JP2002306184A - N−アセチルグルコサミニル転移酵素の製造方法 - Google Patents
N−アセチルグルコサミニル転移酵素の製造方法Info
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- JP2002306184A JP2002306184A JP2001187010A JP2001187010A JP2002306184A JP 2002306184 A JP2002306184 A JP 2002306184A JP 2001187010 A JP2001187010 A JP 2001187010A JP 2001187010 A JP2001187010 A JP 2001187010A JP 2002306184 A JP2002306184 A JP 2002306184A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明の課題は、 N−アセチルグルコサミ
ニル転移酵素とマルトース結合蛋白質の融合蛋白質とし
て発現させるベクターを構築することにより、N−アセ
チルグルコサミニル転移酵素を可溶性蛋白質として、大
腸菌内で発現させることにより、安価に効率よく生産す
る方法を提供することにある。その1例として、β−
1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素を安価に
効率よく生産する方法を提供する。 【解決手段】 ストレプトコッカス・アガラクテイア
(Streptococcus agalactiae)type Ia由来のN−アセ
チルグルコサミニル転移酵素および該酵素をコードする
遺伝子と、該遺伝子を含有し、マルトース結合蛋白質を
コードする組換えベクター、該ベクターで形質転換した
形質転換体、ならびに該形質転換体を培養し、N−アセ
チルグルコサミニル転移酵素とマルトース結合蛋白質の
融合蛋白質として発現させ、可溶性蛋白としてN−アセ
チルグルコサミニル転移酵素を生成させ、該酵素を採取
する製造法。
ニル転移酵素とマルトース結合蛋白質の融合蛋白質とし
て発現させるベクターを構築することにより、N−アセ
チルグルコサミニル転移酵素を可溶性蛋白質として、大
腸菌内で発現させることにより、安価に効率よく生産す
る方法を提供することにある。その1例として、β−
1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素を安価に
効率よく生産する方法を提供する。 【解決手段】 ストレプトコッカス・アガラクテイア
(Streptococcus agalactiae)type Ia由来のN−アセ
チルグルコサミニル転移酵素および該酵素をコードする
遺伝子と、該遺伝子を含有し、マルトース結合蛋白質を
コードする組換えベクター、該ベクターで形質転換した
形質転換体、ならびに該形質転換体を培養し、N−アセ
チルグルコサミニル転移酵素とマルトース結合蛋白質の
融合蛋白質として発現させ、可溶性蛋白としてN−アセ
チルグルコサミニル転移酵素を生成させ、該酵素を採取
する製造法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガラクトース残基の
3位にN−アセチルグルコサミン残基がβ−1,3結合
したGlcNacβ1,3Galの合成またはN−アセチ
ルガラクトサミン残基がβ−1,3結合したGalNac
β1,3Galの合成に用いることのできるN−アセチル
グルコサミニル転移酵素を安価に効率よく生産する方法
に関し、詳細には大腸菌体内中で微生物由来のN−アセ
チルグルコサミニル転移酵素を融合蛋白質として製造
し、該融合蛋白質を精製し、さらに、該酵素活性を有す
る蛋白質として分離する方法に関する。
3位にN−アセチルグルコサミン残基がβ−1,3結合
したGlcNacβ1,3Galの合成またはN−アセチ
ルガラクトサミン残基がβ−1,3結合したGalNac
β1,3Galの合成に用いることのできるN−アセチル
グルコサミニル転移酵素を安価に効率よく生産する方法
に関し、詳細には大腸菌体内中で微生物由来のN−アセ
チルグルコサミニル転移酵素を融合蛋白質として製造
し、該融合蛋白質を精製し、さらに、該酵素活性を有す
る蛋白質として分離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年糖蛋白質、糖脂質などの複合糖質中
の糖鎖部分の構造と機能に関する関心が高まっており、
その研究が盛んに行われている。糖鎖は一般に糖転移酵
素によって合成される。糖転移酵素は糖ヌクレオチドを
糖供与体として、受容体となる糖鎖に糖鎖を転移し、糖
鎖伸張を行う酵素である。その受容体の糖鎖構造に対す
る特性は厳密であり、通常、1つのグルコシド結合は対
応する1つの糖転移酵素によって形成されると言われて
いる。糖転移酵素は複合糖質の糖鎖部分の構造研究、特
定の糖鎖構造の簡便な合成、天然の糖鎖構造の修飾に利
用されている。
の糖鎖部分の構造と機能に関する関心が高まっており、
その研究が盛んに行われている。糖鎖は一般に糖転移酵
素によって合成される。糖転移酵素は糖ヌクレオチドを
糖供与体として、受容体となる糖鎖に糖鎖を転移し、糖
鎖伸張を行う酵素である。その受容体の糖鎖構造に対す
る特性は厳密であり、通常、1つのグルコシド結合は対
応する1つの糖転移酵素によって形成されると言われて
いる。糖転移酵素は複合糖質の糖鎖部分の構造研究、特
定の糖鎖構造の簡便な合成、天然の糖鎖構造の修飾に利
用されている。
【0003】N−アセチルグルコサミニル転移酵素は、
基質特異性により、β−1,3、β−1,4、β−1,
6などの結合様式でN−アセチルグルコサミン残基を種
々の糖に転移する基質特異性の異なる酵素が存在する。
基質特異性により、β−1,3、β−1,4、β−1,
6などの結合様式でN−アセチルグルコサミン残基を種
々の糖に転移する基質特異性の異なる酵素が存在する。
【0004】β−1,3−N−アセチルグルコサミニル
転移酵素は、ウリジン−5’−ジフォスホ−N−アセチ
ルグルコサミンのN−アセチルグルコサミン残基を、少
糖類あるいは糖鎖の該非還元末端ガラクトース残基の3
位にβ結合で転移させ,N−アセチルグルコサミニル転
移生成物を生成する反応を触媒する酵素である。β−
1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素は、ラッ
トNovikoff腹水癌細胞、ブタ胃粘膜、ヒト血清、尿、ヒ
ト卵巣組織、ラットNovikoff腹水、ウシおよびヒト初
乳、ウシ血清、ブタ血清、マウスTリンパ腫組織)等の
哺乳動物細胞および病原性微生物にその存在が確認さ
れ、これまでに、ウシ血清由来のβ−1,3−N−アセ
チルグルコサミニル転移酵素のみが単一に精製されてい
る。これらのβ−1,3−N−アセチルグルコサミニル
転移酵素は由来により糖脂質および糖蛋白質に対する基
質特異性が異なり、最近では、哺乳動物細胞と微生物由
来で基質特異性が異なることが報告されている。GlcNAc
β1,3 Galの糖鎖構造は、天然の種々のオリゴ糖、糖脂
質、糖蛋白質等に見出されている。なかでも、Galβ1,4
GlcNAcβ1,3Galβ1,4Glcの構造を有するラクト-N-ネオ
テトラオース(LNnT)は、哺乳動物においては、ネオラ
クト系糖脂質のコア構造であり、シアル酸、フコース等
の種々の糖が結合した数十種類の糖脂質の構造が決定さ
れている。また、LNnTの糖鎖構造は病原性微生物の細胞
表層のリポ多糖や莢膜多糖にも存在することが明らかに
されている(Ola B.ら.:Glycobiology., 9, 1061〜107
1、1999)。一方、GlcNAcβ1,3 Galの構造を含むラクト
サミノグリカンとして、Galβ1,4GlcNAcβ1,3の繰り返
し構造を有するポリ-N-アセチルラクトサミンが、哺乳
動物の種々のN-結合糖蛋白質、O-結合糖蛋白質および糖
脂質に見出されている。ポリ-N-アセチルラクトサミン
はIi抗原と密接に関連し、ABH型およびルイス型の
血液型物質、あるいはシアリルLex等の糖鎖抗原の前駆
体であり、細胞の分化や発生との密接な関連が研究され
ている。また、病原性微生物のリポ多糖においてもGal
β1,4GlcNAcβ1,3の繰り返し構造が見出されている。こ
のGlcNAcβ1,3 Galの糖鎖構造は、β1,3-N-アセチルグ
ルコサミニル転移酵素による反応により合成されている
と考えられている。該酵素は他の糖転移酵素に見られる
ように膜結合型酵素であり、膜貫通領域、幹領域、酵素
活性領域を持つと考えられている。
転移酵素は、ウリジン−5’−ジフォスホ−N−アセチ
ルグルコサミンのN−アセチルグルコサミン残基を、少
糖類あるいは糖鎖の該非還元末端ガラクトース残基の3
位にβ結合で転移させ,N−アセチルグルコサミニル転
移生成物を生成する反応を触媒する酵素である。β−
1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素は、ラッ
トNovikoff腹水癌細胞、ブタ胃粘膜、ヒト血清、尿、ヒ
ト卵巣組織、ラットNovikoff腹水、ウシおよびヒト初
乳、ウシ血清、ブタ血清、マウスTリンパ腫組織)等の
哺乳動物細胞および病原性微生物にその存在が確認さ
れ、これまでに、ウシ血清由来のβ−1,3−N−アセ
チルグルコサミニル転移酵素のみが単一に精製されてい
る。これらのβ−1,3−N−アセチルグルコサミニル
転移酵素は由来により糖脂質および糖蛋白質に対する基
質特異性が異なり、最近では、哺乳動物細胞と微生物由
来で基質特異性が異なることが報告されている。GlcNAc
β1,3 Galの糖鎖構造は、天然の種々のオリゴ糖、糖脂
質、糖蛋白質等に見出されている。なかでも、Galβ1,4
GlcNAcβ1,3Galβ1,4Glcの構造を有するラクト-N-ネオ
テトラオース(LNnT)は、哺乳動物においては、ネオラ
クト系糖脂質のコア構造であり、シアル酸、フコース等
の種々の糖が結合した数十種類の糖脂質の構造が決定さ
れている。また、LNnTの糖鎖構造は病原性微生物の細胞
表層のリポ多糖や莢膜多糖にも存在することが明らかに
されている(Ola B.ら.:Glycobiology., 9, 1061〜107
1、1999)。一方、GlcNAcβ1,3 Galの構造を含むラクト
サミノグリカンとして、Galβ1,4GlcNAcβ1,3の繰り返
し構造を有するポリ-N-アセチルラクトサミンが、哺乳
動物の種々のN-結合糖蛋白質、O-結合糖蛋白質および糖
脂質に見出されている。ポリ-N-アセチルラクトサミン
はIi抗原と密接に関連し、ABH型およびルイス型の
血液型物質、あるいはシアリルLex等の糖鎖抗原の前駆
体であり、細胞の分化や発生との密接な関連が研究され
ている。また、病原性微生物のリポ多糖においてもGal
β1,4GlcNAcβ1,3の繰り返し構造が見出されている。こ
のGlcNAcβ1,3 Galの糖鎖構造は、β1,3-N-アセチルグ
ルコサミニル転移酵素による反応により合成されている
と考えられている。該酵素は他の糖転移酵素に見られる
ように膜結合型酵素であり、膜貫通領域、幹領域、酵素
活性領域を持つと考えられている。
【0005】β−1,3−N−アセチルグルコサミニル
転移酵素の生体内の組織における存在量は極めて少ない
ことから、このような組織から酵素を分離精製すること
は、きわめて難しく、通常、該酵素の遺伝子をクローニ
ングし、遺伝子を大腸菌、あるいは昆虫細胞に導入し、
遺伝子を過剰に発現させることが試みられている。
転移酵素の生体内の組織における存在量は極めて少ない
ことから、このような組織から酵素を分離精製すること
は、きわめて難しく、通常、該酵素の遺伝子をクローニ
ングし、遺伝子を大腸菌、あるいは昆虫細胞に導入し、
遺伝子を過剰に発現させることが試みられている。
【0006】哺乳動物由来のN−アセチルグルコサミニ
ル転移酵素遺伝子としては、ヒト由来β−1,3−N−
アセチルグルコサミニル転移酵素のcDNAが単離され、β
−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素をコー
ドする遺伝子が単離され、塩基配列が決定された。更に
は、Namalwa KJM-1細胞における組換え酵素の活性が確
認されている(Sasaki, K.ら. : Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 94, 14294〜14299、1997))。続いて、β1,3-ガ
ラクトシルトランスフェラーゼと共通のモチーフをコー
ドする、ヒトおよびマウス由来β−1,3−N−アセチ
ルグルコサミニル転移酵素のcDNAが単離され、β−1,
3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素をコードする
遺伝子が単離され、塩基配列が決定された(Zhou, D.
