JP2002313668A - 電子部品 - Google Patents

電子部品

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JP2002313668A
JP2002313668A JP2001113814A JP2001113814A JP2002313668A JP 2002313668 A JP2002313668 A JP 2002313668A JP 2001113814 A JP2001113814 A JP 2001113814A JP 2001113814 A JP2001113814 A JP 2001113814A JP 2002313668 A JP2002313668 A JP 2002313668A
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conductive adhesive
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JP2001113814A
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English (en)
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Kenichi Yamada
健一 山田
Giichi Takagi
義一 高木
Takuji Nakagawa
卓二 中川
Yoshinori Saito
芳則 斉藤
Toru Watanabe
徹 渡辺
Yoshitaka Akaboshi
吉隆 赤星
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品本体上の端子電極に金属板からなる
端子板部材を接合する構造において、導電性接着剤を用
いた場合、接合強度が不足したり、耐湿性が劣ったりす
ることがある。 【解決手段】 電子部品本体上の端子電極3と端子板部
材とを、導電性金属粉末を含む導電性接着剤8によって
接合するだけでなく、この導電性接着剤8を囲むように
付与された、導電性金属粉末を含まない耐湿性樹脂9に
よっても接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、端子電極に端子
板部材が接合された構造を有する電子部品に関するもの
で、特に、端子電極と端子板部材との接合構造の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば積層セラミックコンデンサのよ
うな電子部品において、その電子部品本体の外表面上に
形成された端子電極に、たとえば金属板からなる導電性
の端子板部材の基部を接合した状態とされることがあ
る。このような端子板部材を備える電子部品を配線基板
上に実装する場合には、端子板部材の自由端部を配線基
板へ半田付けするようされる。
【0003】これは、耐熱衝撃性の向上を図ろうとする
ものである。すなわち、電子部品を配線基板上に実装す
るにあたって、電子部品本体上に形成された端子電極
を、直接、配線基板へ半田付けした状態とすると、温度
変化がもたらされる環境において、電子部品本体と配線
基板との間の熱膨張係数の差が原因となって、電子部品
本体の破壊等の機械的損傷が生じることを、端子板部材
の変形によって防止しようとするためのものである。
【0004】なお、上述のような問題は、電子部品本体
がセラミックをもって構成される場合、あるいは、配線
基板が熱放散性に優れたアルミニウムをもって構成され
る場合において、特に生じやすい。
【0005】上述の端子板部材を備える電子部品の製造
において、端子板部材を端子電極に接合するため、たと
えば半田が用いられたり、導電性金属粉末を含む導電性
接着剤が用いられたりしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、端子電
極と端子板部材とが半田によって接合される場合、半田
は、通常、鉛を含有することから、環境問題を引き起こ
すおそれがある。したがって、このような環境問題を回
避しようとすると、端子電極と端子板部材との接合に導
電性接着剤を用いることが好ましい。
【0007】端子電極と端子板部材との接合に導電性接
着材を用いることが、たとえば、特公平6−66220
号公報および特公平6−70937号公報に記載されて
いる。しかしながら、導電性接着剤による接合強度は、
導電性接着剤において導電性成分として含まれる導電性
金属粉末の含有量によって左右され、したがって、導電
性を高めるため、導電性金属粉末の含有量を多くする
と、接合強度が低下するという問題がある。また、導電
性接着剤は、その硬化後において、耐湿試験を行なう
と、含有される導電性金属粉末を高充填させるため、空
隙が生じやすく、水分が樹脂内部まで侵入しやすいた
め、膨潤しやすいという問題がある。
