JP2002307246A - 形彫放電加工方法 - Google Patents

形彫放電加工方法

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JP2002307246A
JP2002307246A JP2001109101A JP2001109101A JP2002307246A JP 2002307246 A JP2002307246 A JP 2002307246A JP 2001109101 A JP2001109101 A JP 2001109101A JP 2001109101 A JP2001109101 A JP 2001109101A JP 2002307246 A JP2002307246 A JP 2002307246A
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jump
machining
electrode
electric discharge
gap
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JP2001109101A
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Inventor
Kunio Fujita
邦雄 藤田
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Makino Milling Machine Co Ltd
Original Assignee
Makino Milling Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来と比較して所望される形状を得るまでに
形彫放電加工に要する時間を短縮させる。 【解決手段】 電極19とワークWとの極間に電圧を印
加してワークWを放電加工するとともに、電極19とワ
ークWとの極間に発生した加工屑を排出するために電極
19にジャンプ動作を行わせる間、電極19とワークW
との極間に電圧を印加しながら電極19にジャンプ動作
を行わせるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電加工効率を向
上させ、加工時間を短縮させるようにした形彫放電加工
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】形彫放電加工は、電極とワークとを絶縁
体である加工液中で微小間隔を隔てて対向させ、加工電
源装置によりその間にパルス電圧を印加することによっ
て、放電を発生させ、この放電の熱作用によりワーク表
面を溶融除去する加工方法である。この形彫放電加工で
は、連続的に放電を行う間に電極とワークとの加工間隙
又は極間に加工屑(スラッジ)が溜まり、放電の局所集
中を招きワーク表面に放電痕を形成させて加工面精度の
悪化につながったり、極間の絶縁が維持されず効率的な
放電が起きなくなったりする。そこで、形彫放電加工に
おいては、一定時間毎又は極間の状態により、電極をワ
ークに対して主としてZ軸方向に素早く離反、接近させ
るジャンプ動作を行わせ、加工間隙に生じる加工液の流
動によるポンピング作用によって加工屑を極間から排出
させるようにすることが一般的に行われている。一方、
極間に印加されるパルス電圧の供給は一般的に電極のジ
ャンプ動作の間は休止されており、放電加工に寄与しな
い無駄な時間となっている。
【0003】また、この標準的なジャンプ動作は、1m
m程度のジャンプ量(ジャンプ距離)で行われることが
多いが、より強い加工屑排出作用を得るために、標準的
なジャンプに対して予め定められた頻度で標準的なジャ
ンプの十倍程度(例えば10mm)のジャンプ量の間欠
ジャンプを行わせるようにジャンプ動作を制御すること
もある。このときの間欠ジャンプのジャンプ量は、電極
とワークとの極間状態やワークの加工深さにかかわら
ず、一定量に設定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、放電加工で
は、所望される加工形状を得ることができるまでの時
間、すなわち加工時間が長くなることが多いが、加工時
間を短縮するためには、極間に印加されるパルス電圧の
設定値を大きくして放電一回当たりのワーク除去量を多
くすること又は加工に直接的に寄与しないジャンプ動作
時間を短縮することが必要となる。
【0005】ところが、極間に大きなパルス電圧を印加
すると、減寸量が大きくなり所望される寸法の加工形状
