JP2002303829A - 眼鏡レンズのマーキング方法及び装置 - Google Patents

眼鏡レンズのマーキング方法及び装置

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JP2002303829A
JP2002303829A JP2001107372A JP2001107372A JP2002303829A JP 2002303829 A JP2002303829 A JP 2002303829A JP 2001107372 A JP2001107372 A JP 2001107372A JP 2001107372 A JP2001107372 A JP 2001107372A JP 2002303829 A JP2002303829 A JP 2002303829A
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spectacle lens
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lens
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JP2001107372A
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Yasushi Ando
康司 安藤
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、従来、人手に頼っていた眼鏡レン
ズのマーキング作業を自動化するマーキング方法及び装
置を提供する。 【解決手段】 眼鏡レンズの所定の面を基準面として認
識し、基準面に対して略水平な面における基準位置と基
準方向を認識して、マーキングすべきマークについて、
基準面を基準とした第1のマーキング位置情報と、基準
位置及び/または基準方向を基準とした第2のマーキン
グ位置を求め、それらの情報に基づいて、眼鏡レンズに
所望の情報をマーキングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼鏡レンズの製造
工程において、識別情報や加工の基準に用いられるマー
クをマーキングするマーキング方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特注品と呼ばれる眼鏡レンズは、一般的
にあらかじめ成形工程で製造された半完成品を、顧客の
注文に応じて研磨工程、染色工程、ハードコート工程、
蒸着工程など選択的に流動して、必要な加工を施した
後、出荷工程で包装をおこなって小売店などに出荷され
る。
【0003】製造工程では、顧客の注文を受け付ける
と、加工に必要な作業伝票が発行される。作業者はその
作業伝票に従って保管棚から半完成品を払い出し、作業
伝票と合わせる。この作業伝票及び加工される半完成品
は顧客毎に異なるため、それらを管理するために個別の
識別番号が割り当てられ、作業伝票には識別番号が記載
されている。作業伝票と保管棚から払い出した半完成品
は、研磨加工が必要なものは研磨工程へ、研磨加工をし
ないで染色加工するものは染色工程へと、仕様に応じて
各工程へ送られる。
【0004】研磨工程や染色工程に送られた後に、作業
伝票と半完成品をマッチングできるように、作業伝票に
記載された識別番号を眼鏡レンズにマーキングする作業
をおこなっている。識別番号は出荷工程まで必要なた
め、消えないようにダイヤペンと呼ばれる道具で、眼鏡
レンズ表面にマーキングする。識別番号のマーキングす
る位置は厳密ではないが、眼鏡フレームに枠入れした際
に、確実に削り落とされる位置でなければならないた
め、装用時の天地で天側にすることが一般的である。
【0005】識別番号のマーキングは、研磨工程でおこ
なわれる場合には、加工後の検査作業と合わせておこな
っている。染色工程に直接送られる場合には、後述する
加工基準マークのマーキングと合わせておこなってい
る。
【0006】染色工程で加工する眼鏡レンズは、大別し
て、全体を同じ濃度で染色するフル染色品と、段階的に
濃度を変化させて染色するグラデーション染色品に分け
られる。グラデーション染色をする場合には、顧客が眼
鏡として装用した際に、例えば眼鏡レンズの天側が濃い
濃度に、地側が薄い濃度になるようにするため、装用時
を想定して、染色加工をおこなう上での加工基準を、加
工前に明確にしておく必要があり、加工基準マークをマ
ーキングしている。
【0007】単焦点レンズで乱視処方の場合には、顧客
の眼鏡処方に従って加工基準マークを付けなければなら
ない。乱視処方でなくても、成形時に隠しマーク(品質
保証マーク)と呼ばれるマークが、成形型から転写され
ている場合には、例えば、隠しマークが装用時の耳側に
配置されるようにして、加工基準マークを付けなければ
ならない。また、多焦点レンズの場合には、成形型によ
ってあらかじめ装用時の天地が決められているため、そ
れに合わせて加工基準マークを付けなければならない。
【0008】図1は(a)多焦点レンズと(b)単焦点
レンズにおける隠しマーク2の配置の一例を示してい
る。この例においては、隠しマーク2が、多焦点レンズ
には2つ、単焦点レンズには1つ付されている。いずれ
も、成形時に成形型から転写されたものである。
【0009】染色工程で加工基準マークを付ける手順
は、多焦点レンズの場合には、例えば、眼鏡レンズ1に
付された2つの隠しマーク2を基準にして、図2(a)
に示すように台紙3の位置合わせマーク7と合わせ、眼
鏡レンズ1の直径に応じて所定の位置へダイヤペンで加
工基準マーク4をマーキングする。単焦点レンズの場合
には、図2(b)に示すように隠しマーク2を、例え
ば、装用時の耳側に配置するようにし、さらに、乱視処
方の場合には、眼鏡レンズ1の乱視軸方向が、顧客の眼
鏡処方の乱視軸方向と一致するようにしてから、台紙3
の位置合わせマーク7と印点6とを合わせ、眼鏡レンズ
1の直径に応じて所定の位置へ加工基準マーク4をダイ
ヤペンでマーキングする。この乱視軸方向を合わせる作
業は、レンズメーターと呼ばれる測定装置の測定部に眼
鏡レンズ1を置き、乱視軸方向を確認しながら、測定部
の上で眼鏡レンズ1を回転し、測定装置に表示される乱
