JP2002302658A - 粘着テープ基材及び粘着テープ - Google Patents

粘着テープ基材及び粘着テープ

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JP2002302658A
JP2002302658A JP2001111591A JP2001111591A JP2002302658A JP 2002302658 A JP2002302658 A JP 2002302658A JP 2001111591 A JP2001111591 A JP 2001111591A JP 2001111591 A JP2001111591 A JP 2001111591A JP 2002302658 A JP2002302658 A JP 2002302658A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性を有するとともに手切れ性が良好であ
り、耐熱性、生産性に優れ、且つ粘着テープとしての展
開性にも優れた、粘着テープ基材及び粘着テープを提供
すること。 【解決手段】 MFR(メルトフローレート)20g/
10分以上のプロピレン系樹脂50〜99重量%及ビニ
ル芳香族系エラストマー50〜1重量%を含有するポリ
プロピレン系樹脂組成物よりなり、一面がエンボス面か
ら形成され、他面が凹凸面から形成された粘着テープ基
材を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着テープ基材及
び粘着テープに関する。特に、耐熱性があって柔軟性に
も優れ、基材に特定の凹凸面を形成することにより良好
な手切れ性を発揮できる粘着テープに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】粘着テープの幅方向に設けられた多数の
凹溝を有する、ポリオレフィン系樹脂フィルム基材に粘
着剤層を設けることにより、良好な手切れ性を付与した
粘着テープが開示されている(特開平3−47885号
公報)。この粘着テープは、一面が平滑面からなり、他
面が幅方向に多数の凹溝が設けられた非平滑面からなる
ポリオレフィン系樹脂フィルム基材の非平滑面に粘着剤
層を形成することにより得られ、手切れ性はこの幅方向
に形成された凹溝により発現する。
【0003】上記公報に開示された粘着テープでは、ポ
リオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン又はプロピレンとブテン−1などのα
−オレフィンとの共重合体が記載されているが、実施例
にはポリエチレン樹脂が記載されているのみであり、樹
脂のMFRも0.2〜20g/10分に限定されてい
る。
【0004】上記粘着テープにおいて、基材のポリオレ
フィン樹脂として低密度ポリエチレンや線状低密度ポリ
エチレンを用いると、樹脂の融点が低いため、基材に粘
着剤を塗布した後の乾燥温度を高くすることができず、
その結果乾燥工程での時間がかかり過ぎるため、生産性
が悪くなる。さらに、基材フィルムの幅方向に収縮が起
こる恐れがあり、品質上から問題があった。
【0005】そこで、融点の比較的高い高密度ポリエチ
レンやポリプロピレンを使用すると、粘着剤塗布工程で
の生産性向上は可能であるが、これらの樹脂単独では柔
軟性が劣るため、粘着テープとして使用する場合は曲面
追従性に問題があった。さらに、上記公報に記載された
樹脂のMFR範囲では、製膜時にフィルムの流れ方向に
配向が起こるため、粘着テープの手切れ性を損なう恐れ
があった。また、この粘着テープは平滑なゴムロールを
使用して製膜することが記載されているため、平滑面を
有する基材しか得られず、粘着剤塗布後の粘着テープ展
開が困難になるという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するものであり、その目的は、耐熱性に優れて生
産性を向上でき、柔軟性が良好で曲面追従性に優れ、基
材表面に特定の加工を施すことにより、粘着テープとし
ての展開性と手切れ性に優れた粘着テープ基材及び粘着
テープを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の粘着テープ基材
は、MFR20g/10分以上のプロピレン系樹脂50
〜99重量%及びビニル芳香族系エラストマー50〜1
