JP2002310808A - 電力ケーブル温度測定方法、電力ケーブル温度測定区間部構造、ならびに電力ケーブル温度測定区間部の構築方法 - Google Patents

電力ケーブル温度測定方法、電力ケーブル温度測定区間部構造、ならびに電力ケーブル温度測定区間部の構築方法

Info

Publication number
JP2002310808A
JP2002310808A JP2001120521A JP2001120521A JP2002310808A JP 2002310808 A JP2002310808 A JP 2002310808A JP 2001120521 A JP2001120521 A JP 2001120521A JP 2001120521 A JP2001120521 A JP 2001120521A JP 2002310808 A JP2002310808 A JP 2002310808A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power cable
cable
optical fiber
temperature
fiber cable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001120521A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Yamazaki
信雄 山崎
Noboru Maeda
昇 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
Original Assignee
Tokyo Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electric Power Co Inc filed Critical Tokyo Electric Power Co Inc
Priority to JP2001120521A priority Critical patent/JP2002310808A/ja
Publication of JP2002310808A publication Critical patent/JP2002310808A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)
  • Light Guides In General And Applications Therefor (AREA)
  • Laying Of Electric Cables Or Lines Outside (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力ケーブルの温度を正確に測定できる
技術を提供することである。 【解決手段】 3本の単位ケーブルを、隣合うもの同士
の周面が接するよう束ねてなる電力ケーブルの温度を、
光ファイバーケーブルを温度センサとして利用して測定
する方法であって、単位ケーブルによって包囲されてで
きる、電力ケーブルの延長方向に沿った連続空隙内に位
置させた光ファイバーケーブルを温度センサとして利用
して、電力ケーブルの温度を測定する電力ケーブル温度
測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバーケー
ブルを温度センサとして利用して、例えば地下などに設
置された電力ケーブルの温度を測定する技術に関するも
のである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】昨今、地下に設置され
た電力ケーブルの稼動率を向上させるべく、その温度測
定が実施されることが多い。これは電力ケーブルの温度
が、それを流れる電流(運用電流)の大きさと密接に関
係するからである。つまり電力ケーブルの温度を測れ
ば、その電力ケーブルに、どの程度、電流を流す余裕が
あるか判明する。
【0003】通常、こうした電力ケーブルの温度測定に
は、光ファイバーケーブルが温度センサとして用いられ
る。ここで、この光ファイバーケーブルの敷設状況につ
いて、図3を用いて簡単に説明する。なお同図は、電力
ケーブルが設置された地中管路内の様子を示す断面図で
ある。
【0004】図3中、11a〜11cは単位ケーブルで
あり、これらを隣合うもの同士の周面が接するよう撚り
合わせ、実質上、一体化することで、上記電力ケーブル
12ができ上がっている。また管路内には、サブダクト
と呼ばれる管体13が電力ケーブル12に沿って、特に
ここでは単位ケーブル11a,11bに沿って、その表
面を這うように配置されている。
