JP2002309251A - 醤油粕由来の抗酸化組成物 - Google Patents

醤油粕由来の抗酸化組成物

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JP2002309251A
JP2002309251A JP2001113501A JP2001113501A JP2002309251A JP 2002309251 A JP2002309251 A JP 2002309251A JP 2001113501 A JP2001113501 A JP 2001113501A JP 2001113501 A JP2001113501 A JP 2001113501A JP 2002309251 A JP2002309251 A JP 2002309251A
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soy sauce
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ethanol
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Hideo Ezaki
秀男 江崎
Nobuhiro Hishikawa
進弘 菱川
Ayako Watabe
綾子 渡部
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MORITA KK
J Morita Corp
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MORITA KK
J Morita Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飲食品、医薬品、化粧品等の分野で広く有効
利用を図ることが可能で、安全かつ安価な醤油粕由来の
抗酸化組成物を提供する。 【解決手段】 本発明による醤油粕由来の抗酸化組成物
は、以下の工程A〜Dにより得られることを特徴とす
る。A.醤油粕を極性溶媒により抽出する工程、B.工
程Aの抽出物を合成吸着剤に吸着させる工程、C.工程
Bの吸着物に溶離液としてアルコール濃度30〜70%
(v/v)の含水アルコールを通液し、溶出液を回収する
工程、D.工程Cの溶出液より溶媒を除去して抗酸化組
成物を得る工程。前記工程Bの前に、前記醤油粕または
前記醤油粕の抽出物を脱脂するとよい。前記工程Cのア
ルコールは、メタノールまたはエタノールであるとよ
い。本発明の抗酸化組成物は、飲食品、薬品、皮膚外用
剤に配合して使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、飲食品、
医薬品、化粧品等に適用される醤油粕由来の抗酸化剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】醤油工場では、副産物として多量の醤油
粕が生じている。醤油粕の処理法については、従来、調
味料副資材、食キノコ菌類生産培地への利用化等の研究
がなされてきた。近年では、より高度の利用を図るべ
く、土壌改良材への利用や生理活性物質の検索等の研究
が進められている。しかしながら、醤油粕の処理の実体
は、産業廃棄物として焼却されるか、畜産用飼料として
再利用されるのが主体であり、醤油粕を有効利用する技
術開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような背景の下、
本発明者らは、醤油粕の抽出法について研究を行い、各
種抽出物の生理活性等を検討した。その結果、醤油粕の
エタノール抽出物を合成吸着剤により分画して得られる
特定の組成物に、極めて優れた抗酸化作用を有すること
を知見し、本発明を完成するに至った。本発明の目的
は、飲食品、医薬品、化粧品等の分野で広く有効利用を
図ることが可能で、安全かつ安価な醤油粕由来の抗酸化
組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の醤油粕由来の抗酸化剤は、以下の工程A〜D
により得られることを特徴とする。 A.醤油粕を極性溶媒により抽出する工程、 B.工程Aの抽出物を合成吸着剤に吸着させる工程、 C.工程Bの吸着物に溶離液としてアルコール濃度30
〜70%(v/v)の含水アルコールを通液し、溶出液を
回収する工程、 D.工程Cの溶出液より溶媒を除去して抗酸化組成物を
