JP2002316033A - 撹拌機 - Google Patents

撹拌機

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JP2002316033A
JP2002316033A JP2001120248A JP2001120248A JP2002316033A JP 2002316033 A JP2002316033 A JP 2002316033A JP 2001120248 A JP2001120248 A JP 2001120248A JP 2001120248 A JP2001120248 A JP 2001120248A JP 2002316033 A JP2002316033 A JP 2002316033A
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Japan
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heater
temperature
rotating shaft
temperature sensor
stirring
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JP2001120248A
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English (en)
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Tsutomu Nomura
勉 野村
Kiyoshi Hasegawa
喜芳 長谷川
Shusaku Matsumoto
修策 松本
Kiyoshi Sakai
清 坂井
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Original Assignee
As One Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】撹拌液の加熱ヒータ周りに撹拌され難い部分が
形成される現象を起こり難くして、撹拌液の色相劣化を
防止することができる、加熱が可能な実験用の撹拌機を
提供する。 【解決手段】撹拌翼10が取付けられる回転軸1に、撹
拌液12を加熱するための加熱ヒータ2が内蔵されてい
る構成、または、撹拌翼10が取付けられる回転軸1
に、撹拌液12を加熱するための加熱ヒータ2と、撹拌
液12の温度を検出するための温度センサ3とが内蔵さ
れている構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば研究室等に
おいて用いられる、撹拌液の温度を調節することが可能
な実験用の撹拌機に関する。
【0002】
【従来の技術】実験用の撹拌機においては、撹拌すべき
撹拌液を所望の温度に保持して撹拌する目的に使用され
ることがある。そのような使用条件を確保すべく、撹拌
機に市販の加熱ヒータを付設することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した市
販の加熱ヒータは、一般的に、抵抗加熱用の金属線を酸
化マグネシウム等の無機質の断熱材で被覆し、更にその
断熱材の外側をステンレス鋼などの金属で覆った構造に
形成されている。
【0004】かかる構造の加熱ヒータを撹拌容器内に単
に入れると、撹拌液の加熱ヒータ周りに撹拌され難い部
分が形成される現象が起こることがある。特に撹拌液を
静かに撹拌する場合に、前記現象が起こり易い。そし
て、この現象により加熱ヒータの周りの撹拌液が熱分解
により着色する、いわゆる「焼け」が起こり、これに伴
って加熱ヒータの表面に異物の付着や沈着等が発生す
る。更に、この異物により前記焼けが促進され、撹拌液
の色相が劣化するという問題が発生する虞れがある。
【0005】本発明は、このような従来技術の課題を解
