JP2002306087A

JP2002306087A - ペット用飲料

Info

Publication number: JP2002306087A
Application number: JP2001109714A
Authority: JP
Inventors: Yuzo Takahashi; 雄三高橋
Original assignee: NUKUI WAKANA
Current assignee: NUKUI WAKANA
Priority date: 2001-04-09
Filing date: 2001-04-09
Publication date: 2002-10-22

Abstract

(57)【要約】【課題】犬、猫の歯周病を予防できるペット用飲料を
提供する。【解決手段】少なくともキシリトール又はカテキンの
単独又はその両者を水に添加溶解して成る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主として犬、猫な
どのペット用飲料に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ペット用飲料としてミネラルウォ
ーターやアルカリイオン水など腸内の異常発酵などを抑
制し、生理機能を正常に維持したり、高めたりする各種
のペット用飲料が市販されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、従来の各
種ペット用飲料では、歯周疾患、いわゆる歯周病を予防
することができない。特に、犬は、だ液がアルカリ性で
あるため、殆ど、蝕歯にかゝることがない。むしろ、歯
周病にかゝる犬、猫が多く見られる。歯周病の原因は、
口腔内の雑菌に原因するが、特にポーフィロモナス・ギ
ンギバリス（Ｐｏｐｈｙｒｏｍｏｎｏｕｓｇｉｎｇｉ
ｖａｌｉｓ）による。この歯周病原性菌の感染は、歯垢
や歯石も大きく影響している。而して、その細菌が感染
し、増殖すると、歯周歯肉が炎症を起こしたり、更に
は、歯根部のセメント質と歯周靭帯との繊維結合が剥離
したり、歯周ポケットが形成され、その歯周ポケットに
膿が溜まるいわゆる歯槽膿漏など種々の形態のいわゆる
歯周病を生ぜしめる。そこで、本発明は、上記従来の課
題を解決し、歯周病を予防できるペット用飲料を提供す
ることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、従来の課題を
解決し、歯周病を予防できるペット用飲料を提供するも
ので、少なくともキシリトール又は／及びカテキンを含
有することを特徴とする。更に本発明は、上記の目的を
達成することに加え、口臭や糞臭を減少し得る脱臭効果
をもたらすと共に、緑色に呈色した外観上好ましいペッ
ト用飲料を提供するもので、少なくともキシリトール又
は／及びカテキンと銅クロロフィリンナトリウムを含有
することを特徴とする。

【０００５】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例により詳述する。下記表１は、本発明の実施の１例と
して調製したペット用飲料である。これは、ペット用飲
料としてキシリトールを含有せしめたものである。これ
をサンプルＡとする。具体的には、該サンプルＡは、通
常のペット用飲料の製造法に従い製造されるもので、清
水を主原料とし、清水１リットル当たり夫々表１の各組
成成分を夫々の適量を添加溶解し、次でこれを適当な容
量のびん、ペットボトルなどの所望の容器にボトリング
し加熱殺菌して製品とする。そのサンプルＡのｐＨは
６．８を有し、水溶液全体として淡黄色を呈している。
その配合組成の成分である、Ｎａ ₂ＰＯ₄、クエン酸ナ
トリウム、炭酸マグネシウムは、緩衝剤として添加した
ものである。一般には、そのペット用飲料のｐＨは７〜
８前後の中性乃至アルカリ性が好ましい。葉酸以下アス
コルビン酸ナトリウムまではビタミン類である。該キシ
リトールの含有により、飲料水全体としてサッパリした
若干の甘味を有し飲み易くなっているばかりでなく、後
記に明らかにするように、歯周病予防効果を発揮する。

【０００６】

【表１】

【０００７】表２は、表１に示すペット用飲料であるサ
ンプルＡ中の組成成分キシリトールに代えて、粉状のカ
テキン７０ｍｇ／ｌを添加、溶解してサンプルＡの製造
と同様に調製して成るカテキン含有のペット用飲料であ
る。これをサンプルＢとする。該サンプルＢは、黄色を
呈していた。飲食してもカテキンの味は感じなかった。
無色透明のガラスびんやプラスチック容器に入れて置き
屋外に放置していると、カテキンは直射日光で淡い茶褐
色となる傾向が見られた。サンプルＢも又、後記に明ら
かにするように歯周病予防効果を発揮する。

