JP2002308917A - ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

ビニル系重合体の製造方法

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JP2002308917A JP2001118820A JP2001118820A JP2002308917A JP 2002308917 A JP2002308917 A JP 2002308917A JP 2001118820 A JP2001118820 A JP 2001118820A JP 2001118820 A JP2001118820 A JP 2001118820A JP 2002308917 A JP2002308917 A JP 2002308917A
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Ryuichi Saito
隆一 斎藤
Tadashi Amano
正 天野
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • C08F2/00Processes of polymerisation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寒冷時に反応抑制剤の仕込み操作を行っても
反応抑制剤の固化等による配管の閉塞等の問題を起こす
ことのないビニル系重合体の製造法を提供する。 【解決手段】 ラジカル反応によるビニル系単量体の重
合において、下記一般式(1)で表される化合物からな
る反応抑制剤を水性媒体に分散させて重合系に添加す
る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビニル系重合体の
製造方法に関し、詳細には、ラジカル反応によるビニル
系単量体の重合時に、反応抑制剤を使用する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ビニル系単量体のラジカル重合反
応において、反応抑制剤(反応禁止剤とも称される)を
重合系中に添加することが行われており、反応抑制剤と
してフェノール系化合物、イオウ化合物、N−オキシド
化合物、リン化合物、不飽和炭化水素化合物などが知ら
れている。これらの中でフェノール系化合物としては、
例えば2,2−ジ−(4′−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、t−ブチ
ルヒドロキシアニソール、n−オクタデシル−3−(4−
ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネ
ート、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチル
ハイドロキノン、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル
−6−t−ブチル)フェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシトルエン、2,2′−メチレン−ビス−(4−
エチル−6−t−ブチル)フェノール、トリエチレングリ
コールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチ
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェノール)プロピオネート]、t−ブチルカテ
コール、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル)−m−クレ
ゾール、トコフェロールなどが知られている。
【0003】これらの反応抑制剤は、重合開始前に重合
系中へ添加することによって、生成重合体中のフィッシ
ュアイを減少させるため(特開昭48-49990号公報、特公
昭60-50366号公報)、また重合反応の途中で添加してヒ
ートキックを抑制するため、あるいは重合反応の終了時
に添加して後重合を防止したり、熱履歴による抗初期着
色性の悪化を防止するため(米国特許No.3642756明細
書、特開昭57-185302号公報、同62-503号公報)などの目
的で使用される。また、異常反応時における緊急反応停
止剤としても用いられている。 この中でも特に2,2−ジ−(4′−ヒドロキシフェニル)
プロパンは反応抑制能力に優れ、得られる重合体の品質
