である。
【符号の説明】
10、59 傾斜計 11、60 ケーシング 11A ケーシング本体 11B、63 カップリング 12、61、62 傾斜センサ(傾斜検出手段) 13、14 ケーブル 15 コネクタ 16 フランジ 20 加速度センサ 21 A/D変換器 22 ネットワーク制御回路 23 制御回路 24 電源回路 25 電源ライン 26 バスライン 30 データ収集・解析装置 40 監視センタ 50 すべり面 73 ポッティング材料 124 可動電極 126 固定電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松山 裕幸 東京都町田市忠生一丁目4番地の1 日本 道路公団試験研究所内 (72)発明者 佐藤 亜樹男 東京都町田市忠生一丁目4番地の1 日本 道路公団試験研究所内 (72)発明者 竹本 将 東京都町田市忠生一丁目4番地の1 日本 道路公団試験研究所内 (72)発明者 根津 正弘 東京都中央区日本橋小網町19番5号 曙ブ レーキ工業株式会社内 (72)発明者 国見 敬 東京都中央区日本橋小網町19番5号 曙ブ レーキ工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傾斜検出手段にマイクロマシニング技術
    を利用した加速度センサを使用することを特徴とする設
    置型傾斜計。
  2. 【請求項2】 前記加速度センサをウェット異方性エッ
    チングによるバルクマイクロマシニングにより製作した
    ことを特徴とする請求項1記載の設置型傾斜計。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つの傾斜検出手段と前記傾
    斜検出手段を覆うパイプ状のケーシングとが一体化され
    てなることを特徴とする設置型傾斜計。
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