JP2002313564A - シャドウマスク、該シャドウマスクの製造方法、およびディスプレイ - Google Patents

シャドウマスク、該シャドウマスクの製造方法、およびディスプレイ

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JP2002313564A
JP2002313564A JP2001118419A JP2001118419A JP2002313564A JP 2002313564 A JP2002313564 A JP 2002313564A JP 2001118419 A JP2001118419 A JP 2001118419A JP 2001118419 A JP2001118419 A JP 2001118419A JP 2002313564 A JP2002313564 A JP 2002313564A
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Katsumi Suzuki
克美 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開口率が高く、精度の高いシャドウマスクを
製造する。 【解決手段】 周囲にSiフレーム11を残すようにし
て、(110)Si単結晶基板21の中心部に数十μm
の厚さのシャドウマスク形成領域12を形成する。次
に、熱酸化法を用いて、(110)Si単結晶基板21
の表裏に熱酸化SiO2膜22を形成する。次に、熱酸
化SiO2膜22の表面側(図2(b)の上面)に通常
のフォトリソグラフィ技術を用いて、レジストパターン
を形成し、このレジストパターンを保護膜にしてドライ
エッチングを行い、SiO2パターン22aを形成す
る。続いて、SiO2パターン22aを保護膜にしてS
iを蝕刻することで貫通孔23が形成される。不要とな
った熱酸化SiO2膜22を、弗酸を用いて蝕刻除去す
ることでシャドウマスク24を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシャドウマスク、該
シャドウマスクの製造方法、およびディスプレイに関
し、特に、有機化合物材料のEL(エレクトロルミネッ
センス)を利用したカラー有機ELディスプレイの製造
に用いるシャドウマスク、該シャドウマスクの製造方
法、および前記シャドウマスクを用いて作製したカラー
有機ELディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】カラー有機ELディスプレイの製造にお
いては、ディスプレイの発光面となる透明電極上に、い
わゆる光の3原色である赤、青、緑の有機EL材料を互
いに分離した微細領域に選択的に形成することが行われ
ている。
【0003】従来、このカラー有機ELディスプレイの
作製には、通常約0.1mm程度の厚さのSUSなどの
金属板に有機EL材料を選択的に透過させるための開口
部を設けた、いわゆるシャドウマスクを透明電極に近接
して所定の位置に配置し、このシャドウマスクを通して
有機EL材料を透明電極上に真空蒸着する、いわゆるシ
ャドウマスク法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属製
シャドウマスクを用いた従来の製造方法では、シャドウ
マスクの開口部の加工精度が要求される精度を十分満た
すことが困難になっている。すなわち、金属製シャドウ
マスクの開口部の加工には、量産性と経済性の観点か
ら、一般に打ち抜き加工法が用いられているが、この加
工では100μm角程度が微細化の限界であり、また画
素の欠陥や解像性の阻害要因となる「ばり」を打ち抜き
加工時に生ずる欠点があった。
【0005】さらに、金属製シャドウマスクは熱膨張率
が大きいため、有機EL材料を真空蒸着する際に熱膨張
して撓みや横方向の位置ずれを生じ、有機EL材料を所
定の領域に正確に成膜することが困難な場合があった。
【0006】このような金属製シャドウマスクの欠点を
解消するために、特開平4−236758号公報では、
(100)面単結晶シリコンウエハのマスク基板に側壁
が(111)面よりなる蒸着パターンが形成された蒸着
用マスクが開示されている。しかしながら、開口部の側
壁が(111)面であるため、基板表面に対して約5
4.7度の傾斜面となってしまい、よって、隣接する開
口部を隔てる隔壁の幅が不必要に大きくなってしまう。
この結果、開口ピッチの微細化が困難であり、また、開
