JP2002309032A - 回収ポリエステル樹脂類のリサイクル方法およびリサイクル装置 - Google Patents

回収ポリエステル樹脂類のリサイクル方法およびリサイクル装置

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JP2002309032A
JP2002309032A JP2001114672A JP2001114672A JP2002309032A JP 2002309032 A JP2002309032 A JP 2002309032A JP 2001114672 A JP2001114672 A JP 2001114672A JP 2001114672 A JP2001114672 A JP 2001114672A JP 2002309032 A JP2002309032 A JP 2002309032A
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catalyst
polyester resin
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vacuum drying
property modifier
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Tadashi Komoto
忠史 甲本
Kazuo Shimizu
一男 清水
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業時間の短縮およびコスト低減を図りつつ
高品質な成形材料・成形品を製造できる回収ポリエステ
ル樹脂類のリサイクル方法およびリサイクル装置を提供
すること。 【解決手段】 小片化された回収ポリエステル樹脂類
に、当該樹脂類と親和性のある小片状の物性改質材を所
定の割合で混ぜ合わせ、当該混合中または混合後に減圧
真空乾燥し、減圧真空乾燥後に回収ポリエステル樹脂類
と物性改質材とに触媒を供給して両者に付着させ、続い
て触媒が付着した回収ポリエステル樹脂類と物性改質材
との混合物を成形機へ送り、当該成形機で不活性なガス
が充満した状態下で溶融・成形して成形品を製造するも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回収されたポリエ
ステル樹脂類(回収ポリエステル樹脂、回収ポリアミド
樹脂)のリサイクル方法およびリサイクル装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)
等のポリエステル樹脂やナイロン等のポリアミド樹脂
は、各種産業分野で広く使用されている。例えば、PE
T製のボトル(ペットボトル)は、油類や醤油、清涼飲
料水等の包装容器として普及している。また、ナイロン
は、自動車のコネクターやフィルム等の素材として普及
している。そのため、一般家庭や事業所等から廃棄され
るポリエステル樹脂類(ポリエステル樹脂およびポリア
ミド樹脂)は膨大な量に上っている。
【0003】かかるポリエステル樹脂類は、各地方公共
団体で回収され、埋立処分や焼却処分されることが多
い。しかし、資源の有効活用および自然環境の保護が強
く要請される現今にあっては、回収されたポリエステル
樹脂類を一段と積極的にリサイクル(再利用)すること
が必要となってきている。
【0004】上記回収ポリエステル樹脂類を再利用する
方法の一つとして、当該樹脂類を物理的に処理すること
によって材料としての形態を変え再利用するマテリアル
リサイクルがある。この方法は、現実にPET製の製品
(ペットボトル等)のリサイクルにも使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記リサイ
クル方法では不純物が混入しやすく、品質(粘度や機械
的強度等)が元の製品(バージン材料からなる製品)よ
りも低下する傾向がある。
【0006】例えば、マテリアルリサイクルの一例とし
て、回収ペットボトルを粉砕してフレーク状にし、しか
る後に混練押出機を使ってペレット化して成形材料を製
造したり、フレークを素材として成形機で成形品を製造
することがあるが、当該混練押出機内や当該成形機内
で、PETフレークに残留していた洗浄水分を原因とす
る加水分解が発生したり、酸化分解等が起きて、成形原
料や成形品の品質(粘度、機械的強度等)が低下する傾
向がある。
【0007】そこで、上記した品質低下を抑えるため
に、混練押出機や成形機に入れる前に4〜5時間加熱し
てPETフレークを乾燥させることがあるが、それには
専用の高価な乾燥機を備えなければならないとともに、
多大の燃料費が掛かる。また、回収PETのリサイクル
にも、多大の時間が掛かることになる。その結果、リサ
イクルの効率が悪く、リサイクルされた成形材料や成形
品のほうが、バージンの成形材料や成形品よりも相当割
高となってしまうという、リサイクルの促進に障害とな
る事態が生じることになる。
【0008】同様な不都合は、回収ポリアミド樹脂(回
収ナイロン等)でも生じやすい。
【0009】本発明の目的は、作業時間の短縮およびコ
スト低減を図りつつ高品質な成形材料や成形品等を製造
できる回収ポリエステル樹脂類のリサイクル方法および
リサイクル装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、小片化された回収ポリエステル
樹脂類に、当該樹脂類と親和性のある小片状の物性改質
材を所定の割合で混ぜ合わせ、当該混合中または混合後
に減圧真空乾燥し、減圧真空乾燥後に回収ポリエステル
樹脂類と物性改質材とに触媒を供給して両者に付着さ
せ、続いて触媒が付着した回収ポリエステル樹脂類と物
性改質材との混合物を成形機へ送り、当該成形機で不活
性なガスが充満した状態下で溶融・成形して成形品を製
造するものである。
【0011】かかる発明では、回収ポリエステル樹脂類
(回収ポリエステル樹脂、回収ポリアミド樹脂)と物性
改質材とは、成形機で溶融・成形される前に均一に混ぜ
合わされて減圧真空乾燥される。この減圧真空乾燥によ
って、回収ポリエステル樹脂類と物性改質材とは、従来
の加熱乾燥に比べて極めて短時間に完全乾燥される。ま
た、回収ポリエステル樹脂類と物性改質材との各表面に
は触媒が付着される。なお、混合中に触媒を供給すれ
ば、回収ポリエステル樹脂類と物性改質材との各表面に
は一段と均一に触媒が付着することになる。
【0012】したがって、成形機内に送られた混合物
は、加水分解が発生しない状況下で重縮合する。この
際、触媒は、回収ポリエステル樹脂類と物性改質材との
各表面に付着されているので、重縮合が起きている各箇
所に存在することになる。そのため、触媒がその機能を
十分に発揮するので、上記した重縮合は触媒によって十
分に促進される。
【0013】その結果、成形品(ポリエステル樹脂組成
物又はポリアミド樹脂組成物)の分子量の減少が防止さ
れ、固有粘度を高めることができるとともに、機械的強
度を高めることができる。
【0014】請求項2の発明は、小片化された回収ポリ
エステル樹脂類に、当該樹脂類と親和性のある小片状の
物性改質材を所定の割合で混ぜ合わせ、当該混合中また
は混合後に減圧真空乾燥し、減圧真空乾燥後に回収ポリ
エステル樹脂類と物性改質材とに触媒を供給して両者に
付着させ、続いて触媒が付着した回収ポリエステル樹脂
類と物性改質材との混合物を混練押出機を利用して不活
性なガスが充満した状態下でペレット化するものであ
る。
【0015】かかる発明では、回収ポリエステル樹脂類
と物性改質材とは、混練押出機へ送られる前に均一に混
ぜ合わされて減圧真空乾燥される。この減圧真空乾燥に
よって、回収ポリエステル樹脂類と物性改質材とは、従
来の加熱乾燥に比べて極めて短時間に完全乾燥される。
また、回収ポリエステル樹脂類と物性改質材との各表面
には触媒が付着される。なお、混合中に触媒を供給すれ
ば、回収ポリエステル樹脂類と物性改質材との各表面に
は一段と均一に触媒が付着することになる。
【0016】したがって、混練押出機内に送られた混合
物は、加水分解が発生しない状況下で重縮合する。この
際、触媒は回収ポリエステル樹脂類と物性改質材との各
表面に付着されているので、重縮合が起きている各箇所
に存在することになる。そのため、触媒がその機能を十
分に発揮するので、上記した重縮合は触媒によって十分
に促進される。
【0017】その結果、ペレット(ポリエステル樹脂組
成物又はポリアミド樹脂組成物)の分子量の減少が防止
され、固有粘度を高めることができるとともに、機械的
強度を高めることができる。
【0018】請求項3の発明は、小片化された回収ポリ
エステル樹脂類に、当該樹脂類と親和性のある小片状の
物性改質材を所定の割合で混ぜ合わせ、当該混合中また
は混合後に減圧真空乾燥し、減圧真空乾燥後に回収ポリ
エステル樹脂類と物性改質材とに触媒を供給して両者に
付着させ、続いて触媒が付着した回収ポリエステル樹脂
類と物性改質材との混合物を不活性なガスが充満した状
態下で保管可能な容器に収容してなるものでである。
【0019】かかる発明では、回収ポリエステル樹脂類
と物性改質材とは、容器に収容される前に、混ぜ合わさ
れて減圧真空乾燥される。この減圧真空乾燥によって、
回収ポリエステル樹脂類と物性改質材とは、従来の加熱
乾燥に比べて極めて短時間に完全乾燥される。また、回
収ポリエステル樹脂類と物性改質材との各表面には触媒
が付着される。なお、混合中に触媒を供給すれば、回収
ポリエステル樹脂類と物性改質材との各表面には一段と
均一に触媒が付着することになる。
【0020】そのため、容器に詰められた混合物を、そ