重量%からなるポリオレフィン系樹脂組成物より形成さ
れてなる粘着テープ基材である。また、本発明の粘着テ
ープ基材は、一方の表面が幅方向に向かう多数の凹溝が
設けられた凹凸面となされ、他方の表面がRa1.5μ
m以上のエンボス面となされていることを特徴とするも
のである。更に、本発明の粘着テープは、本発明の粘着
テープ基材に粘着剤層が設けられてなる粘着テープであ
り、特に、粘着テープ基材の凹凸面に粘着剤層が設けら
れてなる粘着テープである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
粘着テープ基材には、MFR20g/10分以上のプロ
ピレン系樹脂50〜99重量%及びビニル芳香族系エラ
ストマー50〜1重量%を含有するポリオレフィン系樹
脂組成物からなるフィルムが用いられる。上記プロピレ
ン系樹脂としては、ホモ又はランダムポリプロピレンが
好ましい。
【0009】上記プロピレン系樹脂のMFRは、20g
/10分以上であって、好ましくは20〜30g/10
分とされる。MFRが20g/10分より小さくなる
と、基材フィルムが流れ方向に配向し易くなって手切れ
性が悪化する。MFRが30g/10分より大きくなる
とドローレゾナンス発生がし易くなり、厚み精度のよい
基材フィルムが得られ難くなる。上記MFRはJIS
K 6758に準拠して測定される値であり、以下につ
いても同様である。
【0010】上記プロピレン系樹脂としては、プロピレ
ンから誘導される高分子主鎖を主成分とする汎用の重合
体であって、プロピレンの単独重合体、プロピレンと他
のα−オレフィンとの共重合体であるランダムポリプロ
ピレンが用いられる。上記α−オレフィンとしては、炭
素数2及び4〜10の直鎖状あるいは分岐状のα−オレ
フィンが好ましく、具体的には、エチレン、1−ブテ
ン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ネオヘ
キセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等が
例示される。これらα−オレフィンは1種又は2種以上
が併用されてよく、その共重合量は好ましくは4重量%
以下である。α−オレフィンの共重合量が多すぎると、
高温時における寸法安定性が劣るようになり、粘着剤塗
工時の乾燥の際に収縮が発生し易くなる。上記ポリプロ
ピレン系樹脂は単独で用いられてもよいし、2種以上が
併用されてもよい。
【0011】上記ビニル芳香族系エラストマーとして
は、一般式X−(Y−X)m 又は(Y−X)n 〔式中、
Xはビニル芳香族化合物重合体ブロック、Yは共役ジエ
ン重合体ブロックをそれぞれ表し、m,nは1以上の整
数を示す〕で表されるブロック共重合体、又はY部分に
少量のビニル芳香族化合物がランダム共重合されてなる
ランダム共重合体が用いられる。
【0012】上記ビニル芳香族化合物としては、スチレ
ン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン等が例示で
きるが、特にスチレン、α−メチルスチレンが好まし
い。
【0013】上記共役ジエンとしては、1,3−ブタジ
エン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジ
エン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペ
ンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル
−1,3−オクタジエン等が例示できるが、特に1,3
−ブタジエン、イソプレンが好ましく、これらの混合物
であってもよい。
【0014】上記ビニル芳香族系エラストマーとして
は、上記ブロック共重合体もしくはランダム共重合体の
水素添加物、又はこの水素添加物と同様の構造を有する
重合体であってもよく、特に、水素添加スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体もしくはランダム共重合体、水
素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体もしくは
ランダム共重合体が好ましい。上記ブタジエン又はイソ
プレンをモノマー成分とする共重合体では、1,2結合
又は3,4結合の割合が25%以上のものが好ましく、
