JP2002313322A - 固体高分子電解質型電池用負極、その製造方法およびそれを用いた固体高分子電解質型電池 - Google Patents

固体高分子電解質型電池用負極、その製造方法およびそれを用いた固体高分子電解質型電池

Info

Publication number
JP2002313322A
JP2002313322A JP2001111748A JP2001111748A JP2002313322A JP 2002313322 A JP2002313322 A JP 2002313322A JP 2001111748 A JP2001111748 A JP 2001111748A JP 2001111748 A JP2001111748 A JP 2001111748A JP 2002313322 A JP2002313322 A JP 2002313322A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer electrolyte
negative electrode
solid polymer
composite material
electrolyte battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001111748A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiko Osawa
康彦 大澤
Ryuzo Kamimura
隆三 上村
幸徳 ▲高▼橋
Yukinori Takahashi
Kenji Hamada
謙二 濱田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2001111748A priority Critical patent/JP2002313322A/ja
Publication of JP2002313322A publication Critical patent/JP2002313322A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 充放電特性に優れた固体高分子電解質型電池
用負極を提供する。 【解決手段】 リチウムイオンの支持電解質を含む高分
子電解質に接触する固体高分子電解質型電池用負極であ
って、充放電に伴ってリチウムイオンを吸蔵・放出でき
る炭素構造体1を備え、リチウムイオン伝導性を発現さ
せ且つ前記高分子電解質2に対する親和性を持つ複合化
材3が、炭素構造体に接触するように配されている。複
合化材のカーボンに対する重量比を1重量%以上、好ま
しくは2重量%以上40重量%以下に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体高分子電解質型
電池用負極、その製造方法およびそれを用いた固体高分
子電解質型電池に関し、さらに詳しくは、液状の電解質
を用いない全固体高分子電池としてのリチウムイオン二
次電池、このリチウムイオン二次電池に用いる負極およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気自動車などの大容量電源とし
て、高エネルギー密度、高出力密度が達成できるリチウ
ムイオン二次電池が開発されてきた。このリチウムイオ
ン二次電池の基本構成は、正極と、負極と、これら両極
の間に介在されたオレフィン系の多孔質膜でなるセパレ
ータと、このセパレータに含浸させた非水電解液とから
なる。
【0003】上記した正極は、アルミニウム集電体に、
コバルト酸リチウムなどの正極活物質と、アセチレンブ
ラックなどの導電助剤とがバインダーを用いて塗布され
てなる。負極は、銅集電体にカーボン微粒子がバインダ
ーを用いて塗布されてなる。
【0004】非水電解液は、支持電解質であるリチウム
塩が溶解されている。このリチウム塩としては、例えば
六弗化リン酸リチウム(LiPF)などがある。
【0005】最近では、上記したリチウムイオン二次電
池の非水電解液の代わりに高分子電解質を用いたのもが
開発されている。この電解質の高分子化により、電池の
形状自由性やコンパクト化が期待できる。現在、高分子
中に電解液を含浸させたゲル電解質の検討が行われ商品
化されている。ゲル電解質については、たとえば、J.Y.
Songらが総説を発表している[J. Power Sources, 77
(1999) 183.]。ゲル電解質電池については、特開平9−
274933号公報や特開平11−307082号公報
に開示されている。これらの公報には、電極を電極活物
質と高分子電解質を含む複合電極とすることにより電池
の充放電特性を向上させる技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、所謂バ
イポーラ型と称されるコンパクトな積層構造の組み電池
を構成する場合、ゲル電解質を用いた電池をそのまま積
層したのでは、単セル間に液絡が発生するという問題点
がある。特に、ゲル電解質が可燃性の有機電解液である
場合には、液漏れを確実に防止する技術を要するという
課題がある。
【0007】このため、電解質相にゲル電解質を用いず
に事実上溶媒を含まない全固体型高分子電解質相を用い
た固体高分子電解質型電池の実現が望まれている。しか
し、例えばサイクル耐久性がよいカーボン材料からなる
負極活物質と高分子電解質とからなる複合電極を構成し
た場合、充放電特性が劣ることがわかった。すなわち、
負極活物質にカーボンを用いて電池(LiMn
高分子電解質膜/カーボン)を構成すると、ゲル電解質
を用いた電池よりも反応性がかなり劣っている。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものである。そこで、本発明の目的は、充放電特性に
優れた固体高分子電解質型電池、それに用いられる負
極、および負極の製造方法を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、液漏れが起こらない
構成とすることにより、安全性が高く、コンパクト化が
図れる固体高分子電解質型電池、さらには固体高分子電
解質型電池を積層した組み電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、リチウムイオンの支持電解