口領域の面積に対する非開口部(梁)の面積比が大きく
なるため、いわゆる開口率が小さくなってしまい、形成
されたディスプレイは暗い画面となってしまう場合があ
った。
【0007】そこで、本発明は、金属製シャドウマス
ク、および(100)面単結晶シリコンウエハのマスク
基板からなるシャドウマスクの欠点を解消し、明るい画
面のディスプレイを製造可能な、シャドウマスク、前記
シャドウマスクの製造方法を提供し、本発明のシャドウ
マスクによって製造される明るい画面のディスプレイを
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明のシャドウマスクは、蒸着材料を基板に蒸
着するに際して用いられる所定のパターンに配列された
複数の貫通孔が形成されているシャドウマスクにおい
て、開口の形状が矩形で、少なくとも1組の相対する側
壁を(111)面とする複数の前記貫通孔が形成され、
かつ薄膜化された所定の領域を含む(110)Si単結
晶基板を有することを特徴とする。
【0009】上記の通り構成された本発明のシャドウマ
スクは、貫通孔の少なくとも1組の相対する側壁が(1
11)面であるため、貫通孔の側壁は、(110)Si
単結晶基板の表裏面に対して垂直な壁面となる。これに
より、(111)面の側壁方向に隣接する貫通孔間に不
必要な幅を生じることはなく、貫通孔、すなわち、開口
の配列ピッチの微細化が容易となる。また、(110)
Si単結晶基板は、金属に比べて熱膨張率が数分の1と
小さいため、金属製シャドウマスクに比べて、真空蒸着
する際に熱膨張して撓みや横方向の位置ずれを生じにく
い。さらに、(110)Si単結晶基板への貫通孔の形
成は、通常のフォトリソグラフィ技術を用いることがで
きるため、金属製シャドウマスクでの開口の加工方法で
ある打ち抜き加工で生じる「ばり」の問題も生じること
もない。
【0010】また、本発明のシャドウマスクは、各貫通
孔の側壁が、全て(111)面であるものであってもよ
い。この場合、配列された貫通孔のいずれの方向におい
ても、隣接する貫通孔間に不必要な幅を生じることがな
い。
【0011】さらに、本発明のシャドウマスクは、各開
口の形状が平行四辺形であるものであってもよい。
【0012】また、本発明のシャドウマスクは、(11
0)Si単結晶基板は、所定の領域の周囲の厚さが、所
定の領域の厚さよりも厚いものであってもよいし、(1
10)Si単結晶基板を、所定の領域の周囲に接合され
ることで保持するフレームを有するものであってもよ
い。すなわち、所定の領域の周囲を厚くしておく、ある
いは、所定の領域の周囲にフレームを接合することで、
薄膜化されている所定の領域を補強支持することができ
る。
【0013】本発明のシャドウマスクの製造方法は、本
発明のシャドウマスクを製造するためのシャドウマスク
の製造方法であって、前記所定の領域を超音波加工法で
蝕刻して薄膜化することを特徴とする。
【0014】上記の通り本発明のシャドウマスクの製造
方法は、超音波加工法を用いて(110)Si単結晶基
板を蝕刻して所定の領域を薄膜化するため、薄膜化され
た所定の領域を周囲から補強支持する部位と所定の領域
とを一体的な構成とすることができる。よって、補強強
度が高められるともに、補強用のフレームを別途用意す
る必要もない。
【0015】本発明のディスプレイは、電極と、発光材
料とからなる発光素子を基板上に有するディスプレイに
おいて、本発明のシャドウマスクを用いて前記発光材料
の蒸着がなされていることを特徴とする。
【0016】上記の通り本発明のディスプレイは、発光
材料が、貫通孔の配列ピッチ、すなわち、開口の配列ピ
ッチが微細化された大きな開口率の本発明のシャドウマ
スクを用いて蒸着されているため、明るい画面のディス
プレイとなる。
【0017】また、本発明のディスプレイは、発光材料
が有機EL材料であってもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。 (第1の実施形態)図1は本実施形態のシャドウマスク
を示す模式平面図である。
【0019】本実施形態のシャドウマスクは、(11
0)Si単結晶基板の中央領域をシャドウマスク形成領
域12とし、外周部にはシャドウマスク形成領域12を
補強支持するSiフレーム11を有する。シャドウマス
ク形成領域12は、周囲のSiフレーム11に比べて薄
く加工されており、複数の開口部27(図2(f)参
照)が形成されている。
