JP2002313218A - フォトカソード及びフォトカソードの製作方法 - Google Patents

フォトカソード及びフォトカソードの製作方法

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JP2002313218A
JP2002313218A JP2001116187A JP2001116187A JP2002313218A JP 2002313218 A JP2002313218 A JP 2002313218A JP 2001116187 A JP2001116187 A JP 2001116187A JP 2001116187 A JP2001116187 A JP 2001116187A JP 2002313218 A JP2002313218 A JP 2002313218A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主として、フォトカソード電子銃の内壁とフ
ォトカソードとの接合部分に間隙や段差が生じないフォ
トカソードを提供する。 【解決手段】 光電子発生用レーザーをフォトカソード
10に照射し、所望のエネルギーの電子ビームを生成す
るフォトカソード電子銃に用いられるフォトカソード1
0において、フォトカソード10が取り付けられるフォ
トカソード電子銃の内壁20と、フォトカソード10と
は異なる素材が用いられ、かつ、内壁20とフォトカソ
ード10との接合部分に、内壁20を構成する素材とフ
ォトカソード10を構成する素材との拡散接合層12が
形成されている構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光電子発生用レー
ザーをフォトカソードに照射し、所望のエネルギーの電
子ビームを生成するフォトカソード電子銃に用いられる
フォトカソードと、このフォトカソードの製作方法、及
び、そのフォトカソードを備えたフォトカソード高周波
電子銃に関する。
【0002】
【従来の技術】先ず、フォトカソード電子銃について、
図6を用いて説明する。図6は、フォトカソード電子
銃、特に、フォトカソード高周波電子銃200と言われ
るタイプの電子銃の構成を示す縦断側面図である。
【0003】図6に示すように、フォトカソード高周波
電子銃200は主として、電子ビーム(図中e-で表
示)を加速する加速電場を発生させる高周波加速空洞2
20、この高周波加速空洞220の上部の内壁230の
中心部に取り付けられ、光電効果により光電子を生成す
るフォトカソード210、図示しない高周波供給装置か
らの高周波をこの高周波加速空洞220に供給する高周
波導波管(図示せず)から構成されている。なお、フォ
トカソード高周波電子銃200の内壁230は、電気伝
導率や強度、加工のしやすさという点から銅で構成され
ている。
【0004】次に、フォトカソード高周波電子銃200
により、電子ビームを生成する方法について、図6を用
いて説明する。先ず、図示しない、電子発生用レーザー
発生装置で生成された光電子発生用レーザーL2を、フ
ォトカソード高周波電子銃200の石英窓202からフ
ォトカソード210に斜めに照射する。
【0005】これにより、フォトカソード210の表面
には光電効果により光電子が生成される。外部の高周波
供給装置(図示せず)により、高周波導波管を介してフ
ォトカソード高周波電子銃200に供給される高周波
が、高周波加速空洞220内で共振することにより加速
電場が生成され、この生成された加速電場で、フォトカ
ソード210上の光電子を所望のエネルギーに加速す
る。
【0006】このフォトカソード高周波電子銃200の
フォトカソード210の材質は、内壁230と同じ素材
の銅が、従来より用いられている。しかし、銅は、カソ
ード210に照射されるレーザーから電子へ変換する効
率である量子効率が、10-5〜10-4程度と低いため、
レーザーのエネルギーを1パルス当たり100μJとし
ても、0.2nC〜2nC程度の電子ビームしか得られ
ないことになる。この対策として、高出力の電子発生用
レーザー発生装置を用いるようにすると、装置が大型化
し、また、消費電力量も増大し、維持コストが過大にな
るという問題が生じる。
【0007】そこで、フォトカソード高周波電子銃20
0に用いられるフォトカソード210の素材として、銅
よりも量子効率が1桁大きいマグネシウムを用いるフォ
トカソード210が開発されている。
【0008】このマグネシウムを用いたフォトカソード
210の製作方法について、図7(a)、(b)を用い
て説明する。図7は、図6の一部拡大図で、同図(a)
は内壁230にフォトカソード210を埋め込む前の縦
断側面図で、同図(b)は内壁230にフォトカソード
210を埋め込んだ後の縦断側面図である。
【0009】先ず、図7(a)に示すように、銅を素材
として円盤状に形成されたフォトカソード高周波電子銃
200の高周波加速空洞220の内壁230の中心部