得る工程。
【0005】前記工程Bの前に、前記醤油粕または前記
醤油粕の抽出物を脱脂する工程を加えることを特徴とす
る。なお、「前記工程Bの前」とは、前記大豆発酵物を
脱脂する場合は前記工程Aの前を意味し、前記大豆発酵
物の抽出物を脱脂する場合は、前記工程Aの後であって
前記工程Bの前を意味する。前記工程Bは、前記工程A
の抽出液に前記合成吸着剤を混合した後、前記極性溶媒
を留去することにより、前記抽出物を前記合成吸着剤に
吸着させる工程であることを特徴とする。前記工程Cの
アルコールがメタノールまたはエタノールであることを
特徴とする。
【0006】本発明の飲食品は、前記抗酸化組成物を含
有してなることを特徴とする。本発明の薬品は、前記抗
酸化組成物を含有してなることを特徴とする。本発明の
皮膚外用剤は、前記抗酸化組成物を含有してなることを
特徴とする。
【0007】醤油粕由来の抗酸化組成物としては、従
来、醤油粕の有機溶媒による抽出物が知られる(特開平
5−170756号公報参照)。この種の抗酸化組成物
は、ダイゼイン、ゲニステイン等のアグリコン化合物を
有効成分とするもので、抽出液を合成吸着剤に吸着さ
せ、高濃度(80%程度)の含水アルコールで溶出させ
ることにより得られる。本発明の抗酸化組成物は、醤油
粕の極性溶媒による抽出物を合成吸着剤に吸着させ、3
0〜70%の含水アルコールで溶出することで得られる
もので、組成物に含まれるダイゼイン、ゲニステイン以
外の抗酸化成分、あるいは各成分の相乗効果等によって
優れた抗酸化作用を有するものと考えられる。
【0008】
【発明の実施の形態】前記醤油粕は、醤油の製造工程、
すなわち、醤油もろみを圧搾する工程の後に残渣として
得られる。前記醤油粕には、濃口、淡口等の一般的な醤
油の醤油粕の他、溜まり醤油、白醤油等の醤油粕も含ま
れる。特に、原料に大豆を多く用いる溜まり醤油の醤油
粕(溜まり粕)を用いると、有効成分を多量に含有させ
ることができる。また、醤油原料となる大豆には、丸大
豆または脱脂大豆が用いられる。前記醤油粕としては、
大豆の種類は問わない。
【0009】前記醤油粕を抽出する極性溶媒としては、
水、メタノール、エタノール、1―プロパノール、2―
プロパノール、1―ブタノール、2―ブタノール、1,
3―ブチレングリコール、プロピレングリコール、アセ
トン等を用いることができる。また、酢酸エチル等で抽
出してもよい。これらの溶媒を単独で用いるか、または
これらの二種以上を組み合わせて用いてもよい。メタノ
ールまたはエタノールを用いる場合、醤油粕抽出物に含
まれる有効成分の含量が多くなる。
【0010】前記極性溶媒による抽出は、低温または常
温で数時間〜数日間行うとよい。前記極性溶媒にメタノ
ールまたはエタノールを使用する場合、温度4〜25℃
程度で、3〜24時間程度抽出するのが望ましい。
【0011】前記醤油粕または醤油粕抽出物を脱脂する
溶媒としては、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジプロピ
ルエーテル、クロロホルム、アセトン等を用いることが
できる。特に、ヘキサンを用いるのが望ましい。飲食品
等への適用範囲が広くなるからである。
【0012】前記合成吸着剤は、多孔性で広い吸着表面
積を有し、かつ非イオン性の合成樹脂(スチレン−ジビ
ニルベンゼン重合体、フェノール−ホルマリン樹脂、ア
クリレート樹脂、メタアクリレート樹脂等)からなる。
例えば、市販されているRohm & Haas社製の商
品名アンバーライトXAD−1、アンバーライトXAD
−2、アンバーライトXAD−4、アンバーライトXA
D−7、アンバーライトXAD−8、アンバーライトX
AD−11、アンバーライトXAD−12、三菱化成工
業株式会社製の商品名ダイヤイオンHP−10、ダイヤ
イオンHP−20、ダイヤイオンHP−30、ダイヤイ
オンHP−40、ダイヤイオンHP−50、IMACT
I社製の商品名イマクティSyn−42、イマクティS
yn−44、イマクティSyn−46等を用いることが
できる。
【0013】前記合成吸着剤に醤油粕抽出物を吸着させ
る場合、まず、醤油粕の抽出液に十分に水およびエタノ
ールで洗浄した合成吸着剤を混合し、次いで、この醤油
粕抽出液の溶媒を留去することにより吸着剤の表面に抽
出物をコーティングするとよい。このようなコーティン
グ方法によると、合成吸着剤の表面に均一に醤油粕抽出
物が吸着されるためである。なお、他の方法としては、
