JP2002308117A - 衝撃吸収式ステアリング装置 - Google Patents

衝撃吸収式ステアリング装置

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JP2002308117A
JP2002308117A JP2001118606A JP2001118606A JP2002308117A JP 2002308117 A JP2002308117 A JP 2002308117A JP 2001118606 A JP2001118606 A JP 2001118606A JP 2001118606 A JP2001118606 A JP 2001118606A JP 2002308117 A JP2002308117 A JP 2002308117A
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Japan
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shock absorbing
shock
vehicle body
steering column
steering
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JP2001118606A
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Tetsuya Murakami
哲也 村上
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】衝撃吸収式ステアリング装置では、衝撃吸収時
の荷重のばらつきが大きい。部品点数が多く高価であっ
た。 【解決手段】本衝撃吸収式ステアリング装置1では、車
体14に固定される支持ブラケット18の支持孔33に
支軸17を保持し、支軸17を介してステアリングコラ
ム4を支持する。支持孔33は前方に開放され、衝突時
に支軸17を離脱可能とする。支持ブラケット18に一
体に略U字形状の衝撃吸収部材23を形成した。衝突時
に車体に対してステアリングコラム4とともに支軸17
が相対移動し、折り返し状の衝撃吸収部材23をしごい
て塑性変形させ、衝撃を吸収する。棒と折り返し板の簡
素な構造で安価にできる。しごきによる塑性変形を利用
した衝撃吸収であり、特に、衝撃吸収部材23が車体に
固定されているので、個体ごとの衝撃吸収時の荷重のば
らつきを小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステアリング装置
に関する。特に、自動車の衝突時の衝撃を緩和する衝撃
吸収式ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】衝撃
吸収式ステアリング装置では、例えば、ステアリングコ
ラムは、筒状のインナージャケットにリテーナーを介し
てアウタージャケットを圧入することにより構成されて
いる。車体後方側となるアウタージャケットが、これと
固定されるアッパーブラケットと、離脱構造としてのカ
プセル構造と、固定ボルトとを介して車体に固定され
る。
【0003】カプセル構造は、アッパーブラケットの板
状部分を挟持する一対の挟持部材と、一対の挟持部材に
よりアッパーブラケットの板状部分を挟んだ状態でこれ
らの部材を貫通してインジェクション成形により形成さ
れた樹脂ピンとを有している。通常時、アッパーブラケ
ットの板状部分および一対の挟持部材は、固定ボルトの
挿通孔を有し、この挿通孔を通した固定ボルトにより車
体に固定される。衝突時に、カプセル構造の樹脂ピンが
剪断され、アウタージャケットが車体前方側へ移動し、
そして、両ジャケットが圧入荷重を受けつつステアリン
グコラムが収縮することにより、衝撃エネルギが吸収さ
れる。
【0004】しかしながら、ステアリングコラムを収縮
させることによる衝撃吸収時の荷重のばらつきは大きく
なる傾向にある。圧入荷重を保ちつつステアリングコラ
ムを収縮するには、両ジャケットの圧入荷重の厳密な管
理が必要となる。例えば、管理するために、ジャケット
間に低摩擦特性の摺動材からなる上述のリテーナーを挿