に、フォトカソード210を埋め込むための穴230a
を形成する。次に、図7(b)に示すように、この穴2
30aにマグネシウムで構成されたフォトカソード21
0を埋め込み、プレスすることにより製作される。この
内壁230にフォトカソード210を埋め込んだ一体物
を、図6に示すように、フォトカソード高周波電子銃2
00の高周波加速空洞220の上部に取り付けることに
より、フォトカソード高周波電子銃200のフォトカソ
ード210として供される。
【0010】このように、銅よりも量子効率が1桁大き
いマグネシウム材料で製作したフォトカソード210を
用いると、同じ出力の電子発生用レーザー発生装置を用
いても、2nC〜20nC程度の電荷の電子ビームを発
生させることができる。或いは、銅で製作したフォトカ
ソード210と同量の電子の電荷量で十分とした場合
は、1桁小さい、10分の1程度の出力の電子発生用レ
ーザー発生装置で済むので、装置がコンパクト化し、ま
た、省電力化が可能になり、維持コストを削減すること
ができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに、従来のフォトカソードは、銅で製作された円盤状
の高周波加速空洞の上部の内壁に、マグネシウム素材の
フォトカソードを埋め込み、プレスすることにより製作
されていた。
【0012】この従来方法で製作されたフォトカソード
は、銅とマグネシウムとでは線膨張係数が違い、フォト
カソード高周波電子銃の高周波加速空洞の温度変化によ
り、銅製の内壁とマグネシウム製のフォトカソードとの
接合部分に隙間や段差が生じてしまう。
【0013】フォトカソード高周波電子銃では、フォト
カソード面で100MV/m程度の強力な電場を発生さ
せ、フォトカソード上に生成される光電子の発生と同期
してこの光電子を加速する。このため、内壁とフォトカ
ソードとの接触面に隙間や段差が生じると放電の原因と
なり、安定した電子ビームの生成と加速ができなくなっ
てしまうという問題があった。
【0014】この対策に、高周波加速空洞全体をマグネ
シウムで構成することも考えられるが、マグネシウムの
材料特性は、切削加工に優れているが、ヤング率やせん
断弾性係数、引っ張り強さ等が小さいために、フォトカ
ソード及び高周波加速空洞全体をマグネシウムで製作す
ることは困難である。
【0015】本発明は、上記課題を解決し、フォトカソ
ード電子銃の内壁とフォトカソードとの接合部分に間隙
や段差が生じないフォトカソード、そのフォトカソード
の製作方法、及び、そのフォトカソードを用いたフォト
カソード高周波電子銃を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のフォトカソード
は、上記課題を解決するために、請求項1に記載のもの
では、光電子発生用レーザーをフォトカソードに照射
し、所望のエネルギーの電子ビームを生成するフォトカ
ソード電子銃に用いられるフォトカソードにおいて、フ
ォトカソードが取り付けられる前記フォトカソード電子
銃の内壁と、前記フォトカソードとは異なる素材が用い
られ、かつ、前記内壁と前記フォトカソードとの接合部
分に、前記内壁を構成する素材と前記フォトカソードを
構成する素材との混合層が形成されている構成とした。
【0017】このように構成すると、フォトカソード電
子銃の内壁とフォトカソードとの接合部分における線膨
張係数の不連続性が是正されて、この接合部分における
間隙や段差の発生を防止でき、フォトカソード電子銃が
安定して電子ビームを生成できるようになる。
【0018】請求項2に記載のフォトカソードは、光電
子発生用レーザーをフォトカソードに照射し、所望のエ
ネルギーの電子ビームを生成するフォトカソード電子銃
に用いられるフォトカソードにおいて、フォトカソード
が取り付けられる前記フォトカソード電子銃の内壁と、
前記フォトカソードとは異なる素材が用いられ、かつ、
前記内壁と前記フォトカソードとの接合部分に、前記内
壁を構成する素材と前記フォトカソードを構成する素材
との拡散接合層が形成されている構成とした。
【0019】このように構成すると、フォトカソードと
内壁との接合部分に形成された拡散接合層において、フ
ォトカソードと内壁との素材の混合比がほぼ連続的に変
化するので、線膨張係数も連続的な滑らかな変化とな
り、この接合部分における間隙や段差の発生を防止で
き、フォトカソード電子銃が安定して電子ビームを生成
できるようになる。
【0020】請求項3に記載のフォトカソードは、上記
フォトカソード電子銃の内壁の素材を銅(Cu)とし、
上記フォトカソードの素材として、マグネシウム(M
g)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、イッ
トリウム(Y)等の金属単体又はWBaO、Cs2Te
等の化合物を用いるように構成した。
【0021】具体的には、内壁とフォトカソードの素材
にこのような素材を用いるようにすると、高強度で安定