【０００８】

【表２】

【０００９】表３は、表２に示すサンプルＢに更に組成
成分として銅クロロフィリンナトリウムを５ｍｇ／ｌ添
加溶解せしめ、前記のサンプルＡの製造と同様に調製し
て成るペット用飲料を示す。これをサンプルＣとする。
サンプルＣは、銅クロロフィリンナトリウムを含有する
ため、黄色を呈することなく、全体として外観上緑色を
呈し、日光の直射に曝しても変色なく、美麗な緑色を維
持し、商品として好印象を与える趣味ある製品となる。
同時に、サンプルＣは、含有するカテキンにより、サン
プルＢと同様に歯周病予防効果を有することに加え、含
有する銅クロロフィリンナトリウムにより、犬、猫の口
臭を消すことができると共に、糞臭を減少させる脱臭効
果をもたらす。

【００１０】

【表３】

【００１１】表４は、キシリトールとカテキンの両者を
添加溶解せしめて、前記のサンプルＡの製造と同様に調
製して成るペット用飲料を示す。これをサンプルＤとす
る。該サンプルＤは、黄色を呈する。味覚は、さっぱり
した薄い甘味を有し、カテキンの味覚は感じなかった。
日光直射に長時間曝すと、淡い黄褐色に変色する傾向が
ある。また、キシリトールとカテキンの両者の含有によ
り、後記に明らかにするように、歯周病予防効果に相乗
効果が認められた。

【００１２】

【表４】

【００１３】表５は、表４に示すサンプルＤに更に組成
成分として銅クロロフィリンナトリウム５ｍｇ／ｌを添
加溶解し、前記のサンプルＡの製造と同様に調製して成
るペット用飲料である。これをサンプルＥとする。サン
プルＥは、日光直射に長時間曝しても変色なく緑色を維
持していた。

【００１４】

【表５】

【００１５】上記の表１乃至表５に示すサンプルＡ乃至
Ｅの夫々のペット用飲料の組成成分の夫々の添加量は一
定量としたが、勿論これに限定されるものではない。ま
た、緩衝材、ビタミン類もこれに限定されるものではな
い。他の微量栄養成分を添加できることは言うまでもな
い。尚、本発明のペット用飲料のｐＨは歯に悪影響を与
える酸性に傾かない６〜８程度の範囲が好ましい。キシ
リトールの添加量は、水に０．１〜５重量％の範囲で好
ましい。０．１重量％未満では歯周病予防効果がなく、
５重量％を超えてもこの効果は向上しないので、この程
度で足り、且つ経済的である。カテキンは、粉末の代わ
りに、茶葉などのカテキンを含有する木本植物より抽出
したエキスの状態で添加してもよい。その添加量は、水
に０．０１〜０．１０重量％の範囲が好ましい。０．０
１重量％未満では歯周病予防効果がなく、０．１０重量
％を超えると味覚を損なう傾向がある。また、銅クロロ
フィリンナトリウム添加量は、水に０．０００１〜２重
量％の範囲が好ましい。０．０００１重量％以下では脱
臭効果がなく、上限は、経済的な観点から最大でもに２
重量％までとする。尚、表１乃至表５のペット用飲料水
には、所望により、蝕歯予防剤として周知のフッ化ナト
リウムを少量、例えば水に０．０００１〜０．００１重
量％程度添加するようにしてもよい。