入する必要があり、高価になっていた。さらに、カプセ
ル構造が、衝撃吸収のためのジャケットの圧入部と別に
あるので、衝突の初期段階では、カプセル構造の剪断荷
重と圧入部の圧入荷重とがともにステアリングコラムに
かかり、荷重のピークが発生する。この点でも、衝撃吸
収時の荷重のばらつきが大きくなる。
【0005】その上、圧入されたジャケットは、通常時
収縮できず、伸縮タイプのテレスコピック調節可能なス
テアリングコラムには適用できない。また、他の衝撃吸
収式ステアリング装置は、ステアリングコラム取付用に
車体に固定された支軸が、ステアリングコラムに一端を
固定されて略U字形形状に折り返された衝撃吸収部材
を、衝突時に、その折り返し部が変位するようにしごく
ことにより衝撃エネルギを吸収するようにしている(例
えば、特開平11−245826号公報等参照)。
【0006】このようなステアリング装置では、衝突時
に、ステアリングコラムが車体に対して相対移動するの
に伴い、衝撃吸収部材も移動するので、支持状態が不安
定になる。その結果、個体ごとの衝撃吸収時の荷重のば
らつきが大きくなる。そこで、本発明の目的は、上述の
技術的課題を解決し、個体ごとの衝撃吸収時の荷重のば
らつきを小さくできて、安価な衝撃吸収式ステアリング
装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1に記載の発明は、衝突時にステアリングコラムが車体
に対して相対移動するのに伴い、棒部材が衝撃吸収部材
をしごいて塑性変形させることにより衝撃を吸収する衝
撃吸収式ステアリング装置において、上記棒部材は、ス
テアリングコラムに固定されて、衝突時にステアリング
コラムと一体に移動可能とされ、衝撃吸収部材は、相対
向する第1および第2の片部間に折り返し部を有するU
字状金属板からなり、第1の片部のみが車体に固定され
て折り返し部および第2の片部は他の部材による変位拘
束を受けておらず、衝突時に、棒部材が折り返し部の位
置を変遷させるように衝撃吸収部材をしごきながら第1
および第2の片部間を移動することを特徴とする衝撃吸
収式ステアリング装置を提供する。
【0008】この発明によれば、衝撃吸収するための構
成が、例えば、棒と折り返し板のような簡素なもので済
むので、ステアリング装置を安価にできる。しかも、衝
撃吸収するために、衝撃吸収部材のしごきによる塑性変
形を利用しているので、従来のステアリングコラムの圧
入荷重を受けながらの収縮を利用する場合に比べて、衝
撃吸収時の荷重のばらつきを小さくできる。特に、車体
に固定してある衝撃吸収部材は、衝突時の挙動が安定す
るので、衝撃吸収時の荷重のばらつきをより小さくでき
る。
【0009】また、本発明を、コラム伸縮タイプのテレ
スコピック調節可能なステアリング装置にも適用するこ
とができる。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の衝撃吸収式ステアリング装置において、上記衝撃吸収
部材は、ステアリングコラムを車体に取り付けるために
車体に固定される支持ブラケットに一体に形成されるこ
とを特徴とする衝撃吸収式ステアリング装置を提供す
る。
【0010】この発明によれば、取付に通常必要な支持
ブラケットに一体に形成することにより、部品点数を削
減できるので、部品コストおよび組立コストを低減でき
る結果、ステアリング装置をより安価にすることができ
る。請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の衝撃吸
収式ステアリング装置において、上記棒部材は、支持ブ
ラケットを介してステアリングコラムを支持する支軸を
含み、上記支持ブラケットは、衝突時に支軸を車体前方
へ離脱可能に保持するべく車体前方に向けて開放する支
持孔を含み、衝撃吸収部材の折り返し部は、通常時に支
軸が支持孔から離脱することを規制することを特徴とす
る衝撃吸収式ステアリング装置を提供する。
【0011】この発明によれば、支軸が棒部材を兼用し
ているので、部品点数をより削減できる。また、衝撃吸
収部材は、支軸のための通常時の離脱防止用部材として
機能するので、部品点数を削減できる。また、上述の離
脱防止用部材としての従来のカプセル構造を省略するこ
ともでき、省略する場合には、部品点数をより一層削減