した電子ビームが提供できるフォトカソードとすること
ができる。
【0022】請求項4に記載のフォトカソード高周波電
子銃は、光電子発生用レーザーをフォトカソードに照射
し、高周波加速空洞に高周波を供給して、所望のエネル
ギーの電子ビームを生成するフォトカソード高周波電子
銃において、請求項1乃至3のいずれかに記載のフォト
カソードを具備した構成とした。
【0023】このように構成すると、高周波加速空洞に
高電圧の高周波を供給するフォトカソード高周波電子銃
において、高強度で安定した電子ビームが提供できるよ
うになり、特に、効果的である。
【0024】請求項5に記載のフォトカソードの製作方
法は、光電子発生用レーザーをフォトカソードに照射
し、所望のエネルギーの電子ビームを生成するフォトカ
ソード電子銃に用いられるフォトカソードの製作方法に
おいて、このフォトカソードが取り付けられる前記フォ
トカソード電子銃の内壁と、前記フォトカソードとは異
なる素材が用いられ、かつ、前記内壁と前記フォトカソ
ードとの接合部分に、前記内壁を構成する素材とフォト
カソードを構成する素材との混合層を形成するようにし
た。
【0025】このようにすると、フォトカソード電子銃
の内壁とフォトカソードとの接合部分における線膨張係
数の不連続性が是正されて、この接合部分における間隙
や段差の発生を防止でき、フォトカソード電子銃が安定
して電子ビームを生成できるフォトカソードの製作方法
とすることができる。
【0026】請求項6に記載のフォトカソードの製作方
法は、光電子発生用レーザーをフォトカソードに照射
し、所望のエネルギーの電子ビームを生成するフォトカ
ソード電子銃に用いられるフォトカソードの製作方法に
おいて、このフォトカソードが取り付けられる前記フォ
トカソード電子銃の内壁と、前記フォトカソードとは異
なる素材が用いられ、かつ、前記内壁と前記フォトカソ
ードとの接合部分に、前記内壁を構成する素材とフォト
カソードを構成する素材との拡散接合層を形成するよう
にした。
【0027】このようにすると、フォトカソードと内壁
との接合部分に形成された拡散接合層において、フォト
カソードと内壁との素材の混合比がほぼ連続的に変化す
るので、線膨張係数も連続的な滑らかな変化となり、こ
の接合部分における間隙や段差の発生を防止でき、フォ
トカソード電子銃が安定して電子ビームを生成できるよ
うになる。
【0028】請求項7に記載のフォトカソードの製作方
法は、光電子発生用レーザーをフォトカソードに照射
し、所望のエネルギーの電子ビームを生成するフォトカ
ソード電子銃に用いられるフォトカソードで、かつ、こ
のフォトカソードが取り付けられる前記フォトカソード
電子銃の内壁と、前記フォトカソードとは異なる素材が
用いられるフォトカソードの製作方法において、先ず、
上記フォトカソード電子銃の内壁に設けたフォトカソー
ドの埋め込み用穴にフォトカソードを押し込み、次に、
前記内壁と同一素材で構成された蓋体を被せて溶接して
一体物と成し、次に、この一体物を加圧・加熱容器内
で、所定の圧力、所定の昇温時間で、所定の温度に昇温
し、かつ、昇温後は所定の圧力、所定の時間、所定の温
度で加圧・加熱保持し、次に、この一体物を切削・研磨
加工し、前記内壁と前記フォトカソードとの接合部分
に、前記内壁を構成する素材とフォトカソードを構成す
る素材との拡散接合層を形成するようにした。
【0029】具体的にはこのような工程で製作すると、
内壁を構成する原子とフォトカソードを構成する原子と
が拡散する速度が速まり、それぞれの原子間距離が短く
なり、拡散接合の効率が向上したフォトカソードの製作
方法とすることができる。また、各設定値を調整するこ
とで、フォトカソードに用いる素材の特性を損なわない
ようにすることが可能である。
【0030】請求項8に記載のフォトカソードの製作方
法は、請求項7に記載のフォトカソードの製作方法にお
いて、上記フォトカソード電子銃の内壁の素材に銅を用
い、上記フォトカソードの素材にマグネシウムを用い、
上記一体物を加圧・加熱容器内で昇温する際の所定の圧
力を500乃至1200気圧、所定の昇温時間を約2時
間、所定の温度を300乃至475℃とするようにし
た。
【0031】具体的にはこのような各設定値で一体物を
昇温すると、内壁を構成する銅原子とフォトカソードを
構成するマグネシウム原子とが拡散し、それぞれの原子
間距離が短くなり、拡散接合の効率が向上する。また、
フォトカソードに用いられる量子効率が良好であるとい
うマグネシウムの優れた特性を維持することができる。
【0032】請求項9に記載のフォトカソードの製作方
法は、請求項7に記載のフォトカソードの製作方法にお
いて、上記フォトカソード電子銃の内壁の素材に銅を用
い、上記フォトカソードの素材にマグネシウムを用い、
上記一体物の昇温後、この一体物を加圧・加熱容器内で
加圧・加熱保持する所定の圧力を、500乃至1200
気圧とするようにした。
【0033】具体的にはこのような設定圧力で一体物を