ら. : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96, 406〜411、19
99)、最近では、バキュウロウイルス-昆虫細胞系で、N
−アセチルグルコサミニル転移酵素遺伝子を発現させて
得られた組換え酵素の基質特異性が報告されている(Zh
ou, D. ら. : Glycobiology., 9, 1123 、1999)。
ル転移酵素遺伝子としては、ヒト由来β−1,3−N−
アセチルグルコサミニル転移酵素のcDNAが単離され、β
−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素をコー
ドする遺伝子が単離され、塩基配列が決定された。更に
は、Namalwa KJM-1細胞における組換え酵素の活性が確
認されている(Sasaki, K.ら. : Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 94, 14294〜14299、1997))。続いて、β1,3-ガ
ラクトシルトランスフェラーゼと共通のモチーフをコー
ドする、ヒトおよびマウス由来β−1,3−N−アセチ
ルグルコサミニル転移酵素のcDNAが単離され、β−1,
3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素をコードする
遺伝子が単離され、塩基配列が決定された(Zhou, D.
ら. : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96, 406〜411、19
99)、最近では、バキュウロウイルス-昆虫細胞系で、N
−アセチルグルコサミニル転移酵素遺伝子を発現させて
得られた組換え酵素の基質特異性が報告されている(Zh
ou, D. ら. : Glycobiology., 9, 1123 、1999)。
【0007】微生物由来のN−アセチルグルコサミニル
転移酵素の大量発現および組換え酵素の特性が調べられ
ているのはナイセリア・メニンテデス(Neisseria men
ingtidis)由来のみである(Ola B. ら. : Glycobiolog
y., 9, 1061〜1071、1999)。
転移酵素の大量発現および組換え酵素の特性が調べられ
ているのはナイセリア・メニンテデス(Neisseria men
ingtidis)由来のみである(Ola B. ら. : Glycobiolog
y., 9, 1061〜1071、1999)。
【0008】これまで、β−1,3−N−アセチルグル
コサミニル転移酵素の遺伝子組換えによる発現について
は、Namalwa KJM-1細胞で発現できることが報告されて
いる。しかし、細胞 での発現は、培養時間がかかる、
培地が高価であるなどの欠点があり、大量生産にはあま
り適していない。
コサミニル転移酵素の遺伝子組換えによる発現について
は、Namalwa KJM-1細胞で発現できることが報告されて
いる。しかし、細胞 での発現は、培養時間がかかる、
培地が高価であるなどの欠点があり、大量生産にはあま
り適していない。
【0009】また、昆虫細胞を宿主とする発現方法は、
酵素の発現量は高いが、培養にやはり時間がかかるこ
と、製造における煩雑さなどの欠点があり、大量生産の
面で問題がある。大量生産にはコスト的な考え、細菌や
酵母などの微生物で発現生産する方法が有利である。そ
のような例として、浜本らは、ヒト由来のシアル酸転移
酵素を大腸菌により発現させることを報告している(Ri
ken Rev. No.8, 39, 1995)。しかし、発現生成した酵素
は、インクルージョンホディーとして存在しており、こ
の不溶性タンパクをトリトンX−100および尿素で抽
出したが、再生が極めて穏やかであり、活性のあるタン
パクとして取得することは、簡単でないことを報告して
いる。
酵素の発現量は高いが、培養にやはり時間がかかるこ
と、製造における煩雑さなどの欠点があり、大量生産の
面で問題がある。大量生産にはコスト的な考え、細菌や
酵母などの微生物で発現生産する方法が有利である。そ
のような例として、浜本らは、ヒト由来のシアル酸転移
酵素を大腸菌により発現させることを報告している(Ri
ken Rev. No.8, 39, 1995)。しかし、発現生成した酵素
は、インクルージョンホディーとして存在しており、こ
の不溶性タンパクをトリトンX−100および尿素で抽
出したが、再生が極めて穏やかであり、活性のあるタン
パクとして取得することは、簡単でないことを報告して
いる。
【0010】一方、目的とする遺伝子を大量に可溶性蛋
白として発現させ、かつ、発現産物の精製を容易にする
方法として、グルタチオン−S−トランスフェラーゼや
プロテインAなどとの融合蛋白質として発現させる方法
がある。該方法ではグルタチオンをリガンドとするアフ
ィニティーカラムクロマトグラフィーにより、また、プ
ロテインAとの融合蛋白質は、IgGをリガンドとする
アフィニティーカラムクロマトグラフィーにより容易に
精製することが出来る。しかし、この場合、インクルー
ジョンボデイを生成する可能性が高い。
白として発現させ、かつ、発現産物の精製を容易にする
方法として、グルタチオン−S−トランスフェラーゼや
プロテインAなどとの融合蛋白質として発現させる方法
がある。該方法ではグルタチオンをリガンドとするアフ
ィニティーカラムクロマトグラフィーにより、また、プ
ロテインAとの融合蛋白質は、IgGをリガンドとする
アフィニティーカラムクロマトグラフィーにより容易に
精製することが出来る。しかし、この場合、インクルー
ジョンボデイを生成する可能性が高い。
【0011】また、マルトース結合性蛋白質を使用し
て、マウス由来のβ1,4−ガラクトース転移酵素をマ
ルトース結合蛋白質との融合蛋白として、大腸菌で可溶
性蛋白質として発現させたという報告がある(特開平8-
196279号公報)。更には、ヒト由来のβ1,4−ガラク
トース転移酵素をマルトース結合蛋白質との融合蛋白と
して、大腸菌で可溶性蛋白質として発現させたという報
告(特開平11-137247号公報)やヒト由来のα2,6あ
るいはα2,3−シアル酸転移酵素をマルトース結合蛋
白質との融合蛋白として、大腸菌で可溶性蛋白質として
発現させたという報告がある(特開平11-253163号公
報)。しかしながら、N−アセチルグルコサミニル転移
酵素については、活性のある状態で製造した例は、未だ
知られていない。これは大腸菌ではインクルージョンボ
ディを生成するために、可溶化などの困難性が予想され
るからである。
て、マウス由来のβ1,4−ガラクトース転移酵素をマ
ルトース結合蛋白質との融合蛋白として、大腸菌で可溶
性蛋白質として発現させたという報告がある(特開平8-
196279号公報)。更には、ヒト由来のβ1,4−ガラク
トース転移酵素をマルトース結合蛋白質との融合蛋白と
して、大腸菌で可溶性蛋白質として発現させたという報
告(特開平11-137247号公報)やヒト由来のα2,6あ
るいはα2,3−シアル酸転移酵素をマルトース結合蛋
白質との融合蛋白として、大腸菌で可溶性蛋白質として
発現させたという報告がある(特開平11-253163号公
報)。しかしながら、N−アセチルグルコサミニル転移
酵素については、活性のある状態で製造した例は、未だ
知られていない。これは大腸菌ではインクルージョンボ
ディを生成するために、可溶化などの困難性が予想され
るからである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、N−
アセチルグルコサミニル転移酵素を可溶性蛋白質とし
て、大腸菌内で発現させることにより、安価に効率よく
生産する方法を提供することにある。その1例として、
β−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素を安
価に効率よく生産する方法を提供する。
アセチルグルコサミニル転移酵素を可溶性蛋白質とし
て、大腸菌内で発現させることにより、安価に効率よく
生産する方法を提供することにある。その1例として、
β−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素を安
価に効率よく生産する方法を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため、鋭意検討した結果、β−1,3−N−ア
セチルグルコサミニル転移酵素とマルトース結合蛋白質
の融合蛋白質として発現させるベクターを構築すること
により、遺伝子工学的に該酵素を生産して、上記問題点
を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
解決するため、鋭意検討した結果、β−1,3−N−ア
セチルグルコサミニル転移酵素とマルトース結合蛋白質
の融合蛋白質として発現させるベクターを構築すること
により、遺伝子工学的に該酵素を生産して、上記問題点
を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0014】すなわち、本発明はN−アセチルグルコサ
ミニル転移酵素をコードする遺伝子およびマルトース結
合蛋白質をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクター
で大腸菌を形質転換し、該形質転換体を培養して、β−
1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素を生成さ
せ、培養物からβ−1,3−N−アセチルグルコサミニ
ル転移酵素を採取することを特徴とするβ−1,3−N
−アセチルグルコサミニル転移酵素の製造法である。
ミニル転移酵素をコードする遺伝子およびマルトース結
合蛋白質をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクター
で大腸菌を形質転換し、該形質転換体を培養して、β−
1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素を生成さ
せ、培養物からβ−1,3−N−アセチルグルコサミニ
ル転移酵素を採取することを特徴とするβ−1,3−N
−アセチルグルコサミニル転移酵素の製造法である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、N−アセチルグ
ルコサミニル転移酵素とは、β−1,2、β−1,3、
β−1,4、β−1,6などの結合様式でN−アセチル
グルコサミン残基を種々の糖に転移する基質特異性の異
なる酵素である。具体的にはβ−1,3−N−アセチル
グルコサミニル転移酵素が例示される。
ルコサミニル転移酵素とは、β−1,2、β−1,3、
β−1,4、β−1,6などの結合様式でN−アセチル
グルコサミン残基を種々の糖に転移する基質特異性の異
なる酵素である。具体的にはβ−1,3−N−アセチル
グルコサミニル転移酵素が例示される。
【0016】β−1,3−N−アセチルグルコサミニル
転移酵素とは、β−1,3−N−アセチルグルコサミニ
ル転移酵素は、ウリジン−5’−ジフォスホ−N−アセ
チルグルコサミンのN−アセチルグルコサミン残基を、
少糖類あるいは糖鎖の該非還元末端ガラクトース残基の