【0020】図2は本実施形態のシャドウマスクの製造
工程を順に説明する図であり、図1の平面図において線
A−Bで示した部分の切断面を模式的に示したものであ
る。
【0021】以下に図2を用いて本実施形態のシャドウ
マスクの製造工程を説明する。
【0022】まず、図2(a)に示す(110)Si単
結晶基板21の中心部を、超音波加工法を用いて裏面か
ら蝕刻して、図2(b)に示すように、中心部を数十μ
mの厚さに加工する。この薄膜化プロセスは、例えばC
VD法でSiC膜を形成し、通常のフォトリソグラフィ
技術とドライエッチングを用いて所望の開口領域を設
け、このSiC膜の開口領域の(110)Si単結晶基
板21を硝酸/弗酸/氷酢酸混合液または加熱したKO
H水溶液を用いた化学エッチングで蝕刻してもよい。こ
のように、シャドウマスク形成領域12の周囲にSiフ
レーム11を有することで、その取扱いを容易にすると
同時に、使用時におけるシャドウマスク形成領域12の
撓みを低減することができる。また、超音波加工法を用
いて(110)Si単結晶基板21を蝕刻してシャドウ
マスク形成領域12を形成することで、Siフレーム1
1とシャドウマスク形成領域12とが一体的な構成とな
るため、補強強度が高められるともに、補強用のフレー
ムを別途用意する必要もない。
【0023】次に、熱酸化法を用いて、図2(c)に示
すように、(110)Si単結晶基板21の表裏におよ
そ数百nm厚の熱酸化SiO2膜22を形成する。
【0024】次に、熱酸化SiO2膜22の表面側(図
2(b)の上面)に通常のフォトリソグラフィ技術を用
いて図3に示すような平行四辺形ABCDを、隣接する
辺が互いに平行になるように縦横に規則正しく配列した
レジストパターンを形成し、このレジストパターンを保
護膜にして、緩衝系弗酸を用いた湿式化学エッチングも
しくはフッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、
図2(d)に示すような、熱酸化SiO2膜をパターニ
ングする。この際、レジスト30に形成された開口パタ
ーン31の辺ABおよび辺ADの長さは、製造する有機
ELディスプレイの解像度に応じて適宜決定すればよ
い。但し、平行四辺形ABCDの開口パターン31の長
辺ABおよびDCは、<111>結晶方位に平行になる
ように形成する。
【0025】続いて、SiO2パターン22aを保護膜
にして、例えば約100℃に加熱した30%濃度のKO
H水溶液中でSiO2パターン22aの開口パターン3
1領域のSiを蝕刻すると、図2(e)に示すような、
(111)面を側壁とした、SiO2パターン22aの
開口パターン31領域に忠実な平面形状を有する貫通孔
23が形成される。貫通孔23の側壁は、(111)面
であるため、(110)Si単結晶基板21の表裏面に
対して垂直な壁面で構成される。不要となった熱酸化S
iO2膜22を、弗酸を用いて蝕刻除去すれば、図2
(f)に示すような断面形状を有するシャドウマスク2
4が得られる。
【0026】上述したように、本実施形態のシャドウマ
スク24は、貫通孔23の側壁が(111)面であり、
(110)Si単結晶基板21の表裏面に対して垂直で
あるため、隣接する貫通孔23間のSi梁26に不必要
な幅を生じることはなく、貫通孔23、すなわち、開口
部27の配列ピッチの微細化が容易となる。このため、
Si梁26の面積に対する開口部27の開口面積の比が
大きくなり、いわゆる開口率を大きくすることができ
る。よって、図3に示すような平行四辺形ABCDを、
隣接する辺が互いに平行になるように縦横に配列したレ
ジストパターンを形成する際、開口パターン31を密に
形成することができる。すなわち、本実施形態の開口率
の大きいシャドウマスク24で形成されたレジストパタ
ーンにより製造されたディスプレイは、明るい画面のデ
ィスプレイとなる。
【0027】また、本実施形態のシャドウマスク24
は、金属製シャドウマスクに開口を形成するための打ち
抜き加工法の加工限度よりも微細な加工が可能であると
ともに、打ち抜き加工で生じる「ばり」の問題も生じな
い。
【0028】さらに、本実施形態のシャドウマスク24
は、金属の熱膨張率に比べて数分の1の熱膨張率である
(110)Si単結晶基板21を素材としているため、
金属製シャドウマスクに比べて、真空蒸着する際に熱膨
張して撓みや横方向の位置ずれを生じにくい。
【0029】図4は完成したシャドウマスクの部分拡大
平面図である。幅が数μmないし10μmのSi梁26
