JP2008208460A - 成膜用精密マスク及びその製造方法、エレクトロルミネッセンス表示装置及びその製造方法、電子機器 - Google Patents
成膜用精密マスク及びその製造方法、エレクトロルミネッセンス表示装置及びその製造方法、電子機器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】有機EL表示装置の発光層等の蒸着のときにガラス基板との位置合わせが容易で、また強度が十分で正確な蒸着パターンの形成ができる成膜用精密マスクを提供する。更に、このような成膜用精密マスクを簡単かつ確実に製造する方法、有機EL表示装置及びその製造方法、有機EL表示装置を備えた電子機器を提供する。
【解決手段】平行に所定の間隔をもって配置され、複数の第1の開口部2を形成する第1の梁3と、第1の梁3の上に当該第1の梁3に交差して配置され、複数の第2の開口部4を形成する1又は複数の第2の梁5とを備え、第1の梁3と第2の梁5とは交差部分で連結されているものである。
【選択図】図1
【解決手段】平行に所定の間隔をもって配置され、複数の第1の開口部2を形成する第1の梁3と、第1の梁3の上に当該第1の梁3に交差して配置され、複数の第2の開口部4を形成する1又は複数の第2の梁5とを備え、第1の梁3と第2の梁5とは交差部分で連結されているものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、主に有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELという)表示装置の正孔輸送層、発光層等を成膜するときに使用される成膜用精密マスク及びその製造方法、有機EL表示装置及びその製造方法、有機EL表示装置を備えた電子機器に関する。
従来の被着用マスクでは、(100)面方位単結晶シリコンウエハを水酸化カリウム等でウェットエッチングして中央部分を薄くし、更に有機EL表示装置の各画素に対応した被着用開口部をドライエッチングによって形成しているものがあった(例えば、特許文献1参照)。なお、被着用マスクとは本発明に係る成膜用精密マスクに相当するものである。
また、従来の蒸着マスクでは、(100)面方位単結晶シリコンウエハを水酸化カリウム等でウェットエッチングして薄い部分を作り、更に水酸化カリウム等でウェットエッチングすることにより蒸着パターン(開口部)を形成しているものがあった(例えば、特許文献2参照)。なお、蒸着マスクとは本発明に係る成膜用精密マスクに相当するものである。
更に、従来の有機EL表示装置用の単結晶シリコンウエハからなる成膜用精密マスクでは、図10に示すように赤、青、緑に対応した縦方向に並んだ画素を一度に成膜できるよう幅が数十マイクロメートルの細長い開口部を多数並べて形成されているものがあった。
従来の被着用マスクで、有機EL表示装置の各画素に対応した被着用開口部が形成されたものでは(例えば特許文献1参照)、発光層等を蒸着するときに蒸着物を蒸着させるガラス基板と被着用マスクを縦横の両方向において±5マイクロメートル以内で位置を合わせる必要があり、それを真空蒸着室内で行う必要があるため生産効率が上がらないという問題点があった。
また、従来の(100)面方位単結晶シリコンウエハをウェットエッチングして開口部を形成した蒸着マスクでは(例えば特許文献2参照)、図10のように幅が数十マイクロメートルの細長い開口部を多数並べて形成しようとすると、開口部の間にあるシリコンが細いため強度的に弱く歪んでしまい、正確な蒸着パターンの形成ができないという問題点があった。
本発明は、有機EL表示装置の発光層等の蒸着のときにガラス基板との位置合わせが容易で、また強度が十分で正確な蒸着パターンの形成ができる成膜用精密マスクを提供することを目的とする。更に、このような成膜用精密マスクを簡単かつ確実に製造する方法、有機EL表示装置及びその製造方法、有機EL表示装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
本発明に係る成膜用精密マスクは、平行に所定の間隔をもって配置され、複数の第1の開口部を形成する第1の梁と、第1の梁の上に当該第1の梁に交差して配置され、複数の第2の開口部を形成する1又は複数の第2の梁とを備え、第1の梁と第2の梁とは交差部分で連結されているものである。
本発明では、第2の開口部を形成する第2の梁が、第1の開口部を形成する第1の梁の補強材の役目を果たしている。なお、第1の開口部は幅が数十マイクロメートルで縦方向が数センチメートル以上の非常に細長いものである。第1の梁と第2の梁が連結しており、第2の梁が補強材の役目を果たすことによって、第1の梁が歪むことがなく正確な蒸着パターンが形成できる。また、第1の開口部は非常に細長い形状をしており、以下に示すように発光層等の蒸着のときにガラス基板と成膜用精密マスクの位置合わせが容易である。