質を含む高分子電解質に接触する固体高分子電解質型電
池用負極であって、充放電に伴ってリチウムイオンを吸
蔵・放出できる炭素構造体と、前記炭素構造体に接触す
るように配されると共に、リチウムイオン伝導性を発現
させ且つ前記高分子電解質に対する親和性を持つ複合化
材とを有することを特徴とする。
【0011】このような構成の請求項1記載の発明で
は、負極活物質の炭素構造体に接触する複合化材が、リ
チウムイオンが炭素構造体に吸蔵・放出される際に、リ
チウムイオン伝導性を発現(促進)させる作用を及ぼし
て充放電特性を高めることができる。また、複合化材
は、高分子電解質に対して親和性を有するため、炭素構
造体と高分子電解質とを結び付けてリチウムイオンの伝
導系を確保する作用を持つ。さらに、この発明は、高分
子電解質が、電解質液を含まない固体高分子電解質であ
る場合と、高分子中に電解液を含浸させたゲル電解質で
ある場合とに適用可能であるが、固体高分子電解質に適
用することにより、電池全体を固体で構成できるので液
漏れがなく、機械強度の高い固体高分子電解質型電池を
実現することができる。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の高
分子電解質型電池用負極であって、複合化材が、遷移金
属酸化物の群、または遷移金属とリチウムとの複合酸化
物の群から選ばれる1種類以上でなることを特徴とす
る。
【0013】この発明では、請求項1記載された発明の
作用に加えて、特に、遷移金属酸化物や、遷移金属とリ
チウムとの複合酸化物を、複合化材として用いることに
より、電極(負極)における充放電特性をより高めるこ
とができる。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明であって、遷移金属酸化物が、チタン(Ti)、鉄
(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)のいず
れかの酸化物であることを特徴とする。
【0015】請求項3記載の発明では、請求項2に記載
された発明の作用に加えて、単位カーボン量当たりの放
電容量を高める作用がある。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれかに記載された高分子電解質型電池用負極
であって、複合化材が、10−5S/cm以上の電子伝
導性を発現させることを特徴とする。
【0017】したがって、請求項4記載の発明は、請求
項1〜請求項3に記載された発明の作用に加えて、複合
化材が、10−5S/cm以上の電子伝導性を発現させ
るため、負極における電子の移動度を高めて充放電特性
を高める作用がある。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求
項4のいずれかに記載された高分子電解質型電池用負極
であって、複合化材が、炭素構造体に対して重量比で1
重量%以上で含まれていることを特徴とする。
【0019】請求項5記載の発明では、請求項1〜請求
項4に記載された発明の作用に加えて、複合化材の炭素
構造体に対する重量比を1重量%以上とすることで、単
位カーボン量当たりの放電容量比を高めることが見いだ
された。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項5記載の高
分子電解質型電池用負極であって、複合化材が、炭素構
造体に対して重量比で2重量%以上40重量%以下とす
るものである。
【0021】請求項6記載の発明では、請求項5で記載
した炭素構造体に対する重量比を2重量%以上40重量
%以下に限定することで、より充放電特性を向上できる
ことが見いだされた。この結果、負極におけるエネルギ
ー密度を向上することができる。
【0022】請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求
項6のいずれかに記載された高分子電解質型電池用負極
であって、炭素構造体は、粒子状であることを特徴とす
る。
【0023】請求項7記載の発明では、請求項1〜請求
項6に記載された発明の作用に加えて、炭素構造体を粒
子状としたことにより、炭素構造体に接触するように配
される複合化材の多数を、固体高分子電解質型電池用負
極全体に固定することで、複合化材と炭素構造体とで奏
する作用を負極全体に均一に及ぼすことが可能となる。
【0024】また、炭素構造体を微細粒子となし、これ
ら炭素構造体を多数集合させることで、リチウムイオン
の吸蔵・放出が起こる表面積を拡大することができる。
【0025】請求項8記載の発明は、請求項7記載の高
分子電解質型電池用負極であって、複合化材が、炭素構
造体の粒径より短い粒径を有する粒子状とすることを特
徴とする。
【0026】請求項8記載の発明では、複合化材が小さ
いため、炭素構造体の表面に食い込み易くなると共に、
多数の複合化材が炭素構造体の表面に接触することがで
き、リチウムイオンの移動を促進することができる。
【0027】請求項9記載の発明は、請求項1乃至請求
項8のいずれかに記載された高分子電解質型電池用負極
であって、炭素構造体が、負極集電体に固定されている
ことを特徴とする。
【0028】請求項9記載の発明では、請求項1〜請求
項8に記載された発明の作用に加えて、複合化材が配さ
れた炭素構造体を負極集電体に固定することにより、固
体高分子電解質型電池用負極における充放電反応に伴う
発生電流を円滑に流通させることができる。
【0029】請求項10記載の発明は、高分子電解質型
電池であって、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載
された高分子電解質型電池用負極を備えることを特徴と
する。
【0030】請求項10記載の発明では、炭素構造体に
複合化材が接触するように配された構成であるため、リ
チウムイオンが炭素構造体に吸蔵・放出される際に、リ
チウムイオン伝導性を発現(促進)させる作用を及ぼし
て負極の充放電特性を高めることができる。また、複合
化材は、高分子電解質に対して親和性を有するため、炭
素構造体と高分子電解質とを結び付けてリチウムイオン
の伝導系を確保する作用を持つ。
【0031】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の高分子電解質型電池であって、高分子電解質は、ポリ
