JP2002303207A - 液体ロケットエンジンにおける燃焼室の製造方法 - Google Patents

液体ロケットエンジンにおける燃焼室の製造方法

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JP2002303207A
JP2002303207A JP2001103647A JP2001103647A JP2002303207A JP 2002303207 A JP2002303207 A JP 2002303207A JP 2001103647 A JP2001103647 A JP 2001103647A JP 2001103647 A JP2001103647 A JP 2001103647A JP 2002303207 A JP2002303207 A JP 2002303207A
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combustion chamber
cylinder
outer cylinder
rocket engine
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JP2001103647A
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Katsuya Kuboyama
且也 久保山
Masaki Naito
雅記 内藤
Shuichi Kodama
修一 児玉
Yasuhiro Ishikawa
康弘 石川
Kazuyuki Tono
和幸 東野
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ADVANCED SPACE TECHNOLOGY KK
IHI Corp
Original Assignee
ADVANCED SPACE TECHNOLOGY KK
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内筒の外面に外筒を確実に形成することがで
きる液体ロケットエンジンにおける燃焼室の製造方法を
提供する。 【解決手段】 外面にスリット12を有する内筒11を
電気鋳造処理し、内筒11の外面に鍍金によって外筒1
3を析出させて形成する。これにより、内筒11の外面
に対して全面的に外筒13を析出させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体ロケットエン
ジンにおいて、燃料と酸化剤とを混合して燃焼させる燃
焼室の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体ロケットでは、燃焼効率を上げるた
めに燃焼室壁の冷却に用いた推薬を燃焼室内に導いて燃
料として再利用する再生冷却型燃焼室が用いられてい
る。再生冷却型燃焼室は、内筒とその上に被着される外
筒とにより形成され、また外筒と内筒との間に液体燃料
を流通させて冷却させるための冷却流通路が設けられて
いる。
【0003】このような燃焼室を製造する方法として
は、従来、外周面に冷却流通路をなす複数のスリットを
有する内筒を形成した後、内筒の外面に複数のスリット
を有する外筒を拡散接合によって被着させていた。或い
は、内筒を形成した後、内筒のスリットにワックスを充
填しておき、その状態で内筒の外面に外筒を電気鋳造に
よって形成した後、ワックスを溶融して除去していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
示す従来の燃焼室の製造方法は、以下に述べる問題があ
った。即ち、内筒の表面に拡散接合によって外筒を被着
して燃焼室を形成した場合、内筒の外面及び外筒の内面
間で全面的にしっかりと接合させるのが困難であり、歩
留まりの低下をまねく問題がある。特に、ロケットエン
ジンの燃焼室は、液体燃料の場合、内部が3000℃程
度の高温となる一方、極低温の液体燃料を冷却剤として
内筒,外筒間に流通させるので、応力集中が起きやす
く、そのため、応力集中のない安定した品質を得ること
が要請されている。
【0005】また、ワックスを用いて電気鋳造により外
筒を形成した場合、ワックスは導電性を有していないの
で、ワックスの表面上に鍍金を析出させることが困難と
なり、均一な厚みの外筒を形成するのが難しいという問
題があった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑み、内筒の外面に
外筒を確実に形成することができる液体ロケットエンジ
ンにおける燃焼室の製造方法を提供するのを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては、以下の手段を採用した。請求項1
に記載の本発明では、外面に複数のスリットを有する内
筒の外面に、外筒を設けてなる液体ロケットエンジンに
おける燃焼室の製造方法において、内筒のスリットに中
子材を充填し、次いで、その内筒の外面に電気鋳造によ
って外筒を形成した後、前記中子材を溶解しかつ除去し
て燃焼室を形成することを特徴とする。
【0008】本発明では、上述の如く、外面にスリット
を有する内筒を電気鋳造処理し、内筒の外面に鍍金によ
って外筒を析出させて形成するので、内筒に外筒を拡散
接合する従来例と異なり、内筒の外面に対して全面的に
外筒を析出させることができる。
【0009】また、前記中子材は、導電材料からなるこ
とを特徴とする。このように導電材料で構成すれば、中
子材として非導電性のワックスを充填した技術と異な
り、中子材の表面側にも鍍金を確実に析出させることが
でき、良好な品質を得ることができる。また、前記中子
材のコーナー及び内筒のスリットのコーナーに面取り部
を有していることを特徴とする。このように各コーナー
に面取り部を形成すると、流通路の周囲コーナーに面取
り部を形成できるので、内筒及び外筒間で応力集中が起
こるおそれがなく、耐久性を高めることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1は本発明によって得られた
燃焼室を適用したロケットエンジンを示す概略図、図2
〜図5は本発明による燃焼室の製造方法の一実施形態を
示す説明図である。本燃焼室10は、図1に示すよう
に、ロケットエンジンのインジェクションI(インジェ
クタ)と、推力室を形成するためのエンジンノズルNと
の間に配置されるものである。そして、この燃焼室10
は、図2に示すように、内筒11と、この内筒11の外
面に形成される外筒13とを有して形成されている。