本発明では、第2の開口部を形成する第2の梁が、第1の開口部を形成する第1の梁の補強材の役目を果たしている。なお、第1の開口部は幅が数十マイクロメートルで縦方向が数センチメートル以上の非常に細長いものである。第1の梁と第2の梁が連結しており、第2の梁が補強材の役目を果たすことによって、第1の梁が歪むことがなく正確な蒸着パターンが形成できる。また、第1の開口部は非常に細長い形状をしており、以下に示すように発光層等の蒸着のときにガラス基板と成膜用精密マスクの位置合わせが容易である。
また本発明に係る成膜用精密マスクは、第1の梁及び第2の梁がマスク基板に一体的に形成されてなるものである。
本発明では、第1の梁及び第2の梁がマスク基板に一体的に形成されているため、高精度で剛性の強い成膜用精密マスクとなる。
本発明では、第1の梁及び第2の梁がマスク基板に一体的に形成されているため、高精度で剛性の強い成膜用精密マスクとなる。
また本発明に係る成膜用精密マスクは、マスク基板が単結晶シリコンからなるものである。
本発明では、マスク基板が単結晶シリコンからなるため、高精度で剛性が強く、更にウェットエッチングにより容易に成膜用精密マスクを製造することができる。
本発明では、マスク基板が単結晶シリコンからなるため、高精度で剛性が強く、更にウェットエッチングにより容易に成膜用精密マスクを製造することができる。
また本発明に係る成膜用精密マスクは、上記のマスク基板が単結晶シリコンからなる成膜用精密マスクにおいて、第1の梁の側面と第2の梁の側面の一方又は両方を(111)面方位にしたものである。
本発明では、第1の梁の側面と第2の梁の側面の一方又は両方が(111)面方位になっており、第1の開口部や第2の開口部を形成する際に水酸化カリウム等で単結晶シリコンからなるマスク基板を異方性エッチングすることによって容易に成膜用精密マスクを製造することができる。
本発明では、第1の梁の側面と第2の梁の側面の一方又は両方が(111)面方位になっており、第1の開口部や第2の開口部を形成する際に水酸化カリウム等で単結晶シリコンからなるマスク基板を異方性エッチングすることによって容易に成膜用精密マスクを製造することができる。
また本発明に係る成膜用精密マスクは、上記のマスク基板が単結晶シリコンからなる成膜用精密マスクにおいて、(110)面方位単結晶シリコンで一体的に形成されたマスク基板からなり、マスク基板の(110)面と垂直な(111)面を側面とする第1の梁と、第1の梁と交差しマスク基板の(110)面と垂直な(111)面を側面とする第2の梁を有したものである。
本発明では、マスク基板の第2の開口部を形成する第2の梁が、マスク基板の第1の開口部を形成する第1の梁の補強材の役目を果たしている。第1の梁と第2の梁が連結しており、第2の梁が補強材の役目を果たすことによって、第1の梁が歪むことがなく正確な蒸着パターンが形成できる。また、第1の梁の側面と第2の梁の側面の両方が(111)面方位になっており、第1の開口部や第2の開口部を形成する際に水酸化カリウム等でシリコンウエハをウェットエッチングすることによって容易に成膜用精密マスクを製造することができる。
本発明では、マスク基板の第2の開口部を形成する第2の梁が、マスク基板の第1の開口部を形成する第1の梁の補強材の役目を果たしている。第1の梁と第2の梁が連結しており、第2の梁が補強材の役目を果たすことによって、第1の梁が歪むことがなく正確な蒸着パターンが形成できる。また、第1の梁の側面と第2の梁の側面の両方が(111)面方位になっており、第1の開口部や第2の開口部を形成する際に水酸化カリウム等でシリコンウエハをウェットエッチングすることによって容易に成膜用精密マスクを製造することができる。
また本発明に係る成膜用精密マスクは、単結晶シリコンウエハからなるマスク基板の含有酸素濃度が1.7×1018atm/cm3以下のものである。
本発明では、単結晶シリコンウエハに含有酸素濃度が低いものを使用することによって、成膜用精密マスクを製造する過程においてマスク基板が高温になったときの結晶欠陥の成長が抑制され、より精度の高い成膜用精密マスクを製造することができる。
本発明では、単結晶シリコンウエハに含有酸素濃度が低いものを使用することによって、成膜用精密マスクを製造する過程においてマスク基板が高温になったときの結晶欠陥の成長が抑制され、より精度の高い成膜用精密マスクを製造することができる。
また本発明に係る成膜用精密マスクの製造方法は、単結晶シリコンで形成されたマスク基板にエッチング保護膜を形成する工程と、マスク基板の裏側表面に第1の梁に仕切られた複数の第1の開口部に相当する形状をエッチング保護膜にパターニングし、マスク基板の表側表面に第2の梁に仕切られた第2の開口部に相当する形状をエッチング保護膜にパターニングする工程と、パターニングした部分のエッチング保護膜を除去する工程と、エッチングにより第1の開口部と第2の開口部を形成する工程とを有するものである。