カラムに合成吸着剤を充填し、醤油粕抽出液の濃縮物
(液)をそのままカラムに流してもよい。
【0014】前記抗酸化組成物を合成吸着剤から溶出さ
せる溶離液としては、メタノール、エタノール、プロパ
ノール等の含水アルコールを用いる。アルコール濃度
は、容量比30〜70%、望ましくは、40〜60%で
あるとよい。アルコール分が30%よりも低いと、有効
成分が溶出しにくくなり、また、70%を超えると、脂
溶性成分等の不純物が混ざりやすくなるためである。特
に、40〜60%含水メタノール、または30〜50%
含水エタノールを用いると、有効成分が効率よく分画さ
れる。
【0015】含水アルコールによる通液は、カラムに水
または20%含水アルコールを流して水溶性成分を溶出
させ、次いで、40〜60%含水アルコールを段階的に
濃度を高めながら流す。含水メタノールを用いる場合、
例えば、まず、40%含水メタノールを所定量流し、次
いで、60%含水メタノールを流すと、60%含水メタ
ノールの溶出液に有効成分を多く含ませることができ
る。
【0016】本発明の抗酸化組成物は、抗酸化剤として
そのまま使用しても良いが、飲食品、薬品(医薬品、医
薬部外品を含む。)、皮膚外用剤(化粧品を含む。)等
に適宜配合することができる。
【0017】飲食品としては、清涼飲料水(乳酸飲料、
濃厚乳性飲料、果汁飲料、無果汁飲料、果肉飲料、機能
性飲料、透明炭酸飲料、果汁入り炭酸飲料、果実着色炭
酸飲料等)、嗜好飲料(緑茶、紅茶、インスタントコー
ヒー、ココア、缶入りコーヒードリンク、業務用コーヒ
ー等)、乳製品(発酵乳、加工乳、チーズ等)、大豆加
工食品(豆腐、油揚げ、豆乳等)、和菓子(おかき、セ
ンベイ、おこし、まんじゅう、飴等)、洋菓子(クッキ
ー、ビスケット、クラッカー、ポテトチップス、パイ、
スポンジケーキ、カステラ、ドーナツ、ワッフル、プリ
ン、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリ
ーム、チョコレート、チョコレート菓子、キャラメル、
キャンデー、チューインガム、ゼリー、ホットケーキ、
パン等)、畜肉製品(ハム、ソーセージ、ベーコン、ド
ライソーセージ、ビーフジャーキー等)、魚貝類製品
(魚肉ハム、魚肉ソーセージ、蒲鉾、チクワ、ハンペ
ン、てんぷら等)、調味料(みそ、粉末みそ、醤油、粉
末醤油、もろみ、魚醤、ソース、ケチャップ、マヨネー
ズ、固形ブイヨン、蠣油、焼肉のタレ、カレールー、シ
チューの素、スープの素、ダシの素等)、インスタント
食品(レトルトカレー、即席ラーメン等)、冷凍食品等
に適用することができる。
【0018】特に、食用油脂(コーン油、ナタネ油、綿
実油、大豆油、サフラワー油、ヒマワリ油、ゴマ油、小
麦胚芽油、オリーブ油、月見草油、椿油、茶実油、アボ
ガド油、ひまし油、コーヒー油、カシューナッツ油、カ
カオビーンズ油、落花生油、魚油、パーム油、パーム核
油、豚脂、牛脂、鶏脂等)に適用すると効果的である。
また、バター、マーガリン、ショートニング、ドレッシ
ングなどの油脂加工食品に使用してもよい。
【0019】薬品としては、例えば錠剤、顆粒剤、カプ
セル剤、水薬等の内服剤、軟膏、パップ剤、クリーム、
水剤などの外用剤、無菌溶液剤、懸濁液剤等の注射剤、
浴用剤等に適用することができる。
【0020】皮膚外用剤としては、例えば、化粧水、乳
液、クリーム、ファンデーション、パック、エッセン
ス、口紅、洗顔料、シャンプー、リンス、トリートメン
ト、育毛剤、ヘアトニック等に適用することができる。
なお、皮膚外用剤には、一般的に用いられる各種成分、
すなわち水性成分、油性成分、アルコール類、エステル
類、界面活性剤、保湿剤、美白剤、紫外線吸収剤、増粘
剤、色剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような優れた効果を奏する。 (a) 醤油粕から安全かつ安価な抗酸化組成物を得るこ
とができる。 (b) 飲食品、化粧品、医薬品等の素材として醤油粕を
有効利用することができる。 (c) 醤油工場の副産物である醤油粕を原料とするた
め、産業廃棄物の減量に役立つ。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。なお、以
下に示す抗酸化組成物およびその製法は、抗酸化作用の
確認のために説明するものであり、これに限定されるも
のではない。