エーテルまたはポリエーテルの共重合体系高分子材料で
なることを特徴とする。
【0032】請求項11記載の発明では、請求項10記
載に記載された発明の作用に加えて、高分子電解質が、
ポリエーテルまたはポリエーテルの共重合体系高分子材
料でなるため、エーテル結合あるいはエステル結合をも
ったポリマーのエーテル酸素もしくはエステル酸素にリ
チウムイオンを弱く配位させて錯体化されると考えら
れ、この結果、ポリマー鎖の局所運動に伴ってリチウム
イオンを移動可能となると考えられる。このように、固
体高分子でありながらリチウムイオンを移動させること
ができるため、良好な充放電特性を有する固体高分子電
解質型電池を実現できる。また、高分子電解質が固体で
あるため、この固体高分子電解質型電池を積層して組み
電池を構成する場合に、機械的強度を高める作用があ
る。
【0033】請求項12記載の発明は、請求項11記載
の高分子電解質型電池であって、ポリエーテルは、ポリ
エチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサ
イド(PPO)を含むポリアルキレンオキサイド系高分
子であることを特徴とする。
【0034】請求項13記載の発明は、請求項10乃至
請求項12のいずれかに記載された高分子電解質型電池
であって、支持電解質が、LiBF、LiPF、L
iN(SOCF、LiN(SO
から選ばれることを特徴とする。
【0035】請求項14記載の発明は、請求項10乃至
請求項13のいずれかに記載された高分子電解質型電池
であって、高分子電解質が、光重合開始剤または熱重合
開始剤を含むことを特徴とする。
【0036】この請求項14記載の発明では、請求項1
0〜請求項13に記載された発明の作用に加えて、高分
子電解質に光重合開始剤や熱重合開始剤を含ませる、換
言すれば高分子電解質の出発材料にこれらの開始剤を入
れておくことにより、正極と負極との間の高分子電解質
を流動性よく封止でき、その後効率よく硬化させること
ができる。
【0037】請求項15記載の発明は、リチウムイオン
の支持電解質を含む高分子電解質に接触する固体高分子
電解質型電池用負極の製造方法であって、リチウムイオ
ン伝導性を発現させ且つ前記高分子電解質に対する親和
性を持つ複合化材を、炭素材料体に混合して、ボールミ
ルで粉砕して混合粒体を作製し、負極集電体の表面に配
した後、加熱乾燥を行なうことを特徴とする。
【0038】この請求項15記載の発明では、負極活物
質である炭素材料体と複合化材とをボールミルで粉砕す
ることにより、微粒子状態の炭素構造体を作成できると
共に、この炭素構造体表面に微細な複合化材を接触ある
いは食い込ませることができる。このため、この発明で
は、複合化材を介してリチウムイオンを高分子電解質相
とやり取りさせる作用を奏し易くすることができる。ま
た、このような状態の混合粒体に添加剤を混ぜること
で、負極集電体表面に炭素構造体と複合化材とを固定す
ることが可能となる。
【0039】請求項16記載の発明は、請求項15記載
の固体高分子電解質型電池用負極の製造方法であって、
複合化材を、炭素材料体に対して1重量%以上の割合で
混合することを特徴とする。
【0040】請求項16記載の発明では、複合化材を炭
素材料体に対して1重量%以上の割合で混合すること
で、固体高分子電解質型電池用負極の所望の充放電特性
を得ることが可能となる。このように、炭素材料体と複
合化材とを所定の配合比として、ボールミルで粉砕する
という簡単な手法で確実に固体高分子電解質型電池用負
極を形成することができる。
【0041】請求項17記載の発明は、請求項16記載
の固体高分子電解質型電池用負極の製造方法であって、
複合化材を、炭素材料体に対して2重量%以上40重量
%以下の割合で混合することを特徴とする。
【0042】
【発明の効果】請求項1乃至請求項9に記載された発明
によれば、固体高分子電解質型電池用負極における炭素
構造体と高分子電解質との間のリチウムイオンの移動度
を高めることができるため、充放電特性を向上させる効
果がある。また、請求項1記載の発明によれば、高分子
電解質を用いることにより、液漏れがなく機械強度の高
いコンパクトな固体高分子電解質型電池を実現すること
ができる。なお、請求項3記載の発明によれば、上記し
た効果に加えて、単位カーボン量当たりの放電容量を高
めて、固体高分子電解質型電池のエネルギー密度を高め
る効果がある。
【0043】請求項10乃至請求項12に記載された発
明によれば、炭素構造体と高分子電解質との間のリチウ
ムイオンの移動度を高めることができるため、充放電特
性を向上させる効果がある。また、液漏れがなく機械強
度の高いコンパクトな固体高分子電解質型電池を実現す
ることができる。請求項11および請求項12に記載さ
れた発明によれば、高分子電解質が、ポリエーテルまた
はポリエーテルの共重合体系高分子材料でなるため、低
コスト化を図れるという効果がある。
【0044】請求項13記載の発明によれば、上記した
効果に加えて、支持電解質を高分子電解質に対して固溶
し易いという効果がある。
【0045】請求項14記載の発明によれば、上記した
効果に加えて、高分子電解質に光重合開始剤や熱重合開
始剤を含ませることにより、高分子電解質を容易に硬化
させることができ、製造を簡単にする効果がある。
【0046】請求項15乃至請求項17記載の発明によ
れば、負極活物質である炭素材料体と複合化材とをボー
ルミルで粉砕することにより、炭素構造体表面に微細な
複合化材を接触あるいは食い込ませることができ、複合
化材を介してリチウムイオンを高分子電解質相とやり取
りさせて充放電特性を高める効果がある。また、この発
明では、このようにボールミルで粉砕するという簡単な
手法で、確実に固体高分子電解質型電池用負極を形成で
きるという効果がある。さらに、この発明によれば、反
応性に優れる固体高分子電解質型電池用負極を形成でき
る。また、この負極を用いて容易に固体高分子電解質型
電池を製造できるので、高容量の固体高分子電解質型電
池用負極を用いた高エネルギー密度の固体高分子電解質
型電池を製造できる。このような固体高分子電解質型電
池を組み付けることで、電池間での液絡がおこらない積
層組み電池を構成できる。このため、固体高分子電解質
型電池の多層積層構造が実現でき、高電圧の電源システ
ムを容易に構成できるという効果がある。