本発明では、単結晶シリコンウエハの表裏両面にエッチング保護膜を形成し、フォトリソグラフィー等でエッチング保護膜をパターニングしてパターニングした部分をエッチングにより除去し、そのエッチング保護膜の除去された部分から異方性エッチングにより開口部を形成する。このような工程を有する製造方法によって正確な蒸着パターンの形成が可能な成膜用精密マスクを簡単かつ確実に製造することができる。
本発明では、単結晶シリコンウエハの表裏両面にエッチング保護膜を形成し、フォトリソグラフィー等でエッチング保護膜をパターニングしてパターニングした部分をエッチングにより除去し、そのエッチング保護膜の除去された部分から異方性エッチングにより開口部を形成する。このような工程を有する製造方法によって正確な蒸着パターンの形成が可能な成膜用精密マスクを簡単かつ確実に製造することができる。
また本発明に係る成膜用精密マスクの製造方法は、単結晶シリコンで形成されたマスク基板にエッチング保護膜を形成する工程において、マスク基板を500℃以上に加熱し、その後マスク基板を冷却し、マスク基板の温度が500〜800℃の間にあるときは平均3℃/分以上の冷却速度にするものである。
本発明では、マスク基板が500〜800℃の間にあるときは平均3℃/分以上の冷却速度にすることで、最も結晶欠陥の成長しやすい温度域を素早く通過させることができ、より精度の高い成膜用精密マスクを製造することができる。
本発明では、マスク基板が500〜800℃の間にあるときは平均3℃/分以上の冷却速度にすることで、最も結晶欠陥の成長しやすい温度域を素早く通過させることができ、より精度の高い成膜用精密マスクを製造することができる。
また本発明に係る成膜用精密マスクの製造方法は、単結晶シリコンで形成されたマスク基板にエッチング保護膜を形成する工程において、熱酸化によってエッチング保護膜を形成し、その後マスク基板を冷却し、マスク基板の温度が500〜800℃の間にあるときは平均3℃/分以上の冷却速度にするものである。
本発明では、マスク基板が500〜800℃の間にあるとき平均3℃/分以上の冷却速度にすることで、最も結晶欠陥の成長しやすい温度域を素早く通過させることができ、より精度の高い成膜用精密マスクを製造することができる。
本発明では、マスク基板が500〜800℃の間にあるとき平均3℃/分以上の冷却速度にすることで、最も結晶欠陥の成長しやすい温度域を素早く通過させることができ、より精度の高い成膜用精密マスクを製造することができる。
また本発明に係るエレクトロルミネッセンス表示装置は、上記の成膜用精密マスクを用いて製造されたものである。
本発明のエレクトロルミネッセンス表示装置は、上記のように精度が高く発光層等の蒸着のときにガラス基板との位置合わせが容易な成膜用精密マスクを用いて製造されているので、正確な蒸着パターンが形成された高品質のものである。
本発明のエレクトロルミネッセンス表示装置は、上記のように精度が高く発光層等の蒸着のときにガラス基板との位置合わせが容易な成膜用精密マスクを用いて製造されているので、正確な蒸着パターンが形成された高品質のものである。
また本発明に係るエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法は、上記の成膜用精密マスクをガラス基板の所定の位置に配置してエレクトロルミネッセンス層を成膜するものである。
本発明のエレクトロルミネッセンス表示装置は、上記のように精度が高く発光層等の蒸着のときにガラス基板との位置合わせが容易な成膜用精密マスクを用いて製造されているので、正確な蒸着パターンが形成された高品質のものである。
また、簡単な製造方法であるためコストを抑えることができる。
本発明のエレクトロルミネッセンス表示装置は、上記のように精度が高く発光層等の蒸着のときにガラス基板との位置合わせが容易な成膜用精密マスクを用いて製造されているので、正確な蒸着パターンが形成された高品質のものである。
また、簡単な製造方法であるためコストを抑えることができる。
また本発明に係るエレクトロルミネッセンス表示装置を備えた電子機器は、上記の成膜用精密マスクを用いてエレクトロルミネッセンス層を成膜したものである。
本発明のエレクトロルミネッセンス表示装置を備えた電子機器は、上記の正確な蒸着パターンが形成された高品質のエレクトロルミネッセンス表示装置を備え、またエレクトロルミネッセンス表示装置の製造が簡単であるためコストを低く抑えることができる。
本発明のエレクトロルミネッセンス表示装置を備えた電子機器は、上記の正確な蒸着パターンが形成された高品質のエレクトロルミネッセンス表示装置を備え、またエレクトロルミネッセンス表示装置の製造が簡単であるためコストを低く抑えることができる。
実施形態1.