が良好であり、重合器へのスケール付着量が少ない等の
理由から重合反応の終了時に用いられてきた。
【0004】しかし、2,2−ジ−(4′−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンは常温で固体でありメタノール等の有機
溶剤に溶解させて使用しなければ仕込みラインから重合
器への仕込み操作は困難である。したがて、この方法で
は有機溶剤を使用しているため、作業者が蒸気を吸入し
身体的な障害を引き起こすばかりでなく、環境汚染の原
因にもなる。
【0005】そこで、2,2−ジ−(4′−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンに代わるものとして特公平7-113041号公
報には、下記一般式(1)
【0006】
【化2】
【0007】[ここで、Rは炭素原子数3以上のアルキル
基である。]で示される反応抑制剤が開示されており、
具体的には、Rがsec−ブチル基である2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−sec−ブチルフェノールが用いられている。これ
は常温で液体であるため溶剤を使用せずに仕込みライン
から重合器への仕込み操作が可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この反応抑制
剤は凝固点が18〜20℃であるため、外気温が低温、つま
り10℃以下で使用する場合には過冷却状態となり、その
結果、反応抑制剤が結晶化し易くなり、仕込み配管が閉
塞することがある。そのため、外気温が低温である時に
仕込みラインから重合器への仕込み操作を行う場合、メ
タノール等の有機溶剤に溶解して使用しなければなら
ず、作業者の身体的な障害、環境汚染等の問題への対応
としては不十分であった。
【0009】また、寒冷時に反応抑制剤が固化して仕込
み配管が閉塞するような場合には、仕込み配管を加熱し
て固化した反応抑制剤を融解して配管の閉塞を防止する
措置が取られているが、加熱の仕方が激しい場合、反応
抑制剤が熱分解によって、反応抑制能力が低下したり、
着色して得られる重合体が着色したりする恐れがあっ
た。また、作業性を考えても加熱装置設備などで加熱操
作が煩雑となる恐れがあった。
【0010】このような状況に鑑み、本発明の課題は、
寒冷時に、有機溶剤を用いずに反応抑制剤の仕込み操作
を行っても反応抑制剤の固化等による配管の閉塞等の問
題を起こすことのないビニル系重合体の製造方法を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
点を解決すべく、鋭意検討した結果、ビニル系単量体の
重合時、反応抑制剤を水性媒体に分散させて使用する
と、反応抑制剤の固化等による配管の閉塞等の問題がな
く重合を行うことができることを見出し、本発明をなす
に至った。
【0012】すなわち、本発明は、ラジカル反応による
ビニル系単量体の重合において、下記一般式(1)
【0013】
【化3】
【0014】[式中、Rは炭素原子数が3〜6のアルキ
ル基である]で表される化合物からなる反応抑制剤を水
性媒体に分散させて重合系に添加することを特徴とする
ビニル系重合体の製造方法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明においては、ラジカル反応によるビ
ニル系単量体の重合において、上記一般式(1)[式
中、Rは炭素原子数が3〜6のアルキル基である。]で
表わされる反応抑制剤を水性媒体に分散させて重合系に
添加する。重合系中へ添加するには、乳化剤又は懸濁剤
などの分散剤を用いて、反応抑制剤が水性媒体に分散し
ている乳濁液、懸濁液などの分散液を調製し、これを重
合系に添加する。この分散液は直径約1〜30μm程度の反
応抑制剤の微粒子が水に分散した状態、つまり水中油型
エマルジョンを形成していて、保護コロイドを形成して
いることが好ましい。
【0016】一般的に、反応抑制剤が融点以下になって
も液状を保っている場合、つまり反応抑制剤が過冷却状
態になっている場合、結晶核の存在や保管容器や配管の
表面状態等何らかの影響によって結晶化し易くなる。例
えば、反応抑制剤が2,6−ジ−tert−ブチル−4−sec−
ブチルフェノールである場合、融点が20℃程度であるの
で、温度が20℃以下である場合、液状2,6−ジ−tert−
ブチル−4−sec−ブチルフェノールに固体の2,6−ジ−t
ert−ブチル−4−sec−ブチルフェノールを少量添加す