視軸と眼鏡処方の乱視軸の値が一致したところで眼鏡レ
ンズ1に印点5を付けるもので軸打ちと呼んでいる。
【0010】また、多焦点レンズ、単焦点レンズとも
に、必要に応じて、加工基準マーク4のマーキングと合
わせて、識別番号5をマーキングしている。
【0011】このようにしてマーキングされた識別番号
5は、出荷工程までの各工程で、製品の識別に用いられ
る。また、加工基準マーク4は、主に染色工程における
加工の基準として用いられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、識別番
号及び染色加工の加工基準マークをマーキングする作業
は、隠しマークの位置確認、乱視軸の軸打ちといったマ
ーキング前の事前準備に多くの手間がかかるといった問
題があった。
【0013】また、特に識別番号のマーキングについて
は、1枚毎に異なる識別番号をマーキングしなければな
らないことに加え、人手では安定した圧力や大きさで刻
印することが困難なため、濃さが薄くなったり、識別番
号が小さくなった場合には、視認性が悪くなるといった
問題があった。逆に、濃さが濃くなった場合には、ハー
ドコート工程におけるクラックと呼ばれる不良の発生原
因になっていた。
【0014】また、特に加工基準マークのマーキングに
ついては、隠しマークの位置確認や、乱視軸の軸打ちを
人手でおこなうため、位置合わせのミスや、精度確保が
困難といった問題もあった。
【0015】そのような理由から、マーキング作業には
熟練作業者が従事する必要があり、人材確保の面でも問
題があった。
【0016】本発明は、上述した事情に鑑みなされたも
ので、人手に頼っていたマーキング作業を自動的におこ
なうことによって、熟練作業者を不要とし、なおかつ一
定の精度、一定の濃さで所望のマークをマーキングする
ことができる眼鏡レンズのマーキング方法及び装置を提
供することを目的とする。本発明は、眼鏡レンズに限ら
ず、その成形型やその他の光学レンズにも広く利用する
ことが可能である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため誠意努力した結果、眼鏡レンズの所望の位
置に所望のマークを、人手によらずにマーキングするた
めには、眼鏡レンズのいずれかの屈折面における所定の
面を基準面として認識し、基準面と略水平な面における
基準位置及び基準方向を求め、マーキングすべき個々の
マークについて、基準面を基準とした第1のマーキング
位置情報と、基準位置及び/または基準方向を基準とし
た第2のマーキング位置情報を求めて、それらの位置情
報に基づいて、眼鏡レンズの位置合わせを自動でおこな
い、マーキングすることが有効であることを見いだし
た。
【0018】基準位置及び基準方向を認識する過程で、
顧客の眼鏡処方に含まれる左右の識別及び乱視軸情報
と、眼鏡レンズに付されている1つまたは複数の隠しマ
ークの位置情報と、眼鏡レンズの光学特性情報に含まれ
る実測した乱視軸情報と、眼鏡レンズの製品情報に含ま
れる隠しマークの配置情報とを考慮することによって、
例えば、単焦点レンズの場合であれば、眼鏡装用時に隠
しマークの位置を耳側になるようにし、かつ乱視軸が顧
客の処方に合うようにした上で、マーキングすることを
可能にした。
【0019】また、第1のマーキング位置情報を求める
過程で、眼鏡レンズのいずれかの屈折面を特徴づける面
情報と、眼鏡レンズの所定の位置における厚み情報とを
用いることによって、基準面を基準とした眼鏡レンズの
所望の面の位置(高さ)が求められるため、マーキング
手段によって正確な高さでのマーキングを可能にした。
【0020】さらに、第2のマーキング位置情報を求め
る過程で、眼鏡レンズの外周形状情報と、マーキングパ
ターン情報(個々のマークをどのように配置するかを示
す)を用いることによって、例えば、円形、非円形を問
わず、眼鏡レンズの外周部に沿わせたり、外周部や幾何
学中心を基準として所定の位置にマーキングすることを
可能にした。また、個々のマークについて、基準位置及
び基準方向を基準として配置を設定できるため、製品毎
に異なるマーキングパターンでマーキングすることも可
能にした。
【0021】そして、マーキング手段としてレーザー光
線を用い、眼鏡レンズの材質に応じて、出力条件を変更
できるようにしたため、材質毎に最適な濃さでマーキン
グすることを可能にした。
【0022】少なくとも、当該眼鏡レンズを識別するた
めの識別情報と、加工に用いる加工基準マークをマーキ
ングするようにしたので、濃さや大きさの一定した識別
番号によって、製品識別を容易にするとともに、正確な
位置による加工を可能にした。
【0023】従って、本発明による眼鏡レンズのマーキ
ング方法及び装置において、請求項1の発明は、眼鏡レ
ンズの所定の面を基準面として認識する基準面認識工程
と、基準面に対して略水平な面における基準位置と基準
方向を認識する基準位置方向認識工程と、マーキングす
べき1つまたは複数のマークについて、基準面を基準と
した第1のマーキング位置情報を出力する第1のマーキ
ング位置情報出力工程と、マーキングすべき1つまたは
複数のマークについて、基準位置及び/または基準方向
を基準とした第2のマーキング位置情報を出力する第2
のマーキング位置情報出力工程とを備え、基準位置及び
/または基準方向と、第1のマーキング位置情報と、第
2のマーキング位置情報とに基づいて、眼鏡レンズに所
望の情報をマーキングすることを特徴とする眼鏡レンズ
のマーキング方法を提供する。
【0024】請求項2の発明は、請求項1記載の眼鏡レ
ンズのマーキング方法において、基準位置方向認識工程
は、眼鏡処方情報と、あらかじめ眼鏡レンズに付されて
いる1つまたは複数の隠しマークを検出して得られる隠
しマークの位置情報と、眼鏡レンズを測定して得られる
光学特性情報のいずれか1つ以上の情報と、眼鏡レンズ
の製品情報とに基づいて、眼鏡レンズの基準位置及び/
また基準方向を認識することを特徴とする眼鏡レンズの
マーキング方法を提供する。
【0025】請求項3の発明は、請求項1または2に記
載の眼鏡レンズのマーキング方法において、第1のマー
キング位置情報出力工程は、眼鏡レンズのいずれかの屈
折面を特徴づける面情報と、眼鏡レンズの所定の位置に
