JP2002303344A - 車両用ブレーキ素子の寿命表示装置 - Google Patents

車両用ブレーキ素子の寿命表示装置

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JP2002303344A
JP2002303344A JP2001105984A JP2001105984A JP2002303344A JP 2002303344 A JP2002303344 A JP 2002303344A JP 2001105984 A JP2001105984 A JP 2001105984A JP 2001105984 A JP2001105984 A JP 2001105984A JP 2002303344 A JP2002303344 A JP 2002303344A
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lining
life
conductor
brake element
cut
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Hideo Ogawa
秀夫 小川
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Akebono Brake Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パッド等のブレーキ素子の寿命を表示して、
運転者に不安感を与える事なく、このブレーキ素子の交
換時期を確実に認識できる構造を実現する。 【解決手段】 検知回路11により上記ブレーキ素子の
ライニングが所定量摩耗した事を検知する。又、距離測
定手段12により、車両の走行距離を測定する。演算器
13が、上記ライニングが所定量摩耗した時点での残り
厚さと、この所定量摩耗するまでの走行距離とから、摩
耗許容限度厚さに達するまでの寿命を求める。そして、
表示器14が、この寿命を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る車両用ブレー
キ素子の寿命表示装置は、ドラムブレーキ用のブレーキ
シューアッセンブリ、或はディスクブレーキ用のパッド
として、自動車等の車両の制動に使用するブレーキ素子
の寿命、言い換えれば交換までに走行可能な距離を運転
者に知らせる為のものである。尚、本明細書でブレーキ
素子とは、ブレーキシューアッセンブリとパッドとを総
称したものを表す。逆に言えば、本明細書でブレーキシ
ューアッセンブリとは、ドラムブレーキ用のブレーキ素
子を指し、パッドとは、ディスクブレーキ用のブレーキ
素子を指す。
【0002】
【従来の技術】車両用のブレーキには、裏板にライニン
グを添着して成るブレーキ素子を組み込んでいる。制動
を行なう場合には、このライニングをドラム或はディス
ク等の制動用回転体に押し付ける。このライニングは、
制動の繰り返しにより次第に摩耗する為、或る程度摩耗
が進んだ場合に、新しいブレーキ素子と交換しなければ
ならない。ところが、上記ライニングの厚さを外部から
目視して判定する事は不可能若しくは困難である為、ウ
ェアインジケータと呼ばれるセンサをブレーキ素子に装
着し、上記ライニングが許容限度にまで摩耗した場合
に、上記ウェアインジケータからの信号に基づいて運転
席に設けた警報器から、ブレーキ素子の交換を促す旨の
指令を出す様にしている。
【0003】図20は、この様な目的を達する為に考え
られた、実開平5−47562号公報に記載されたウェ
アインジケータ付パッドの1例を示している。パッド1
を構成する裏板2の端部で、ライニング3の周縁から突
出した部分には、上記裏板2の表裏面を貫通する状態で
取付孔4を形成し、この取付孔4の内側にウェアインジ
ケータ5を、保持筒6と圧縮ばね7とを介して装着して
いる。このウェアインジケータ5は、熱溶融性樹脂製の
ホルダ8中に、検出部である導線9を埋設して成る。こ
の様なウェアインジケータ5を上記裏板2に支持した状
態で上記導線9の先端部は、上記ライニング3の摩耗許
容限度面Xに位置する。
【0004】制動の繰り返しに伴なって上記ライニング
