JP2002313358A - 膜・電極接合体の製造方法および固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

膜・電極接合体の製造方法および固体高分子電解質型燃料電池

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JP2002313358A
JP2002313358A JP2001111925A JP2001111925A JP2002313358A JP 2002313358 A JP2002313358 A JP 2002313358A JP 2001111925 A JP2001111925 A JP 2001111925A JP 2001111925 A JP2001111925 A JP 2001111925A JP 2002313358 A JP2002313358 A JP 2002313358A
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polymer electrolyte
solid polymer
electrolyte membrane
membrane
electrode
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Yuji Shibata
祐次 柴田
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体高分子電解質膜にシワがなく、高い接合
強度を有する膜・電極接合体および高性能な燃料電池を
製造する。 【解決手段】 固体高分子電解質膜3の表面を火花放電
が発生しない条件下で常圧プラズマ表面処理する膜表面
処理工程と、前記固体高分子電解質膜3を一対の電極
1、2で挟持してホットプレスして接合する接合工程が
備えられていることを特徴とする膜・電極接合体10の
製造方法およびこの製造方法により製造された膜・電極
接合体10が備えられていることを特徴とする固体高分
子電解質型燃料電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は基本的に水素と酸素の反応に
よる発電システムで、反応生成物は水のみであり、最近
の環境問題に対応できる発電システムとして注目されて
いる。特に、固体高分子電解質型燃料電池は比較的低温
で発電でき、近年の研究の急速な進展により出力密度が
高められ、自動車用あるいは定置用として実用化が大い
に期待されている。
【0003】膜・電極接合体は、電解質を一対の電極
(燃料極と酸化剤極)で挟持して接合されている接合体
である。固体高分子電解質型燃料電池の場合、電解質と
して固体高分子電解質膜を用いる。電極の接合面側には
触媒が担持されている。膜・電極接合体の燃料極側に水
素を主成分とする燃料ガスを供給する部材を設け、膜・
電極接合体の酸化剤極側に酸素を含む酸化剤ガスを供給
する部材を設けて単セルが構成されている。一般的に
は、多数の単セルを直列に積層して燃料電池が構成され
ている。
【0004】電極は供給されたガスを膜・電極接合体の
接合面まで拡散する機能を有している。燃料極側に供給
された燃料ガスは、燃料極と固体高分子電解質膜の接合
部まで拡散され、ここで燃料ガス中の水素が触媒に接触
することにより下記の反応が生ずる。
【0005】 2H → 4H +4e ・・・(1) Hは、固体高分子電解質膜中を移動し酸化剤極と固体
高分子電解質膜の接合部に達する。酸化剤極側に供給さ
れた酸化剤ガスは、電極と固体高分子電解質膜の接合部
まで拡散され、ここで酸化剤ガス中の酸素と固体高分子
電解質膜中を移動してきたHが触媒に接触することに
より反応して水となる。
【0006】 4H +4e +O → 2HO ・・・(2) 上記の電気化学反応により発電される。燃料電池の発電
性能を向上させるためには、固体高分子電解質膜と電極
の接合性を向上させることが重要である。
【0007】従来技術1として、特開昭61−6778
6号公報には、触媒を含む電極シートを作製し、固体高
分子電解質膜のガラス転移温度まで加熱してホットプレ
スする膜・電極接合体の製造方法が開示されている。
【0008】従来技術2として、特開平7−22074
1号公報には、特殊な接着剤を用いて固体高分子電解質
膜と電極シートを常温かつ微加圧で接合する膜・電極接