を得ることができず、また、ワーク表面の加工精度も悪
化してしまう。したがって、加工時間の短縮はジャンプ
動作時間を短縮することによって行われることが望まし
い。
【0006】しかしながら、特に大きな加工表面積を有
している大形電極、例えばリブ電極と通常形状の電極と
を組み合わせたマルチ電極又は一体形電極による大面積
加工時においては、電極のジャンプ動作のジャンプ速度
を上げると、加工液の負圧による電極の変形や電極の振
動による電極の傾きが発生し、加工精度の低下を招く。
そのため、設定するジャンプ速度を小さく抑えざるを得
ず、それに伴ってジャンプ動作に要する時間も長くなる
ことも多い。また、大形化に伴って電極自体の重量も増
加するので、機械的な側面からもジャンプ動作の高速化
は困難となりがちである。
【0007】上記のようなジャンプ速度の高速化に伴う
電極の変形又は振動は、例えば特許第2692022号
公報に開示されているように、予め複数のジャンプ速度
制御パターンを記憶、格納しておき、ジャンプ動作時の
電極に対する位置指令と実移動量との位置誤差量から電
極面積を求め、求めた電極面積に応じたジャンプ速度制
御パターンを設定し、設定したジャンプ速度制御パター
ンによりジャンプ制御を行うことで解消することが可能
である。しかしながら、放電加工時間全体に対して大き
な割合を占めるジャンプ動作を行っている間は放電を休
止しているので、放電加工に寄与していない無駄な時間
を減らすことはできず、ジャンプ動作時間の大幅な短縮
を期待することはできない。
【0008】よって、本発明の目的は、上記従来技術に
存する問題を解消して、従来と比較して所望される形状
を得るまでに形彫放電加工に要する時間を短縮させ得る
形彫放電加工方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的に鑑
み、ジャンプ動作中も極間に対する電圧の印加を休止さ
せずに、ジャンプ動作中に放電により発生する加工液の
気化ガスによる加工間隙からの加工屑排出作用により極
間に適正な絶縁状態を維持して放電加工を効率よく行
い、形彫放電加工に要する加工時間全体を短縮させるよ
うにしたものである。
【0010】すなわち、本発明によれば、電極とワーク
との極間に電圧を印加して前記ワークを放電加工すると
ともに、前記電極と前記ワークとの極間に発生した加工
屑を排出するために前記電極にジャンプ動作を行わせる
形彫放電加工方法において、前記電極のジャンプ動作の
間、前記電極と前記ワークとの極間に電圧を印加しなが
ら前記電極にジャンプ動作を行わせる形彫放電加工方法
が提供される。上記形彫放電加工方法においては、前記
電極に行わせるジャンプ動作は、ジャンプ量が小さくか
つジャンプが行われる周期が短い第1のジャンプ動作を
繰り返し行わせる間に、前記第1のジャンプ動作のジャ
ンプ量より大きいジャンプ量でかつジャンプが行われる
周期が長い第2のジャンプ動作を間欠的に行わせること
が好ましい。また、さらに、前記電極に行わせる第1及
び第2のジャンプ動作のジャンプ量及びジャンプが行わ
れる周期は、前記電極と前記ワークとの極間状態または
前記ワークの加工深さに基づいて設定、変更されること
が好ましい。
【0011】形彫放電加工の際に行われるジャンプ動作
の間も極間に対して印加される電圧を休止させず、継続
して印加し続けることにより、ジャンプ動作中も特に電
極側部において放電による加工が継続して行われるの
で、特にリブ加工などにおいて電極側部におけるワーク
の加工の進行に寄与する。また、ジャンプ動作中も電極
側部で放電が起こり、それにより発生する加工液の気化
ガスが加工間隙の間の加工屑を伴って浮上する。したが
って、加工間隙からの加工屑の排出が促進され極間の絶
縁状態が維持され良好な放電が行われるようになる。結
果として、加工時間全体における加工の進行に寄与して
いる時間の割合が増すと共に、放電加工の効率も向上さ
れる。
【0012】このような特有の効果は、加工深さが浅い
場合や極間状態が加工屑の影響を受けやすい、ワークと
電極側部との間の加工間隙が小さい場合に特に顕著に現
れることが分かっている。したがって、この特性を利用
して、加工深さ又は極間状態に基づいて、ジャンプ動作
のジャンプ量及びジャンプが行われる周期を変更するこ
とで、上記の効果をより有効に活用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施態様を説明する。図1は本発明による形彫放
電加工方法を行う形彫放電加工機の一実施態様を示す概
略ブロック構成図である。図1を参照すると、形彫放電
