JP2002311664A - ローラ及び熱定着装置 - Google Patents

ローラ及び熱定着装置

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JP2002311664A
JP2002311664A JP2001115534A JP2001115534A JP2002311664A JP 2002311664 A JP2002311664 A JP 2002311664A JP 2001115534 A JP2001115534 A JP 2001115534A JP 2001115534 A JP2001115534 A JP 2001115534A JP 2002311664 A JP2002311664 A JP 2002311664A
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roller
foam
foam layer
polyimide
layer
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JP2001115534A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Omoto
充 尾本
Yoshiyuki Iwasaki
良幸 岩崎
Satoshi Kondo
敏 近藤
Yoshio Iwata
義夫 岩田
Yoshikage Echigo
良影 越後
Hisashirou Eguchi
寿史朗 江口
Ko Takeuchi
耕 竹内
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Inoac Corp
Unitika Ltd
Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性及び断熱性に優れ、静電転写式の画像
形成装置部に使用した場合には電力消費の削減を実現で
きるローラ及び熱定着装置を提供する。 【解決手段】 芯材周面に発泡体層を設け、前記発泡体
層をポリイミド発泡体として、ローラを構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ローラに関し、特
には電子写真複写機やレーザビームプリンタ等のよう
な、静電転写によって画像(文字を含む)を印刷する装
置の画像形成装置部に好適なローラ及び熱定着装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機やレーザービームプリン
タ等は、据え置きタイプからデスクトップタイプへの移
行が進み、またオフィスユースからホームユースへ需要
が広がるにしたがい、消費電力の低減が強く要求される
ようになってきた。
【0003】前記電子写真複写機やレーザービームプリ
ンタ等のような静電転写式の画像形成装置部を有する機
器においては、その消費電力の80%強が画像形成装置
部のトナー定着器関連で消費されている。そのため、前
記画像形成装置部で消費電力を削減できれば、節電効果
が大きなものとなる。
【0004】前記画像形成装置部におけるトナーの定着
には種々のシステムが存在し、現在主流になっているも
のとして、ヒートローラ定着システムがある。このヒー
トローラ定着システムにおいては、加熱ローラと加圧ロ
ーラが直接又は転写材(紙やOHPフィルム等)を介し
て接触するようにして設けられ、前記加熱ローラと加圧
ローラ間で転写材を加圧しながら、加熱ローラの熱によ
って転写材にトナーを定着するようにしている。その
際、加熱ローラは転写待機時にも180℃〜190℃に
加温した状態とされ、速やかに転写できるようにされ
る。前記加熱ローラとしては、金属製の芯管の内部に加
熱用のハロゲンランプを挿入し、前記芯管の周面をフッ
素樹脂やシリコーン樹脂で被覆した構造のものが一般的
である。また、前記加圧ローラとしては、芯材の周面に
シリコ−ンゴム等の弾性層を設けたものが多用されてい
る。
【0005】また、前記定着に関する他のシステムとし
て、前記加熱ローラに代えてフィルムベルトを使用する
サーフ方式やオンデマンド方式が提案されている。この
サーフ方式やオンデマンド方式においては、フィルムベ
ルトと転写材とのニップ部を集中的に180℃以上に加
熱するようになっている。
【0006】しかし、前記ヒートローラ定着システムに
おいては、加熱ローラと直接あるいは転写材を介して接
触する加圧ローラやその他のローラに熱が奪われるた
め、熱効率が悪く、電力消費が嵩んでいた。また、前記
サーフ方式やオンデマンド方式においても、転写材に対
してフィルムベルトとは反対側に加圧ローラが設けられ
ており、この加圧ローラに熱が奪われるため、熱効率が
悪く、電力消費が嵩んでいた。
【0007】さらに、前記のように、いずれの定着シス
テムにおいても、画像形成装置部に使用される各種のロ
ーラは非常に高温になるため、耐熱性が不十分である
と、耐久性に劣るようになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の点に鑑
みなされたものであり、耐熱性及び断熱性に優れ、静電
転写式の画像形成装置部に使用した場合には電力消費の
削減を実現できるローラ及び熱定着装置を提供するもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のローラは、芯材
周面に発泡体層が設けられ、前記発泡体層がポリイミド
発泡体からなることを特徴とする。
【0010】前記芯材はこのローラが回転する際に、あ
るいは長期間のローラ使用によっても変形等を生じるこ
とのない機械的強度を有する適宜のものとされる。具体
的には、ステンレス鋼、アルミニウム、鉄等のような金
属あるいは前記機械的強度及び耐熱性を有する樹脂製の
中実又は中空の断面円形等をした棒状体が芯材に用いら
れる。
【0011】前記芯材周面の発泡体層は、ポリイミド発
泡体からなる。このポリイミド発泡体によって芯材周面
の発泡体層を構成することにより、耐熱性及び断熱性に
優れ、しかも発泡体層の加工(研磨や切断等)が容易な
ローラが得られる。
【0012】前記ポリイミド発泡体からなる発泡体層
は、50℃における熱伝導率(JISA9514準拠)
が0.055W/m・K以下、示差走査熱量解析(DS
C)により測定したガラス転移温度(Tg)が200℃
以上のものが好ましい。50℃における熱伝導率を0.