【0011】内筒11は、例えば銅材のような熱伝達率
の高い部材で形成され、その外面に極温度からなる液体
燃料を冷却剤として流通させるため、図2に示すよう
に、凹んだ形状のスリット12が軸方向に沿い複数設け
られている。スリット12の底面側のコーナー部には面
取り部としての円弧部12aが形成されている。
【0012】次に、この内筒11を用いて燃焼室10を
製造する方法について説明する。まず、内筒11のスリ
ット12に冷却剤の流通路を形成するため、図3に示す
ように中子材14を充填する。中子材14としては、内
筒11の外側に後述する外筒13を形成した後、それら
内筒11と外筒13とが溶融しない程度の温度または溶
剤で溶解し除去し得るものであり、本例では例えばアル
ミのような導電材料からなっている。
【0013】また、この中子材14の表面のコーナー部
は、予め面取りされることによって面取り部としての円
弧部14aが形成されている。なお、この円弧部14a
は、中子材14を内筒11に嵌合した後に形成してもよ
い。
【0014】次いで、中子14を有する内筒11を図示
しない鍍金槽に入れ、電気鋳造することにより、図4に
示すように、内筒11の外面に外筒13としての鍍金が
析出する。そして、外筒13が所望の厚さとなったとこ
ろで電気鋳造を終了する。外筒13は、本例ではニッケ
ルからなっており、ニッケル塩水溶液中で電気鋳造され
る。
【0015】この電鋳時、内筒11を軸周りに回転さ
せ、内筒11の外面に均一に鍍金を析出させる。そのた
め、内筒11は、モータ等の駆動源により回転すること
が好ましい。
【0016】そして、外筒13が所望の厚さとなった時
点で、電気鋳造を終了した後、その鍍金構造体を取出し
て加熱炉に入れるか、溶剤槽に入れて、中子材14を溶
融させて除去することにより、図5に示すように、内筒
11及び外筒13間に冷却剤の流通路14′が形成され
る。また、最終的に外筒13の厚さを均一にするため、
切削加工を施すことにより、最終的に所定厚みの外筒1
3を有する燃焼室10が得られる。
【0017】すなわち、上述した製造方法によれば、外
面にスリット12を有する内筒11を電気鋳造処理し、
内筒11の外面に鍍金によって外筒13を析出させて形
成するので、内筒に外筒を拡散接合する従来例と異な
り、内筒11の外面に対して全面的に外筒13を容易に
析出させることができる。これにより、内筒11と外筒
13とが全面的に接合化された燃焼室10を製造するこ
とができる。
【0018】また、中子材14として、溶解により除去
し得る導電材料のものを用いることにより、中子材とし
て非導電性のワックスを充填した技術と異なり、中子材
の表面側にも鍍金を確実に析出させることができ、良好
な品質を得ることができる。
【0019】さらに、中子材14の周囲コーナー部に円
弧部14aを形成し、また内筒11のスリット12のコ
ーナー部にも円弧部12aを形成するので、流通路1
4′の周囲コーナー部に円弧部を確実に形成し、液体燃
料のような極低温の冷却剤を流通させても、内筒11及
び外筒13間で応力集中が起こりにくい。そのため、再
利用にも十分耐えうるように、燃焼室の耐久性を高める
ができる。
【0020】なお、電気鋳造時において、実際には、外
筒13の電鋳工程に適宜中間加工を加え、活性化処置、
電鋳、洗浄を繰り返す。これにより、3〜4mm厚さの
内筒11上に、2〜3mmからなる所望厚さの外筒13
を形成することができた。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、外
面にスリットを有する内筒を電気鋳造処理し、内筒の外
面に鍍金によって外筒を形成するので、内筒の外面に対
して全面的に外筒を析出させることができる。したがっ
て、内筒と外筒が全面的に接合化された燃焼室を確実に
製造することができる効果がある。
【0022】また、中子材を導電材料で構成すれば、中
子材の表面側にも鍍金を確実に析出させることができ、
良好な品質を得ることができる。
【0023】さらに、中子材のコーナー及び内筒のスリ
ットのコーナーに面取り部が形成されると、内筒及び外
筒間で応力集中が起こるおそれがなく、耐久性を高める
ができ、再利用に十分耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によって得られた燃焼室
を適用したロケットエンジンを示す概略図である。
【図2】 内筒の一部を示す拡大説明図である。
【図3】 内筒のスリットに中子を充填した状態を示す
説明図である。
【図4】 内筒の外面に外筒を電気鋳造によって析出し
た説明図である。
【図5】 中子を溶解して除去させた説明図である。
【符号の説明】
10…燃焼室 11…内筒 12…スリット 13…外筒 14…中子材 14′…流通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保山 且也 福岡県北九州市八幡西区夕原町8−2 ア ドバンストスペーステクノロジー株式会社 内 (72)発明者 内藤 雅記 福岡県北九州市八幡西区夕原町8−2 ア ドバンストスペーステクノロジー株式会社 内 (72)発明者 児玉 修一 東京都西多摩郡瑞穂町殿ケ谷229番地 石 川島播磨重工業株式会社瑞穂工場内 (72)発明者 石川 康弘 東京都西多摩郡瑞穂町殿ケ谷229番地 石 川島播磨重工業株式会社瑞穂工場内 (72)発明者 東野 和幸 東京都西多摩郡瑞穂町殿ケ谷229番地 石 川島播磨重工業株式会社瑞穂工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外面に複数のスリットを有する内筒の外
    面に、外筒を設けてなる液体ロケットエンジンにおける
    燃焼室の製造方法において、 内筒のスリットに中子材を充填し、次いで、その内筒の
    外面に電気鋳造によって外筒を形成した後、前記中子材
    を溶解しかつ除去して燃焼室を形成することを特徴とす
    る液体ロケットエンジンにおける燃焼室の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記中子材は、導電材料からなることを
    特徴とする請求項1に記載の液体ロケットエンジンにお
    ける燃焼室の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記中子材のコーナー及び内筒のスリッ
    トのコーナーに面取り部を有していることを特徴とする
    請求項1に記載の液体ロケットエンジンにおける燃焼室
    の製造方法。
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