ると結晶が成長し直ちに全体が固体となってしまう。こ
れが反応抑制剤の仕込み操作を原液のまま行う時に配管
内で反応抑制剤が固まってしまい配管の閉塞という問題
が生じる原因である。
【0017】ところが、反応抑制剤の微粒子が水に分散
して保護コロイドを形成している場合には、結晶核等が
存在しても抑制剤は水で保護されていて、直接結晶と液
体の反応抑制剤が接していないため結晶の成長が起こり
にくくなり、結果として反応抑制剤が固まりにくくな
る。したがって寒冷時においても反応抑制剤仕込み用配
管が閉塞を起こすことなく、メタノール、トルエンなど
の有機溶剤を使用せずに、かつ仕込み用配管の加熱を行
うことなく反応抑制剤を重合系中に投入することが可能
となる。
【0018】分散液は反応抑制剤、分散剤、水性媒体の
3成分を含有し、反応抑制剤は分散液100重量部に対し
て、1.0〜80重量部、好ましくは20〜50重量部が用いら
れる。1.0重量部より少ない場合は、一定重量の反応抑
制剤あたりの分散液量が多くなり作業効果率に問題があ
る。80重量部より多い場合は分散液の粘度が極端に高く
なるため、重合器への分散液の投入が困難になる可能性
がある。
【0019】分散剤は分散液100重量部に対して0.25〜1
0重量部、好ましくは2〜5重量部が用いられる。0.25重
量部よりも少ない場合、分散安定性は不十分となり分散
液は分離を生じ易くなる。10重量部よりも多い場合は分
散液の粘度が極端に高くなるため、重合器への分散液の
投入が困難になる可能性がある。
【0020】水性媒体としては、通常、脱イオン水が用
いられる。分散液中の水分量は分散液の分散安定性、粘
度等を考慮して分散液100重量部に対して40〜80重量部
であることが好ましい。さらに分散液を調製する際に気
泡の巻き込みを抑制するために消泡剤を添加してもよ
い。
【0021】分散液の調製方法は特に限定されず、反応
抑制剤、分散剤を分散させた水性媒体を通常の簡単な撹
拌装置で機械的力を作用させれば十分である。但し、撹
拌強度が強過ぎると気泡を巻き込み易くなったり、分散
液の粘度が極端に高くなるため、重合器への分散液の投
入が困難になる可能性がある。
【0022】本発明で使用する分散剤としては、例えば
部分鹸化ポリビニルアルコール、水溶性セルロースエー
テル、ゼラチン等の水溶性ポリマー、非イオン界面活性
剤、高級アルコール系界面活性剤、アニオン型界面活性
剤等の乳化剤などが用いられ、部分鹸化ポリビニルアル
コールが分散液の粘度が高くなり過ぎず、成型品の抗初
期着色性に影響しにくいため最も好ましい。
【0023】分散剤として使用される部分鹸化ポリビニ
ルアルコールの鹸化度は70〜92モル%が好ましい。鹸化
度が70モル%未満の場合、水との溶解性、殊に高温にお
ける水との溶解性が良くないため分散剤としての作用能
力が低くなる。鹸化度が92モル%を超える場合、保護コ
ロイド性が弱くなるため水性媒体と反応抑制剤との分散
安定性が良くないので、反応抑制剤と水性媒体の液分離
が生じ易くなり、また、分散剤を溶解するためには熱水
を用いなければならず操作が煩雑になる。部分鹸化ポリ
ビニルアルコールの重合度は2500以下が好ましく、500
〜1000がより好ましい。重合度が2500を超える場合、得
られる分散液の粘度が著しく高くなるため、重合器への
分散液の投入が困難になる可能性がある。
【0024】分散剤として使用される非イオン界面活性
剤としては、エーテル型のものとして、アルキル及びア
ルキルアリルポリオキシエチレンエーテル等が挙げら
れ、エーテルエステル型のものとして、ソルビタンエス
テルのポリオキシエチレンエーテル等が挙げられ、エス
テル型のものとしてはソルビタンエステル等が挙げられ
る。高級アルコール系界面活性剤として、炭素数12〜18
程度の直鎖又は分岐アルキル又はアルケニルアルコール
が一般的に用いられ、具体的にはラウリルアルコール、
ステアリルアルコール等が挙げられる。アニオン型界面
活性剤としては、脂肪酸塩、具体的にはラウリン酸塩、
ステアリン酸塩、パルミチン酸塩等が挙げられる。
【0025】本発明のビニル系重合体の製造方法おい
て、ビニル系単量体としては、例えば塩化ビニル、臭化
ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル又はハロ
ゲン化ビニリデン;アクリル酸エステル、例えばメチル
アクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、オクチルアクリレート、シアノエチルアクリレート
等の少なくとも1個の末端基CH2=C<を有する重合性オ
