JP2002302648A - 絶縁膜形成用塗料、及びそれを用いたプラズマディスプレイパネルとその製造方法 - Google Patents

絶縁膜形成用塗料、及びそれを用いたプラズマディスプレイパネルとその製造方法

Info

Publication number
JP2002302648A
JP2002302648A JP2001294941A JP2001294941A JP2002302648A JP 2002302648 A JP2002302648 A JP 2002302648A JP 2001294941 A JP2001294941 A JP 2001294941A JP 2001294941 A JP2001294941 A JP 2001294941A JP 2002302648 A JP2002302648 A JP 2002302648A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating film
forming
display panel
plasma display
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001294941A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002302648A5 (ja
JP3979813B2 (ja
Inventor
Tomohiro Hayashi
智裕 林
Tatsuo Mifune
達雄 三舩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001294941A priority Critical patent/JP3979813B2/ja
Publication of JP2002302648A publication Critical patent/JP2002302648A/ja
Publication of JP2002302648A5 publication Critical patent/JP2002302648A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3979813B2 publication Critical patent/JP3979813B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被塗布面との濡れ性が良く、焼成後にボイド
やピンホールを発生しない絶縁膜形成用塗料、及び該塗
料を用いて誘電体層を形成したプラズマディスプレイパ
ネルとその製造方法を提供する。 【解決手段】 ガラス基板などのガラス化合物、Ag電
極などの金属化合物、ITO膜などのセラミックス化合
物のいずれとも濡れ性が良く、前記各無機材料との接触
角が5°未満である有機溶剤と、無機微粒子及びバイン
ダー樹脂とを必須成分として含有する絶縁膜形成用塗料
とする。これにより、ガラス基板、Ag電極、ITO膜
のいずれとも濡れ性が良く、ボイドやピンホールを発生
しない絶縁膜形成用塗料を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、プラズマディスプレイ
パネル、プラズマアドレス液晶ディスプレイまたは電子
放出素子を用いた画像形成装置に形成される絶縁膜に用
いられる絶縁膜形成用塗料、及びそれを用いて、背面板
上のアドレス電極保護膜や隔壁、または表面板上の誘電
体層を形成したプラズマディスプレイパネルに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の重くて大きいブラウン管に変わる
画像形成装置として、薄くて軽い平面型のディスプレ
イ、いわゆるフラットパネルディスプレイ(FPD)の
需要が高まっている。FPDとして代表的なものに液晶
ディスプレイ(LCD)が挙げられるが、画像が暗い、
視野角が狭い、大面積化が困難などの課題が残ってい
る。そこで、近年ではプラズマディスプレイパネル(P
DP)、電子放出素子を用いた画像形成装置などが注目
を浴びており、LCD以上の高精細化、大型化が可能で
あることから、その需要はますます高まっている。
【0003】図1は、PDPの構造図(断面図)の一例
を示している。 以下、図1を用いてPDPの表示原理
を説明する。
【0004】表面ガラス基板1に設けられた2つの表示
電極3の間でプラズマを放電させることにより発生した
紫外線は、背面ガラス基板2上の隔壁9によって隔てら
れた蛍光体6を励起し、可視光を発生させる。発生した
可視光は、MgO膜10、表面誘電体層7、前面ガラス
基板1を透過して映像となって表示される。このとき、
背面ガラス基板2に設けられたアドレス電極5に信号を