の後例えば成形材料として成形機で溶融・成形する場合
や、混練押出し機でペレット化する場合には、加水分解
が発生しない状況下で重縮合する。この際、触媒は、回
収ポリエステル樹脂類と物性改質材との表面に付着され
ているので、重縮合が起きている各箇所に存在すること
になる。そのため、触媒がその機能を十分に発揮するの
で、上記した重縮合は触媒によって十分に促進される。
【0021】その結果、容器に詰められた混合物は、成
形原料やペレット化原料等として使用した場合、分子量
の減少が防止され固有粘度を高めることができるととも
に、機械的強度を高めることができる。
【0022】請求項4の発明は、前記回収ポリエステル
樹脂類として回収PETまたは回収ナイロンが選定さ
れ、前記物性改質材としてポリエチレンナフタレート
(PEN),ポリブチレンテレフタレート(PBT),
ポリブチレンナフタレート(PBN),ポリシクロヘキ
シレンジメチレンテレフタレート(PCT),ポリアリ
レート(PAR),ポリ四ふっ化エチレン(PTF
E),変性ポリフェニレンエーテル(PPE),アクリ
ロニトリルブタジェンスチレン(ABS),ポリカーボ
ネート(PC)のうちの少なくとも1つが選定され、前
記触媒として、マンガンカーボネートおよびマンガンア
セテートを含む弱アルカリ触媒、チタン酸アルキルエス
テル、弗化チタン酸塩、しゅう酸チタン化合物、モノア
ルキル錫化合物のいずれかが選定されたものである。
【0023】かかる発明では、再生されたPET組成物
またはナイロン組成物の分子量の減少が防止され、固有
粘度を高めることができるとともに、機械的強度を高め
ることができる。
【0024】請求項5の発明は、前記回収ポリエステル
樹脂類と前記物性改質材とに供給する前に前記触媒を加
熱して水分を除去するものである。
【0025】かかる発明では、触媒の水分吸収効率が増
加するので、回収ポリエステル樹脂類と物性改質材とが
重縮合する際に副産物として生じる水を、一段と効果的
に除去できる。そのため、ポリエステル樹脂組成物(又
はポリアミド樹脂組成物)の固有粘度および機械的強度
を一段と高めることができる。
【0026】請求項6の発明は、小片化された回収ポリ
エステル樹脂類と当該回収ポリエステル樹脂類と親和性
のある小片状の物性改質材とを収容可能かつ密閉可能な
真空乾燥用容器と、この真空乾燥用容器内で回収ポリエ
ステル樹脂類と物性改質材とを混ぜ合わせ可能な混練手
段と、この混練手段で混合中または混合後に真空乾燥用
容器内の空気を吸引して減圧真空可能な真空引き手段
と、減圧真空完了後に触媒を真空乾燥用容器中へ拡散し
た状態で供給可能な触媒供給手段と、触媒が付着した回
収ポリエステル樹脂類と物性改質材との混合物を不活性
なガスが充満した状態下で溶融・成形可能な成形機へ送
り可能な搬送手段と、を具備してなるものである。
【0027】かかる発明では、成形品が製造される場合
には、回収ポリエステル樹脂類(回収ポリエステル樹
脂、回収ポリアミド樹脂)と物性改質材とが、所定の割
合で真空乾燥用容器内へ収容される。真空乾燥用容器内
の回収ポリエステル樹脂類と物性改質材とは、混練手段
で混ぜ合わされる。この混合中または混合後に、真空引
き手段が作動されて真空乾燥用容器内が減圧されて真空
となる。これにより、真空乾燥用容器内の回収ポリエス
テル樹脂類と物性改質材とは、従来の加熱乾燥に比べて
極めて短時間に完全乾燥される。真空乾燥後、触媒供給
手段が作動されて触媒が真空乾燥用容器内へ供給され回
収ポリエステル樹脂類と物性改質材との各表面に付着す
る。なお、混合中に触媒を供給すれば、回収ポリエステ
ル樹脂類と物性改質材との各表面には一段と均一に触媒
が付着することになる。
【0028】これにより、真空乾燥用容器から搬送手段
を介して成形機内へ送られた混合物は、加水分解が発生
しない状況下で重縮合する。この際、触媒は、触媒は、
回収ポリエステル樹脂類と物性改質材との各表面に付着
されているので、重縮合が起こる各箇所に存在すること
になる。したがって、触媒がその機能を十分に発揮する
ので、上記した重縮合は触媒によって十分に促進され
る。
【0029】その結果、成形品(ポリエステル樹脂組成
物又はポリアミド樹脂組成物)の分子量の減少が防止さ
れ、固有粘度を高めることができるとともに、機械的強
度を高めることができる。
【0030】請求項7の発明は、前記搬送手段が、前記
真空乾燥用容器から前記混合物を外気と遮断しつつ不活
性なガスが充満した状態下で前記成形機へ搬送可能に構
成されたものである。
【0031】かかる発明では、成形機へ搬送される混合
物へ塵等の異物が混入するのを一段と効果的に阻止でき
るとともに、触媒の酸化もより効果的に防止できる。そ
の結果、作業時間の短縮およびコスト低減を図りつつ一
段と高品質な成形材料・成形品等を製造できる。
【0032】請求項8の発明は、小片化された回収ポリ
エステル樹脂類と所定割合の物性改質材とを収容可能か
つ密閉可能な真空乾燥用容器と、この真空乾燥用容器内
で回収ポリエステル樹脂類と物性改質材とを混ぜ合わせ
可能な混練手段と、この混練手段で混合中または混合後
に真空乾燥用容器内の空気を吸引して減圧真空可能な真
空引き手段と、減圧真空完了後に触媒を真空乾燥用容器
中へ拡散した状態で供給可能な触媒供給手段と、触媒が
付着した回収ポリエステル樹脂類と物性改質材との混合
物を外気と遮断しつつ不活性なガスが充満した状態下で
ペレット化可能な混練押出し機へ送り可能な搬送手段
と、を具備してなるものである。
【0033】かかる発明では、ペレット状の成形材料が
製造される場合には、回収ポリエステル樹脂類(回収ポ
リエステル樹脂、回収ポリアミド樹脂)と物性改質材と
が、所定の割合で真空乾燥用容器内へ収容される。真空
乾燥用容器内の回収ポリエステル樹脂類と物性改質材と
は、混練手段で混ぜ合わされる。この混合中または混合
後に、真空引き手段が作動されて真空乾燥用容器内が減
圧されて真空となる。この減圧真空乾燥によって、真空
乾燥用容器内の回収ポリエステル樹脂類と物性改質材と
は、従来の加熱乾燥に比べて極めて短時間に完全乾燥さ
れる。
【0034】減圧真空完了後に、触媒供給手段が作動さ
れて触媒が真空乾燥用容器内へ供給され回収ポリエステ
ル樹脂類と物性改質材との各表面に付着する。なお、混
合中に触媒を供給すれば、回収ポリエステル樹脂類と物
性改質材との各表面には一段と均一に触媒が付着するこ
とになる。
【0035】これにより、真空乾燥用容器から搬送手段
を介して混練押出機内へ送られた混合物は、加水分解が
発生しない状況下で重縮合する。この際、触媒は、回収
ポリエステル樹脂類と物性改質材との各表面に付着され
ているので、重縮合が起きている各箇所に存在すること
になる。したがって、触媒がその機能を十分に発揮する
ので、上記した重縮合は触媒によって十分に促進され
る。
【0036】その結果、ペレット状成形材料(ポリエス
テル樹脂組成物又はポリアミド樹脂組成物)の分子量の
減少が防止され、固有粘度を高めることができるととも
に、機械的強度を高めることができる。
【0037】請求項9の発明は、前記搬送手段が、前記
真空乾燥用容器から前記混合物を外気と遮断しつつ不活
性なガスが充満した状態下で前記混練押出機へ搬送可能
に構成されたものである。
【0038】かかる発明では、混練押出機へ搬送される
混合物へ塵等の異物が混入するのを一段と効果的に阻止
できるとともに、触媒の酸化もより効果的に防止でき
る。その結果、作業時間の短縮およびコスト低減を図り
つつ一段と高品質な成形材料・成形品を製造できる。
【0039】請求項10の発明は、小片化された回収ポ
リエステル樹脂類と所定割合の物性改質材とを収容可能
かつ密閉可能な真空乾燥用容器と、この真空乾燥用容器
内で回収ポリエステル樹脂類と物性改質材とを混ぜ合わ
せ可能な混練手段と、この混練手段で混合中または混合
後に真空乾燥用容器内の空気を吸引して減圧真空可能な
真空引き手段と、減圧真空完了後に触媒を真空乾燥用容
器中へ拡散した状態で供給可能な触媒供給手段とを備
え、触媒が付着した回収ポリエステル樹脂類と物性改質
材との混合物を不活性なガスが充満した状態下で容器へ
詰め込み可能に構成してなるものである。
【0040】かかる発明では、回収ポリエステル樹脂類
と物性改質材とが、所定の割合で真空乾燥用容器内へ収
容される。真空乾燥用容器内の回収ポリエステル樹脂類
と物性改質材とは、混練手段で混ぜ合わされる。この混
合中または混合後に、真空引き手段が作動されて真空乾
燥用容器が減圧される。この混合中または混合後に、真
空引き手段が作動されて真空乾燥用容器内が減圧されて
真空となる。この減圧真空乾燥によって、真空乾燥用容
器内の回収ポリエステル樹脂類と物性改質材とは、従来
の加熱乾燥に比べて極めて短時間に完全乾燥される。
【0041】減圧真空完了後に、触媒供給手段が作動さ
れて触媒が真空乾燥用容器内へ供給され回収ポリエステ
ル樹脂類と物性改質材との各表面に付着する。なお、混
合中に触媒を供給すれば、回収ポリエステル樹脂類と物
性改質材との各表面には一段と均一に触媒が付着するこ
とになる。
【0042】そのため、容器に詰められた混合物を、そ
の後例えば成形材料として成形機で溶融・成形する場合
や、混練押出機でペレット化する場合には、加水分解が
発生しない状況下で重縮合する。この際、触媒は、酸化
が最小限に抑えられており、回収ポリエステル樹脂類と
物性改質材との各表面に付着されているので、重縮合が
起こる各箇所に存在することになる。そのため、触媒が
その機能を十分に発揮するので、上記した重縮合は触媒
によって十分に促進される。
【0043】その結果、容器に詰められた混合物は、成