【0047】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、本発明に
係る固体高分子電解質型電池、固体高分子電解質型電池
用負極およびその製造方法を例示し説明する。
【0048】図1は、本実施の形態に係る固体高分子電
解質型電池を模式的に示す断面図である。図1に示すよ
うに、固体高分子電解質型電池10は、固体高分子電解
質型電池用正極(以下、正極という。)11と、固体高
分子電解質型電池用負極(以下、負極という。)12と
が所定距離を隔てて平行に配置され、これら正極11お
よび負極12の間隙に高分子電解質層13が介在されて
大略構成されている。
【0049】正極11は、電気伝導性の良好な金属でな
る板状の正極集電体14と、この正極集電体14におけ
る高分子電解質層13と接合する側の表面に沿って形成
された正極活物質層15とでなる。
【0050】なお、本発明の基本的考え方を模式的に示
したのが図2である。図2に示すように、負極の中のカ
ーボン微粒子(炭素構造体)1が高分子電解質2に囲ま
れている状態を示している。カーボン微粒子1の表面に
は、リチウムイオン伝導性を発現させ且つ高分子電解質
2との親和性がよい複合化材3が、炭素構造体(カーボ
ン微粒子)1表面に接触あるいは食い込ませた状態で配
置されている。この複合化材3を介してリチウムイオン
を高分子電解質2相とやり取りすればカーボン/高分子
電解質界面を介するよりも円滑に、つまり小さい抵抗で
反応できると考えられる。さらに、この複合化材3が、
後述するように10−5S/cm以上の電子伝導性を発
現し得るものであれば、負極内でのカーボン微粒子(炭
素構造体)1間の接触抵抗を減じられるので、例えばア
セチレンブラックなどの導電助剤を使わなくてよいか、
または導電助剤の使用量を減じことが可能となる。ま
た、リチウムイオンを高分子電解質相とより効果的にや
りとりできるようになることも期待できる。
【0051】負極12は、電気伝導性の良好な金属でな
る板状の負極集電体16と、この負極集電体16におけ
る高分子電解質層13と接合する側の表面に沿って形成
された負極活物質層17とでなる。特に、本実施の形態
では、負極活物質層17が、図2に示すように、炭素構
造体(カーボン微粒子)1の表面に複合化材3が接触ま
たは食い込むように配された状態で負極集電体16の表
面に固定されている。
【0052】本実施の形態に係る固体高分子電解質型電
池10における負極12は、リチウムイオン伝導性を発
現し得るもので高分子電解質相と親和性を有する複合化
材3を活物質のカーボンに対して重量比で1重量%以上
含むようにすることにより負極12の充放電特性の向上
を達成している。この複合化材3は、負極に10−5
/cm電子伝導性を発現させ得るものであることが好ま
しい。
【0053】上記した炭素構造体1としては、微粒子状
構造のものを用いるが、この他の構造として、例えば多
孔質構造体、アモルファス状構造体、プレート状構造体
など各種の構造体を採用することが可能である。また、
この炭素構造体1の原料としてはとしては、難黒鉛化炭
素、人造黒鉛、天然黒鉛、カーボンブラック、コーク
ス、樹脂を熱分解して製造したものなどの負極活物質を
用いることができる。また、支持電解質としては、リチ
ウムイオンに伝導性を与える各種のリチウム塩などを用
いることが可能である。
【0054】なお、負極における充電反応は下式(1)
で表され、放電反応は下式(2)で表される。
【0055】 (1)6C+xLi+xe→Li (2)Li→6C+xLi+xe この発明においては、上記式(1)、(2)における電
子e移動度を高めるため、負極における充放電特性を
高めることができる。このため、この複合化材3が、1
−5S/cm以上の電子伝導性を発現し得るものであ
れば、負極内でのカーボン微粒子(炭素構造体)1間の
接触抵抗を減じる作用が得られる。
【0056】また、複合化材3のより具体的な系として
は、遷移金属酸化物の群、あるいは遷移金属とリチウム
との複合酸化物の群から選ばれる1種類または2種類以
上のものとするのが好ましい。遷移金属酸化物、あるい
は遷移金属とリチウムとの複合酸化物のなかでは、T
i、Fe、Co、Niの酸化物、あるいはこれらの遷移
金属とLiとの複合酸化物から選ばれるものがより好ま
しく使用できる。
【0057】なお、チタン(Ti)を含む複合化材とし
ては、例えばLiTi12などのLiTi
で表される酸化物を挙げることができる。鉄(Fe)
を含む複合化材としては、酸化第一鉄(FeO)を挙げ
ることができる。コバルト(Co)を含む複合化材とし
ては、例えばCoO、CoなどのCoで表
される酸化物を挙げることができる。ニッケル(Ni)
を含む複合化材としては、例えば酸化第一ニッケル(N
iO)などを挙げることができる。
【0058】特に、これらの遷移金属酸化物、あるいは
これらの遷移金属とリチウムとの複合酸化物がカーボン
(C)に対して重量比で2重量%以上40重量%以下と
するのが電極の充放電特性とエネルギー密度の観点から
みて好ましい。このような範囲の重量比に設定する理由
は、後述する実施例から導かれるものであるが、これら
遷移金属酸化物や複合酸化物のカーボンに対する重量比
をあまり大きくし過ぎると、負極の単位重量あるいは単
位体積あたりの有効電極容量が減じてしまうし、複合化
材が電極容量に寄与してもその容量が電池の使用電圧範
囲に無ければ無駄になるからである。
【0059】これらの遷移金属酸化物、あるいは遷移金
属とリチウムとの複合酸化物から選ばれる1種類以上の
ものを負極活物質のカーボンと混合状態でボールミルを
かけたものとすることが好ましい。これは、図2に示す
ように、複合化材3を炭素構造体(カーボン微粒子)1
に食い込ませるためと、複合化材3をより微粒子化して
炭素構造体の小さな隙間にも入り込めるようにするため
である。
【0060】本実施の形態に係る高分子電解質層13に
用いる高分子としては、例えばポリエチレンオキシド
(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)などの
ポリエーテル類、およびこれらの共重合体系高分子で、
分子内に架橋性の炭素―炭素の二重結合を持った原料高
分子を用いてラジカル重合法で合成した高分子が利用で
きる。なお、上記以外のポリエーテル類およびその共重
合体系高分子を用いてもよい。この種のポリアルキレン
オキシド系高分子は、リチウム塩である例えば、LiB