加圧・加熱保持すると、内壁を構成する銅原子とフォト
カソードを構成するマグネシウム原子とが拡散し、それ
ぞれの原子間距離が短くなり、拡散接合の効率が向上す
る。
【0034】請求項10に記載のフォトカソードの製作
方法は、請求項7に記載のフォトカソードの製作方法に
おいて、上記フォトカソード電子銃の内壁の素材に銅を
用い、上記フォトカソードの素材にマグネシウムを用
い、上記一体物の昇温後、この一体物を加圧・加熱容器
内で加圧・加熱保持する所定の温度を、300乃至47
5℃とするようにした。
【0035】具体的にはこのような設定温度で一体物を
加圧・加熱保持すると、内壁を構成する銅原子とフォト
カソードを構成するマグネシウム原子とが拡散し、それ
ぞれの原子間距離が短くなり、拡散接合の効率が向上す
る。また、フォトカソードに用いられる量子効率が良好
であるというマグネシウムの優れた特性を維持すること
ができる。
【0036】請求項11に記載のフォトカソードの製作
方法は、請求項7に記載のフォトカソードの製作方法に
おいて、上記フォトカソード電子銃の内壁の素材に銅を
用い、上記フォトカソードの素材にマグネシウムを用
い、上記一体物の昇温後、この一体物を加圧・加熱容器
内で加圧・加熱保持する所定の時間を、2乃至5時間と
するようにした。
【0037】具体的にはこのような設定時間で一体物を
加圧・加熱保持すると、内壁を構成する銅原子とフォト
カソードを構成するマグネシウム原子とが拡散し、それ
ぞれの原子間距離が短くなり、拡散接合の効率が向上す
る。また、フォトカソードに用いられる量子効率が良好
であるというマグネシウムの優れた特性を維持すること
ができる。更に、高品位のフォトカソードの製作効率が
向上する。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明のフォトカソード1
0及びそのフォトカソードの製作方法について、図1乃
至図5を用い、図6及び図7を参照して説明する。図1
は、本発明のフォトカソード10の構造を示す縦断側面
図である。図2は、本発明のフォトカソード10の製作
方法の第1工程を示す縦断側面図である。図3は、本発
明のフォトカソード10の製作方法の第2工程を示す縦
断側面図である。図4は、本発明のフォトカソード10
の製作方法の第3工程を示す縦断側面図である。図5
は、本発明のフォトカソード10の製作方法の第4工程
を示す縦断側面図である。
【0039】本発明の特徴は、図1に示すように、後述
する拡散接合法によりフォトカソード10と、それを固
定支持するフォトカソード高周波電子銃200の高周波
加速空洞220(図6参照)の上部の内壁20との接合
部分において、線膨張係数の不連続性を是正し、この接
合部分に間隙や段差が生じるのを防止することである。
従って、図1乃至図5を用い、図7を参照して、この拡
散接合法について説明する。
【0040】本発明のフォトカソード10を製作する拡
散接合法は、第1工程として、図2に示すように、図7
の従来の製作法同様に、銅製で円盤状に形成された高周
波加速空洞220の内壁20に、マグネシウム製のフォ
トカソード10の埋め込み穴20aを形成する。
【0041】次に、第2工程では、図3に示すように、
この埋め込み穴20aにフォトカソード10を押し込
め、マグネシウム製のフォトカソード10は、内壁20
の表面と同じ高さになるように切削加工される。
【0042】第3工程では、図4に示すように、真空容
器40内で、銅円盤状の蓋体30と、内壁20にフォト
カソード10が埋め込まれた状態で、蓋体30を被せ、
この状態で蓋体30との境界面を矢印で示す位置22で
電子ビーム溶接し、一体物32を成す。
【0043】第4工程では、この一体物32を加圧・加
熱容器50内で、500乃至1200気圧下で、約2時
間の昇温時間で、300乃至475℃に昇温し、昇温後
は、500乃至1200気圧下で、300乃至475℃
の温度で2乃至5時間加圧・加熱保持する。すると、こ
の接合部分において各原子が拡散し合い、また、各原子
の原子間距離が短くなり、拡散接合層が形成される。そ
の後、フォトカソード高周波電子銃に装着する好適な形
状とするために、この一体物32を切削・研磨加工す
る。
【0044】ここで、設定温度の上限475℃は、マグ
ネシウムの融点が650℃、銅の融点は1083℃であ
るので、マグネシウムの融点まで温度を上げると、マグ
ネシウムの特性を失う恐れがあるあること、また、マグ
ネシウムと銅との混合物では成分比により融点が純粋な
マグネシウムの融点より低いため、例えば、マグネシウ
ムの成分が85.5%、銅が14.5%の成分比では融
点が475℃であるため、これ以上温度を上げると、金
属間化合物が生成される恐れがあるため設定されたもの
である。これにより、フォトカソードの素材としてのマ
グネシウムの優れた特性が損なわれるのを防止すること
ができる。また、設定温度の下限300℃は、一定の圧
力下で、マグネシウムと銅の各原子が拡散を起こし易く