図1は本発明の実施形態1に係る成膜用精密マスクの模式図である。なお、図1はA−A面で切断されているが、図示されていない部分は図1と同様になっている。単結晶シリコンウエハを長方形状に切断したマスク基板1の裏側表面に面して、平行に所定の間隔をもって配置された第1の梁3があり、その間に第1の開口部2が複数形成されている。またマスク基板1の表側表面に面して第2の梁5があり、その間に第2の開口部4が複数形成されている。第1の梁3と第2の梁5は、単結晶シリコンからなるマスク基板1から一体的に形成されており、その製造方法は以下の実施形態3に示す。第1の梁3と第2の梁5は、交差する部分で、第1の梁3の上面と第2の梁5の下面が連結した状態となっている。有機EL材料を蒸着するときは第1の梁3が被蒸着物に接するようにする。
図1は成膜用精密マスクの模式的に描画したものであり、一般的に第1の開口部2の横幅dは数マイクロメートルから数十マイクロメートルであり、第1の梁3の横幅は第1の開口部2の横幅の2倍程度である。また、第1の開口部2の縦の長さは一般的に数センチメートルから数十センチメートルであり、第1の開口部2は非常に細長い形状をしている。
図1は本発明の実施形態1に係る成膜用精密マスクの模式図である。なお、図1はA−A面で切断されているが、図示されていない部分は図1と同様になっている。単結晶シリコンウエハを長方形状に切断したマスク基板1の裏側表面に面して、平行に所定の間隔をもって配置された第1の梁3があり、その間に第1の開口部2が複数形成されている。またマスク基板1の表側表面に面して第2の梁5があり、その間に第2の開口部4が複数形成されている。第1の梁3と第2の梁5は、単結晶シリコンからなるマスク基板1から一体的に形成されており、その製造方法は以下の実施形態3に示す。第1の梁3と第2の梁5は、交差する部分で、第1の梁3の上面と第2の梁5の下面が連結した状態となっている。有機EL材料を蒸着するときは第1の梁3が被蒸着物に接するようにする。
図1は成膜用精密マスクの模式的に描画したものであり、一般的に第1の開口部2の横幅dは数マイクロメートルから数十マイクロメートルであり、第1の梁3の横幅は第1の開口部2の横幅の2倍程度である。また、第1の開口部2の縦の長さは一般的に数センチメートルから数十センチメートルであり、第1の開口部2は非常に細長い形状をしている。
また、図1の本実施形態1に係る成膜用精密マスクは、マスク基板1を(110)面方位の単結晶シリコンウエハから切り出して製造したものである。また、第1の梁3の側面をマスク基板の表面の(110)面に垂直な(111)面とし、第2の梁5の側面は、第1の梁3の側面と交差しマスク基板の表面に垂直な(111)面としている。なお、梁の側面とは、マスク基板1の表側表面及び裏側表面に面していない面と第1の開口部及び第2の開口部に面していない面を意味する。この成膜用精密マスクを製造するには、例えば、マスク基板1となる長方形状の単結晶シリコンを、表面が(110)面である単結晶シリコンウエハから切り出せばよい。また、第1の開口部2と第2の開口部4は、水酸化カリウム等による異方性エッチングにより容易に形成することができる。本発明に係る成膜用精密マスクの製造方法は後述の実施形態2で詳述する。
なお、本実施形態1では第1の梁3の側面と第2の梁5の側面ともマスク基板1の表面と直角になっているが、必ずしも梁の側面がマスク基板の表面と直角である必要はない。例えば、第1の梁3の断面がハの字形になるようにを形成すれば、第1の開口部2の断面が逆ハの字形になり広い角度からの蒸着物を蒸着することができる。
また第1の梁3と第2の梁5は別部材であってもよい。
なお、本実施形態1では第1の梁3の側面と第2の梁5の側面ともマスク基板1の表面と直角になっているが、必ずしも梁の側面がマスク基板の表面と直角である必要はない。例えば、第1の梁3の断面がハの字形になるようにを形成すれば、第1の開口部2の断面が逆ハの字形になり広い角度からの蒸着物を蒸着することができる。
また第1の梁3と第2の梁5は別部材であってもよい。
図2は本発明の実施形態1に係る成膜用精密マスクによって製造されたエレクトロルミネッセンス表示装置の一例である有機EL表示装置の画素部分の断面図である。ガラス基板6の上にTFT配線層7があり、その上に平坦化絶縁膜8、ITO層9が積層されている。ITO(Indium Thin Oxide)は画素に電流を供給するための陽極の役割を果たす。酸化シリコン層10は画素の周りの発光しない部分に積層されている。エレクトロルミネッセンス層である正孔輸送層11、発光層12及び電子注入層13は有機EL材料からなり、真空蒸着等により成膜される。その上には陰極となるITO層14、透明封止膜15がある。図1に示す成膜用精密マスクは主に正孔輸送層11,発光層12,電子注入層13の蒸着のときの蒸着マスクとして使われるが、その他にもITO層9をスパッタにより成膜するときのスパッタマスクとしても使用することができる。なお、エレクトロルミネッセンス層とは正孔輸送層11,発光層12、電子注入層13以外に、正孔注入層等を設ける場合にはそれらを含む。
本実施形態1の成膜用精密マスク(マスク基板1)は第2の梁5を有し、第1の梁3と連結されているため強度が強く歪まないため、正確な蒸着パターンを形成することができる。本実施形態1の成膜用精密マスクでは、後述の実施形態4で示すように、ガラス基板6上の画素を形成する部分に、細長い第1の開口部2を合わせて発光層12等の成膜を行うため、ガラス基板6とマスク基板1との位置合わせ(アライメント)が容易となり、生産効率を向上することができる。
また、本実施形態1では、第1の梁3と第2の梁5の側面を、マスク基板1と垂直な(111)面方位にしたため水酸化カリウム等による異方性エッチングにより成膜用精密マスクを容易に製造することができる。また、第1の梁3の側面がマスク基板1と直角であるため、第1の開口部2を密に形成することができる。
実施形態2.