、LiPF、LiN(SOCF、LiN
(SOなどを良好に溶解できるという利
点がある。また、この種のポリアルキレンオキシド系高
分子は、炭素同士の間の二重結合が架橋構造に寄与する
ことで機械的特性のよい高分子電解質膜を作製できる。
さらに、この種のポリアルキレンオキシド系高分子は、
固体高分子電解質型電池10の正極11および負極12
のイオン伝導相としても用いることができる。
【0061】本実施の形態では、負極活物質層17の表
面に高分子電解質層13を接触させる構成としたが、負
極活物質層17に予め高分子電解質を混ぜておいてもよ
い。図2に示すように、負極12の炭素構造体1および
複合化材3を密に包囲するように高分子電解質2を含め
ておくことで、リチウムイオンに伝導性を付与する複合
化材3が高分子電解質2との接触面を大きくすることが
でき有利となる。
【0062】また、本実施の形態に係る固体高分子電解
質型電池10における正極11の正極活物質層15とし
ては、例えばスピネル構造のLiMnがあるがこ
れに限られるわけではない。この他の正極活物質として
は、溶液系のリチウムイオン電池で使用される遷移金属
とリチイウムの複合酸化物などがある。また、正極活物
質層15にスピネル構造のLiMnを用いた場合
は、その微粒子の粒径は電池の電極抵抗を低減するため
に通常の溶液タイプのリチウムイオン電池で使用される
ものより小さいものを使用するのがよい。
【0063】ここで、負極12の製造方法について説明
する。
【0064】まず、リチウムイオン伝導性を発現させ且
つ高分子電解質に対する親和性を持つ複合化材3とし
て、Ti,Fe,Co,Niの酸化物、あるいはこれら
の遷移金属とLiとの複合酸化物を1種類以上用意す
る。次に、この遷移金属酸化物または複合酸化物を、炭
素材料に対して1重量%以上の割合で混合して、ボール
ミルで粉砕して混合粒体を作製する。そして、混合粒体
に添加剤を混ぜて、負極集電体16の表面に塗布した
後、加熱乾燥を行なうことで負極12を作製することが
できる。なお、遷移金属酸化物または複合酸化物を、炭
素材料に対して2重量%以上40重量%以下の割合で混
ぜることが好ましい。また、添加剤には、炭素構造体1
と複合化材3とを包囲するように上記した高分子電解質
材料と上記したリチウム塩とを混ぜておくことにより、
複合化材3が高分子電解質と炭素構造体1との間のリチ
ウムイオン伝導性の向上により効率的に寄与させること
ができる。なお、上記した方法では、炭素材料と複合化
材(遷移金属酸化物または複合酸化物)を混ぜた後にボ
ールミルで粉砕して混合流体を作製したが、予め複合化
材の粒径調整を行なったものを、炭素材料に混ぜる方法
としてもよい。このように予め複合化材の粒径を調整し
て炭素構造物(ボールミルで粉砕したもの)の粒径より
小さくしておくことで、複合化材が炭素構造物表面に食
い込み易くすることができる。
【0065】次に、正極11の製造方法を簡単に説明す
る。まず、スピネル構造のLiMn を正極活物質
とした正極11は、スピネル構造のLiMnと導
電助剤のアセチレンブラックに上記した高分子材料(ポ
リエーテル類、およびこれらの共重合体系高分子で、分
子内に架橋性の炭素―炭素の二重結合を持った原料高分
子)と、上記したようなリチウム塩(LiBF、Li
PF、LiN(SO CF、LiN(SO
など)を加え、NMP(N−メチル−2−ピ
ロリドン)などの溶媒を使ってスラリーを調製し、撹拌
機でよく撹拌したあと脱泡機で脱泡してコーターでアル
ミ箔の上に塗布して、真空乾燥機で加熱乾燥して作製す
る。
【0066】次に、高分子電解質層13の形成方法につ
いて説明する。高分子電解質層13は、例えばポリエチ
レンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(P
PO)及びそれらの共重合体系高分子で、分子内に架橋
性の炭素―炭素の二重結合を持った原料高分子とリチウ
ム塩と光重合開始剤とを、NMPなどの溶媒に溶解させ
てスペーサで厚さを決めた光透過性のギャップに流し込
む。そして、紫外線を照射して架橋させて薄膜でなる高
分子電解質層13を作製する。この他の形成方法として
は、高分子材料を、放射線重合、電子線重合、熱重合法
によっても高分子電解質層13を作製できる。なお、熱
重合法の場合には、高分子材料に熱重合開始剤を予め混
合しておけばよい。この高分子電解質層13に溶解(固
溶)させるリチウム塩としては、LiBF、LiPF
、LiN(SOCF、LiN(SO
、およびこれらの2種以上の混合物などを使用で
きるが、これらに限られるわけではない。
【0067】最後に、負極12と、正極11と、高分子
電解質層13とを高真空下で十分加熱乾燥してから、そ
れぞれを適当なサイズに切りだし、それらを高分子電解
質層13を挟んで貼り合わせてることによって固体高分
子電解質型電池10を作製できる。
【0068】(実施例)以下、本発明に係る固体高分子
電解質型電池の実施例と比較例を説明する。まず、単電
池製造の実施例、比較例を示し、充放電特性をまとめて
比較する。
【0069】高分子電解質としては、文献の方法に従っ
て合成したポリエーテル形のネットワーク高分子原料を
用い(J. Electrochem. Soc., 145 (1998) 1521.)、リ
チウム塩としては、LiN(SO(以
下、BETIという。)を用いた。正極材料には、平均
粒子径2μmのスピネル構造のLiMnを用い
た。負極のカーボンとしては、MCMBの黒鉛化品(平
均粒子径20μm)、MCMBの炭化品(平均粒子径2
3μm)、ハードカーボン(平均粒子径20μm)を用
いた。カーボンの反応性をよくするための複合化材とし
て用いたLiTi 12は、一次粒子の平均粒径は
10μmであり、この一次粒子は0.2〜0.5μmの
粒子がいくらかネッキングした構造になっていた。他の
複合化材であるCo、CoO、FeO、NiOは
粉末原料を振動ボールミルにて約12時間粉砕したもの
を用いた。
【0070】実施例1 まず、この実施例1においては、高分子電解質層の作製
を以下のように行った。上記の高分子原料を53重量
%、リチウム塩としてBETIを26重量%、光重合開
始剤としてベンジルジメチルケタールを高分子原料の
0.1重量%加えて、溶媒としてNMP(N−メチル−
2−ピロリドン)を21重量%用いて溶液を調製し、1
00μm厚さのテフロン(登録商標)スペーサを用い