055W/m・K以下とすれば、断熱性が高くなって、
このローラを画像形成装置部に使用した場合に熱効率を
向上でき、所定の温度まで加熱するためのウオーム時間
を短縮して電力消費の削減を実現することができるよう
になる。さらに、前記発泡体層として、150℃におけ
る熱伝導率が0.065W/m・K以下のものを用いる
ようにすれば、前記高温の画像形成装置部における加熱
ローラ等の熱効率が一層向上し、電力消費量削減量が一
層増大するようになる。
【0013】また、前記ポリイミド発泡体からなる発泡
体層は、示差走査熱量解析(DSC)により測定したガ
ラス転移温度(Tg)が200℃未満であると、前記画
像形成装置部でのローラ使用時にローラの発泡体層が耐
熱性不足になって熱変形を生じ、印字(転写)特性が劣
化することがある。
【0014】前記のように、ポリイミド発泡体からなる
発泡体層は、熱伝導率を0.055W/m・K以下、ガ
ラス転移温度(Tg)を200℃以上とすることによ
り、耐熱性及び断熱性に一層優れたものとなり、350
℃程度まで変形等を生じることなく安定するので、画像
形成装置部におけるローラの構成部材として好適なもの
である。
【0015】さらに好ましいポリイミド発泡体からなる
発泡体層は、示差走査熱量解析(DSC)により測定し
たガラス転移温度(Tg)が235〜400℃である。
この範囲の物性とすれば、前記発泡体層は、より優れた
機械的特性、耐火性、耐熱性及び断熱性を発揮するよう
になり、画像形成装置部用ローラのように、高温状態で
使用され、しかも表面の変形等が印字(転写)特性等に
悪影響を与える用途のローラ構成部材として最適なもの
となる。さらにより好ましくは、熱重量解析(TGA)
により測定した204℃での重量損失が0〜1%からな
るものである。
【0016】前記ポリイミド発泡体からなる発泡体層の
厚みは、好ましくは0.5〜30mmである。前記厚み
が0.5mmよりも薄いとローラの発泡体層における断
熱性が損なわれ、また厚みが30mmを超えると、芯材
から発泡体層表面までの距離が大になるため、ローラ使
用時に発泡体層表面が変形し易くなったり、嵩張りすぎ
るようになったりして実用的なローラとしての機能が損
なわれるようになる。前記厚みは、より好ましくは1〜
20mmである。
【0017】前記の特性を有するポリイミド発泡体は、
一般式(1)に示す繰り返し単位を有する芳香族ポリイ
ミドからなるものが好適である。
【0018】
【化2】
【0019】前記式中、Rは1〜5個の6つの炭素原子
からなる不飽和ベンゼン環を持つ4価の芳香族残基であ
り、4つのカルボニル基はR残基のベンゼン環中の異な
った炭素原子に直接連結しており、4つのカルボニル基
は2つの対を成し、R残基のベンゼン環中の隣接する炭
素原子に連結している。R’は1〜5個の6つの炭素原
子からなる不飽和ベンゼン環を有する2価の芳香族残基
であり、アミノ基はR’残基中のベンゼン環の異なる炭
素原子に直接結合している。
【0020】前記一般式(1)の繰り返し単位を有する
ポリイミド発泡体は、例えば、特公表2000−515
584号公報に記載されているような、固体状芳香族ポ
リイミド前駆体を加熱発泡する方法により製造すること
ができる。この方法では、まず、固体状芳香族ポリイミ
ド前駆体を調製する。この固体状芳香族ポリイミド前駆
体の製造は、芳香族酸二無水物又は芳香族酸二無水物誘
導体である芳香族化合物(A)と芳香族ジアミン又は芳
香族ジアミン誘導体である芳香族化合物(B)の略等モ
ル混合物と、この混合物と水素結合によって錯体を形成
し沸点が200℃以下である錯形成剤(C)と、溶剤と
からなる混合溶液から、過剰な錯形成剤(C)と溶剤を
加熱により除去することによって得られる固体を、粉砕