レフィン系モノマー;ビニルアセテート;メチルメタア
クリレート、ブチルメタアクリレート等のメタアクリル
酸のエステル;α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
クロロスチレン等を含むスチレン及びスチレン誘導体;
ビニルナフタレン;ブタジエン、イソプレン、クロロプ
レン等を含むジオレフィン;及びこれらのモノマーと他
の共重合可能なオレフィンモノマーとの混合物;並びに
他の公知の重合性オレフィンモノマーが挙げられる。
【0026】本発明のビニル系重合体の製造方法は、ビ
ニル系単量体のラジカル重合反応であれば、その重合形
式によらず適用することができ、例えば懸濁重合、乳化
重合、塊状重合、微細懸濁重合などいずれの重合形式の
重合においても用いることができる。
【0027】反応抑制剤は、その使用目的に応じて、重
合の開始前、重合中及び重合終了期のうち少なくても1
つの段階において重合系に添加され、その添加量は、一
般に、ビニル系単量体100重量部当たり0.0005〜0.5重量
部程度である。さらに具体的には、生成重合体のフィッ
シュアイを減少させる目的で重合開始前に添加する場合
には、ビニル系単量体100重量部当たり反応抑制剤0.000
5〜0.005重量部が好ましい。この場合は水性媒体を予め
加温して仕込む場合に有効である。所定の重合転化率に
達した時点で重合反応を終了させ、その後の重合を防止
する目的で重合終了期に添加する場合には、仕込んだビ
ニル系単量体100重量部当たり反応抑制剤0.005〜0.05重
量部が好ましい。さらにまた、緊急時に重合反応を完全
に停止させる目的で、反応抑制剤を重合系中へ添加する
場合は、その添加量は仕込んだビニル系単量体100重量
部当たり反応抑制剤0.2〜0.5重量部が好ましい。
【0028】次に、本発明のビニル系重合体の製造方法
を、懸濁重合の場合について説明する。
【0029】懸濁重合は、水性媒体中で公知の重合開始
剤及び分散剤の存在下において、通常0〜100℃の温度で
行われ、特に30〜70℃とすることが好ましい。ここで用
いられる分散剤及び重合開始剤は特に限定されず、従来
ビニル系単量体の重合に使用されているものが用いら
れ、分散剤としては例えばメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性セル
ロースエーテル、水溶性および油溶性の部分鹸化ポリビ
ニルアルコール、アクリル酸重合体、ゼラチンなどの水
溶性ポリマー、ソルビタンモノラウレート、ソルビタン
トリオレート、グリセリントリステアレート、エチレン
オキシドプロピレンオキシドブロックコポリマーなどの
油溶性乳化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウ
レート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、ラウ
リン酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤などが挙げられ、
これらは一種単独で使用しても二種以上を組み合わせて
使用してもよい。これらの分散剤の使用量は特に限定さ
れず、通常、単量体100重量部に対し0.01〜5重量部が用
いられている。
【0030】また、重合開始剤としては、例えばジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘ
キシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパ
ーオキシジカーボネートなどのパーカーボネート化合
物、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパ
ーオキシピパレート、t−ヘキシルパーオキシピパレー
ト、α−クミルパーオキシネオデカネート、2,4,4−ト
リメチルペンチル−2−パーオキシ−2−ネオデカネート
などのパーエステル化合物、アセチルシクロヘキシルス
ルホニルパーオキシド、2,4,4−トリメチルペンチル−2
−パーオキシフェノキシアセテート、3,5,5−トリメチ
ルヘキサノイルパーオキシド、イソブチリルパーオキシ
ドなどの過酸化物、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニ
トリル、アゾビス(4−メトキシ)−2,4−ジメチルバレ
ロニトリルなどのアゾ化合物;さらには過硫酸アンモニ
ウム、過酸化水素などが挙げられ、これらは一種単独で