3が摩耗し、その厚さ寸法が小さくなると、先ずホルダ
8の先端部がディスク10との摩擦によって摩耗する。
そして、更に摩耗が進むと、このホルダ8中に埋設され
た導線9の先端部とディスク10の側面とが擦れ合っ
て、この導線9が、その先端部で破断する。導線9が破
断した事は、図示しない検出回路により検出し、この検
出回路が運転席に設けた警報器に信号を送って、この警
報器により前記パッド1の交換を促す旨の指令を出す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来から知られている
パッドの摩耗警報装置は、単にパッドのライニングが残
り少なくなっている事を、何の予兆もなく突然知らせる
のみである。この為、一般的な運転者には不安を与える
可能性がある。これに対して、例えば特許268927
2号公報等には、ライニングの摩耗程度を複数段に分け
て運転者に知らせる装置が記載されている。但し、この
改良された装置にしても、途中の段階でライニングの寿
命、即ち、制動不能になるまでに走行可能な距離を運転
者に知らせる事はできない。ブレーキ素子が、ドラムブ
レーキ用のブレーキシューアッセンブリの場合でも同様
である。本発明の車両用ブレーキ素子の寿命表示装置
は、この様な事情に鑑みて、ブレーキ装置に関する知識
を持たない、一般的な運転者にも、不安を与える事な
く、しかもブレーキ素子の交換時期を確実に知らせて、
車両の安全運行を図るべく発明したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用ブレーキ
素子の寿命表示装置は、導体と、検知回路と、距離測定
手段と、演算器と、表示器とを備える。このうちの導体
は、ブレーキ素子のライニングが摩耗する過程で切断さ
れる。尚、この導体は、必ずしも電気抵抗が十分に低い
ものに限らず、或る程度の電気抵抗を有する抵抗体であ
っても良い。又、上記検知回路は、上記導体が切断され
た事を検知して、切断された事を表す断線信号を送り出
す。又、上記距離測定手段は、車両の走行距離を測定し
て、この走行距離を表す距離信号を送り出す。又、上記
演算器は、これら断線信号と距離信号とに基づいて、上
記ライニングの摩耗量と走行距離との比を求める。更
に、この比と上記導体が断線した時点でのこのライニン
グの残量(摩耗許容限度面までの残りの厚さ)とに基づ
いて、上記ブレーキ素子の寿命を計算する。又、上記表
示器は、上記演算器が計算した寿命を表示する。
【0007】又、好ましくは、請求項2に記載した様
に、複数の導体をライニングの厚さ方向に関して互いに
異なる位置に設置する事で、上記検知回路により上記ラ
イニングの摩耗量を、複数段に分けて検知自在とする。
そして、上記演算器は、新たに導体が切断された時点と
その直前に別の導体が切断された時点との間の摩耗量と
走行距離とに基づいて、上記ライニングの摩耗量と走行
距離との比を求める。そして、この比と上記別の導体が
切断された時点での上記ライニングの残量とに基づい
て、上記ブレーキ素子の寿命を計算する。更に好ましく
は、請求項3に記載した様に、新品のブレーキ素子を装
着後、最初に導体が切断されるまでの間は、予め設定し
た上記ライニングの摩耗量と走行距離との比と、上記距
離測定手段から送り込まれる走行距離を表す信号とに基
づいて上記ブレーキ素子の寿命を計算する。
【0008】
【作用】上述の様に構成する本発明の車両用ブレーキ素
子の寿命表示装置によれば、ブレーキ素子の交換時期
を、寿命に達する直前に突然知らせるのではなく、予め
連続的に知らせる事ができる。この為、一般的な運転者
にも不安を与える事がなくなる。又、請求項2に記載し
た様に、複数段に分けて設置した導体が切断される毎に
ライニングの摩耗量と走行距離との比を求め、新たに求
めた比に基づいて上記ブレーキ素子の寿命を計算する様
にすれば、走行パターンが変わった様な場合でも、この
寿命の予測値を修正する事で、正確な予測が可能にな
る。更に、請求項3に記載した様に、予め設定した比に
基づいてブレーキ素子の寿命を計算すれば、新品のブレ
ーキ素子を装着した直後からこのブレーキ素子の寿命表
示が可能になり、何れは交換が必要になるブレーキ素子