図3は、実施形態1に係る成膜用精密マスクの製造方法を示したマスク基板1の断面の模式図である。まず、(110)面方位単結晶シリコンウエハから長方形状のマスク基板1を切り出し、マスク基板1を洗浄した後、熱酸化により酸化シリコン(SiO2)からなるエッチング保護膜17をマスク基板1の周囲に形成する(図3(a))。このエッチング保護膜17は、熱酸化により酸化シリコンを形成する代わりに、CVD(Chemichal Vapor Deposition)により窒化シリコン膜を形成したり、スパッタにより金・クロム合金膜を形成してもよい。
本実施形態2では、マスク基板1として単結晶シリコンの含有酸素濃度が1.7×1018atm/cm3以下であるものを用いる。また、熱酸化によりエッチング保護膜17を形成した後に、マスク基板1を冷却するときに、マスク基板1の温度が500〜800℃の間にあるときは、平均3℃/分以上の冷却速度にする。
図3は、実施形態1に係る成膜用精密マスクの製造方法を示したマスク基板1の断面の模式図である。まず、(110)面方位単結晶シリコンウエハから長方形状のマスク基板1を切り出し、マスク基板1を洗浄した後、熱酸化により酸化シリコン(SiO2)からなるエッチング保護膜17をマスク基板1の周囲に形成する(図3(a))。このエッチング保護膜17は、熱酸化により酸化シリコンを形成する代わりに、CVD(Chemichal Vapor Deposition)により窒化シリコン膜を形成したり、スパッタにより金・クロム合金膜を形成してもよい。
本実施形態2では、マスク基板1として単結晶シリコンの含有酸素濃度が1.7×1018atm/cm3以下であるものを用いる。また、熱酸化によりエッチング保護膜17を形成した後に、マスク基板1を冷却するときに、マスク基板1の温度が500〜800℃の間にあるときは、平均3℃/分以上の冷却速度にする。
図4は、図3(a)において熱酸化によりエッチング保護膜17を形成するときの温度変化の一例を示した図である。800℃になったところから熱酸化室に酸素を導入し1100℃まで温度を上げる。1100℃になったところでスチームを熱酸化室に導入して熱酸化を加速する。しばらく1100℃の温度を維持して、熱酸化が終了したところで窒素を導入してエッチング保護膜17が安定するようにし、その後1100℃から温度を下げて行く。
この後に温度を更に下げるが、このときにマスク基板1が500〜800℃の間にあるときは平均3℃/分以上の冷却速度にする。なぜなら、単結晶シリコンではこの温度域で最も結晶欠陥が成長しやすいからである。マスク基板1に結晶欠陥があると、異方性エッチングにおいて正しい開口部が形成されないこととなるが、この温度域を素早く通過させることによって、結晶欠陥の成長を抑制することができる。
なお、熱酸化の代わりに、CVDによって窒化シリコンのエッチング保護膜17を形成したり、スパッタを用いて金・クロム合金のエッチング保護膜17を形成した場合にもマスク基板が500℃以上の高温になる。この場合にも冷却のときに500〜800℃の間にあるときは平均3℃/分以上の冷却速度にすれば、結晶欠陥の成長を抑制することができる。
この後に温度を更に下げるが、このときにマスク基板1が500〜800℃の間にあるときは平均3℃/分以上の冷却速度にする。なぜなら、単結晶シリコンではこの温度域で最も結晶欠陥が成長しやすいからである。マスク基板1に結晶欠陥があると、異方性エッチングにおいて正しい開口部が形成されないこととなるが、この温度域を素早く通過させることによって、結晶欠陥の成長を抑制することができる。
なお、熱酸化の代わりに、CVDによって窒化シリコンのエッチング保護膜17を形成したり、スパッタを用いて金・クロム合金のエッチング保護膜17を形成した場合にもマスク基板が500℃以上の高温になる。この場合にも冷却のときに500〜800℃の間にあるときは平均3℃/分以上の冷却速度にすれば、結晶欠陥の成長を抑制することができる。
また、マスク基板1に含有酸素濃度が1.7×1018atm/cm3以下の単結晶シリコンを用いることにより、更に高温プロセスでの結晶欠陥の成長を抑制することができる。なお、上述のように500℃〜800℃の間にあるときに冷却速度を平均3℃/分以上にして、マスク基板1に含有酸素濃度が1.7×1018atm/cm3以下の単結晶シリコンを用いた場合には結晶欠陥がほとんど成長しないことが分かっている。