できる。従って、部品コストおよび組立コストを低減で
き、その結果、ステアリング装置をより一層安価にする
ことができる。
【0012】また、棒部材が衝撃吸収部材を変形させる
動作だけで、衝突時に支軸を離脱させてそのまま衝撃吸
収することができるので、支軸の離脱時となる衝撃吸収
時の荷重ピークが生じることを防止できる。従って、衝
撃吸収時の荷重のばらつきを小さくするのに好ましい。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の衝撃吸収式
ステアリング装置において、上記支軸には、ステアリン
グコラムを位置調節するための操作レバーが設けられて
いることを特徴とする衝撃吸収式ステアリング装置を提
供する。
【0013】この発明によれば、衝突時に操作レバーを
車体前方へ自律的に移動できるので、ドライバにとって
邪魔にならず好ましい。請求項5に記載の発明は、請求
項3または4に記載の衝撃吸収式ステアリング装置にお
いて、上記支持ブラケットの支持孔は、ステアリングコ
ラムを位置調節可能なように支軸を保持する長孔を含む
ことを特徴とする衝撃吸収式ステアリング装置を提供す
る。
【0014】この発明によれば、支軸はステアリングコ
ラムの位置調節用の部材と衝撃吸収用の棒部材とを兼用
するので、部品点数をより一層削減できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態の衝撃
吸収式ステアリング装置(以下、ステアリング装置とも
いう。)を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明
の一実施形態のステアリング装置の一部断面正面図であ
る。図2は、図1に示すステアリング装置の一部断面図
である。ステアリング装置1は、車輪(図示せず)を操
向するためにステアリングホイール2(簡略化して図
示)の動きを伝達するステアリングシャフト3と、この
ステアリングシャフト3を内部に通して回転自在に支持
するステアリングコラム4とを有している。ステアリン
グシャフト3の一方の端部5にステアリングホイール2
が連結されている。ステアリングホイール2が回される
と、その回転がステアリングシャフト3、ステアリング
シャフト3の他方の端部6に一体回転可能に連結される
中間軸7、図示しないピニオン、ラック軸等を介して車
輪に伝達され、これにより車輪を操向することができ
る。
【0016】ステアリングシャフト3およびステアリン
グコラム4は、ステアリングシャフト3の軸方向(以下
軸方向という。矢印S参照。)に伸縮自在に構成されて
いる。ステアリングシャフト3の上部を構成するアッパ
シャフト8と、下部を構成するロワシャフト9とは、軸
方向に相対移動自在且つ一体回転可能に嵌合されてい
る。ステアリングコラム4は、その上部を構成しアッパ
シャフト8を収容しつつ支持する筒状のアッパジャケッ
ト10と、下部を構成しロワシャフト9を収容しつつ支
持する筒状のロワジャケット11と、アッパジャケット
10の外周の中間部に固定されるブラケット12と、ロ
ワジャケット11の外周の下端部に固定されるブラケッ
ト13とを有している。アッパジャケット10とロワジ
ャケット11とが、軸方向に軽く相対移動できるよう
に、隙間を持って嵌合されている。ステアリングコラム
4は、ブラケット12,13により車体14(一部のみ
図示)に取り付けられる。
【0017】ステアリング装置1は、例えば、ステアリ
ングホイール2を上側となるようにして、ステアリング
シャフト3の軸方向を、車両の前後方向に対して斜めに
して設置される。軸方向については、ステアリングホイ
ール2側を上方、車輪側を下方ともいう。なお、以下で
は、軸方向を前後方向に平行にした状態に基づいて説明
し、ステアリングホイール2側を後方側として説明す
る。また、軸方向およびチルト中心軸15の軸線方向に
ともに直交する方向を縦方向(矢印V参照)としても説
明する。
【0018】また、ステアリング装置1は、ステアリン
グコラム4をチルト中心軸15の周りに傾けることによ
り、運転者の体格や運転姿勢等に応じてステアリングホ
イール2の高さ位置を調節するチルト調節機能と、ステ
アリングホイール2を軸方向に位置調節するテレスコピ
