JP2005017166A - 光ファイバの断線測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な方法で、また、治具を用いる場合も簡単な形状のもので、OTDRの測定時における、終端部のフレネル反射光を生じさせない光ファイバの断線測定方法を提供する。
【解決手段】光ファイバの一方の端部から光パルスを入射し、光ファイバの破断点におけるフレネル反射光が入射端に戻ってくる光を取出し、この入射端に戻るまでの伝播時間と戻り光から光ファイバの断線を測定する光ファイバの断線測定方法であって、光ファイバ11の反対側の端部分12に180°より大きい角度の曲げを2箇所以上に付与して、光ファイバの反対側の端部分におけるフレネル反射光を実質的にゼロレベルに低減する。
【選択図】 図1
【解決手段】光ファイバの一方の端部から光パルスを入射し、光ファイバの破断点におけるフレネル反射光が入射端に戻ってくる光を取出し、この入射端に戻るまでの伝播時間と戻り光から光ファイバの断線を測定する光ファイバの断線測定方法であって、光ファイバ11の反対側の端部分12に180°より大きい角度の曲げを2箇所以上に付与して、光ファイバの反対側の端部分におけるフレネル反射光を実質的にゼロレベルに低減する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ線路の布設等で光ファイバ線路の断線を測定する光ファイバの断線測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ケーブル等を用いた伝送線路を布設した際に、光ファイバ伝送線路の接続部の接続損失を測定する方法として、光ファイバの一方の端部から光パルスを入射し、そのレイリー後方散乱光を利用するOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)法がよく知られている。また、このOTDRでは、光ファイバに破断個所があると急峻な屈折率変化によりフレネル反射光が生じるので、この反射光を測定することにより断線を検出することもできる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図4(A)は、OTDRを用いた一般的な光ファイバの損失、断線の測定装置の概略を説明する図、図4(B)は測定原理を説明する図である。図中、1は光パルス発生器、2はカプラ、3はAPD(アバランシェ・フォトダイオード)、4は増幅器、5はA/Dコンバータ、6は表示装置を示す。
【0004】
図において、例えば、光ファイバ線路は、ファイバAとファイバBが接続点Dで接続され、ファイバBの終端部F近くの破断点Eで断線が生じているものとする。図4(A)に示すように、ファイバAの始端部Cに光パルス発生器1からのパルス光がカプラ2を介して入射される。入射されたパルス光は、ファイバA及びBのコア内の微小な屈折率の揺らぎによるレイリー後方散乱光の一部、及び、破断点Eからのフレネル反射光が戻ってくる。これらの戻り光は、カプラ2により光分岐され、APD3に入力される。なお、APD3は、入射光の強度に応じて電流変換する受光素子で、この出力は増幅器4で増幅され、A/Dコンバータ5等でデジタル信号化され、表示装置6でモニタすることができる。
【0005】
図4(B)に、上述した戻り光と伝搬時間との関係を示すように、光ファイバの屈折率が光の進行方向にわたって均一であれば後方散乱光の割合は一定であるので、遠い地点から戻ってくる光は、途中の光損失により光の強さが小さくなる。ファイバAとBの接続点Dでは、この接続損失に相当する分の段差を生じ、また、破断点Eからはフレネル反射による鋭い反射光が生じる。これらの反射光は、距離に比例した時間を経過した後に入射端に戻ってくるので、伝搬時間を距離に換算することで、接続点Dや、破断点Eの位置も測定することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−336106号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のOTDRによる断線の測定で、破断点Eが終端部Fに近い場合、例えば、破断点Eが終端部Fより10m程度の近い距離で生じている場合、始端部C側で観測されるフレネル反射光が、破断点Eによるものなのか終端部Fによるものなのかの判別が難しい。OTDRの測定を、反対の終端部F側から行なえば、破断点Eは容易には判別することはできる。しかし、OTDRを光ファイバ線路の両端側から行なうことは、大きな労力と時間を要する。
【0008】
これに対して、終端部Fに光減衰器を接続したり、マッチングオイル内に端末を浸したりして、終端部Fからのフレネル反射光が生じないようにする方法が考えられる。また、終端部Fにダミーファイバを融着接続して、見かけ上の終端部を延長するような方法も考えられる。しかしながら、これらの方法は、何れも特殊な装置や部材等を準備する必要があり、また、複数心の光ファイバを有する光ケーブルの場合は1心毎に行なわなければならず、布設現場での作業性がよくない。