で仕切られた開口部27は、4つの側壁が全て{11
1}面で構成された平行四辺形を構成し、互いに隣接す
る側壁がなす角度は約109.5°もしくは70.5°
である。
【0030】なお、図4に示されるような開口部27を
有するシャドウマスク24は、カラーフィルタ方式有機
ELディスプレイの白色光発光材料を真空蒸着する際に
用い、同ディスプレイのカラーフィルタの真空蒸着や、
赤、緑、青の各有機EL材料を塗り分けるいわゆるRG
B塗り分け方式ディスプレイの有機EL材料形成の場合
には、図5に示すように開口部27を3行おきに設けた
(図5において破線で示す2行には開口部27が設けら
れていない)シャドウマスク24aを用い、シャドウマ
スク24aを一行ずつ移動させて各色の有機EL材料を
真空蒸着し、3色を塗り分ける。あるいは、図6に示す
ように開口部27を3列おきに設けた(図6において破
線で示す2列には開口部27が設けられていない)シャ
ドウマスク24bを用い、シャドウマスク24bを1列
ずつ移動させて各色の有機EL材料を真空蒸着し、3色
を塗り分ける。
【0031】次に、本実施形態のシャドウマスクを用い
た有機ELディスプレイの作製方法を、図7の模式断面
図を参照しながら説明する。
【0032】ガラス基板40の裏面に陽極となる透明陽
極電極41を、加工すべき画素の寸法に対応する幅と間
隔で配列(この場合は紙面の奥行き方向)するように形
成する。この透明陽極電極41は、例えばITO(In
dium-Tin-Oxide)をスパッタリング、また
はスピン塗布法で成膜した後、フォトリソグラフィ技術
と湿式エッチング技術を用いて所定の形状に形成する
か、またはシャドウマスクを用いて真空蒸着法によって
形成する。
【0033】次に、本実施形態のシャドウマスク24を
透明陽極電極41に平行に近接させ、位置合わせして配
置し、赤、緑、青のいずれかの有機EL材料を透明陽極
電極41上に真空蒸着させ、有機EL膜42を形成す
る。続いてシャドウマスク24を1画素分ずつ水平方向
に平行移動させて残る2原色の有機EL膜42を順次真
空蒸着させる。しかる後、シャドウマスク24を有機E
L膜42の3原色の配列に順次位置合わせしつつ、陰極
材料(例えばAl)を真空蒸着して透明陽極電極と直交
する陰極電極43を形成する。
【0034】図8は上記の方法で形成した有機ELディ
スプレイの部分拡大平面図である。
【0035】透明陽極電極41の上に重ねるように平行
四辺形状の有機EL膜42が堆積され、その有機EL膜
42の画素上には透明陽極電極41と直交するように陰
極電極43が配列されることで発光素子を形成してい
る。
【0036】以上説明したように、金属に比べて熱膨張
率が小さいSi単結晶基板からなる本実施形態のシャド
ウマスク24を用いることで、フォトリソグラフィ技術
と結晶方位依存性化学エッチング技術を用いて微細な開
口領域を高精度に加工することが可能となる。
【0037】特に、(110)Si単結晶基板表面に<
111>方位に平行な四辺を有する平行四辺形の開口領
域を加工することにより、0.1mm角以下の開口領域
と70%以上の開口率を両立させたシャドウマスク24
を用いて、従来実現が困難であった高精細で高輝度の有
機ELディスプレイの製造を実現することができる。
【0038】0.1mm角以下の開口領域を通して有機
EL材料を透明陽極電極41上に均一に堆積させるため
に、シャドウマスク形成領域12は、上述したように予
め超音波加工、もしくは湿式化学エッチングなどの方法
により、およそ30μmないし50μm程度に薄膜化し
ておく。図9に示すように、有機EL材料の蒸着時にシ
ャドウマスク24のスリットを構成するSi梁26の影
になる領域の最大幅δは、シャドウマスク24と蒸着源
45の距離D、シャドウマスク24の中心から最外周部
までの距離d、シャドウマスク(スリット)24の厚さ
tを用いて次式で表される。 δ=t・d/D …(1) 例えば、100mm角の有機ELディスプレイを、シャ
ドウマスクスリットピッチ:60μm、開口領域:50
μm角、Si梁幅:10μmで作製する場合、開口領域
全面を有効利用した場合の開口率は最大502÷552×
100=82.6(%)となるが、有機EL材料がスリ
ットの影になって真空蒸着されない領域の最大値dを考
慮すると、開口率が最も小さくなる最外周部の開口率
は、最大(50−δ)2÷552×100となる。したが
って、最外周部で70%以上の開口率を確保するために
