JP2002306078A - セミフレッド様冷菓 - Google Patents
セミフレッド様冷菓Info
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Abstract
らかな食感、風味を有し、安価に製造できるセミフレッ
ド様冷菓を提供する。 【解決手段】グリセリン脂肪酸エステルを含有するセミ
フレッド様冷菓において、下記(1)及び(2)を含有
することを特徴とするセミフレッド様冷菓によって達成
される。 (1)不飽和モノグリセリン脂肪酸エステル。 (2)ポリグリセリン脂肪酸エステル。
Description
菓に関し、更に詳しくは、セミフレッド様冷菓中に特定
の乳化剤を併用することにより、脂肪分が25重量%以
下の低脂肪であっても、滑らかな食感及び風味を有し、
かつ、安価に製造できるセミフレッド様冷菓に関するも
のである。
てイタリア、フランス等で製造されている冷菓である。
その製造方法は、ホイップドクリームを主成分とし、卵
白、砂糖、洋酒、有機酸、香料等を用い、フリーザーを
使用せずに、ホイッパーもしくはミキサー等で混合し、
比重を0.5以下に調整する。そして、得られた混合物
を容器に充填し、−20℃〜−30℃に凍結、硬化した
ものをセミフレッド又はセミフレッド様冷菓(以下、
「セミフレッド様冷菓」と言う。)と称するのである。
このように製造されたセミフレッド様冷菓は、喫食の際
には、冷凍庫より取り出し、そのまま食べたり、熱いエ
スプレッソコーヒーを上からかけて食べる等する。
報には、セミフレッドタイプの起泡性ゲル化食品が提案
されている。このセミフレッドタイプの起泡性ゲル化食
品は、所定原料を半凍結状態でホイップさせ、凍結する
ことにより、連続的に効率よく生産でき、また、凍結保
存状態でも切断し易く、常温下に長時間放置しても型く
ずれのない、冷菓とデザート類の両方の特性を備えたセ
ミフレッドタイプの起泡性ゲル化食品である。しかしな
がら、上記セミフレッドタイプの起泡性ゲル化食品は、
通常脂肪分40重量%以上の市販のホイップドクリーム
を使用して、種々味付けを行い、調製しているため、食
感が油っぽくなり、冷菓と呼ぶには程遠い風味及び食感
であった。
の低脂肪ホイップドクリームが発売されているが、冷凍
すると、やはりホイップドクリームの食感で油っぽくな
るうえに、硬くなってしまい、食感及び風味が劣り、セ
ミフレッド様冷菓とは言い難いものとなってしまう。更
に、冷菓として量産する場合、市販のホイップドクリー
ムを購入して製造すると高価なものとなるため、アイス
クリーム工場内で冷菓原料の一括混合が実施可能で、安
価なセミフレッド様冷菓ミックスの配合の確立が要求さ
れている。
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、脂肪分25重量%以下の低脂肪であっても、滑ら
かな食感及び風味を有し、かつ、安価に製造できるセミ
フレッド様冷菓を提供することを目的としている。
ン脂肪酸エステルを含有するセミフレッド様冷菓におい
て、下記(1)及び(2)を含有することを特徴とする
セミフレッド様冷菓によって達成される。 (1)不飽和モノグリセリン脂肪酸エステル。 (2)ポリグリセリン脂肪酸エステル。
ドクリームを使用せずに、低脂肪であっても、滑らかな
食感及び風味を有し、かつ、安価に製造できるセミフレ
ッド様冷菓の配合について検討を行った。そして、セミ
フレッド様冷菓に用いられる乳化剤に着目し、セミフレ
ッド様冷菓調製時に乳化剤として、不飽和モノグリセリ
ン脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルとを
併用することによって、低脂肪であっても、脂肪分、
水、及びその他原料の乳化安定が可能となり、凍結した
後、滑らかな食感及び風味に優れ、かつ、安価に製造で
きるセミフレッド様冷菓が得られることを見出した。更
には、不飽和モノグリセリン脂肪酸エステルとポリグリ
セリン脂肪酸エステルのそれぞれのヨウ素価を特定範囲
とすることで、より良い食感及び風味に優れるセミフレ
ッド様冷菓が得られることを見出し、本発明に到達し
た。
発明のセミフレッド様冷菓は、不飽和モノグリセリン脂
肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルを含有
するものである。
ホイップドクリームを使用せずに、通常の冷菓材料を混
合し、ホイッピングした後、凍結することによって得ら
れる冷菓を意味する。
肪,植物性油脂,動物性油脂等の油脂類、牛乳,脱脂粉
乳,生クリーム,バター等の乳製品、砂糖,水飴,ぶど
う糖等の糖類、安定剤、乳化剤、増粘剤、香料、色素、
酸味料、風味原料(卵、コーヒー、茶類、ココア、果汁
果肉、ヨーグルト、酒類等)、各種栄養素(蛋白質、食
物繊維、ビタミン等)等から適宜選択して用いればよ
い。また、セミフレッド様冷菓の形態は、バルク、カッ
プ、スティック、もなか、小粒サイズ等各種形態の中か
ら適宜選択すればよい。
ン脂肪酸エステルは、非イオン活性剤の乳化剤であっ
て、炭素数が12〜22個の不飽和脂肪酸のモノエステ
ルであり、かつ、グリセリン分子が1個の単量体や2〜
3個の多量体も含む脂肪酸エステルである。具体的に
は、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノパル
ミチン酸プロピレングリコール、モノミリスチン酸プロ
ピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコー
ル、モノリノール酸プロピレングリコール、モノリノレ
ン酸プロピレングリコール、モノアラキドン酸プロピレ
ングリコール、モノエルカ酸プロピレングリコール等が
挙げられる。これらは単独もしくは複数組み合わせて用
いればよい。その形態は、液体、半流動体等が挙げら
れ、適宜選択して用いればよい。
の中でも、ヨウ素価を17〜39に設定したものは、セ
ミフレッド様冷菓として適度な硬さが得られ、冷菓用充
填機に充填しやすく、製造適性の点で望ましい。
33〜39に設定した2種類の不飽和モノグリセリン脂
肪酸エステルを併用すると、よりセミフレッド様冷菓が
滑らかな食感及び風味を有するセミフレッド様冷菓が得
られる点、及び製造適性の点で好適である。
ン脂肪酸エステルとヨウ素価33〜39の不飽和モノグ
リセリン脂肪酸エステルとを併用する場合には、両者の
比率は、特に限定するものではないが、好ましくは0.
