JP2002308731A - 固形化粧料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】透明感があり、使用性に優れ、経時の安定性が
良好な固形化粧料を提供する。 【解決手段】デキストリン脂肪酸エステルとポリオキシ
エチレンミツロウと液状油性成分とを配合することを特
徴とする固形化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、透明感があり、使
用性に優れ、経時の安定性が良好な油性の固形化粧料を
提供する。

【０００２】

【従来の技術】透明感のある固形化粧料としては、特開
平９−２３５２１０公報にデキストリン脂肪酸エステル
と重質流動パラフィンと液状油性成分とを配合した固形
化粧料が開示され、特開２００１−３９８１７号公報に
はデキストリン脂肪酸エステルと１２−ヒドロキシステ
アリン酸と油分とを配合した透明化粧料が開示されてい
るが、多量に配合すると透明性に欠ける、塗布時にのび
が重いという問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
透明性を損なわず、固形化粧料の使用性と安定性を向上
させることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の観
点に鑑み上記問題点を改良した透明化粧料を開発すべく
鋭意研究を重ねた結果、ポリオキシエチレンミツロウと
デキストリン脂肪酸エステルを組み合わせて液状油性成
分を配合すると、透明性、使用性、経時安定性に優れた
化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳細
に説明する。本発明において使用されるポリオキシエチ
レンミツロウのポリオキシエチレン鎖の鎖長は、特に制
限はないが具体的にはポリオキシエチレンミツロウ（８
Ｅ．Ｏ．）があげられる。

【０００６】本発明において使用されるポリオキシエチ
レンミツロウ（８Ｅ．Ｏ．）の配合量は、化粧品重量全
量に対して０．０１〜３０重量％であることが必要であ
り、好ましくは０．１〜２５重量％である。この配合量
が０．０１重量％未満では安定性を良好に保持すること
が難しい。逆に３０重量％を超えると、透明性に劣る傾
向があり、好ましくない。

【０００７】本発明において使用されるデキストリン脂
肪酸エステルは、デキストリンと高級脂肪酸とのエステ
ルであり、このうち、デキストリンと炭素数１２〜２２
の高級脂肪酸とのエステルが好ましく、具体的には、パ
ルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、
（パルミチン酸／２−エチルヘキサン酸）デキストリン
等があげられる。

【０００８】本発明において使用されるデキストリン脂
肪酸エステルの配合量は、化粧料全量に対して０．１〜
４０重量％であることが必要であり、好ましくは１〜３
５重量％である。この配合量が０．１重量％未満では安
定性を良好に保持することが難しい。逆に４０重量％を
超えると、のびや艶の良好なものが得られない。

【０００９】本発明に用いられる液状油性成分は、通常
化粧料に使用される液状油性成分であり、これらの中か
ら1種または2種以上を化粧料の使用目的に応じて組み合
わせて用いる。本発明に用いられる液状油性成分として
は、マカデミアナッツ油、アーモンド油、オリーブ油、
ヒマシ油、サフラワー油、大豆油、椿油、ボラージ油、
液状ラノリン等の動植物油；流動パラフィン、イソパラ
フィン、スクワランなどの炭化水素油分；ジメチルポリ
シロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコ
ン油；パーフルオロアルキルエーテル等のパーフルオロ
油；イソステアリン酸トリグリセリル、ミリスチン酸イ
ソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、リンゴ酸ジイ
ソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミ
チン酸イソプロピル、トリ２−エチルヘキサン酸グリセ
リル等の高級脂肪酸エステル類；オレイルアルコールや
オクチルドデカノール等の高級アルコール等があげられ
る。

【００１０】本発明における液状油性成分の配合量は、
固形化粧料組成物全量に対して２０〜９５重量％が好ま
しく、さらに好ましくは５０〜９０％である。２０重量
％未満では使用性に問題があり、９５重量％を超えると
安定性に問題がある。

【００１１】本発明の化粧料には、前記必須成分の他
に、使用目的により、固形状または半固形状の炭化水素
類やエステル油類、動植物油類及びその硬化油、高級脂
肪酸類や高級アルコール類、各種高分子樹脂類、着色色
材、色素、疎水化処理含量、体質顔料、増粘剤、界面活
性剤、保湿剤、イオン交換水、抗酸化剤、防腐剤、その
他の薬剤、香料等を本発明の目的を達成するよう、その
種類や配合量を適切な範囲で選定して配合することが可
能である。本発明の固形化粧料の形態は、固形状であれ
ば特に制限がなく、広く各種化粧品用基剤として利用で
きる。例えば、口紅、リップクリーム、スティックファ
ンデーション、ポマード、練香水などに特に適している
が、これに限定されるものではない。

【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限
定されるものではない。なお、配合量等は特に指定がな
い限り、重量％で示す。

【００１２】実施例及び比較例の固形化粧料を製造し
て、透明性、使用性（のび、仕上がり）、安定性の評価
を行った。

【００１３】評価方法： （１） 透明性試験 試料１０ｇをガラスシャーレに流し込み（内径４０
φ）、室温で一昼夜放置したものをサンプルとする。ガ
ラスシャーレには底面に黒い線を描いておく。白いアク
リル板の上にガラスシャーレを置き、底面の黒い線の見
え方を観察し、その見え方の差で透明性の評価を行っ
た。専門女性パネラー１０名の評価により、表１に示す
判定基準で官能評価を行った。

【００１４】

【表１】

【００１５】上記評価にしたがって数値化し、その平均
点数で評価した。 ◎：評価平均２．５以上 ○ ：評価平均１．５以上２．５未満 △ ：評価平均０．５以上１．５未満 ×：評価平均０．５未満