ック調節機能とを有している。これらの機能は、ステア
リングコラム4を車体14に取り付ける取付構造により
実現されている。この取付構造では、ステアリングコラ
ム4の下端のブラケット13は、チルト中心軸15と固
定ブラケット16とを介して車体14に取り付けられて
いる。また、ステアリングコラム4の中間部のブラケッ
ト12は、支軸17、支持ブラケット18等を介して車
体14に取り付けられている。
【0019】ブラケット13および固定ブラケット16
には円形孔がそれぞれ形成され、この円形孔にチルト中
心軸15が挿通している。また、支持ブラケット18に
は軸方向に延びる横長孔からなる支持孔33が形成さ
れ、ブラケット12には軸方向と直交する縦方向に延び
る縦長孔が形成されている。横長孔と縦長孔とを支軸1
7が挿通している。支軸17には、ステアリングコラム
4の姿勢を保つためのカム機構等を含むロック機構19
と、このロック機構19を操作するための操作レバー2
0とが設けられている。操作レバー20を操作すると、
ロック機構19のカム機構がブラケット12の一対の側
板21を支持ブラケット18の一対の側板31に押圧す
る。これにより、ステアリングコラム4を所定の保持力
で保持することができる。また、逆の操作により、保持
状態を解除することができる。保持状態を解除されたと
き、ステアリングコラム4は、チルト中心軸15の回り
に揺動自在にチルト調節可能とされ、また、伸縮させる
ことによりその上部を軸方向にスライド移動してテレス
コピック調節可能とされている。このように調節された
ステアリングコラム4の姿勢は、ロック機構19により
保持される。
【0020】また、取付構造では、ステアリングコラム
4を衝突時に車体に対して相対移動可能に支持してい
る。すなわち、支持ブラケット18は、ステアリングコ
ラム4を車体に取り付けるために車体14にねじ締結等
により固定されている。支持ブラケット18は、略U字
形形状に形成されていて、一対の側板31と、一対の側
板31の下端部同士を接続する接続板32とを有してい
る。支軸17は、支持ブラケット18を介して車体14
に、車体の左右方向に延びて取り付けられていて、ステ
アリングコラム4を支持する。支持ブラケット18の一
対の側板31は、支軸17を内部に挿通状態で保持する
支持孔33をそれぞれ有している。各支持孔33は車体
前方へ向けて開放され、開放された部分が支軸17を通
す通路になっている。通路の後端近傍には、通常時に支
軸17が支持孔33から離脱することを規制し、衝突時
に変形することにより支軸17が前方に移動することを
許容する後述する離脱防止用部材が設けられている。こ
れにより衝突時にだけ支軸17が支持孔33内から車体
前方側へ離脱でき、これに伴い、ステアリングコラム4
も車体に対して前方側へ相対移動する。
【0021】また、ステアリングコラム4の中間部に
は、衝突時の衝撃を吸収するための衝撃吸収機構22が
設けられている。本衝撃吸収機構22は、塑性変形可能
な衝撃吸収部材23と、この衝撃吸収部材23をしごく
棒部材24とを有している。この棒部材24は、本実施
形態では、支軸17と兼用されている。棒部材24は、
金属製の円柱状部材であり、支軸17の軸方向の中間部
となる、支持ブラケット18の一対の側板31同士の間
に設けられている。棒部材24は、ステアリングコラム
4のブラケット12の側板21の縦長孔に挿通した状態
で、ブラケット12の側板21にロック機構19により
固定されていて、衝突時にステアリングコラム4と一体
に車体前方側へ移動可能とされている。
【0022】衝撃吸収部材23は、略U字形形状の金属
板からなり、相対向する第1および第2の片部34,3
5と、その間の折り返し部36とを有する。第1の片部
34のみが車体14に支持ブラケット18を介して固定
されていて、折り返し部36および第2の片部35は他
の部材による変位拘束を受けていない。ここで、変位拘
束を受けるとは、全ての方向について上述の他の部材に
対して相対移動できないように固定されることである。
第2の片部35等は他の部材に対して少なくとも一方向
に相対移動可能に、例えば、他の部材の表面に接触して
も構わない。
【0023】衝撃吸収機構22では、衝突時に、ステア