【0008】上述の耐湿性に関して、これを改善するた
め、導電性接着剤を介して、端子板部材を端子電極に取
り付けた後に、めっき処理を施す方法も提案されてい
る。しかしながら、この方法は、工程が複雑になるとい
う問題を有している。
【0009】他方、導電性接着剤を介して、端子板部材
を端子電極に取り付けた後、電子部品全体を、樹脂ペー
スト中に浸漬し、それによって、電子部品全体に樹脂コ
ーティングを施す方法が特開平2−153514号公報
に記載されている。しかしながら、この方法によれば、
電子部品全体が樹脂によって覆われるため、この公報に
おいて開示される電子部品本体としての積層セラミック
コンデンサユニットの放熱性が悪く、また、コーティン
グ用の樹脂と積層セラミックコンデンサユニットとの熱
膨張係数の差のために、温度変化が生じる環境下に置か
れたとき、積層セラミックコンデンサユニットにクラッ
ク等が発生するという問題を招く。
【0010】そこで、この発明の目的は、端子板部材を
備える電子部品において、端子電極と端子板部材との接
合のために、導電性接着剤が用いられる場合の上述のよ
うな欠点を解消しようとすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、簡単に言え
ば、端子電極と端子板部材との接合のために、導電性接
着剤とともに耐湿性樹脂を併用しようとするものであ
る。
【0012】すなわち、この発明は、外表面上に端子電
極が形成された、電子部品本体と、基部において端子電
極に電気的に接続されるように接合される、導電性の端
子板部材とを備える、電子部品に向けられるものであっ
て、上述した技術的課題を解決するため、端子電極と端
子板部材とが、導電性金属粉末を含む導電性接着剤と、
これを囲むように付与された、導電性金属粉末を含まな
い耐湿性樹脂との双方によって接合されていることを特
徴としている。
【0013】この発明において、好ましくは、端子板部
材の基部は、U字状に折り曲げられた形状を有する。
【0014】上述の場合、端子板部材の、U字状の折り
曲げ状態における外側に向く面には、半田濡れ性の良好
な半田親和面が形成され、かつ、折り曲げ状態における
内側に向く面には、半田濡れ性の悪い半田非親和面が形
成されていることが好ましい。
【0015】また、この発明は、複数の電子部品本体を
備え、複数の電子部品本体の各々の端子電極に端子板部
材が共通に接続されている、電子部品に対して有利に適
用される。
【0016】また、この発明は、電子部品本体が、セラ
ミックをもって構成される場合、より特定的には、電子
部品本体が、積層セラミックコンデンサを構成するもの
である場合に、特に有利に適用される。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施形態に
よる電子部品1の全体の外観を示す正面図である。
【0018】電子部品1は、たとえば積層セラミックコ
ンデンサを構成する3つのチップ状の電子部品本体2を
備えている。電子部品本体2の外表面上、より特定的に
は相対向する2つの端面上には、端子電極3がそれぞれ
形成されている。
【0019】端子電極3は、たとえば、導電性ペースト
を付与し、焼き付けるといった厚膜形成技術によって形
成される。ここで、導電性ペーストとしては、たとえ
ば、銅を導電成分として含むものが用いられる。
【0020】また、必要に応じて、厚膜形成技術によっ
て形成された端子電極3の表面には、たとえば、ニッケ
ルめっきが施され、さらにその上に銅、銀または金等の
めっきが施され、それによって、良好な半田濡れ性が与
えられる。
【0021】なお、端子電極3は、スパッタリング、蒸
着、めっき等の薄膜形成技術によって形成されてもよ
い。
【0022】3つの電子部品本体2は、互いに同じ姿勢
で配向されながら、上下に積み重ねられ、たとえば接着
剤4によって互いに接合される。
【0023】3つの電子部品本体2の各々の端子電極3
に共通に電気的に接続されるように、導電性の端子板部
材5が、その基部6において接合される。端子板部材5
は、この実施形態では、全体として逆U字状に折り曲げ
られた金属板をもって構成され、その自由端部7におい
て、配線基板(図示せず。)に電気的に接続される。
【0024】端子板部材5を構成する金属板は、たとえ
ば、銀、金、ニッケル、銅もしくは鉄等の金属またはそ
れらの合金を材料とすることによって導電性が与えられ
るが、クラッド材から構成されてもよい。端子板部材5
がクラッド材から構成される場合、逆U字状に折り曲げ
られた端子板部材5の内側は、たとえばFe−Cr合
金、Ni−Cu合金、Alのような半田濡れ性の悪い材
料から構成され、それによって、この内側に向く面に
は、半田非親和面が形成され、他方、外側は、たとえば
銅のような半田濡れ性の良好な材料から構成され、それ
によって、この外側に向く面には、半田親和面が形成さ
れる。