50%以上のものが特に好ましい。
【0015】上記ポリオレフィン系樹脂組成物における
プロピレン系樹脂とビニル芳香族系エラストマーの含有
比率は、プロピレン系樹脂50〜99重量%及びビニル
芳香族系エラストマー50〜1重量%である。プロピレ
ン系樹脂が上記範囲より多くなると良好な柔軟性が得ら
れず、ビニル芳香族系エラストマーが上記範囲より多く
なると手切れ性に悪影響を及ぼすことがある。
【0016】本発明において、上記ポリオレフィン系樹
脂組成物として、長鎖分岐を有するポリプロピレンを含
有し、MFRが20g/10分以上であるポリプロピレ
ン系樹脂と、上記ビニル芳香族系エラストマーを含有し
てなる樹脂組成物を用いることができる。
【0017】プロピレン系樹脂中における長鎖分岐を有
するポリプロピレンの含有量は3重量%以上が好まし
い。含有量が3重量%より少なくなると、長鎖分岐を有
するポリプロピレン添加の効果が得られ難くなる。
【0018】長鎖分岐を有するポリプロピレンは、汎用
のプロピレン系樹脂に比べて高い溶融張力(伸長粘性)
を持っており、このポリプロピレンを汎用のプロピレン
系樹脂に含有させることにより、基材フィルムの耐熱性
を損なうことなく、高MFRのポリプロピレンを製膜す
る際に、ドローレゾナンスを防止できるとともにネック
インを制御できるため、基材フィルムの製膜性を格段に
向上させることができ、寸法安定性のより優れた基材フ
ィルムを得ることができる。
【0019】即ち、本発明においては、使用できるプロ
ピレン系樹脂のMFRを20〜50g/10分にまで広
げることが可能となる。もっとも、長鎖分岐を有するポ
リプロピレンは多量に配合すると経済的に不利となるの
で、上限は適宜決定されればよい。
【0020】上記長鎖分岐を有するポリプロピレンのM
FRは、5〜50g/10分が好ましい。使用量にもよ
るが、MFRが5g/10分より小さくなると、基材フ
ィルムの流れ方向に配向を生じて手切れ性が悪くなった
り、MFRが50g/10分より大きくなると、目的と
する効果が得られ難くなったりする場合がある。
【0021】長鎖分岐を有するポリプロピレンの製造方
法としては、例えば、特開平2−69533号公報に開
示されているように、不活性ガス雰囲気中で直鎖状のプ
ロピレン単独重合体を電離放射線で処理した後に、高温
でエージングして製造する方法が挙げられる。このよう
な一連の操作により、ポリプロピレン分子鎖中に生じた
遊離基が反応制御された状態で再結合し、ポリプロピレ
ン主鎖に長鎖の分岐を形成する。このような方法で製造
された長鎖分岐を有するポリプロピレンの市販品として
は、例えば、モンテル・エスディーケイ・サンライズ社
製「HMS」が挙げられる。
【0022】本発明においては、ポリオレフィン系樹脂
組成物100重量部に対して、結晶核剤0.005〜
0.1重量部が好ましく配合される。結晶核剤を配合す
ることにより、乾燥工程における加熱時の基材フィルム
の収縮をより効果的に防止できる。
【0023】結晶核剤としてはポリプロピレン系樹脂に
対して造核作用を有するものであればよく、例えば、安
息香酸のNa塩やK塩、p−t−ブチル安息香酸Al塩
等の有機カルボン酸の金属塩;ジベンジリデンソルビト
ール、ジベンジリデンキシリドール、ジベンジリデンパ
セイトール、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジ
リデンマンニトール、1・3,2・4−ジ(アルキルベ
ンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(アル
コキシベンジリデン)ソルビトール、アルキル置換ジベ
ンジリデンソルビトール等のベンズアルデヒド及びその
環置換体と多価アルコールとの縮合物;ビニルシクロヘ
キサン、ビニルシクロペンタン等のビニルシクロアルカ
ン類、3−メチルブテン−1、4,4−ジメチルペンテ
ン−1、4,4−ジメチルヘキセン−1、3,3−ジメ
チルブテン−1、3−メチルペンテン−1、3−メチル
ヘキセン−1、3,5,5−トリメチルヘキセン−1、
インデン、アルキル置換スチレン等を重合して得られる
高分子核剤等を例示することができる。
【0024】結晶核剤の含有量が下限を下回ると、基材
フィルムの加熱による一層の収縮防止効果が期待でき
ず、逆に過剰に配合されると、フィルムの剛性が大きく
なって柔軟性を損なうことになる。