おける厚み情報とに基づいて、1つまたは複数のマーク
に関する第1のマーキング位置情報を出力することを特
徴とする眼鏡レンズのマーキング方法を提供する。
【0026】請求項4の発明は、請求項1から3のいず
れか一項に記載の眼鏡レンズのマーキング方法におい
て、第2のマーキング位置情報出力工程は、眼鏡レンズ
の外周形状情報とマーキングパターン設定情報とに基づ
いて、1つまたは複数のマークに関する第2のマーキン
グ位置情報を出力することを特徴とする眼鏡レンズのマ
ーキング方法を提供する。
【0027】請求項5の発明は、請求項1から4のいず
れか一項に記載の眼鏡レンズのマーキング方法におい
て、マーキングにはレーザー光線を用い、眼鏡レンズの
材質に応じてレーザー光線の出力条件を変更することを
特徴とする眼鏡レンズのマーキング方法を提供する。
【0028】請求項6の発明は、請求項1から5のいず
れか一項に記載の眼鏡レンズのマーキング方法におい
て、マーキングすべきマークが、少なくとも当該眼鏡レ
ンズを識別するための識別情報と、加工に用いられる加
工基準マークを含むことを特徴とする眼鏡レンズのマー
キング方法を提供する。
【0029】請求項7の発明は、眼鏡レンズに固有の固
有情報を取得する固有情報取得手段と、眼鏡レンズを投
入する投入部と、眼鏡レンズの所定の面を基準面として
認識する基準面認識部と、眼鏡レンズに付された1つま
たは複数の隠しマークを検出し、隠しマークの位置情報
を出力する隠しマーク検出装置と、眼鏡レンズの光学特
性を測定し、光学特性情報を出力する光学特性測定装置
と、眼鏡レンズをマーキングする際に、眼鏡レンズを位
置決めする位置決め部と、眼鏡レンズにマーキングする
マーキング手段と、基準面認識部、隠しマーク検出装
置、光学特性測定装置、位置決め部のいずれか1つ以上
の間を、眼鏡レンズを保持し搬送する搬送部と、眼鏡レ
ンズを排出する排出部と、装置全体を制御する制御コン
ピューターとを備え、前記制御コンピューターが、基準
面に対して略水平な面における基準位置と基準方向を認
識する基準位置方向認識手段と、マーキングすべき1つ
または複数のマークについて、基準面を基準とした第1
のマーキング位置情報を出力する第1のマーキング位置
情報出力手段と、マーキングすべき1つまたは複数のマ
ークについて、基準位置及び/または基準方向を基準と
した第2のマーキング位置情報を出力する第2のマーキ
ング位置情報出力手段と、マーキング手段に対して、マ
ーキングするマークに関するマーキング情報を出力する
マーキング情報出力手段と、基準位置及び/または基準
方向と、第1のマーキング位置情報と、第2のマーキン
グ位置情報とに基づいて、眼鏡レンズの位置決めに用い
る位置決め情報を出力する位置決め情報出力手段とを備
えることを特徴とする眼鏡レンズのマーキング装置を提
供する。
【0030】請求項8の発明は、請求項7に記載の眼鏡
レンズのマーキング装置において、基準位置方向認識手
段は、眼鏡処方情報と、隠しマーク検出装置によって出
力される1つまたは複数の隠しマークの位置情報と、光
学特性測定装置によって出力される眼鏡レンズの光学特
性情報のいずれか1つ以上の情報と、眼鏡レンズの製品
情報とに基づいて、眼鏡レンズの基準位置及び/また基
準方向を認識することを特徴とする眼鏡レンズのマーキ
ング装置を提供する。
【0031】請求項9の発明は、請求項7または8に記
載の眼鏡レンズのマーキング装置において、第1のマー
キング位置情報出力手段は、眼鏡レンズのいずれかの屈
折面を特徴づける面情報と、眼鏡レンズの所定の位置に
おける厚み情報に基づいて、1つまたは複数のマークに
関する第1のマーキング位置情報を出力することを特徴
とする眼鏡レンズのマーキング装置を提供する。
【0032】請求項10の発明は、請求項7から9のい
ずれか一項に記載の眼鏡レンズのマーキング装置におい
て、第2のマーキング位置情報出力手段は、眼鏡レンズ
の外周形状情報とマーキングパターン設定情報とに基づ
いて、1つまたは複数のマークに関する第2のマーキン
グ位置情報を出力することを特徴とする眼鏡レンズのマ
ーキング装置を提供する。
【0033】請求項11の発明は、請求項7から10の
いずれか一項に記載の眼鏡レンズのマーキング装置にお
いて、前記マーキング手段はレーザー光線を用いるもの
であり、前記制御コンピューターが、眼鏡レンズの材質
に応じてレーザー光線の出力条件を変更するレーザー光
線出力条件設定手段を備えることを特徴とする眼鏡レン
ズのマーキング装置を提供する。
【0034】請求項12の発明は、請求項7から11の
いずれか一項に記載の眼鏡レンズのマーキング装置にお
いて、マーキングすべきマークが、少なくとも当該眼鏡
レンズを識別するための識別情報と、加工に用いられる
加工基準マークを含むことを特徴とする眼鏡レンズのマ
ーキング装置を提供する。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、単焦
点眼鏡レンズのマーキング装置を例にとって、本発明の
実施の形態について詳しく説明するが、本発明は下記の
実施の形態に限定されるものではない。
【0036】図3は、本発明による眼鏡レンズのマーキ
ング装置を示す平面図である。図3に示す眼鏡レンズの
マーキング装置10は、眼鏡レンズ1を投入する投入部
11、眼鏡レンズ1の幾何学中心における眼球側の面
を、基準面として認識する基準面認識部12、眼鏡レン
ズ1に付された隠しマーク2を検出する隠しマーク検出
装置13、眼鏡レンズ1の光学特性情報を測定する光学
特性測定装置14、眼鏡レンズ1のマーキング時の位置
決めをおこなう位置決め部15、眼鏡レンズ1へのマー
キングをおこなうレーザーマーカー16、眼鏡レンズ1
を保持し、基準面認識部12、隠しマーク検出装置1
3、光学特性測定装置14、位置決め部15の間を搬送
する搬送部17、眼鏡レンズ1を排出する排出部18、
装置全体を制御する制御コンピューター19、制御コン
ピューター19に接続するコードリーダー21で構成さ
れる。
【0037】本装置ではオペレーターが直接、眼鏡レン
ズ1を投入部11に投入し、排出部18から取り出すよ
うな構成になっているが、前後工程が装置化されていれ
ば、ベルトコンベアなどによる自動搬送の形態にすれば
よく、搬送容器に眼鏡レンズ1を格納した状態で投入