【0005】温度センサとしての役割を果たす光ファイ
バーケーブル14は、この管体13内に納まった状態で
敷設(延線)されている。更に言えば管体13は、電力
ケーブル12を管路内に引き入れるのに先立って、この
電力ケーブル12に取り付けられる。一方、光ファイバ
ーケーブル14は、電力ケーブル12を管路内に引き入
れた後、例えば公知慣用のABF(Air Blown
Fiber)法などを用いて管体13内を圧送され
る。そして最終状態、つまり図3に示すごとく電力ケー
ブル12に沿って延線された状態となる。
【0006】なお、光ファイバーケーブルを温度センサ
として用いた温度測定法自体は既に公知であり、現在、
さまざまな分野で広く利用されている。ここで参考まで
に、その概要を簡単に説明する。
【0007】光ファイバーケーブルにパルス光を入射す
ると、それは光ファイバーケーブル中を進むうちに散乱
により減衰していく。この散乱光の大部分はレーリー散
乱光と呼ばれるもので、波長は入射光のそれと同じであ
る。ところが、上記散乱光の中には若干波長が変わるも
のがある。これはラマン散乱光と呼ばれ、波長が長くな
るストークス光と、逆に波長が短くなる反ストークス光
とに分けられる。このうち特に反ストークス光の強度
は、散乱を起こした位置における光ファイバーケーブル
の温度に依存する(関係式は省略)。それゆえ、この反
ストークス光の強度を計測すれば、光ファイバーケーブ
ルのある部位の温度を窺知することができる。
【0008】また、光ファイバーケーブル中で散乱を起
こした光の大部分は、そのまま外に放出されるが、一部
は光ファイバーケーブル中を逆進して、再び入射端に戻
ってくる。このため、パルス光を入射してから散乱光が
入射端に戻ってくるまでの時間を計測すれば(光速は既
知であるため)、その散乱が生じた位置を正確に特定す
ることができる。
【0009】総じて言うと、パルス光の入射後、入射端
に戻ってくるラマン散乱光の明るさを連続的に計測すれ
ば、その強度から温度情報を、また、戻ってくるまでに
要した時間から位置情報を得ることができる。光ファイ
バーケーブルを温度センサとして用いた場合には、この
ようにして温度情報および位置情報が、つまり温度分布
情報が得られる。
【0010】ところで、こうした温度測定技術にも、依
然として改善の余地が残されている。すなわち上記測定
法を用いた場合、それによって得られた温度情報と実際
の温度とが、無視できないほど相違することがある。具
体的には、実際よりも低い温度が測定結果として出力さ
れてしまう。そして、これは、電力ケーブルに更に大き
な電流を流すことが可能であるとの、誤った判断を下す
原因となる。それゆえ、電力ケーブルの温度を正確に測
定できる技術の開発が急務となっている。
【0011】また上記測定法には、光ファイバーケーブ
ルを収納する管体が取り付けられない状態のまま、電力
ケーブルが既に管路内に設置されている場合には対応で
きないという問題がある。これは、光ファイバーケーブ
ル収納用の管体が併設されていない既設の電力ケーブル
に沿っては、光ファイバーケーブルを敷設することがで
きなかったからである。
【0012】ちなみに上記管体を使用せず、電力ケーブ
ルと管路内面との間のスペースに直接、光ファイバーケ
ーブルを引き入れることも考えられる。だが、管路長が
極めて短い場合を除き、管路の一開放面から挿入した光
ファイバーケーブルの先端が、もう一方の開放面まで到
達することはない。つまり、こうした方法によって実際
に光ファイバーケーブルを敷設するのは不可能であり、
図3に示すような、温度測定が可能な様態(温度測定区
間部の構造)を実現することはできない。
【0013】したがって本発明が解決しようとする課題
は、電力ケーブルの温度を正確に測定できる技術を提供
することである。また、光ファイバーケーブルを収納す
る管体が取り付けられていない状態のまま、電力ケーブ
ルが既に地下に設置されている場合でも構築可能な、光
ファイバーケーブルを用いた温度測定区間部の構造およ
びその構築方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、3本の単
位ケーブルを、隣合うもの同士の周面が接するよう束ね
てなる電力ケーブルの温度を、光ファイバーケーブルを
温度センサとして利用して測定する方法であって、前記
単位ケーブルによって包囲されてできる、前記電力ケー
ブルの延長方向に沿った連続空隙内に位置させた前記光
ファイバーケーブルを前記温度センサとして利用して、
前記電力ケーブルの温度を測定することを特徴とする電
力ケーブル温度測定方法によって解決される。
【0015】また上記の課題は、3本の単位ケーブル
を、隣合うもの同士の周面が接するよう束ねてなる電力