加工機11は、ワークWに対してX、Y、Zの直交3軸
方向に相対移動可能に設けられた主軸13と、この主軸
13の先端に絶縁プレート15及び電極クランプ板17
を介して取り付けられた電極19とを備えている。電極
19としては、リブ電極と通常の形状の電極とを組み合
わせた大形の電極であるマルチ電極又は一体形電極が使
用されているが、他のタイプの電極を使用することも可
能である。また、Z軸方向とは図1において上下方向を
指し、X及びY軸方向とはZ軸方向に対して垂直な平面
内の互いに垂直な方向を指すものとする。
【0014】形彫放電加工機11は、ワークWに対して
主軸13をX、Y、Z軸方向に移動可能とするために、
各々の軸方向に主軸13を駆動するX軸送りサーボモー
タ21a、Y軸送りサーボモータ21b、Z軸送りサー
ボモータ21c及びそれを駆動するためのモータ駆動装
置23をさらに備えている。しかしながら、形彫放電加
工機11では、ワークWに対して主軸13を相対移動で
きればよく、例えば主軸13がX及びY軸方向にのみ移
動でき、ワークWがZ軸方向に移動されるようにしても
よい。また、各軸送りサーボモータの代わりにリニアモ
ータなど他のタイプのモータを使用することも可能であ
る。
【0015】ワークWは、一定の間隙を隔てて電極19
に対面するように配置され、加工槽25に貯留された加
工液内に浸漬して固定されている。電極19とワークW
の極間には加工電源装置27により予め定められたほぼ
一定の電圧が印加され、これにより発生する放電でワー
クWが除去され加工される。
【0016】形彫放電加工機11は、さらに、スケール
29によって検出された主軸13のZ軸方向の位置(す
なわち深さ)や極間状態に基づいて、Z軸方向の加工送
り及び電極19とワークWと間の加工屑を排出するため
に行うジャンプ動作を含むワークWに対する電極19の
運動や印加される電圧を制御する制御装置31を備えて
いる。
【0017】制御装置31は、詳細には、加工条件設定
部33と、軸送り制御部35と、ジャンプパラメータ制
御部37と、サーボ信号演算部39と、加工電源制御部
41と、極間状態検出部43とを含む。制御装置31
は、例えば、双方向バスにより相互に接続されたCP
U、RAM、バックアップROM、各種入力インターフ
ェイス及び各種出力インターフェイスを備えたマイクロ
コンピュータシステムで構成され得る。
【0018】加工条件設定部33には入力装置45が接
続されており、これにより入力されるNCプログラムや
各種パラメータに基づき、ワークWを加工するために必
要な加工電源パラメータ、各サーボモータ21a、21
b、21cに関する制御パラメータ及び目標基準値を設
定する。入力装置45は、加工条件設定部33に様々な
データを入力するための手段であり、例えばキーボー
ド、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ又は光磁
気ディスクドライブ等の読取装置、又はLAN経由にて
加工条件設定部33に接続されたCAD、CAM装置等
から構成され得る。また、加工条件設定部33にはさら
に表示装置47が接続されており、入力装置45から入
力される各種パラメータ、現在設定されている加工条
件、電極19の現在のX、Y、Z軸座標値等を表示す
る。表示装置47は、例えば液晶表示装置やCRT等か
ら構成され得る。
【0019】極間状態検出部43は、加工電源装置27
に対して並列的に電極19及びワークWの極間に接続さ
れており、加工電源装置27によって極間に印加された
電圧を検出する。すなわち、制御装置31は、極間状態
検出部43が検出する極間電圧から、電極19とワーク
Wとの極間の現在の状態が、未だ放電を開始していない
状態か、短絡状態か、有効放電状態か、或いは異常放電
状態かを検出することが可能となっている。
【0020】サーボ信号演算部39は、極間状態検出部
43からの電圧検出値と加工条件設定部33からの目標
基準値との差分に基づいてサーボ信号を軸送り制御部3
5へ出力する。軸送り制御部35は、加工条件設定部3
3から送られた制御パラメータとサーボ信号演算部39
から送られたサーボ信号とに基づいて、極間状態を正常
に維持するように極間距離を制御するべく主軸13の前
進、後退量をモータ駆動装置23へ出力する。
【0021】加工電源制御部41は、加工条件設定部3
3で設定された極間への印加電圧、放電時間等の加工電
源用パラメータを受け、これらに従って加工電源装置2
7を介して電極19とワークWとの極間に設定された電
圧を印加する。なお、加工電源制御部41は、従来の加
工電源制御部と異なり、ジャンプ動作の際に加工電源装