し、排出された搬送容器(眼鏡レンズが格納された)を
次工程(次装置)に搬送するようにしてもよい。また、
図3において作業伝票8に記載されたバーコードを、制
御コンピューター19に接続したコードリーダー21に
よって手動で読み取るようにしているが、自動搬送形態
の装置であれば、搬送容器に同様のバーコードが記載さ
れた媒体や、磁気メモリ媒体などを取り付けておき、読
み取りも自動化することができる。当然、コードリーダ
ー21は読み取る対象によって異なるため、例えば、バ
ーコードリーダー、2次元コードリーダー、磁気メモリ
リーダーなどを場合に応じて使い分ける。作業伝票8に
記載されている情報は、個々の眼鏡レンズ1に固有のも
のであればよく、製造工程全体で使用する情報をすべて
記載してもよいし、それを引き出すための識別番号を記
載してもよい。識別番号を記載する場合は、必要に応じ
て当該識別番号に関連づけられた固有情報を、ホストコ
ンピューターよりネットワーク経由で取得する。
【0038】投入部11は、1枚単位で眼鏡レンズ1を
搬送できるようになっており、給材位置113にまで矢
印111の向きに搬送する。また、投入部11には基準
面認識部12へ眼鏡レンズ1を移動するための搬送チャ
ック112が備えられている。
【0039】図4は、基準面認識部12の側面図の一例
である。基準面認識部12は、眼鏡レンズ1の幾何学中
心における眼球側の面を一定の高さにそろえ、基準面と
して認識するために、図4に示すような構造になってい
る。図4において、吸着部121の内部に受け台122
が取り付けられており、この部分が眼鏡レンズ1の眼球
側の面と接するようになっている。眼鏡レンズ1を受け
台122に置き、真空経路123を通じて吸引すると眼
鏡レンズ1を保持することができる。基準面認識の方法
は、これに限定されるものではなく、最終的にはマーキ
ングすべき面の高さが求められればよいため、例えば、
所定の状態で保持された眼鏡レンズ1のいずれかの屈折
面の中心を、ダイヤルゲージなどの計測器で計って、そ
の値から面の高さを求めても良い。本発明においては、
簡便さ、処理速度の早さを重視してこのような形態とし
た。また、基準面認識部12は、搬送部17と眼鏡レン
ズ1を受け渡しする際に、上下に移動するようになって
いる。
【0040】隠しマーク検出装置13は、図5に示すよ
うな構成になっており、眼鏡レンズ1の眼球側の面に配
置した照明装置131、眼鏡レンズ1の物体側の面に配
置した撮像装置132、眼鏡レンズ1が発散レンズの場
合に、透過光の屈折方向を調節する調節レンズ133、
撮像装置132から取り込んだ画像に対して所定の画像
処理をおこない、隠しマーク2を検出する画像処理装置
134で構成されている。画像処理装置134では、検
出した隠しマーク2の位置情報から、例えば、搬送部1
7の搬送方向に対して、何度の方向に隠しマーク2が存
在するのかといった値を計算し出力する機能を備えてお
り、制御コンピューター19に接続している。なお、撮
像装置131の撮像中心と、搬送部17によって保持さ
れた眼鏡レンズ1の幾何学中心が一致するように調整さ
れている。
【0041】光学特性測定装置14は、一般的に自動レ
ンズメーターと呼ばれるものであり、眼鏡レンズ1の光
学特性を測定する機能を備えている。光学特性には球面
度数、乱視度数、それらを足したトータル度数、乱視軸
方向(角度)、プリズム量および基底方向(角度)とい
った値が含まれており、本発明においては、特に乱視軸
方向の値を用いることによって、顧客の処方乱視軸と比
較し、装用時を考慮した位置合わせができるようにして
いる。光学特性測定装置14は制御コンピューター19
に接続しており、光学特性情報を送信することができ
る。
【0042】位置決め部15は、マーキングする際に眼
鏡レンズ1を位置決めするもので、図4に示した基準面
認識部12と同様の方法で眼鏡レンズ1を保持できるよ
うになっている。また、保持した眼鏡レンズ1を、図3
の平面上で回転するθ軸、搬送部17の搬送方向と直交
する方向に眼鏡レンズ1を移動するY軸、図3の平面上
と垂直な方向へ眼鏡レンズ1を上下するZ軸とを備えて
いる。もちろん、このような構成に限定されるものでは
なく、所望の位置に位置決めできる構成であれば問題な
い。この位置決め部は、制御コンピューター19から送
られる回転量θと移動量Y及び上下量Zによって、マー
キング時の位置決めをおこなう。なお、基準面認識部1
2から搬送された眼鏡レンズ1の眼球側の面は、常に一
定の高さで位置決め部15に受け渡される。
【0043】レーザーマーカー16は、炭酸ガスレーザ
ーによってマーキングするもので、制御コンピューター
19から送られる文字データや、図形データなどによっ
て任意のマーキングが可能である。また、マーキング時
にレーザーパワーや走査速度(スキャンスピード)を変
更することができるため、マーキング対象である眼鏡レ
ンズ1の材質に応じて最適な濃さでのマーキングを可能
にしている。なお、レーザーマーカー16は、レーザー
の焦点を結んだ位置でマーキングするため、マーキング
したい面を一定に整える必要がある。そのため、本装置
においては、基準面を基準としてマーキングしたい面が
どの位置(高さ)にあるのかを求めて、位置決め部15
の上下量Zを決定している。また、本装置ではレーザー
マーカーをマーキングの手段としているが、例えば、ダ
イヤペンのような先端部がとがった道具に、一定の加重
を与えて眼鏡レンズ1表面に押し当てるなどの方法によ
ってマーキングしても問題ない。
【0044】搬送部17は、円形な眼鏡レンズ1の外周
部を保持し、基準面認識部12、隠しマーク検出装置1
3、光学特性測定装置14、位置決め部15の間を搬送
する。本装置では、円形な眼鏡レンズ1を前提にしてい
るが、搬送部17のチャック形状を変えれば、非円形な
眼鏡レンズ1でも保持できることは言うまでもない。
【0045】排出部18は、眼鏡レンズ1を仕分けて排
出するベルトコンベア181を備えており、位置決め部
15からベルトコンベア181へ眼鏡レンズ1を移動す
るための搬送チャック182を備えている。ベルトコン
ベア181は、眼鏡レンズ1が排出されるたびに所定量
だけ回転し、図3の右方向へ眼鏡レンズ1を移動するよ
うになっている。搬送チャック182は、位置決め部1