決すべくなされたものであり、撹拌液の加熱ヒータ周り
に撹拌され難い部分が形成される現象を起こり難くし
て、撹拌液の色相劣化を防止することができる、加熱が
可能な実験用の撹拌機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の実験用の撹拌
機は、撹拌翼が取付けられる回転軸に、撹拌液を加熱す
るための加熱ヒータが内蔵されていることを特徴とす
る。
【0007】この実験用の撹拌機にあっては、回転軸に
内蔵された加熱ヒータにより、撹拌液を加熱することが
可能になる。このとき、撹拌液の温度は一般の温度計に
より計測することにより撹拌液を所望の温度に昇温する
ことができる。また、回転軸に加熱ヒータが内蔵されて
いるので、加熱ヒータによる回転軸の被加熱面に撹拌液
が接触しても、その接触した撹拌液は回転軸から受ける
遠心力により被加熱面から離れていき、新たな撹拌液が
被加熱面に接触する。つまり、被加熱面に接触する撹拌
液は更新されていく。このため、従来技術における焼け
が起こり難くなり、これにより撹拌液の色相の劣化を防
止することが可能になる。
【0008】請求項2の実験用の撹拌機は、撹拌翼が取
付けられる回転軸に、撹拌液を加熱するための加熱ヒー
タと、撹拌液の温度を検出するための温度センサとが内
蔵されていることを特徴とする。
【0009】この実験用の撹拌機にあっては、回転軸に
内蔵された温度センサにより撹拌液の温度を計測できる
ので、回転軸に内蔵された加熱ヒータにより加熱される
撹拌液の温度を所望温度に昇温することができる。ま
た、回転軸に加熱ヒータが内蔵されているので、加熱ヒ
ータによる回転軸の被加熱面に撹拌液が接触しても、そ
の接触した撹拌液は回転軸から受ける遠心力により被加
熱面から離れていき、新たな撹拌液が被加熱面に接触す
る。つまり、被加熱面に接触する撹拌液は更新されてい
く。このため、従来技術における焼けが起こり難くな
り、これにより撹拌液の色相の劣化を防止することが可
能になる。
【0010】請求項3の実験用の撹拌機は、請求項2に
記載の実験用の撹拌機において、前記加熱ヒータに配線
が接続されているとともに、前記温度センサに配線が接
続されており、両配線が、回転軸に対して相対的に回転
可能に設けられた回転コネクタを介して外部に導出され
ていることを特徴とする。
【0011】この実験用の撹拌機にあっては、加熱ヒー
タと温度センサにそれぞれ接続された両配線が、回転コ
ネクタを介して外部に導出されているため、両配線のそ
れぞれは絡まることがない。
【0012】請求項4の実験用の撹拌機は、請求項2ま
たは3に記載の実験用の撹拌機において、前記回転軸の
内部に、少なくとも前記加熱ヒータ及び前記温度センサ
を覆って断熱材が充填されており、該温度センサは該加
熱ヒータの下側であって該加熱ヒータに対して20mm
以上離して設けられていることを特徴とする。
【0013】この実験用の撹拌機にあっては、温度セン
サを加熱ヒータの下側であってそれから20mm以上離
すようにしているので、撹拌液の温度を正確に検出する
ことが可能になる。
【0014】すなわち、温度センサを加熱ヒータから離
す距離が20mmより短ければ、温度センサが加熱ヒー
タからの熱を直接受け易くなり、撹拌液の温度ではなく
加熱ヒータの温度の影響を受けて撹拌液の温度よりも高
い温度を検出してしまうために、誤検出の虞れがあるか
らである。
【0015】請求項5の実験用の撹拌機は、請求項4に
記載の実験用の撹拌機において、前記温度センサと前記
加熱ヒータとの離隔距離が30mm以下に設定されてい
ることを特徴とする。
【0016】この実験用の撹拌機にあっては、温度セン
サと加熱ヒータとの離隔距離が30mm以下としている
ため、その離隔距離を30mmよりも長くした場合に回
転軸が長くなり過ぎて取り扱い性に悪影響が出るように
なるのを防止することが可能になる。
【0017】請求項6の実験用の撹拌機は、請求項2ま