形原料やペレット化原料等として使用した場合にも、分
子量の減少が防止され固有粘度を高めることができると
ともに、機械的強度を高めることができる。
【0044】請求項11の発明は、前記回収ポリエステ
ル樹脂類として回収PETまたは回収ナイロンが選定さ
れ、前記物性改質材としてポリエチレンナフタレート
(PEN),ポリブチレンテレフタレート(PBT),
ポリブチレンナフタレート(PBN),ポリシクロヘキ
シレンジメチレンテレフタレート(PCT),ポリアリ
レート(PAR),ポリ四ふっ化エチレン(PTF
E),変性ポリフェニレンエーテル(PPE),アクリ
ロニトリルブタジェンスチレン(ABS),ポリカーボ
ネート(PC)のうちの少なくとも1つが選定され、前
記触媒として、マンガンカーボネートおよびマンガンア
セテートを含む弱アルカリ触媒、チタン酸アルキルエス
テル、弗化チタン酸塩、しゅう酸チタン化合物、モノア
ルキル錫化合物のいずれかが選定されたものである。
【0045】かかる発明では、再生されたPET組成物
またはナイロン組成物の分子量の減少が防止され、固有
粘度を高めることができるとともに、機械的強度を高め
ることができる。
【0046】請求項12の発明は、前記回収ポリエステ
ル樹脂類と前記物性改質材とに供給する前に前記触媒を
加熱して水分を除去する触媒除湿手段を設けたものであ
る。
【0047】かかる発明では、触媒の水分吸収効率が増
加するので、回収ポリエステル樹脂類と物性改質材とが
重縮合する際に、副産物として生じる水を一段と効果的
に除去できる。そのため、ポリエステル樹脂組成物(又
はポリアミド樹脂組成物)の固有粘度および機械的強度
を一段と高めることができる。
【0048】請求項13の発明は、前記触媒供給手段
が、ガス供給管を通して不活性で乾燥したガスを前記真
空乾燥用容器へ送り可能な不活性ガス供給手段と、所定
量の液体状又は粉末状の触媒を収容可能かつ連絡路を通
してガス供給管と連通可能な触媒収容部とを有し、不活
性なガスをガス供給管を通して前記真空乾燥用容器へ送
ることにより触媒を拡散させて当該真空乾燥用容器へ供
給する構成とされたものである。
【0049】かかる発明では、触媒を酸化を防ぎつつ一
段と広く拡散させた状態で真空乾燥用容器内へ送ること
ができる。そのため、触媒は、酸化が防止された状態で
真空乾燥用容器内の回収ポリエステル樹脂類と物性改質
材に一段と均一に付着される。したがって、ポリエステ
ル樹脂組成物(又はポリアミド樹脂組成物)の分子量の
減少が防止され、固有粘度を高めることができるととも
に、機械的強度を高めることができる。
【0050】請求項14の発明は、前記触媒供給手段
が、前記真空乾燥用容器へ送ったガスを戻し手段を介し
て回収して循環使用する構成とされたものである。
【0051】かかる発明では、請求項13の発明の場合
と同様な作用・効果を奏し得る他、一段とガスを有効利
用できる。
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。 (第1の実施形態)
【0052】本発明に係る回収ポリエステル樹脂類のリ
サイクル方法は、小片化された回収ポリエステル樹脂類
に、当該樹脂類と親和性のある小片状の物性改質材を所
定の割合で混ぜ合わせ、当該混合中または混合後に減圧
真空乾燥し、減圧真空乾燥後に回収ポリエステル樹脂類
と物性改質材とに触媒を供給して両者に付着させ、続い
て触媒が付着した回収ポリエステル樹脂類と物性改質材
との混合物を成形機へ送り、当該成形機で不活性なガス
が充満した状態下で溶融・成形して成形品を製造するも
のである。
【0053】そして、上記リサイクル方法の実施に使用
されるリサイクル装置は、小片化された回収ポリエステ
ル樹脂類と当該回収ポリエステル樹脂類と親和性のある
小片状の物性改質材とを収容可能かつ密閉可能な真空乾
燥用容器1と、この真空乾燥用容器1内で回収ポリエス
テル樹脂類と物性改質材とを混ぜ合わせ可能な混練手段
3と、この混練手段3で混合中または混合後に真空乾燥
用容器1内の空気を吸引して減圧真空可能な真空引き手
段6と、減圧真空完了後に触媒を真空乾燥用容器1中へ
拡散した状態で供給可能な触媒供給手段10と、触媒が
付着した回収ポリエステル樹脂類と物性改質材との混合
物を不活性なガスが充満した状態下で溶融・成形可能な
成形機81へ送り可能な搬送手段75と、を具備して成
る。
【0054】ここで、回収ポリエステル樹脂類とは、廃
棄物として回収されたポリエステル樹脂(回収ポリエス
テル樹脂)および回収ポリアミド樹脂を意味する。
【0055】具体的には、ポリエステル樹脂は、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ヘキサメチレングリコール等の脂肪族グリコー
ル;シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコー
ル;ビスフェノール等の芳香族ジヒドロキシ化合物或い
はこれらの2種以上から選ばれたジヒドロキシ化合物
と、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタリン
ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;シユウ酸、コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸
等の脂肪族ジカルボン酸;ヘキサヒドロジカルボン酸等
の脂環族ジカルボン酸或いはこれらの2種以上から選ば
れたジカルボン酸とから形成されるものである。なお、
上記ポリエステル樹脂は、少量のトリオールやトリカル
ボン酸で変性されていても良い。より具体的には、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレン
テレフタレート等を例示することができる。
【0056】また、ポリアミド樹脂の具体例としては、
3員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノ酸、また
は、二塩基酸とジアミンなどの重縮合によって得られる
ポリアミドを用いることができる。3員環以上のラクタ
ムおよび重合可能なω−アミノ酸としては、ε−カプロ
ラクタム、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7ー
アミノヘプタン酸、11ーアミノウンデカン酸、9ーア
ミノノナン酸、α−ピロリドン、α−ピペリドンなどが
挙げられる。ジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン
などが挙げられる。ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン
二塩基酸、グルタール酸などが挙げられる。ポリアミド
樹脂としては、ポリアミド重合体およびポリアミド共重
合体が挙げられ、具体例としては、ナイロン4、ナイロ
ン6、ナイロン7、ナイロン8、ナイロン11、ナイロ
ン12、ナイロン6−6、ナイロン6−9、ナイロン6
−10、ナイロン6−11、ナイロン6−12、ナイロ
ン6T、共重合ナイロン6/6−6、共重合ナイロン6
/12、共重合ナイロン6/6T、共重合ナイロン6I
/6Tなどが挙げられる。複数種のポリアミド樹脂を使
用することもできる。
【0057】この実施形態では、回収ポリエステル樹脂
類として回収PET(ポリエチレンテレフタレート)が
選定されている。回収PETは、洗浄された後に小片化
(フレーク化)される。
【0058】また、物性改質材として、ポリエチレンナ
フタレート(PEN),ポリブチレンテレフタレート
(PBT),ポリブチレンナフタレート(PBN),ポ
リシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PC
T),ポリアリレート(PAR),ポリ四ふっ化エチレ
ン(PTFE),変性ポリフェニレンエーテル(PP
E),アクリロニトリルブタジェンスチレン(AB
S),ポリカーボネート(PC)のうちの少なくとも1
つを選択できる。この実施形態では、物性改質材として
PENが選定されている。PENは、小片化(フレーク
化)されたものを用いる。
【0059】また、触媒として、マンガンカーボネート
およびマンガンアセテートを含む弱アルカリ触媒、チタ
ン酸アルキルエステル、弗化チタン酸塩、しゅう酸チタ
ン化合物、モノアルキル錫化合物のいずれかを選択でき
る。この実施形態では、触媒としてマンガンアセテ−ト
(酢酸マンガン四水和物)が選定されている。このマン
ガンアセテートは、融点は存在せず、137℃で4分子
の水が脱離する。
【0060】次に、上記リサイクル装置の各構成要素に
ついて詳述する。
【0061】真空乾燥用容器1は、所定割合のフレーク
状の回収PETとフレーク状のPENとを収容して密閉
可能に形成されている。ここで、回収PETは、図2に
示すPET供給手段41を介して真空乾燥用容器1へ供
給される。また、PENは、PEN供給手段61を介し
て真空乾燥用容器1へ供給される。
【0062】PET供給手段は、フレークホッパ42、
第1スクリューコンベヤ43(スクリュー43A,駆動
モータ等からなる駆動部43B等)、中継用タンク4
4、第2スクリューコンベヤ46(スクリュー46A,
駆動モータ等からなる駆動部46B等)、PET供給タ
ンク47、計量タンク51等から構成されている。な
お、図1および図2中、42Aはフレークホッパ開閉
弁、44Aは中継用タンク開閉弁、47AはPET供給
タンク開閉弁である。
【0063】中継用タンク44には、PETの過不足を