て、ガラス基板間にこの粘性の高い溶液を満たし、紫外
線を20分間照射して光重合(架橋)した。作製された
膜を取り出して、真空容器に入れて90℃にて12時間
高真空下で加熱乾燥して溶媒を除いた膜を作製した。得
られた膜は、弾性に富み、粘着性が強いものであった。
【0071】次に、負極の作製を以下に説明するように
行った。上記したMCMBの炭化品と、複合化材のLi
Ti12を重量比で95:5にて混合し、振動ボ
ールミルにて1時間混合粉砕して電極活物質とした。こ
の電極活物質を28重量%、アセチレンブラックを3重
量%、上記した高分子原料を17重量%、BETIを8
重量%、熱重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ルを高分子原料の0.1重量%加え、これに溶媒として
NMPを44重量%加えて十分に撹拌してスラリーを調
製し、ニッケル箔上にコーターで塗布して、真空乾燥機
にて90℃で2時間以上加熱乾燥して負極を作製した。
作製した負極は、残留溶媒を除くため、使用前に真空容
器に入れて90℃にて12時間高真空下で加熱乾燥し
た。
【0072】次に、LiMnを用いて正極を作製
する方法について説明する。29重量%の平均粒径2μ
のLiMn、8.7重量%のアセチレンブラッ
ク、17重量%の上記した高分子原料、BETIを7.
3重量%、熱重合開始剤としてアゾビスイソブチロニト
リルを高分子原料の0.1重量%加え、これに溶媒とし
てNMPを41重量%加えて十分に撹拌してスラリーを
調製し、その後、アルミ箔上にコーターで塗布する。そ
して、塗布したものを真空乾燥機にて90℃で2時間以
上加熱乾燥して正極を作製した。作製した正極は、残留
溶媒を除くため使用前に真空容器に入れて90℃にて1
2時間高真空下で加熱乾燥した。
【0073】なお、電池の作製はアルゴン雰囲気のグロ
ーブボックス内で行い、正極をφ15mm、負極をφ1
7mm、電解質膜をφ19mmで切りだし、これらを正
極/電解質膜/負極のように貼り合わせて図1に示すよ
うな断面構造にした。そして、両側からステンレス(S
US)のロッドで押し付けて電池を構成した。このよう
にして作製された電池(固体高分子電解質型電池)の充
放電特性を23℃にて評価した。正極と負極のし込み容
量比は、通常の電解液中での正極活物質と負極活物質カ
ーボンの容量比を用いて正極容量:負極容量がほぼ7対
10になるように設定した。充放電評価は、上限電圧
4.3Vで、0.1C(正極し込み容量換算)の定電流―
定電圧で12時間充電し、0.1Cにて定電流で1Vま
で放電した。
【0074】実施例2 実施例2では、上記した実施例1の振動ボールミルによ
るカーボンの複合化過程で、MCMBの炭化品と複合化
材のLiTi12の重量比を70:30にて混合
し、上記した実施例1と同様にして電池を構成し、同様
の評価を行った。
【0075】実施例3 実施例3では、上記した実施例1において、負極の複合
化材として、LiTi12の代わりにCo
を用いた以外は上記した実施例1と同様にして電池を構
成し、同様な評価を行った。
【0076】実施例4 実施例4では、上記した実施例1において、負極の複合
化材として、LiTi12の代わりにCoOを用
いた以外は同様にして電池を構成し、同様な評価を行っ
た。
【0077】実施例5 実施例5では、上記した実施例1において、負極の複合
化材として、LiTi12の代わりにFeOを用
いた以外は同様にして電池を構成し、同様な評価を行っ
た。
【0078】実施例6 実施例6では、上記した実施例1において、負極の複合
化材として、LiTi12の代わりにNiOを用
いた以外は同様にして電池を構成し、同様な評価を行っ
た。
【0079】比較例 上記した実施例1において、負極の複合化材を用いない
こと以外は同様にして電池を構成し、同様な評価を行っ
た。
【0080】(充放電特性の比較)上記の実施例1〜6
と比較例で得られた第一回目の放電容量を、負極のし込
みカーボン量当たりで計算し、比較例の結果で規格化し
て結果を下表1にまとめた。下表1から、本発明の固体
高分子電解質型電池における負極の複合化材で負極を複
合化すると、負極の反応性が大幅に改善されることがわ
かる。この有効な複合化材は大量に加えてもよいが、あ
まり加えすぎると、電池のエネルギー密度が低下してし
まうため、40重量%程度までが上限値の現実的な重量
比と考えられる。
【0081】一方、複合化材のカーボンに対する重量比
の下限値を考察すると、図3に示すように、実施例2を
除く他の実施例1、3、4、5、6が複合化材の重量比
が5%で放電容量比2.5以上を達成している。このよ
うに、実施例1、3、4、5、6では、複合化材が下表
1に示すようにそれぞれ異なる材料であるに拘わらず、
同程度の放電容量比となることをが判る。この結果か
ら、図3において、これらの実施例1、3、4、5、6
の5重量%での放電容量比を束ねて比較例(0重量%)
との間の傾きを勘案すると、複合化材として1重量%が
混合されていれば電極の放電容量が比較的高く(1.5
以上程度に)なる。このため、最低限重量比は1重量%
であればよく、2重量%以上であれば電極の放電容量比
が2程度となり、複合化材を混合しない比較例に対して
2倍の放電容量となることが判る。この結果、カーボン
に対する複合化材の添加量は、1重量%以上がよく、特
に2重量%以上40重量%以下が好ましい。
【0082】
【表1】 (その他の実施の形態)上記の本発明の実施の形態の開
示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するも
のであると理解すべきではない。この開示から当業者に
は様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明ら
かとなろう。
【0083】例えば、上記した実施の形態では、正極1
1と負極12との間に固体であり電解液の存在しない高
分子電解質を介在する構成としたが、ポリマーを有機溶
媒によって可塑化またはゲル化し、リチウム塩を有機溶
媒に溶解させたゲル型ポリマー電解質を用いた高分子電
解質型電池に、本発明に係る負極を適用してもリチウム
イオン伝導性を高めるという作用が期待できるものであ
る。
【0084】また、上記した実施の形態では、複合化材
の組成を化学量論比として説明したが、非化学量論比の
組成としても勿論よい。