次に、図3(a)のエッチング保護膜17が形成されたマスク基板1の裏側表面に第1の梁3に仕切られた複数の第1の開口部2に相当する形状と、マスク基板の表側表面に第2の梁5に仕切られた複数の第2の開口部4に相当する形状をパターニングする。パターニングは開口部以外の部分にフォトリソグラフィーを施すことによって行う。マスク基板1の表側表面のパターンを図5に、マスク基板1の裏側表面のパターンを図6に示す。図5及び図6の灰色の部分にフォトリソグラフィーを施す。なお、図5及び図6の矢印J,Kは(111)方向である。そしてパターニングしたマスク基板1をフッ化水素酸とフッ化アンモニウムの混合液によりエッチングして開口部となる部分のエッチング保護膜を除去する(図3(b))。このときに、実施形態1で示した有機EL表示装置の発光層12等の蒸着の位置合わせのときに必要なアライメントマーク20の部分もエッチングしておく。
そして、図3(b)で得られたマスク基板1を水酸化カリウム水溶液によって異方性エッチングを行い、第1の開口部2と第2の開口部4を形成する(図3(c))。水酸化カリウムによりウェットエッチングを行うと、酸化シリコンのない部分から(111)面を側面としてまっすぐにエッチングされる。なお、有機EL表示装置に半導体が使用される場合は、カリウムで半導体が汚染される可能性があるため、水酸化カリウム水溶液に代えてテトラメチル水酸化アンモニウム水溶液等の有機アルカリ水溶液によってエッチングするのが望ましい。この場合でも水酸化カリウムと同様に異方性エッチングを行うことができる。
最後に、図3(c)のマスク基板1のエッチング保護膜17を、緩衝フッ化水素溶液等により除去して成膜用精密マスクが得られる(図3(d))。
本実施形態2の成膜用精密マスクの製造方法では、エッチング保護膜を形成した後に、異方性エッチングを行うことにより、図1に示す強度が強く正確な蒸着パターンの形成が可能な成膜用精密マスクを、簡単かつ確実に製造することができる。また、熱酸化後にマスク基板1を冷却するときに500〜800℃の間にあるときは平均3℃/分以上の冷却速度にして、結晶欠陥が成長しやすい温度域を素早く通過させ、マスク基板1に含有酸素濃度が1.7×1018atm/cm3以下の単結晶シリコンを用いることにより、結晶欠陥の成長を抑制して、正確な異方性エッチングを行うことが可能となる。
実施形態3.
本発明の実施形態1に係る成膜用精密マスクを用いてエレクトロルミネッセンス層を成膜して製造された有機EL表示装置の画素部分は、図2に示すような断面を有している。また、本実施形態3に係るエレクトロルミネッセンス表示装置を表側表面から見た画素配列は、縦ストライプと呼ばれるものである。以下に、有機EL表示装置に採用される主な3つの画素配列について説明する。
本発明の実施形態1に係る成膜用精密マスクを用いてエレクトロルミネッセンス層を成膜して製造された有機EL表示装置の画素部分は、図2に示すような断面を有している。また、本実施形態3に係るエレクトロルミネッセンス表示装置を表側表面から見た画素配列は、縦ストライプと呼ばれるものである。以下に、有機EL表示装置に採用される主な3つの画素配列について説明する。
図7は有機EL表示装置の画素配列の種類別に、TFT配線の難易度、画像についての表示品質及び文字についての表示品質を比較したものである。なお、TFT(Thin Film Transistor)配線とは一般的な有機EL表示装置の駆動用配線であり、各画素ごとのON・OFFを制御するものである。特にフルカラー低分子有機EL表示装置においては、画素配列は表示品質に重大な影響を及ぼす。図2に示すようにデルタ配列と呼ばれる画素配列ではTFT配線が複雑で、文字の表示品質もあまりよくないという欠点がある。正方配列と呼ばれる画素配列ではTFT配線の難易度がやや高く、コストが高くなるという欠点がある。しかし、いわゆる縦ストライプと呼ばれるものは、例えば横幅が20マイクロメートルで縦方向の長さが60マイクロメートルの画素が並んでいるものであるが、縦ストライプの有機EL表示装置では、TFT配線が単純でありコストが低く抑えられ、画像、文字の表示品質もよい。
なお、図1に示す成膜用精密マスクは第1の開口部2が細長いため、縦ストライプの有機EL表示装置の製造に適している。
なお、図1に示す成膜用精密マスクは第1の開口部2が細長いため、縦ストライプの有機EL表示装置の製造に適している。
本実施形態3のエレクトロルミネッセンス表示装置は、図1の実施形態1に示す強度の強い成膜用精密マスクを用いて製造されているため、正確な画素のパターンを持った高精度のものである。また、縦ストライプの画素配列を採用しているため、TFT配列が単純でコストが低く抑えられ、画像、文字の表示品質がよいものである。
実施形態4.