ケーブルの温度を、光ファイバーケーブルを温度センサ
として利用して測定する区間部の構造であって、前記温
度センサとして利用する前記光ファイバーケーブルを、
前記単位ケーブルによって包囲されてできる、前記電力
ケーブルの延長方向に沿った連続空隙内に位置させたこ
とを特徴とする電力ケーブル温度測定区間部構造によっ
て解決される。
【0016】なお、本発明に係る電力ケーブル温度測定
区間部構造においては、光ファイバーケーブルをフレキ
シブルな管体に収納した状態で、電力ケーブルの連続空
隙内に位置させてなることが好ましい。これによって、
ダメージを与える恐れのある外的要因(例えば浸水な
ど)から、光ファイバーケーブルを更に確実に保護でき
るようになる。
【0017】翻って先の課題は、上記電力ケーブルの温
度を測定する区間部の構築方法であって、単位ケーブル
によって包囲されてできる、前記電力ケーブルの延長方
向に沿った連続空隙内に、管体および、この管体内に収
納されたロッドを備えてなる通線具を挿入する第1の工
程と、この第1の工程にて前記管体と共に前記連続空隙
内に挿入された前記ロッドを、前記管体内から引き抜く
と同時に、光ファイバーケーブルを前記管体内に引き入
れる第2の工程とを具備することを特徴とする電力ケー
ブル温度測定区間部の構築方法によって解決される。
【0018】あるいは先の課題は、上記電力ケーブルの
温度を測定する区間部の構築方法であって、単位ケーブ
ルによって包囲されてできる、前記電力ケーブルの延長
方向に沿った連続空隙内に、管体および、この管体内に
収納されたロッドを備えてなる通線具を挿入する第1の
工程と、この第1の工程にて前記管体と共に前記連続空
隙内に挿入された前記ロッドを、前記管体内から引き抜
く第2の工程と、この第2の工程の後、前記管体内に供
給される圧縮空気を利用して、前記管体内に光ファイバ
ーケーブルを送り込む第3の工程とを具備することを特
徴とする電力ケーブル温度測定区間部の構築方法によっ
て解決される。
【0019】更に先の課題は、上記電力ケーブルの温度
を測定する区間部の構築方法であって、単位ケーブルに
よって包囲されてできる、前記電力ケーブルの延長方向
に沿った連続空隙内に、管体および、この管体内に収納
されたロッドを備えてなる通線具を挿入する第1の工程
と、この第1の工程にて前記連続空隙内に挿入された前
記通線具を引き抜くと同時に、光ファイバーケーブルを
前記連続空隙内に引き入れる第2の工程とを具備するこ
とを特徴とする電力ケーブル温度測定区間部の構築方法
によって解決される。
【0020】さて本発明に係る電力ケーブル温度測定方
法は、電力ケーブルの内部に必然的に形成される、その
延長方向に沿った連続空隙内に位置させた光ファイバー
ケーブルを温度センサとして利用して、電力ケーブルの
温度を測定するものである。こうした方法を採用した場
合、温度センサとして機能する光ファイバーケーブル
は、それを取り囲む電力ケーブルによって、正確には、
束ねられた複数の単位ケーブルによって外界から隔絶さ
れた状態となる。このため光ファイバーケーブルは外的
要因の影響を受けにくく、それを用いて得られる温度情
報と実際の温度との相違は無視できる程度に抑えられ
る。いいかえれば、本発明の電力ケーブル温度測定方法
を用いることで、電力ケーブルの温度を正確に測定でき
るようになり、この結果、電力ケーブルを高効率で稼動
させることが可能となる。
【0021】また、本発明に係る電力ケーブル温度測定
区間部構造は、温度センサとして利用される光ファイバ
ーケーブルを、電力ケーブル内部の連続空隙内に位置さ
せたものである。そして更に、本発明に係る温度測定区
間部の構築方法では、管体およびロッドを備えた通線具
を、電力ケーブル内部の連続空隙内に挿入し、その後、
この通線具を用いて同連続空隙内に光ファイバーケーブ
ルを位置させるようにしている。
【0022】ところで電力ケーブルの連続空隙内には、
そこを進む通線具(あるいは光ファイバーケーブル)に
とって障害となるものが存在しない上、その途中には開
口も存在しない。よって、連続空隙内を進む通線具(あ
るいは光ファイバーケーブル)が行く手を阻まれたり、
そこから逸脱したりすることはない。すなわち電力ケー
ブル内の連続空隙を案内路として利用すれば、光ファイ
バーケーブルの敷設(延線)が極めて容易に行えるよう
になる。
【0023】こうした理由から本発明の技術は、光ファ
イバーケーブルを収納する管体(サブダクト)が取り付
けられない状態のまま、電力ケーブルが管路内つまり地
中に設置されている場合でも、何ら問題なく、これに対
応することが可能である。いいかえれば本発明の技術を
用いることで、光ファイバーケーブル収納用の管体が併