【００１６】（２）使用性試験 専門女性パネラー１０名の評価により、表２に示す判定
基準で官能評価を行った。

【００１７】

【表２】

【００１８】上記評価にしたがって数値化し、その平均
点数で評価した。 ◎：評価平均４．０以上 ○ ：評価平均３．０以上４．０未満 △ ：評価平均２．０以上３．０未満 ×：評価平均２．０未満

【００１９】（３）安定性試験 本発明の固形化粧料を４０℃の条件下で１ヶ月間保存し
た後の外観を観察し、下記の判定基準で評価した。 ◎：全く分離は認められない。 ○：わずかに分離傾向があるものの室温に戻せば回復す
る。 △：わずかに分離傾向があり、室温に戻しても回復しな
い。 ×：著しく分離する。

【００２０】実施例１〜３、比較例１〜２ 表３に示す処方により、実施例１〜３及び比較例１〜２
のリップグロスを調整し、前記評価試験にしたがって透
明性、塗布時ののび、塗布後の仕上がり、安定性の評価
を行った。試験結果は表1に併せて記載した。なお、こ
れらリップグロスの調整は、９０℃で全ての成分を溶解
混合後、攪拌混合し冷却固化させる方法によった.。

【００２１】

【表３】

【００２２】実施例４ 口紅 ポリオキシエチレンミツロウ（８Ｅ．Ｏ．） ２０％ パルミチン酸デキストリン １５％ メチルフェニルポリシロキサン ６％ オクチルドデカノール １５％ ヒマシ油 ４０％ 赤色２０２号 １％ 黄色５号 ３％ （製法）全ての成分を加熱溶解する（９０℃）。これを
型に流し込み冷却し、スティック状口紅を得た。本製品
は、外観が半透明で、塗布時の艶があり、また経時の安
定性も優れたものである。

【００２３】実施例５ リップクリーム ポリオキシエチレンミツロウ（８Ｅ．Ｏ．） ２０％ パルミチン酸デキストリン １０％ リンゴ酸ジイソステアリル １０％ 流動パラフィン １０% ヒマシ油 ５０％ （製法）全ての成分を加熱溶解し（９０℃）、小型プラ
スチック容器に流し込み冷却し、リップクリームを得
た。本製品は外観の透明感があり、塗布時の艶、トリー
トメント性があり、経時の安定性も優れたものである。

【００２４】実施例６ スティックファンデーション ポリオキシエチレンミツロウ（８Ｅ．Ｏ．） ２０．００％ パルミチン酸デキストリン １０．００％ メチルフェニルポリシロキサン １０．００％ オクタメチルシクロテトラシロキサン ２２．５５％ タルク １０．００％ マイカ ５．００％ セリサイト ２０．００％ ベンガラ ０．４０％ 黄酸化鉄 ２．００％ 黒酸化鉄 ０．０５％ （製法）オクタメチルシクロテトラシロキサン以外の全
ての成分を加熱溶解する（９０℃）。これを６０℃まで
冷却し、オクタメチルシクロテトラシロキサンを加え、
容器に流し込み冷却し、スティックファンデーションを
得た。本製品は透明性があり、塗布時ののび、塗布後の
仕上がりが良く、経時での安定性に優れるものである。

【００２５】実施例７ ポマード ポリオキシエチレンミツロウ（８Ｅ．Ｏ．） ２５％ パルミチン酸デキストリン ２５％ 精製モクロウ ５％ 流動パラフィン ２０％ ヒマシ油 ２５％ (製法)全ての成分を加熱溶解し（９０℃）、ポマード容
器に流し込み冷却してポマードを得た。本製品はなめら
かな使用感があり、頭髪をつややかにし、経時の安定性
に優れ、変臭もない。

【００２６】実施例８ 練香水 ポリオキシエチレンミツロウ（８Ｅ．Ｏ．） ２５％ パルミチン酸デキストリン １０％ 流動パラフィン ３０％ トリ２−エチルヘキサン酸グリセリル ２０％ メチルフェニルポリシロキサン １２％ 香料 ３％ （製法）香料以外の全ての成分を加熱溶解する（９０
℃）。これに香料を加え、容器に流し込み冷却し、練香
水を得た。本製品は、透明感及び艶があり、香りの持ち
が良く、経時での安定性に優れている。

【００２７】

【発明の効果】本発明の固形化粧料は、ポリオキシエチ
レンミツロウとデキストリン脂肪酸エステルと液状油性
成分を配合することによって透明性に優れ、使用性、経
時安定性にも優れていた。

【００２８】以上記載のごとく、本発明の固形化粧料は
透明感に優れ、使用性、経時安定性に優れた固形化粧料
である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） // Ａ６１Ｋ 7/46 ４６１ Ａ６１Ｋ 7/46 ４６１ Ｆターム(参考） 4C083 AA081 AA082 AB232 AB432 AB442 AC012 AC022 AC072 AC372 AC792 AD152 AD172 AD241 AD242 AD662 BB13 CC12 CC13 CC32 CC50 DD01 DD21 EE01 EE05 4J002 AB04W AE00Y CH04X

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】デキストリン脂肪酸エステルとポリオキシ
   エチレンミツロウと液状油成分を配合することを特徴と
   する固形化粧料。
2. 【請求項２】ポリオキシエチレンミツロウがポリオキシ
   エチレンミツロウ（８Ｅ．Ｏ．）であることを特徴とす
   る請求項１の固形化粧料。
3. 【請求項３】デキストリン脂肪酸エステルがパルミチン
   酸デキストリンであることを特徴とする請求項１の固形
   化粧料。