印加し、どの放電セルを表示させるかを指定すること
で、映像を所要の画像とすることができる。
【0005】プラズマを発生及び維持させるためには、
各電極間の絶縁を確保する必要があり、表面誘電体層7
は、その絶縁効果を付与するために設けられている。表
面誘電体層7は、主にSiなどの元素を含んだガラス粉
末からなる無機微粒子を、樹脂などと共に有機溶媒中に
分散させて得られた塗料を塗布して乾燥し、続いて焼成
することで得られる。乾燥段階では溶媒である有機溶媒
が気化し、焼成段階では樹脂が気化すると共に、ガラス
粉末が溶解して互いに結合する。そして、焼成後に冷却
してガラス膜となることで、表面誘電体層7は形成され
る。
【0006】また、背面ガラス基板2においても、アド
レス電極5の保護膜としての背面誘電体層8があり、表
面誘電体層7と同様にして作製される。
【0007】表面誘電体層7及び背面誘電体層8には通
常ガラスの絶縁膜が用いられるが、例えば、特開200
0−16835号公報では、前面ガラス基板および背面
ガラス基板表面に形成する保護膜としての薄膜の絶縁膜
と、両ガラス基板上の電極を被覆する形の厚膜の絶縁膜
とを形成するための塗料として、平均粒子径が0.3〜
1.5μm、最大粒子径が10μm以下であるガラス粉
末70〜95質量%と有機成分5〜30質量%を含む絶
縁ペーストの使用が提案されている。
【0008】また、蛍光体6は、R(レッド)、G(グ
リーン)、B(ブルー)の3色から構成されており、各
色が混ざり合わないようにするために、隔壁9が設けら
れている。隔壁9は、表面誘電体層7や背面誘電体層8
と同様に、主にSiなどの元素を含んだガラス粉末から
なる無機微粒子を、樹脂などと共に有機溶媒中に分散さ
せて得られた塗料を塗布して乾燥し、所望のパターンに
露光・現像する(フォトリソグラフィー法)、もしくは
Zrなどの微粒子を衝突させて所望のパターンを削りだ
す(サンドブラスト法)などの方法によって得られる。
【0009】一方、電子放出素子としては、大別して熱
陰極電子放出素子と冷陰極電子放出素子の2種類が知ら
れており、近年では、待機電力が不必要であり、高電流
密度が可能な冷陰極電子放出素子による画像形成装置が
注目されている。冷陰極電子放出素子としては、電解放
出型(FE型)、金属/絶縁層/金属(MIM型)など
がある。冷陰極電子放出素子を用いた画像形成装置は、
電子放出素子から放出される電子ビームを蛍光体に照射
して蛍光を発生させることにより、画像を表示させる。
【0010】このような冷陰極電子放出素子を用いた画
像形成装置においても、プラズマディスプレイパネルと
同様に、ガラス化合物による絶縁膜が使用されている。
例えば、背面ガラス基板には、複数の電子放出素子とそ
れらの素子を接続するためのマトリックス状の配線が設
けられている。これらの配線は、X方向及びY方向に設
置され、電子放出素子の電極の部分で交差するが、この
交差部において両者を絶縁するために帯状の絶縁膜を必
要としている。このような層間絶縁膜は、例えば酸化鉛
を主成分とするガラス化合物を用いて、膜厚10〜10
0μm、好ましくは20〜50μmで形成される。
【0011】例えば、特開平9−283060号公報で
は、絶縁膜の下に下配線を形成した後、それに直交する
形で帯状の絶縁膜を設置し、その絶縁膜の上に上配線を
形成している。
【0012】従って、電子放出素子を用いた画像形成装
置においても、上記プラズマディスプレイパネルと同様
に絶縁膜を必要とし、その絶縁膜は、電気的絶縁性の発
揮や保護膜として遮蔽効果の発現などの機能を有する必
要がある。これらは通常、真空蒸着法、スパッタ法ある
いは塗布法などによって形成される。
【0013】ところが、真空蒸着法やスパッタ法のよう
な真空を必要とする工法は、高価な製造設備が必要であ
ることが問題であり、特に上記のような大面積化を目指
すFPDの場合では、ますます製造コストの負担が大き
くなる。従って、FPDにおける絶縁膜形成方法として
は、スクリーン印刷法やダイコート法などの安価な塗布
法が多用されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塗布法
においては、絶縁膜形成用塗料の特性が最適化されてい
ないと、ボイドやピンホールなどの欠陥が発生してしま
い、所望の絶縁効果を有する膜を得ることは困難であ
る。ボイドやピンホールの発生には、異物混入や気泡混
入などが要因として考えられるほか、絶縁膜形成用塗料
を構成する溶媒の被塗布面に対する濡れ性が大きな要因
として考えられる。
【0015】溶媒の被塗布面に対する濡れ性が悪い場
合、ハジキやそれに伴う空隙の発生が起こり、絶縁膜が
不均一化されてしまって、所望の絶縁効果を得られな