【0023】(1)抗酸化組成物の製造 原料 原料には、濃口醤油および溜まり醤油の醤油粕をそれぞ
れ使用した。
【0024】エタノール抽出 原料に所定量のエタノールを加え、ミキサーで3分間混
合した。これを数回繰り返し、醤油粕とエタノールから
なる懸濁物を調製した。この懸濁物を低温室で1晩抽出
した後、9500rpm、20℃で15分間の遠心分離
を行い、得られた上澄み液を回収し、エタノール抽出液
を得た。
【0025】ヘキサン脱脂 分液漏斗にエタノール抽出液、蒸留水、およびヘキサン
を所定量加え、激しく振とうした後、下層(含水エタノ
ール層)のみを分取した。この操作を2回繰り返し下層
を集めた。
【0026】コーティング(吸着) 脱脂後のエタノール抽出液1Lに合成吸着剤(Rohm
& Haas社製アンバーライトXAD−2)を150
ml加え、混合した。エバポレータで溶媒(エタノール
および水)を留去することにより、吸着剤の表面にエタ
ノール抽出物をコーティングした。
【0027】カラムクロマトグラフィーによる分画 カラムの底に脱脂綿を詰め、エタノール抽出物をコーテ
ィングしていない合成吸着剤50mlを脱脂綿の上に詰
めた。このカラムに蒸留水を1L流して安定化させた。
次いで、前記でエタノール抽出物をコーティングした
合成吸着剤150mlをカラム内に重層し(直径3cm
×高さ30cm)、さらに蒸留水を1.5L流した。上
記のようにエタノール抽出物をコーティングしていない
合成吸着剤をカラムの下層に詰めたのは、カラムに蒸留
水を流したときに、上層の合成吸着剤にコーティング時
に完全に吸着させることができなかったエタノール抽出
物を、下層の合成吸着剤で吸着するためである。なお、
前記およびここで使用した合成吸着剤は、水およびエ
タノールで十分に洗浄したものである。
【0028】次いで、カラムに40%含水メタノール4
00ml(200ml×2回)、60%含水メタノール
800ml(200ml×4回)、100%含水メタノ
ール400mlを順に流し、各溶出液を回収した。上記
カッコ書に示すように、40%および60%含水メタノ
ールについては、200mlごとに小分けして分画を行
った。これらの溶出液のうち、60%含水メタノールに
よる1回目および2回目の溶出液を混合し、エバポレー
タで100ml程度まで濃縮した後、凍結乾燥を行い、
淡黄色粉末状の抗酸化組成物を得た。濃口醤油の醤油粕
から得られた抗酸化組成物を実施例1とし、溜まり醤油
の醤油粕から得られた抗酸化組成物を実施例2とした。
【0029】(2)抗酸化試験 実施例1および実施例2について抗酸化試験を行った。試験例1:魚油(水系)に対する抗酸化作用 共栓付き三角フラスコに、基質溶液(魚油)、リン酸緩
衝液、蒸留水、サンプルをそれぞれ所定量加え、撹拌し
てエマルジョンとした。これにラジカル発生試薬2,2'-A
zobis(2-amidinopropane)Dihydrochloride(AAPH)
を加え、30℃で反応させた。所定時間の経過後に反応
液の一定量を分取し、BHT溶液で反応を止め、発色試
薬(TBA/TCA試薬)を加え、沸騰水中で15分間
加熱した。この呈色液の535nmの吸光度を測定し、
コントロールに対する酸化率を求めた(TBA法)。な
お、コントロールは、サンプルの代わりにこれを溶かし
た溶媒(エタノール)のみを加えたものとし、同様な条
件で吸光度を測定した。実施例1は、サンプルの反応液
中での終濃度を0.125mg/mlおよび0.25m
g/mlに調整し、反応時間を24時間とした。また、
実施例2はサンプルの終濃度を0.0313mg/ml
および0.0625mg/mlに調整し、反応時間を7
2時間とした。
【0030】比較例として、各原料をエタノールおよび
酢酸エチルにより抽出して得られたエタノール抽出物
(比較例1)および酢酸エチル抽出物(比較例2)の酸
化率を同様な条件で求めた。また、茶抽出物を有効成分
とする水性食品用の市販抗酸化剤(比較例3)、および
α−トコフェロール(比較例4)についても、同様な条
件で酸化率を求めた。結果を図1および図2に示す。
【0031】図1は、実施例1の酸化率を比較例1〜4
と比較したものである。実施例1は、α−トコフェロー
ル(比較例4)には及ばないものの、エタノール抽出物
(比較例1)、酢酸エチル抽出物(比較例2)および市
販抗酸化剤(比較例3)よりも酸化率が低く、抗酸化力
が強いことが判る。図2は、実施例2の酸化率を比較例
1〜4と比較したものである。実施例2は、エタノール