5:1〜10:1、更に好ましくは1:1〜5:1に設
定すると、風味及び食感の点で好適である。
ルの含有量は、セミフレッド様冷菓中、好ましくは0.
25〜0.7重量%、更に好ましくは0.3〜0.5重
量%に設定することが望ましい。すなわち、0.7重量
%を超えて使用した場合には、不飽和モノグリセリン脂
肪酸エステル特有の臭いが増し、かつ、苦味を有し、風
味が劣る傾向にある。逆に、0.25重量%未満の場合
には、ホイッピングした後の比重が不足し、セミフレッ
ド様冷菓としての食感が劣る傾向にある。
酸エステルは、重合度が6〜10のポリグリセリンと脂
肪酸とのモノエステルである。具体的には、ヘキサグリ
セリンモノオレエート、ヘキサグリセリンモノステアレ
ート、ヘキサグリセリンモノラウレート、デカグリセリ
ンモノステアレート、デカグリセリンモノオレエート、
デカグリセリンモノラウレート、オクタステアリン酸ヘ
キサグリセリン等がある。その形態は、液体、半流動体
等が挙げられ、適宜選択して用いればよい。
も、ヨウ素価が2以下のものが食感の点で望ましい。具
体的には、オクタステアリン酸ヘキサグリセリン等が挙
げられる。特に、オクタステアリン酸ヘキサグリセリン
は、ホイッピングしたときの泡立ちが良く、セミフレッ
ド様冷菓としての食感及び風味に優れる点で好適であ
る。
有量は、セミフレッド様冷菓中、好ましくは0.1〜
0.7重量%、更に好ましくは0.2〜0.4重量%に
設定することが望ましい。すなわち0.7重量%を超え
て使用した場合には、ポリグリセリン脂肪酸エステルの
刺激臭が強く発生し、セミフレッド様冷菓の風味が劣る
傾向にある。また、0.1重量%未満の場合には、セミ
フレッド様冷菓として適度な硬さが得られず、食感が劣
り、また、冷菓用充填機に充填しにくくなり、製造適性
に劣る傾向にある。
特定の乳化剤と共に、一般的な冷菓用乳化剤であるソル
ビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル等を併用してもよい。
分含有量は、好ましくは25重量%以下、更に好ましく
は15〜25重量%が望ましい。すなわち、25重量%
を超える場合には、油っぽく、また、硬くなり、食感及
び風味が劣る傾向にある。
ッド様冷菓は、例えば次のようにして製造することがで
きる。すなわち、不飽和モノグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪、砂糖、増粘
剤、必要に応じ適宜副原料等を添加、混合した後、溶解
する。次に、通常の冷菓ミックスの調製と同様に、均質
化、殺菌及びエージング等を行い、適宜香料、洋酒、酸
味料等の副原料を添加して、セミフレッド様冷菓ミック
スを得る。
冷菓ミックスを、0〜80℃の温度範囲で、連続式ホイ
ッピングマシン(背圧3〜7Kg、供給空気圧5〜8K
g)等を用いたり、もしくは手動でホイップを行い、混
合物を得る。次いで、この混合物を適宜カップ等に充填
し、適宜凍結すれば、本発明のセミフレッド様冷菓とな
る。このとき、ホイップ後の比重を0.35〜0.49
に設定することが望ましい。すなわち、この範囲を逸脱
すると、セミフレッド様冷菓としての食感が劣る傾向に
ある。
カップ入りアイス等のセンター(フィリング)、コーテ
ィング、トッピング等に用いる他、他の冷菓生地中に混
ぜ込んだり、マーブル状に添加したり、粒状に凍結した
後、冷菓用チップとして用いたりする等様々に使用して
もよい。
冷菓は、不飽和モノグリセリン脂肪酸エステルとポリグ
リセリン脂肪酸エステルとを併用することにより、脂肪
分が25重量%以下の低脂肪であっても、油っぽくな
く、適度な弾力性を有し、滑らかな食感及び風味を有す
るセミフレッド様冷菓を得ることができる。また、市販
のホイップドクリームを使用する必要がなく、アイスク
リーム工場内でのセミフレッド様冷菓ミックスの調製が
可能になり、従来の冷菓製造設備を用いて、安価で簡便
にセミフレッド様冷菓を製造することができると共に、
アルコール成分である洋酒等を多量に含有させても、ホ
イッピングしたときの泡立ちが良く、安定したセミフレ
ッド様冷菓を製造することができる。更には、通常の冷
菓ミックスと同等の流動性を有するので、他の副原料を
容易に分散させることができ、風味、形態等の異なる様
々な冷菓の製造に用いることができ、汎用性に富んでい
る。
する。
下記のようにしてセミフレッド様冷菓を調製した。 (セミフレッド様冷菓ミックスの調製)まず、卵白及び
洋酒以外の冷菓ミックス各原料及び乳化剤をタンク内で
混合、加温(65℃)溶解した後、ホモゲナイザーを用