リングコラム4がロック機構19の保持力を越える荷重
を受けて車体に対して相対移動すると、これに伴い、棒
部材24が第1および第2の片部34,35間に位置
し、折り返し部36と当接し、折り返し部36を押圧す
るようになる(図3(a)参照)。そして、棒部材24
が前方に移動するのに伴い、衝撃吸収部材23をしごい
て塑性変形させる。このとき、棒部材24は、折り返し
部36の位置を支持ブラケット18から遠ざけて変遷さ
せるように衝撃吸収部材23をしごきながら、第1およ
び第2の片部34,35間に位置しつつ、前方に移動す
る。これにより衝撃を吸収する。そして、支軸17は支
持孔33から通路を通り支持ブラケット18の支持孔3
3から離脱する(図3(b)参照)。
【0024】このように、衝撃吸収機構22は、棒と折
り返し板のような簡素なもので済むので、ステアリング
装置1を安価にできる。しかも、衝撃吸収するために、
衝撃吸収部材23のしごきによる塑性変形を利用してい
るので、従来のステアリングコラムの圧入荷重を受けな
がらの収縮を利用する場合に比べ、個体ごとの衝撃吸収
時の荷重のばらつきを小さくできる。特に、車体に固定
してある本発明の衝撃吸収部材23は、衝突時の挙動が
安定するので、衝撃吸収時の荷重のばらつきをより小さ
くできる。
【0025】また、衝撃吸収の際に、ステアリングコラ
ム4は車体に対して相対移動できればよく、通常時にス
テアリングコラム4の伸縮を規制する必要がない。従っ
て、本発明の衝撃吸収機構22を上述のコラム伸縮タイ
プのテレスコピック調節可能なステアリング装置1にも
適用することができている。衝撃吸収部材23は、ステ
アリングコラム4を車体に取り付けるために車体に固定
される支持ブラケット18の接続板32に固定されてい
る。この接続板32に、衝撃吸収部材23の第1の片部
34が固定され、第1の片部34が前向きに延びてい
る。接続板32の前縁の近傍にある第1の片部34の前
端からは、折り返し部36が上方に延び、第2の片部3
5は折り返し部36の上端から後方に向けて第1の片部
34と平行に延び、支持ブラケット18の一対の側板3
1間を通り、第1の片部34よりも後方へ延びている。
【0026】衝撃吸収部材23は、支持ブラケット18
と別体に形成されて、ねじ締め、溶接等の公知の固定方
法により、支持ブラケット18に固定されていてもよ
い。この場合には、車両の仕様に応じた所望の形状、大
きさの衝撃吸収部材23を容易に利用できる。また、衝
撃吸収部材23の第1の片部34を支持ブラケット18
の接続板32に一体に形成してもよい。この支持ブラケ
ット18は取付に通常必要な部材である。それゆえ、部
品点数を削減できるので、部品コストおよび組立コスト
を低減できる結果、ステアリング装置1をより安価にす
ることができる。
【0027】また、支持ブラケット18は、通常、鋼板
製であることから、衝撃吸収部材23との一体成形品を
板金加工により安価に得ることができる。棒部材24は
支軸17に一体に形成されることが好ましい。また、こ
の支軸17が通常時に支持孔33から離脱することを、
衝撃吸収部材23の折り返し部36により規制されるこ
とが好ましい。すなわち、支軸17が棒部材24を兼用
しているので、部品点数をより削減できる。また、衝撃
吸収部材23は、支軸17のための通常時の離脱防止用
部材として機能するので、部品点数を削減できる。ま
た、上述の離脱防止用部材として機能する従来のカプセ
ル構造を省略することもできる。本実施形態では、カプ
セル構造を省略していて、この場合には、部品点数をよ
り一層削減できる。従って、部品コストおよび組立コス
トを低減でき、その結果、ステアリング装置1をより一
層安価にすることができる。
【0028】また、衝撃吸収部材23を設けるだけで、
すなわち、棒部材24が衝撃吸収部材23を変形させる
動作だけで、衝突時に支軸17を離脱させてそのまま継
続して衝撃吸収することができるので、支軸17の離脱
時となる衝撃吸収時の荷重ピークが生じることを防止で
きる。従って、支軸の離脱のためのカプセル構造とその
後の衝撃吸収のためのステアリングコラムの収縮構造と
をともに備えて、上述の荷重ピークが生じる従来のステ
アリング装置に比べて、衝撃吸収時の荷重のばらつきを
小さくできる。