たは3に記載の実験用の撹拌機において、前記回転軸の
内部に、少なくとも前記加熱ヒータ及び前記温度センサ
を覆って断熱材が充填されており、該温度センサは該加
熱ヒータの上側であって該加熱ヒータに対して3mm〜
5mm離して設けられていることを特徴とする。
【0018】この実験用の撹拌機にあっては、温度セン
サを加熱ヒータの上側であってそれから3mm〜5mm
離すようにしているので、撹拌液の温度を正確に検出す
ることが可能になる。
【0019】すなわち、温度センサを加熱ヒータから離
す距離が3mmより短い場合には、温度センサが撹拌液
の温度ではなく加熱ヒータの温度の影響を受けて撹拌液
の温度よりも高い温度を検出してしまう。一方、前記距
離が5mmより長い場合には、撹拌液が撹拌翼により撹
拌されることにより渦巻き状となって、渦中心部の液面
が他の液面よりも窪んだ状態になるために、温度センサ
が液面の上方を検出するようになり易く、その結果、撹
拌液の温度の正確な検出が困難となるからである。
【0020】請求項7の実験用の撹拌機は、請求項1乃
至6のいずれかに記載の実験用の撹拌機において、少な
くとも前記回転軸及び前記撹拌翼が、ステンレス鋼また
はチタニウムからなることを特徴とする。
【0021】この実験用の撹拌機にあっては、回転軸及
び撹拌翼の材料として、耐食性に優れ、また熱伝導性に
優れた金属を使用するため、実用的な撹拌機にすること
ができる。なお、ステンレス鋼またはチタニウムで作製
する箇所としては、回転軸及び撹拌翼に限らず、撹拌液
に浸漬される部材や、耐腐食性を向上させたい部分も同
様に、ステンレス鋼またはチタニウムで作製するように
してもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を具体
的に説明する。
【0023】図1は、本発明の一実施形態に係る実験用
の撹拌機を模式的に示す正面図である。
【0024】この撹拌機は、撹拌液が入れられる撹拌容
器14と、その撹拌容器14を載せる載置台16と、載
置台16の端に立設された鉛直棒16aと、鉛直棒16
aに高さ調整可能に取付けられた水平棒13と、水平棒
13の先端に取付けられた回転支持部材9とを有する。
【0025】回転支持部材9は、外筒9aと、外筒9a
の内側に同心状に設けられ、外筒9aに対して相対的に
回転可能な内筒9bとを有し、内筒9bが外筒9aに対
して軸心方向に移動しない構成となっている。その外筒
9aには、前記水平棒13の先端に取付けられ、一方、
内筒9bの内部には回転軸1が取付けられている。
【0026】また、内筒9bは外筒9aよりも長く形成
され、外筒9aの下側に突出している。その突出部と、
図示しない駆動モータの回転軸に取り付けたプーリーと
の間にはベルトが掛け渡されていて、駆動モータの回転
により内筒9bが所定方向に回転し、その回転に伴って
回転軸1が回転する。
【0027】回転軸1は、上端が開口し、底部が閉じた
筒状の金属、例えばステンレス鋼またはチタニウムから
なるもので、内部には抵抗材料からなる加熱ヒータ2
と、例えば熱電対からなる温度センサ3が内蔵されてお
り、加熱ヒータ2と温度センサ3の周りには、例えば酸
化マグネシウム等の断熱材7が充填されている。上記温
度センサ3は、熱電対を用いているので、下端部3cが
実質的に温度検出部として機能する。
【0028】また、回転軸1の上端部には、回転コネク
タ4が取付けられている。この回転コネクタ4は、外筒
4aと、外筒4aの内側に同心状に設けられ、外筒4a
に対して相対的に回転可能な内筒4bとを有し、外筒4
aには複数、この実施例では4つの固定端子5a、5
b、5c、5dが設けられ、一方の内筒4bには複数、
この実施例では4つの回転端子6a、6b、6c、6d
が設けられている。
【0029】上記固定端子5aと回転端子6a、固定端
子5bと回転端子6b、固定端子5cと回転端子6c、
固定端子5dと回転端子6dのそれぞれは、内筒4bが
外筒4aに対して相対的に回転しても電気的に接続され