なるための下限の温度として設定されたものである。
【0045】一方、設定圧力の下限500気圧は、銅と
マグネシウムが原子レベルで原子間距離が最小となるた
めに必要となる圧力として設定されたものである。ま
た、設定圧力の上限1200気圧は、経験的に、原子の
拡散速度と原子間距離の縮小速度が飽和する近辺の圧力
として設定されたものである。2乃至5時間の加圧・加
熱保持時間については、加熱の設定温度が、300乃至
475℃と低く設定しているために、この程度の時間は
保持しておく必要があるという観点から設定されてい
る。
【0046】上記第1乃至第4の工程を経ると、図1に
示すように、内壁20とフォトカソード10との接合部
分に、内壁20を構成する銅と、フォトカソード10を
構成するマグネシウムとの拡散接合層12を形成したフ
ォトカソード10が製作される。
【0047】この拡散接合層12では、マグネシウムと
銅との構成比率がほぼ連続的に変化し、従って、接合部
分における線膨張係数の不連続性が大幅に改善され、内
壁20とフォトカソード10との接合部分12に間隙や
段差が生じる恐れが無くなり、フォトカソード高周波電
子銃の運転中に、放電により電子ビームの発生加速がで
きなくなるという問題を解決できる。
【0048】従って、本発明のフォトカソードの製作方
法で製作したフォトカソード10をフォトカソード電子
銃内に組み込めば、量子効率に優れ、かつ、安定に電子
ビームを生成できるフォトカソード電子銃とすることが
できる。
【0049】また、第4工程で説明したように、一体物
32を加圧・加熱容器50内で、上記設定気圧、設定温
度、設定昇温時間で昇温し、昇温後は、設定圧力、設定
温度で設定時間加圧・加熱保持するようにしたために、
拡散する速度が速まり、それぞれの原子間距離が短くな
り、拡散接合の効率が向上させることができる。
【0050】次に、本発明のフォトカソード高周波電子
銃について簡単に説明すると、本発明のフォトカソード
高周波電子銃は、図7に示した従来の方法で製作された
フォトカソードに替えて、本発明のフォトカソード10
を用いるようにしたものである。このようにすると、電
子ビームの発生強度を維持したままで、高周波加速空洞
に高電圧の高周波を供給しても放電の恐れがないので、
安定した電子ビームが提供できるようになり、特に、こ
のタイプのフォトカソード電子銃に対して効果的であ
る。
【0051】具体的には、本発明のフォトカソード10
を用いたフォトカソード高周波電子銃では、このフォト
カソード10に波長262nm、出力エネルギー100
μJの時間幅がピコ秒パルスレーザーを照射し、また、
高周波加速空洞220(図6参照)内に100MV/m
程度の電場を発生させた場合、最大約20nCで、4M
eV程度の高エネルギー、かつ、高強度のピコ秒電子ビ
ームパルスを生成することが可能になる。
【0052】本発明のフォトカソードと、このフォトカ
ソードの製作方法は、上記実施の形態に限定されず種々
の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、フ
ォトカソードとフォトカソードを固定保持する高周波加
速空洞の内壁との接合部分に、拡散結合層を生成する例
を用いて説明した。しかし、上述したように、本発明の
特徴は、フォトカソードと、この内壁との接合部分にお
いて、線膨張係数の不連続性を是正し、この接合部分に
間隙や段差が生じるのを防止することである。従って、
必ずしも上述した製作方法で拡散接合層を形成するもの
に限定されるものではなく、例えば、異種の金属材料の
一方を回転させて、押し付けて接合する摩擦接合法や、
加熱してプレス等で内壁に押し込める鍛接法や、異種金
属材料を加熱して接合面に融液ができたら急冷するIL
P接合法等を用いて、フォトカソードの素材と内壁の素
材との混合層を形成する方法も有効である。
【0053】また、フォトカソードに用いられる素材、
内壁に用いられる素材は、上記実施の形態には限定され
ない。本発明は、フォトカソードに用いられる素材、内
壁に用いられる素材がそれぞれ異なる場合に適用される
が、フォトカソードには、量子効率が優れた素材が用い
られることが望ましい。特に、フォトカソードに用いら
れる素材は、マグネシウム(Mg)以外に、量子効率が
大きいサマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、イッ
トリウム(Y)等の金属単体、或いは、合金、金属化合
物、又は、WBaO、Cs2Te等の化合物を用いるよ
うにしてもよい。
【0054】更に、フォトカソードと内壁との接合部分
に拡散接合層を形成する際に示した昇温時間、昇温温
度、加圧圧力、加熱温度、加熱・保持時間等は、拡散接
合層を形成する効率の観点、及び、フォトカソードに用
いているマグネシウムの優れた特性を維持する観点よ
り、上記実施の形態に示したものが好適であるが、フォ
トカソードや内壁の構成素材に対応して、適宜変更した