5で保持された眼鏡レンズ1の物体側の面を真空吸着で
保持し、レーザーマーカー16の下方を移動するように
なっている。
【0046】制御コンピューター19は、ホストコンピ
ューター22とネットワークを介して接続しており、コ
ードリーダー21から読み取った識別情報をもとに、眼
鏡レンズ1の固有情報、例えば、眼鏡処方情報などを取
得する。また、装置全体を制御する機能も備えている。
【0047】図6は電気系統を中心とした本装置の制御
ブロック図と、本装置に接続されるホストコンピュータ
ーとの関連図を示すものである。ホストコンピューター
22、制御コンピューター19がネットワークを介して
接続しており、さらに制御コンピューター19はコード
リーダー21、画像処理装置134、光学特性測定装置
14、レーザーマーカー16、装置制御部400と接続
している。ホストコンピューター22は製造工程全体を
管理するもので、眼鏡レンズ1の固有情報を記憶してお
り、必要に応じて制御コンピューター19に必要な情報
を与える。装置制御部400は、装置各部を統括して、
マーキング装置10の機械的制御をおこなう。
【0048】図7は制御コンピューター19の構成を示
すブロック図である。制御コンピューター19は、コン
ピューター全体の制御をおこなうCPU(中央処理装
置)191を備え、その他、CRTディスプレイや液晶
ディスプレイなどの表示装置192、RAM、ROM、
磁気ディスクなどで構成される記憶装置193、文字や
数字を入力するためのキーボードなどの第1入力装置1
94、表示装置192の画面上に表示されたカーソルで
種々の操作をするマウスなど第2入力装置195、ネッ
トワーク経由でホストコンピューター22と接続する第
1入出力装置196、コードリーダー21と接続する第
2入出力装置197、画像処理装置134と接続する第
3入出力装置198、光学特性測定装置14と接続する
第4入出力装置199、レーザーマーカー16と接続す
る第5入出力装置200、装置制御部400と接続する
第6入出力装置201を備え、それぞれがCPU191
に接続している。
【0049】図8は記憶装置193内部のファイル構造
を示すブロック図である。固有情報記憶部301は、装
置に投入される個々の眼鏡レンズ1に関連づけられた固
有情報を記憶する。固有情報としては、顧客の眼鏡処方
情報、眼鏡レンズの製品情報、眼鏡レンズのいずれかの
屈折面を特徴づける面情報、眼鏡レンズの所定の位置に
おける厚み情報、眼鏡レンズの外周形状情報、眼鏡レン
ズ上にマーキングするマークの配置を示すマーキングパ
ターン設定情報、レーザー光線の出力条件を設定するレ
ーザー光線出力設定情報、画像処理装置から出力される
隠しマークの位置情報、光学特性測定装置から出力され
る眼鏡レンズの光学特性情報、マーキングすべき1つま
たは複数のマークについて基準面を基準とした第1のマ
ーキング位置情報、マーキングすべき1つまたは複数の
マークについて基準位置及び/または基準方向を基準と
した第2のマーキング位置情報などが挙げられる。
【0050】眼鏡処方情報は、顧客の注文によって異な
り、ホストコンピューター22上に保管されている。製
品情報、面情報、マーキングパターン設定情報、レーザ
ー光線出力条件設定情報、厚み情報、外周形状情報は、
顧客の選択した製品や眼鏡処方によって決定できるた
め、ホストコンピューター上にあらかじめデータベース
を準備しておき、必要な情報を制御コンピューター19
がネットワークを介して取得するようにしてもよいし、
制御コンピューター19に別途、データベースを準備し
ておき、ホストコンピューター22からは眼鏡処方情報
のみを取得し、その内容に応じて選択するようにしても
よい。また、厚み情報や外周形状情報は、実際に装置に
投入された眼鏡レンズ1を実測して得てもよい。
【0051】固有情報記憶部301に記憶される各種情
報について詳細に説明する。
【0052】眼鏡処方情報は、球面屈折力、乱視屈折
力、乱視軸、中心厚、プリズムなどの値で構成してい
る。中心厚は特別な指定がない限り、製品毎に球面屈折
力と乱視屈折力の組み合わせによって決定できる。
【0053】製品情報には、製品識別コード、製品名
称、素材の屈折率、あらかじめ製品毎に決められた隠し
マークの配置情報(幾何学中心からの距離や個数)など
を含む。
【0054】面情報は、本例においては、眼鏡レンズ1
の対物側の面における曲率半径としている。当該曲面が
非球面の場合には、非球面係数を用いて詳細に面情報を
計算することも可能であるが、近似的な曲率半径で代用
しても問題ない。仮に累進焦点レンズであっても、面情
報は屈折面の設計によって決定されるため、計算によっ
て詳細に求めることが可能である。
【0055】眼鏡レンズ1の所定の位置における厚み情
報は、本例においては、幾何学中心の厚み(以降、中心
厚と呼ぶ)としている。
【0056】外周形状情報は、本例においては、円形な
外周形状を前提としているため、直径情報で代用してい
る。非円形な外周形状の眼鏡レンズについても、計算に
よって求めるか、実際に測定することによって外周形状
情報を得ることができる。
【0057】マーキングパターン設定情報は、例えば、
マーキングする識別番号5の文字高さや文字幅、加工基
準マーク4の長さや幅、それらの配置(外周あるいは中
心からの位置)などの情報を含み、製品毎に設定できる
ようにしている。もちろん、マーキングするマークを増
やす場合には、マーキングパターン設定情報に追加すれ
ばよい。
【0058】レーザー光線出力設定情報は、レーザーの
パワー、走査速度などで構成され、眼鏡レンズ1の材質
に応じて、最適な濃さのマーキングが得られるようにし
ている。
【0059】隠しマークの位置情報は、隠しマーク検出
装置13を用いて、実際に投入した眼鏡レンズ1から隠
しマーク2を検出した結果から得た情報で、本例では眼
鏡レンズ1の幾何学中心を基準として、搬送部17の搬
送方向に対して何度の方向にあるかを示している。
【0060】光学特性情報は、実際に投入した眼鏡レン
ズ1について、光学特性情報測定装置14を用いて測定
した結果から得た情報で、幾何学中心を基準に光学特性
測定装置にセットされた眼鏡レンズ1の乱視軸が何度で
あるかを示している。
【0061】第1のマーキング位置情報は、基準面を基