合体の製造方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1は、固体高分子電解質膜−電極間における充分な接
合強度及び電気的接合状態を得るために、固体高分子電
解質膜を構成する樹脂のガラス転移点である百数十℃ま
で加熱してホットプレスする必要がある。そのため、通
常電極シートのバインダとして含まれ、その細孔構造を
形成している樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン
(以下、PTFEという)が変形しやすく、プレスによ
って細孔がつぶれ、電極シートの気孔率が低下するた
め、電極シートのガス拡散性が低下する問題点がある。
【0010】また、百数十℃まで温度が上がるため、固
体高分子電解質膜が乾燥し含水率が低下して抵抗が増大
する問題点がある。固体高分子電解質膜を水中で煮沸す
ることにより膜の含水量はある程度回復するが、完全に
回復しない。さらに、ホットプレス温度が上記ガラス転
移点より高くなると、膜の変質が起こる恐れがある。
【0011】従来技術2は、特殊な接着剤を用いるだけ
で、常温にて気泡を追い出すのに必要な程度の微加圧
(例えば0.1MPa以下)で膜と電極とを接合でき
る。さらに、カーボンペーパーやカーボン繊維織布等か
らなる集電体上にカーボン層が積層され、その上に触媒
層が塗布されてなるガス拡散電極に対しても、接着剤を
用いるため簡易に膜と接合できる。したがって、膜、電
極、集電体が常温・微加圧で接合して一体化され、燃料
電池を組み立てる際もハンドリング性がよい。また、電
極と集電体の間の接触抵抗が低い利点も有している。
【0012】しかしながら、従来技術2は、直接固体高
分子電解質膜に接着剤を塗布すると膜にシワが発生し、
膜と電極との接合が困難になったり、膜と電極の接合面
において接合されていない部分(未接合部)が存在する
場合がある。このため、電極に接着剤を塗布して固体高
分子電解質膜と接合したり、さらには、電極の膜と接し
ない面から接着剤の成分を浸透させることにより、大型
の膜・電極接合体を作製する方法が採用されている。
【0013】ところが、通常、接着剤の溶媒には膜を溶
解する成分が含まれるため、膜が接着剤に接触したとき
に膜の周辺部であって接着剤が付着していない部分に対
して引張応力が加わる。すなわち、膜の接着剤との接触
部が、接着剤と接触していない膜の周辺部を巻き込むよ
うに変形し、膜にシワが生じる。したがって、膜の接合
面が平滑でシワや未接合部の少ない膜・電極接合体を得
るためには、接着剤の組成・使用量等の設定を厳密に行
わなければならず品質管理が難しい問題点がある。
【0014】本発明は上記課題を解決したもので、固体
高分子電解質膜にシワがなく、高い接合強度を有する膜
・電極接合体および高性能な燃料電池を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、本発明の請求項1において講じた技術的手段
(以下、第1の技術的手段と称する。)は、固体高分子
電解質膜の表面を火花放電が発生しない条件下で常圧プ
ラズマ表面処理する膜表面処理工程と、前記固体高分子
電解質膜を一対の電極で挟持してホットプレスして接合
する接合工程が備えられていることを特徴とする膜・電
極接合体の製造方法である。
【0016】上記第1の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0017】すなわち、固体高分子電解質膜の表面を火
花放電が発生しない条件下で常圧プラズマ表面処理して
いるので、固体高分子電解質膜のガラス転移温度よりも
低い条件でホットプレスしても、固体高分子電解質膜に
シワがなく、高い接合強度を有する膜・電極接合体が得
られる。低い条件でホットプレスできれば、固体高分子
電解質膜に対するダメージが発生せず、また生産性にも
優れている。
【0018】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技
術的手段と称する。)は、前記電極の、固体高分子電解
質膜と接合する側の接合面を火花放電が発生しない条件
下で常圧プラズマ表面処理する電極表面処理工程が備え
られていることを特徴とする請求項1記載の膜・電極接
合体の製造方法である。
【0019】上記第2の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0020】すなわち、電極も火花放電が発生しない条