る構成となっている。具体的には、固定端子5a〜5d
は、その一部が外筒4aの内周面に露出するように形成
されており、一方の回転端子6a〜6dは内筒4bの外
周面に沿った円環状に形成され、内筒4bの外周面に露
出するように配されている。なお、固定端子5a〜5d
は高さ位置をそれぞれ異ならせてあり、一方の回転端子
6a〜6dも該当する固定端子5a等に対して同じ高さ
に揃えると共に、異なる回転端子6a〜6dの間で高さ
位置を異ならせている。
【0030】上記4つの回転端子6a〜6dの一つ6a
には、加熱ヒータ2の入力用配線2aが接続され、他の
一つ6bには加熱ヒータ2の出力用配線2bが、更に他
の一つ6cには、温度センサ3の入力用配線3aが、残
りの一つ6dには温度センサ3の出力用配線3bがそれ
ぞれ接続されている。
【0031】また、固定端子5a〜5dには、それぞれ
配線8a〜8dの一端側が接続されていると共に、それ
ぞれ配線8a〜8dの他端側は温度調節器15に接続さ
れている。温度調節器15は、温度センサ3が検出した
温度と予め設定した温度との差を求め、その差がゼロに
近付くように加熱ヒータ2へ出力する電流値を制御す
る。なお、回転コネクタ4としては、回転している電流
や電気信号などの電気量を、固定端子を介して外部に取
り出す機能を持つものであれば十分であり、市販されて
いるものを使用することができる。
【0032】また、回転軸1の下端部には、撹拌翼10
が取り付けられる。撹拌翼10は、円環状をした円筒部
材10aの外周面の複数位置、例えば4等分位置に撹拌
翼本体10bが設けられたものであり、円筒部材10a
の内部に回転軸1を挿通させ、円筒部材10aの外側か
ら固定ビス11をねじ込むことで回転軸1に固定されて
いる。この撹拌翼10の回転軸1に対する高さ位置は、
加熱ヒータ2の下端部とほぼ同一高さとなるように設定
されている。
【0033】次に、このように構成された本実施形態に
係る実験用の撹拌機の動作内容につき説明する。
【0034】撹拌容器14に所望の撹拌液12を入れる
(図1参照)。これに前後して、水平棒13の高さを調
整することにより、加熱ヒータ2、温度センサ3及び撹
拌翼10が撹拌液12の液面よりも下側に位置するよう
にする。
【0035】その後、駆動モータを回転させて回転軸1
を回転させる。また、温度調節器15を作動させ、加熱
ヒータ2及び温度センサ3により撹拌液12の温度を所
望の温度になるように加熱制御する。このとき、加熱ヒ
ータ2の熱は回転軸1を介して撹拌翼10にも伝達さ
れ、このような回転軸1と撹拌翼10により撹拌液12
は加熱されるとともに撹拌翼10により回転される。
【0036】したがって、本実施形態による場合には、
回転軸1に内蔵された温度センサ3により撹拌液12の
温度を計測し、温度調節器15がその温度信号を受けて
加熱ヒータ2の温度を制御することができるので、回転
軸1に内蔵された加熱ヒータ2により加熱される撹拌液
12の温度を所望温度に昇温することができる。また、
回転する回転軸1に加熱ヒータ2を内蔵しているので、
加熱ヒータ2の近傍であって加熱ヒータ2による回転軸
1の被加熱面Aに撹拌液12が接触しても、その接触し
た撹拌液12は回転軸1から受ける遠心力により被加熱
面Aから離れていき、新たな撹拌液12が被加熱面Aに
接触する。つまり、被加熱面Aに接触する撹拌液12は
更新されていく。このため、従来技術における焼けが起
こり難くなり、これにより撹拌液12の色相の劣化を防
止することが可能になる。
【0037】また、本実施形態では加熱ヒータ2を回転
する回転軸1に内蔵させているため、以下の実施例1に
説明するように、加熱ヒータ2から撹拌液12への伝熱
速度を向上させ得、また回転軸1の周速を速くすること
で撹拌液12への伝熱係数(U値)を向上させ得る。
【0038】
【実施例1】この実施例1では、各部の仕様が以下のよ
うな実験用の撹拌機を用いた。
【0039】回転軸:内径10mmφ×高さ150mmHの