検出するための上限検出手段45Aおよび下限検出手段
45Bが取り付けられている。各検出手段(45A,4
5B)からの検出信号に基きフレークホッパ開閉弁42
Aが閉鎖・開放される。また、PET供給タンク47に
は、PETの過不足を検出するための上限検出手段48
Aおよび下限検出手段48Bが取り付けられている。各
検出手段(48A,48B)からの検出信号に基き中継
用タンク開閉弁44Aが閉鎖・開放される。
【0064】フレークホッパ42へ投入されたフレーク
状の回収PETは、フレークホッパ開閉弁42Aおよび
第1スクリューコンベヤ43を介して中継用タンク44
へ送られる。そして、中継用タンク44から中継用タン
ク開閉弁44Aおよび第2スクリューコンベヤ46を介
してPET供給タンク47へ搬送される。
【0065】PET供給タンク47に一定量の回収PE
Tが貯蔵されたところで、開閉弁47Aが開放される
と、当該PET供給タンク47から回収PETが計量タ
ンク51の計量室51Aへ流れ込んで計量器51Cで計
量され、しかる後に投入室51Bへ投入される。投入用
弁52が開放されると、計量された回収PETが真空乾
燥用容器1へ投入される。
【0066】次に、PEN供給手段61は、スクリュー
コンベヤ62(スクリュー62A,駆動モータ等からな
る駆動部62B等)、PEN供給タンク63、計量タン
ク65等から構成されている。なお、図1中、63Aは
PEN供給タンク開閉弁、66は投入用弁である。PE
N供給タンク63には、PENの過不足を検出するため
の上限検出手段64Aおよび下限検出手段64Bが取り
付けられている。各検出手段(64A,64B)からの
検出信号に基き、スクリューコンベヤ61へPENを送
るためのフレークホッパ開閉弁(図示省略)が閉鎖・開
放される。
【0067】スクリューコンベヤ61を介してPEN供
給タンク63へ送られたフレーク状のPENは、開閉弁
63Aが開放されると、当該PEN供給タンク63から
計量タンク65の計量室65Aへ流れ込んで計量器65
Cで計量され、しかる後に投入室65Bへ投入される。
投入用弁66が開放されると、計量された回収PENが
真空乾燥用容器1へ投入される。
【0068】この実施形態では、真空乾燥用容器1へ投
入される回収PETとPENの割合は9:1とされてい
る。
【0069】次に、混練手段3は、真空乾燥用容器1内
に設けられたスクリュー3Aと、このスクリュー3Aを
縦回転軸3Cの軸線を中心として回転させる駆動部3B
とを含み、当該容器1内へ供給された回収PETとPE
Nとを混合可能に形成されている。
【0070】真空引き手段6は、真空ポンプ7、減圧弁
8Aおよび減圧空気放出弁8Bを含み、混練手段3で混
合中に真空乾燥用容器1内の空気を吸引して減圧真空可
能に構成されている。なお、混練手段3で混合後に真空
引きする構成でもよい。この実施形態では、真空引き手
段6を用いて、真空乾燥用容器1内を真空度1〜10T
orrまで真空化するものとしている。
【0071】触媒供給手段10は、ガス供給管26Dを
通して不活性で乾燥したガス(例えば窒素)を真空乾燥
用容器1へ送り可能な不活性ガス供給手段21と、所定
量の液体状又は粉末状の触媒を収容可能かつガス供給管
26Dと連通可能な触媒収容部11Aとを有し、上記ガ
スをガス供給管26Dを通して真空乾燥用容器1へ送る
ことにより触媒収容部11Aから当該ガス供給管26D
へ流入する触媒を拡散させて当該真空乾燥用容器1へ供
給する構成とされている。
【0072】この実施形態では、真空乾燥用容器1への
触媒の供給は減圧真空完了後に行うものとされている。
また触媒供給手段10は、真空乾燥用容器1へ送ったガ
ス(窒素)を戻し手段〔配管(26E,26F),減圧
弁8A,減圧空気放出手段8B等〕を介して回収して循
環使用するものとされている。
【0073】上記触媒収容部11Aは、触媒供給タンク
12、計量タンク13、計量触媒投入用弁14、触媒撹
拌用タンク15、撹拌手段16、触媒投入量調節手段3
1、触媒拡散手段37等から構成されている。なお、図
1中、12Aは開閉弁、14は計量触媒投入用弁であ
る。
【0074】触媒供給タンク12は、触媒(マンガンア
セテート)を所定量貯蔵可能に形成されている。計量タ
ンク13は、開閉弁12Aが開けられることにより触媒
供給タンク12から流入した触媒を計量可能に構成され
ている(前記した計量タンク51と同様構成であるので
詳細は省略する)。計量された触媒は、開放された計量
触媒投入用弁14を介して触媒撹拌用タンク15へ送ら
れる。なお、計量済み触媒が、すべて触媒撹拌用タンク
15へ送られた後、投入用弁14が閉じられて、次の計
量動作がなされる。
【0075】触媒撹拌用タンク15は、触媒の真空乾燥
用容器1への円滑供給を図るために、当該触媒を撹拌す
るための容器である。計量タンク13から計量触媒投入
用弁14を介して触媒撹拌用タンク15内に送られてき
た触媒は、図3に示す撹拌手段16(スクリュー16
A,駆動部16B)で撹拌される。撹拌する際には、配
管26Kを通して乾燥不活性ガス乾燥機23から乾燥し
たガス(窒素)が供給されるので、触媒が酸化するよう
なことはない。なお、触媒が液体状の場合にも触媒撹拌
用タンク15内で撹拌するものとされている。特に、触
媒が固体状(粒状等)の場合には、撹拌は真空乾燥用容
器1への円滑供給に効果がある。
【0076】触媒投入量調節手段31は、触媒撹拌用タ
ンク15内からガス供給管26Dへ流入する触媒の流量
を調節する手段である。この実施形態では、触媒投入量
調節手段31は、図3および図4に示すように、本体ケ
ース32、調節用円板33、調節用円板駆動機構34等
から構成されている。
【0077】ここで、本体ケース32は、触媒撹拌用タ
ンク15の下端部を包むこむように配設されている。こ
の本体ケース32内には、支持軸33Xを介して調節用
円板33が回転自在に設けられている。調節用円板33
には、図4に示すように、直径が異なる複数個(例え
ば、6個)の貫通孔(33a,33b,33c,33
d,33e,33f)が同一円周上に所定の間隔(例え
ば、60°間隔)で穿設されている。調節用円板33の
各貫通孔33a等は、当該円板33を所定角度量(60
°)だけ回動させることにより、次々に触媒撹拌用タン
ク15の出口用孔15Aとガイド管37Aとに整合する
位置に位置決めされる。貫通孔33aの内径が最小で、
貫通孔33fの内径が最大とされている。
【0078】調節用円板駆動機構34は、支持軸33X
の上端部に取り付けられたウオームホイール35Aと、
このウオームホイール35Aと噛合するウオーム35B
と、ウオーム軸35Cの自由端部に装着されたハンドル
36とを含み、ハンドル36を回転操作することにより
調節用円板33を回動することができる。
【0079】したがって、ハンドル36を手動で適宜回
転操作して、例えば調節用円板33の最小の貫通孔33
aを触媒撹拌用タンク15の出口用孔15Aと整合させ
れば、ガス供給管26Dへ流入する触媒量が最小とな
る。また、ハンドル36を適宜回転操作して、調節用円
板33の貫通孔(33a等)が設けられていない部位を
触媒撹拌用タンク15の出口用孔15Aと整合させれ
ば、ガス供給管26Dへの触媒の流入が停止される。
【0080】触媒拡散手段37は、上記したガイド管3
7Aと、ベンチュリー部37Bとを含み、ガス供給管2
6Dを流れるガス(窒素)の勢いを利用して触媒撹拌用
タンク15から送られてきた触媒を拡散する手段であ
る。
【0081】ガイド管37Aは、上記した調節用円板3
3の各貫通孔(33a〜33f)を介して触媒撹拌用タ
ンク15の出口用孔15Aと連通するように配設されて
おり、その先端部は開口されている。ベンチュリー部3
7Bは、ガス供給管26Dに介装されており、ガイド管
37Aの開口部37kと対応する部分の内径が最小とな
るように絞られている。
【0082】したがって、ガス供給管26Dを流れるガ
ス(窒素)の流速は、ガイド管37Aの開口部37k付
近で最大となるので、当該ガイド管37Aの開口部37
kから触媒が勢いよく吸い出され拡散することになる。
【0083】この実施形態では、触媒を真空乾燥用容器
1へ供給する前に加熱して水分を除去する触媒除湿手段
18が設けられている。
【0084】触媒除湿手段18は、図3に示すように、
触媒撹拌用タンク15に装着されたヒータ17Aと、温
度制御用のサーモスタット17Bと、水分除去手段(1
8A)を含み、当該タンク15内の触媒を所定温度に加
熱可能に構成されている。この実施形態で採用するマン
ガンアセテートでは、4分子の水が脱離する137℃以
上に加熱するものとされている。水分除去手段18は、
逆止弁18Dおよび循環用配管18E等を介して触媒撹
拌用タンク15と接続された除湿機18Aから構成され
ている。除湿機18Aで水分が除去されたガス(窒素)
は、循環用配管18Eを通して触媒撹拌用タンク15へ
戻される。
【0085】不活性ガス供給手段21は、不活性ガスタ
ンク22、不活性ガス乾燥機23、乾燥不活性ガス貯蔵
タンク24、乾燥不活性ガス圧送ポンプ25等から構成
されている。
【0086】不活性ガスタンク22は、不活性なガス
(この実施形態では,窒素)を収容可能に形成されてい
る。ガス供給弁27F等を介して外部からガスが供給さ
れる。この不活性ガスタンク22は、配管26Jを介し
て不活性ガス減圧ポンプ28と接続されている。配管2
6Jには開閉弁27Eが介装されている。
【0087】なお、不活性ガス減圧ポンプ28は、配管
(26I,26G)を介して乾燥混合物一次ストックタ
ンク29と接続されている。配管26Gには、開閉弁2