【0025】上述のような構成とすることによって、端
子板部材5は、その逆U字状に折り曲げられた状態にお
いて、端子電極3および配線基板にそれぞれ対向する面
に良好な半田濡れ性を与える一方、内側に向く面を半田
濡れ性に劣る面とすることができる。したがって、端子
板部材5は、端子電極3および配線基板の各々との間で
良好な半田付けを可能にするとともに、逆U字状に折り
曲げられた部分の内側への半田の不所望な回り込みを防
止し、前述した温度変化による電子部品本体2の破壊等
を防止するための端子板部材5の変形が不所望にも阻害
されないようにすることができる。
【0026】なお、上述したように、端子板部材5をク
ラッド材から構成する代わりに、同様の機能を発揮させ
るように、めっき等の表面処理が採用されてもよい。
【0027】このような電子部品1は、たとえば、DC
−DCコンバータ等の電源回路における平滑用コンデン
サとして用いることができる。
【0028】図2は、図1の線II−IIに沿う断面図
であって、1つの電子部品本体2と端子板部材5との接
合部分を示している。図2に示すように、端子板部材5
の基部6と電子部品本体2上の端子電極3とは、導電性
金属粉末を含む導電性接着剤8と、これを囲むように付
与され、導電性金属粉末を含まない耐湿性樹脂9との双
方によって接合される。
【0029】上述した導電性接着剤8は、端子電極3と
端子板部材5との間での導電接続を達成することを主要
な機能としている。したがって、導電性接着剤8とし
て、上記のような導電接続の機能を達成すれば十分であ
るため、導電成分としての導電性金属粉末を多く含有
し、そのため、接着性が低く、また、耐湿性に劣るもの
であっても、問題なく用いることができる。
【0030】他方、耐湿性樹脂9は、導電性接着剤8を
囲むように付与されることにより、導電性接着剤8が有
する耐湿性の不足および接合強度の不足を補うように作
用する。したがって、耐湿性樹脂9としては、湿中にお
いて膨潤し難く、すなわち、耐湿性ないしは耐水蒸気透
過性が良好で、高い接合強度が得られ、この接合強度の
安定性および信頼性の高い樹脂を用いることができ、た
とえば、エポキシ系、ポリイミド系、シリコーン系また
はパラフィン系等の樹脂を用いることができる。また、
耐湿性樹脂9は、導電性金属粉末を含有しないので、導
電性接着剤8に比べて、そのコストを低くすることがで
きる。
【0031】このような導電性接着剤8および耐湿性樹
脂9によって、端子電極3と端子板部材5との接合を達
成するため、たとえば、まず、端子電極3と端子板部材
5の基部6とを導電性接着剤8によって接合し、端子板
部材5を電子部品本体2に仮に取り付けた後、耐湿性樹
脂9を、端子電極3と端子板部材5の基部6との間に注
入し、これを硬化させることが行なわれる。
【0032】なお、図1に示すように、電子部品本体2
を互いに接合する接着剤4を用いずに、前述した導電性
接着剤8の硬化工程において、3つの電子部品本体2を
上下に積み重ねた状態で位置決めしておき、硬化された
導電性接着剤8によって、3つの電子部品本体2の互い
の位置関係を固定するようにしてもよい。
【0033】図3は、この発明の他の実施形態を説明す
るための図1に相当する図である。図3において、図1
に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、
重複する説明は省略する。
【0034】図3に示した電子部品1aでは、端子板部
材5aは、全体としてL字状の断面形状を有していて、
電子部品本体2上の端子電極3に電気的に接続されるよ
うに接合される基部6aと、配線基板(図示せず。)に
電気的に接続される自由端部7aとを備えている。
【0035】なお、図3に示した実施形態では、端子板
部材5aは、図1に示した端子板部材5のような逆U字
状に折り曲げられた部分を有していないので、その両面
が良好な半田濡れ性を有していてもよい。したがって端
子板部材5aは、たとえば、その両面がAgめっきされ
た、Fe−Cr合金またはFe−Ni合金等からなる金
属板によって構成される。
【0036】図3に示した実施形態においても、端子板
部材5aの基部6aと電子部品本体2上の端子電極3と
は、導電性金属粉末を含む導電性接着剤8(図2参照)
と、これを囲むように付与され、導電性金属粉末を含ま
ない耐湿性樹脂9との双方によって接合されている。
【0037】以上、この発明を図示した実施形態に関連
して説明したが、この発明の範囲内において、その他、
種々の変形例が可能である。
【0038】たとえば、図示の電子部品1は、3つの電
子部品本体2を備えていたが、電子部品本体の数は任意
に変更でき、たとえば、2つであっても、単に1つであ
っても、4つ以上であってもよい。
【0039】また、電子部品本体2は、積層セラミック
コンデンサを構成するものであったが、他の機能を有す
るセラミック電子部品、あるいはセラミックを含まない