件下で常圧プラズマ表面処理しているので、固体高分子
電解質膜を乾燥状態で常圧プラズマ表面処理し、かつ固
体高分子電解質膜のガラス転移温度よりも低い条件でホ
ットプレスしても、高い接合強度を有する膜・電極接合
体が得られる。固体高分子電解質膜の常圧プラズマ表面
処理を乾燥状態で行うことができるので、連続的な生産
が可能となり、生産性を飛躍的に向上できる。
【0021】上記技術的課題を解決するために、本発明
の請求項3において講じた技術的手段(以下、第3の技
術的手段と称する。)は、請求項1または2に記載の膜
・電極接合体が備えられていることを特徴とする固体高
分子電解質型燃料電池である。
【0022】上記第3の技術的手段による効果は、以下
のようである。
【0023】すなわち、固体高分子電解質膜にシワがな
く、高い接合強度を有する膜・電極接合体を使用してい
るので、発電性能に優れた燃料電池ができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の燃料電池用の膜・電極接
合体は、固体高分子電解質膜にプラズマ処理を施して一
対の電極を挟持して、従来の方法より低温でホットプレ
スしたことを特徴とするものである。すなわち、固体高
分子電解質膜の表面をプラズマ処理することによって、
表面状態が活性化され粗面化されるので、溶融結合状態
だけでなく化学結合状態が成立し、充分な結合力が発生
する。
【0025】プラズマ生成の方法には、熱電離、光電
離、高電圧放電電離などがあり、中でもプラスチック等
の表面処理によく用いられる方法は減圧下における高周
波放電及び大気中でのコロナ放電である。減圧下におけ
る高周波は持続的で安定なグロー放電が広範囲に生成で
きるのに対し、大気圧下では、断続的に繰り返される部
分的なコロナ放電である。
【0026】減圧下では比較的低い電圧で行えるため、
発生電源は高い周波数であっても設計が容易で小容量で
すむ。しかし、減圧下の環境条件を維持するためのチャ
ンバーが大ががりとなり、生産性が制約される等の問題
が生じる。
【0027】これに対して、大気圧(常圧)中での放電
による電離領域の生成は電極間に高電圧を印加し、部分
的な電界歪によるコロナ放電が利用される。ところが、
高電圧を印加した場合、放電の進展が速く、放電が一箇
所に集中し、火花放電が発生する。これにより、固体高
分子電解質膜及びガス拡散電極の火花放電による熱分
解、変質等の問題が生じる。
【0028】そこで、短パルス高電圧回路を用いること
で火花放電を生じない常圧プラズマ処理装置により、固
体高分子電解質膜およびガス拡散電極の表面処理が可能
となった。この常圧プラズマ処理装置を用いれば、固体
高分子電解質膜を乾燥状態で電極と接合させても充分な
結合力を発揮するため、電極のない部分での膜のシワの
発生や、膜内部の歪応力による周辺部の亀裂等の問題も
発生しないことがわかった。また、膜を乾燥状態にする
ことで、接合時の生産性も飛躍的に向上することができ
る。さらに、膜が乾燥することによる膜内部抵抗の増大
も、膜表面を粗面化し電極との接触部分の表面積が増大
することで吸湿性が向上するため、抵抗の上昇を抑止す
ることができる。
【0029】以下、実施例に基づいて、詳細に説明す
る。
【0030】(実施例1)固体高分子電解質膜として部
分炭化フッ素系重合体固体高分子電解質膜を用いた。部
分炭化フッ素系重合体固体高分子電解質膜は下記のよう
にして作製した。
【0031】炭化フッ素系ビニルモノマーと炭化水素系
ビニルモノマーとの共重合体であるエチレン−四フッ化
エチレン共重合体フィルム(膜厚50μm)に50kG
yの線量のγ線を窒素中、常温下で照射した。事前に減
圧蒸留し重合禁止剤等を除去した精製スチレンモノマー
60容積部に10容積部のジビニルベンゼン(DVB)
とさらに連鎖移動剤として30容積部のキシレンを添加
して得られた均一なグラフト原料を60℃に温度調整し
た。このグラフト原料の中にエチレン−四フッ化エチレ
ン共重合体フィルムを浸漬し、約15時間グラフト重合
を行った。グラフト原料中からエチレン−四フッ化エチ
レン共重合体フィルムを取り出してキシレンで洗浄しグ
ラフトフィルムを得た。
【0032】得られたグラフトフィルムを乾燥後、HS
Cl5容積部と1、2−ジクロロエタン100容積
部の混合液中に常温、1時間浸すことによりグラフトフ
ィルムのグラフトスチレン側鎖のベンゼン環にSO
l基を導入した。SOCl基を導入したフィルムを乾