【0009】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、簡単な方法で、また、治具を用いる場合も簡単な形状のもので、OTDRの測定時における、終端部のフレネル反射光を生じさせない光ファイバの断線測定方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による光ファイバの断線測定方法は、光ファイバの一方の端部から光パルスを入射し、光ファイバの破断点におけるフレネル反射光が入射端に戻ってくる光を取出し、この入射端に戻るまでの伝播時間と戻り光から光ファイバの断線を測定する光ファイバの断線測定方法であって、光ファイバの反対側の端部分に180°より大きい角度の曲げを2箇所以上に付与して、光ファイバの反対側の端部分におけるフレネル反射光を実質的にゼロレベルに低減するようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
図により本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の各種の実施形態を説明する図、図2は本発明による作用を説明する図、図3は本発明の実施範囲を示す図である。図中、11は光ファイバ心線、12は光ファイバ終端部、13はU字状治具、13a,13bはアーム、13cは支持片、14は吊り紐を示す。
【0012】
本発明における光ファイバの断線測定方法は、図4で説明したのと同様に、光ファイバの一方の端部から光パルスを入射し、断線している破断個所において生じるフレネル反射光が、光パルスの入射端側に戻り光として戻ってくるのを取出す。この戻り光は、その光の強さと伝播時間とから、断線の発生とその位置を知ることができる。しかし、光ファイバの終端部においても同様なフレネル反射光が生じるため、断線が終端部に近い位置で生じていると、測定されるフレネル反射光は、断線によるものか終端部によるものかを区別することが難しくなる。本発明では、終端部を所定の曲げ直径以下で曲げることにより、終端部としてのフレネル反射が生じないようにしている。
【0013】
図1は、光ファイバ終端部12に所定の曲げを付与する種々の例を示し、光ケーブルの終端部の外被を切裂いて、中の光ファイバ心線11を1m程度引出し、ループ状に曲げを加える。この曲げは、後述するように少なくとも180°以上の範囲に曲げると共に、所定の曲げ直径で2箇所以上を曲げることにより、終端部からのフレネル反射光を低減させることができる。図1(A)は、終端部に付与する曲げを、一方向に連続的に形成する例を示すもので、所定の曲げ直径以下で連続的な2ターン以上のループを作ることにより形成するものである。
【0014】
図1(B)は、上記のループを8の字状に形成するようにした例である。また図1(C)は、U字状冶具13を用いることにより、図1(B)の8の字状のループを簡単かつ確実に形成することができるようにしたものである。この、U字状冶具13は、1対のアーム13aと13bからなるU字状の簡単な形状のもので、手近にある金属、樹脂、木材等の円柱棒又は円形管を用いて簡単に形成することができる。また、この冶具に支持片13cを一体的に設けて把持部としたり、この支持片13cに吊り紐14を結え付けて、保管に便利なように構成することができる。
【0015】
このU字状冶具13のアーム13a及び13bの太さ直径を、例えば、5mmとすると、これに光ファイバ心線11を8の字状に巻きつけることにより、曲げ直径5mmで、2箇所以上の部分に180°以上の範囲の曲げを確実に形成することができる。なお、アーム13aと13bは、全く同じ直径であってもよいが、所定値以下の径であれば異なっていてもよく、また、所定の曲げ径が得られれば真円でなくてもよい。また、アーム13aと13bの間隔は、あまり大きいと曲げが緩みやすく曲げ角度も大きくとれないので、例えば、30mm程度とするのが望ましい。
【0016】
図2は、光ファイバ心線の終端部に上述のような曲げを付与して、図4のOTDR法で終端部のフレネル反射の発生状態を観測した例である。図2(A)は、終端部に曲げ直径7mmの曲げを2箇所に形成したときの例で、終端部でのフレネル反射の発生が観測されず、フレネル反射光が除去されていることが確認された。図2(B)は、終端部に曲げ直径6mmの曲げを1箇所だけ形成したときの例で、終端部でのフレネル反射の発生が観測され、フレネル反射光が除去されていないことが確認された。
【0017】