ステンレス鋼製 加熱ヒータの消費電力:1kW 回転コネクタ:ソルトン社製(4極) 温度センサ:K型熱電対 駆動モータ:オリエンタル社製、US425t−01T(スピー
ドコントローラ)、4GN18k Gear Head M−425−401
25W×100V 温度調節器:井内盛栄堂社製のT−550シリーズ(K)
TZ4ST Temperature Controller K(CA) 撹拌翼:ステンレス板、円筒部材の外径30mm、円筒部
材の中心から撹拌翼 本体の先端までの距離60mm、枚数3枚 撹拌翼および回転軸(被加熱部)の表面積(A):0.0
126[m2] 撹拌容器:ステンレス製、容量15リットル 温度センサの配線:K型熱電対(0〜450℃) また、実験条件は、以下の通りである。回転軸1の回転
数を0rpm、つまり非回転とした第1実験条件と、回
転軸1の回転数を15rpmとした第2実験条件と、回
転軸1の回転数を30rpmとした第3実験条件とで行
った。なお、撹拌液12としては約10kgの水道水を
用い、実験室温は21℃であった。
【0040】図2は、周速の伝熱速度に与える影響、つ
まり昇温速度と回転軸の回転数との関係につき調査した
結果を示す図であり、横軸に加熱時間(分)をとり、縦
軸に水温(℃)をとっている。図中の□は第1実験条件
の結果で、×は第2実験条件の結果、◆は第3実験条件
の結果である。
【0041】この図2から理解されるように、回転が増
すにつれて昇温速度がアップしている。また、回転無し
の場合は最も昇温速度が遅い。
【0042】図3は、第1実験条件(回転軸の回転数が
0rpm)、第2実験条件(回転軸の回転数が15rp
m)、第3実験条件(回転軸の回転数が30rpm)の
ときの伝熱係数Uを示す図であり、横軸に周速(cm/
sec)をとり、縦軸に伝熱係数[kcal/(m2・h
r・℃)]をとっている。
【0043】この図3から理解されるように、周速度の
アップに伴い伝熱係数が向上している。また、回転無し
の場合では最も伝熱係数が小さい。
【0044】したがって、以上の実施例1により理解さ
れるように、本実施形態では、回転する回転軸1に加熱
ヒータ2を内蔵させているため、加熱ヒータ2から撹拌
液12への伝熱速度を向上させ得、また回転軸1の周速
を速くすることで撹拌液12への伝熱係数(U値)を向
上させ得る。
【0045】また、この伝熱係数(U値)の流速依存性
については、下記の演算によっても証明される。即ち、
伝熱係数(U値)は、下記(1)式で表され(朝倉書店
「化学装置・機械実用ハンドブック」 藤田重文等編
集 P7参照)、撹拌液12の流速u(m/sec)に
比例する。
【0046】 U=3100(1+0.015t)u0.8/D0.2…(1) 但し、u:撹拌液の流速 D:管内径 t:水の温度(℃) 故に、上記(1)式を流速uで偏微分すれば、下記
(2)式となる。
【0047】dU/du=k・0.8・u-0.2 > 0 但し、k:正の定数 よって、回転軸1の周速を速くすることで撹拌液12へ
の伝熱係数(U値)が向上することが理解される。
【0048】
【実施例2】次に、本発明において、加熱ヒータからの
熱が断熱材(例えば酸化マグネシウム)を介して温度セ
ンサに伝わっても、温度センサによる撹拌液の検出温度
値が影響を受けることなく、撹拌液の温度そのものを正
しく検出することが可能な、温度センサと加熱ヒータと
の離隔距離につき調査した。
【0049】実験装置としては、図4に示すように、温
度センサ3に加えて、撹拌液12の温度を測定するため
にアルコール式ガラス棒温度計20も使用する構成のも
のを使用した。各部の仕様は、以下の通りである。
【0050】回転軸1:外径(L1)8mmφ、内径(L
2)6mmφ、長さ(L3)450mmのステンレス鋼sus302
製、内部に温度センサと加熱ヒータを内蔵し、内部に断
熱材(例えば酸化マグネシウム)が充填されている。
【0051】加熱ヒータ2:加熱容量=150W、長さ寸