い。また、被塗布面表面に凹凸が存在する場合には、ハ
ジキや空隙発生の起こる確率は増加する。更にガラス上
にAgがストライプ状に設けられているなど、被塗布面
が異なる2種以上の材料で形成されている場合には、も
っと顕著にハジキや空隙発生が生じてしまう。その結
果、絶縁膜はより不均一化し、絶縁膜が他個所より薄い
部分が生じてしまい、所望の絶縁効果を得られなくな
る。
【0016】従来の絶縁膜形成用塗料を構成する溶媒と
しては、α−テルピネオールやブチルカルビトールアセ
テートが一般的に用いられているが、これらはガラスと
の濡れ性が良くなく、塗料のハジキや、それに伴うボイ
ドやピンホール、剥がれなどの原因となっていた。
【0017】したがって、所望の絶縁効果を得るため
に、従来の絶縁膜形成用塗料においては、無機成分、特
にガラス粉末の組成に着目してその焼成特性をコントロ
ールしたものが多く、塗料を構成するために必要な、分
散媒としての溶媒の組成に着目し、被塗布面との濡れ性
をコントロールしたものはない。
【0018】そこで、本発明は、上記従来技術の問題点
を解決するため、被塗布面との濡れ性が良く、焼成後に
ボイドやピンホールを発生しない絶縁膜形成用塗料を提
供することを目的とする。また、本発明は、上記本発明
の絶縁膜形成用塗料を用いて、表面ガラス基板や背面ガ
ラス基板の誘電体層、および背面ガラス基板の隔壁を形
成したプラズマディスプレイパネル、及びそれらの製造
方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため、絶縁膜形成用塗料のガラス基板、IT
O(indium tin oxide)膜、Ag電極等への作用形態を
最善な状態にし、塗工性や塗膜特性を改良する方法につ
いて研究を行った。その結果、塗料を構成する溶媒とし
て、ガラス基板、ITO膜、Ag電極等の無機材料に対
する濡れ性の良好なものを用いることにより、塗料と被
塗布面の間のハジキ、塗膜のボイド、ピンホールが発生
しにくく、塗料と被塗布面の接着不良による剥がれが起
こらないので、プラズマディスプレイパネルの表面ガラ
ス基板の誘電体層等の形成に用いることにより、耐電圧
の高いプラズマディスプレイパネルが高歩留まりで得ら
れることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0020】したがって、本発明の絶縁膜形成用塗料
は、ガラス化合物、セラミック化合物及び金属化合物か
ら選ばれた少なくとも1種の無機材料上に絶縁膜を形成
するための塗料であって、無機微粒子(a)と、バイン
ダー樹脂(b)と、前記無機材料に対する接触角が5°
未満である溶媒(c)とを必須成分として含有すること
を特徴とする。
【0021】前記絶縁膜形成用塗料においては、前記無
機材料が、ガラス化合物、セラミックス化合物及び金属
化合物を全て含む材料であることが好ましく、本発明の
塗料は、かかる無機材料に対して特に優れた効果を発揮
する。より具体的には、前記ガラス化合物はガラス基板
であり、前記セラミックス化合物はITO膜であり、前
記金属化合物は金属電極である。
【0022】また、本発明の絶縁膜形成用塗料において
は、前記溶媒(c)が、ジエチルカルビトール、ジプロ
ピレングリコール−n−プロピルエーテル、トリプロピ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチルセロソル
ブ、カルビトールアセテート、ジブチルセロソルブ及び
プロピレングリコールジアセテートから選ばれた少なく
とも1種の溶媒を50質量%以上含有することが好まし
い。本溶媒を用いることにより、無機材料に対する塗料
の濡れ性が良好となる。
【0023】また、本発明の絶縁膜形成用塗料において
は、前記溶媒(c)が、ジエチルカルビトール、ジプロ
ピレングリコール−n−プロピルエーテル、トリプロピ
レングリコールモノメチルエーテル及びジエチルセロソ
ルブから選ばれた少なくとも1種の溶媒を50質量%以
上含有することが好ましい。本溶媒を用いることによ
り、基板上に汚れが付着している場合でも、ガラス基板
や電極への濡れ性を均一化することができる。
【0024】さらに、前記溶媒(c)は、ジエチルカル
ビトール、ジプロピレングリコール−n−プロピルエー
テル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル及
びジエチルセロソルブから選ばれた2種以上の溶媒を含
有することが、より好ましい。これにより、塗膜のボイ
ド、空隙の発生がより一層抑制され、耐電圧特性が一層
向上する。
【0025】また、本発明の絶縁膜形成用塗料において
は、前記無機微粒子(a)は、SiO2、ZnO、B2
3、PbO、Bi23、BaO、P25、CaO、Sr