は、δ≦4.0μmとする必要がある。δを上記のよう
に十分小さくすることは、シャドウマスク24と透明電
極のギャップに起因する蒸着位置の幾何学的な位置ずれ
とシャドウマスク24のスリットの側壁に付着する被蒸
着物の量を最小限とするためにも重要である。(1)式
においてd=50mm、δ≦4.0μmとすると、t
(μm)×50(mm)/D(mm)≦4.0(μm)
であるから、t(μm)≦0.08D(mm)となる。
【0039】有機EL膜42の膜厚分布とシャドウマス
ク24と透明陽極電極41とのギャップに起因する幾何
学的位置ずれを最小限にするためには、シャドウマスク
24と蒸着源45の距離Dは十分大きいことが望ましい
が、その反面、有機EL膜42の堆積速度と利用効率は
蒸着源45とシャドウマスク24の距離Dの2乗に反比
例するため、この観点からは、蒸着源45とシャドウマ
スク24の間隔Dは小さいことが望ましい。この結果、
シャドウマスク24の対角をLとすると、距離Dの目安
としては、概ねD=4L〜5Lとなる。この条件から、
D=500mmとすると、t≦40μmとなる。一方、
実用的な機械的強度を持たせるためには、スリット厚t
をおよそ30μm以上に厚くすることが望ましい。すな
わち、シャドウマスク24のスリット厚tを30μmな
いし40μm、蒸着源45とシャドウマスクの間隔であ
る距離Dを約500mmとすれば、有機EL膜42の利
用効率、開口率(70%以上)、シャドウマスク24の
機械的強度を同時に満足する100mm角の有機ELデ
ィスプレイを作製できる。 (第2の実施形態)本実施形態のシャドウマスク124
の部分拡大模式平面図を図10に示す。
【0040】第1の実施形態で示したシャドウマスク2
4の開口部27が、個々の画素に対応して区切られてい
たのに対し、本実施形態のシャドウマスク124の開口
部131は個々の画素に対応して区切らずに、長手方向
(ディスプレイの垂直方向)に複数の画素にまたがるよ
うに形成されている。
【0041】なお、本実施形態のシャドウマスク124
の製造方法、構成、および本実施形態のシャドウマスク
124を用いての有機ELディスプレイの製造方法は、
第1の実施形態と同様であるため詳細の説明は省略す
る。
【0042】本実施形態のシャドウマスク124を用い
ることで、有機EL材料を蒸着する際に、Si梁126
の影になる部分が減少し、実質的な開口率が向上する。
なお、本実施形態のシャドウマスク124は、開口部1
31が長く、かつ、Si梁126が少ない構造であるた
め、開口部131の長さは作製するディスプレイの用途
や寸法に応じて適宜決定することで機械的強度を確保す
ることは可能である。
【0043】本実施形態のシャドウマスク124も、第
1の実施形態と同様に、単結晶Siの結晶方位依存性エ
ッチングを用いて高精度の加工が可能なため、開口領域
を隔離するSi梁126の幅を10μm以下に狭めるこ
とが可能であり、その結果、100μm角以下の画素を
70%以上の開口率で形成することができる。
【0044】なお、上述した各実施形態では、有機EL
ディスプレイを例として説明したがこれに限定されるも
のではなく、各実施形態のシャドウマスクは、有機EL
ディスプレイ以外のディスプレイの製造にも適用可能で
ある。また、上述の説明で用いた数値は一例であり、こ
れらの数値に各実施形態は限定されるものではない。
【0045】また、上述した各実施形態では、機械的強
度を確保するためのSiフレームは、シャドウマスク形
成領域のみを薄膜化することで、Siフレームがシャド
ウマスク形成領域の周囲に残るようにして形成されてい
る例を説明したが、これに限定されるものではなく、シ
ャドウマスク形成領域とするために予め薄膜化しておい
た(110)Si単結晶基板の周囲に、例えば、ガラス
等でフレームを形成するものであってもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明のシャドウマスクは、結晶方位依
存性エッチング等を用いて開口を形成できるため、従来
の金属製シャドウマスクに比べて非常に高精度の加工が
可能となるだけでなく、形成された貫通孔の側壁が(1
11)面であるため、貫通孔の側壁は、(110)Si
単結晶基板の表裏面に対して垂直な壁面となり、隣接す
る貫通孔間に不必要な幅を生じることがない。このた
め、開口の配列ピッチの微細化が図られた、開口率の高
いシャドウマスクとすることができる。また、本発明の
シャドウマスクは、熱膨張率が金属の数分の1と小さい