【0025】上記ポリオレフィン系樹脂組成物には、こ
の他に必要に応じて、顔料等の着色剤、酸化防止剤、分
散剤、充填剤、帯電防止剤等が添加されてもよい。
【0026】本発明の粘着テープ基材は上記ポリオレフ
ィン系樹脂組成物を製膜することによって得られるもの
であるが、幅方向の手切れ性を付与するため、その一方
の面の幅方向(フィルムの流れ方向に直交する方向)に
に向かう多数の凹溝を有する凹凸面が形成されるのが好
ましい。凹溝の形状は手切れ性が発現できるような構造
であれば特に限定されないが、例えば、長手方向に略直
交する略直線状に形成されたものが好ましく挙げられ
る。この場合、凹溝はその深さが20〜500μm、そ
の最薄部の厚みが10〜100μm、隣接する凹溝同士
の間隔が0. 3〜5mm程度であることが手切れ性に対
して効果的である。
【0027】凹溝の深さが20μm未満になると手切れ
性を確保するために基材フィルムの厚みを薄くする必要
があり、基材の引張強度が実用に耐えなくなる。逆に5
00μmを超えると粘着剤塗工後に気泡が残り易くな
る。また、凹溝におけるフィルムの最も薄い部分の厚さ
が10μm未満になるとフィルムの強度が低下して破断
し易くなり、100μmを超えると手切れ性が悪くな
る。更に、凹溝同士の間隔が下限を下回ると凹凸加工が
困難となり、逆に上限を超える場合には手切れできる場
所が制約を受けることになる。
【0028】上記凹凸面には粘着剤との密着性を向上さ
せるために、濡れ表面張力が30dyn/cm以上とな
るように表面処理が施されるのが好ましい。表面処理と
しては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、
フレーム処理、サンドブラスト処理、プライマー処理等
が挙げられる。濡れ表面張力が30dyn/cm未満の
場合は、粘着剤との密着力が不足して粘着剤層が剥離し
やすくなる。コロナ放電処理の場合は、50dyn/c
mを超えるような処理を行うと、エンボス加工面とエン
ボスロールとの間で放電が発生し、放電がフィルムを貫
通(裏抜け)し易くなるので好ましくない。
【0029】本発明の粘着テープ基材の他方の面には、
Raが1. 5μm以上のエンボス加工が施されるのが好
ましい。エンボス加工がなされなかったり、Raの値が
1.5μm未満の場合は、巻重体となされた粘着テープ
の展開性が低下しがちである。ここで、上記RaはJI
S B 0601に準拠して、カットオフ値0. 8m
m、評価長さ5mmに設定して測定した値である。
【0030】上記基材フィルムの製膜方法としては、通
常のプラスチック成形法が採用可能であるが、好ましく
は押出成形法が採用される。そして、半溶融状態の基材
フィルムを、表面に凹凸を有する金属ロールと、表面を
粗面化したゴムロールとで挟圧しながら冷却しつつ引き
取ることにより、片面に凹凸を付与し、他面をエンボス
面とすることができる。
【0031】本発明の粘着テープは、上記粘着テープ基
材に粘着剤層を形成することにより得られる。特に、基
材の凹凸面に粘着剤層を形成することにより優れた手切
れ性を有する粘着テープとすることができる。粘着剤と
しては、例えば、アクリル系粘着剤、ビニルエーテル系
粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤等汎用の粘
着テープに使用されているものが挙げられる。また、粘
着剤の形態については、溶剤型、エマルジョン型、ホッ
トメルト型等のいずれの形態であっても使用可能であ
る。
【0032】上記粘着テープ基材に粘着剤層を設ける方
法としては、塗布ロール等により粘着テープ基材に直接
塗布する方法;一旦剥離紙に塗布乾燥して形成した粘着
剤層を粘着テープ基材に転写する方法等、従来公知の方
法が採用可能であるが、粘着剤と基材との密着力に優
れ、凹溝に気泡が残存しにくい、生産性に優れる等の利
点を有する前者の方法が好ましい。上記粘着剤層は乾燥
後の塗布量が20〜50g/m2 となるように塗布する
ことが好ましい。塗布量が20g/m2 未満になると、
粘着剤が凹溝に埋没してしまい、凸部より低くなる場合
があり、粘着力が不安定になり易い。
【0033】上記粘着テープのエンボス面には、必要に
応じて離型処理が施されてもよい。離型処理には、シリ
コーン系離型剤、非シリコーン系離型剤等公知の離型剤