することによって行われる。前記固体状芳香族ポリイミ
ド前駆体における錯形成剤(C)の含有量は、固体状芳
香族ポリイミド前駆体と錯形成剤の合計重量に対して1
〜15重量%である。
【0021】前記芳香族化合物(A)と芳香族化合物
(B)は、次式で表される。式中nは0〜3の整数、R
1は水素又はアルキル基、R2は1〜5個の6つの炭素
原子からなる不飽和ベンゼン環を持つ4価の芳香族残
基、R3は1〜5個の6つの炭素原子からなる不飽和ベ
ンゼン環を有する2価の芳香族残基である。
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】次に、前記1〜15重量%の錯形成剤
(C)を含む固体状芳香族ポリイミド前駆体を100〜
200℃に加熱して発泡させ、さらにこの発泡体を20
0〜300℃に加熱して熱イミド化し、この熱イミド化
した発泡体を冷却することにより、前記一般式(1)の
繰り返し単位を有するポリイミド発泡体が得られる。な
お、前記固体状芳香族ポリイミド前駆体の製造時に使用
する錯形成剤の含有量を調整することにより、得られる
ポリイミド発泡体の密度の制御を行うことができる。ま
た、必要に応じて、界面活性剤、顔料、繊維状フィラー
などを適宜添加することもできる。
【0025】また、前記芯材周面への発泡体層の形成
は、ブロック状に形成したポリイミド発泡体を所要の厚
みにスライスしてシート状にし、このポリイミド発泡体
シートを、ポリイミド系やエポキシ系等の耐熱性接着剤
又は粘着剤を介して前記芯材周面に巻きつけて接着する
ことにより行うことができる。また、ローラにおける発
泡体層の厚み精度を増すため、スライスして得られたポ
リイミド発泡体シートを熱プレスしたり、ローラ形成後
の発泡体層表面を砥石等で研磨加工したりしてもよい。
【0026】前記発泡体層の周面には、シリコーン樹脂
層又はフッ素樹脂層を積層してもよい。このシリコーン
樹脂層又はフッ素樹脂層を設けることによって、ローラ
表面を耐候性、気密性の高いものにでき、本発明のロー
ラを、前記画像形成装置部での加圧ローラ、オイル塗布
ローラ、クリーニングローラなどに対して、より好適な
ものにできる。特に加圧ローラは、紙等の転写材を介し
て定着ローラ等と接触するように設けられ、前記転写材
の上にトナーで形成された画像を熱と圧力で転写材に定
着させる際に、転写材を背面から押圧するものであり、
前記耐熱性及び耐久性の他に、トナーに対する剥離性及
び非汚染性、耐シリコーンオイル性なども要求されるも
のであるため、前記シリコーン樹脂層又はフッ素樹脂層
からなる耐候性及び機密性の高い保護膜を発泡体層の周
面に設けたローラは、加圧ローラとして好適なものとな
る。
【0027】前記シリコーン樹脂層及びフッ素樹脂層
は、それぞれの樹脂に前記発泡体層をディッピングした
り、発泡体層表面にコーティングしたり、あるいはその
他公知の積層方法により発泡体層周面に形成される。そ
れらの積層方法の中でも、熱融着性を有する薄いシリコ
ーン樹脂チューブあるいはフッ素樹脂チューブを、前記
発泡体層表面に被せ、加熱して発泡体層表面に融着させ
る方法を採用すれば、前記シリコーン樹脂層又はフッ素
樹脂層を簡単に発泡体層周面に積層することができる。
【0028】
【実施例】(1)ポリイミド発泡体の製造 ・実施例1 2.4molのBTDA(3,3’,4,4’−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物)を、480gのT
HF(テトラヒドロフラン)と280gのメタノールに
室温で分散させ、70℃に加熱して6時間撹拌し、BT
DAをTHFと水素結合により錯体を形成したBTDA
のジメチルエステルの均一溶液を得た。この溶液に2.