法(L4)=60mm 温度センサ3:K型熱電対(0〜450℃) 撹拌翼10:高さ(H)15mm、幅(W)20mm、直径
(L5)80mm、厚み1mm、枚数4枚、材質がsus304製
である。
【0052】また、他の実験条件は、以下の通りであ
る。即ち、加熱ヒータ2の下端が温度センサ3の下端よ
りも上方であって、両者間の離隔距離Lxを種々変化させ
るように加熱ヒータ2及び温度センサ3を配設し、また
温度センサ3の温度検出部(下端部)3cと同じ高さ位
置にガラス棒温度計20の検出部20aを配した。ま
た、撹拌翼と加熱ヒータと温度センサの全ては、3リッ
トルの水道水である撹拌液12に漬かるようにしてい
る。また、回転軸の回転数は150rpmにした。な
お、実験室温は22℃であった。
【0053】実験方法は、例えば最終的に撹拌液12の
加熱温度を50℃近傍となるように加熱を行い、加熱時
間の経過に伴う、ガラス棒温度計20による撹拌液12
の検出温度と温度センサ3による撹拌液12の検出温度
との温度差(前者の検出温度−後者の検出温度)を比較
することにより行った。
【0054】表1は、その実験の際の1例を示し、加熱
ヒータ2と温度センサ3の離隔距離Lxが20mmのとき
の加熱時間の経過に伴う、両温度計の検出温度及び前記
温度差をまとめた表である。なお、前記離隔距離Lxが異
なるときの実験例については割愛する。
【0055】
【表1】
【0056】この表1に示すように、両温度計の前記温
度差の平均値は−0.5℃となっており、K型熱電対の
該当する温度域での許容差(±2.5℃)よりも著しく
小さい値である。
【0057】図5は、上述のようにして両温度計の検出
温度差の平均値を、前記離隔距離Lxを変化させて求めた
ものを纏めた図であり、横軸に離隔距離Lxをとり、縦軸
に検出温度差の平均値をとっている。
【0058】この図5より理解されるように、温度セン
サと加熱ヒータとの離隔距離Lxが20mm以上であれ
ば、両温度計の検出温度差の平均値が0.5℃以下にな
り、加熱ヒータからの熱が断熱材を伝わって温度センサ
に伝わっても、温度センサの検出温度値が影響を受け難
くなり、撹拌液の温度そのものをほぼ正確に検出するこ
とが可能となることが解った。また、撹拌液の加熱温度
を更に上昇させて実験を行った場合においても、温度セ
ンサと加熱ヒータとの離隔距離Lxが20mm以上であれ
ば、両温度計の検出温度差の平均値が0.5℃以下にな
り、ほぼ正確な検出が可能であった。
【0059】なお、大径の回転軸を用いる場合には、温
度センサと加熱ヒータを横に20mm以上離して並べて
配置することも考えられるが、そのような大径の回転軸
を用いると、加熱ヒータから回転軸までの距離が大きく
なって加熱効率が悪化し、或いは、回転軸に近付けるべ
く加熱ヒータを偏心位置に設けると、回転軸の被加熱面
Aに温度ムラが生じるため好ましくない。
【0060】したがって、比較的細い約10mm以下の
内径の回転軸に対し、温度ヒータを加熱ヒータの下側に
20mm以上の間隔で離せば、加熱ヒータによる影響を
受けることなく、温度センサは撹拌液の温度とほぼ同じ
温度を検出することが可能となる。
【0061】そこで、本発明は、温度センサ3を加熱ヒ
ータ2の下側に、両者の下端間の距離が20mm以上に
なるようにしている。
【0062】但し、20mm以上とは言っても、離隔距
離Lxをあまり大きくした場合には、温度センサと加熱ヒ
ータとが離れ過ぎ、その結果として回転軸が長くなり過
ぎて取り扱い性に悪影響が出るようになる。
【0063】そこで、本発明においては、加熱ヒータ2
と温度センサ3の検出部との離隔距離は、取り扱い性に
悪影響が出るのを抑制できる30mm以下に設定するこ
とが好ましい。
【0064】また、本発明は、温度センサ3を加熱ヒー
タ2の上側に配置することも可能である。その場合に
は、温度センサ3の下端を加熱ヒータ2の上端から3m
m〜5mm程度離すのが好ましい。その理由は、温度セ