7Fが介装されている。また、不活性ガス減圧ポンプ2
8は、配管(26I,26H)を介して乾燥混合物二次
ストックタンク71と接続されている。配管26Hに
は、開閉弁27Gが介装されている。
【0088】また、不活性ガスタンク22は、配管26
Fを介して真空ポンプ7と接続されている。配管26F
には開閉弁27Dが介装されている。また、不活性ガス
タンク22は、配管26Aを介して不活性ガス乾燥機2
3と接続されている。配管26Aには、開閉弁27Aが
介装されている。
【0089】不活性ガス乾燥機23は、シリカ型のもの
を使用するものとされている。この不活性ガス乾燥機2
3は、乾燥不活性ガス圧送ポンプ25に接続されてい
る。乾燥不活性ガス圧送ポンプ25は、乾燥不活性ガス
貯蔵タンク24と配管26Cおよび開閉弁27Bを介し
て接続されており、当該貯蔵タンク24へ乾燥された不
活性なガスを所定の圧力で送り可能に形成されている。
乾燥不活性ガス貯蔵タンク24は、ガス供給管26Dを
介して真空乾燥用容器1へ接続されているとともに、配
管26kを介して触媒撹拌用タンク15へ接続されてい
る。配管26kには開閉弁27Cが介装されている。
【0090】搬送手段75は、乾燥混合物一次ストック
タンク29と乾燥混合物二次ストックタンク71とを連
通するとともに、触媒が付着した回収PETとPENと
の混合物を外気と遮断しつつ不活性なガス(窒素)が充
満した状態下で一次ストックタンク29から二次ストッ
クタンク71へ送り可能なスクリューコンベヤ(図示省
略)から形成されている。
【0091】上記した乾燥混合物二次ストックタンク7
1は、配管72を介して成形機81と接続されている。
配管72には開閉弁71Aが介装されている。なお、成
形機81は、図1に示すように、本体82を有してい
る。本体82には、加熱手段(ヒータ82B,断熱材8
2A等)、二軸混練スクリュー83、スクリュー駆動部
84(駆動モータ84A,減速機構84B等)、サイジ
ングダイ86等が設けられている。また、本体86に
は、回収PETとPENとの混合物が溶融・混練される
際に発生するガスを抜くためのベント開口部85が設け
られている。
【0092】次に、この実施形態の作用について説明す
る。
【0093】回収PETを主原料として成形機81で成
形品を製造する場合には、所定量の回収PETがPET
供給手段41を介して真空乾燥用容器1へ供給されると
ともに、所定量のPENがPEN供給手段61を介して
供給される(図5の工程S1)。なお、回収PETおよ
びPENの供給が開始される前に真空引き手段6を少し
駆動して、真空乾燥用容器1内の圧力を1気圧よりも少
し下げておけば、回収PETおよびPENの供給が円滑
に行われる。なお、回収PETとPENとの割合は、
9:1とされている。
【0094】こうして、所定量の回収PETとPENと
が真空乾燥用容器1へ収容されたところで、混合手段3
を用いて混合する(工程S2)。
【0095】この混合中(例えば、混合開始直後)に、
減圧弁27Dを閉じた状態で減圧弁8Aおよび減圧空気
放出弁8Bを開放し、真空ポンプ6を駆動することによ
り、真空乾燥用容器1を減圧真空する(工程S3)。こ
れにより、真空乾燥用容器1内で混合されている回収P
ETとPENとは完全に乾燥される。
【0096】次に、減圧真空完了後(例えば、15分〜
25分経過後)、開閉弁(27c,27T)を開放し
て、触媒撹拌用タンク15から触媒(マンガンアセテー
ト)を拡散した状態で真空乾燥用容器1へ供給する。こ
れにより、混合中の回収PETとPENとの各表面に触
媒が均一に付着される(工程S4)。
【0097】なお、上記工程S4が終了するまでに、開
閉弁(27F,27G)が開放された状態で不活性ガス
減圧ポンプ28が駆動されて、乾燥混合物一次ストック
タンク29および乾燥混合物二次ストックタンク71
は、所定圧力(例えば、0.5気圧)まで減圧される。
【0098】上記工程S4終了後、搬送手段75を駆動
した状態で開閉バルブ1Aを開放すると、触媒が付着し
た回収PETとPENとは乾燥混合物一次ストックタン
ク29に流入し、搬送手段75によって外気と遮断され
つつ不活性なガスが充満した状態下で乾燥混合物二次ス
トックタンク71へ送られる。そして、開閉弁71Aの
開放によって成形機81へ供給される。触媒が付着した
回収PETとPENとは、成形機81で溶融・成形され
て成形品となる(工程S5)。
【0099】なお、真空乾燥用容器1に残留するガス
(窒素)は、戻し手段〔配管(26E,26F),減圧
弁8A,減圧空気放出手段8B等〕によって不活性ガス
タンク22へ戻される。
【0100】上記したように、回収PETとPENと
は、成形機81で溶融・成形される前に均一に混ぜ合わ
されて減圧真空乾燥される。この減圧真空乾燥によっ
て、回収PETとPENとは、極めて短時間に完全乾燥
される。また、回収PETとPENとの各表面には触媒
が付着される。したがって、成形機81内に送られた混
合物は、加水分解が発生しない状況下で重縮合する。こ
の際、触媒は、回収PETとPENとの各表面に付着さ
れているので、重縮合が起きている各箇所に存在するこ
とになる。そのため、触媒がその機能を十分に発揮する
ので、上記した重縮合は触媒によって十分に促進され
る。
【0101】その結果、成形品(PET組成物)の分子
量の減少が防止され、固有粘度を高めることができると
ともに、機械的強度を高めることができる。
【0102】また、搬送手段75が、真空乾燥用容器1
から混合物(触媒が付着された回収PETとPEN)を
外気と遮断しつつ不活性なガスが充満した状態下で成形
機81へ搬送可能に構成されているので、成形機81へ
搬送される混合物へ塵等の異物が混入するのを一段と効
果的に阻止できるとともに、触媒の酸化もより効果的に
防止できる。その結果、作業時間の短縮およびコスト低
減を図りつつ一段と高品質な成形材料を製造できる。
【0103】また、触媒除湿手段18を設けたので、触
媒の水分吸収効率が増加する。そのため、回収PETと
PENとが重縮合する際に、副産物として生じる水を一
段と効果的に除去できる。そのため、成形品の固有粘度
および機械的強度を一段と高めることができる。
【0104】また、触媒供給手段11が、ガス供給管2
6Dを通して不活性で乾燥したガスを真空乾燥用容器1
へ送り可能な不活性ガス供給手段21と、所定量の液体
状又は粉末状の触媒を収容可能かつガス供給管26Dと
連通可能な触媒収容部11Aとを有し、不活性なガスを
ガス供給管26Dを通して真空乾燥用容器1へ送ること
により触媒を拡散させて当該容器1へ供給する構成とさ
れているので、触媒を酸化を防ぎつつ一段と広く拡散さ
せた状態で真空乾燥用容器1内へ送ることができる。そ
のため、触媒は、酸化が防止された状態で真空乾燥用容
器内の回収PETとPENとの各表面に一段と均一に付
着される。したがって、成形品の固有粘度を高めること
ができるとともに、機械的強度を高めることができる。
【0105】また、触媒供給手段11が、戻し手段戻し
手段〔配管(26E,26F),減圧弁8A,減圧空気
放出手段8B等〕を備え、真空乾燥用容器1へ送ったガ
スを回収して循環使用する構成とされているので、一段
とガスを有効利用できる。
【0106】さらに、成形機81に、混合物(触媒が付
着された回収PETとPEN)を溶融・搬送中に発生す
るガスを放出するためのベント開口部85を設けたの
で、成形品に気泡等が生じるのを防止できる。したがっ
て、作業時間の短縮およびコスト低減を図りつつ一段と
高品質な成形品を製造できる。
【0107】さらにまた、搬送手段75が、真空乾燥用
容器1から混合物を外気と遮断しつつ不活性なガス(窒
素)が充満した状態下で成形機81へ搬送可能に構成さ
れているので、成形機81へ送られる混合物へ塵等の異
物が混入するのを一段と効果的に阻止できるとともに、
触媒の酸化もより効果的に防止できる。その結果、作業
時間の短縮およびコスト低減を図りつつ一段と高品質な
成形品を製造できる。
【0108】(第2の実施形態)
【0109】第2の実施形態に係る回収ポリエステル類
のリサイクル方法は、小片化された回収ポリエステル樹
脂類(例えば,回収PET、回収ナイロン)に、当該樹
脂類と親和性のある小片状の物性改質材(例えば、PE
N)を所定の割合で混ぜ合わせ、当該混合中または混合
後に減圧真空乾燥し、減圧真空乾燥後に触媒(例えば、
マンガンアセテート)を供給して両者に付着させ、続い
て触媒が付着した回収ポリエステル樹脂類と物性改質材
との混合物を混練押出機91を利用して不活性なガス
(窒素等)が充満した状態下でペレット化するものであ
る。
【0110】具体的には、本回収ポリエステル類のリサ
イクル方法は、フレーク状の回収PETとPENとを所
定の割合で真空乾燥用容器1に供給して混ぜ合わせ(図
7の工程S1,S2)、当該混合中に真空引き手段6を
用いて減圧真空乾燥し(工程S3)、減圧真空乾燥後に
触媒供給手段11を駆動して触媒(例えば、マンガンア
セテート)を真空乾燥用容器1へ供給して両者に付着さ
せ(工程S4)、続いて触媒が付着した回収PETとP
ENとの混合物を混練押出機91を利用して不活性なガ
ス(窒素等)が充満した状態下でペレット化するもので
ある(工程S5)。
【0111】そして、上記リサイクル方法の実施に使用
するリサイクル装置は、小片化された回収ポリエステル
樹脂類と所定割合の物性改質材を収容可能かつ密閉可能
な真空乾燥用容器1と、この真空乾燥用容器1内で回収
ポリエステル樹脂類と物性改質材とを混ぜ合わせ可能な
混練手段3と、この混練手段3で混合中または混合後に
真空乾燥用容器1内の空気を吸引して減圧真空可能な真