4molの4,4’ODA(4,4’−オキシジアニリ
ン)を添加して2時間撹拌し、均一なポリイミド前駆体
溶液を得た。
【0029】前記ポリイミド前駆体溶液をステンレス製
のバットに流延し、溶媒(THF及びメタノール)を留
去するために70℃で14時間乾燥した。この乾燥物を
冷却し、2〜500μmのサイズに粉砕した。この粉砕
物をさらに80℃で30〜200分加熱し、THF含有
量が、4.5wt%、3wt%、2wt%の固体状芳香
族ポリイミド前駆体を得た(4.5wt%の前駆体をP
1,3wt%の前駆体をP2,2wt%の前駆体をP3
とする)。
【0030】前記固体状芳香族ポリイミド前駆体P1,
P2,P3をカーボン製のモールドチャンバー(金型)
にそれぞれ別々に充填し、このモールドチャンバーを熱
板によって140℃で60分間加熱した。さらに前記モ
ールドチャンバーを、300℃に予め加熱した窒素置換
オーブンにすばやく移して60分間加熱した。その後、
室温まで冷却し、見掛け密度がそれぞれ30kg/
3、80kg/m3、130kg/m3のポリイミド発
泡体を得た(これらのポリイミド発泡体をそれぞれ実施
例1のE1,E2,E3)とする。なお、このポリイミ
ド発泡体E1,E2,E3は、前記一般式(1)に示す
繰り返し単位を有する芳香族ポリイミドからなるもので
ある。
【0031】これら実施例1の発泡体E1,E2,E3
の示差走査熱量解析により測定したガラス転移温度(T
g)は297℃であった。また、50℃における熱伝導
率はそれぞれ0.034W/m・K、0.043W/m
・K、0.052W/m・Kであり、150℃における
熱伝導率は、それぞれ0.041W/m・K、0.05
3W/m・K、0.063W/m・Kであった。
【0032】・実施例2 実施例1におけるBTDAに代えてODPA(4,4’
−オキシジフタル酸二無水物)に、また4,4’ODA
に代えて3,4’ODA(3,4’−オキシジアニリ
ン)としたこと以外は、実施例1と同様にして見掛け密
度がそれぞれ30kg/m3、80kg/m3、130k
g/m3のポリイミド発泡体を得た(これらのポリイミ
ド発泡体をそれぞれ実施例2のF1,F2,F3)とす
る。なお、このポリイミド発泡体F1,F2,F3は、
前記一般式(1)に示す繰り返し単位を有する芳香族ポ
リイミドからなるものである。
【0033】これら実施例2の発泡体F1,F2,F3
の示差走査熱量解析により測定したガラス転移温度(T
g)は235℃であった。また、50℃における熱伝導
率はそれぞれ0.036W/m・K、0.045W/m
・K、0.053W/m・Kであり、150℃における
熱伝導率は、それぞれ0.042W/m・K、0.05
4W/m・K、0.062W/m・Kであった。
【0034】・実施例3 実施例1における4,4’ODAに代えて4,4’DD
S(4,4’−ジアミノジフェニルスルホン)としたこ
と以外は、実施例1と同様にして見掛け密度がそれぞれ
30kg/m3、80kg/m3、130kg/m3のポ
リイミド発泡体を得た(これらのポリイミド発泡体をそ
れぞれ実施例3のG1,G2,G3)とする。なお、こ
のポリイミド発泡体G1,G2,G3は、前記一般式
(1)に示す繰り返し単位を有する芳香族ポリイミドか
らなるものである。
【0035】これら実施例3の発泡体G1,G2,G3
の示差走査熱量解析により測定したガラス転移温度(T
g)は314℃であった。また、50℃における熱伝導
率はそれぞれ0.032W/m・K、0.042W/m
・K、0.051W/m・Kであり、150℃における
熱伝導率は、それぞれ0.040W/m・K、0.05
2W/m・K、0.062W/m・Kであった。
【0036】(2)ローラの製作 前記実施例1の発泡体E1〜E3、実施例2の発泡体F
1〜F3、実施例3の発泡体G1〜G3を約2mmの厚
みにスライスしてそれぞれ発泡体シートを得、これらの
発泡体シートを、それぞれ直径10mm、長さ30cm
のステンレス鋼製の芯材周面にエポキシ系接着剤で接着
し、平均厚さ約2mmの発泡体層を芯材周面に形成し
た。このようにして形成された各ローラを、60℃に調
温された加熱炉に入れ、発泡体層が剥離しない速度で回
転させ、発泡体層を強固に芯材周面に接着し、本発明の
実施例1〜3のローラをそれぞれ得た。
【0037】また、前記実施例1〜3のローラに対し、
収縮シリコーン樹脂チューブを発泡体層表面に被せ、高
周波で収縮シリコーン樹脂チューブを収縮させ、シリコ
ーン樹脂が発泡体層に積層された本発明の他の実施例に
係るローラをそれぞれ得た。
【0038】なお、前記ポリイミド発泡体の製造時にお