【0085】さらに、上記した実施の形態、および実施
例では、負極に用いる炭素構造体が微粒子である場合に
ついて説明したが、複合化材を均一に配することがで
き、しかも複合化材の重量比を上記した範囲に設定でき
る限り、多孔質構造、アモルファス状構造、プレート状
構造など各種の構造とすることも可能である。
【0086】このように、本発明はここでは記載してい
ない様々な実施の形態を含むことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体高分子電解質型電池の一実施
形態を示す断面説明図である。
【図2】本発明に係る固体固体電解質型電池用負極にお
ける複合化材のリチウムイオン伝導性に寄与する状態を
模式的に示す説明図である。
【図3】本発明に係る固体高分子電解質型電池の実施例
1〜6と比較例における、複合化材のカーボンに対する
重量比と単位カーボン当たりの放電容量比との関係を示
す図である。
【符号の説明】
1 炭素構造体 2 高分子電解質 3 複合化材 10 固体高分子電解質型電池 11 正極 12 負極(固体高分子電解質型電池用負極) 13 高分子電解質層 14 正極集電体 15 正極活物質層 16 負極集電体 17 負極活物質層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼橋 幸徳 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 濱田 謙二 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ03 AJ11 AJ12 AJ14 AJ15 AK03 AL06 AL07 AL08 AM07 AM16 CJ02 CJ08 DJ08 DJ09 EJ05 HJ01 5H050 AA02 AA08 AA14 AA15 AA19 AA20 BA18 CA09 CB07 CB08 CB09 DA03 DA04 DA09 DA10 DA13 EA01 EA10 GA02 GA05 GA10 GA22 GA27 HA01 HA17

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムイオンの支持電解質を含む高分
    子電解質に接触する固体高分子電解質型電池用負極であ
    って、 充放電に伴ってリチウムイオンを吸蔵・放出できる炭素
    構造体と、 前記炭素構造体に接触するように配されると共に、リチ
    ウムイオン伝導性を発現させ且つ前記高分子電解質に対
    する親和性を持つ複合化材と、 を有することを特徴とする固体高分子電解質型電池用負
    極。
  2. 【請求項2】 前記複合化材は、遷移金属酸化物の群、
    または遷移金属とリチウムとの複合酸化物の群から選ば
    れる1種類以上でなることを特徴とする請求項1記載の
    固体高分子電解質型電池用負極。
  3. 【請求項3】 前記遷移金属酸化物は、チタン(T
    i)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(N
    i)のいずれかの酸化物であることを特徴とする請求項
    2記載の固体高分子電解質型電池用負極。
  4. 【請求項4】 前記複合化材は、10−5S/cm以上
    の電子伝導性を発現させることを特徴とする請求項1乃
    至請求項3のいずれかに記載された固体高分子電解質型
    電池用負極。
  5. 【請求項5】 前記複合化材が、前記炭素構造体に対し
    て重量比で1重量%以上で含まれていることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された固体高
    分子電解質型電池用負極。
  6. 【請求項6】 前記複合化材が、前記炭素構造体に対し
    て重量比で2重量%以上40重量%以下で含まれている
    ことを特徴とする請求項5記載の固体高分子電解質型電
    池用負極。
  7. 【請求項7】 前記炭素構造体は、粒子状であることを
    特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載され
    た固体高分子電解質型電池用負極。
  8. 【請求項8】 前記複合化材は、前記炭素構造体の粒径
    より短い粒径を有する粒子状であることを特徴とする請
    求項7記載の固体高分子電解質型電池用負極。
  9. 【請求項9】 前記炭素構造体は、負極集電体に固定さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいず
    れかに記載された固体高分子電解質型電池用負極。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれかに記
    載された固体高分子電解質型電池用負極を備えることを
    特徴とする固体高分子電解質型電池。
  11. 【請求項11】 前記高分子電解質は、ポリエーテルま
    たはポリエーテルの共重合体系高分子材料でなることを
    特徴とする請求項10記載の固体高分子電解質型電池。
  12. 【請求項12】 前記ポリエーテルは、ポリエチレンオ
    キサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PP
    O)を含むポリアルキレンオキサイド系高分子であるこ
    とを特徴とする請求項11記載の固体高分子電解質型電
    池。
  13. 【請求項13】 前記支持電解質は、LiBF、Li
    PF、LiN(SOCF、LiN(SO
    から選ばれることを特徴とする請求項10乃
    至請求項12のいずれかに記載された固体高分子電解質
    型電池。
  14. 【請求項14】 前記高分子電解質は、光重合開始剤ま
    たは熱重合開始剤を含むことを特徴とする請求項10乃
    至請求項13のいずれかに記載された固体高分子電解質
    型電池。
  15. 【請求項15】 リチウムイオンの支持電解質を含む高
    分子電解質に接触する固体高分子電解質型電池用負極の
    製造方法であって、 リチウムイオン伝導性を発現させ且つ前記高分子電解質
    に対する親和性を持つ複合化材を、炭素材料体に混合し