使用しても二種以上を組み合わせ使用してもよい。これ
ら重合開始剤の使用量は特に限定されず、通常、単量体
100重量部に対し0.01〜1重量部である。
【0031】懸濁重合における他の条件、例えば重合器
への水性媒体の仕込み脱気方法、ビニル単量体、場合に
よっては他のコモノマー、分散剤、重合開始剤などの仕
込み方法、これらの仕込み割合などは特に限定されず、
通常行われる条件でよく、重合系には必要に応じてビニ
ル系単量体の重合に適宜使用される重合度調整剤、連鎖
移動剤、pH調整剤、ゲル化改良剤、帯電防止剤、抗酸化
剤、スケール付着防止剤などを添加することも任意であ
る。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0033】実施例1 (反応抑制剤分散液の調製)鹸化度88%、重合度1000程
度の部分鹸化ポリビニルアルコール50gを脱イオン水550
gに溶解した。この溶液に400gの2,6−ジ−t−ブチル−4
−sec−ブチルフェノールを混ぜ、0.5gのシリコーン系
消泡剤を添加した後、1000回転で2時間撹拌した。その
結果、40重量%の反応抑制剤分散液を得、20℃における
粘度は250mPasであった。なお、この乳化分散液を1日放
置しても液分離などは特に見られなかった。
【0034】(重合体の製造)外気温が5℃の時、次の
ようにしてポリ塩化ビニルを製造した。内容積2000Lの
撹拌機及びジャケット付の重合器に脱イオン水を800k
g、分散剤として部分鹸化ポリビニルアルコールを210
g、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを80g仕込ん
だ。次いで、重合器内圧が0.013MPaになるまで脱気した
後、塩化ビニル単量体を720kg仕込んだ。撹拌しながら
ジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート300g、t−
ブチルパーオキシネオデカネート130g、クミルパーオキ
シネオデカネート30gを圧入し、同時にジャケットに熱
水を通じて57℃まで昇温させた後、その温度を保ちなが
ら重合させた。
【0035】重合器内圧が0.6MPaに低下した時点で、前
記のようにして調製した反応抑制剤分散液250gを仕込み
ラインから添加し、未反応単量体を回収したのち、反応
混合物であるスラリーを重合器内から取り出し、遠心分
離器で脱水した。その脱水ケーキをバッチ式流動乾燥機
で70℃、3時間乾燥して製品とした。
【0036】実施例2 (反応抑制剤分散液の調製)鹸化度80%、重合度2000程
度の部分鹸化ポリビニルアルコール25gを脱イオン水575
gに溶解した。この溶液に400gの2,6−ジ−t−ブチル−4
−sec−ブチルフェノールを混ぜ、0.5gのシリコーン系
消泡剤を添加した後、1000回転で2時間撹拌した。その
結果、40重量%の反応抑制剤分散液を得、20℃における
粘度は330mPasであった。なお、この乳化分散液を1日放
置しても液分離などは特に見られなかった。
【0037】(重合体の製造)外気温5℃前後の時、実
施例1と同様な方法で塩化ビニル単量体の重合を行った
後、重合器内圧が0.6MPaに低下した時点で、前記のよう
にして調製した反応抑制剤分散液250gを仕込みラインか
ら添加した後、実施例1と同様な方法で製品を得た。
【0038】比較例1 外気温5℃前後の時、実施例1と同様な方法で塩化ビニ
ル単量体の重合を行った後、重合器内圧が0.6MPaに低下
した時点で反応抑制剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−s
ec−ブチルフェノール100gをメタノール500gで希釈して
仕込みラインから添加した後、実施例1と同様な方法で
製品を得た。
【0039】比較例2 外気温5℃前後の時、実施例1と同様な方法で塩化ビニ
ル単量体の重合を行った後、重合器内圧が0.6MPaに低下
した時点で反応抑制剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−s
ec−ブチルフェノール100gをメタノールで希釈せずに仕
込みラインから添加を試みたが、2,6−ジ−t−ブチル−
4−sec−ブチルフェノールが固化したため仕込み配管が
閉塞して仕込むことができなかった。その後、未反応単
量体を回収した後、実施例1と同様な方法で製品を得
た。
【0040】得られた各製品について下記のようにして