3位にβ結合で転移させ,N−アセチルグルコサミニル
転移生成物を生成する反応を触媒する酵素である。本発
明において、β−1,3−N−アセチルグルコサミニル
転移酵素をコードする遺伝子は、ストレプトコッカス・
アガラクテイア(Streptococcus agalactiae) type Ia
由来のゲノムDNAから単離された遺伝子である。 ス
トレプトコッカス・アガラクテイア(Streptococcus ag
alactiae) type Ia由来のβ−1,3−N−アセチルグ
ルコサミニル転移酵素の遺伝子は、そのアミノ酸配列お
よび塩基配列が既に決定されており、配列番号1および
2に示される。
転移酵素とは、β−1,3−N−アセチルグルコサミニ
ル転移酵素は、ウリジン−5’−ジフォスホ−N−アセ
チルグルコサミンのN−アセチルグルコサミン残基を、
少糖類あるいは糖鎖の該非還元末端ガラクトース残基の
3位にβ結合で転移させ,N−アセチルグルコサミニル
転移生成物を生成する反応を触媒する酵素である。本発
明において、β−1,3−N−アセチルグルコサミニル
転移酵素をコードする遺伝子は、ストレプトコッカス・
アガラクテイア(Streptococcus agalactiae) type Ia
由来のゲノムDNAから単離された遺伝子である。 ス
トレプトコッカス・アガラクテイア(Streptococcus ag
alactiae) type Ia由来のβ−1,3−N−アセチルグ
ルコサミニル転移酵素の遺伝子は、そのアミノ酸配列お
よび塩基配列が既に決定されており、配列番号1および
2に示される。
【0017】本発明では、β−1,3−N−アセチルグ
ルコサミニル転移酵素の発現には、配列番号2に示され
るアミノ酸配列(β−1,3−N−アセチルグルコサミ
ニル転移酵素)をコードする遺伝子または配列番号1に
示されるアミノ酸配列から膜貫通部位に相当するアミノ
酸配列を削除したアミノ酸配列をコードする遺伝子を使
用する。膜貫通部位に相当するアミノ酸配列は、N末端
側に存在し、細胞質尾部とよばれるアミノ酸配列(例、
リジン又はアルギニン)に、続いて数十個のアミノ酸配
列を有する。具体的な一例としては、その部位は配列番
号1に示されるアミノ酸配列の1番目から13番目のア
ミノ酸配列の間の領域にある。
ルコサミニル転移酵素の発現には、配列番号2に示され
るアミノ酸配列(β−1,3−N−アセチルグルコサミ
ニル転移酵素)をコードする遺伝子または配列番号1に
示されるアミノ酸配列から膜貫通部位に相当するアミノ
酸配列を削除したアミノ酸配列をコードする遺伝子を使
用する。膜貫通部位に相当するアミノ酸配列は、N末端
側に存在し、細胞質尾部とよばれるアミノ酸配列(例、
リジン又はアルギニン)に、続いて数十個のアミノ酸配
列を有する。具体的な一例としては、その部位は配列番
号1に示されるアミノ酸配列の1番目から13番目のア
ミノ酸配列の間の領域にある。
【0018】本発明では、β−1,3−N−アセチルグ
ルコサミニル転移酵素の発現には、具体例として、配列
番号1に示されるアミノ酸配列の14番目から333番
目までのアミノ酸配列をコードする遺伝子を用いる。さ
らに、具体的には、配列番号2に示される塩基配列の4
0番目から1002番目までの塩基配列を利用してもよ
い。
ルコサミニル転移酵素の発現には、具体例として、配列
番号1に示されるアミノ酸配列の14番目から333番
目までのアミノ酸配列をコードする遺伝子を用いる。さ
らに、具体的には、配列番号2に示される塩基配列の4
0番目から1002番目までの塩基配列を利用してもよ
い。
【0019】本発明のマルトース結合蛋白質をコードす
る遺伝子は、New England Biolabs社製のpMAL−p
2あるいはpMAL−c2に由来する遺伝子である。こ
の遺伝子は、 Kelleman ら、Methods in Enzymol.,90,4
59-464,1982 にも記載される。
る遺伝子は、New England Biolabs社製のpMAL−p
2あるいはpMAL−c2に由来する遺伝子である。こ
の遺伝子は、 Kelleman ら、Methods in Enzymol.,90,4
59-464,1982 にも記載される。
【0020】本発明の発現ベクターとは、上記N−アセ
チルグルコサミニル転移酵素をコードする遺伝子をマル
トース結合蛋白質をコードする遺伝子を含むプラスミ
ド、例えばpMAL−p2あるいはpMAL−c2のマ
ルチクローニングサイトに挿入することにより作製され
る。例えば、β−1,3−N−アセチルグルコサミニル
転移酵素を発現させる時は、例えばストレプトコッカス
・アガラクテイア(Streptococcus agalactiae) type
Ia由来のβ−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移
酵素をコードする遺伝子をマルトース結合蛋白質をコー
ドする遺伝子を含むプラスミド、例えばpMAL−p2
あるいはpMAL−c2のマルチクローニングサイトに
挿入することにより作製される。
チルグルコサミニル転移酵素をコードする遺伝子をマル
トース結合蛋白質をコードする遺伝子を含むプラスミ
ド、例えばpMAL−p2あるいはpMAL−c2のマ
ルチクローニングサイトに挿入することにより作製され
る。例えば、β−1,3−N−アセチルグルコサミニル
転移酵素を発現させる時は、例えばストレプトコッカス
・アガラクテイア(Streptococcus agalactiae) type
Ia由来のβ−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移
酵素をコードする遺伝子をマルトース結合蛋白質をコー
ドする遺伝子を含むプラスミド、例えばpMAL−p2
あるいはpMAL−c2のマルチクローニングサイトに
挿入することにより作製される。
【0021】本発明の発現ベクターの1つ、pMCGl
-14は、配列番号1のアミノ酸配列の14番目から33
3番目までのアミノ酸配列をコードするストレプトコッ
カス・アガラクテイア(Streptococcus agalactiae) t
ype Ia由来のβ−1,3−N−アセチルグルコサミニル
転移酵素遺伝子断片およびマルト−ス結合蛋白質をコ−
ドする遺伝子を含む。その一例としては、配列番号2の
塩基配列の40番目から1002番目までの配列を含む
ストレプトコッカス・アガラクテイア(Streptococcus
agalactiae)type Ia由来のβ−1,3−N−アセチル
グルコサミニル転移酵素遺伝子断片およびマルトース結
合蛋白質をコードする遺伝子を含む。
-14は、配列番号1のアミノ酸配列の14番目から33
3番目までのアミノ酸配列をコードするストレプトコッ
カス・アガラクテイア(Streptococcus agalactiae) t
ype Ia由来のβ−1,3−N−アセチルグルコサミニル
転移酵素遺伝子断片およびマルト−ス結合蛋白質をコ−
ドする遺伝子を含む。その一例としては、配列番号2の
塩基配列の40番目から1002番目までの配列を含む
ストレプトコッカス・アガラクテイア(Streptococcus
agalactiae)type Ia由来のβ−1,3−N−アセチル
グルコサミニル転移酵素遺伝子断片およびマルトース結
合蛋白質をコードする遺伝子を含む。
【0022】本発明において使用する宿主細胞は、大腸
菌である。発現ベクターで形質転換する大腸菌として
は、大腸菌XL1−Blue株、BL−21株、JM1
07株、TB1株、JM109株、C600株、HB1
01株などが挙げられる。
菌である。発現ベクターで形質転換する大腸菌として
は、大腸菌XL1−Blue株、BL−21株、JM1
07株、TB1株、JM109株、C600株、HB1
01株などが挙げられる。
【0023】具体的に、ストレプトコッカス・アガラク
テイア(Streptococcus agalactiae)type Ia由来のβ
−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素をコー
ドする遺伝子を取得する場合、配列番号1のアミノ酸配
列の14番目から19番目のアミノ酸をコードする塩基
配列を含むN末端側のプライマー(配列番号3)および
329番目から333番目のアミノ酸をコードする塩基
配列を含むC末端側プライマー(配列番号4)を合成
し、これらのプライマーを用いたPCRを行い、PCR
産物を得、必要に応じて制限酵素などを用い、得られた
PCR産物を切断することにより、DNA断片を得るこ
とができる。
テイア(Streptococcus agalactiae)type Ia由来のβ
−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素をコー
ドする遺伝子を取得する場合、配列番号1のアミノ酸配
列の14番目から19番目のアミノ酸をコードする塩基
配列を含むN末端側のプライマー(配列番号3)および
329番目から333番目のアミノ酸をコードする塩基
配列を含むC末端側プライマー(配列番号4)を合成
し、これらのプライマーを用いたPCRを行い、PCR
産物を得、必要に応じて制限酵素などを用い、得られた
PCR産物を切断することにより、DNA断片を得るこ
とができる。
【0024】また、必要に応じて該DNA断片をいくつ
かの断片に分けて、PCR産物を得た後、適当な条件で
ライゲーションして全長のDNAを得ることができる。
さらに用いるプライマーは、その後、ライゲーションや
サブクローニングに有効なように、通常、制限酵素切断
部位をもつように設計することが好ましい。
かの断片に分けて、PCR産物を得た後、適当な条件で
ライゲーションして全長のDNAを得ることができる。
さらに用いるプライマーは、その後、ライゲーションや
サブクローニングに有効なように、通常、制限酵素切断
部位をもつように設計することが好ましい。
【0025】次いで、配列番号3および4で表されるプ
ライマーを用いて得られたPCR産物を適切な制限酵素
で切断し、ベクターへの挿入DNA断片とする。
ライマーを用いて得られたPCR産物を適切な制限酵素
で切断し、ベクターへの挿入DNA断片とする。
【0026】得られたDNA断片を適当なプラスミドベ
クター、例えばM13mp18ベクター、M13mp1
9ベクター、pUC18ベクター、pBluescript ベクタ
ーなどにサブクロ−ニングし、適当な宿主大腸菌、例え
ば、XL1−Blue株、JM109株などに形質転換
し、該形質転換株を培養し、該プラスミドを大量に得
る。
クター、例えばM13mp18ベクター、M13mp1
9ベクター、pUC18ベクター、pBluescript ベクタ
ーなどにサブクロ−ニングし、適当な宿主大腸菌、例え
ば、XL1−Blue株、JM109株などに形質転換
し、該形質転換株を培養し、該プラスミドを大量に得
る。
【0027】次いで、該プラスミドから、例えば制限酵
素、SalI およびPstIで切断することにより、それぞれ
の転移酵素を発現するDNA断片を得ることができる。
得られたDNA断片を、例えばpMAL−p2あるいは
pMAL−c2のマルチクローニングサイトに挿入する
ことにより、本発明の発現ベクターを作製することがで
きる。