電子部品のための電子部品本体を構成するものであって
もよい。
【0040】また、図示の電子部品本体2は、相対向す
る2つの端面上に端子電極3を形成するものであった
が、さらに、中間部等の他の外表面部分に端子電極を形
成するものでもよい。
【0041】以下に、この発明による効果を確認するた
めに実施した実験例について説明する。
【0042】
【実験例1】この実験例1では、図1に示すような形状
の電子部品を作製した。
【0043】ここで、電子部品本体として、チタン酸バ
リウム系の誘電体を備え、平面寸法が56mm×50m
mであり、静電容量が1.0μFである、積層セラミッ
クコンデンサを用いた。この積層セラミックコンデンサ
の端子電極は、銅を含む導電性ペーストを100μmの
厚みで塗布し、150℃の温度で10分間乾燥させた
後、800℃の温度で5分間保持して焼き付けることに
よって得られた厚膜上に、厚み1μmのニッケル膜およ
び厚み5μmの銅膜が析出されるように湿式めっきを施
すことによって形成した。
【0044】また、端子板部材として、厚み0.1mm
の片面がAgめっきされたFe−Cr合金(SUS43
0)からなるもので、幅が5.1mmのものを用いた。
【0045】まず、実施例1として、上述の3つの積層
セラミックコンデンサを図1に示すように位置決めした
状態で、導電性接着剤を、端子電極と端子板部材の基部
との間に付与し、これを120℃の温度で10分間熱処
理することによって、端子板部材を仮止めし、次いで、
導電性接着剤を囲むように、端子電極と端子板部材の基
部との間に、エポキシ系の耐湿性樹脂を注入した後、2
00℃の温度で60分間加熱することにより、耐湿性樹
脂を硬化させ、試料となる電子部品を得た。
【0046】他方、比較例1として、導電性接着剤のみ
で端子板部材を端子電極に接合したことを除いて、実施
例1と同様の操作を経て、試料となる電子部品を得た。
【0047】さらに、比較例2として、比較例1に係る
試料全体を、湿式めっき処理に付し、厚み1μmのニッ
ケル膜および厚み5μmの錫膜を、導電性を有する表面
上に析出させ、試料となる電子部品を得た。
【0048】これら実施例1、比較例1および比較例2
について、湿中負荷(85℃、85%RH、100V、
1000時間)を付与する前後の端子板部材の端子電極
に対する接合部分での剪断強度および100kHzでの
ESR(等価直列抵抗)を評価した。また、熱衝撃サイ
クル(−55℃/125℃、500サイクル)および湿
中負荷(85℃、85%RH,100V、100時間)
を付与した後のESRも評価した。
【0049】これらの評価結果が表1に示されている。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示すように、比較例1では、導電性
接着剤のみによって、端子板部材を端子電極に接合して
いるため、初期の剪断強度が低いばかりでなく、湿中負
荷の付与後においては、導電性接着剤が膨潤し、剪断強
度の低下およびESRの上昇がもたらされている。
【0052】他方、めっきを施した比較例2では、接合
が主として導電性接着剤で達成されているに過ぎないた
め、比較例1の場合と同様、初期の剪断強度が低いが、
めっきによる効果のため、湿中負荷の付与にかかわら
ず、剪断強度の低下およびESRの上昇がもたらされて
いない。しかしながら、比較例2では、熱衝撃サイクル
を付与した結果、めっき面に微小なクラックが発生し、
湿中負荷の付与中に水分が導電性接着剤中に入り、膨潤
を起こし、ESRが上昇している。
【0053】これらに対して、実施例1では、接合が導
電性金属粉末の含有していない耐湿性樹脂に主として依
存しているため、まず、初期の剪断強度が高い。また、
この耐湿性樹脂によって耐湿性を維持しているため、湿
中負荷の付与によって導電性接着剤の部分に膨潤が生じ
ることがないので、湿中負荷付与後の剪断強度も高く維
持されている。また、ESRについても、耐湿性樹脂に
よって耐湿性を維持しており、また、めっきを施してい
ないので、熱衝撃サイクルの影響も実質的に受けないた
め、これを低く維持することができる。
【0054】
【実験例2】この実験例2では、図3に示すような形状
の電子部品を作製した。
【0055】また、この電子部品に備える電子部品本体
としては、上述した実験例1において用いた積層セラミ
ックコンデンサと同様のものを用いた。
【0056】また、端子板部材としては、厚みが0.1
mmであり、両面にAgめっきが施されたFe−Ne合
金(42Ni)からなり、5.1mmの幅を有するもの
を用いた。
【0057】まず、実施例2として、3つの積層セラミ
ックコンデンサの各々の端子電極と端子板部材の基部と
の間に導電性接着剤を付与し、120℃の温度で10分
間加熱することによって、端子板部材を積層セラミック
コンデンサに仮止めし、次いで、導電性接着剤を囲むよ
うに、端子電極と端子板部材の基部との間にエポキシ系
の耐湿性樹脂を注入し、200℃の温度で60分間加熱