図8は有機EL表示装置の製造方法において、図2に示す有機EL表示装置にエレクトロルミネッセンス層を真空蒸着するときのガラス基板6と成膜用精密マスク(マスク基板1)との位置関係を示したものである。なお、図8は画素配列が縦ストライプの有機EL表示装置の場合を示している。ガラス基板6には、あらかじめTFT配線層7、平坦化絶縁膜8,ITO層9及び酸化シリコン層10が積層されている。マスク基板1(図示せず)は、裏面側(第1の開口部2側)がガラス基板6と接するように載せられており、図8に示すように第1の開口部2が画素の縦の列に沿うようになっている。また、蒸着源がマスク基板1側になるようにする。第1の開口部2は画素の縦の列の3列おきに開口するように設計されており、同一色を発光する画素を一度に蒸着できるようになっている。即ち、赤色画素21R、緑色画素21G、青色画素21Bはそれぞれ縦方向に並んでおり、それぞれの色の画素を蒸着するときはマスク基板1をそれに合わせて移動させてガラス基板6とマスク基板1の位置を合わせればよい。
図8は有機EL表示装置の製造方法において、図2に示す有機EL表示装置にエレクトロルミネッセンス層を真空蒸着するときのガラス基板6と成膜用精密マスク(マスク基板1)との位置関係を示したものである。なお、図8は画素配列が縦ストライプの有機EL表示装置の場合を示している。ガラス基板6には、あらかじめTFT配線層7、平坦化絶縁膜8,ITO層9及び酸化シリコン層10が積層されている。マスク基板1(図示せず)は、裏面側(第1の開口部2側)がガラス基板6と接するように載せられており、図8に示すように第1の開口部2が画素の縦の列に沿うようになっている。また、蒸着源がマスク基板1側になるようにする。第1の開口部2は画素の縦の列の3列おきに開口するように設計されており、同一色を発光する画素を一度に蒸着できるようになっている。即ち、赤色画素21R、緑色画素21G、青色画素21Bはそれぞれ縦方向に並んでおり、それぞれの色の画素を蒸着するときはマスク基板1をそれに合わせて移動させてガラス基板6とマスク基板1の位置を合わせればよい。
マスク基板6には、図2に示すように画素の間の発光しない部分にはあらかじめ絶縁体である酸化シリコン層10が積層されているため、第1の開口部2のすべてに亘ってエレクトロルミネッセンス層が成膜されても画素ごとに区切られることとなる。このため発光層12等の真空蒸着の際に、ガラス基板6とマスク基板1の位置合わせ(アライメント)をするときは、横方向のアライメント精度のみ注意すればよく、縦方向のアライメント精度は低くてもよい。ガラス基板6とマスク基板1のアライメントは真空蒸着室内で行われるため、縦横両方向に高いアライメント精度が要求されると、長時間を要しコストもかかり生産効率が低くなる。
しかし、図1に示す成膜用精密マスク(マスク基板1)を用いれば、ガラス基板6とマスク基板1の位置合わせが容易になるので生産効率が向上する。また、第1の開口部2が細長いため、画素配列が縦ストライプの有機EL表示装置の製造に適している。
しかし、図1に示す成膜用精密マスク(マスク基板1)を用いれば、ガラス基板6とマスク基板1の位置合わせが容易になるので生産効率が向上する。また、第1の開口部2が細長いため、画素配列が縦ストライプの有機EL表示装置の製造に適している。
上記のような縦方向のアライメント精度を低く抑えるには、図10に示すような蒸着マスクを用いることが考えられるが、細長い開口部の間にある梁は一般的に数十マイクロメートルであり、非常に細く強度が弱いためすぐに歪んでしまい正確な蒸着パターンの形成が難しい。しかし図1に示す成膜用精密マスクでは第2の梁5が1又は複数設けられており、第1の梁3と第2の梁5は連結しているので第1の梁3は容易に歪むことがない。
なお、発光層12等を蒸着するときに第2の梁5によりムラができるというおそれがあるが、真空蒸着室内でガラス基板6とマスク基板1を一緒に回転させ、蒸着源を相対的に移動させることにより、画素内の膜厚分布を均一化することができる。
なお、発光層12等を蒸着するときに第2の梁5によりムラができるというおそれがあるが、真空蒸着室内でガラス基板6とマスク基板1を一緒に回転させ、蒸着源を相対的に移動させることにより、画素内の膜厚分布を均一化することができる。
本実施形態4に係るエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法では、ガラス基板6上の画素を形成する部分に、細長い第1の開口部2を合わせて発光層12等の成膜を行うため、ガラス基板6とマスク基板1とのアライメントが容易となり、生産効率を向上することができる。また、本実施形態1の成膜用精密マスク(マスク基板1)は第2の梁5を有するため強度が強く歪まないので、正確な蒸着パターンを形成することができる。
実施形態5.