空引き手段6と、減圧真空完了後に触媒を真空乾燥用容
器1中へ拡散した状態で供給可能な触媒供給手段11
と、触媒が付着した回収ポリエステル樹脂類と物性改質
材との混合物を外気と遮断しつつ不活性なガスが充満し
た状態下でペレット化可能な混練押出機91へ送り可能
な搬送手段75とを具備してなる。
【0112】なお、上記各構成要素は、第1の実施形態
の対応する各構成要素と同様構成であるので、同様な効
果を奏する。また、第1の実施形態の触媒除湿手段18
および戻し手段と同様構成の手段を設けているので、一
段と高品質なペレット状成形材料を製造できる。
【0113】上記構成のリサイクル方法およびリサイク
ル装置によれば、回収PETとPENとは、混練押出機
へ送られる前に均一に混ぜ合わされて減圧真空乾燥され
る。この減圧真空乾燥によって、回収PETとPENと
は、従来の加熱乾燥に比べて極めて短時間に完全乾燥さ
れる。また、回収PETとPENとの各表面には触媒が
付着される。なお、混合中に触媒を供給すれば、回収ポ
リエステル樹脂類と物性改質材との各表面には一段と均
一に触媒が付着することになる。
【0114】したがって、混練押出機91内に送られた
混合物は、加水分解が発生しない状況下で重縮合する。
この際、触媒は回収PETとPENとの各表面に付着さ
れているので、重縮合が起きている各箇所に存在するこ
とになる。そのため、触媒がその機能を十分に発揮する
ので、上記した重縮合は触媒によって十分に促進され
る。
【0115】その結果、ペレット(PET組成物)の分
子量の減少が防止され、固有粘度を高めることができる
とともに、機械的強度を高めることができる。
【0116】(第3の実施形態)
【0117】第3の実施形態に係る回収ポリエステル類
のリサイクル方法は、小片化された回収ポリエステル樹
脂類に、当該樹脂類と親和性のある小片状の物性改質材
を所定の割合で混ぜ合わせ、当該混合中または混合後に
減圧真空乾燥し、減圧真空乾燥後に回収ポリエステル樹
脂類と物性改質材とに触媒を供給して両者に付着させ、
続いて触媒が付着した回収ポリエステル樹脂類と物性改
質材との混合物を不活性なガスが充満した状態下で保管
可能な容器95に収容してなるものである。
【0118】具体的には、本回収ポリエステル類のリサ
イクル方法は、フレーク状の回収PETとPENとを所
定の割合で真空乾燥用容器1に供給して混ぜ合わせ(図
9の工程S1,S2)、当該混合中に真空引き手段6を
用いて減圧真空乾燥し(工程S3)、減圧真空乾燥後に
触媒供給手段11を駆動して触媒(例えば、マンガンア
セテート)を真空乾燥用容器1へ供給して両者に付着さ
せ(工程S4)、続いて触媒が付着した回収PETとP
ENとの混合物を搬送手段75を利用して不活性なガス
が充満した状態下で保管可能な容器95に収容してなる
ものである(工程S5)。
【0119】そして、上記リサイクル方法の実施に使用
されるリサイクル装置は、小片化された回収ポリエステ
ル樹脂類(回収PET等)と所定割合の物性改質材(P
EN等)とを収容可能かつ密閉可能な真空乾燥用容器1
と、この真空乾燥用容器1内で回収ポリエステル樹脂類
と物性改質材とを混ぜ合わせ可能な混練手段3と、この
混練手段3で混合中または混合後に真空乾燥用容器1内
の空気を吸引して減圧真空可能な真空引き手段6と、真
空乾燥後に触媒を真空乾燥用容器1中へ拡散した状態で
供給可能な触媒供給手段21とを備え、触媒が付着した
回収ポリエステル樹脂類と物性改質材との混合物を不活
性なガスが充満した状態下で容器95へ詰め込み可能に
構成されている。
【0120】なお、上記各構成要素は、第1の実施形態
の対応する各構成要素と同様構成であるので、同様な効
果を奏する。また、第1の実施形態の触媒除湿手段18
および戻し手段と同様構成の手段を設けているので、一
段と高品質なペレット状成形材料や成形品等を製造でき
る。
【0121】上記構成のリサイクル方法およびリサイク
ル装置によれば、回収PETとPENとは、容器95に
収容される前に、混ぜ合わされて減圧真空乾燥される。
この減圧真空乾燥によって、回収PETとPENとは、
極めて短時間に完全乾燥される。また、回収PETとP
ENとの各表面には触媒が付着される。なお、混合中に
触媒を供給すれば、回収PETとPENとの各表面には
一段と均一に触媒が付着することになる。
【0122】そのため、容器95に詰められた混合物
を、その後例えば成形材料として成形機で溶融・成形す
る場合や、混練押出し機でペレット化する場合には、加
水分解が発生しない状況下で重縮合する。この際、触媒
は、回収ポリエステル樹脂類と物性改質材との表面に付
着されているので、重縮合が起きている各箇所に存在す
ることになる。そのため、触媒がその機能を十分に発揮
するので、上記した重縮合は触媒によって十分に促進さ
れる。
【0123】その結果、容器95に詰められた混合物
は、成形原料やペレット化原料等として使用した場合、
分子量の減少が防止され固有粘度を高めることができる
とともに、機械的強度を高めることができる。
【0124】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、小片化された
回収ポリエステル樹脂類に、当該樹脂類と親和性のある
小片状の物性改質材を所定の割合で混ぜ合わせ、当該混
合中または混合後に減圧真空乾燥し、減圧真空乾燥後に
回収ポリエステル樹脂類と物性改質材とに触媒を供給し
て両者に付着させ、続いて触媒が付着した回収ポリエス
テル樹脂類と物性改質材との混合物を成形機へ送り、当
該成形機で不活性なガスが充満した状態下で溶融・成形
して成形品を製造するので、回収ポリエステル樹脂類と
物性改質材とは、成形機で溶融・成形される前に均一に
混ぜ合わされて減圧真空乾燥される。これにより、回収
ポリエステル樹脂類と物性改質材とは、従来の加熱乾燥
に比べて極めて短時間に完全乾燥される。したがって、
成形機内に送られた混合物は、加水分解が発生しない状
況下で重縮合する。この際、触媒は、回収ポリエステル
樹脂類と物性改質材との各表面に付着されているので、
重縮合が起きている各箇所に存在することになる。その
ため、触媒がその機能を十分に発揮するので、上記した
重縮合は触媒によって十分に促進される。その結果、成
形品(ポリエステル樹脂組成物又はポリアミド樹脂組成
物)の分子量の減少が防止され、固有粘度を高めること
ができるとともに、機械的強度を高めることができる。
【0125】請求項2の発明によれば、小片化された回
収ポリエステル樹脂類に、当該樹脂類と親和性のある小
片状の物性改質材を所定の割合で混ぜ合わせ、当該混合
中または混合後に減圧真空乾燥し、減圧真空乾燥後に回
収ポリエステル樹脂類と物性改質材とに触媒を供給して
両者に付着させ、続いて触媒が付着した回収ポリエステ
ル樹脂類と物性改質材との混合物を混練押出機を利用し
て不活性なガスが充満した状態下でペレット化するの
で、回収ポリエステル樹脂類と物性改質材とは、成形機
で溶融・成形される前に均一に混ぜ合わされて減圧真空
乾燥される。この減圧真空乾燥によって、回収ポリエス
テル樹脂類と物性改質材とは、従来の加熱乾燥に比べて
極めて短時間に完全乾燥される。また、回収ポリエステ
ル樹脂類と物性改質材との各表面には触媒が付着され
る。したがって、混練押出機内に送られた混合物は、加
水分解が発生しない状況下で重縮合する。この際、触媒
は回収ポリエステル樹脂類と物性改質材との各表面に付
着されているので、重縮合が起きている各箇所に存在す
ることになる。そのため、触媒がその機能を十分に発揮
するので、上記した重縮合は触媒によって十分に促進さ
れる。その結果、ペレット(ポリエステル樹脂組成物又
はポリアミド樹脂組成物)の分子量の減少が防止され、
固有粘度を高めることができるとともに、機械的強度を
高めることができる。
【0126】請求項3の発明によれば、小片化された回
収ポリエステル樹脂類に、当該樹脂類と親和性のある小
片状の物性改質材を所定の割合で混ぜ合わせ、当該混合
中または混合後に減圧真空乾燥し、減圧真空乾燥後に回
収ポリエステル樹脂類と物性改質材とに触媒を供給して
両者に付着させ、続いて触媒が付着した回収ポリエステ
ル樹脂類と物性改質材との混合物を不活性なガスが充満
した状態下で保管可能な容器に収容してなるので、回収
ポリエステル樹脂類と物性改質材とは、容器に収容され
る前に、混ぜ合わされて減圧真空乾燥される。この減圧
真空乾燥によって、回収ポリエステル樹脂類と物性改質
材とは、従来の加熱乾燥に比べて極めて短時間に完全乾
燥される。また、回収ポリエステル樹脂類と物性改質材
との各表面には触媒が付着される。そのため、容器に詰
められた混合物を、その後例えば成形材料として成形機
で溶融・成形する場合や、混練押出し機でペレット化す
る場合には、加水分解が発生しない状況下で重縮合す
る。この際、触媒は、回収ポリエステル樹脂類と物性改
質材との表面に付着されているので、重縮合が起きてい
る各箇所に存在することになる。そのため、触媒がその
機能を十分に発揮するので、上記した重縮合は触媒によ
って十分に促進される。その結果、容器に詰められた混
合物は、成形原料やペレット化原料等として使用した場
合、分子量の減少が防止され固有粘度を高めることがで
きるとともに、機械的強度を高めることができる。
【0127】請求項4の発明によれば、回収ポリエステ
ル樹脂類として回収PETまたは回収ナイロンが選定さ
れ、物性改質材としてポリエチレンナフタレート(PE
N),ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリブ
チレンナフタレート(PBN),ポリシクロヘキシレン