設されていない既設の電力ケーブルに沿って、光ファイ
バーケーブルを敷設することができるようになる。
【0024】ここで参考までに言うと、電力ケーブル内
部の連続空隙、すなわち3本の単位ケーブルによって囲
まれてできる空隙の断面は、当然のことながら三叉状の
ものである。そして更に、単位ケーブルの径がRであ
るとき、この三叉状の図形に内接する円の直径、したが
って連続空隙内にちょうど納まる太さの光ファイバーケ
ーブルの径(あるいは管体の外径)Rは、 R≒0.1547×R となる。具体的には、Rが例えば52.0mm、5
4.7mm、57.1mm、61.9mmの場合、R
はそれぞれ8.04mm、8.46mm、8.83m
m、9.58mmである。
【0025】だが実際には、単位ケーブル表面との摩擦
による抵抗や局所的な連続空隙断面の減縮があるため、
この計算値をそのまま採用することはできない。光ファ
イバーケーブルの敷設作業(温度測定区間部の構築作
業)の容易性とスペース効率とのバランスを考慮する
と、上記計算値の約80%程度の値が、光ファイバーケ
ーブルの径(あるいは管体の外径)としては最も好まし
い。
【0026】
【発明の実施の形態】図1および図2を用いて、本発明
の第1実施形態を具体的に説明する。なお、図1は本実
施形態に係る電力ケーブル温度測定区間部の構造を示す
その断面図(一部拡大断面図)、図2(a),(b),
(c)は本実施形態に係る電力ケーブル温度測定区間部
の構築方法を用いた際の、光ファイバーケーブルの敷設
手順を示す概念図である。
【0027】本実施形態に係る電力ケーブル温度測定方
法(以下、本測定方法と言う)は、光ファイバーケーブ
ルを温度センサとして利用して、地下管路内に設置され
ている電力ケーブルの温度を測定するものである。ここ
で、まず図1を用いて、実質上、敷設される光ファイバ
ーケーブルを保護および支持する役割を果たしている電
力ケーブルの構造について説明する。
【0028】図中、1a〜1cは単位ケーブルであり、
これら3本の単位ケーブル1a〜1cを、隣合うもの同
士の周面が接するよう束ねることで、上記電力ケーブル
2ができ上がっている。なお、単位ケーブル1a〜1c
は撚り合わされ、互いに絡まり合っており、実質上、一
体となっている。したがって、単位ケーブル個々は螺旋
状である。ちなみに図1に示す電力ケーブル2は、「ト
リプレックス型CVケーブル」と呼ばれるもので、特に
図示してはいないが、単位ケーブル1a〜1cのそれぞ
れは、中心に位置する銅製の導体と、それを取り囲む絶
縁層や保護層、そして防食層などからできている。
【0029】こうした構造の電力ケーブル2の内部(中
央)には、上記単位ケーブル1a〜1cによって包囲さ
れてできる連続空隙3が存在する。この連続空隙3は電
力ケーブル2の延長方向に沿って延びており、大きさが
ほぼ一定の三叉状の断面を有する。本温度測定方法は、
この連続空隙3内に位置させた光ファイバーケーブル4
を温度センサとして利用して、電力ケーブル2の温度を
測定するものである。つまり、光ファイバーケーブル4
の基端側からパルス光を入射し、その後、再び入射端に
戻ってくるラマン散乱光の明るさを連続的に計測するこ
とで、その強度から温度情報を、また、戻ってくるまで
に要した時間から位置情報を得る。本実施形態では、こ
のようにして温度センサである光ファイバーケーブル4
から、温度情報および位置情報を、つまり温度分布情報
を得るようにしている。
【0030】なお、光ファイバーケーブル4の基端側に
は、パルス光を入射する装置や、再び入射端に戻ってく
るラマン散乱光の明るさを連続的に計測する装置などが
接続される。しかし、これらの装置については、既存の
ものを利用できるので図示説明を省略した。
【0031】更に言えば本実施形態では、上記連続空隙
3内に光ファイバーケーブル4を単独で配置するのでは
なく、それをポリエチレンなどからなるフレキシブルな
管体5に収納した状態で連続空隙3内に配置している。
ちなみに、ここでは管体5として、外径が、上記三叉状
の図形に内接する円の直径の80%程度であるものを用
いた。
【0032】続いて、上記説明と一部内容が重複する
が、本実施形態に係る電力ケーブル温度測定区間部構造
(以下、本温度測定区間部構造と言う)について解説す
る。
【0033】本温度測定区間部構造もやはり図1に示す
ように、3本の単位ケーブル1a〜1cを、隣合うもの
同士の周面が接するよう束ねて構成した電力ケーブル2
の温度を、光ファイバーケーブル4を温度センサとして
利用して測定する区間部に採用されたものである。特に
本実施形態では、図1に拡大して示すように、温度セン
サとして機能する光ファイバーケーブル4を、電力ケー