Siで形成されているため、真空蒸着する際の熱膨張が
小さく、真空蒸着する際に熱膨張して撓みや横方向の位
置ずれを生じにくい。よって、蒸着材料の蒸着位置の精
度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のシャドウマスクを示
す模式平面図である。
【図2】図1に示したシャドウマスクの平面図において
線A−Bで示した部分の切断面によりシャドウマスクを
製造工程順に説明する図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のシャドウマスクの製
造に用いられるレジストパターンの一例を示す平面図で
ある。
【図4】本発明の第1の実施形態のシャドウマスクの部
分拡大平面図である。
【図5】RGB塗り分け方式ディスプレイの有機EL材
料形成の場合に用いる、開口部が3行おきに設けられた
シャドウマスクの部分拡大平面図である。
【図6】RGB塗り分け方式ディスプレイの有機EL材
料形成の場合に用いる、開口部が3列おきに設けられた
シャドウマスクの部分拡大平面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態のシャドウマスクを用
いて作製された有機ELディスプレイの模式断面図であ
る。
【図8】本発明の第1の実施形態のシャドウマスクを用
いて作製された有機ELディスプレイの部分拡大平面図
である。
【図9】シャドウマスクを用いて有機EL材料を有機E
Lディスプレイ用ガラス基板に真空蒸着する際に、Si
梁によって生ずる非蒸着領域の最大幅δを説明する模式
図である。
【図10】本発明の第2の実施形態のシャドウマスクの
部分拡大平面図である。
【符号の説明】
11 フレーム 12 シャドウマスク形成領域 21 (100)Si単結晶基板 22a SiO2パターン 22 熱酸化SiO2膜 23 貫通孔 24、24a、24b シャドウマスク 26、126 Si梁 27 開口部 30 レジスト 31、131 開口パターン 40 ガラス基板 41 透明陽極電極 42 有機EL膜 43 陰極電極 45 蒸着源 124 シャドウマスク 126 梁 D 距離 d 距離 t スリット厚 δ 最大幅

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸着材料を基板に蒸着するに際して用い
    られる所定のパターンに配列された複数の貫通孔が形成
    されているシャドウマスクにおいて、 開口の形状が矩形で、少なくとも1組の相対する側壁を
    (111)面とする複数の前記貫通孔が形成され、かつ
    薄膜化された所定の領域を含む(110)Si単結晶基
    板を有することを特徴とするシャドウマスク。
  2. 【請求項2】 前記各貫通孔の側壁が、全て(111)
    面である請求項1に記載のシャドウマスク。
  3. 【請求項3】 前記各開口の形状が平行四辺形である請
    求項1または2に記載のシャドウマスク。
  4. 【請求項4】 前記(110)Si単結晶基板は、前記
    所定の領域の周囲の厚さが、前記所定の領域の厚さより
    も厚い請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシャド
    ウマスク。
  5. 【請求項5】 前記(110)Si単結晶基板を、前記
    所定の領域の周囲に接合されることで保持するフレーム
    を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシャ
    ドウマスク。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載のシャドウマスクを製造
    するためのシャドウマスクの製造方法であって、 前記所定の領域を超音波加工法で蝕刻して薄膜化するこ
    とを特徴とするシャドウマスクの製造方法。
  7. 【請求項7】 電極と、発光材料とからなる発光素子を
    基板上に有するディスプレイにおいて、 請求項1ないし5のいずれかに記載のシャドウマスクを
    用いて前記発光材料の蒸着がなされていることを特徴と
    するディスプレイ。
  8. 【請求項8】 前記発光材料が有機EL材料である請求
    項7に記載のディスプレイ。
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