抽出物(比較例1)、酢酸エチル抽出物(比較例2)お
よび市販抗酸化剤(比較例3)よりも強い抗酸化力を示
すことが判る。終濃度0.0625mg/mlに調整し
たサンプルでは、α−トコフェロール(比較例4)より
も優れた抗酸化力を示した。
【0032】試験例2:魚油(油系)に対する抗酸化作
次に、実施例2について魚油(油系)に対する抗酸化作
用を試験した。魚油400mgにサンプル5mgを加え
て混合し、40℃でインキュベートした。経日的に油脂
重量を測定し、酸化によって増加した重量増加量を求め
ることにより、酸化の度合いを評価した。コントロール
は、魚油400mgにサンプルを加えないで同様な条件
で重量を測定した。
【0033】比較例として、エタノール抽出物(比較例
1)、酢酸エチル抽出物(比較例2)、α−トコフェロ
ール(比較例4)についても、同様な条件で試験した。
結果を図3に示す。
【0034】図3に示すように、実施例2は、エタノー
ル抽出物(比較例1)、酢酸エチル抽出物(比較例2)
およびα−トコフェロール(比較例4)よりも、油脂重
量が増加し始めるまでの日数が長く、酸化されにくいこ
とが判る。重量増加量が10mgに達するまでの誘導日
数を見ると、エタノール抽出物(比較例1)、酢酸エチ
ル抽出物(比較例2)およびα−トコフェロール(比較
例4)が23〜24日程度であるのに対し、実施例2
は、36日程度であった。
【0035】上記試験例1および2の結果より、本発明
の抗酸化組成物は、水系および油系で優れた抗酸化力を
発揮し、食品や化粧品等に配合することによりその機能
性を高めることが示唆される。
【0036】試験例3:リポソームに対する抗酸化作用 次に、実施例2について、生体膜モデルとしてのリポソ
ームに対する抗酸化作用を試験した。共栓付き三角フラ
スコに、基質溶液(リポソーム)、リン酸緩衝液、サン
プルをそれぞれ所定量加えて混合し、これにラジカル発
生試薬(AAPH)を加え、37℃で反応させた。な
お、基質溶液のリポソームは、卵黄レシチンより調製し
たものを使用した。所定時間の経過後に反応液の一定量
を分取し、BHT溶液で反応を止め、発色試薬(TBA
/TCA試薬)を加え、沸騰水中で15分間加熱した。
この呈色液の535nmの吸光度を測定し、コントロー
ルに対する過酸化脂質の生成率を求めた(TBA法)。
コントロールは、サンプルの代わりにこれを溶かした溶
媒(エタノール)のみを加えたものとし、同様な条件で
吸光度を測定した。サンプルの反応液中での終濃度は、
12.5μg/mlおよび25μg/mlに調整し、反
応時間は3時間とした。
【0037】比較例として、エタノール抽出物(比較例
1)、酢酸エチル抽出物(比較例2)、α−トコフェロ
ール(比較例4)についても、同様な条件で酸化率を求
めた。結果を図4に示す。
【0038】図4に示すように、実施例2は、エタノー
ル抽出物(比較例1)および酢酸エチル抽出物(比較例
2)よりも過酸化率が低く、リポソームに対しても強い
抗酸化性を示した。その活性は、α−トコフェロール
(比較例4)に匹敵する優れたものである。
【0039】試験例4:ラジカル捕捉能の測定 実施例2についてラジカル捕捉能を測定した。1,1-Diph
enyl-2-picrylhydrazyl(DPPH)16mgをエタノ
ール100mlに溶解し、これに蒸留水100mlを加
えた。このDPPH溶液1.8mlにサンプル0.2m
lを加え、30分後に517nmの吸光度の減少度を測
定し、ラジカル捕捉率を求めた。サンプルの反応液中で
の終濃度は、100μg/mlに調整した。
【0040】比較例として、エタノール抽出物(比較例
1)、酢酸エチル抽出物(比較例2)、α−トコフェロ
ール(比較例4)についても、同様な条件でラジカル捕
捉率を求めた。結果を図5に示す。
【0041】図5に示すように、実施例2は、α−トコ
フェロール(比較例4)には及ばないものの、エタノー
ル抽出物(比較例1)および酢酸エチル抽出物(比較例
2)よりも優れたラジカル捕捉能を示した。
【0042】上記試験例3および4の結果から、本発明
の抗酸化組成物は、生体内における過酸化脂質の生成、
活性酸素濃度の上昇等を効果的に抑制し、シミ、ソバカ
ス等の異常な色素沈着、炎症、浮腫、皺、老化等に有効
に作用することが示唆される。
【0043】(3)配合例 本発明による醤油粕由来の抗酸化組成物の配合例を以下
に示す。なお、各種原料および配合比は、適宜変更する
ことが可能である。