ブル2の内部に、すなわち単位ケーブル1a〜1cによ
って包囲されてできる連続空隙3内に配置している。更
に上述したように、光ファイバーケーブル4はフレキシ
ブルな管体5に収納された状態で、電力ケーブル2内部
の連続空隙3内に位置させられている。
【0034】続いて、図1に示す、電力ケーブル温度測
定区間部の構築が完了した状態を実現するまでの手順、
いいかえれば、本実施形態に係る電力ケーブル温度測定
区間部の構築方法(以下、本構築方法と言う)を用い
た、上記温度測定区間部の構築作業の手順について、図
2を用いて詳しく説明する。
【0035】本構築方法の実施に際しては、まず通線具
6を準備する〔図2(a)参照〕。この通線具6は概し
て言うと、上記管体5と、その内部に収納され、かつ、
管体5とほぼ等しい長さを有するロッド7とからできて
いる。このうちロッド7は、例えば繊維強化プラスチッ
クなどから構成されたもの(あるいはピアノ線などでも
可)であり、十分な剛性を有している。したがって、こ
のロッド7を用いて形成された通線具6は、所要の直進
性を備えたものとなっている。
【0036】さて通線具6を準備したならば、その先端
を上記連続空隙3内に挿入する〔第1の工程:図2
(a),(b)参照〕。なお本作業は、通常、マンホー
ル内にて実施されることになる。これは、マンホール内
では、他の電力ケーブルとの接続のために撚り合わせが
解かれ、電力ケーブル2の端部は3本の単位ケーブル1
a〜1cに分岐しているからである。通線具6の連続空
隙3内への挿入は、この電力ケーブル2の分岐点にでき
る開口8を利用して行われることになる。なお、一般に
マンホールの間隔は最大でも数百m程度であり、したが
って一回の作業で使用される通線具6の長さ(=一度の
作業で敷設される光ファイバーケーブル4の長さ)も同
じく数百m程度である。
【0037】上記第1の工程に続いては、同工程にて管
体5と共に連続空隙3内に挿入されたロッド7を、挿入
側とは反対の側より管体5内から引き抜く。そして、こ
れと同時に光ファイバーケーブル4を管体5内に引き入
れる〔第2の工程:図2(c)参照〕。更に詳しく言う
と、ロッド7の引き抜きに先立って、その端部(後端
側)に光ファイバーケーブル4の端部(先端側)を接続
しておく。こうすれば、ロッド7を管体5から引き抜い
た際、それと光ファイバーケーブル4とが管体5内で入
れ替わる。この結果、図1に示すごとく、光ファイバー
ケーブル4を電力ケーブル2に沿って敷設した状態が得
られる。
【0038】さて上述した本測定方法は、電力ケーブル
2の内部に必然的に形成される、その延長方向に沿った
連続空隙3内に位置させた光ファイバーケーブル4を温
度センサとして利用し、電力ケーブル2の温度を測定す
るものである。こうした方法を採用した場合、温度セン
サとしての役割を果たす光ファイバーケーブル4は、そ
れを取り囲む電力ケーブル2によって、正確には、束ね
られた複数の単位ケーブル1a〜1cによって外界から
隔絶された状態となる。このため、光ファイバーケーブ
ル4は外的要因の影響を受けにくく、それを用いて得ら
れる温度情報と実際の温度との相違は無視できる程度に
抑えられる。いいかえれば本測定方法を用いることで、
電力ケーブル2の温度を正確に測定できるようになり、
この結果、電力ケーブル2を高効率で稼動させることが
可能となる。
【0039】また本温度測定区間部構造は、温度センサ
として利用される光ファイバーケーブル4を、電力ケー
ブル2の内部の連続空隙3内に位置させたものである。
そして更に本構築方法では、管体5およびロッド7を備
えた通線具6を、電力ケーブル2の内部の連続空隙3内
に挿入し、その後、この通線具6を用いて、連続空隙3
内に光ファイバーケーブル4を位置させるようにしてい
る。
【0040】ところで電力ケーブル2の連続空隙3内に
は、そこを進む通線具6にとって障害となるものが存在
しない上、その途中には開口も存在しない。よって、連
続空隙3内を進む通線具6が行く手を阻まれたり、そこ
から逸脱したりすることはない。すなわち電力ケーブル
2内の連続空隙3を案内路として利用すれば、光ファイ
バーケーブル4の敷設(延線)が極めて容易に行えるよ
うになる。こうした理由から本実施形態に係る技術は、
光ファイバーケーブルを収納する管体(サブダクト)が
取り付けられない状態のまま、電力ケーブルが管路内つ
まり地中に設置されている場合でも、何ら問題なくこれ
に対応することが可能である。換言すれば、本実施形態
に係る技術によって、電力ケーブルが既に地下に設置さ
れている場合でも、光ファイバーケーブルを用いた温度
測定区間部を容易に構築することが可能となる。
【0041】続いて、本発明に係る電力ケーブル温度測