の存在を、運転者に早くから認識させる事ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1〜4は、請求項1に対応す
る、本発明の実施の形態の第1例を示している。先ず、
図1は、本発明の車両用ブレーキ素子の寿命表示装置の
制御部を示すブロック図である。この制御部は、検知回
路11と、距離測定手段12と、演算器13と、表示器
14とを備える。
【0010】このうちの検知回路11は、図2〜3に示
す様なパッド1を構成するライニング3の摩耗量が所定
値に達した事を検知する為のものである。この為に、上
記パッド1に導体15を設置し、この導体15が、上記
ライニング3の摩耗の過程で切断される様にしている。
上記パッド1に対する上記導体15の設置構造は特に問
わない。前述の図20に示した構造も、採用可能であ
る。或は、トリミング抵抗と呼ばれる、印刷された抵抗
体も使用可能である、この様なトリミング抵抗を使用す
る場合で、上記ライニング3が導電性を有するものであ
る場合には、絶縁製フィルムにトリミング抵抗を印刷し
たものを、上記ライニング3の周面に貼付する事が考え
られる。
【0011】何れにしても上記導体15の先端部は、図
2に示す様に上記ライニング3の厚さ方向中間部の所定
位置に配置して、図3に示す様にこのライニング3が、
予め設定された所定量T0 分摩耗した場合に、ディスク
10の側面との摩擦に伴って切断される様にしている。
上記導体15が切断された場合には、上記検知回路11
に印加される電圧が変化するので、この検知回路11が
上記導体15が切断された事、即ち、上記ライニング3
が上記所定量T0 分摩耗した事を検知する。そして上記
検知回路11が、上記導体15が切断された事を表す断
線信号を、上記演算器13に向けて送り出す。
【0012】一方、上記距離測定手段12は、車両の走
行距離を測定する。この様な距離測定手段12は、本発
明の車両用ブレーキ素子の寿命表示装置を構成する為に
特別に用意する必要はなく、車両の走行距離計をそのま
ま使用できる。但し、この走行距離計が純機械的なもの
で、走行距離を表す信号を得られないものである場合に
は、速度を表す信号を時間で積分する回路を設けて、上
記距離測定手段12とする。何れにしても、この距離測
定手段12は、車両の走行距離を表す距離信号を、上記
演算器13に向けて送り出す。
【0013】又、この演算器13は、上記検知回路11
から送り込まれる断線信号と、上記距離測定手段12か
ら送り込まれる、上記導体15が切断されるまでの走行
距離を表す距離信号とに基づいて、上記ライニング3の
摩耗量と走行距離との比を求める。更に、この比と、上
記導体15が断線した時点でのこのライニング3の残量
(摩耗許容限度面Xまでの残りの厚さTX )とに基づい
て、前記パッド1の寿命を計算する。この点に就いて、
図4により説明する。
【0014】図4のOs 点で新品に交換したパッド1に
組み込んだ上記導体15が、図4のα点で切断されたと
する。この場合に、このパッド1を交換した後、上記導
体15が切断されるまでの走行距離をL0 とする。又、
上記ライニング3の摩耗量は、前記所定量T0 である。
従って、上記パッド1を交換してから上記導体15が切
断されるまでの、上記ライニング3の摩耗量と走行距離
との比、即ち、図4の実線Os −αの傾斜は、T0 /L
0 となる。上記ライニング3が、その後も同じ割合で摩
耗し続けると仮定した場合、上記実線Os −αをそのま
ま延長した鎖線と、ライニングの厚さを表した縦軸に関
する位置が上記ライニング3の摩耗許容限度面Xの位置
である、横軸とが交差する点Oe で、上記パッド1が寿
命に達する(パッド1の交換が必要になる)ものと予想
される。そこで、上記点Oe での走行距離Le と上記導
体15が切断されるまでの走行距離L0 との差「Le
0 」を、上記導体15が切断された時点(上記α点)
での、上記パッド1の寿命として算出する。そして、こ
の時点から自動車が走行したならば、この時点からの走
行距離Lx を、上記導体15が切断された時点での寿命
から引いた(減じた)値「Le −L0 −Lx 」を、当該
時点でのパッド1の寿命として算出する。
【0015】又、前記表示器14は、上述の様にして前