準として、識別番号5や加工基準マーク4などをマーキ
ングする面の位置(高さ)を示している。
【0062】第2のマーキング位置情報は、基準位置及
び/または基準方向を基準として、識別番号5や加工基
準マーク4などをマーキングする位置(装置の平面上に
おけるX−Y座標)を示している。本例においては、基
準位置とは円形な眼鏡レンズ1の幾何学中心のことであ
り、基準方向とは装用時の眼鏡レンズ1の天地の方向を
指す。
【0063】次に図8において、固有情報記憶部301
に接続する各部について説明する。
【0064】固有情報取得部302は、コードリーダー
21によって読み込まれた識別情報を第2入出力装置1
97から取り込み、当該識別番号に関連する固有情報を
第1入出力装置196(ネットワーク)を介してホスト
コンピューター22から取得する。取得した固有情報は
固有情報記憶部301に記憶する。
【0065】基準位置方向認識部303は、本例におい
ては、基準方向の認識のみをおこなう。基準方向の認識
は、隠しマーク検出装置13で検出した隠しマークの位
置(角度)と、光学特性測定装置で測定した乱視軸方
向、顧客の眼鏡処方情報、眼鏡レンズの左右の識別によ
って認識することができる。例えば、左眼用の単焦点眼
鏡レンズ1に隠しマーク2が1つ存在し、それを装用時
の耳側に配置する場合を想定する。また、顧客の眼鏡処
方の乱視軸は45度とする。隠しマーク検出装置13に
よって、隠しマーク2を検出したところ、装置の平面上
において20度の方向に検出され、光学特性測定装置1
3で測定した乱視軸が10度であった。このケースで
は、乱視軸が45度になる方向が基準方向になるため、
眼鏡レンズ1を反時計回りに30度(眼鏡処方の乱視軸
と測定値の乱視軸の差)だけ回転した方向を基準方向と
認識し、固有情報記憶部303に記憶する。ただし、隠
しマークの検出された位置によっては、耳側に配置され
るように、30度に180度だけ足した方向を基準方向
と認識する。なお、装置に投入する眼鏡レンズ1が多焦
点レンズの場合には、一般的に、2つの隠しマークの中
点を基準位置と認識し、それらを結ぶ線分の方向、ある
いは当該線分と直交する方向を基準方向として認識す
る。
【0066】第1マーキング位置情報出力部304は、
基準面を基準として、識別番号5や加工基準マーク4な
どをマーキングする面の位置(高さ)を計算して出力す
る。本例においては、基準面認識部12によって眼鏡レ
ンズ1の眼球側の面が一定に整えられているため、幾何
学中心における中心厚と、眼鏡レンズ1の物体側の面に
おける曲率半径(近似値)が与えられれば、幾何学中心
から所定の距離における面の位置(高さ)を求めること
ができる。物体側の面が非球面形状で、より正確な位置
(高さ)を求めたい場合には、非球面係数などを考慮し
て計算すればよい。
【0067】第2マーキング位置情報出力部305は、
基準位置及び/または基準方向を基準として、識別番号
5や加工基準マーク4などをマーキングする位置(装置
の平面上におけるX−Y座標)を計算して出力する。本
例においては、円形な眼鏡レンズ1を対象としているた
め、直径情報があれば、外周部の何mm内側にマーキン
グするといったマーキング位置情報を計算することが可
能である。また、非円形な眼鏡レンズ1の場合であれ
ば、その外周形状を測定するなどして求めることによっ
て、外周部に沿わせてマーキングするといったことも可
能である。
【0068】レーザー光線出力条件設定部306は、レ
ーザー光線のレーザーパワーや走査速度を製品毎に切り
替え、レーザー光線出力条件設定情報として、固有情報
記憶部301に記憶する。
【0069】マーキング情報出力部307は、レーザー
マーカー16に対して、どのようなマーク(識別番号5
や加工基準マーク4)をどのような条件(レーザーパワ
ーや走査速度)でマーキングするかといった情報を出力
する。また、レーザーマーカー16が、例えば100m
m×100mmの平面上に、レーザー光線を自由に走査
してマーキングできる場合には、平面上のどの位置にマ
ーキングするかといった位置情報も、レーザーマーカー
16に対して出力する。このような場合には、位置決め
部15による機械的な位置決めと組み合わせてマーキン
グすることができる。
【0070】位置決め情報出力部308は、位置決め部
15に対して、マーキング時の位置決めに必要な情報を
出力する。本例においては、位置決め部をθ軸、Y軸、
Z軸で構成しているため、基準方向と第2マーキング位
置情報とに基づいて、眼鏡レンズ1の回転量と回転方
向、Y方向(搬送部17の搬送方向と直交する方向)の
移動量を計算し出力する。また、第1マーキング位置情
報に基づいて、Z方向(高さ)の移動量を計算し出力す
る。
【0071】次に、本発明による眼鏡レンズのマーキン
グ装置の動作について具体的に説明する。図9は、本発
明による眼鏡レンズのマーキング装置の動作フローチャ
ートの一例である。まず、ステップS1において、コー
ドリーダー21を用いて、作業伝票8に記載されたバー
コードを読み取り、バーコードに含まれる識別番号を用
いて、ステップS2において、眼鏡レンズ1に関わる固
有情報を取得する。より詳細には、記憶装置193上の
固有情報取得部302が、コードリーダー21で読み取
られた識別番号を、第2入出装置197を介して取り込
み、第1入出力装置(ネットワーク)を介して接続して
いるホストコンピューター22から、当該識別番号に関
連づけられた固有情報を取得し、固有情報記憶部301
に記憶するといった一連の動作になる。
【0072】続いてステップS3において、眼鏡レンズ
1を投入部11に投入する。投入部11は矢印111の
方向に回っており、眼鏡レンズ1が給材位置113に到
達すると、搬送チャック112によって眼鏡レンズ1を
保持し、基準面認識部12に搬送する。ステップS4で
は、基準面認識部12によって、眼鏡レンズ1の眼球側
の面を基準面として認識する。
【0073】次に搬送部17によって保持された眼鏡レ
ンズ1が、基準面認識部12から隠しマーク検出装置1
3に搬送され、ステップS5において、隠しマークの検
出がおこなわれる。隠しマーク検出装置13では、制御
コンピューター19からの指示により、眼鏡レンズ1上
の隠しマーク2を画像処理装置134によって検出し、