【0029】また、支軸17にステアリングコラム4を
位置調節するための操作レバー20を設けることが、好
ましい。衝突時、ステアリングコラム4が車体の前方側
へ相対移動するのに伴い、支軸17とともに操作レバー
20(この状態を図1に一点鎖線で図示した。)を、車
体の前方側へ自律的に相対移動できるので、ドライバに
とって邪魔になることを防止できる。また、支持ブラケ
ット18の支持孔33は、ステアリングコラム4を位置
調節可能なように支軸17を保持する長孔37を含むこ
とが好ましい。この長孔37は、ステアリングコラム4
の位置調節としてのテレスコピック調節のためのもので
あり、位置調節の方向である軸方向に長く延びている。
また、長孔37の長手方向は、衝突時にドライバがステ
アリングコラム4にぶつかることによる、支軸17の相
対移動の方向と概ね沿うようにされている。このよう
に、支軸17がテレスコピック調節用の部材と、衝撃吸
収用の棒部材24とを兼用できるので、部品点数をより
一層削減できる。
【0030】また、衝撃吸収部材23の折り返し部36
は、通常時、テレスコピック調節範囲の前端に対応して
長孔37の端部にあり、支軸17の移動を規制する前端
側のストッパを兼用している。このように本発明の実施
形態によれば、衝撃吸収機構22が、棒状の棒部材24
と、折り返し板形状の衝撃吸収部材23との簡素な構造
で済み、特に、支軸17等の取付構造と一体化されてい
るので、圧入部で収縮させるステアリングコラムおよび
カプセル構造を有する従来のステアリング装置に比べ
て、安価にできる。しかも、棒部材24で衝撃吸収部材
23をしごいて塑性変形させる本発明では、従来のステ
アリング装置よりも、衝撃吸収時の荷重のばらつきを少
なくでき、特に、折り返し状の衝撃吸収部材23の第1
の片部34のみを車体側に固定するようにしたので、衝
突時の挙動が安定する結果、荷重のばらつきをより小さ
くすることができる。
【0031】また、衝撃吸収機構22は、衝突時にステ
アリングコラム4を車体側部材から離脱させる機能と、
その後継続して衝撃吸収する機能とを有しているので、
衝撃吸収および離脱のための従来のカプセル構造は廃止
され、これに伴い、固定ブラケット16および支持ブラ
ケット18は、例えば、ボルト等の金属部材のみを用い
て固定されている。その結果、ステアリングコラム4を
強固に支持でき、ステアリングコラム4の取付構造の剛
性を高めることができる。
【0032】なお、棒部材24は、ステアリングコラム
4に固定されて、衝突時にステアリングコラム4と一体
に移動可能な部材であれば、支軸17と別体に形成され
た部材であってもよい。また、衝撃吸収部材23は、そ
の全体形状が略U字形状をなしていたが、これには限定
されず、例えば、第1および第2の片部34,35と折
り返し部36と含む略U字形状の部分を含めばよい。ま
た、第1の片部34は短くとも構わない。また、衝撃吸
収部材23の第1の片部34は、支持ブラケット18の
他、車体側となる他の部材に固定されることも考えられ
る。
【0033】また、本発明は、互いに別体とされたアッ
パージャケット10とロワジャケット11とを有する分
割型のステアリングコラム4の他、アッパージャケット
10とロワジャケット11とを一体に形成した単一のジ
ャケットを有する一体型のステアリングコラムにも適用
することができる。この場合で、チルト中心軸15が、
衝突時にロワブラケット11と一体に固定ブラケット1
6に対して相対移動可能とされる場合にも本発明を適用
でき、例えば、上述の実施形態での支軸17としてチル
ト中心軸15を用い、上述の支持ブラケット18として
固定ブラケット15を用いて、衝撃吸収機構22を構成
することができる。
【0034】また、本衝撃吸収式ステアリング装置1と
しては、チルト調節およびテレスコピック調節可能なも
のとされていたが、これには限定されない。例えば、本
発明を、テレスコピック調節のための構成を省略したス
テアリング装置1に適用することも考えられ、この場
合、支持孔33は、支軸17を挿通できる大きさがあれ
ばよく、長孔にせずとも構わない。また、本発明を、チ
ルト調節のための構成を省略したステアリング装置1
や、チルト調節およびテレスコピック調節のための構成
をともに省略したステアリング装置1に適用することも