置27から極間へ印加される電圧をオフにするような制
御は行っておらず、ジャンプ動作中も加工電源装置27
から極間へ継続して電圧を供給し続けるように制御する
ことに留意されたい。加工電源装置27から極間への電
圧の印加は、加工開始点から移動して加工を開始し加工
を終了して再び加工開始点へ戻るまで継続されることが
好ましいが、後述するように加工深さが浅いときや加工
間隙が狭いときのみジャンプ動作の間に極間への電圧の
印加を継続し、加工深さが深くなったときにはジャンプ
動作の間は極間への電圧の印加を休止するように制御す
ることも可能である。
【0022】本発明の形彫放電加工方法のように、ジャ
ンプ動作の間も極間に対して継続して電圧を印加する
と、ジャンプ動作中も電極19の側部とワークWとの間
で放電が起こりそれにより電極19によって形成された
加工穴の側面の加工が継続して行われ得るので、特にリ
ブ加工などにおいてワークWの加工穴側面の加工の進行
に寄与する。この結果、加工時間全体において加工の進
行に寄与している時間の割合が増加し、加工時間を短縮
させる効果を奏する。また、ジャンプ動作中も継続して
起こる電極19の側部での放電により、加工液の気化ガ
スが発生し、電極19とワークWの側面との間の加工間
隙を通り加工屑を伴って浮上する。したがって、ジャン
プ動作から生じるポンピング作用による加工屑の排出作
用以外に、加工間隙から加工屑を排出させる作用が付加
される。これにより、加工間隙からの加工屑の排出が促
進され極間の絶縁状態が維持され良好な放電が行われる
ようになる。結果として、放電加工の効率が向上される
ので、従来の形彫放電加工方法と比較して、より短時間
で所望の加工形状を得ることができるようになる。
【0023】上述の効果は、ワークWと電極19の側部
との間の加工間隙が小さく(例えば、加工間隙が150
μm以下)、その間における流体抵抗が大きくてジャン
プ動作によるポンピング作用が得られにくく、極間状態
が加工屑の影響を受けやすい場合に特に有効となること
が実験により確認された。また、加工液の気化ガスが加
工穴から排出されやすい加工深さが浅い場合(例えば、
深さ20mm以内)にも効果が顕著であることが実験に
より確認された。一方、加工液の気化ガスが加工穴から
排出されにくい加工深さが深い場合には、上記の効果が
あることも確認された。
【0024】本発明の形彫放電加工方法では、上記の加
工時間短縮効果及びその効果の特性を利用して、スケー
ル29によって検出した加工深さ又は極間状態検出部4
3によって検出した極間状態に基づいて、加工条件設定
部33によって設定されたジャンプ動作のジャンプ量及
びジャンプが行われる周期を変更する制御を制御装置3
1のジャンプパラメータ制御部37によって行わせ、所
望の形状を得られるまでに要する加工時間全体のより十
分な短縮を図っている。
【0025】以下、特に図2及び図3を参照して、ジャ
ンプパラメータ制御部37の機能を説明する。図2は図
1に示されている形彫放電加工機11のジャンプ動作に
関する制御のフローチャートであり、図3(a)は従来
の形彫放電加工方法に従った電極のジャンプ動作制御を
行った場合、図3(b)は図2のフローチャートに従っ
て電極19のジャンプ動作制御を行った場合についての
時間経過に伴う電極19のジャンプ量の推移を示す線図
である。なお、図3は説明のためのものであり、ジャン
プ量やジャンプが行われる周期等が誇張して描かれてい
る。また、図3は横軸が右に行くほど加工が進行した、
すなわち加工深さが深くなったことを表わす。
【0026】図2を参照すると、形彫放電加工機11、
特にその制御装置31は、ステップ101で、入力装置
45から入力される加工プログラム又は各種パラメータ
に基づいて加工条件設定部33に標準ジャンプ及び間欠
ジャンプのジャンプ量及びジャンプが行われる周期(又
は頻度)を初期値として入力、設定する。ここで、標準
ジャンプとは1mm程度の小さいジャンプ量で頻繁に行
われるジャンプを意味し、間欠ジャンプとは、標準ジャ
ンプと比較して10倍程度のジャンプ量(10mm程
度)で標準ジャンプ複数回(例えば10回)に一回程度
の頻度で標準ジャンプと比較してジャンプが行われる周
期が長い間欠的なジャンプを意味する。図2に示されて
いる実施態様においては、標準ジャンプのジャンプ量及
びジャンプが行われる周期は加工の終了まで変更されて
いない。しかしながら、後述する間欠ジャンプと同様に
加工深さに基づいてジャンプ量及びジャンプが行われる
周期を逐次変更してもよい。例えば加工深さが深くなる