素、SalI およびPstIで切断することにより、それぞれ
の転移酵素を発現するDNA断片を得ることができる。
得られたDNA断片を、例えばpMAL−p2あるいは
pMAL−c2のマルチクローニングサイトに挿入する
ことにより、本発明の発現ベクターを作製することがで
きる。
【0028】発現ベクターで形質転換する宿主細胞とし
ては、大腸菌XL1−Blue株、BL−21株、JM
107株、TB1株、JM109株、C600株、HB
101株などが例示される。形質転換法としては、塩化
カルシウム法やエレクトロポレ−ション法などが挙げら
れる。
ては、大腸菌XL1−Blue株、BL−21株、JM
107株、TB1株、JM109株、C600株、HB
101株などが例示される。形質転換法としては、塩化
カルシウム法やエレクトロポレ−ション法などが挙げら
れる。
【0029】本発明のβ−1,3−N−アセチルグルコ
サミニル転移酵素の製造法は、β−1,3−N−アセチ
ルグルコサミニル転移酵素をコードする遺伝子およびマ
ルトース結合蛋白質をコードする遺伝子を組み込んだ発
現ベクターで大腸菌を形質転換し、該形質転換株を培養
して、β−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵
素およびマルトース結合蛋白質からなる融合蛋白質を生
成させ、これよりβ−1,3−N−アセチルグルコサミ
ニル転移酵素を製造する。
サミニル転移酵素の製造法は、β−1,3−N−アセチ
ルグルコサミニル転移酵素をコードする遺伝子およびマ
ルトース結合蛋白質をコードする遺伝子を組み込んだ発
現ベクターで大腸菌を形質転換し、該形質転換株を培養
して、β−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵
素およびマルトース結合蛋白質からなる融合蛋白質を生
成させ、これよりβ−1,3−N−アセチルグルコサミ
ニル転移酵素を製造する。
【0030】形質転換体である宿主微生物の培養形態
は、常法に従い、宿主の栄養生理的性質を考慮して培養
条件を選択すればよく、通常、多くの場合は液体培養で
行うが、工業的には通気撹拌培養を行うのが有利であ
る。培地の栄養源としては、微生物の培養に通常用いら
れるものが広く使用され得る。炭素源としては資化可能
な炭素化合物であればよく、例えばグルコ−ス、シュー
クロース、ラクトース、マルトース、フラクトース、糖
蜜、ピルビン酸などが使用される。窒素源としては利用
可能な窒素化合物であればよく、例えばペプトン、肉エ
キス、酵母エキス、カゼイン加水分解物、大豆粕アルカ
リ抽出物などが使用される。その他、リン酸塩、炭酸
塩、硫酸塩、マグネシウム、カルシウム、カリウム、
鉄、マンガン、亜鉛などの塩類、特定のアミノ酸、特定
のビタミンなどが必要に応じて使用される。 培養温度
は菌が発育し、β−1,3−N−アセチルグルコサミニ
ル転移酵素を生産する範囲で適宜変更し得るが、大腸菌
の場合、好ましくは20〜42℃程度である。培養時間は条
件によって多少異なるが、β−1,3−N−アセチルグ
ルコサミニル転移酵素が最高収量に達する時期を見計ら
って適当時期に培養を終了すればよく、通常は1〜48
時間程度である。培地pHは菌が発育しβ−1,3−N
−アセチルグルコサミニル転移酵素を生産する範囲で適
宜変更し得るが、特に好ましくはpH6.0〜9.0程
度である。 例えば、0.2%グルコ−ス、50μg/m
lアンピシリンを添加したLB培地で、20〜40℃で
培養し、対数増殖期初期、例えば培養液の660nmに
おける吸光度が0.4〜0.6の時に、イソプロピルチ
オ−β−D−ガラクトシドを0.1〜1.0mM添加
し、さらに、1〜24時間培養する。
は、常法に従い、宿主の栄養生理的性質を考慮して培養
条件を選択すればよく、通常、多くの場合は液体培養で
行うが、工業的には通気撹拌培養を行うのが有利であ
る。培地の栄養源としては、微生物の培養に通常用いら
れるものが広く使用され得る。炭素源としては資化可能
な炭素化合物であればよく、例えばグルコ−ス、シュー
クロース、ラクトース、マルトース、フラクトース、糖
蜜、ピルビン酸などが使用される。窒素源としては利用
可能な窒素化合物であればよく、例えばペプトン、肉エ
キス、酵母エキス、カゼイン加水分解物、大豆粕アルカ
リ抽出物などが使用される。その他、リン酸塩、炭酸
塩、硫酸塩、マグネシウム、カルシウム、カリウム、
鉄、マンガン、亜鉛などの塩類、特定のアミノ酸、特定
のビタミンなどが必要に応じて使用される。 培養温度
は菌が発育し、β−1,3−N−アセチルグルコサミニ
ル転移酵素を生産する範囲で適宜変更し得るが、大腸菌
の場合、好ましくは20〜42℃程度である。培養時間は条
件によって多少異なるが、β−1,3−N−アセチルグ
ルコサミニル転移酵素が最高収量に達する時期を見計ら
って適当時期に培養を終了すればよく、通常は1〜48
時間程度である。培地pHは菌が発育しβ−1,3−N
−アセチルグルコサミニル転移酵素を生産する範囲で適
宜変更し得るが、特に好ましくはpH6.0〜9.0程
度である。 例えば、0.2%グルコ−ス、50μg/m
lアンピシリンを添加したLB培地で、20〜40℃で
培養し、対数増殖期初期、例えば培養液の660nmに
おける吸光度が0.4〜0.6の時に、イソプロピルチ
オ−β−D−ガラクトシドを0.1〜1.0mM添加
し、さらに、1〜24時間培養する。
【0031】培養物中のβ−1,3−N−アセチルグル
コサミニル転移酵素を生産する菌体を含む培養液をその
まま採取し利用することもできるが、一般には、常法に
従ってβ−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵
素が培養液中に存在する場合は濾過、遠心分離などによ
り、β−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素
含有溶液と微生物菌体とを分離した後に利用される。β
−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素が菌体
内に存在する場合には、得られた培養物から濾過または
遠心分離などの手段により菌体を採取し、次いでこの菌
体を機械的方法またはリゾチームなどの酵素的方法で破
壊し、また必要に応じてEDTA等のキレート剤及びま
たは界面活性剤を添加してβ−1,3−N−アセチルグ
ルコサミニル転移酵素を可溶化し、水溶液として分離採
取する。
コサミニル転移酵素を生産する菌体を含む培養液をその
まま採取し利用することもできるが、一般には、常法に
従ってβ−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵
素が培養液中に存在する場合は濾過、遠心分離などによ
り、β−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素
含有溶液と微生物菌体とを分離した後に利用される。β
−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素が菌体
内に存在する場合には、得られた培養物から濾過または
遠心分離などの手段により菌体を採取し、次いでこの菌
体を機械的方法またはリゾチームなどの酵素的方法で破
壊し、また必要に応じてEDTA等のキレート剤及びま
たは界面活性剤を添加してβ−1,3−N−アセチルグ
ルコサミニル転移酵素を可溶化し、水溶液として分離採
取する。
【0032】このようにして得られたβ−1,3−N−
アセチルグルコサミニル転移酵素含有溶液を、例えば減
圧濃縮、膜濃縮、更に硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウ
ムなどの塩析処理、或いは親水性有機溶媒、例えばメタ
ノール、エタノール、アセトンなどによる分別沈澱法に
より沈澱せしめればよい。また、加熱処理や等電点処理
も有効な精製手段である。その後、吸着剤或いはゲル濾
過剤などによるゲル濾過、吸着クロマトグラフィー、イ
オン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマト
グラフィーを行うことにより、精製されたβ−1,3−
N−アセチルグルコサミニル転移酵素を得ることができ
る。また、 目的に応じて、転移酵素活性のある融合蛋
白質として採取するか、あるいは、さらに、例えばファ
クタ−Xaを使用して融合蛋白質を分解し、β−1,3
−N−アセチルグルコサミニル転移酵素を採取する。フ
ァクタ−Xaによる融合蛋白質の分解は、中性の緩衝液
中で、4〜40℃で、1〜25時間反応させることによ
り行う。
アセチルグルコサミニル転移酵素含有溶液を、例えば減
圧濃縮、膜濃縮、更に硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウ
ムなどの塩析処理、或いは親水性有機溶媒、例えばメタ
ノール、エタノール、アセトンなどによる分別沈澱法に
より沈澱せしめればよい。また、加熱処理や等電点処理
も有効な精製手段である。その後、吸着剤或いはゲル濾
過剤などによるゲル濾過、吸着クロマトグラフィー、イ
オン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマト
グラフィーを行うことにより、精製されたβ−1,3−
N−アセチルグルコサミニル転移酵素を得ることができ
る。また、 目的に応じて、転移酵素活性のある融合蛋
白質として採取するか、あるいは、さらに、例えばファ
クタ−Xaを使用して融合蛋白質を分解し、β−1,3
−N−アセチルグルコサミニル転移酵素を採取する。フ
ァクタ−Xaによる融合蛋白質の分解は、中性の緩衝液
中で、4〜40℃で、1〜25時間反応させることによ
り行う。
【0033】例えば、セファデックス(Sephadex) G-25
(ファルマシア バイオテク)などによるゲルろ過、Q
セファロースFF(ファルマシア バイオテク)、アミ
ロースレジン(New England Biolab社製)カラムクロマ
トグラフィーにより分離・精製し、精製酵素標品を得る
ことができる。この精製酵素標品は、電気泳動(SDS-PAG
E)的に、ほぼ単一のバンドを示す程度に純化されてい
る。
(ファルマシア バイオテク)などによるゲルろ過、Q
セファロースFF(ファルマシア バイオテク)、アミ
ロースレジン(New England Biolab社製)カラムクロマ
トグラフィーにより分離・精製し、精製酵素標品を得る
ことができる。この精製酵素標品は、電気泳動(SDS-PAG
E)的に、ほぼ単一のバンドを示す程度に純化されてい
る。
【0034】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 染色体DNAの分離 ストレプトコッカス・アガラクテイア(Streptococcus
agalactiae)type Iaの染色体DNAを次の方法で分離
した。同菌株を2%グルコースと1.5%リン酸二ナト
リウムを含むトッドヒュウイット培地(BRL社製)で37
℃一晩振盪培養した後、遠心分離(8,000rpm、10分間)
により集菌した。15mMクエン酸ナトリウム、0.1
5M塩化ナトリウムを含んだ溶液で菌体を洗浄した後、
20%シュークロース、50mMトリス塩酸(pH7.