    て、ボールミルで粉砕して混合粒体を作製し、負極集電
    体の表面に配した後、加熱乾燥を行なうことを特徴とす
    る固体高分子電解質型電池用負極の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記複合化材を、前記炭素材料体に対
    して1重量%以上の割合で混合することを特徴とする請
    求項15記載の固体高分子電解質型電池用負極の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 前記複合化材を、前記炭素材料体に対
    して2重量%以上40重量%以下の割合で混合すること
    を特徴とする請求項16記載の固体高分子電解質型電池
    用負極の製造方法。
JP2001111748A 2001-04-10 2001-04-10 固体高分子電解質型電池用負極、その製造方法およびそれを用いた固体高分子電解質型電池 Pending JP2002313322A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001111748A JP2002313322A (ja) 2001-04-10 2001-04-10 固体高分子電解質型電池用負極、その製造方法およびそれを用いた固体高分子電解質型電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001111748A JP2002313322A (ja) 2001-04-10 2001-04-10 固体高分子電解質型電池用負極、その製造方法およびそれを用いた固体高分子電解質型電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002313322A true JP2002313322A (ja) 2002-10-25

Family

ID=18963296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001111748A Pending JP2002313322A (ja) 2001-04-10 2001-04-10 固体高分子電解質型電池用負極、その製造方法およびそれを用いた固体高分子電解質型電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002313322A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004040674A1 (ja) * 2002-10-31 2004-05-13 Zeon Corporation 固体電解質組成物、電池用カソードフィルム及びその製造方法
JP2013201008A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Toshiba Corp 非水電解質電池及び電池パック
CN111816914A (zh) * 2019-04-12 2020-10-23 康那香企业股份有限公司 可卷绕软式高分子基材固态电解质的二次电池结构及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004040674A1 (ja) * 2002-10-31 2004-05-13 Zeon Corporation 固体電解質組成物、電池用カソードフィルム及びその製造方法
JP2013201008A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Toshiba Corp 非水電解質電池及び電池パック
CN111816914A (zh) * 2019-04-12 2020-10-23 康那香企业股份有限公司 可卷绕软式高分子基材固态电解质的二次电池结构及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7045593B2 (ja) 全固体電池用複合固体電解質膜及びそれを含む全固体電池
KR100276959B1 (ko) 리튬2차전지
JP3736045B2 (ja) 全固体リチウム電池
JP4674434B2 (ja) バイポーラ電池
JP7007466B2 (ja) 二次固体Li金属電池のための複合ポリマー電解質(CPE)膜及びその製造方法
KR101355836B1 (ko) 일체형 전극조립체 및 이를 이용한 이차전지
TW201203672A (en) Molten salt battery
JP2004164896A (ja) 全固体高分子電池用電極とその製造方法
JPH10255842A (ja) リチウム・ポリマ二次電池
JP2003031261A (ja) バイポーラ電池
JP3879140B2 (ja) リチウム・ポリマ二次電池
WO2002027858A1 (fr) Pile secondaire au lithium
KR101393534B1 (ko) 신규 구조 전극조립체 및 이를 이용한 이차전지
EP1139478A1 (en) Polymeric solid electrolyte and lithium secondary cell using the same
US9379369B2 (en) Integrated electrode assembly and secondary battery using same
JP2004071405A (ja) バイポーラー電池
JP2003217594A (ja) イオン電池用電極及びその製造方法
JP2002313322A (ja) 固体高分子電解質型電池用負極、その製造方法およびそれを用いた固体高分子電解質型電池
JPH08148140A (ja) 集電板一体型シート状複合正極の製造方法及びこの正極を用いた高分子固体電解質電池の製造方法
JP4161437B2 (ja) リチウム電池
JP2022546292A (ja) フリースタンディングフィルム型リチウム二次電池用正極材、この製造方法及びこれを含むリチウム二次電池
JP2005025973A (ja) リチウムイオン二次電池
JP2004193041A (ja) ポリマー電池用カーボン電極およびその電極を用いたポリマー電池
JPH0935705A (ja) ポリマー電解質・リチウム電池およびその電極の製造法
JP2021077476A (ja) リチウムイオン電池