ンサを加熱ヒータから離す距離が3mmより短い場合に
は、温度センサが撹拌液の温度ではなく加熱ヒータの温
度の影響を受けて撹拌液の温度よりも高い温度を検出し
てしまう。一方、前記距離が5mmより長い場合には、
撹拌液が撹拌翼により撹拌されることにより渦巻き状と
なって、渦中心部の液面が他の液面よりも窪んだ状態に
なるために、温度センサが液面の上方を検出するように
なり易く、その結果、撹拌液の温度の正確な検出が困難
となるからである。
【0065】なお、上述した実施形態では、鉛直棒12
aに対して水平棒13が高さ調整可能に取付けられてい
るので、回転軸及び撹拌翼の高さを自在に調整すること
ができ、これにより加熱ヒータ、温度センサ及び撹拌翼
の高さを撹拌液の液面に対して調節することが可能であ
る。それ故に、加熱ヒータの焼損や火災事故の防止が可
能となる。すなわち、加熱ヒータによる加熱により撹拌
液が蒸発等により減少し、温度センサの検出部が液面よ
りも上方に位置するようになると、撹拌液よりも低温で
ある室温を温度センサが検出することとなり、温度調節
器が加熱ヒータを過熱させるような制御が行われること
を、回転軸及び撹拌翼の高さ調整により防ぐことが可能
となり、加熱ヒータの焼損や火災事故の発生を防止する
ことができる。
【0066】また、上述した実施形態では回転軸1の回
転駆動に、図1に示すように、外筒9aよりも長く形成
された内筒9bを、ベルトを介して駆動モータにより回
転駆動させる回転支持部材9を使用しているが、本発明
はこれに限らず他の機構のものを使用することができ
る。例えば、図6に示すように、回転軸1に噛合する2
つの傘歯車21a、21bの一方21aを回転軸1に同
心状に取付け、他方の傘歯車21bを駆動モータ22に
より回転させる機構などでもよく、或いは他の機構でも
よい。
【0067】また、上述した実施形態では撹拌翼が回転
軸に取付けるタイプのものを使用しているが、本発明は
これに限らず、図6に示すように回転軸1と撹拌翼10
Aとが一体的に形成されたものを使用することができ
る。
【0068】また、上述した実施形態では加熱ヒータと
して抵抗材料からなるものを使用しているが、本発明は
これに限らず、他の構成のものを使用することができ
る。
【0069】また、上述した実施形態では温度センサと
して熱電対を用いているが、本発明はこれに限らず、他
の構成のものを使用することができる。
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明による場合
には、回転軸に内蔵された加熱ヒータにより撹拌液を加
熱することが可能であり、撹拌液の温度は一般の温度計
により計測することにより撹拌液を所望の温度に昇温す
ることができる。また、回転軸に加熱ヒータが内蔵され
ているので、加熱ヒータによる回転軸の被加熱面に撹拌
液が接触しても、その接触した撹拌液は回転軸から受け
る遠心力により被加熱面から離れていき、新たな撹拌液
が被加熱面に接触し、つまり被加熱面に接触する撹拌液
は更新されていくため、従来技術における焼けが起こり
難くなり、これにより撹拌液の色相の劣化を防止するこ
とが可能になる。
【0071】また、本発明による場合には、撹拌翼が取
付けられる回転軸に、撹拌液を加熱するための加熱ヒー
タと、撹拌液の温度を検出するための温度センサとが内
蔵されている構成とすることにより、回転軸に内蔵され
た温度センサにより撹拌液の温度を計測できるので、回
転軸に内蔵された加熱ヒータにより加熱される撹拌液の
温度を所望温度に昇温することができる。また、回転軸
に加熱ヒータが内蔵されているので、加熱ヒータによる
回転軸の被加熱面に撹拌液が接触しても、その接触した
撹拌液は回転軸から受ける遠心力により被加熱面から離
れていき、新たな撹拌液が被加熱面に接触し、つまり被
加熱面に接触する撹拌液は更新されていくため、従来技
術における焼けが起こり難くなり、これにより撹拌液の