6)、1mM EDTAを含んだ溶液5mlに懸濁し、
1mlのリゾチーム溶液(100mg/ml)を加えて、37
℃、30分間保温し、次いで11mlの1%ラウロイル
サルコシン酸、0.1M EDTA(pH9.6)を含
む溶液を加えた。この懸濁液に臭化エチジウム溶液を
0.5%塩化セシウムを約100%加え、攪拌混合し、
55,000rpm、20時間の超遠心分離でDNAを分取し
た。分取したDNAは1m EDTAを含んだ10mM
トリス塩酸、pH8.0溶液(以下,TEと略記)で透
析し、精製DNA標品とした。これを等量のクロロホル
ム・フェノール溶液で処理後遠心分離により水層を分取
し、2倍量のエタノールを加えて上記方法で、もう一度
DNAを分離し、2mlのTEで溶解した。
説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 染色体DNAの分離 ストレプトコッカス・アガラクテイア(Streptococcus
agalactiae)type Iaの染色体DNAを次の方法で分離
した。同菌株を2%グルコースと1.5%リン酸二ナト
リウムを含むトッドヒュウイット培地(BRL社製)で37
℃一晩振盪培養した後、遠心分離(8,000rpm、10分間)
により集菌した。15mMクエン酸ナトリウム、0.1
5M塩化ナトリウムを含んだ溶液で菌体を洗浄した後、
20%シュークロース、50mMトリス塩酸(pH7.
6)、1mM EDTAを含んだ溶液5mlに懸濁し、
1mlのリゾチーム溶液(100mg/ml)を加えて、37
℃、30分間保温し、次いで11mlの1%ラウロイル
サルコシン酸、0.1M EDTA(pH9.6)を含
む溶液を加えた。この懸濁液に臭化エチジウム溶液を
0.5%塩化セシウムを約100%加え、攪拌混合し、
55,000rpm、20時間の超遠心分離でDNAを分取し
た。分取したDNAは1m EDTAを含んだ10mM
トリス塩酸、pH8.0溶液(以下,TEと略記)で透
析し、精製DNA標品とした。これを等量のクロロホル
ム・フェノール溶液で処理後遠心分離により水層を分取
し、2倍量のエタノールを加えて上記方法で、もう一度
DNAを分離し、2mlのTEで溶解した。
【0035】実施例2 β−1,3−N−アセチルグル
コサミニル転移酵素をコードする遺伝子を含有するDN
A断片の調製 配列番号5および6に示されるオリゴヌクレオチドを合
成して、PCR用プライマーとした。 実施例1で得た
染色体DNA0.2μgを鋳型とし、これらのプライマ
ーをそれぞれ100pmole、dNTPおよびPfu
ポリメラーゼ (Stratagene社製)2.5単位を含むPC
R用試薬を使用して、PCRを行った。反応液は50μ
lであり、94℃(1分間)、55℃(1分間)、72
℃(2分間)を1サイクルとして、30サイクルのPC
Rを行った。 PCR後、反応液をアガロースゲル電気
泳動により、PCR産物であるDNA断片の確認を行っ
た。その結果、約1000bpのDNA断片が得られてい
ることがわかった。
コサミニル転移酵素をコードする遺伝子を含有するDN
A断片の調製 配列番号5および6に示されるオリゴヌクレオチドを合
成して、PCR用プライマーとした。 実施例1で得た
染色体DNA0.2μgを鋳型とし、これらのプライマ
ーをそれぞれ100pmole、dNTPおよびPfu
ポリメラーゼ (Stratagene社製)2.5単位を含むPC
R用試薬を使用して、PCRを行った。反応液は50μ
lであり、94℃(1分間)、55℃(1分間)、72
℃(2分間)を1サイクルとして、30サイクルのPC
Rを行った。 PCR後、反応液をアガロースゲル電気
泳動により、PCR産物であるDNA断片の確認を行っ
た。その結果、約1000bpのDNA断片が得られてい
ることがわかった。
【0036】このDNA断片を蛍光ターミネーターを利用
したABI373SDNAシーケンサー(アプライドバ
イオシステム)により付属のプロトコールに従い、塩基
配列の確認を行い、配列番号2の塩基配列を有すること
を確認し、該DNA断片がβ−1,3−N−アセチルグ
ルコサミニル転移酵素遺伝子を含む遺伝子断片であるこ
とを確認した。
したABI373SDNAシーケンサー(アプライドバ
イオシステム)により付属のプロトコールに従い、塩基
配列の確認を行い、配列番号2の塩基配列を有すること
を確認し、該DNA断片がβ−1,3−N−アセチルグ
ルコサミニル転移酵素遺伝子を含む遺伝子断片であるこ
とを確認した。
【0037】実施例3 β−1,3−N−アセチルグル
コサミニル転移酵素の膜貫通部位に相当するアミノ酸配
列を削除したアミノ酸配列をコードする遺伝子を含有す
るDNA断片及び該DNA断片を有する組換えベクター
の調製 配列番号3および4に示されるオリゴヌクレオチドを合
成して、PCR用プライマーとした。 実施例1で得た
DNA0.2μgを鋳型とし、これらのプライマーをそ
れぞれ100pmole、dNTPおよびPfuポリメ
ラーゼ (Stratagene社製)2.5単位を含むPCR用試
薬を使用して、PCRを行った。反応液は50μlであ
り、94℃(1分間)、55℃(1分間)、72℃(2
分間)を1サイクルとして、30サイクルのPCRを行
った。 PCR後、反応液をアガロースゲル電気泳動に
より、PCR産物であるDNA断片の確認を行った。そ
の結果、約1000bpのDNA断片が得られていること
がわかった。
コサミニル転移酵素の膜貫通部位に相当するアミノ酸配
列を削除したアミノ酸配列をコードする遺伝子を含有す
るDNA断片及び該DNA断片を有する組換えベクター
の調製 配列番号3および4に示されるオリゴヌクレオチドを合
成して、PCR用プライマーとした。 実施例1で得た
DNA0.2μgを鋳型とし、これらのプライマーをそ
れぞれ100pmole、dNTPおよびPfuポリメ
ラーゼ (Stratagene社製)2.5単位を含むPCR用試
薬を使用して、PCRを行った。反応液は50μlであ
り、94℃(1分間)、55℃(1分間)、72℃(2
分間)を1サイクルとして、30サイクルのPCRを行
った。 PCR後、反応液をアガロースゲル電気泳動に
より、PCR産物であるDNA断片の確認を行った。そ
の結果、約1000bpのDNA断片が得られていること
がわかった。
【0038】このDNA断片を蛍光ターミネーターを利用
したABI373SDNAシーケンサー(アプライドバ
イオシステム)により付属のプロトコールに従い、塩基
配列の確認を行い、配列番号2の塩基配列を有すること
を確認し、該DNA断片がβ−1,3−N−アセチルグ
ルコサミニル転移酵素遺伝子を含む遺伝子断片(963
bp)であることを確認した。
したABI373SDNAシーケンサー(アプライドバ
イオシステム)により付属のプロトコールに従い、塩基
配列の確認を行い、配列番号2の塩基配列を有すること
を確認し、該DNA断片がβ−1,3−N−アセチルグ
ルコサミニル転移酵素遺伝子を含む遺伝子断片(963
bp)であることを確認した。
【0039】実施例4 発現ベクターpMCGl−14
の構築 実施例3で得られたDNA断片(ストレプトコッカス・
アガラクテイア(Streptococcus agalactiae)type Ia
由来の膜貫通部位に相当するアミノ酸配列を削除したア
ミノ酸配列をコードしているβ−1,3−N−アセチル
グルコサミニル転移酵素遺伝子断片)をプラスミドPC
R−ScriptTM (Stratagene社製) の制限酵素、
SrFIサイトに挿入し、プラスミドPCR−Script
TMGlを得た。このプラスミドで大腸菌JM109株
を形質転換した。形質転換の条件は、大腸菌JM109
コンピテントセル100μlに上記プラスミド溶液 (10
0g/ml)1μlを加え、氷浴中で30分間、42℃で30
秒間、氷中で2分間、SOC培地900μlを加え、3
7℃で1時間培養した。
の構築 実施例3で得られたDNA断片(ストレプトコッカス・
アガラクテイア(Streptococcus agalactiae)type Ia
由来の膜貫通部位に相当するアミノ酸配列を削除したア
ミノ酸配列をコードしているβ−1,3−N−アセチル
グルコサミニル転移酵素遺伝子断片)をプラスミドPC
R−ScriptTM (Stratagene社製) の制限酵素、
SrFIサイトに挿入し、プラスミドPCR−Script
TMGlを得た。このプラスミドで大腸菌JM109株
を形質転換した。形質転換の条件は、大腸菌JM109
コンピテントセル100μlに上記プラスミド溶液 (10
0g/ml)1μlを加え、氷浴中で30分間、42℃で30
秒間、氷中で2分間、SOC培地900μlを加え、3
7℃で1時間培養した。
【0040】得られた形質転換体を50μg/mlのア
ンピシリンを含むLB培地で一夜培養し、得られた菌体
からプラスミドPCR−ScriptTMGlを常法に
従い抽出した。このプラスミドを制限酵素、SalI 、Pst
Iで切断後、アガロ−ス電気泳動を行い、β−1,3−
N−アセチルグルコサミニル転移酵素をコードするDN
A断片を得た。該断片はN末端から13個のアミノ酸が
削除されたβ−1,3−N−アセチルグルコサミニル転
移酵素遺伝子を含む。
ンピシリンを含むLB培地で一夜培養し、得られた菌体
からプラスミドPCR−ScriptTMGlを常法に
従い抽出した。このプラスミドを制限酵素、SalI 、Pst
Iで切断後、アガロ−ス電気泳動を行い、β−1,3−
N−アセチルグルコサミニル転移酵素をコードするDN
A断片を得た。該断片はN末端から13個のアミノ酸が
削除されたβ−1,3−N−アセチルグルコサミニル転
移酵素遺伝子を含む。
【0041】他方、ベクタープラスミドpMAL−c2
(New England Biolabs社製)を制限酵素、SalI および
PstIで切断後、同様にアガロース電気泳動を行い、リニ
アなベクターを調製した。得られた両断片をDNAライ
ゲーションキット(東洋紡製)を用いて、ライゲーショ
ンさせ、大腸菌JM109株を形質転換し、培養後、プ
ラスミドpMCGl−14を得た。
(New England Biolabs社製)を制限酵素、SalI および
PstIで切断後、同様にアガロース電気泳動を行い、リニ
アなベクターを調製した。得られた両断片をDNAライ
ゲーションキット(東洋紡製)を用いて、ライゲーショ
ンさせ、大腸菌JM109株を形質転換し、培養後、プ
ラスミドpMCGl−14を得た。
【0042】実施例5 遺伝子組換え大腸菌を用いたβ
−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素とマル
トース結合蛋白質との融合蛋白の調製 実施例4で得た発現ベクターpMCGl−14で大腸菌
JM109株を形質転換し、得られた形質転換体を50
μg/mlのアンピシリンを含むLB培地5mlで一夜
培養し、この1.0mlを0.2%グルコースおよび5
0μg/mlのアンピシリンを含むLB培地100ml
の入った坂口フラスコに植菌し、37℃で2時間、16
0rpm振とう培養した。その後、イソプロピルチオ−
β−D−ガラクトシドを0.3mMになるように加え
た。さらに、培養を20℃で24時間続け、培養液全量
を遠心分離し、菌体を遠心分離にて集め、1mMEDT
A、0.2MNaCl、1mMPMSF を含む20m
Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)20mlで再懸濁
した。懸濁液を超音波破砕装置にて処理し、遠心分離