ジメチレンテレフタレート(PCT),ポリアリレート
(PAR),ポリ四ふっ化エチレン(PTFE),変性
ポリフェニレンエーテル(PPE),アクリロニトリル
ブタジェンスチレン(ABS),ポリカーボネート(P
C)のうちの少なくとも1つが選定され、触媒として、
マンガンカーボネートおよびマンガンアセテートを含む
弱アルカリ触媒、チタン酸アルキルエステル、弗化チタ
ン酸塩、しゅう酸チタン化合物、モノアルキル錫化合物
のいずれかが選定されたものであるので、再生されたP
ET組成物またはナイロン組成物の分子量の減少が防止
され、固有粘度を高めることができるとともに、機械的
強度を高めることができる。
【0128】請求項5の発明によれば、回収ポリエステ
ル樹脂類と物性改質材とに供給する前に触媒を加熱して
水分を除去するので、触媒の水分吸収効率が増加する。
そのため、回収ポリエステル樹脂類と物性改質材とが重
縮合する際に副産物として生じる水を、一段と効果的に
除去できる。その結果、ポリエステル樹脂組成物(又は
ポリアミド樹脂組成物)の固有粘度および機械的強度を
一段と高めることができる。
【0129】請求項6の発明によれば、小片化された回
収ポリエステル樹脂類と当該回収ポリエステル樹脂類と
親和性のある小片状の物性改質材とを収容可能かつ密閉
可能な真空乾燥用容器と、この真空乾燥用容器内で回収
ポリエステル樹脂類と物性改質材とを混ぜ合わせ可能な
混練手段と、この混練手段で混合中または混合後に真空
乾燥用容器内の空気を吸引して減圧真空可能な真空引き
手段と、減圧真空完了後に触媒を真空乾燥用容器中へ拡
散した状態で供給可能な触媒供給手段と、触媒が付着し
た回収ポリエステル樹脂類と物性改質材との混合物を不
活性なガスが充満した状態下で溶融・成形可能な成形機
へ送り可能な搬送手段とを具備してなるので、真空乾燥
用容器から搬送手段を介して成形機内へ送られた混合物
は、加水分解が発生しない状況下で重縮合する。この
際、触媒は、触媒は、回収ポリエステル樹脂類と物性改
質材との各表面に付着されているので、重縮合が起こる
各箇所に存在することになる。したがって、触媒がその
機能を十分に発揮するので、上記した重縮合は触媒によ
って十分に促進される。その結果、成形品(ポリエステ
ル樹脂組成物又はポリアミド樹脂組成物)の分子量の減
少が防止され、固有粘度を高めることができるととも
に、機械的強度を高めることができる。
【0130】請求項7の発明によれば、搬送手段が、真
空乾燥用容器から混合物を外気と遮断しつつ不活性なガ
スが充満した状態下で成形機へ搬送可能に構成されてい
るので、成形機へ搬送される混合物へ塵等の異物が混入
するのを一段と効果的に阻止できるとともに、触媒の酸
化もより効果的に防止できる。その結果、作業時間の短
縮およびコスト低減を図りつつ一段と高品質な成形材料
・成形品等を製造できる。
【0131】請求項8の発明によれば、小片化された回
収ポリエステル樹脂類と所定割合の物性改質材とを収容
可能かつ密閉可能な真空乾燥用容器と、この真空乾燥用
容器内で回収ポリエステル樹脂類と物性改質材とを混ぜ
合わせ可能な混練手段と、この混練手段で混合中または
混合後に真空乾燥用容器内の空気を吸引して減圧真空可
能な真空引き手段と、減圧真空完了後に触媒を真空乾燥
用容器中へ拡散した状態で供給可能な触媒供給手段と、
触媒が付着した回収ポリエステル樹脂類と物性改質材と
の混合物を外気と遮断しつつ不活性なガスが充満した状
態下でペレット化可能な混練押出機へ送り可能な搬送手
段とを具備しているので、真空乾燥用容器から搬送手段
を介して混練押出機内へ送られた混合物は、加水分解が
発生しない状況下で重縮合する。この際、触媒は、回収
ポリエステル樹脂類と物性改質材との各表面に付着され
ているので、重縮合が起きている各箇所に存在すること
になる。したがって、触媒がその機能を十分に発揮する
ので、上記した重縮合は触媒によって十分に促進され
る。その結果、ペレット(ポリエステル樹脂組成物又は
ポリアミド樹脂組成物)の分子量の減少が防止され、固
有粘度を高めることができるとともに、機械的強度を高
めることができる。
【0132】請求項9の発明によれば、搬送手段が、真
空乾燥用容器から混合物を外気と遮断しつつ不活性なガ
スが充満した状態下で混練押出機へ搬送可能に構成され
ているので、混練押出機へ搬送される混合物へ塵等の異
物が混入するのを一段と効果的に阻止できるとともに、
触媒の酸化もより効果的に防止できる。その結果、作業
時間の短縮およびコスト低減を図りつつ一段と高品質な
成形材料・成形品を製造できる。
【0133】請求項10の発明によれば、小片化された
回収ポリエステル樹脂類と所定割合の物性改質材とを収
容可能かつ密閉可能な真空乾燥用容器と、この真空乾燥
用容器内で回収ポリエステル樹脂類と物性改質材とを混
ぜ合わせ可能な混練手段と、この混練手段で混合中また
は混合後に真空乾燥用容器内の空気を吸引して減圧真空
可能な真空引き手段と、減圧真空完了後に触媒を真空乾
燥用容器中へ拡散した状態で供給可能な触媒供給手段と
を備え、触媒が付着した回収ポリエステル樹脂類と物性
改質材との混合物を不活性なガスが充満した状態下で容
器へ詰め込み可能に構成されているので、容器に詰めら
れた混合物を、その後例えば成形材料として成形機で溶
融・成形する場合や、混練押出機でペレット化する場合
には、加水分解が発生しない状況下で重縮合する。この
際、触媒は、酸化が最小限に抑えられており、回収ポリ
エステル樹脂類と物性改質材との各表面に付着されてい
るので、重縮合が起こる各箇所に存在することになる。
そのため、触媒がその機能を十分に発揮するので、上記
した重縮合は触媒によって十分に促進される。その結
果、容器に詰められた混合物は、成形原料やペレット化
原料等として使用した場合にも、分子量の減少が防止さ
れ固有粘度を高めることができるとともに、機械的強度
を高めることができる。
【0134】請求項11の発明によれば、回収ポリエス
テル樹脂類として回収PETまたは回収ナイロンが選定
され、物性改質材としてポリエチレンナフタレート(P
EN),ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリ
ブチレンナフタレート(PBN),ポリシクロヘキシレ
ンジメチレンテレフタレート(PCT),ポリアリレー
ト(PAR),ポリ四ふっ化エチレン(PTFE),変
性ポリフェニレンエーテル(PPE),アクリロニトリ
ルブタジェンスチレン(ABS),ポリカーボネート
(PC)のうちの少なくとも1つが選定され、触媒とし
て、マンガンカーボネートおよびマンガンアセテートを
含む弱アルカリ触媒、チタン酸アルキルエステル、弗化
チタン酸塩、しゅう酸チタン化合物、モノアルキル錫化
合物のいずれかが選定されたものであるので、再生され
たPET組成物またはナイロン組成物の分子量の減少が
防止され、固有粘度を高めることができるとともに、機
械的強度を高めることができる。
【0135】請求項12の発明によれば、回収ポリエス
テル樹脂類と物性改質材とに供給する前に触媒を加熱し
て水分を除去する触媒除湿手段を設けたので、触媒の水
分吸収効率が増加し、回収ポリエステル樹脂類と物性改
質材とが重縮合する際に、副産物として生じる水を一段
と効果的に除去できる。そのため、ポリエステル樹脂組
成物(又はポリアミド樹脂組成物)の固有粘度および機
械的強度を一段と高めることができる。
【0136】請求項13の発明によれば、触媒供給手段
が、ガス供給管を通して不活性で乾燥したガスを前記真
空乾燥用容器へ送り可能な不活性ガス供給手段と、所定
量の液体状又は粉末状の触媒を収容可能かつ連絡路を通
してガス供給管と連通可能な触媒収容部とを有し、不活
性なガスをガス供給管を通して前記真空乾燥用容器へ送
ることにより触媒を拡散させて当該真空乾燥用容器へ供
給する構成とされたものであるので、触媒を酸化を防ぎ
つつ一段と広く拡散させた状態で真空乾燥用容器内へ送
ることができる。そのため、触媒は、酸化が防止された
状態で真空乾燥用容器内の回収ポリエステル樹脂類と物
性改質材に一段と均一に付着される。したがって、ポリ
エステル樹脂組成物(又はポリアミド樹脂組成物)の分
子量の減少が防止され、固有粘度を高めることができる
とともに、機械的強度を高めることができる。
【0137】請求項14の発明によれば、触媒供給手段
が、真空乾燥用容器へ送ったガスを戻し手段を介して回
収して循環使用する構成とされているので、請求項13
の発明の場合と同様な効果を奏し得る他、一段とガスを
有効利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリサイクル装置(1)を説明する
ための図である。
【図2】同じく、PET供給手段を説明するための図で
ある。
【図3】同じく、触媒撹拌用タンクおよび触媒投入量調
節手段を説明するための図である。
【図4】同じく、触媒投入量調節手段を説明するための
図である。
【図5】同じく、成形部品の製造を説明するための図で
ある。
【図6】本発明に係るリサイクル装置(2)を説明する
ための図である。
【図7】同じく、ペレットの製造を説明するための図で
ある。
【図8】本発明に係るリサイクル装置(3)を説明する
ための図である。
【図9】同じく、容器へ詰め込むPET組成物の製造を
説明するための図である。
【符号の説明】