記演算器13が計算した、上記パッド1の寿命を表示す
る。この様な表示器14としては、従来から車両のダッ
シュボード部分に設けられている、各種表示装置と同様
のものを採用できる。即ち、このダッシュボード部分
に、例えば「パッドが2/3まで摩耗しました」「パッ
ド交換まで後Xkm走行できます」等の文字を表示した
り、或は、針で摩耗程度を表すアナログ式のメータ等の
表示手段が採用可能である。
【0016】又、必要に応じて、上記ライニング3が摩
耗許容限度厚さまで摩耗したと推定される(上記点Oe
での走行距離Le に達した)場合には、音声やブザーに
よりパッド1の交換を促す警告を発する事もできる。更
に、上記摩耗許容限度厚さを越えて(これよりも薄くな
って)も上記パッド1を交換する事なく車両の運行を継
続する場合には、エンジン始動用のセルモータへの通電
を停止したり、始動時(更に必要に応じて走行時)に特
に大きな警告音を発する様な制御を行なう事も可能であ
る。
【0017】次に、図5〜16は、請求項1〜3に対応
する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例
の場合には、複数(図示の例では3本)の導体15a、
15b、15cを、パッド1を構成するライニング3の
厚さ方向に関して互いに異なる位置に設置している。即
ち、新品のパッド1のライニング3の摩擦面16を基準
として、一段目の導体15aをこの摩擦面16から厚さ
1 分だけ裏板2側に寄った部分に設置している。又、
二段目の導体15bを、上記一段目の導体15aよりも
更に厚さT2 分だけ上記裏板2側に寄った部分に設置し
ている。更に、三段目の導体15cを、上記二段目の導
体15bよりも更に厚さT3 分だけ上記裏板2側に寄っ
た部分に設置している。上記各厚さT1 、T2 、T3
は、互いに等しくても(T1 =T2 =T3 でも)良い
が、それぞれの値が既知であれば、必ずしも等しくする
必要はない。
【0018】何れにしても、制動の繰り返しに伴って上
記ライニング3が次第に摩耗すると、上記各導体15
a、15b、15cが、このライニング3の摩耗量に応
じて順次切断される。本例の場合には、この様に複数の
導体15a、15b、15cを順次切断させる事で、検
知回路11aにより上記ライニング3の摩耗量を複数段
に分けて検知する。そして、何れかの導体15a(又は
15b、15c)が切断された事を表す断線信号を、演
算器13(図1参照)に向けて送り出す。又、この演算
器13は、上記検知回路11aから送り込まれる断線信
号と、新たに導体が切断された時点とその直前に別の導
体が切断された時点との間の摩耗量と走行距離とに基づ
いて、上記ライニング3の摩耗量と走行距離との比を求
める。そして、この比と上記新たに導体が切断された時
点での上記ライニング3の残量とに基づいて、前記パッ
ド1の寿命を計算する。但し、新品のパッド1を装着
後、第一段の導体15aが切断されるまでの間は、予め
設定した上記ライニング3の摩耗量と走行距離との比
と、距離測定手段12(図1参照)から送り込まれる走
行距離を表す信号とに基づいて、上記パッド1の寿命を
計算する。これらの点に就いて、図6〜16により説明
する。
【0019】先ず、図6に示す様に、新品の(ライニン
グ3が摩耗していない)パッド1を装着した状態からこ
のパッド1の使用を開始した場合、予め設定した上記ラ
イニング3の摩耗量と走行距離との標準比と、上記距離
測定手段12から送り込まれる走行距離を表す信号とに
基づいて、上記パッド1の寿命を計算する。即ち、この
場合には、標準的な使用状態を勘案して求めた上記標準
比に基づいて、上記ライニング3の摩耗量を推定する。
図7は、この標準比により設定した、走行距離とライニ
ング3の摩耗量との関係を、図8は、上記図7に示した
関係に基づいて求めた、上記パッド1の寿命を表示する
際の動作を、それぞれ示している。この様な標準比を採
用して上記パッド1の寿命を表示する事により、新品の
パッド1を装着した直後からこのパッド1の寿命表示が
可能になる。この為、何れは交換が必要になるパッド1
の存在を、運転者に早くから認識させる事ができる。
【0020】制動の繰り返しに伴って上記パッド1のラ