【0044】 配合例1:コールドクリーム サラシミツロウ 11.0wt% ラノリン 10.0 アーモンド油 15.0 ホウ砂 0.5 抗酸化組成物 3.0 香料 適 量 防腐剤 適 量 精製水 残 量 100.0wt%
【0045】 配合例2:化粧水 グリセリン 5.0wt% 1,3−ブチレングリコール 6.5 ポリオキシエチレンソルビタン 1.2 エチルアルコール 8.0 抗酸化組成物 1.0 香料 適 量 防腐剤 適 量 精製水 残 量 100.0wt%
【0046】 配合例3:飴菓子 砂糖 50.0wt% 水飴 33.0 水 15.5 香料 0.5 抗酸化組成物 1.0 100.0wt%
【図面の簡単な説明】
【図1】魚油(水系)に対する醤油粕の抗酸化力を比較
したグラフである。
【図2】魚油(水系)に対する溜まり粕の抗酸化力を比
較したグラフである。
【図3】魚油(油系)に対する溜まり粕の抗酸化力を比
較したグラフである。
【図4】リポソームに対する溜まり粕の抗酸化力を比較
したグラフである。
【図5】溜まり粕のラジカル捕捉率を比較したグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 2/52 A61K 7/00 K 4C088 A61K 7/00 35/78 J 4H025 35/78 A61P 17/00 A61P 17/00 A23L 2/00 F (72)発明者 菱川 進弘 愛知県常滑市小鈴谷字ヘリ地21番地 盛田 株式会社内 (72)発明者 渡部 綾子 愛知県常滑市小鈴谷字ヘリ地21番地 盛田 株式会社内 Fターム(参考) 4B014 GB07 GK06 4B017 LC03 LK28 LL07 4B018 MD91 ME06 MF01 4B039 LB19 LR30 4C083 AA082 AA111 AA122 AB272 AC102 AC122 AC442 AD512 BB41 BB47 BB48 CC04 CC05 4C088 AB61 AC14 BA08 CA06 CA13 MA16 MA32 MA35 MA37 MA52 MA63 MA66 NA14 ZC41 4H025 BA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程A〜Dにより得られる醤油粕
    由来の抗酸化組成物。 A.醤油粕を極性溶媒により抽出する工程、 B.工程Aの抽出物を合成吸着剤に吸着させる工程、 C.工程Bの吸着物に溶離液としてアルコール濃度30
    〜70%(v/v)の含水アルコールを通液し、溶出液を
    回収する工程、 D.工程Cの溶出液より溶媒を除去して抗酸化組成物を
    得る工程。
  2. 【請求項2】 前記工程Bの前に、前記醤油粕または前
    記醤油粕の抽出物を脱脂する工程を加える請求項1記載
    の抗酸化組成物。
  3. 【請求項3】 前記工程Bは、前記工程Aの抽出液に前
    記合成吸着剤を混合し、前記極性溶媒を留去することに
    より、前記抽出物を前記合成吸着剤に吸着させる工程で
    ある請求項1または2記載の抗酸化組成物。
  4. 【請求項4】 前記工程Cのアルコールがメタノールま
    たはエタノールである請求項1〜3記載のいずれか一項
    に記載の抗酸化組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項記載の抗酸
    化組成物を含有してなる飲食品。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか一項記載の抗酸
    化組成物を含有してなる薬品。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか一項記載の抗酸
    化組成物を含有してなる皮膚外用剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002308868A (ja) * 2001-04-12 2002-10-23 Morita Kk オルトジヒドロキシ構造を有するイソフラボン化合物の製造方法
JP2006256977A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Univ Kansai メイラード反応阻害剤

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