定区間部の構築方法の第2実施形態について説明する。
なお、この第2実施形態および後述する第3実施形態に
関しても、基本的な技術思想や効果は上記第1実施形態
のそれと概ね同じである。よって以下では、第1実施形
態との相違点を中心に解説する。
【0042】本実施形態に係る電力ケーブル温度測定区
間部の構築方法(以下、再び本構築方法と言う)を用い
た場合でも、電力ケーブルの連続空隙内に、まず先に説
明した通線具を挿入する(第1の工程)。続いては、こ
の第1の工程にて、管体と共に連続空隙内に挿入された
ロッドを、管体内から引き抜く(第2の工程)。そし
て、この第2の工程の後、管体内に圧縮空気を供給する
と共に、この圧縮空気の圧力を利用して、管体内に光フ
ァイバーケーブルを送り込む(第3の工程)。本構築方
法を用いた場合には、このようにして、温度センサとし
て機能する光ファイバーケーブルを、電力ケーブルに沿
って敷設した状態が得られる。なお、圧縮空気を利用し
て管体内に光ファイバーケーブルをセットする手法は、
ABF(Air Blown Fiber)法と呼ば
れ、公知である。
【0043】続いて、本発明に係る電力ケーブル温度測
定区間部の構築方法の第3実施形態について説明する。
本構築方法でも、まずは電力ケーブルの連続空隙内に、
管体およびロッドからなる通線具を挿入する(第1の工
程)。そして、ロッドの端部(後端側)に光ファイバー
ケーブルの端部(先端側)を接続してから、連続空隙内
に挿入されている通線具を、挿入側とは反対の側より連
続空隙内から引き抜く。すると、これと同時に光ファイ
バーケーブルが連続空隙内に引き入れられ、通線具と光
ファイバーケーブルとが連続空隙内で入れ替わる(第2
の工程)。本構築方法を用いた場合には、このようにし
て、光ファイバーケーブルを電力ケーブルに沿って敷設
した状態が得られる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、電力ケーブルの温度を
正確に測定できるようになる。また、光ファイバーケー
ブルを収納する管体が取り付けられていない状態のま
ま、電力ケーブルが既に地下に設置されている場合で
も、光ファイバーケーブルを用いた温度測定区間部の構
築が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電力ケーブル温度
測定区間部の構造を示すその断面図(一部拡大断面図)
【図2】(a),(b)(c)は本発明の第1実施形態
に係る電力ケーブル温度測定区間部の構築方法を用いた
際の、光ファイバーケーブルの敷設手順を示す概念図
【図3】電力ケーブルが設置された地下管路内の様子を
示す断面図(従来例)
【符号の説明】
1a〜1c 単位ケーブル 2 電力ケーブル 3 連続空隙 4 光ファイバーケーブル 5 管体 6 通線具 7 ロッド 8 開口
フロントページの続き Fターム(参考) 2F056 VF01 VF02 2H038 AA07 CA68 5G369 AA16 BA04 EA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3本の単位ケーブルを、隣合うもの同士
    の周面が接するよう束ねてなる電力ケーブルの温度を、
    光ファイバーケーブルを温度センサとして利用して測定
    する方法であって、 前記単位ケーブルによって包囲されてできる、前記電力
    ケーブルの延長方向に沿った連続空隙内に位置させた前
    記光ファイバーケーブルを前記温度センサとして利用し
    て、前記電力ケーブルの温度を測定することを特徴とす
    る電力ケーブル温度測定方法。
  2. 【請求項2】 3本の単位ケーブルを、隣合うもの同士
    の周面が接するよう束ねてなる電力ケーブルの温度を、
    光ファイバーケーブルを温度センサとして利用して測定
    する区間部の構造であって、 前記温度センサとして利用する前記光ファイバーケーブ
    ルを、前記単位ケーブルによって包囲されてできる、前
    記電力ケーブルの延長方向に沿った連続空隙内に位置さ
    せたことを特徴とする電力ケーブル温度測定区間部構
    造。
  3. 【請求項3】 光ファイバーケーブルをフレキシブルな
    管体に収納した状態で、連続空隙内に位置させたことを
    特徴とする請求項2に記載の電力ケーブル温度測定区間
    部構造。
  4. 【請求項4】 上記請求項2に記載の、電力ケーブルの
    温度を測定する区間部の構築方法であって、 単位ケーブルによって包囲されてできる、前記電力ケー
    ブルの延長方向に沿った連続空隙内に、管体および、こ
    の管体内に収納されたロッドを備えてなる通線具を挿入