図3は、上述の図2の例から、ガラスファイバの公称外径が125μmのシングルモード光ファイバについて、曲げ直径、曲げ箇所数(曲げ回数)とフレネル反射の発生状態との関係を測定し、これをマトリックス状に示したものである。曲げ(180°以上)の箇所数は2箇所とし、1箇所目の曲げ直径を横列で順次大きくし、2箇所目の曲げ直径を縦列で順次大きくし、これら2箇所の曲げで観測されるフレネル反射光の高さ(dB)の数値をマトリックスの各セルに示したものである。なお、各セル内に示した数値は、図2の1メモリを0.5dB相当として示した測定値である。
【0018】
この結果、太枠で示した範囲内ではフレネル反射光が生じていないが、この範囲を超えると僅かながらフレネル反射光が生じてくる。なお、フレネル反射光の高さは、曲げ直径が大きくなるほど高くなり、曲げ直径が小さいほど低くなる。フレネル反射光が生じないようにするには、曲げ直径が9mm以下でないと効果はない。また、1箇所目の曲げ直径が9mmである場合、2箇所目の曲げ直径は6mm以下とする必要があり、1箇所目の曲げ直径が8mmである場合、2箇所目の曲げ直径は7mm以下とする必要があることも判明した。
【0019】
また、1箇所の曲げを5mm以下としても、1箇所の曲げだけではフレネル反射光をゼロレベルとすることができず、少なくとも2箇所で曲げる必要があることも判明した。なお、フレネル反射光をゼロレベルとする範囲は、上述したように太枠の範囲内で実施するのが好ましい。しかし、フレネル反射光のレベルが、例えば、0.02dB以下で示されるような実質的にはゼロレベルと見ることが可能な範囲においては、断線のような破断により生じるフレネル反射光とはレベル差が大きく相違するので、識別が可能となる。
【0020】
すなわち、太枠の外側の範囲で、1箇所目の曲げ直径が12mmである場合、2箇所目の曲げ直径は6mm以下とし、1箇所目の曲げ直径が10mmである場合、2箇所目の曲げ直径は7mm以下とすることにより、終端部におけるフレネル反射光が0.02dB以下となる。この場合、フレネル反射光はゼロではないが、実質的に無視できる程度のレベルに低減されているので、断線による破断箇所を測定することができる。
【0021】
また、本発明では、曲げを光ファイバ心線毎に形成する必要がなく、数本の光ファイバ心線を束ねた状態で曲げを形成してもよい。例えば、光ケーブル内の光ファイバ心線が多心のテープ心線である場合は、テープ心線単位で2箇所以上の曲げを形成してもよい。複数本の光ファイバ心線に対して、同時に曲げを付与することにより、作業効率を高めることができる。この場合も、図1(C)に示したような簡単な治具を使用して、8の字状に曲げを付与することにより、簡単で確実な曲げを形成することができる。
【0022】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、光ファイバ線路の断線をOTDRにより測定するに際して、光ファイバ線路の終端部のフレネル反射を低減させ、終端部近傍に生じる断線を確実に検出することができる。また、このための光ファイバ線路の終端部の端末処理を、所定径以下に曲げるだけで簡単に実現することができ、治具を用いる場合もU字状の簡単な形状の治具であるので、手近の材料で簡単に作ることができ、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各種の実施形態を説明する図である。
【図2】本発明による作用を説明する図である。
【図3】本発明の実施範囲を説明する図である。
【図4】従来の技術を説明する図である。
【符号の説明】
1…光パルス発生器、2…カプラ、3…APD(アバランシェ・フォトダイオード)、4…増幅器、5…A/Dコンバータ、6…表示装置、11…光ファイバ心線、12…光ファイバ終端部、13…U字状治具、13a,13b…アーム、13c…支持片、14…吊り紐。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ線路の布設等で光ファイバ線路の断線を測定する光ファイバの断線測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ケーブル等を用いた伝送線路を布設した際に、光ファイバ伝送線路の接続部の接続損失を測定する方法として、光ファイバの一方の端部から光パルスを入射し、そのレイリー後方散乱光を利用するOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)法がよく知られている。また、このOTDRでは、光ファイバに破断個所があると急峻な屈折率変化によりフレネル反射光が生じるので、この反射光を測定することにより断線を検出することもできる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図4(A)は、OTDRを用いた一般的な光ファイバの損失、断線の測定装置の概略を説明する図、図4(B)は測定原理を説明する図である。図中、1は光パルス発生器、2はカプラ、3はAPD(アバランシェ・フォトダイオード)、4は増幅器、5はA/Dコンバータ、6は表示装置を示す。