し、その上清を粗融合蛋白質溶液とした。その上清を粗
融合蛋白溶液とした。酵素液19mlに4℃で硫酸アンモニ
ウム8.97g(70%飽和)を撹拌しながら徐々に加えた。添加
後、さらに30分間撹拌を続けた。生じた沈殿を遠心分離
にて集め1mMEDTA、1mMPMSF を含む10
mMHEPES緩衝液(pH7.0)以下HEPESc
olumnbuffer (pH7.0)で再溶解し、5.0mlに
した。次いで、予めHEPEScolumnbuffe
r (pH7.0)で平衡化したPD−10カラム(ファルマシ
ア バイオテク)を用い、溶出液として同bufferを自然
落下で通液し、ゲルろ過することにより脱塩を行った。
酵素液7.0mlを得た。この得られた酵素液を予めHEP
EScolumnbuffer (pH7.0)で平衡化したHi
TapQカラム(ファルマシア バイオテク)に流速3ml/min
で吸着させ、同buffer 30mlで洗浄後、HEPESco
lumnbuffer (pH7.0) とcolumnbuf
fer (pH7.0,500mMNaCl) を用いて、
リニアグラジェントで溶出させて、β−1,3−N−ア
セチルグルコサミニル転移酵素とマルトース結合蛋白質
との融合蛋白質画分を得た。融合蛋白質画分の確認は、
SDS-PAGEと抗MBP抗体を用いたWestern blotを行った。
−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素とマル
トース結合蛋白質との融合蛋白の調製 実施例4で得た発現ベクターpMCGl−14で大腸菌
JM109株を形質転換し、得られた形質転換体を50
μg/mlのアンピシリンを含むLB培地5mlで一夜
培養し、この1.0mlを0.2%グルコースおよび5
0μg/mlのアンピシリンを含むLB培地100ml
の入った坂口フラスコに植菌し、37℃で2時間、16
0rpm振とう培養した。その後、イソプロピルチオ−
β−D−ガラクトシドを0.3mMになるように加え
た。さらに、培養を20℃で24時間続け、培養液全量
を遠心分離し、菌体を遠心分離にて集め、1mMEDT
A、0.2MNaCl、1mMPMSF を含む20m
Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)20mlで再懸濁
した。懸濁液を超音波破砕装置にて処理し、遠心分離
し、その上清を粗融合蛋白質溶液とした。その上清を粗
融合蛋白溶液とした。酵素液19mlに4℃で硫酸アンモニ
ウム8.97g(70%飽和)を撹拌しながら徐々に加えた。添加
後、さらに30分間撹拌を続けた。生じた沈殿を遠心分離
にて集め1mMEDTA、1mMPMSF を含む10
mMHEPES緩衝液(pH7.0)以下HEPESc
olumnbuffer (pH7.0)で再溶解し、5.0mlに
した。次いで、予めHEPEScolumnbuffe
r (pH7.0)で平衡化したPD−10カラム(ファルマシ
ア バイオテク)を用い、溶出液として同bufferを自然
落下で通液し、ゲルろ過することにより脱塩を行った。
酵素液7.0mlを得た。この得られた酵素液を予めHEP
EScolumnbuffer (pH7.0)で平衡化したHi
TapQカラム(ファルマシア バイオテク)に流速3ml/min
で吸着させ、同buffer 30mlで洗浄後、HEPESco
lumnbuffer (pH7.0) とcolumnbuf
fer (pH7.0,500mMNaCl) を用いて、
リニアグラジェントで溶出させて、β−1,3−N−ア
セチルグルコサミニル転移酵素とマルトース結合蛋白質
との融合蛋白質画分を得た。融合蛋白質画分の確認は、
SDS-PAGEと抗MBP抗体を用いたWestern blotを行った。
【0043】実施例6 β−1,3−N−アセチルグル
コサミニル転移酵素とマルトース結合蛋白質との融合蛋
白のβ−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素
活性の確認 実施例5で得た粗精製酵素液のβ−1,3−N−アセチ
ルグルコサミニル転移酵素活性の確認のために、ウリジ
ン−5’−ジフォスホ−N−アセチルグルコサミン20
mM、下記化1で表されるピリジルアミノ化オリゴ糖
0.1μM、10mM MnCl2および粗精製酵素液1Oμ
lを含む100mMHEPES 緩衝液 (pH7.0)
反応液50μlを37℃で24時間反応させた。比較の
ために、上記反応液より、ウリジン−5’−ジフォスホ
−N−アセチルグルコサミン20mMを除いたものをコ
ントロールとした。 (化1) Galβ1→4GlcNAcβ1→3Galβ1→4Glc−PA
コサミニル転移酵素とマルトース結合蛋白質との融合蛋
白のβ−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素
活性の確認 実施例5で得た粗精製酵素液のβ−1,3−N−アセチ
ルグルコサミニル転移酵素活性の確認のために、ウリジ
ン−5’−ジフォスホ−N−アセチルグルコサミン20
mM、下記化1で表されるピリジルアミノ化オリゴ糖
0.1μM、10mM MnCl2および粗精製酵素液1Oμ
lを含む100mMHEPES 緩衝液 (pH7.0)
反応液50μlを37℃で24時間反応させた。比較の
ために、上記反応液より、ウリジン−5’−ジフォスホ
−N−アセチルグルコサミン20mMを除いたものをコ
ントロールとした。 (化1) Galβ1→4GlcNAcβ1→3Galβ1→4Glc−PA
【0044】反応後、沸騰水中で2分間インキュベート
することにより反応を停止させた。反応液10μlをH
PLCで分析することにより、N−アセチルグルコサミ
ンが転移した生成物(化2)を確認した。 (化2) GlcNAcβ1→3Galβ1→4GlcNAcβ1→3Galβ1
→4Glc−PA
することにより反応を停止させた。反応液10μlをH
PLCで分析することにより、N−アセチルグルコサミ
ンが転移した生成物(化2)を確認した。 (化2) GlcNAcβ1→3Galβ1→4GlcNAcβ1→3Galβ1
→4Glc−PA
【0045】図1〜2には、それぞれのHPLCの結果
を示す。HPLCの条件は、カラム:YMC-Pack ODS-A,
Eluent:(A)100mM acetic acid-triethylamine (pH4.0),
(B)100mM acetic acid-triethylamine (pH4.0) contai
ning 0.1% 1-butanol,Gradient:(A)→(B)=0→100%
(0→20min.), Flow Rate:1.0ml/min., Detection:
fluorescence (Ex.320nm, Em.400nm), Column Temp.:4
0℃ 図1−A〜DにそれぞれのHPLCの結果を示す。 図
1−Aは粗精製酵素液1Oμlを入れ、ウリジン−5’
−ジフォスホ−N−アセチルグルコサミンを添加した反
応液のHPLCであり、図1−Bは粗精製酵素液1Oμ
lを入れ、ウリジン−5’−ジフォスホ−N−アセチル
グルコサミン無添加の反応液のHPLCで、コントロー
ルのHPLCである。図1−Cは粗精製酵素液20μl
を入れ、ウリジン−5’−ジフォスホ−N−アセチルグ
ルコサミンを添加した反応液のHPLCでである。図1
−Dは粗精製酵素液2Oμlを入れ、ウリジン−5’−
ジフォスホ−N−アセチルグルコサミン無添加の反応液
のHPLCであり、コントロールのHPLCである。
各図のピークSはGalβ1→4GlcNAcβ1→3Galβ1→4Glc
−PA(受容体)、ピークPは生成物である。PAとは、
2−アミノピリジンを示す。
を示す。HPLCの条件は、カラム:YMC-Pack ODS-A,
Eluent:(A)100mM acetic acid-triethylamine (pH4.0),
(B)100mM acetic acid-triethylamine (pH4.0) contai
ning 0.1% 1-butanol,Gradient:(A)→(B)=0→100%
(0→20min.), Flow Rate:1.0ml/min., Detection:
fluorescence (Ex.320nm, Em.400nm), Column Temp.:4
0℃ 図1−A〜DにそれぞれのHPLCの結果を示す。 図
1−Aは粗精製酵素液1Oμlを入れ、ウリジン−5’
−ジフォスホ−N−アセチルグルコサミンを添加した反
応液のHPLCであり、図1−Bは粗精製酵素液1Oμ
lを入れ、ウリジン−5’−ジフォスホ−N−アセチル
グルコサミン無添加の反応液のHPLCで、コントロー
ルのHPLCである。図1−Cは粗精製酵素液20μl
を入れ、ウリジン−5’−ジフォスホ−N−アセチルグ
ルコサミンを添加した反応液のHPLCでである。図1
−Dは粗精製酵素液2Oμlを入れ、ウリジン−5’−
ジフォスホ−N−アセチルグルコサミン無添加の反応液
のHPLCであり、コントロールのHPLCである。
各図のピークSはGalβ1→4GlcNAcβ1→3Galβ1→4Glc
−PA(受容体)、ピークPは生成物である。PAとは、
2−アミノピリジンを示す。
【0046】実施例7 32mgのラクトシルセラミド・
コポリマーと50mM ウリジン−5’−ジフォスホ−N−ア
セチルグルコサミン、40mMMnCl2、0.1%(W/V)の
トリトンーX100を100mMHEPES緩衝液(pH
7.0)7mlに溶解し、実施例5で得た粗精製酵素液3
mlを添加して、37℃で48時間反応させた後、90℃
で5分間加熱して反応を停止した。
コポリマーと50mM ウリジン−5’−ジフォスホ−N−ア
セチルグルコサミン、40mMMnCl2、0.1%(W/V)の
トリトンーX100を100mMHEPES緩衝液(pH
7.0)7mlに溶解し、実施例5で得た粗精製酵素液3
mlを添加して、37℃で48時間反応させた後、90℃
で5分間加熱して反応を停止した。
【0047】遠心分離(5000×g、10min)により不溶
物を除去後、上清を10mM酢酸アンモニウム緩衝液
(pH6.0)で平衡化したバイオゲルP−2Fine
(バイオラッド)クロマトグラフィー(φ1.5×45c
m)に供した。最初に溶出した210nmの吸収を持つ
画分を濃縮し、これを濃縮、凍結乾燥し、白色粉末(1
0mg)を得た。これを、1H-NMRによる構造解析の結果、
ラクトシルセラミド・コポリマーのガラクトース残基の
3位にN−アセチルグルコサミン残基がβ−1,3結合
したものと構造決定された。
物を除去後、上清を10mM酢酸アンモニウム緩衝液
(pH6.0)で平衡化したバイオゲルP−2Fine
(バイオラッド)クロマトグラフィー(φ1.5×45c
m)に供した。最初に溶出した210nmの吸収を持つ
画分を濃縮し、これを濃縮、凍結乾燥し、白色粉末(1
0mg)を得た。これを、1H-NMRによる構造解析の結果、
ラクトシルセラミド・コポリマーのガラクトース残基の
3位にN−アセチルグルコサミン残基がβ−1,3結合
したものと構造決定された。
【0048】実施例8 9mgのラクトシルセラミド・
コポリマーと4mM ウリジン−5’−ジフォスホ−N−ア
セチルガラクトサミン、20mM MnCl2、0.1%(W/V)のト
リトン-X100を100mMHEPES緩衝液(pH7.0)2
mlに溶解し、実施例5で得た粗精製酵素液3mlを添加し
て、37℃で48時間反応させた後、90℃で5分間加熱