物性、特性の評価を行った。結果を表1に示す。 (嵩比重)JIS K-6721に準拠して測定した。 (可塑剤吸収量)内径25mm、深さ85mmのアルミニウム合
金製容器の底にグラスファイバーを詰め、これに試料樹
脂10gを採取して投入する。これにDOP(ジオクチルフタ
レート)15ccを加え、30分放置してDOPを十分浸透させ
る。その後、1500Gの加速度で過剰のDOPを遠心分離し、
樹脂に吸着されたDOP量を求め、樹脂100g当たりの値で
表した。
【0041】(可塑剤吸収性)塩化ビニル重合体400gを
プラベンダー社製プラスチコーダーのプラネタリーミキ
サー(ジャケット温度:83℃)に投入し、60r.p.m.で混
練しながら4分間加熱した後、DOP200gを添加した。DOP
の添加時から、プラネタリーミキサーの混練トルクが最
小になるまでの時間をドライアップ時間とし、可塑剤吸
収性の指標とした。
【0042】(抗初期着色性)塩化ビニル重合体100gに
スズ系安定剤1.5g、DOP50gを配合し、2本ロールミルを
用いて160℃5分間混練した後、厚さ0.8mmのシートを成
形した。次に、このシートを裁断して重ね、4×4×1.5c
mの型枠に入れて160℃、6.5〜7MPaで加熱、加圧成形し
た測定試料を作成した。この測定試料について、光電色
差計(日本電色工業(株)製)を用いてJIS-Z8730(198
0)に記載のハンター色差計において明度指数Lを求め、a
値、b値を測定した。また、測定結果に基いて抗初期着
色性を下記内容で評価した。 ○:良好 ×:不良
【0043】 上記配合処方に従って調製した配合物を6ロールを用い
て140℃で5分間混練した後、幅15cm×厚さ0.22mmのシー
トに成形した。得られたシートの全面について透明粒子
数を計数し、これをロールフィッシュアイとした。
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果より、本発明の製造方法によれ
ば、寒冷時でも反応抑制剤の仕込み用配管を閉塞させる
ことなく、反応抑制剤を重合器に投入することができ、
従来の方法と比較して品質の劣らない塩化ビニル系重合
体を製造できることが確認された。
【0046】
【発明の効果】本発明のビニル系重合体の製造方法によ
れば、寒冷時に反応抑制剤の仕込み操作を行っても、配
管の閉塞等の問題を起こすことなく、従来の方法と比較
して品質の劣らない塩化ビニル系重合体を製造すること
ができる。特には、外気温が10℃以下の場合において本
発明の方法は効果的である。また、有機溶媒を用いない
ので作業者にとっても安全であり、環境汚染の原因とも
ならない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AA01 AB02 BA06 BB09 DA03 DB12 DB23 DB25 DB28 JA07 JA08 JB02 JB26 NA18 NB03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル反応によるビニル系単量体の重
    合において、下記一般式(1) 【化1】 [式中、Rは炭素原子数が3〜6のアルキル基である]
    で表される化合物からなる反応抑制剤を水性媒体に分散
    させて重合系に添加することを特徴とするビニル系重合
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ビニル系単量体が塩化ビニルである請求
    項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 反応抑制剤が2,6−ジ−tert−ブチル−4
    −sec−ブチルフェノールである請求項1に記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 反応抑制剤を水性媒体に分散させるため
    に用いる分散剤が水溶性部分鹸化ポリビニルアルコール
    である請求項1に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 水溶性部分鹸化ポリビニルアルコールの
    鹸化度が70〜92モル%である請求項4に記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 水溶性部分鹸化ポリビニルアルコールの
    重合度が2500以下である請求項4又は5に記載の製造方
    法。
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