【0004】
図において、例えば、光ファイバ線路は、ファイバAとファイバBが接続点Dで接続され、ファイバBの終端部F近くの破断点Eで断線が生じているものとする。図4(A)に示すように、ファイバAの始端部Cに光パルス発生器1からのパルス光がカプラ2を介して入射される。入射されたパルス光は、ファイバA及びBのコア内の微小な屈折率の揺らぎによるレイリー後方散乱光の一部、及び、破断点Eからのフレネル反射光が戻ってくる。これらの戻り光は、カプラ2により光分岐され、APD3に入力される。なお、APD3は、入射光の強度に応じて電流変換する受光素子で、この出力は増幅器4で増幅され、A/Dコンバータ5等でデジタル信号化され、表示装置6でモニタすることができる。
【0005】
図4(B)に、上述した戻り光と伝搬時間との関係を示すように、光ファイバの屈折率が光の進行方向にわたって均一であれば後方散乱光の割合は一定であるので、遠い地点から戻ってくる光は、途中の光損失により光の強さが小さくなる。ファイバAとBの接続点Dでは、この接続損失に相当する分の段差を生じ、また、破断点Eからはフレネル反射による鋭い反射光が生じる。これらの反射光は、距離に比例した時間を経過した後に入射端に戻ってくるので、伝搬時間を距離に換算することで、接続点Dや、破断点Eの位置も測定することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−336106号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のOTDRによる断線の測定で、破断点Eが終端部Fに近い場合、例えば、破断点Eが終端部Fより10m程度の近い距離で生じている場合、始端部C側で観測されるフレネル反射光が、破断点Eによるものなのか終端部Fによるものなのかの判別が難しい。OTDRの測定を、反対の終端部F側から行なえば、破断点Eは容易には判別することはできる。しかし、OTDRを光ファイバ線路の両端側から行なうことは、大きな労力と時間を要する。
【0008】
これに対して、終端部Fに光減衰器を接続したり、マッチングオイル内に端末を浸したりして、終端部Fからのフレネル反射光が生じないようにする方法が考えられる。また、終端部Fにダミーファイバを融着接続して、見かけ上の終端部を延長するような方法も考えられる。しかしながら、これらの方法は、何れも特殊な装置や部材等を準備する必要があり、また、複数心の光ファイバを有する光ケーブルの場合は1心毎に行なわなければならず、布設現場での作業性がよくない。
【0009】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、簡単な方法で、また、治具を用いる場合も簡単な形状のもので、OTDRの測定時における、終端部のフレネル反射光を生じさせない光ファイバの断線測定方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による光ファイバの断線測定方法は、光ファイバの一方の端部から光パルスを入射し、光ファイバの破断点におけるフレネル反射光が入射端に戻ってくる光を取出し、この入射端に戻るまでの伝播時間と戻り光から光ファイバの断線を測定する光ファイバの断線測定方法であって、光ファイバの反対側の端部分に180°より大きい角度の曲げを2箇所以上に付与して、光ファイバの反対側の端部分におけるフレネル反射光を実質的にゼロレベルに低減するようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
図により本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の各種の実施形態を説明する図、図2は本発明による作用を説明する図、図3は本発明の実施範囲を示す図である。図中、11は光ファイバ心線、12は光ファイバ終端部、13はU字状治具、13a,13bはアーム、13cは支持片、14は吊り紐を示す。
【0012】
本発明における光ファイバの断線測定方法は、図4で説明したのと同様に、光ファイバの一方の端部から光パルスを入射し、断線している破断個所において生じるフレネル反射光が、光パルスの入射端側に戻り光として戻ってくるのを取出す。この戻り光は、その光の強さと伝播時間とから、断線の発生とその位置を知ることができる。しかし、光ファイバの終端部においても同様なフレネル反射光が生じるため、断線が終端部に近い位置で生じていると、測定されるフレネル反射光は、断線によるものか終端部によるものかを区別することが難しくなる。本発明では、終端部を所定の曲げ直径以下で曲げることにより、終端部としてのフレネル反射が生じないようにしている。
【0013】