いて70Kg/cm2で均質化した。次に、温度が70
℃に到達した後、プレート式熱交換機を用い90℃殺
菌、10℃まで冷却を行い、卵白、洋酒を添加し、更に
混合することによりセミフレッド様冷菓ミックスを調製
した。 (セミフレッド様冷菓の調製)次に、上記セミフレッド
様冷菓ミックスを、ホイッピングマシンを用いて、ミッ
クス供給温度5℃、オーバーラン135%、背圧4kg
/cm2の条件でホイッピングし、比重0.45のセミ
フレッド様冷菓ミックスを排出させた。得られたセミフ
レッド様冷菓ミックスをカップに充填し、凍結してセミ
フレッド様冷菓を得た。
のように調製した。比較例1は、不飽和モノグリセリン
脂肪酸エステルを用いない他は、実施例と同様に調製し
た。比較例2及び3は、ポリグリセリン脂肪酸エステル
を用いない他は、実施例と同様に調製した。
冷菓について、専門パネラー20名によって食感、風
味、製造適性について評価した。その評価結果を表1及
び表2に合わせて示す。なお、セミフレッド様冷菓中の
脂肪分は、脂肪迅速測定器(フォスレット MK−2
型)で測定した。
化剤を併用してセミフレッド様冷菓を調製したため、低
脂肪であって、滑らかな食感、風味に優れ、かつ製造適
性も良好なセミフレッド様冷菓であった。これに対し、
比較例のセミフレッド様冷菓は、実施例に比べて、流動
性がなく、高粘度化した冷菓ミックスとなり、製造適性
に劣り、食感、風味にも劣るセミフレッド様冷菓であっ
た。
Claims (6)
- 【請求項1】グリセリン脂肪酸エステルを含有するセミ
フレッド様冷菓において、下記(1)及び(2)を含有
することを特徴とするセミフレッド様冷菓。 (1)不飽和モノグリセリン脂肪酸エステル (2)ポリグリセリン脂肪酸エステル - 【請求項2】不飽和モノグリセリン脂肪酸エステルが、
ヨウ素価17〜39の不飽和モノグリセリン脂肪酸エス
テルであることを特徴とする請求項1記載のセミフレッ
ド様冷菓。 - 【請求項3】不飽和モノグリセリン脂肪酸エステルが、
ヨウ素価17〜21の不飽和モノグリセリン脂肪酸エス
テル及びヨウ素価33〜39の不飽和モノグリセリン脂
肪酸エステルからなるものであることを特徴とする請求
項1記載のセミフレッド様冷菓。 - 【請求項4】ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ヨウ素
価2以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであることを
特徴とする請求項1記載のセミフレッド様冷菓。 - 【請求項5】セミフレッド様冷菓中に、不飽和モノグリ
セリン脂肪酸エステルを0.25〜0.7重量%及びポ
リグリセリン脂肪酸エステルを0.1〜0.7重量%含
有することを特徴とする請求項1記載のセミフレッド様
冷菓。 - 【請求項6】セミフレッド様冷菓の脂肪分含有量が、2
5重量%以下であることを特徴とする請求項1記載のセ
ミフレッド様冷菓。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001114979A JP4338906B2 (ja) | 2001-04-13 | 2001-04-13 | セミフレッド様冷菓 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001114979A JP4338906B2 (ja) | 2001-04-13 | 2001-04-13 | セミフレッド様冷菓 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002306078A true JP2002306078A (ja) | 2002-10-22 |
JP4338906B2 JP4338906B2 (ja) | 2009-10-07 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4338906B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007274922A (ja) * | 2006-04-04 | 2007-10-25 | Ezaki Glico Co Ltd | 保存性の良好な冷菓の製造方法 |
-
2001
- 2001-04-13 JP JP2001114979A patent/JP4338906B2/ja not_active Expired - Fee Related
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