に伴って標準ジャンプのジャンプ量を大きくするように
制御することができる。
【0027】次に、軸送り制御部35からの指令により
モータ駆動装置23を介して電極19を加工開始点に移
動させた後、ステップ103で、加工電源制御部41を
介して加工電源装置27をオンにして極間への電圧印加
を開始させる。この後、形彫放電加工を開始し、上述し
た軸送り制御部35による電極19の加工送りの制御を
開始する共に、ステップ105でジャンプパラメータ制
御部37の制御プログラムである巡回マクロを起動す
る。
【0028】ジャンプパラメータ制御部37は、ステッ
プ107でスケール29を介してその時点の加工深さ、
すなわち電極19のZ軸位置を読み取る。一方、ジャン
プパラメータ制御部37には、入力装置45から入力さ
れた加工プログラムなどによりジャンプパラメータ決定
条件が予め入力され、設定されている。予め設定されて
いる条件は、例えばジャンプが行われる周期に関して、
加工深さが10mm以下であれば、標準ジャンプ15回
につき1回の頻度で間欠ジャンプを行い、加工深さが1
0〜20mmであれば、標準ジャンプ10回につき1回
の頻度で間欠ジャンプを行うように設定し、ジャンプ量
に関し、加工深さ5mm毎に段階的に増加させていくよ
うに設定することができる。ステップ109では、この
予め設定されているジャンプパラメータ決定条件に従っ
て、加工深さに基づいて適した間欠ジャンプ量及びジャ
ンプが行われる周期を求める。
【0029】ステップ111では、極間状態検出部43
により極間状態を検出する。次に、ステップ113で極
間がアーク状態(異常放電状態)になっていないか判定
する。なお、図2に示されている実施態様では、ステッ
プ113において、アーク状態になっていないかのみを
判定しているが、既述したように短絡状態でないかなど
他の極間状態判定を行うこともできる。
【0030】ステップ113で極間がアーク状態になっ
ていると判定されたときには、ステップ115に進み、
極間がアーク状態でないと判定されれば、ステップ11
7へ進む。ステップ115では、上記ステップ109で
求められた間欠ジャンプのジャンプ量及びジャンプが行
われる周期の修正が行われる。極間がアーク状態となっ
ているのは、加工間隙において加工液中の加工屑含有率
が想定よりも高いからであり、加工間隙から加工屑を排
出する能力が不足していると考えられる。したがって、
ステップ115では、加工屑排出能力を向上させるため
に、よりジャンプ量を増加させ、ジャンプが行われる周
期を短くするように間欠ジャンプパラメータの修正を行
う。ステップ117では、ステップ109で求められた
又はステップ115でさらに修正されたジャンプ量及び
ジャンプが行われる周期が間欠ジャンプパラメータとし
てジャンプパラメータ制御部37に設定される。軸送り
制御部35は、標準ジャンプパラメータ及び新たに設定
された間欠ジャンプパラメータに従ったジャンプ動作を
電極19に行わせるようにジャンプパラメータ制御部3
7から指令を受け、モータ駆動装置23を介して電極1
9のジャンプ動作を制御する。
【0031】次に、ステップ119において、ステップ
107でスケール29から読み取った加工深さが入力装
置45によって入力された加工プログラム又はパラメー
タによって設定された所望される加工深さまで達したか
が判定され、達していなければステップ107に戻り上
記の一連のステップを繰り返す。一方、ステップ119
で加工深さが所望される加工深さまで達していれば加工
を終了し、軸送り制御部35がモータ駆動装置23を介
して電極19を加工開始点へ復帰させると共に加工電源
制御部41が加工電源装置27から極間への継続的な電
圧の印加を停止させる。
【0032】図3を参照すると、従来のジャンプ動作制
御を行った場合と本発明に従ってジャンプ動作制御を行
った場合の時間経過に伴う電極19のジャンプ量の推移
が対比して示されている。従来は、開始時に設定された
標準ジャンプ動作及び間欠ジャンプ動作のジャンプ量及
びジャンプが行われる周期が最後まで維持されるので電
極は図3(a)のような軌跡を描いていた。特に間欠ジ
ャンプのジャンプ量やジャンプが行われる周期が時間の
経過、すなわち加工深さにかかわらず常に一定値に設定
されているので、加工間隙から加工屑を効率よく排出で
きず、それに伴い加工時間全体も長くならざるを得なか
った。一方、本発明に従ってジャンプ動作制御を行う場
合、図3(b)に示されているように、間欠ジャンプ動
作のジャンプ量は加工深さが深くなるに伴って増加する
ように設定されるが、放電させながらジャンプ動作を行