    する第1の工程と、 この第1の工程にて前記管体と共に前記連続空隙内に挿
    入された前記ロッドを、前記管体内から引き抜くと同時
    に、光ファイバーケーブルを前記管体内に引き入れる第
    2の工程とを具備することを特徴とする電力ケーブル温
    度測定区間部の構築方法。
  5. 【請求項5】 上記請求項2に記載の、電力ケーブルの
    温度を測定する区間部の構築方法であって、 単位ケーブルによって包囲されてできる、前記電力ケー
    ブルの延長方向に沿った連続空隙内に、管体および、こ
    の管体内に収納されたロッドを備えてなる通線具を挿入
    する第1の工程と、 この第1の工程にて前記管体と共に前記連続空隙内に挿
    入された前記ロッドを、前記管体内から引き抜く第2の
    工程と、 この第2の工程の後、前記管体内に供給される圧縮空気
    を利用して、前記管体内に光ファイバーケーブルを送り
    込む第3の工程とを具備することを特徴とする電力ケー
    ブル温度測定区間部の構築方法。
  6. 【請求項6】 上記請求項2に記載の、電力ケーブルの
    温度を測定する区間部の構築方法であって、 単位ケーブルによって包囲されてできる、前記電力ケー
    ブルの延長方向に沿った連続空隙内に、管体および、こ
    の管体内に収納されたロッドを備えてなる通線具を挿入
    する第1の工程と、 この第1の工程にて前記連続空隙内に挿入された前記通
    線具を引き抜くと同時に、光ファイバーケーブルを前記
    連続空隙内に引き入れる第2の工程とを具備することを
    特徴とする電力ケーブル温度測定区間部の構築方法。
JP2001120521A 2001-04-19 2001-04-19 電力ケーブル温度測定方法、電力ケーブル温度測定区間部構造、ならびに電力ケーブル温度測定区間部の構築方法 Pending JP2002310808A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001120521A JP2002310808A (ja) 2001-04-19 2001-04-19 電力ケーブル温度測定方法、電力ケーブル温度測定区間部構造、ならびに電力ケーブル温度測定区間部の構築方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001120521A JP2002310808A (ja) 2001-04-19 2001-04-19 電力ケーブル温度測定方法、電力ケーブル温度測定区間部構造、ならびに電力ケーブル温度測定区間部の構築方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002310808A true JP2002310808A (ja) 2002-10-23

Family

ID=18970541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001120521A Pending JP2002310808A (ja) 2001-04-19 2001-04-19 電力ケーブル温度測定方法、電力ケーブル温度測定区間部構造、ならびに電力ケーブル温度測定区間部の構築方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002310808A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8130101B2 (en) 2009-03-23 2012-03-06 Lockheed Martin Corporation Embedded power cable sensor array
WO2012082641A1 (en) * 2010-12-14 2012-06-21 General Cable Technologies Corporation Power cable with microduct
KR102072402B1 (ko) * 2018-10-16 2020-02-03 야마리산교오 가부시기가이샤 온도측정장치 및 온도측정장치의 제조방법
JP2021067584A (ja) * 2019-10-25 2021-04-30 日立金属株式会社 温度センサ及びそれを備える配電部品、配電部品を備えるモータ
WO2023235563A1 (en) * 2022-06-02 2023-12-07 Neubrex Energy Services, Inc. Fiber optic cable for downhole and harsh environments