ける各原料の種類、添加量、温度設定等を調整すること
により、形成される発泡体の密度、熱伝導率、示差走査
熱量解析により測定したガラス転移温度(Tg)を変化
させることができる。
【0039】次の表はローラの芯材周面の被覆層として
使用されている従来の材質、例えばシリコーンゴムソリ
ッド、シリコーンフォーム、エーテル系ウレタンフォー
ムと、前記本発明の実施例1におけるポリイミド発泡体
E1〜3とに関する、密度、耐熱性、熱伝導率、断熱性
等の比較である。
【0040】
【表1】
【0041】表中ガラス転移温度(Tg)の測定は、示
差走査熱量解析(DSC)を用いて定圧下、熱容量の変
化と関係した変曲点から決定した。熱伝導率は、JIS
A9614に準拠して測定した。
【0042】表中の耐熱性に関し、ポリイミド発泡体は
式(1)に示すように線状高分子構造であり、ガラス転
移温度(Tg)以上の温度領域では熱変形を起こすた
め、ガラス転移温度(Tg)を耐熱性の指標とするとと
もに、耐熱性評価に際して、画像形成装置部でのローラ
の温度を考慮し、ガラス転移温度(Tg)が200℃以
上の場合に優れた耐熱性を有するもの(◎)とした。そ
れに対し、シリコーンフォーム、エーテル系ウレタンフ
ォームは、架橋構造を有する弾性変形体であり、一般に
ガラス転移温度(Tg)が、常温よりも低い温度域に存
在するため、ガラス転移温度で耐熱性評価を行うことが
できず、200℃加熱時における実際の変形や変質状態
によって判断した。特に、エーテル系ウレタンフォーム
は、200℃を超えると熱分解が始まるので、耐熱性が
劣ると判断した。またシリコーンゴムソリッドについて
も、200℃加熱時における実際の変形や変質状態によ
って判断した。
【0043】表中の断熱性については、50℃における
熱伝導率を用い、0.055W/m・以下の場合に非常
に断熱性に優れる(◎)、0.055〜0.1W/m・
Kの場合に断熱性に優れる(○)、0.1〜0.2W/
m・Kの場合に断熱性に劣る(△)、0.2W/m・以
上の場合に非常に断熱性に劣る(×)、とした。前記シ
リコーンフォームとポリイミド発泡体とを比較すると、
シリコーンフォームは発泡倍率が低く、フォーム中に取
り込まれる空気層・空気の量が少ないため、ポリイミド
発泡体に比べると、熱伝導率が低く断熱性に劣る。この
ように、本発明のローラは、芯材周面にポリイミド発泡
体からなる発泡体層を備えるため、そのポリイミド発泡
体による優れた耐熱性及び断熱性によって、画像形成装
置部での使用に好適なものとなり、画像形成装置部での
電力削減に大きく貢献することができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、芯材周面の発泡体層がポリイミド発泡体からな
るため、耐熱性及び断熱性に優れ、画像形成装置部での
使用に好適なローラとなり、しかも優れた断熱性により
画像形成装置部における電力削減効果を得ることができ
る。
【0045】請求項2の発明によれば、芯材周面のポリ
イミド発泡体からなる発泡体層が、50℃における熱伝
導率0.055W/m・K以下、示差走査熱量解析によ
り測定したガラス転移温度(Tg)200℃以上である
ため、耐熱性及び断熱性に優れ、画像形成装置部での使
用に最適なローラとなり、画像形成装置部における電力
削減効果を得ることができる。
【0046】請求項3の発明によれば、芯材周面のポリ
イミド発泡体からなる発泡体層が、50℃における熱伝
導率0.055W/m・K以下、示差走査熱量解析によ
り測定されたガラス転移温度(Tg)235〜400℃
であるため、耐熱性及び断熱性に一層優れ、画像形成装
置部での使用により最適なローラとなり、画像形成装置
部における大なる電力削減効果を得ることができる。
【0047】請求項4の発明によれば、発泡体層の厚み
が、0.5〜30mmであるため、画像形成装置部のロ
ーラとして好適なサイズにでき、しかも発泡体層による
断熱効果及び転写性も良好となる。
【0048】請求項5及び6の発明によれば、発泡体層
の周面にシリコーン樹脂層又はフッ素樹脂層が積層され
ているため、トナーに対する剥離性及び非汚染性、耐シ
リコーンオイル性などをローラに付与することができ
る。
【0049】請求項7の発明によれば、芯材周面の発泡
体層を構成するポリイミド発泡体として、耐熱性及び断
熱性等に優れるものが得られる。
【0050】請求項8の発明によれば、ローラが静電転
写式の画像形成装置部の加熱部に直接または転写材を介
して接する熱定着装置であるため、ローラの優れた断熱