することによって、これを硬化させ、試料となる電子部
品を得た。
【0058】他方、比較例3として、導電性接着剤のみ
で端子板部材を端子電極に接合したことを除いて、実施
例2と同様の操作を経て、試料となる電子部品を得た。
【0059】また、比較例4として、比較例3で得た電
子部品全体をエポキシ系樹脂でコートして、試料となる
電子部品を得た。
【0060】さらに、比較例5として、比較例3で得た
電子部品全体を、比較的接合強度の低いシリコーン系樹
脂でコートして、試料となる電子部品を得た。
【0061】このようにして得られた実施例2および比
較例3〜5の各々に係る試料について、前述した実験例
1の場合と同様の方法によって、湿中負荷の付与前後の
各々における剪断強度およびESRを評価するととも
に、熱衝撃サイクル(−55℃/125℃、100サイ
クル)の付与後のクラック発生率および100kHzで
のリップル発熱(発熱温度40℃の実効電流)を評価し
た。
【0062】これらの評価結果が表2に示されている。
【0063】
【表2】
【0064】表2に示すように、比較例3では、導電性
接着剤のみで端子板部材を端子電極に接合しているた
め、初期の剪断強度が低いばかりでなく、湿中負荷の付
与によって、導電性接着剤が膨潤し、剪断強度が低下す
るとともに、ESRの上昇が生じている。
【0065】他方、エポキシ系樹脂によって全面をコー
トした比較例4では、高い剪断強度が得られ、耐湿性が
良好であるため、湿中負荷の付与後においても、剪断強
度の低下やESRの上昇が生じていない。しかしなが
ら、熱衝撃サイクルを付与すると、全面にコートされた
エポキシ系樹脂の強度が高いため、クラック発生率が高
くなっている。また、リップル発熱特性に関しては、電
子部品本体としての積層セラミックコンデンサがエポキ
シ系樹脂で覆われるため、熱放散効率が低く、温度上昇
が生じやすい。
【0066】また、比較例5では、全面コートのため
に、接合強度の比較的低いシリコーン系樹脂を用いてい
るので、耐熱衝撃特性が改善され、クラックの発生は防
止されるが、剪断強度が低く、耐湿性も劣化し、リップ
ル発熱特性も改善されていない。
【0067】これらに対して、実施例2では、端子板部
材の端子電極への接合が、導電性金属粉末を含有してい
ない耐湿性樹脂に主として依存しているため、高い初期
の剪断強度が得られている。また、この耐湿性樹脂によ
って耐湿性を維持しているため、湿中負荷の付与によっ
て、導電性接着剤の部分が膨潤することがなく、したが
って、湿中負荷付与後の剪断強度およびESRについて
は、湿中負荷付与前の値を維持することができる。
【0068】また、実施例2では、耐湿性樹脂は、積層
セラミックコンデンサ全体を覆うように付与されるので
はなく、部分的に付与されているに過ぎないので、この
耐湿性樹脂による積層セラミックコンデンサへの締め付
けがなく、熱衝撃サイクルの付与によるクラックの発生
がなく、また、熱放散効率が高いため、リップル発熱特
性も良好である。
【0069】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、電子
部品本体上の端子電極とこれに電気的に接続される端子
板部材との接合にあたり、導電性接着剤と耐湿性樹脂と
の組み合わせが用いられるので、導電性金属粉末を含有
するために犠牲にされなければならない導電性接着剤の
接合強度の不足を、耐湿性樹脂による接合によって効果
的に補うことができるとともに、耐湿性樹脂が導電性樹
脂を囲むように付与されるので、導電性接着剤に対して
は、耐湿性が特に要求されない。
【0070】したがって、端子板部材の端子電極に対す
る接合部分全体としての接合強度を、耐湿性樹脂によっ
て、高いものにすることができるとともに、導電性接着
剤にあっては、その導電性金属粉末の含有量を多くし
て、その電気伝導性を高めることができる。
【0071】また、そればかりでなく、湿中負荷条件下
に置かれても、接合強度を高く維持することができると
ともに、ESR等の電気的特性も良好に維持することが
でき、電子部品の信頼性を高めることができる。
【0072】また、この発明によれば、端子板部材の端
子電極への接合に半田を用いる必要がないので、半田に
通常含まれる鉛による環境問題を引き起こさないように
することができる。
【0073】また、この発明によれば、耐湿性樹脂は、
電子部品本体全体を覆うように付与される必要がないの
で、熱衝撃サイクル条件の付与によって、電子部品本体
にクラック等の機械的損傷がもたらされることがなく、
また、電子部品本体からの熱放散効率も低下することが
ない。
【0074】この発明において、端子板部材の基部がU
字状に折り曲げられた形状を有していると、温度変化が
もたらされる環境において、電子部品本体と配線基板と
の間の熱膨張係数の差が原因となる電子部品本体の破壊
等の機械的損傷を防止するための端子板部材の変形をよ