【００１６】

【実施例】上記のサンプルＡ乃至Ｅにつき、次のように
歯周病予防効果試験を行った。試験例１（１）試験片の調製歯周病原菌として、ポーフィロモナス・ギンギバリス
（Ｐｏｐｈｙｒｏｍｏｎｏｕｓｇｉｎｇｉｖａｌｉ
ｓ）ＡＴＣＣ４９４１７株を、ＧＡＭ寒天培地で３７
℃、２４時間培養後、遠心分離機により菌体を採取し、
これを０．１Ｍリン酸緩衝液で一定の濃度の例えば１×
１０⁷ｃｅｌｌ／ｍｌの細菌懸濁液を調製した。（２）歯周病原菌生育阻止試験上記に調製した細菌懸濁液を、所望の基材、例えば、生
物吸収性乳酸重合体（Ｂｉｏａｂｓｏｒｂａｂｌｅｐ
ｏｌｙｌａｃｔｉｃａｃｉｄ）から成る基材を所望の
寸法の長矩形状に裁断して用意した多数枚の基材の夫々
の片面に一定量塗布し、該生菌を含浸吸着させて試験片
を作製し、その各試験片をその塗布面を内側にして、５
匹の雑種犬（平均体重１５Ｋｇ）の各犬の下顎の第３臼
歯及び第４臼歯に亘り長さ方向に延び、且つ第３及び第
４臼歯の歯冠を跨ぎ且つ下向きにコ字状に折り曲げてそ
の歯周歯肉の両側面まで被覆し、その両下端縁をシアノ
アクリート接着剤で歯周歯肉に貼着した。その後、その
各犬に、前記のサンプルＡを５皿の容器に適時供給し、
各犬につき６ヶ月に亘り略一定量を飲ませた後、該試験
片を剥がし、５枚の該試験片に付着している該生菌数を
夫々計数した。その結果、貼着前の５枚の試験片に塗着
せしめた該生菌数を１００としたとき、剥離後の５枚の
試験片に付着していた該生菌数は、夫々７．４，７．
３，７．５，７．５，７．４であった。即ち、該サンプ
ルＡによる該歯周病原菌生育阻止率は、夫々９２．６
％，９２．７％，９２．５％，９２．５％，９２．６％
である。一方、各犬の各試験片の剥離跡の歯周歯肉には
何等の以上が認められなかった。比較のため、コントロ
ール用ペット用飲料として、サンプルＡからキシリトー
ルを除いた組成から成るペット用飲料を前記のサンプル
Ａの製造と同様に製造し、このコントロール飲料につ
き、上記の試験例と同様にして歯周病菌阻止試験を行っ
た。その結果、剥離した各試験片に付着している生菌数
を計数したところ、該歯周病原菌生育阻止率は勿論０％
であるばかりか、当該歯周病原菌は著しく増殖してい
た。一方、各犬の試験片の剥離跡の歯周歯肉に僅かなが
ら異常が認められた。試験例２試験例１に用いたサンプルＡに代え、サンプルＢを用い
て試験例１と同様の歯周病菌生育阻止試験を行った。そ
の結果、歯周病菌生育阻止率は９３．０％，９３．１
％，９３．５％，９３．５％，９３．４％であった。一
方、剥離跡に異常は認められなかった。試験例３試験例１に用いたサンプルＡに代え、サンプルＣを用い
て試験例１と同様に歯周病菌生育阻止率は９３．０％，
９３．２％，９３．４％，９３．５％，９３．４％であ
った。一方、剥離跡に異常は認められなかった。また、
各犬の口臭及び排泄糞の異臭は、サンプルＡ及びサンプ
ルＢを用いた場合に比し、減少していた。試験例４試験例１に用いたサンプルＡに代え、サンプルＤを用い
て試験例１と同様に歯周病菌生育阻止試験を行った。そ
の結果、歯周病菌生育阻止率は、夫々９５．２％，９
６．２％，９６．５％，９５．３％，９４．７％であっ
た。これは、サンプルＤに含有するキシリトールとカテ
キン併用により相乗効果をもたらしたものと思われる。
また、一方、剥離跡に異常は認められなかった。試験例５試験例１に用いたサンプルＡに代え、サンプルＥを用い
て試験例１と同様に歯周病菌生育阻止試験を行った。そ
の結果、歯周病菌生育阻止率は、夫々９５．３％，９
６．２％，９６．５％，９５．４％，９４．６％であっ
た。また、一方、剥離跡に異常は認められなかった。一
方、各犬の口臭、糞臭は、サンプルＤを用いた場合に比
し、減少していた。

【００１７】尚、上記のサンプルＡ〜Ｅを、猫につき、
同様の比較試験を行ったところ、同様の同様の歯周病予
防効果を認めた。

【００１８】

【発明の効果】このように本発明の少なくともキシリト
ール又はカテキンの単独又は両者を含有する水溶性のペ
ット用飲料によれば、犬などのペットの歯周病を予防で
き、且つ安価に製造できる。また、このペット用飲料に
更に、銅クロロフィリンナトリウムを含有せしめたもの
は、ペットの口臭や排泄物の脱臭効果をもたらすと同時
に、無色透明又は黄色などのペット用飲料とは異色の緑
色の製品をもたらし、かくして趣向に応じた各種のペッ
ト用飲料を製造できる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者高橋雄三千葉県市川市高石神13−３Ｆターム(参考） 2B005 AA06 KA02 MA06 MB07 2B150 AA06 AB03 BC01 DA72 DA76 DB04 DB48 DC15 DD40 DH08

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくともキシリトール又は／及びカテ
キンを含有することを特徴とするペット用飲料。
【請求項２】銅クロロフィリンナトリウムを含有する
ことを特徴とする請求項１に記載のペット用飲料。