うことにより発生する気化ガスによる加工屑の排出作用
で間欠ジャンプ動作のポンピング作用を置換しているの
で、加工間隙から加工屑が排出されやすくなり、加工時
間全体が長くなることはない。加工深さが浅いときには
従来の場合と比較して標準ジャンプ動作に対する間欠ジ
ャンプ動作の頻度を少なく設定することができる。ま
た、図3(b)に示すように、時間が経つにつれて、す
なわち加工深さが深くなるにつれて、間欠ジャンプが行
われる周期を短くしたり、さらには極間状態によっても
間欠ジャンプが行われる周期を短くすることができ、加
工間隙から効率よく加工屑が排出され、加工時間の短縮
により貢献できる。
【0033】また、上記実施態様では、標準ジャンプの
ジャンプ量及びジャンプが行われる周期を加工中一定で
あるとして説明したが、間欠ジャンプと同様に、発生す
る気化ガスによる加工屑の排出作用でジャンプ動作のポ
ンピング作用を置換する効果を利用して、加工深さが浅
い場合には、標準的なジャンプが行われる周期を長くし
て加工時間中に占めるジャンプ時間及びジャンプ量を小
さくすることで、放電加工の効率化を図ることができ
る。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、ジャンプ動作中も極間
への電圧の印加を休止させずにジャンプ動作を行わせる
ので、ジャンプ動作中も電極の側部とワークとの間で放
電が起こり加工穴の側面の加工が継続して行われ、加工
時間全体に占める加工の進行に寄与している時間の割合
が増加し、加工時間を短縮させる効果を奏する。また、
ジャンプ動作中の放電により加工液の気化ガスが発生し
加工間隙を通り加工屑を伴って浮上するので、加工液中
の加工屑の含有率が低下し放電を良好な状態に保ち、加
工時間を短縮させる効果を奏する。さらに、加工深さ又
は極間状態に基づいて間欠ジャンプ動作を制御すること
により、発生する気化ガスによる加工屑の排出作用でジ
ャンプ動作のポンピング作用を置換して、上記作用が顕
著に得られる加工深さが浅いときや極間状態が安定して
いるときはより多くの時間を要する間欠ジャンプが行わ
れる周期を長くし且つジャンプ量を小さくし、上記作用
が小さくなる加工深さが深いときや極間状態が不安定な
ときはジャンプを行う周期を短くし且つジャンプ量を大
きくすることで加工の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による形彫放電加工方法を行う形彫放電
加工機の一実施態様を示す概略ブロック構成図である。
【図2】図1に示されている形彫放電加工機のジャンプ
動作に関する制御のフローチャートである。
【図3】(a)は従来の形彫放電加工方法に従った電極
のジャンプ動作制御を行った場合、(b)は図2のフロ
ーチャートに従って電極のジャンプ動作制御を行った場
合についての時間経過に伴う電極のジャンプ量の推移を
示す線図である。
【符号の説明】
11…形彫放電加工機 19…電極 23…モータ駆動装置 27…加工電源装置 29…スケール 31…制御装置 33…加工条件設定部 35…軸送り制御部 37…ジャンプパラメータ制御部 41…加工電源制御部 43…極間状態検出部 W…ワーク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極とワークとの極間に電圧を印加して
    前記ワークを放電加工するとともに、前記電極と前記ワ
    ークとの極間に発生した加工屑を排出するために前記電
    極にジャンプ動作を行わせる形彫放電加工方法におい
    て、 前記電極のジャンプ動作の間、前記電極と前記ワークと
    の極間に電圧を印加しながら前記電極にジャンプ動作を
    行わせることを特徴とした形彫放電加工方法。
  2. 【請求項2】 前記電極に行わせるジャンプ動作は、ジ
    ャンプ量が小さくかつジャンプが行われる周期が短い第
    1のジャンプ動作を繰り返し行わせる間に、前記第1の
    ジャンプ動作のジャンプ量より大きいジャンプ量でかつ
    ジャンプが行われる周期が長い第2のジャンプ動作を間
    欠的に行わせるようにした請求項1に記載の形彫放電加
    工方法。
  3. 【請求項3】 前記電極に行わせる第1及び第2のジャ
    ンプ動作のジャンプ量及びジャンプが行われる周期は、
    前記電極と前記ワークとの極間状態または前記ワークの
    加工深さに基づいて設定、変更される請求項2に記載の
    形彫放電加工方法。
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