隠しマーク2が眼鏡レンズ1の幾何学中心を基準とし
て、搬送部17の搬送方向に対して何度の方向に存在す
るか計算し、第3入出力装置198を介して基準位置方
向認識部303に送る。続いて、搬送部17によって保
持された眼鏡レンズ1が、光学特性測定装置14に搬送
され、ステップS6において、光学特性の測定がおこな
われる。光学特性測定装置14は、制御コンピューター
19からの指示により、眼鏡レンズ1の光学特性を測定
し、第4入出力装置199を介して基準位置方向認識部
303に送る。そして、ステップS7で、基準位置方向
認識部303において、基準位置及び基準方向の認識を
おこなう。
【0074】次にステップS8では第1マーキング位置
情報の計算をおこない、ステップS9では第2マーキン
グ位置情報の計算をおこなって、それらの情報と基準位
置及び/または基準方向に基づいて、ステップS10で
は、位置決め情報出力部308によって、位置決め部1
5の位置決め情報を計算し、位置決め指示を出力する。
第6入出力部201を介して装置制御部400に送られ
た位置決め情報と位置決め指示は、位置決め部15に伝
達され、搬送部17によって眼鏡レンズ1が位置決め部
15に搬送された後、ステップS11で眼鏡レンズ1の
位置決めがおこなわれる。
【0075】そして、ステップS12では、レーザー光
線出力条件設定部306によって、レーザー光線の出力
条件が設定される。また、マーキング情報出力部307
から、第5入出力装置200を介して、どのようなマー
ク(識別番号5や加工基準マーク4)をどのような条件
(レーザーパワーや走査速度)でマーキングするかとい
った情報が、レーザーマーカー16に出力される。眼鏡
レンズ1の位置決め及びマーキング情報の準備が整った
段階で、ステップ13で、レーザーマーカー16によっ
てマーキングがおこなわれる。
【0076】最後にステップS14において、眼鏡レン
ズ1が位置決め部15から搬送チャック182によっ
て、排出部18のベルトコンベア181に搬送され排出
される。
【0077】このように、本発明の眼鏡レンズのマーキ
ング装置を用いれば、眼鏡レンズ1へ自動的に、精度良
くマーキングすることが可能である。なお、本発明は、
眼鏡レンズのみならず、その成形型やその他の光学レン
ズへのマーキングにも利用できる。
【0078】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の眼鏡レン
ズのマーキング方法及び装置によれば、従来、人手に頼
っていたマーキング作業を自動化できるため、製造工程
における省力化はもちろん、精度良く、視認性の確保さ
れたマーキングを施すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】隠しマーク2の配置の一例を示す図であり、
(a)は多焦点レンズ、(b)は単焦点レンズを示して
いる。
【図2】眼鏡レンズと台紙を合わせた状態を示す図であ
り、(a)は多焦点レンズ、(b)は単焦点レンズの場
合を示している。
【図3】本発明による眼鏡レンズのマーキング装置を示
す平面図である。
【図4】基準面認識部の側面図の一例を示す図である。
【図5】隠しマーク検出装置の構成を示す図である。
【図6】電気系統を中心とした本装置の制御ブロック図
と、本装置に接続されるホストコンピューターなどの関
連図を示す図である。
【図7】制御コンピューターの構成を示すブロック図で
ある。
【図8】記憶装置193内部のファイル構造を示すブロ
ック図である。
【図9】本発明による眼鏡レンズのマーキング装置の動
作フローチャートの一例を示す図である。
【符号の説明】
1.眼鏡レンズ 2.隠しマーク 3.手作業に用いるマーキング用の台紙 4.加工基準マーク 5.識別番号 6.眼鏡レンズに付した印点 7.台紙上に設けられた隠しマークまたは印点と合わせ
る位置合わせマーク 8.作業伝票 10.眼鏡レンズのマーキング装置 11.投入部 111.投入部の搬送方向 112.搬送チャック 12.基準面認識部 121.吸着部 122.基準面 123.真空経路 13.隠しマーク検出装置 131.照明装置 132.撮像装置 133.調節レンズ 134.画像処理装置 14.光学特性測定装置 15.位置決め部 16.レーザーマーカー 17.搬送部 18.排出部 181.ベルトコンベア 182.搬送チャック 19.制御コンピューター 191.CPU(中央処理装置) 192.表示装置 193.記憶装置 194.第1入力装置(キーボード) 195.第2入力装置(マウスなど) 196.第1入出力装置(ネットワーク) 197.第2入出力装置 198.第3入出力装置 199.第4入出力装置 200.第5入出力装置 201.第6入出力装置 21.コードリーダー 22.ホストコンピューター 301.固有情報記憶部 302.固有情報取得部 303.基準位置方向認識部 304.第1マーキング位置情報出力部 305.第2マーキング位置情報出力部 306.レーザー光線出力条件設定部 307.マーキング情報出力部 308.位置決め情報出力部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】眼鏡レンズの所定の面を基準面として認識
    する基準面認識工程と、 基準面に対して略水平な面における基準位置と基準方向
    を認識する基準位置方向認識工程と、 マーキングすべき1つまたは複数のマークについて、基
    準面を基準とした第1のマーキング位置情報を出力する
    第1のマーキング位置情報出力工程と、 マーキングすべき1つまたは複数のマークについて、基
    準位置及び/または基準方向を基準とした第2のマーキ
    ング位置情報を出力する第2のマーキング位置情報出力
    工程とを備え、 基準位置及び/または基準方向と、第1のマーキング位
    置情報と、第2のマーキング位置情報とに基づいて、眼
    鏡レンズに所望の情報をマーキングすることを特徴とす
    る眼鏡レンズのマーキング方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の眼鏡レンズのマーキング方
    法において、 基準位置方向認識工程は、眼鏡処方情報と、あらかじめ
    眼鏡レンズに付されている1つまたは複数の隠しマーク