り生じやすくすることができる。また、端子板部材のこ
のような変形は、端子板部材と電子部品本体上の端子電
極との間の接合部分での負担を減じることができるの
で、この接合部分における破壊を生じにくくすることが
できる。このことは、半田に比べて接合強度が劣る傾向
にある導電性接着剤と耐湿性樹脂との組み合わせによる
接合にとって、特に有利に作用する。
【0075】上述のように、基部がU字状に折り曲げら
れた形状を有する端子板部材において、U字状の折り曲
げ状態における外側に向く面に、半田濡れ性の良好な半
田親和面が形成され、かつ、折り曲げ状態における内側
に向く面に、半田濡れ性の悪い半田非親和面が形成され
ていると、端子部材の基部において、内側に向く面の間
に半田が入り込むことがなく、したがって、上述したよ
うな電子部品本体の破壊等を防止するための端子板部材
の変形が不所望にも阻害されないようにすることができ
る。
【0076】また、この発明に係る電子部品が複数の電
子部品本体を備え、これら複数の電子部品本体の各々の
端子電極に端子板部材が共通に接続されていると、端子
板部材によって、これら電子部品本体相互を電気的に接
続し、かつ機械的に固定する機能をも果たさせることで
きる。
【0077】また、この発明において、電子部品本体
が、たとえば積層セラミックコンデンサのようなセラミ
ックをもって構成されるものである場合には、前述した
温度変化による電子部品本体の破壊等が比較的生じやす
いため、端子電極に端子板部材を取り付けた構成を、こ
のような破壊等を防止するために特に有効に作用させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による電子部品1を示す
正面図である。
【図2】図1の線II−IIに沿う断面図であり、1つ
の電子部品本体2上の端子電極3と端子板部材5の基部
6との接合部分を示している。
【図3】この発明の他の実施形態による電子部品1aを
示す正面図である。
【符号の説明】 1,1a 電子部品 2 電子部品本体 3 端子電極 5,5a 端子板部材 6,6a 基部 8 導電性接着剤 9 耐湿樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 卓二 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 斉藤 芳則 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 渡辺 徹 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 赤星 吉隆 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5E082 BC33 CC05 CC13 FG26 FG54

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外表面上に端子電極が形成された、電子
    部品本体と、 基部において前記端子電極に電気的に接続されるように
    接合される、導電性の端子板部材とを備え、 前記端子電極と前記端子板部材とが、導電性金属粉末を
    含む導電性接着剤と、これを囲むように付与された、導
    電性金属粉末を含まない耐湿性樹脂との双方によって接
    合されている、電子部品。
  2. 【請求項2】 前記端子板部材の前記基部は、U字状に
    折り曲げられた形状を有する、請求項1に記載の電子部
    品。
  3. 【請求項3】 前記端子板部材の、前記U字状の折り曲
    げ状態における外側に向く面には、半田濡れ性の良好な
    半田親和面が形成され、かつ、折り曲げ状態における内
    側に向く面には、半田濡れ性の悪い半田非親和面が形成
    されている、請求項2に記載の電子部品。
  4. 【請求項4】 複数の前記電子部品本体を備え、前記複
    数の電子部品本体の各々の前記端子電極に前記端子板部
    材が共通に接続されている、請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の電子部品。
  5. 【請求項5】 前記電子部品本体は、セラミックをもっ
    て構成される、請求項1ないし4のいずれかに記載の電
    子部品。
  6. 【請求項6】 前記電子部品本体は、積層セラミックコ
    ンデンサを構成するものである、請求項5に記載の電子
    部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008177435A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Tdk Corp Ptc素子

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