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8130101B2 (en) 2009-03-23 2012-03-06 Lockheed Martin Corporation Embedded power cable sensor array
WO2012082641A1 (en) * 2010-12-14 2012-06-21 General Cable Technologies Corporation Power cable with microduct
KR102072402B1 (ko) * 2018-10-16 2020-02-03 야마리산교오 가부시기가이샤 온도측정장치 및 온도측정장치의 제조방법
JP2021067584A (ja) * 2019-10-25 2021-04-30 日立金属株式会社 温度センサ及びそれを備える配電部品、配電部品を備えるモータ
JP7175251B2 (ja) 2019-10-25 2022-11-18 日立金属株式会社 温度センサ及びそれを備える配電部品、配電部品を備えるモータ
WO2023235563A1 (en) * 2022-06-02 2023-12-07 Neubrex Energy Services, Inc. Fiber optic cable for downhole and harsh environments

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7269320B2 (en) Fiber optic cable with miniature bend incorporated
EP3538742B1 (en) Dual telemetric coiled tubing system
US20100034593A1 (en) Novel deployment technique for optical fibres within pipeline coatings
JPH07261035A (ja) 伝送管探索方法
EP1928067B1 (en) Method of constructing a normal joint structure of a superconducting cable
JP2002310808A (ja) 電力ケーブル温度測定方法、電力ケーブル温度測定区間部構造、ならびに電力ケーブル温度測定区間部の構築方法
JPH05500275A (ja) 遠隔端検出
US8218926B2 (en) Cable, and a use and method for constructing a cable network
GB2451162A (en) Method and system for double-ended optical fibre sensing
US5505086A (en) Method and apparatus for measuring length of conduit and for diagnosing inside of conduit
JP3815714B2 (ja) 信号線敷設方法
JP3224762B2 (ja) 光ファイバケーブル
JP7114930B2 (ja) 装置、測定装置、および装置の製造方法
US20160116633A1 (en) System and method of locating underground utility
CN217483662U (zh) 一种地下管道扰动监测系统
JP6502199B2 (ja) 孔経路測定方法
CN109212697A (zh) 光缆固定装置
JP2007113197A (ja) マンホール構造及びケーブル敷設方法
CN207300446U (zh) 一种快速冷接的光纤光栅温度传感器
JPH07218780A (ja) 光ファイバケーブル
KR100403445B1 (ko) 텐션 미터 윈치
JPS6175257A (ja) ガス供給用埋設管に於ける継目等の内面形状の検知方法
JP2005017166A (ja) 光ファイバの断線測定方法
JP5216664B2 (ja) 金属管光ファイバケーブルおよびその製造方法
JPH0649053Y2 (ja) 管路内監視可能な電気ケーブル布設管路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050427

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050624

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060531