して反応を停止した。
コポリマーと4mM ウリジン−5’−ジフォスホ−N−ア
セチルガラクトサミン、20mM MnCl2、0.1%(W/V)のト
リトン-X100を100mMHEPES緩衝液(pH7.0)2
mlに溶解し、実施例5で得た粗精製酵素液3mlを添加し
て、37℃で48時間反応させた後、90℃で5分間加熱
して反応を停止した。
【0049】遠心分離(5000×g、10min)により不溶
物を除去後、上清を10mM酢酸アンモニウム緩衝液
(pH6.0)で平衡化したバイオゲルP−2Fine
(バイオラッド)クロマトグラフィー(φ1.5×45c
m)に供した。最初に溶出した210nmの吸収を持つ
画分を濃縮し、これを濃縮、凍結乾燥し、白色粉末(5m
g)を得た。これを、1H-NMRによる構造解析の結果、ラ
クトシルセラミド・コポリマーのガラクトース残基の3
位にN−アセチルガラクトサミン残基がβ−1,3結合
したものと構造決定された。
物を除去後、上清を10mM酢酸アンモニウム緩衝液
(pH6.0)で平衡化したバイオゲルP−2Fine
(バイオラッド)クロマトグラフィー(φ1.5×45c
m)に供した。最初に溶出した210nmの吸収を持つ
画分を濃縮し、これを濃縮、凍結乾燥し、白色粉末(5m
g)を得た。これを、1H-NMRによる構造解析の結果、ラ
クトシルセラミド・コポリマーのガラクトース残基の3
位にN−アセチルガラクトサミン残基がβ−1,3結合
したものと構造決定された。
【0050】
【発明の効果】本発明では、従来、大腸菌では膜結合と
してしか産生できなかったN−アセチルグルコサミニル
転移酵素を活性ある可溶性蛋白質として発現させること
を可能にする。また、本発明方法では、β−1,3−N
−アセチルグルコサミニル転移酵素を容易に効率よく大
量に生産することができる。該酵素の融合蛋白質あるい
はマルト−ス結合蛋白を分解除去したβ−1,3−N−
アセチルグルコサミニル転移酵素を用いて、N−アセチ
ルグルコサミニル残基の転移反応に容易に使用すること
ができる。
してしか産生できなかったN−アセチルグルコサミニル
転移酵素を活性ある可溶性蛋白質として発現させること
を可能にする。また、本発明方法では、β−1,3−N
−アセチルグルコサミニル転移酵素を容易に効率よく大
量に生産することができる。該酵素の融合蛋白質あるい
はマルト−ス結合蛋白を分解除去したβ−1,3−N−
アセチルグルコサミニル転移酵素を用いて、N−アセチ
ルグルコサミニル残基の転移反応に容易に使用すること
ができる。
【0051】本発明方法は、ストレプトコッカス・アガ
ラクテイア(Streptococcus agalactiae)type Ia由来
のβ−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素に
限定されるものでなく他起源由来β−1,3−N−アセ
チルグルコサミニル転移酵素の発現にも有効であるばか
りでなく、広く起源を問わず高等動物由来のN−アセチ
ルグルコサミニル転移酵素に適用されるものである。
ラクテイア(Streptococcus agalactiae)type Ia由来
のβ−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素に
限定されるものでなく他起源由来β−1,3−N−アセ
チルグルコサミニル転移酵素の発現にも有効であるばか
りでなく、広く起源を問わず高等動物由来のN−アセチ
ルグルコサミニル転移酵素に適用されるものである。
【0052】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:333 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 起源 生物名:ストレプトコッカス・アガラクテイア(Streptococcus agalactiae) 株名: type Ia 配列 Met Glu Lys Arg Ile Leu Val Ser Ile Ile Ile Pro Ile Tyr Asn Ser 1 5 10 15 Glu Ala Tyr Leu Lys Glu Cys Val Gln Ser Val Leu Gln Gln Thr His 20 25 30 Pro Leu Ile Glu Val Ile Leu Ile Asp Asp Gly Ser Thr Asp Asn Ser 35 40 45 Gly Glu Ile Cys Asp Asn Leu Ser Gln Glu Asp Asn Arg Ile Leu Val 50 55 60 Phe His Lys Lys Asn Gly Gly Val Ser Ser Ala Arg Asn Leu Gly Leu 65 70 75 80 Asp Lys Ser Thr Gly Glu Phe Ile Thr Phe Val Asp Ser Asp Asp Phe 85 90 95 Val Ala Pro Asn Met Ile Glu Ile Met Leu Lys Asn Leu Ile Thr Glu 100 105 110 Asn Ala Asp Ile Ala Glu Val Asp Phe Asp Ile Ser Asn Glu Arg Asp 115 120 125 Tyr Arg Lys Lys Lys Arg Arg Asn Phe Tyr Lys Val Phe Lys Asn Asn 130 135 140 Asn Ser Leu Lys Glu Phe Leu Ser Gly Asn Arg Val Glu Asn Ile Val 145 150 155 160 Cys Thr Lys Leu Tyr Lys Lys Ser Ile Ile Gly Asn Leu Arg Phe Asp 165 170 175 Glu Asn Leu Lys Ile Gly Glu Asp Leu Leu Phe Asn Cys Lys Leu Leu 180 185 190 Cys Gln Glu His Arg Ile Val Val Asp Thr Thr Ser Ser Leu Tyr Thr 195 200 205 Tyr Arg Ile Val Lys Thr Ser Ala Met Asn Gln Lys Phe Asn Glu Asn 210 215 220 Ser Leu Asp Phe Ile Thr Ile Phe Asn Glu Val Ser Ser Leu Val Pro 225 230 235 240 Ala Lys Leu Ala Asn Tyr Val Glu Ala Lys Phe Leu Arg Glu Lys Ile 245 250 255 Lys Cys Leu Arg Lys Met Phe Glu Leu Gly Ser Asn Ile Asp Asn Lys 260 265 270 Ile Lys Val Gln Arg Glu Ile Phe Phe Lys Asp Ile Lys Ser Tyr Pro 275 280 285 Phe Tyr Lys Ala Val Lys Tyr Leu Ser Leu Lys Gly Leu Leu Ser Phe 290 295 300 Tyr Leu Met Lys Cys Ser Pro Lys Leu Tyr Val Met Ala Tyr Arg Arg 305 310 315 320 Phe Lys Thr Val Ala Gly Glu Ile Gly Lys Glu Asn Leu 325 330
【0053】 配列番号:2 配列の長さ:1002 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ゲノムDNA 起源 生物名:ストレプトコッカス・アガラクテイア(Streptococcus agalactiae) 株名: type Ia 配列 ATG GAA AAA CGA ATA CTT GTT TCT ATC ATT ATA CCT ATA TAC AAC TCA 48 Met Glu Lys Arg Ile Leu Val Ser Ile Ile Ile Pro Ile Tyr Asn Ser 1 5 10 15 GAA GCA TAC CTT AAA GAA TGT GTG CAA TCC GTA CTA CAA CAG ACT CAT 96 Glu Ala Tyr Leu Lys Glu Cys Val Gln Ser Val Leu Gln Gln Thr His 20 25 30 CCA TTG ATA GAA GTT ATA CTA ATT GAT GAT GGA TCC ACT GAT AAT AGT 144 Pro Leu Ile Glu Val Ile Leu Ile Asp Asp Gly Ser Thr Asp Asn Ser 35 40 45 GGA GAA ATT TGT GAT AAT TTA TCT CAA GAA GAT AAT CGC ATA CTT GTA 192 Gly Glu Ile Cys Asp Asn Leu Ser Gln Glu Asp Asn Arg Ile Leu Val 50 55 60 TTT CAT AAA AAA AAT GGA GGG GTC TCT TCG GCA AGG AAC CTA GGT CTA 240 Phe His Lys Lys Asn Gly Gly Val Ser Ser Ala Arg Asn Leu Gly Leu 65 70 75 80 GAT AAA TCC ACA GGA GAA TTC ATA ACA TTT GTG GAT AGT GAT GAT TTT 288 Asp Lys Ser Thr Gly Glu Phe Ile Thr Phe Val Asp Ser Asp Asp Phe 85 90 95 GTA GCA CCG AAT ATG ATT GAA ATA ATG TTA AAA AAT TTA ATC ACT GAG 336 Val Ala Pro Asn Met Ile Glu Ile Met Leu Lys Asn Leu Ile Thr Glu 100 105 110 AAT GCT GAT ATA GCA GAA GTA GAT TTT GAT ATT TCG AAT GAG AGA GAT 384 Asn Ala Asp Ile Ala Glu Val Asp Phe Asp Ile Ser Asn Glu Arg Asp 115 120 125 TAT AGA AAG AAG AAA AGA CGA AAC TTT TAT AAA GTC TTT AAA AAC AAT 432 Tyr Arg Lys Lys Lys Arg Arg Asn Phe Tyr Lys Val Phe Lys Asn Asn 130 135 140 AAC TCT TTA AAA GAA TTT TTA TCA GGC AAT AGA GTG GAA AAT ATT GTT 480 Asn Ser Leu Lys Glu Phe Leu Ser Gly Asn Arg Val Glu Asn Ile Val 145 150 155 160 TGT ACA AAA TTA TAT AAA AAA AGT ATA ATT GGC AAC TTG AGG TTT GAT 528 Cys Thr Lys Leu Tyr Lys Lys Ser Ile Ile Gly Asn Leu Arg Phe Asp 165 170 175 GAG AAC TTA AAA ATT GGT GAG GAT