性により画像形成装置部の電力削減を効率よく実現する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 9/02 CFG C08J 9/02 CFG F16C 13/00 F16C 13/00 A G03G 15/20 103 G03G 15/20 103 (72)発明者 岩崎 良幸 愛知県安城市今池町3−1−36 株式会社 イノアックコーポレーション安城事業所内 (72)発明者 近藤 敏 愛知県安城市今池町3−1−36 株式会社 イノアックコーポレーション安城事業所内 (72)発明者 岩田 義夫 愛知県安城市今池町3−1−36 株式会社 イノアックコーポレーション安城事業所内 (72)発明者 越後 良影 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 江口 寿史朗 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 竹内 耕 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 2H033 AA16 AA23 AA32 BB04 BB05 BB06 2H071 BA43 DA12 3J103 AA02 AA24 BA03 EA03 EA07 GA02 GA57 GA58 HA04 HA43 HA46 HA47 4F074 AA38 AA74 AA90 AD04 AD05 AH03 BA34 BA75 CA13 CC04Y CC05Y CE02 CE50 CE66 CE96 CE98 DA07 DA23 DA24 DA47 DA59 4F100 AB02 AK17C AK49B AT00A BA02 BA03 BA07 DD31 DJ01B GB31 JA05B JJ01B JJ02 JJ03 YY00B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材周面に発泡体層が設けられ、前記発
    泡体層がポリイミド発泡体からなることを特徴とするロ
    ーラ。
  2. 【請求項2】 発泡体層は、50℃における熱伝導率が
    0.055W/m・K以下、示差走査熱量解析により測
    定したガラス転移温度(Tg)が200℃以上であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のローラ。
  3. 【請求項3】 発泡体層は、50℃における熱伝導率が
    0.055W/m・K以下、示差走査熱量解析により測
    定されたガラス転移温度(Tg)が235〜400℃で
    あることを特徴とする請求項1に記載のローラ。
  4. 【請求項4】 発泡体層の厚みが、0.5〜30mmで
    あることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に
    記載のローラ。
  5. 【請求項5】 発泡体層の周面にシリコーン樹脂層が積
    層されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1
    項に記載のローラ。
  6. 【請求項6】 発泡体層の周面にフッ素樹脂層が積層さ
    れたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に
    記載のローラ。
  7. 【請求項7】 ポリイミド発泡体が、一般式(1)に示
    す繰り返し単位を有する芳香族ポリイミドからなること
    を特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のロ
    ーラ。 【化1】 式中、Rは1〜5個の6つの炭素原子からなる不飽和ベ
    ンゼン環を持つ4価の芳香族残基であり、4つのカルボ
    ニル基はR残基のベンゼン環中の異なった炭素原子に直
    接連結しており、4つのカルボニル基は2つの対を成
    し、R残基のベンゼン環中の隣接する炭素原子に連結し
    ている。R’は1〜5個の6つの炭素原子からなる不飽
    和ベンゼン環を有する2価の芳香族残基であり、アミノ
    基はR’残基中のベンゼン環の異なる炭素原子に直接結
    合している。
  8. 【請求項8】 ローラが静電転写式の画像形成装置部の
    加熱部に直接または転写材を介して接するものであるこ
    とを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の
    ローラを備える熱定着装置。
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