色相の劣化を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る実験用の撹拌機を模
式的に示す正面図である。
【図2】周速の伝熱速度に与える影響、つまり昇温速度
と回転軸の回転数との関係につき調査した結果を示す図
であり、横軸に加熱時間(分)をとり、縦軸に水温
(℃)をとっている。
【図3】第1実験条件(回転軸の回転数が0rpm)、
第2実験条件(回転軸の回転数が15rpm)、第3実
験条件(回転軸の回転数が30rpm)のときの伝熱係
数Uを示す図であり、横軸に周速(cm/sec)をと
り、縦軸に伝熱係数[kcal/(m2・hr・℃)]をと
っている。
【図4】実施例2の実験装置を示す正面図である。
【図5】2つの温度計の温度差の平均値を、離隔距離を
変化させて求めたものを纏めた図であり、横軸に離隔距
離をとり、縦軸に平均値をとっている。
【図6】本発明の他の実施形態を示す模式的正面図であ
る。
【符号の説明】
1 回転軸 2 加熱ヒータ 3 温度センサ 4 回転コネクタ 7 断熱材 10 撹拌翼 12 撹拌液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 修策 大阪市北区天満4丁目15番5号 株式会社 井内盛栄堂内 (72)発明者 坂井 清 大阪府東大阪市長田西3−46 大星エンジ ニア電業内 Fターム(参考) 4G037 CA11 EA04 4G078 AA22 BA05 DA01 DC08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撹拌翼が取付けられる回転軸に、撹拌液
    を加熱するための加熱ヒータが内蔵されていることを特
    徴とする実験用の撹拌機。
  2. 【請求項2】 撹拌翼が取付けられる回転軸に、撹拌液
    を加熱するための加熱ヒータと、撹拌液の温度を検出す
    るための温度センサとが内蔵されていることを特徴とす
    る実験用の撹拌機。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の実験用の撹拌機におい
    て、前記加熱ヒータに配線が接続されているとともに、
    前記温度センサに配線が接続されており、両配線が、回
    転軸に対して相対的に回転可能に設けられた回転コネク
    タを介して外部に導出されていることを特徴とする実験
    用の撹拌機。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の実験用の撹拌
    機において、前記回転軸の内部に、少なくとも前記加熱
    ヒータ及び前記温度センサを覆って断熱材が充填されて
    おり、該温度センサは該加熱ヒータの下側であって該加
    熱ヒータに対して20mm以上離して設けられているこ
    とを特徴とする実験用の撹拌機。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の実験用の撹拌機におい
    て、前記温度センサと前記加熱ヒータとの離隔距離が3
    0mm以下に設定されていることを特徴とする実験用の
    撹拌機。
  6. 【請求項6】 請求項2または3に記載の実験用の撹拌
    機において、前記回転軸の内部に、少なくとも前記加熱
    ヒータ及び前記温度センサを覆って断熱材が充填されて
    おり、該温度センサは該加熱ヒータの上側であって該加
    熱ヒータに対して3mm〜5mm離して設けられている
    ことを特徴とする実験用の撹拌機。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の実験
    用の撹拌機において、少なくとも前記回転軸及び前記撹
    拌翼が、ステンレス鋼またはチタニウムからなることを
    特徴とする実験用の撹拌機。
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