としても、本発明の範囲に含まれるのは勿論のことであ
る。
【0055】なお、上記実施の形態では、フォトカソー
ドはフォトカソード高周波電子銃に用いられる場合を想
定して説明したが、本発明のフォトカソードは、他の型
のフォトカソード電子銃に用いられる場合でも本発明の
範囲に含まれるのは勿論のことである。
【0056】
【発明の効果】本発明のフォトカソードと、このフォト
カソードの製作方法、及び、フォトカソード高周波電子
銃は、上述のように構成したために、次のような優れた
効果を有する。 (1)本発明のフォトカソードは、請求項1に記載した
ように、フォトカソードが取り付けられるフォトカソー
ド電子銃の内壁と、フォトカソードとは異なる素材が用
いられ、かつ、内壁とフォトカソードとの接合部分に、
内壁を構成する素材とフォトカソードを構成する素材と
の混合層が形成されている構成とすると、フォトカソー
ド電子銃の内壁とフォトカソードとの接合部分における
線膨張係数の不連続性が是正されて、この接合部分にお
ける間隙や段差の発生を防止でき、フォトカソード電子
銃が安定して電子ビームを生成できるようになる。
【0057】(2)請求項2に記載したように、フォト
カソードが取り付けられるフォトカソード電子銃の内壁
と、フォトカソードとは異なる素材が用いられ、かつ、
内壁とフォトカソードとの接合部分に、内壁を構成する
素材とフォトカソードを構成する素材との拡散接合層が
形成されている構成とすると、フォトカソードと内壁と
の接合部分に形成された拡散接合層において、フォトカ
ソードと内壁との素材の混合比がほぼ連続的に変化する
ので、線膨張係数も連続的な滑らかな変化となり、この
接合部分における間隙や段差の発生を防止でき、フォト
カソード電子銃が安定して電子ビームを生成できるよう
になる。
【0058】(3)請求項3に記載に記載したように、
フォトカソード電子銃の内壁の素材を銅(Cu)とし、
フォトカソードの素材として、マグネシウム(Mg)、
サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、イットリウ
ム(Y)等の金属単体又はWBaO、Cs2Te等の化
合物を用いるように構成すると、高強度で安定した電子
ビームが提供できるフォトカソードとすることができ
る。
【0059】(4)本発明のフォトカソード高周波電子
銃は、請求項4に記載したように、光電子発生用レーザ
ーをフォトカソードに照射し、高周波加速空洞に高周波
を供給して、所望のエネルギーの電子ビームを生成する
フォトカソード高周波電子銃において、請求項1乃至3
のいずれかに記載のフォトカソードを具備した構成とす
ると、高周波加速空洞に高電圧の高周波を供給するフォ
トカソード高周波電子銃において、高強度で安定した電
子ビームが提供できるようになり、特に、効果的であ
る。
【0060】(5)本発明のフォトカソードの製作方法
は、請求項5に記載したように、フォトカソードが取り
付けられるフォトカソード電子銃の内壁と、フォトカソ
ードとは異なる素材が用いられ、かつ、内壁とフォトカ
ソードとの接合部分に、内壁を構成する素材とフォトカ
ソードを構成する素材との混合層を形成するようにする
と、フォトカソード電子銃の内壁とフォトカソードとの
接合部分における線膨張係数の不連続性が是正されて、
この接合部分における間隙や段差の発生を防止でき、フ
ォトカソード電子銃が安定して電子ビームを生成できる
フォトカソードの製作方法とすることができる。
【0061】(6)請求項6に記載したように、フォト
カソードが取り付けられるフォトカソード電子銃の内壁
と、フォトカソードとは異なる素材が用いられ、かつ、
内壁とフォトカソードとの接合部分に、内壁を構成する
素材とフォトカソードを構成する素材との拡散接合層を
形成するようにすると、フォトカソードと内壁との接合
部分に形成された拡散接合層において、フォトカソード
と内壁との素材の混合比がほぼ連続的に変化するので、
線膨張係数も連続的な滑らかな変化となり、この接合部
分における間隙や段差の発生を防止でき、フォトカソー
ド電子銃が安定して電子ビームを生成できるようにな
る。
【0062】(7)請求項7に記載したような工程とす
ると、内壁を構成する原子とフォトカソードを構成する
原子とが拡散する速度が速まり、それぞれの原子間距離
が短くなり、拡散接合の効率が向上したフォトカソード
の製作方法とすることができる。 (8)また、各設定値を調整することで、フォトカソー
ドに用いる素材の特性を損なわないようにすることが可
能である。
【0063】(9)請求項8に記載したように、フォト
カソード電子銃の内壁の素材に銅を用い、フォトカソー
ドの素材にマグネシウムを用い、一体物を加圧・加熱容
器内で昇温する際の所定の圧力を500乃至1200気
圧、所定の昇温時間を約2時間、所定の温度を300乃
至475℃とするようにすると、内壁を構成する銅原子
とフォトカソードを構成するマグネシウム原子とが拡散
し、それぞれの原子間距離が短くなり、拡散接合の効率