図9は本発明の実施形態5に係る電子機器を表す図である。図9(a)は携帯電話の表示パネルとして本発明のエレクトロルミネッセンス表示装置を用いた場合であり、図9(b)はデジタルカメラの表示パネルに本発明のエレクトロルミネッセンス表示装置を用いた場合である。この他に、ゲーム機器やコンピュータのディスプレイにも本発明のエレクトロルミネッセンス表示装置を用いることができる。
図9は本発明の実施形態5に係る電子機器を表す図である。図9(a)は携帯電話の表示パネルとして本発明のエレクトロルミネッセンス表示装置を用いた場合であり、図9(b)はデジタルカメラの表示パネルに本発明のエレクトロルミネッセンス表示装置を用いた場合である。この他に、ゲーム機器やコンピュータのディスプレイにも本発明のエレクトロルミネッセンス表示装置を用いることができる。
1…マスク基板、2…第1の開口部、3…第1の梁、4…第2の開口部、5…第2の梁、6…ガラス基板、7…TFT配線層、8…平坦化絶縁膜、9…ITO層、10…酸化シリコン層、11…正孔輸送層、12…発光層、13…電子注入層、14…ITO層、15…透明封止膜、17…エッチング保護膜、20…アライメントマーク、21R…赤色画素、21G…緑色画素、21B…青色画素。
Claims (12)
- 平行に所定の間隔をもって配置され、複数の第1の開口部を形成する第1の梁と、
前記第1の梁の上に当該第1の梁に交差して配置され、複数の第2の開口部を形成する1又は複数の第2の梁とを備え、前記第1の梁と前記第2の梁とは交差部分で連結されていることを特徴とする成膜用精密マスク。 - 前記第1の梁及び前記第2の梁がマスク基板に一体的に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の成膜用精密マスク。
- 前記マスク基板が単結晶シリコンからなることを特徴とする請求項2記載の成膜用精密マスク。
- 前記第1の梁の側面と前記第2の梁の側面の一方又は両方が(111)面方位であることを特徴とする請求項3記載の成膜用精密マスク。
- 前記マスク基板が(110)面方位単結晶シリコンからなり、該マスク基板の(110)面と垂直な(111)面を側面とする前記第1の梁と、前記第1の梁と交差し前記マスク基板の(110)面と垂直な(111)面を側面とする前記第2の梁を有することを特徴とする請求項3又は4記載の成膜用精密マスク。
- 前記単結晶シリコンからなるマスク基板の含有酸素濃度が1.7×1018atm/cm3以下であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の成膜用精密マスク。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の成膜用精密マスクを製造する方法において、
前記単結晶シリコンで形成されたマスク基板にエッチング保護膜を形成する工程と、
マスク基板の裏側表面に前記第1の梁に仕切られた複数の第1の開口部に相当する形状を前記エッチング保護膜にパターニングし、マスク基板の表側表面に第2の梁に仕切られた複数の第2の開口部に相当する形状を前記エッチング保護膜にパターニングする工程と、
前記パターニングした部分のエッチング保護膜を除去する工程と、エッチングにより前記第1の開口部と前記第2の開口部を形成する工程とを有することを特徴とする成膜用精密マスクの製造方法。 - 単結晶シリコンで形成されたマスク基板にエッチング保護膜を形成する工程において、マスク基板を500℃以上に加熱し、その後マスク基板を冷却し、マスク基板の温度が500〜800℃の間にあるときは平均3℃/分以上の冷却速度にすることを特徴とする請求項7記載の成膜用精密マスクの製造方法。
- 単結晶シリコンで形成されたマスク基板にエッチング保護膜を形成する工程において、熱酸化によってエッチング保護膜を形成することを特徴とする請求項8記載の成膜用精密マスクの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の成膜用精密マスクを用いて成膜されたエレクトロルミネッセンス層を有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の成膜用精密マスクをガラス基板の所定の位置に配置してエレクトロルミネッセンス層を成膜することを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
- 請求項10記載のエレクトロルミネッセンス表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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