図1は、光ファイバ終端部12に所定の曲げを付与する種々の例を示し、光ケーブルの終端部の外被を切裂いて、中の光ファイバ心線11を1m程度引出し、ループ状に曲げを加える。この曲げは、後述するように少なくとも180°以上の範囲に曲げると共に、所定の曲げ直径で2箇所以上を曲げることにより、終端部からのフレネル反射光を低減させることができる。図1(A)は、終端部に付与する曲げを、一方向に連続的に形成する例を示すもので、所定の曲げ直径以下で連続的な2ターン以上のループを作ることにより形成するものである。
【0014】
図1(B)は、上記のループを8の字状に形成するようにした例である。また図1(C)は、U字状冶具13を用いることにより、図1(B)の8の字状のループを簡単かつ確実に形成することができるようにしたものである。この、U字状冶具13は、1対のアーム13aと13bからなるU字状の簡単な形状のもので、手近にある金属、樹脂、木材等の円柱棒又は円形管を用いて簡単に形成することができる。また、この冶具に支持片13cを一体的に設けて把持部としたり、この支持片13cに吊り紐14を結え付けて、保管に便利なように構成することができる。
【0015】
このU字状冶具13のアーム13a及び13bの太さ直径を、例えば、5mmとすると、これに光ファイバ心線11を8の字状に巻きつけることにより、曲げ直径5mmで、2箇所以上の部分に180°以上の範囲の曲げを確実に形成することができる。なお、アーム13aと13bは、全く同じ直径であってもよいが、所定値以下の径であれば異なっていてもよく、また、所定の曲げ径が得られれば真円でなくてもよい。また、アーム13aと13bの間隔は、あまり大きいと曲げが緩みやすく曲げ角度も大きくとれないので、例えば、30mm程度とするのが望ましい。
【0016】
図2は、光ファイバ心線の終端部に上述のような曲げを付与して、図4のOTDR法で終端部のフレネル反射の発生状態を観測した例である。図2(A)は、終端部に曲げ直径7mmの曲げを2箇所に形成したときの例で、終端部でのフレネル反射の発生が観測されず、フレネル反射光が除去されていることが確認された。図2(B)は、終端部に曲げ直径6mmの曲げを1箇所だけ形成したときの例で、終端部でのフレネル反射の発生が観測され、フレネル反射光が除去されていないことが確認された。
【0017】
図3は、上述の図2の例から、ガラスファイバの公称外径が125μmのシングルモード光ファイバについて、曲げ直径、曲げ箇所数(曲げ回数)とフレネル反射の発生状態との関係を測定し、これをマトリックス状に示したものである。曲げ(180°以上)の箇所数は2箇所とし、1箇所目の曲げ直径を横列で順次大きくし、2箇所目の曲げ直径を縦列で順次大きくし、これら2箇所の曲げで観測されるフレネル反射光の高さ(dB)の数値をマトリックスの各セルに示したものである。なお、各セル内に示した数値は、図2の1メモリを0.5dB相当として示した測定値である。
【0018】
この結果、太枠で示した範囲内ではフレネル反射光が生じていないが、この範囲を超えると僅かながらフレネル反射光が生じてくる。なお、フレネル反射光の高さは、曲げ直径が大きくなるほど高くなり、曲げ直径が小さいほど低くなる。フレネル反射光が生じないようにするには、曲げ直径が9mm以下でないと効果はない。また、1箇所目の曲げ直径が9mmである場合、2箇所目の曲げ直径は6mm以下とする必要があり、1箇所目の曲げ直径が8mmである場合、2箇所目の曲げ直径は7mm以下とする必要があることも判明した。
【0019】
また、1箇所の曲げを5mm以下としても、1箇所の曲げだけではフレネル反射光をゼロレベルとすることができず、少なくとも2箇所で曲げる必要があることも判明した。なお、フレネル反射光をゼロレベルとする範囲は、上述したように太枠の範囲内で実施するのが好ましい。しかし、フレネル反射光のレベルが、例えば、0.02dB以下で示されるような実質的にはゼロレベルと見ることが可能な範囲においては、断線のような破断により生じるフレネル反射光とはレベル差が大きく相違するので、識別が可能となる。
【0020】
すなわち、太枠の外側の範囲で、1箇所目の曲げ直径が12mmである場合、2箇所目の曲げ直径は6mm以下とし、1箇所目の曲げ直径が10mmである場合、2箇所目の曲げ直径は7mm以下とすることにより、終端部におけるフレネル反射光が0.02dB以下となる。この場合、フレネル反射光はゼロではないが、実質的に無視できる程度のレベルに低減されているので、断線による破断箇所を測定することができる。
【0021】
また、本発明では、曲げを光ファイバ心線毎に形成する必要がなく、数本の光ファイバ心線を束ねた状態で曲げを形成してもよい。例えば、光ケーブル内の光ファイバ心線が多心のテープ心線である場合は、テープ心線単位で2箇所以上の曲げを形成してもよい。複数本の光ファイバ心線に対して、同時に曲げを付与することにより、作業効率を高めることができる。この場合も、図1(C)に示したような簡単な治具を使用して、8の字状に曲げを付与することにより、簡単で確実な曲げを形成することができる。