燥後、90℃、1N苛性カリ中で1時間加水分解を行
い、続いて90℃、1N塩酸中に1時間浸しスルホン酸
基のカリウムイオンを水素イオンに置換してスルホン酸
基を導入した。最後に90℃のイオン交換水中で2時間
洗浄し部分炭化フッ素系重合体固体高分子電解質膜を得
た。
【0033】作製した固体高分子電解質膜の表面を常圧
プラズマ処理装置プラズマアトム(日本ペイント株式会
社製)により火花放電が起こらない程度の条件(Vp=
60kV、f=200pps、d=30mm)で常圧プ
ラズマ処理した。固体高分子電解質膜は乾燥状態で処理
し、処理後の固体高分子電解質膜は大気開放状態で保存
している。この状態で固体高分子電解質膜は15wt%
の含水状態となっている。作製した固体高分子電解質膜
の大きさは、300mm×300mmである。
【0034】実施例に用いた電極は次のようにして作製
した。電極の電極基材シートとして市販の厚さ0.23
mmのカーボンペーパー(東レ社製、TGP−H−06
0)を用いた。このカーボンペーパーを160mm×1
60mmに切断して電極基材シートを作製する。この電
極基材シートを、テトラフルオロエチレン粒子分散液
(ダイキン工業社製、D−1グレード、テトラフルオロ
エチレン粒子60wt%含有)をテトラフルオロエチレ
ン粒子濃度が15wt%になるように水で希釈したテト
ラフルオロエチレン粒子希釈分散液に2分間浸漬した。
【0035】電極基材シートは多孔質であるので内部に
テトラフルオロエチレン粒子希釈分散液が浸透し含浸す
る。電極基材シートを約80℃に加熱して水分を蒸発さ
せた後、大気中390℃で60分間保持してテトラフル
オロエチレン粒子をカーボン繊維の表面に固着させた。
【0036】この電極基材シートの一方の面に、ドクタ
ーブレード法により触媒ペーストを約300μmの厚さ
で塗布した。触媒ペーストは、白金担持カーボン(白金
含有量40wt%)と水とイオン交換溶液(旭化成社
製、アシプレックス溶液SS−1080)及びイソプロ
ピルアルコールを1:1.5:15:1.5の重量比で
十分混合して作製したものである。
【0037】この電極基材シートを乾燥してイソプロピ
ルアルコールを除去すると電極シートができる。この電
極シートの中心部120mm×120mmを切り取ると
電極が完成する。電極シートの中心部を使用する理由
は、ドクターブレード法による触媒ペーストの塗布が電
極シートの周辺部で不均一になるからである。
【0038】上記のようにして作製した固体高分子電解
質膜のほぼ中央部の両側に一対の電極を触媒塗布側が固
体高分子電解質膜側となるように重ねて、130℃、4
MPaでホットプレス(膜は乾燥状態のまま)して、膜
・電極接合体を作製した。このホットプレス条件は、固
体高分子電解質膜を常圧プラズマ処理していない場合の
ホットプレス条件(160℃、8MPa)より低温低圧
である。本実施例1においては、電極は常圧プラズマ処
理をせずに使用している。
【0039】作製した膜・電極接合体を発電性能試験、
密着力試験、シワ発生観察で評価した。図1は発電性能
試験に使用した単セルの断面図である。10が膜・電極
接合体である。膜・電極接合体10は、固体高分子電解
質膜3を一対の電極(酸化剤極1と燃料極2)で挟持し
て接合されている。この膜・電極接合体10をセパレー
タ4とセパレータ6で挟んで単セル20を作製した。
【0040】セパレータ4には酸化剤ガス供給口4a、
酸化剤ガス通流溝4b、酸化剤ガス排出口4cが設けら
ている。セパレータ5には燃料ガス供給口5a、燃料ガ
ス通流溝5b、燃料ガス排出口5cが設けらている。
【0041】酸化剤ガス供給口4aより酸化剤ガス通流
溝4bを介して酸化剤極1に2.5atmの空気を、燃
料ガス供給口5aより燃料ガス通流溝5bを介して燃料
極2に2.5atmの水素を供給した。水分の加湿はバ
ブリング法により空気および水素ともに加湿して行っ
た。セパレータ4とセパレータ5の電気端子から発電し
た電気を取り出し、外部の可変抵抗6で抵抗を変えて電
流密度とセル電圧を測定して発電性能試験を実施した。
【0042】密着力試験は、塗料一般試験方法(JIS
K5600−5−7)に準じた方法で行った。シワ発生
観察は、膜・電極接合体を作製した後に、接合部周辺の
固体高分子電解質膜にシワがあるかどうかを外観目視に
より観察して行った。
【0043】(実施例2)実施例1と同じ条件で作製し
た固体高分子電解質膜を使用し、固体高分子電解質膜を