1 真空乾燥用容器 3 混練手段 6 真空引き手段 10 触媒供給手段 17 触媒加熱手段 21 不活性ガス供給手段 41 PET供給手段 61 PEN供給手段 81 成形機 91 混練押出機 95 収容容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/057 C08K 5/057 5/098 5/098 5/57 5/57 C08L 67/00 C08L 67/00 77/00 77/00 101/00 101/00 // B29K 67:00 B29K 67:00 105:16 105:16 105:26 105:26 Fターム(参考) 4F070 AA07 AA08 AA24 AA47 AA48 AA50 AA52 AA54 AB08 AB26 AC16 AC18 AC36 AC40 AC67 AC76 AC79 AC84 AC88 AE30 DA05 4F201 AA13 AA16 AA24 AA25 AA26 AA27 AA28 AA32 AA50 AB04 AB16 AB19 AB28 BA02 BC01 BC02 BC12 BC25 BC37 BD05 BL10 BL43 4F301 BD08 BD29 CA09 CA11 CA36 4J002 BD15X BN15X CF00W CF03W CF03X CF04W CF05W CF06W CF07W CF07X CF08W CF08X CF16X CG00X CH07X CL00W CL01W CL03W CL05W DE186 DE216 EC076 EG046 EZ016 FD206

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小片化された回収ポリエステル樹脂類
    に、当該樹脂類と親和性のある小片状の物性改質材を所
    定の割合で混ぜ合わせ、当該混合中または混合後に減圧
    真空乾燥し、減圧真空乾燥後に回収ポリエステル樹脂類
    と物性改質材とに触媒を供給して両者に付着させ、続い
    て触媒が付着した回収ポリエステル樹脂類と物性改質材
    との混合物を成形機へ送り、当該成形機で不活性なガス
    が充満した状態下で溶融・成形して成形品を製造する回
    収ポリエステル樹脂類のリサイクル方法。
  2. 【請求項2】 小片化された回収ポリエステル樹脂類
    に、当該樹脂類と親和性のある小片状の物性改質材を所
    定の割合で混ぜ合わせ、当該混合中または混合後に減圧
    真空乾燥し、減圧真空乾燥後に回収ポリエステル樹脂類
    と物性改質材とに触媒を供給して両者に付着させ、続い
    て触媒が付着した回収ポリエステル樹脂類と物性改質材
    との混合物を混練押出機を利用して不活性なガスが充満
    した状態下でペレット化することを特徴とする回収ポリ
    エステル樹脂類のリサイクル方法。
  3. 【請求項3】 小片化された回収ポリエステル樹脂類
    に、当該樹脂類と親和性のある小片状の物性改質材を所
    定の割合で混ぜ合わせ、当該混合中または混合後に減圧
    真空乾燥し、減圧真空乾燥後に回収ポリエステル樹脂類
    と物性改質材とに触媒を供給して両者に付着させ、続い
    て触媒が付着した回収ポリエステル樹脂類と物性改質材
    との混合物を不活性なガスが充満した状態下で保管可能
    な容器に収容してなる回収ポリエステル樹脂類のリサイ
    クル方法。
  4. 【請求項4】 前記回収ポリエステル樹脂類として回収
    PETまたは回収ナイロンが選定され、前記物性改質材
    としてポリエチレンナフタレート(PEN),ポリブチ
    レンテレフタレート(PBT),ポリブチレンナフタレ
    ート(PBN),ポリシクロヘキシレンジメチレンテレ
    フタレート(PCT),ポリアリレート(PAR),ポ
    リ四ふっ化エチレン(PTFE),変性ポリフェニレン
    エーテル(PPE),アクリロニトリルブタジェンスチ
    レン(ABS),ポリカーボネート(PC)のうちの少
    なくとも1つが選定され、前記触媒として、マンガンカ
    ーボネートおよびマンガンアセテートを含む弱アルカリ
    触媒、チタン酸アルキルエステル、弗化チタン酸塩、し
    ゅう酸チタン化合物、モノアルキル錫化合物のいずれか
    が選定された請求項1から請求項3までのいずれか1項
    に記載の回収ポリエステル樹脂類のリサイクル方法。
  5. 【請求項5】 前記回収ポリエステル樹脂類と前記物性
    改質材とに供給する前に前記触媒を加熱して水分を除去
    する請求項4記載の回収ポリエステル樹脂類のリサイク
    ル方法。
  6. 【請求項6】 小片化された回収ポリエステル樹脂類と
    当該回収ポリエステル樹脂類と親和性のある小片状の物
    性改質材とを収容可能かつ密閉可能な真空乾燥用容器
    と、この真空乾燥用容器内で回収ポリエステル樹脂類と
    物性改質材とを混ぜ合わせ可能な混練手段と、この混練
    手段で混合中または混合後に真空乾燥用容器内の空気を
    吸引して減圧真空可能な真空引き手段と、減圧真空完了
    後に触媒を真空乾燥用容器中へ拡散した状態で供給可能
    な触媒供給手段と、触媒が付着した回収ポリエステル樹
    脂類と物性改質材との混合物を不活性なガスが充満した
    状態下で溶融・成形可能な成形機へ送り可能な搬送手段
    と、を具備してなる回収ポリエステル樹脂類のリサイク
    ル装置。
  7. 【請求項7】 前記搬送手段が、前記真空乾燥用容器か
    ら前記混合物を外気を遮断しつつ不活性なガスが充満し
    た状態下で前記成形機へ搬送可能に構成された請求項6
    記載の回収ポリエステル類のリサイクル装置。
  8. 【請求項8】 小片化された回収ポリエステル樹脂類と
    所定割合の物性改質材とを収容可能かつ密閉可能な真空
    乾燥用容器と、この真空乾燥用容器内で回収ポリエステ
    ル樹脂類と物性改質材とを混ぜ合わせ可能な混練手段
    と、この混練手段で混合中または混合後に真空乾燥用容
    器内の空気を吸引して減圧真空可能な真空引き手段と、
    減圧真空完了後に触媒を真空乾燥用容器中へ拡散した状
    態で供給可能な触媒供給手段と、触媒が付着した回収ポ
    リエステル樹脂類と物性改質材との混合物を不活性なガ
    スが充満した状態下でペレット化可能な混練押出機へ送
    り可能な搬送手段と、を具備してなる回収ポリエステル
    樹脂類のリサイクル装置。
  9. 【請求項9】 前記搬送手段が、前記真空乾燥用容器か
    ら前記混合物を外気と遮断しつつ不活性なガスが充満し
    た状態下で前記混練押出機へ搬送可能に構成された請求
    項8記載の回収ポリエステル樹脂類のリサイクル装置。
  10. 【請求項10】 小片化された回収ポリエステル樹脂類
    と所定割合の物性改質材とを収容可能かつ密閉可能な真
    空乾燥用容器と、この真空乾燥用容器内で回収ポリエス
    テル樹脂類と物性改質材とを混ぜ合わせ可能な混練手段
    と、この混練手段で混合中または混合後に真空乾燥用容
    器内の空気を吸引して減圧真空可能な真空引き手段と、
    減圧真空完了後に触媒を真空乾燥用容器中へ拡散した状
    態で供給可能な触媒供給手段とを備え、触媒が付着した
    回収ポリエステル樹脂類と物性改質材との混合物を不活
    性なガスが充満した状態下で容器へ詰め込み可能に構成
    した回収ポリエステル樹脂類のリサイクル装置。
  11. 【請求項11】 前記回収ポリエステル樹脂類として回
    収PETまたは回収ナイロンが選定され、前記物性改質
    材としてポリエチレンナフタレート(PEN),ポリブ
    チレンテレフタレート(PBT),ポリブチレンナフタ
    レート(PBN),ポリシクロヘキシレンジメチレンテ
    レフタレート(PCT),ポリアリレート(PAR),
    ポリ四ふっ化エチレン(PTFE),変性ポリフェニレ
    ンエーテル(PPE),アクリロニトリルブタジェンス
    チレン(ABS),ポリカーボネート(PC)のうちの
    少なくとも1つが選定され、前記触媒として、マンガン
    カーボネートおよびマンガンアセテートを含む弱アルカ
    リ触媒、チタン酸アルキルエステル、弗化チタン酸塩、
    しゅう酸チタン化合物、モノアルキル錫化合物のいずれ
    かが選定された請求項6から請求項10までのいずれか
    1項に記載の回収ポリエステル樹脂類のリサイクル装
    置。
  12. 【請求項12】 前記回収ポリエステル樹脂類と前記物
    性改質材とに供給する前に前記触媒を加熱して水分を除
    去する触媒除湿手段を設けた請求項11記載の回収ポリ
    エステル樹脂類のリサイクル装置。
  13. 【請求項13】 前記触媒供給手段が、ガス供給管を通
    して不活性で乾燥したガスを前記真空乾燥用容器へ送り
    可能な不活性ガス供給手段と、所定量の液体状又は粉末
    状の触媒を収容可能かつ連絡路を通してガス供給管と連
    通可能な触媒収容部とを有し、不活性な乾燥ガスをガス
    供給管を通して前記真空乾燥用容器へ送ることにより触
    媒を拡散させて当該真空乾燥用容器へ供給する構成とさ
    れた請求項6から請求項12までのいずれか1項に記載
    の回収ポリエステル樹脂類のリサイクル装置。
  14. 【請求項14】 前記触媒供給手段が、前記真空乾燥用
    容器へ送ったガスを戻し手段を介して回収して循環使用
    する構成とされた請求項13記載の回収ポリエステル樹
    脂類のリサイクル装置。
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