考えられる。
【0035】また、ステアリング装置1の車体に対する
取付姿勢は特に限定されない。例えば、大型車では、軸
方向が立ち上がったように取り付けられることがある。
このような場合には、支持孔33の長孔37はチルト調
節のためのものとなる。その他、本発明の要旨を変更し
ない範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のステアリング装置の一部
断面正面図であり、図2のA−A断面を示す。
【図2】図1に示すステアリング装置のB−B断面を示
す断面図である。
【図3】衝撃吸収機構の動作を示す模式図であり、
(a)に支軸が支持孔から離脱する前の状態を、(b)
に支軸が支持孔から離脱した後の状態を示す。
【符号の説明】
1 衝撃吸収式ステアリング装置 4 ステアリングコラム 14 車体 17 支軸 18 支持ブラケット 20 操作レバー 23 衝撃吸収部材 24 棒部材 33 支持孔 34 第1の片部 35 第2の片部 36 折り返し部 37 長孔 S 車体前方

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】衝突時にステアリングコラムが車体に対し
    て相対移動するのに伴い、棒部材が衝撃吸収部材をしご
    いて塑性変形させることにより衝撃を吸収する衝撃吸収
    式ステアリング装置において、 上記棒部材は、ステアリングコラムに固定されて、衝突
    時にステアリングコラムと一体に移動可能とされ、 衝撃吸収部材は、相対向する第1および第2の片部間に
    折り返し部を有するU字状金属板からなり、 第1の片部のみが車体に固定されて折り返し部および第
    2の片部は他の部材による変位拘束を受けておらず、 衝突時に、棒部材が折り返し部の位置を変遷させるよう
    に衝撃吸収部材をしごきながら第1および第2の片部間
    を移動することを特徴とする衝撃吸収式ステアリング装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリング
    装置において、上記衝撃吸収部材は、ステアリングコラ
    ムを車体に取り付けるために車体に固定される支持ブラ
    ケットに一体に形成されることを特徴とする衝撃吸収式
    ステアリング装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の衝撃吸収式ステアリング
    装置において、 上記棒部材は、支持ブラケットを介してステアリングコ
    ラムを支持する支軸を含み、 上記支持ブラケットは、衝突時に支軸を車体前方へ離脱
    可能に保持するべく車体前方に向けて開放する支持孔を
    含み、 衝撃吸収部材の折り返し部は、通常時に支軸が支持孔か
    ら離脱することを規制することを特徴とする衝撃吸収式
    ステアリング装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の衝撃吸収式ステアリング
    装置において、上記支軸には、ステアリングコラムを位
    置調節するための操作レバーが設けられていることを特
    徴とする衝撃吸収式ステアリング装置。
  5. 【請求項5】請求項3または4に記載の衝撃吸収式ステ
    アリング装置において、上記支持ブラケットの支持孔
    は、ステアリングコラムを位置調節可能なように支軸を
    保持する長孔を含むことを特徴とする衝撃吸収式ステア
    リング装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100844943B1 (ko) * 2006-12-27 2008-07-09 남양공업주식회사 충격 흡수식 자동차의 스티어링칼럼
KR100844944B1 (ko) * 2006-12-27 2008-07-09 남양공업주식회사 충격 흡수식 자동차의 스티어링칼럼
JP2012040949A (ja) * 2010-08-19 2012-03-01 Nsk Ltd 衝撃吸収式ステアリング装置

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