乾燥状態のままで行う以外、実施例1と同じ条件で常圧
プラズマ処理した。この時の固体高分子電解質膜は含水
率15wt%であった。実施例1と同じ条件で電極を作
製した。この電極を、固体高分子電解質膜の時と同じ条
件で常圧プラズマ処理した。こうして作製した固体高分
子電解質膜を使用し、実施例1と同じ条件でホットプレ
スして膜・電極接合体を作製した。評価も実施例1と同
じ条件で行った。
【0044】(実施例3)固体高分子電解質膜としてパ
ーフルオロカーボン重合体固体高分子電解質膜(デュポ
ン社製:ナフィオン112、膜厚50μm)を使用し
た。この固体高分子電解質膜を実施例2と同じ条件で常
圧プラズマ処理したのち、実施例1と同じ条件で作製
し、実施例2と同じ条件で常圧プラズマ処理した電極を
使用し、固体高分子電解質膜が乾燥状態のままで、11
0℃、1.5MPaの条件でホットプレスして膜・電極
接合体を作製した。このホットプレス条件は、この固体
高分子電解質膜を常圧プラズマ処理していない場合のホ
ットプレス条件(130℃、2MPa)より低温低圧で
ある。評価は実施例1と同じ条件で行った。
【0045】(比較例1)実施例1と同じ条件により作
製した固体高分子電解質膜を常圧プラズマ処理せずに、
飽和含水状態(含水率80%)で、実施例1と同じ条件
により作製した一対の電極で挟持して、160℃、8M
Paの条件でホットプレスして膜・電極接合体を作製し
た。電極は常圧プラズマ処理をせずに使用している。評
価は実施例1と同じ条件で行った。
【0046】(比較例2)実施例1と同じ条件により作
製した固体高分子電解質膜を常圧プラズマ処理せずに、
乾燥状態(含水率15wt%)で、実施例1と同じ条件
により作製した一対の電極で挟持して、160℃、8M
Paの条件でホットプレスして膜・電極接合体を作製し
た。電極は常圧プラズマ処理をせずに使用している。評
価は実施例1と同じ条件で行った。
【0047】(比較例3)実施例1と同じ条件により作
製した固体高分子電解質膜を常圧プラズマ処理せずに、
乾燥状態(含水率15wt%)で、実施例1と同じ条件
により作製した一対の電極で挟持して、130℃、4M
Paの条件でホットプレスして膜・電極接合体を作製し
た。電極は常圧プラズマ処理をせずに使用している。評
価は実施例1と同じ条件で行った。
【0048】(評価結果)図2に発電性能試験の結果
を、表1に密着力試験、シワ発生観察の結果を示す。
【0049】
【表1】 密着力試験の結果を見ると、実施例1〜3は比較例1と
比較して同等以上の密着力があり、比較例2、3は密着
力が明らかに低下している。比較例1は、固体高分子電
解質膜のガラス転移温度まで加熱してホットプレスする
従来技術1による方法で膜・電極接合体を製造したもの
である。比較例2、3は、常圧プラズマ処理をせずに実
施例1、2と同じ条件で膜・電極接合体を製造したもの
である。常圧プラズマ処理を施すことによって、固体高
分子電解質膜のガラス転移温度よりも低い条件でホット
プレスしても密着力に優れた膜・電極接合体を製造でき
る。
【0050】プラズマ処理することによって、固体高分
子電解質膜の表面状態が活性化するとともに粗面化され
たため、化学結合状態が実現でき、ガラス転移温度より
も低い条件でホットプレスしても十分な結合力が発生し
たと考えられる。
【0051】シワ発生観察の結果を見ると、実施例1〜
3ではシワが全く見られなかったのに対して、比較例1
〜3ではいずれもシワが見られた。特に、比較例1では
著しいシワが生じていた。
【0052】発電性能試験の結果を見ると、実施例1〜
3は、いずれも比較例1より優れた発電性能を示してお
り、比較例2、3は明らかに発電性能が低下しているこ
とがわかる。比較例1〜3は常圧プラズマ処理をしてい
ないため、固体高分子電解質膜の乾燥状態でホットプレ
スした場合、固体高分子電解質膜と電極の接合強度が弱
く、発電性能も劣っている(比較例2、3)。固体高分
子電解質膜の飽和含水状態でホットプレスすることによ
り、固体高分子電解質膜と電極の接合強度を高くし、発
電性能を高めることができるが、電極周囲の固体高分子
電解質膜に著しいシワが発生し、信頼性が低下する(比
較例1)。
【0053】これに対して、実施例1〜3では、固体高
分子電解質膜の乾燥状態でも、比較例1より低温、低圧
でホットプレスしても固体高分子電解質膜と電極の接合
強度が高く、発電性能も優れ、シワも発生しない。常圧