【0022】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、光ファイバ線路の断線をOTDRにより測定するに際して、光ファイバ線路の終端部のフレネル反射を低減させ、終端部近傍に生じる断線を確実に検出することができる。また、このための光ファイバ線路の終端部の端末処理を、所定径以下に曲げるだけで簡単に実現することができ、治具を用いる場合もU字状の簡単な形状の治具であるので、手近の材料で簡単に作ることができ、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各種の実施形態を説明する図である。
【図2】本発明による作用を説明する図である。
【図3】本発明の実施範囲を説明する図である。
【図4】従来の技術を説明する図である。
【符号の説明】
1…光パルス発生器、2…カプラ、3…APD(アバランシェ・フォトダイオード)、4…増幅器、5…A/Dコンバータ、6…表示装置、11…光ファイバ心線、12…光ファイバ終端部、13…U字状治具、13a,13b…アーム、13c…支持片、14…吊り紐。
Claims (6)
- 光ファイバの一方の端部から光パルスを入射し、光ファイバの破断点におけるフレネル反射光が入射端に戻ってくる光を取出し、この入射端に戻るまでの伝播時間と戻り光から前記光ファイバの断線を測定する光ファイバの断線測定方法であって、
前記光ファイバの反対側の端部分に180°より大きい角度の曲げを2箇所以上に付与して、前記光ファイバの反対側の端部分におけるフレネル反射光を実質的にゼロレベルに低減することを特徴とする光ファイバの断線測定方法。 - 前記2箇所以上の曲げのうち、1箇所の曲げ直径を9mm以下とした場合、他の1箇所の曲げ直径を6mm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの断線測定方法。
- 前記2箇所以上の曲げのうち、1箇所の曲げ直径を8mm以下とした場合、他の1箇所の曲げ直径を7mm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの断線測定方法。
- 外周が円形状の1対のアームからなるU字状の冶具を用いて前記光ファイバに曲げを付与することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバの断線測定方法。
- 前記1対のアームの直径が5mm以下であることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバの断線測定方法。
- 複数本の光ファイバを束ねて同時に曲げを付与することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ファイバの断線測定方法。
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JP (1) | JP2005017166A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008026698A (ja) * | 2006-07-24 | 2008-02-07 | Nichia Chem Ind Ltd | 発光装置 |
JP2008122838A (ja) * | 2006-11-15 | 2008-05-29 | Nichia Chem Ind Ltd | 発光装置 |
WO2024057379A1 (ja) * | 2022-09-13 | 2024-03-21 | 日本電気株式会社 | 光ファイバセンシングシステム、光ファイバセンシング機器、及び破断検知方法 |
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2003
- 2003-06-27 JP JP2003184080A patent/JP2005017166A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008026698A (ja) * | 2006-07-24 | 2008-02-07 | Nichia Chem Ind Ltd | 発光装置 |
JP2008122838A (ja) * | 2006-11-15 | 2008-05-29 | Nichia Chem Ind Ltd | 発光装置 |
WO2024057379A1 (ja) * | 2022-09-13 | 2024-03-21 | 日本電気株式会社 | 光ファイバセンシングシステム、光ファイバセンシング機器、及び破断検知方法 |
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