が向上する。 (10)また、フォトカソードに用いられる量子効率が
良好であるというマグネシウムの優れた特性を維持する
ことができる。
【0064】(11)請求項9に記載したように、フォ
トカソードの素材にマグネシウムを用い、一体物の昇温
後、この一体物を加圧・加熱容器内で加圧・加熱保持す
る所定の圧力を、500乃至1200気圧とするように
すると、内壁を構成する銅原子とフォトカソードを構成
するマグネシウム原子とが拡散し、それぞれの原子間距
離が短くなり、拡散接合の効率が向上する。
【0065】(12)請求項10に記載したようにフォ
トカソード電子銃の内壁の素材に銅を用い、フォトカソ
ードの素材にマグネシウムを用い、一体物の昇温後、こ
の一体物を加圧・加熱容器内で加圧・加熱保持する所定
の温度を、300乃至475℃とするようにすると、内
壁を構成する銅原子とフォトカソードを構成するマグネ
シウム原子とが拡散し、それぞれの原子間距離が短くな
り、拡散接合の効率が向上する。 (13)また、フォトカソードに用いられる量子効率が
良好であるというマグネシウムの優れた特性を維持する
ことができる。
【0066】(14)請求項11に記載したように、フ
ォトカソード電子銃の内壁の素材に銅を用い、フォトカ
ソードの素材にマグネシウムを用い、一体物の昇温後、
この一体物を加圧・加熱容器内で加圧・加熱保持する所
定の時間を、2乃至5時間とするようにすると、内壁を
構成する銅原子とフォトカソードを構成するマグネシウ
ム原子とが拡散し、それぞれの原子間距離が短くなり、
拡散接合の効率が向上する。 (15)また、フォトカソードに用いられる量子効率が
良好であるというマグネシウムの優れた特性を維持する
ことができる。 (16)更に、高品位のフォトカソードの製作効率が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフォトカソードの構造を示す縦断側面
図である。
【図2】本発明のフォトカソードの製作方法の第1工程
を示す縦断側面図である。
【図3】本発明のフォトカソードの製作方法の第2工程
を示す縦断側面図である。
【図4】本発明のフォトカソードの製作方法の第3工程
を示す縦断側面図である。
【図5】本発明のフォトカソードの製作方法の第4工程
を示す縦断側面図である。
【図6】フォトカソード高周波電子銃の構成を示す縦断
側面図である。
【図7】図6の一部拡大図で、同図(a)は内壁にフォ
トカソードを埋め込む前の縦断側面図で、同図(b)は
内壁にフォトカソードを埋め込んだ後の縦断側面図であ
る。
【符号の説明】
10:フォトカソード 12:拡散接合層 20:内壁 30:蓋体 32:一体物 50:加圧・加熱容器 200:フォトカソード高周波電子銃 L2:光電子発生用レーザー
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 3/02 H01J 3/02 9/12 9/12 A 37/073 37/073 H05H 7/08 H05H 7/08 7/18 7/18 Fターム(参考) 2G085 BA01 BA05 BE06 EA01 EA04 4E067 AA06 AA07 BA00 BA06 DA08 DB01 DC03 DC06 DD02 EA04 EB00 5C027 EE05 EE07 EE15 5C030 CC10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光電子発生用レーザーをフォトカソード
    に照射し、所望のエネルギーの電子ビームを生成するフ
    ォトカソード電子銃に用いられるフォトカソードにおい
    て、 フォトカソードが取り付けられる前記フォトカソード電
    子銃の内壁と、前記フォトカソードとは異なる素材が用
    いられ、 かつ、前記内壁と前記フォトカソードとの接合部分に、
    前記内壁を構成する素材と前記フォトカソードを構成す
    る素材との混合層が形成されていることを特徴とするフ
    ォトカソード。
  2. 【請求項2】 光電子発生用レーザーをフォトカソード
    に照射し、所望のエネルギーの電子ビームを生成するフ
    ォトカソード電子銃に用いられるフォトカソードにおい
    て、 フォトカソードが取り付けられる前記フォトカソード電
    子銃の内壁と、前記フォトカソードとは異なる素材が用
    いられ、 かつ、前記内壁と前記フォトカソードとの接合部分に、
    前記内壁を構成する素材と前記フォトカソードを構成す
    る素材との拡散接合層が形成されていることを特徴とす
    るフォトカソード。
  3. 【請求項3】 上記フォトカソード電子銃の内壁の素材
    を銅(Cu)とし、上記フォトカソードの素材として、
    マグネシウム(Mg)、サマリウム(Sm)、テルビウ
    ム(Tb)、イットリウム(Y)等の金属単体又はWB
    aO、Cs2Te等の化合物を用いるようにしたことを