プラズマ処理を施すことによって、固体高分子電解質膜
のガラス転移温度よりも低い条件でホットプレスしても
発電性能に優れた膜・電極接合体を製造できる。固体高
分子電解質膜と電極の接合強度が高く、十分な電気的接
合状態が得られたためであると考える。固体高分子電解
質膜の乾燥状態でホットプレスできるため、固体高分子
電解質膜を含水させる工程やそのための装置が不要とな
り、低コスト化できる。また低温、低圧でホットプレス
できるので、作業性に優れている。
【0054】実施例2は、実施例1に比べて密着力がや
や小さいが、発電性能は優れている。実施例2は、固体
高分子電解質膜を乾燥状態でプラズマ処理を行ったが、
電極のプラズマ処理することにより、接合強度を確保す
るとともに優れた発電性能を実現できた。固体高分子電
解質膜を乾燥状態でプラズマ処理できるとこにより、接
合時の生産性を飛躍的に向上させることができる。
【0055】本発明は、プラズマ処理の中でも常圧プラ
ズマ処理を行っているので、チャンバー等の大がかりな
装置が必要がなく、接合工程の作業性が改善され、連続
生産することができる生産性に優れた製造方法である。
なお本発明において、固体高分子電解質膜の乾燥状態と
は、空気中の湿度と平衡状態である状態をいい、含水率
が10〜20wt%の状態である。また固体高分子電解
質膜の飽和含水状態とは、固体高分子電解質膜を水中に
浸漬し水を飽和させた状態をいい、含水率が70〜90
wt%の状態である。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明は、固体高分子電
解質膜の表面を火花放電が発生しない条件下で常圧プラ
ズマ表面処理する膜表面処理工程と、前記固体高分子電
解質膜を一対の電極で挟持してホットプレスして接合す
る接合工程が備えられていることを特徴とする膜・電極
接合体の製造方法およびこの製造方法により製造された
膜・電極接合体が備えられていることを特徴とする固体
高分子電解質型燃料電池であるので、固体高分子電解質
膜にシワがなく、高い接合強度を有する膜・電極接合体
および高性能な燃料電池を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発電性能試験に使用した単セルの断面図
【図2】発電性能試験の結果を示すグラフ図
【符号の説明】
1…酸化剤極(電極) 2…燃料極(電極) 3…固体高分子電解質膜 10…膜・電極接合体 20…単セル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子電解質膜の表面を火花放電が
    発生しない条件下で常圧プラズマ表面処理する膜表面処
    理工程と、前記固体高分子電解質膜を一対の電極で挟持
    してホットプレスして接合する接合工程が備えられてい
    ることを特徴とする膜・電極接合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記電極の、固体高分子電解質膜と接合
    する側の接合面を火花放電が発生しない条件下で常圧プ
    ラズマ表面処理する電極表面処理工程が備えられている
    ことを特徴とする請求項1記載の膜・電極接合体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の製造方法で製
    造された膜・電極接合体が備えられていることを特徴と
    する固体高分子電解質型燃料電池。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005310508A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Kaneka Corp 高分子電解質膜およびそれを含む直接メタノール形燃料電池
JP2006049244A (ja) * 2004-08-09 2006-02-16 Canon Inc 高分子型燃料電池およびその製造方法
JP2013031842A (ja) * 2005-03-25 2013-02-14 Mitsubishi Rayon Co Ltd 表面処理方法および表面処理された物品
JP2019106328A (ja) * 2017-12-14 2019-06-27 トヨタ自動車株式会社 膜電極接合体の検査方法

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