イニング3が摩耗すると、図9に示す様に、前記第一段
の導体15aが切断される。上記パッド1を交換した後
この第一段の導体15aが切断されるまでの走行距離
を、図10に示す様にL1 とし、交換後にこの第一段の
導体15aが切断されるまでの摩耗量T1 とする。この
条件の下で上記第一段の導線15aが切断されたなら
ば、上記走行距離L1 と摩耗量T1 とに基づいて、上記
ライニング3の摩耗量と走行距離との比、T1 /L 1
求める。そして、上記ライニング3が、その後も同じ割
合で摩耗し続けると仮定して、上記第一段の導体15a
が切断された時点での、上記ライニング3の厚さが摩耗
許容限度厚さに摩耗するまでに走行可能な距離L1Xを求
める。上記第一段の導体15aが切断された後には、図
11に示す様に、第二段の導体15bが切断されるまで
は、切断後の走行距離L1X″を、上記第一段の導体15
aが切断された時点で走行可能な距離L1Xから減じて、
その減じた値L1X′を表示器14(図1参照)により表
示する。
【0021】上記ライニング3が更に摩耗し、図12に
示す様に上記第二段の導体15bが切断された場合に
は、図13に示した、上記第一段の導体15aが切断さ
れてから上記第二段の導体15bが切断されるまでの摩
耗量T2 と走行距離L2 とに基づいて、上記ライニング
3の摩耗量と走行距離との比、T2 /L2 を求める。そ
して、上記ライニング3が、その後も同じ割合で摩耗し
続けると仮定して、上記ライニング3の厚さが摩耗許容
限度厚さに摩耗するまでに走行可能な距離を求める。従
って、同一のパッド1を使用している途中で、車両の所
有者が変わったり、或は走行条件が変わる(郊外中心の
走行と都市部中心の走行との変更)等により、上記摩耗
量と走行距離との関係が大きく異なる様な事態が発生し
ても、これを修正して、上記走行可能な距離を正しく求
める事ができる。
【0022】上記第二段の導体15bが切断された後に
は、第三段の導体15cが切断されるまでは、この第二
段の導体15bの切断後の走行距離を、上記第二段の導
体15bが切断された時点で走行可能な距離から減じ
て、その減じた値を、パッド交換までに走行可能な距離
として、表示器により表示する。この場合の作用は、第
一段の導体15aが切断された後と同様であるから、フ
ローチャートは省略する。尚、以上の説明は、上記第二
段の導体15bが切断された後には、上記第一段の導体
15aが切断される以前の履歴(これ以前に於ける上記
ライニング3の摩耗量と走行距離との比、T1 /L1
を考慮せずに、この第一段の導体15aが切断されてか
ら上記第二段の導体15bが切断されるまでの履歴(こ
の間に於ける上記ライニング3の摩耗量と走行距離との
比、T2 /L2 )のみで、上記パッド交換までに走行可
能な距離を求める場合である。但し、上記第一段の導体
15aが切断されてから上記第二段の導体15bが切断
されるまでの履歴(比T2 /L2 )を中心に、第一段の
導体15aが切断される以前の履歴(比T1 /L1 )を
考慮して(比T1 /L1 による補正を加えて)、上記パ
ッド交換までに走行可能な距離を求める事もできる。
【0023】上記ライニング3が更に摩耗し、図14に
示す様に上記第三段の導体15cが切断された場合に
は、図15に示した、上記第二段の導体15bが切断さ
れてから上記第三段の導体15cが切断されるまでの摩
耗量T3 と走行距離L3 とに基づいて、上記ライニング
3の摩耗量と走行距離との比、T3 /L3 を求める。そ
して、上記ライニング3が、その後も同じ割合で摩耗し
続けると仮定して、上記ライニング3の厚さが摩耗許容
限度厚さに摩耗するまで、即ち、このライニング3が図
5のT4 分摩耗する間に走行可能な距離L4 (L3X)を
求める。この場合の基本的な作用は、上記第一段の導体
15aが切断されてから上記第二段の導体15bが切断
されるまでの間の作用と同様である。
【0024】但し、本例の場合には、上記第三段の導体
15cが最終段の導体である為、この第三段の導体15
cが切断された後は、図16のフローチャートに示す様
に、上記ライニング3の厚さが摩耗許容限度にまで達し
たか否かを判定する動作を行なう。そして、この厚さが
摩耗許容限度にまで達したならば、走行可能な距離(こ