が用いられる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明の態
様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。 (実施例1〜3、比較例1〜4)表1に示した所定量の
プロピレン系樹脂及びビニル芳香族系エラストマーをド
ライブレンドした樹脂組成物を、シリンダ温度210〜
230℃の押出機に供給して混練した後230℃の溶融
樹脂をフィルム状に押出し、幅方向に向かう凹溝が形成
可能な表面を有する金属ロールにて凹凸加工を施し、一
面に深さ80μmの凹溝が1mm間隔で設けられた凹凸
面を形成すると同時に、他面には不規則な凹凸が形成さ
れるように、表面を荒らしたゴム製のタッチロールに
て、Raが1.6μmとなるように引き取りながら押圧
冷却することによりエンボス面を形成し、最大厚み12
0μmのフィルムを製膜した。更に、このフィルムの凹
凸面に表面濡れ張力が45dyn/cmとなるようコロ
ナ放電処理を施して粘着テープ基材を得た。次に、この
粘着テープ基材の凹凸面に、ブチルアクリレート80重
量部及び2−エチルヘキシルアクリレート20重量部を
主成分とするアクリル系粘着剤を、乾燥後の塗布量が3
5g/m2 となるように塗工機で塗工し、80℃で4分
間乾燥した後巻き取り、25mm幅に切断して粘着テー
プの巻重体を得た。
【0035】(比較例5)低密度ポリエチレン(MFR
=7g/10分、密度0.927g/cm3 )70重量
部及び高密度ポリエチレン(MFR=10g/10分、
密度0.960g/cm3 )30重量部をドライブレン
ドした樹脂組成物を、シリンダ温度190〜220℃で
混練した後、220℃で溶融押出して成形したフィルム
を用いたこと以外は実施例11と同様にして粘着テープ
の巻重体を得た。
【0036】(比較例6)表面が粗面なゴムロールに代
えて、表面が平滑なゴムロールを用い、Raを0.5μ
mとしたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープ
の巻重体を得た。
【0037】上記実施例及び比較例で得た粘着テープ基
材及び粘着テープについて、下記項目の性能評価を行
い、その結果を表1に併せて示した。
【0038】(1)製膜性 粘着テープ基材の押出成形時において、押出量変動や引
取不良がなく良好な粘着テープ基材が得られたものを
○、押出量変動や引取不良が発生したものを×で示し
た。
【0039】(2)幅方向の寸法収縮 粘着剤塗工前の1300mm幅の粘着テープ基材が、粘
着剤塗工後及び乾燥後において収縮した幅方向の長さ
(mm)を示した。
【0040】(3)弾性率 JIS K 7113に準拠して粘着テープ基材の幅方
向について測定した。尚、粘着テープ基材の厚みは幅方
向の最大厚みを採用した。
【0041】(4)曲面追従性 図1に示した断面形状を有する支持体1(a=80m
m、b=80mm、c=160mm、h=40mm)の
表面に、図2に示すように粘着テープ6を接着し、コー
ナー部2、3、4及び5における接着追従性を観察して
次の基準で評価した。 ○:コーナー部に追従してしわなく接着可能 △:凹部に少ししわが残る ×:しわが残る
【0042】(5)手切れ性 粘着テープを幅方向に手で引き裂き、幅方向の凹溝に沿
って手切れするものを合格とし、100回の手切れ操作
の繰り返しで90回以上が合格であったものを○、70
〜89回が合格であったものを△、69回以下が合格で
あったものを×で示した。
【0043】(6)展開力 粘着テープの巻重体を巻きほぐし試験機で展開し、25
mm幅当たりの展開力を測定した。
【0044】
【表1】
【0045】(実施例4〜7、比較例7〜9)表2に示
した組成としたこと以外は実施例1と同様にして粘着テ
ープの巻重体を得、実施例1と同様の項目の性能評価を
行い、その結果を表2に併せて示した。
【0046】
【表2】
【0047】(実施例8〜12)表3に示した組成とし
たこと以外は実施例1と同様にして粘着テープの巻重体
を得、実施例1と同様の項目の性能評価を行い、その結
果を表3に併せて示した。
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】本発明の粘着テープ基材は叙上の通り、
MFRが20g/10分以上のポリプロピレン系樹脂5
0〜99重量%と、ビニル芳香族系エラストマー50〜