    を検出して得られる隠しマークの位置情報と、眼鏡レン
    ズを測定して得られる光学特性情報のいずれか1つ以上
    の情報と、眼鏡レンズの製品情報とに基づいて、眼鏡レ
    ンズの基準位置及び/また基準方向を認識することを特
    徴とする眼鏡レンズのマーキング方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の眼鏡レンズのマ
    ーキング方法において、 第1のマーキング位置情報出力工程は、眼鏡レンズのい
    ずれかの屈折面を特徴づける面情報と、眼鏡レンズの所
    定の位置における厚み情報とに基づいて、1つまたは複
    数のマークに関する第1のマーキング位置情報を出力す
    ることを特徴とする眼鏡レンズのマーキング方法。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれか一項に記載の眼
    鏡レンズのマーキング方法において、 第2のマーキング位置情報出力工程は、眼鏡レンズの外
    周形状情報とマーキングパターン設定情報とに基づい
    て、1つまたは複数のマークに関する第2のマーキング
    位置情報を出力することを特徴とする眼鏡レンズのマー
    キング方法。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれか一項に記載の眼
    鏡レンズのマーキング方法において、マーキングにはレ
    ーザー光線を用い、眼鏡レンズの材質に応じてレーザー
    光線の出力条件を変更することを特徴とする眼鏡レンズ
    のマーキング方法。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれか一項に記載の眼
    鏡レンズのマーキング方法において、マーキングすべき
    マークが、少なくとも当該眼鏡レンズを識別するための
    識別情報と、加工に用いられる加工基準マークを含むこ
    とを特徴とする眼鏡レンズのマーキング方法。
  7. 【請求項7】眼鏡レンズに固有の固有情報を取得する固
    有情報取得手段と、 眼鏡レンズを投入する投入部と、 眼鏡レンズの所定の面を基準面として認識する基準面認
    識部と、 眼鏡レンズに付された1つまたは複数の隠しマークを検
    出し、隠しマークの位置情報を出力する隠しマーク検出
    装置と、 眼鏡レンズの光学特性を測定し、光学特性情報を出力す
    る光学特性測定装置と、 眼鏡レンズをマーキングする際に、眼鏡レンズを位置決
    めする位置決め部と、 眼鏡レンズにマーキングするマーキング手段と、 基準面認識部、隠しマーク検出装置、光学特性測定装
    置、位置決め部のいずれか1つ以上の間を、眼鏡レンズ
    を保持し搬送する搬送部と、 眼鏡レンズを排出する排出部と、 装置全体を制御する制御コンピューターとを備え、 前記制御コンピューターが、 基準面に対して略水平な面における基準位置と基準方向
    を認識する基準位置方向認識手段と、 マーキングすべき1つまたは複数のマークについて、基
    準面を基準とした第1のマーキング位置情報を出力する
    第1のマーキング位置情報出力手段と、 マーキングすべき1つまたは複数のマークについて、基
    準位置及び/または基準方向を基準とした第2のマーキ
    ング位置情報を出力する第2のマーキング位置情報出力
    手段と、 マーキング手段に対して、マーキングするマークに関す
    るマーキング情報を出力するマーキング情報出力手段
    と、 基準位置及び/または基準方向と、第1のマーキング位
    置情報と、第2のマーキング位置情報とに基づいて、眼
    鏡レンズの位置決めに用いる位置決め情報を出力する位
    置決め情報出力手段とを備えることを特徴とする眼鏡レ
    ンズのマーキング装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の眼鏡レンズのマーキング
    装置において、 基準位置方向認識手段は、眼鏡処方情報と、隠しマーク
    検出装置によって出力される1つまたは複数の隠しマー
    クの位置情報と、光学特性測定装置によって出力される
    眼鏡レンズの光学特性情報のいずれか1つ以上の情報
    と、眼鏡レンズの製品情報とに基づいて、眼鏡レンズの
    基準位置及び/また基準方向を認識することを特徴とす
    る眼鏡レンズのマーキング装置。
  9. 【請求項9】請求項7または8に記載の眼鏡レンズのマ
    ーキング装置において、第1のマーキング位置情報出力
    手段は、眼鏡レンズのいずれかの屈折面を特徴づける面
    情報と、眼鏡レンズの所定の位置における厚み情報に基
    づいて、1つまたは複数のマークに関する第1のマーキ
    ング位置情報を出力することを特徴とする眼鏡レンズの
    マーキング装置。
  10. 【請求項10】請求項7から9のいずれか一項に記載の
    眼鏡レンズのマーキング装置において、第2のマーキン
    グ位置情報出力手段は、眼鏡レンズの外周形状情報とマ
    ーキングパターン設定情報とに基づいて、1つまたは複
    数のマークに関する第2のマーキング位置情報を出力す
    ることを特徴とする眼鏡レンズのマーキング装置。
  11. 【請求項11】請求項7から10のいずれか一項に記載
    の眼鏡レンズのマーキング装置において、前記マーキン
    グ手段はレーザー光線を用いるものであり、前記制御コ
    ンピューターが、眼鏡レンズの材質に応じてレーザー光
    線の出力条件を変更するレーザー光線出力条件設定手段
    を備えることを特徴とする眼鏡レンズのマーキング装
    置。
  12. 【請求項12】請求項7から11のいずれか一項に記載
    の眼鏡レンズのマーキング装置において、マーキングす
    べきマークが、少なくとも当該眼鏡レンズを識別するた
    めの識別情報と、加工に用いられる加工基準マークを含
    むことを特徴とする眼鏡レンズのマーキング装置。
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