の場合には0km)の表示を消滅させる代わりに、運転者
に直ちにパッド1の交換を行なう様に促す警告を発す
る。上記摩耗許容限度厚さを越えて(これよりも薄くな
って)も上記パッド1を交換する事なく車両の運行を継
続する場合にはセルモータへの通電を停止したり、始動
時に特に大きな警告音を発する様な制御を行なう事が可
能である事は、前述した第1例の場合と同様である。或
は、上記第三段の導体15cが切断されたならば、直ち
に上記パッド1の交換を促す為の警告を発する様に構成
する事もできる。
【0025】次に、図17は、やはり請求項1〜3に相
当する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本
例の場合には、パッド1に配設した3本の導体15a、
15b、15cの端部を1本にまとめてから、このパッ
ド1外に取り出す様にしている。その他の部分の構成及
び作用は、上述した第2例の場合と同様であるから、同
等部分に関する図示並びに説明は省略する。
【0026】次に、図18は、請求項1に対応する、本
発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合に
は、パッド1を構成する裏板2の端部でライニング3の
周縁から突出した部分に、合成樹脂製のホルダ8aを介
して、導体15を配置している。上記裏板2に対しこの
ホルダ8aを支持する構造は、前述の図20に示した構
造を含め、従来から知られている各種構造を採用でき
る。又、単一のホルダ内に、図5に示す様に、複数段に
導体を設置する事もできる。上記導体15の切断に基づ
いてライニング3の寿命を算出する作用等、本発明の基
本的な作用に就いては、前述した第1例の場合と同様で
ある。
【0027】次に、図19は、請求項1、4に対応す
る、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の
場合には、パッド1を構成する裏板2の端部でライニン
グ3の周縁から突出した部分に、サーミスタ等の温度セ
ンサ17を設け、この温度センサ17によって、制動時
に於けるライニング3の摩擦面の温度に関係する部分で
ある、ディスク10の側面の温度を検出自在としてい
る。そして、上記温度センサ17が検出する温度が高い
程、演算器13(図1参照)にパッド1の寿命を短く計
算させる補正を加える様にしている。上記ライニング3
は、温度が高くなる程摩耗が著しくなるので、上記温度
センサ17の測定値に基づく補正を加える事により、上
記パッド1の寿命を、より正確に算出できる様になる。
【0028】更に、図示は省略するが、請求項5に記載
した様に、ブレーキペダルが踏まれた回数を計測する為
のブレーキセンサを設け、このブレーキペダルが踏まれ
た回数が多い程、上記演算器13に上記パッド1等のブ
レーキ素子の寿命を短く計算させる補正を加える事もで
きる。前述した様に、上記ライニング3の摩耗量は、走
行パターンにより大きく変わる。従って、郊外(或は高
速道路)を走行する場合と都市部を走行する場合との違
いの様な場合に就いても、ブレーキペダルが踏まれる回
数に応じて摩耗量と走行距離との比T/Lに補正を加え
れば、上記パッド1等のブレーキ素子の寿命を、より正
確に算出できる様になる。
【0029】
【発明の効果】本発明の車両用ブレーキ素子の寿命表示
装置は、以上に述べた通り構成し作用するので、運転者
に不安感を与える事なくブレーキ素子の交換時期を確実
に知らせる事ができて、自動車等の車両の安全運行に寄
与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用ブレーキ素子の寿命表示装置の
制御部を示すブロック図。
【図2】ライニングの摩耗が進んでいない状態で示す、
本発明の実施の形態の第1例を構成する摩耗検知部の略
図。
【図3】同じく摩耗が進んだ状態で示す、摩耗検知部の
略図。
【図4】摩耗量と走行距離との関係に基づくパッドの寿
命計算を説明する為の線図。
【図5】本発明の実施の形態の第2例を構成する摩耗検
知部の略図。
【図6】ライニングの摩耗が進んでいない状態で示す、
本発明の実施の形態の第2例を構成する摩耗検知部の略
図。