TTA CTT TTT AAT TGT AAA CTC TTA 576 Glu Asn Leu Lys Ile Gly Glu Asp Leu Leu Phe Asn Cys Lys Leu Leu 180 185 190 TGT CAA GAG CAC CGT ATA GTC GTA GAT ACG ACT TCT TCC TTA TAT ACT 624 Cys Gln Glu His Arg Ile Val Val Asp Thr Thr Ser Ser Leu Tyr Thr 195 200 205 TAT CGA ATT GTA AAA ACT TCC GCA ATG AAT CAG AAA TTC AAC GAA AAC 672 Tyr Arg Ile Val Lys Thr Ser Ala Met Asn Gln Lys Phe Asn Glu Asn 210 215 220 TCA TTA GAT TTT ATA ACA ATT TTT AAT GAA GTA AGT AGT TTG GTT CCT 720 Ser Leu Asp Phe Ile Thr Ile Phe Asn Glu Val Ser Ser Leu Val Pro 225 230 235 240 GCC AAA TTG GCT AAT TAT GTT GAA GCG AAA TTT TTA AGA GAA AAG ATA 768 Ala Lys Leu Ala Asn Tyr Val Glu Ala Lys Phe Leu Arg Glu Lys Ile 245 250 255 AAG TGT CTC CGA AAA ATG TTT GAA TTA GGT AGT AAT ATT GAC AAT AAA 816 Lys Cys Leu Arg Lys Met Phe Glu Leu Gly Ser Asn Ile Asp Asn Lys 260 265 270 ATC AAA GTA CAA CGA GAG ATT TTT TTC AAA GAC ATT AAA TCA TAC CCG 864 Ile Lys Val Gln Arg Glu Ile Phe Phe Lys Asp Ile Lys Ser Tyr Pro 275 280 285 TTC TAT AAA GCG GTA AAA TAC TTA TCA TTA AAG GGA TTA TTA AGC TTT 912 Phe Tyr Lys Ala Val Lys Tyr Leu Ser Leu Lys Gly Leu Leu Ser Phe 290 295 300 TAT TTA ATG AAA TGT TCA CCT AAA CTA TAT GTT ATG GCA TAT AGA AGA 960 Tyr Leu Met Lys Cys Ser Pro Lys Leu Tyr Val Met Ala Tyr Arg Arg 305 310 315 320 TTC AAA ACA GTA GCT GGA GAA ATT GGG AAA GAG AAT TTA TTA 1002 Phe Lys Thr Val Ala Gly Glu Ile Gly Lys Glu Asn Leu 325 330
【0054】配列番号:3 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GAAGATCTGT CGACTACAAC TCAGAAGCAT AC 32
【0055】配列番号:4 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CCCTTTCTAT TAACTATTGA AGACGTCGGT 30
【0056】配列番号:5 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGTCAACTTA AAAGGTGGAA AAGTTAATGG 30
【0057】配列番号:6 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AAATAGGTAC AATTACACTT ATTAAATCCT 30
【図1】図1−Aは粗精製酵素液1Oμlを入れ、ウリ
ジン−5’−ジフォスホ−N−アセチルグルコサミンを
添加した反応液のHPLCであり、図1−Bは粗精製酵
素液1Oμlを入れ、ウリジン−5’−ジフォスホ−N−
アセチルグルコサミン無添加の反応液のHPLCで、コ
ントロールのHPLCである。図1−Cは粗精製酵素液
20μlを入れ、ウリジン−5’−ジフォスホ−N−ア
セチルグルコサミンを添加した反応液のHPLCであ
る。図1−Dは粗精製酵素液2Oμlを入れ、ウリジン
−5’−ジフォスホ−N−アセチルグルコサミン無添加
の反応液のHPLCであり、コントロールのHPLCで
ある。ピークSはGalβ1→4GlcNAcβ1→3Galβ1→4Glc
−PA(受容体)、ピークPは生成物である。PAとは、
2−アミノピリジンを示す。
ジン−5’−ジフォスホ−N−アセチルグルコサミンを
添加した反応液のHPLCであり、図1−Bは粗精製酵
素液1Oμlを入れ、ウリジン−5’−ジフォスホ−N−
アセチルグルコサミン無添加の反応液のHPLCで、コ
ントロールのHPLCである。図1−Cは粗精製酵素液
20μlを入れ、ウリジン−5’−ジフォスホ−N−ア
セチルグルコサミンを添加した反応液のHPLCであ
る。図1−Dは粗精製酵素液2Oμlを入れ、ウリジン
−5’−ジフォスホ−N−アセチルグルコサミン無添加
の反応液のHPLCであり、コントロールのHPLCで
ある。ピークSはGalβ1→4GlcNAcβ1→3Galβ1→4Glc
−PA(受容体)、ピークPは生成物である。PAとは、
2−アミノピリジンを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12N 15/09 C12R 1:46) (72)発明者 西村 紳一郎 北海道札幌市中央区北9条西16丁目1−1 −302 (72)発明者 山田 久里子 北海道札幌市北区麻生町7丁目1−1− 311 (72)発明者 鮫島 信司 愛知県名古屋市千種区不老町 名古屋大学 大学院工学研究科 生物機能工学専攻内 (72)発明者 三宅 克英 愛知県名古屋市千種区不老町 名古屋大学 大学院工学研究科 生物機能工学専攻内 Fターム(参考) 4B024 AA03 BA10 CA03 CA07 DA06 EA04 GA11 HA01 4B050 CC01 CC04 CC05 DD02 EE10 LL05
Claims (10)
- 【請求項1】 N−アセチルグルコサミニル転移酵素を
コードする遺伝子及びマルトース結合蛋白質をコードす
る遺伝子を組み込んだ発現ベクターで大腸菌を形質転換
し、該大腸菌を培養し、N−アセチルグルコサミニル転
移酵素を生成させ、培養物からN−アセチルグルコサミ
ニル転移酵素を採取する事を特徴とするN−アセチルグ
ルコサミニル転移酵素の製造方法。 - 【請求項2】 N−アセチルグルコサミニル転移酵素が
β−1,3−N−アセチルグルコサミニル転移酵素であ
る請求項1記載のN−アセチルグルコサミニル転移酵素
の製造方法。 - 【請求項3】 N−アセチルグルコサミニル転移酵素が
N−アセチルグルコサミン及びN−アセチルガラクトサ
ミンを転移する酵素である請求項1記載のN−アセチル
グルコサミニル転移酵素の製造方法。 - 【請求項4】 N−アセチルグルコサミニル転移酵素が
ストレプトコッカス・アガラクテイア(Streptococcus
agalactiae)type Ia由来であるβ−1,3−N−アセ
チルグルコサミニル転移酵素である請求項1記載のN−
アセチルグルコサミニル転移酵素の製造方法。 - 【請求項5】ストレプトコッカス・アガラクテイア(St
reptococcus agalactiae)type Ia由来のβ−1,3−
N−アセチルグルコサミニル転移酵素をコードする遺伝
子が、配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする
遺伝子を含む請求項3記載のN−アセチルグルコサミニ
ル転移酵素の製造方法。 - 【請求項6】ストレプトコッカス・アガラクテイア(St
reptococcus agalactiae) type Ia由来のβ−1,3−
N−アセチルグルコサミニル転移酵素をコードする遺伝
子が、配列番号1に示されるアミノ酸配列から膜貫通部
位に相当するアミノ酸配列を削除したアミノ酸配列をコ
ードする遺伝子を含む請求項3記載のN−アセチルグル
コサミニル転移酵素の製造方法。 - 【請求項7】ストレプトコッカス・アガラクテイア(St
reptococcus agalactiae) type Ia由来のβ−1,3−
N−アセチルグルコサミニル転移酵素をコードする遺伝
子が、配列番号1に示されるアミノ酸配列の14番目か
ら333番目までのアミノ酸配列をコードする遺伝子を
含む請求項3記載のN−アセチルグルコサミニル転移酵
素の製造方法。 - 【請求項8】ストレプトコッカス・アガラクテイア(St
reptococcus agalactiae) type Ia由来のβ−1,3−
N−アセチルグルコサミニル転移酵素をコードする遺伝
子が、配列番号2に示される塩基配列の40番目から1
002番目までのアミノ酸配列をコードする遺伝子を含
む請求項3記載のN−アセチルグルコサミニル転移酵素
の製造方法。 - 【請求項9】マルトース結合蛋白質をコードする遺伝子
が,pMAL-c2あるいは,pMAL-p2に由来する遺伝子である
請求項1〜7のいずれか1項記載のN−アセチルグルコ
サミニル転移酵素の製造方法。 - 【請求項10】発現ベクターがpMCGl−14である請求
項1〜7のいずれか1項記載のN−アセチルグルコサミ
ニル転移酵素の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001187010A JP2002306184A (ja) | 2000-07-17 | 2001-06-20 | N−アセチルグルコサミニル転移酵素の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000215954 | 2000-07-17 | ||
JP2000-215954 | 2000-07-17 | ||
JP2001187010A JP2002306184A (ja) | 2000-07-17 | 2001-06-20 | N−アセチルグルコサミニル転移酵素の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002306184A true JP2002306184A (ja) | 2002-10-22 |
Family
ID=26596142
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001187010A Pending JP2002306184A (ja) | 2000-07-17 | 2001-06-20 | N−アセチルグルコサミニル転移酵素の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002306184A (ja) |
-
2001
- 2001-06-20 JP JP2001187010A patent/JP2002306184A/ja active Pending
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