1重量%とからなるポリオレフィン系樹脂組成物より形
成されるので、柔軟性、耐熱性、製膜性が優れている。
また、ポリプロピレン系樹脂として、長鎖分岐を有する
ポリプロピレン樹脂を3重量%以上含有し、MFRが2
0g/10分以上であるポリプロピレン系樹脂を使用す
ることにより、柔軟性、耐熱性、製膜性が一層改善され
る。更に、結晶核剤を配合することにより、乾燥工程に
おける加熱時の基材フィルムの収縮をより効果的に防止
できる。また、上記粘着テープ基材の一方の面の幅方向
(フィルムの流れ方向に直交する方向)に多数の凹溝を
有する凹凸面を形成することにより、フィルム基材の樹
脂組成と相まって優れた手切れ性を付与することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】曲面追従性の評価において使用される支持体の
形状を示す模式断面図である。
【図2】支持体1に粘着テープ6を接着した状態を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1:支持体 2,3,4,5:コーナー部 6:粘着テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53:02) C08L 25:10 (C08L 23/10 25:10) Fターム(参考) 4F100 AK07A AK11A AK12A AK25 AK28A AL01A AL02A AL03A AL05A AL09A AR00B BA02 DD01 DD07 EH462 EJ391 HB21 JA06A JL13B YY00A 4J002 AC082 BB121 BP012 EA026 EG076 EL106 GJ01 4J004 AA05 AA08 AA10 AA11 AA18 AB03 CA04 CB03 CC05 CD08 CD10 CE02 FA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MFR(メルトフローレート)が20g
    /10分以上のプロピレン系樹脂50〜99重量%と、
    ビニル芳香族系エラストマー50〜1重量%とからなる
    ポリオレフィン系樹脂組成物より形成されてなる粘着テ
    ープ基材。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂が、長鎖分岐を有
    するポリプロピレンを3重量%以上含有してなる請求項
    1記載の粘着テープ基材。
  3. 【請求項3】 ビニル芳香族系エラストマーが、スチレ
    ンと共役ジエンとのブロック共重合体もしくはランダム
    共重合体の水素添加物からなる請求項1又は2記載の粘
    着テープ基材。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン系樹脂組成物100重量
    部に対して、結晶核剤0.005〜0.1重量部が含有
    されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の粘着テープ
    基材。
  5. 【請求項5】 一方の表面が幅方向に向かう多数の凹溝
    が設けられた凹凸面となされ、他方の表面がRa(算術
    平均粗さ)1.5μm以上のエンボス面となされている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘着
    テープ基材。
  6. 【請求項6】 凹凸面が、長手方向に略直交する略直線
    状に設けられた多数の凹溝から形成されており、凹溝は
    その深さが20〜500μm、その最薄部の厚みが10
    〜100μmであって、隣接する凹溝同士の間隔が0.
    3〜5mmであり、表面濡れ張力が30dyn/cm以
    上となるように表面処理が施されてなる請求項1〜5の
    いずれかに記載の粘着テープ基材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の粘着テ
    ープ基材に粘着剤層が設けられてなる粘着テープ。
  8. 【請求項8】 請求項5又は6に記載の粘着テープ基材
    の凹凸面に粘着剤層が設けられてなる粘着テープ。
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