【図7】第一段の導体が切断される以前に行なう、パッ
ドの寿命計算を説明する為の線図。
【図8】第一段の導体が切断される以前に行なう、パッ
ドの寿命計算のフローチャート。
【図9】第一段の導体が切断されるまでライニングの摩
耗が進んだ状態で示す摩耗検知部の略図。
【図10】第一段の導体が切断された後に行なう、パッ
ドの寿命計算を説明する為の線図。
【図11】第一段の導体が切断された後に行なう、パッ
ドの寿命計算のフローチャート。
【図12】第二段の導体が切断されるまでライニングの
摩耗が進んだ状態で示す摩耗検知部の略図。
【図13】第二段の導体が切断された後に行なう、パッ
ドの寿命計算を説明する為の線図。
【図14】第三段の導体が切断されるまでライニングの
摩耗が進んだ状態で示す摩耗検知部の略図。
【図15】第三段の導体が切断された後に行なう、パッ
ドの寿命計算を説明する為の線図。
【図16】第三段の導体が切断された後に行なう、パッ
ドの寿命計算と警告発生とのフローチャート。
【図17】本発明の実施の形態の第3例を構成する摩耗
検知部の略図。
【図18】同第4例を構成する摩耗検知部の略図。
【図19】同第5例を構成する摩耗検知部の略図。
【図20】従来から知られているウェアインジケータ付
パッドの1例を示す、部分断面図。
【符号の説明】
1 パッド 2 裏板 3 ライニング 4 取付孔 5 ウェアインジケータ 6 保持筒 7 圧縮ばね 8、8a ホルダ 9 導線 10 ディスク 11、11a 検知回路 12 距離測定手段 13 演算器 14 表示器 15、15a、15b、15c 導体 16 摩擦面 17 温度センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ素子のライニングが摩耗する過
    程で切断される導体と、この導体が切断された事を検知
    して断線信号を送り出す検知回路と、車両の走行距離を
    測定して距離信号を送り出す距離測定手段と、これら断
    線信号と距離信号とに基づいて上記ライニングの摩耗量
    と走行距離との比を求め、更にこの比と上記導体が断線
    した時点でのこのライニングの残量とに基づいて上記ブ
    レーキ素子の寿命を計算する演算器と、この演算器が計
    算した寿命を表示する表示器とを備える、車両用ブレー
    キ素子の寿命表示装置。
  2. 【請求項2】 複数の導体をライニングの厚さ方向に関
    して互いに異なる位置に設置する事で、上記検知回路に
    より上記ライニングの摩耗量を、複数段に分けて検知自
    在とし、上記演算器は、新たに導体が切断された時点と
    その直前に別の導体が切断された時点との間の摩耗量と
    走行距離とに基づいて、上記ライニングの摩耗量と走行
    距離との比を求め、この比と上記新たに導体が切断され
    た時点での上記ライニングの残量とに基づいて上記ブレ
    ーキ素子の寿命を計算する、請求項1に記載した車両用
    ブレーキ素子の寿命表示装置。
  3. 【請求項3】 新品のブレーキ素子を装着後、最初に導
    体が切断されるまでの間は、予め設定した上記ライニン
    グの摩耗量と走行距離との比と、上記距離測定手段から
    送り込まれる走行距離を表す信号とに基づいて上記ブレ
    ーキ素子の寿命を計算する、請求項1〜2の何れかに記
    載した車両用ブレーキ素子の寿命表示装置。
  4. 【請求項4】 制動時のライニングの摩擦面の温度に関
    係する部分の温度を検出する為の温度センサを設け、こ
    の温度センサが検出する温度が高い程、上記演算器にブ
    レーキ素子の寿命を短く計算させる補正を加える、請求
    項1〜3の何れかに記載した車両用ブレーキ素子の寿命
    表示装置。
  5. 【請求項5】 ブレーキペダルが踏まれた回数を計測す
    る為のブレーキセンサを設け、このブレーキペダルが踏
    まれた回数が多い程、上記演算器にブレーキ素子の寿命
    を短く計算させる補正を加える、請求項1〜4の何れか
    に記載した車両用ブレーキ素子の寿命表示装置。
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