    特徴とする請求項1又は2に記載のフォトカソード。
  4. 【請求項4】 光電子発生用レーザーをフォトカソード
    に照射し、高周波加速空洞に高周波を供給して、所望の
    エネルギーの電子ビームを生成するフォトカソード高周
    波電子銃において、 請求項1乃至3のいずれかに記載のフォトカソードを具
    備したことを特徴とするフォトカソード高周波電子銃。
  5. 【請求項5】 光電子発生用レーザーをフォトカソード
    に照射し、所望のエネルギーの電子ビームを生成するフ
    ォトカソード電子銃に用いられるフォトカソードの製作
    方法において、 このフォトカソードが取り付けられる前記フォトカソー
    ド電子銃の内壁と、前記フォトカソードとは異なる素材
    が用いられ、 かつ、前記内壁と前記フォトカソードとの接合部分に、
    前記内壁を構成する素材とフォトカソードを構成する素
    材との混合層を形成するようにしたことを特徴とするフ
    ォトカソードの製作方法。
  6. 【請求項6】 光電子発生用レーザーをフォトカソード
    に照射し、所望のエネルギーの電子ビームを生成するフ
    ォトカソード電子銃に用いられるフォトカソードの製作
    方法において、 このフォトカソードが取り付けられる前記フォトカソー
    ド電子銃の内壁と、前記フォトカソードとは異なる素材
    が用いられ、 かつ、前記内壁と前記フォトカソードとの接合部分に、
    前記内壁を構成する素材とフォトカソードを構成する素
    材との拡散接合層を形成するようにしたことを特徴とす
    るフォトカソードの製作方法。
  7. 【請求項7】 光電子発生用レーザーをフォトカソード
    に照射し、所望のエネルギーの電子ビームを生成するフ
    ォトカソード電子銃に用いられるフォトカソードで、か
    つ、このフォトカソードが取り付けられる前記フォトカ
    ソード電子銃の内壁と、前記フォトカソードとは異なる
    素材が用いられるフォトカソードの製作方法において、 先ず、上記フォトカソード電子銃の内壁に設けたフォト
    カソードの埋め込み用穴にフォトカソードを押し込み、 次に、前記内壁と同一素材で構成された蓋体を被せて溶
    接して一体物と成し、 次に、この一体物を加圧・加熱容器内で、所定の圧力、
    所定の昇温時間で、所定の温度に昇温し、かつ、昇温後
    は所定の圧力、所定の時間、所定の温度で加圧・加熱保
    持し、 次に、この一体物を切削・研磨加工し、 前記内壁と前記フォトカソードとの接合部分に、前記内
    壁を構成する素材とフォトカソードを構成する素材との
    拡散接合層を形成するようにしたことを特徴とするフォ
    トカソードの製作方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のフォトカソードの製作
    方法において、 上記フォトカソード電子銃の内壁の素材に銅を用い、 上記フォトカソードの素材にマグネシウムを用い、 上記一体物を加圧・加熱容器内で昇温する際の所定の圧
    力を500乃至1200気圧、所定の昇温時間を約2時
    間、所定の温度を300乃至475℃とするようにした
    ことを特徴とするフォトカソードの製作方法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載のフォトカソードの製作
    方法において、 上記フォトカソード電子銃の内壁の素材に銅を用い、 上記フォトカソードの素材にマグネシウムを用い、 上記一体物の昇温後、この一体物を加圧・加熱容器内で
    加圧・加熱保持する所定の圧力を、500乃至1200
    気圧とするようにしたことを特徴とするフォトカソード
    の製作方法。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載のフォトカソードの製
    作方法において、 上記フォトカソード電子銃の内壁の素材に銅を用い、 上記フォトカソードの素材にマグネシウムを用い、 上記一体物の昇温後、この一体物を加圧・加熱容器内で
    加圧・加熱保持する所定の温度を、300乃至475℃
    とするようにしたことを特徴とするフォトカソードの製
    作方法。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載のフォトカソードの製
    作方法において、 上記フォトカソード電子銃の内壁の素材に銅を用い、 上記フォトカソードの素材にマグネシウムを用い、 上記一体物の昇温後、この一体物を加圧・加熱容器内で
    加圧・加熱保持する所定の時間を、2乃至5時間とする
    ようにしたことを特徴とするフォトカソードの製作方
    法。
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