O及びMgOから選ばれた少なくとも1種が好ましく用
いられる。
【0026】また、本発明の絶縁膜形成用塗料において
は、前記バインダー樹脂(b)は、セルロース系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール及びポリビニル
ブチラールから選ばれた少なくとも1種が好ましく用い
られる。
【0027】また、本発明の絶縁膜形成用塗料において
は、前記無機微粒子(a)を10〜95質量%、前記バ
インダー樹脂(b)を1〜20質量%及び前記溶媒
(c)を4〜85質量%の割合で含有することが好まし
い。
【0028】前記本発明の絶縁膜形成用塗料は、プラズ
マディスプレイパネル、プラズマアドレス液晶ディスプ
レイ又は電子放出素子を用いた画像形成装置の絶縁膜と
して好ましく用いられる。この絶縁膜は、プラズマディ
スプレイパネル背面板上に形成されるアドレス電極保護
膜もしくは隔壁、又はプラズマディスプレイパネル表面
板上に形成される誘電体層として機能する。
【0029】次に、本発明のプラズマディスプレイパネ
ルの製造方法は、前記絶縁膜形成用塗料を、プラズマデ
ィスプレイパネル部材上に塗工し、焼成して前記部材上
に絶縁膜を形成することを特徴とする。
【0030】前記プラズマディスプレイパネルの製造方
法においては、前記部材が、アドレス電極が形成された
プラズマディスプレイパネル背面板であり、かつ前記絶
縁膜がアドレス電極保護膜であることが好ましい。
【0031】また、前記プラズマディスプレイパネルの
製造方法においては、前記部材がプラズマディスプレイ
パネル背面板であり、かつ前記絶縁膜が隔壁であること
が好ましい。
【0032】また、前記プラズマディスプレイパネルの
製造方法においては、前記部材が、表示電極が形成され
たプラズマディスプレイパネル表面板であり、かつ前記
絶縁膜が誘電体層であることが好ましい。
【0033】さらに、前記プラズマディスプレイパネル
背面板やプラズマディスプレイパネル表面板等の部材
は、紫外線洗浄処理が施されたものであることが好まし
い。これにより、ガラス基板上や電極上の有機性汚れを
除去できるので、ガラス基板や電極への塗料の濡れ性を
良くし、ハジキを抑制することができる。
【0034】次に、本発明のプラズマディスプレイパネ
ルは、前記絶縁膜形成用塗料を塗布してなる絶縁膜を備
えていることを特徴とする。
【0035】前記プラズマディスプレイパネルにおいて
は、前記絶縁膜がアドレス電極保護膜であることが好ま
しい。
【0036】また、前記プラズマディスプレイパネルに
おいては、前記絶縁膜が隔壁であることが好ましい。
【0037】また、前記プラズマディスプレイパネルに
おいては、前記絶縁膜が誘電体層であることが好まし
い。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0039】本発明の絶縁膜形成用塗料は、プラズマデ
ィスプレイパネル、プラズマアドレス液晶ディスプレ
イ、または電子放出素子を用いた画像形成装置におけ
る、絶縁膜の形成に好適に用いられるものである。
【0040】本発明の絶縁膜形成用塗料は、無機微粒子
(a)、該無機微粒子のバインダー樹脂(b)、及び該
バインダー樹脂を溶解する溶媒(c)、を必須成分とし
て含有する、無機材料上に絶縁膜を形成するための絶縁
膜形成用塗料であって、前記無機材料に対する接触角が
5°未満の溶媒を使用する。すなわち、本発明の絶縁膜
形成用塗料は、無機微粒子(a)からなる無機成分と、
前記無機成分のバインダーとしての樹脂(b)及び該樹
脂を溶解する溶媒(c)とを少なくとも含む有機成分と
から構成され、該溶媒の無機材料に対する接触角は5°
未満である。溶媒は、無機成分を分散しかつバインダー
樹脂を溶解するために用いられる。
【0041】本発明の絶縁膜形成用塗料は、被塗布面と
なる無機材料の所望の箇所に、所望の厚さで塗布され、
必要に応じて加工もしくはパターン形成した後、焼成さ
れ、有機成分が熱分解解除(脱バインダー)されて絶縁
膜となる。この絶縁膜形成用塗料の被塗布面に対する濡
れ性が悪い場合は、塗料と被塗布面の間でハジキが生
じ、塗膜でのボイドやピンホールの発生、さらには塗料
と被塗布面の接着不良による塗膜の剥がれなどが起こ
る。従って、ボイドやピンホールの発生、剥がれを防止
するためには、塗料の被塗布面への濡れ性が良いことが
重要である。また、塗料の被塗布面への濡れ性は、主に
塗料を構成する溶媒の被塗布面への濡れ性に影響される
ので、溶媒の被塗布面材料への濡れ性が良いことが必要
であり、この観点より、溶媒の無機材料に対する接触角
が5°未満であるのがよい。
【0042】ここで、接触角は、接触角測定装置等を用
いて、公知の方法により測定することができる。
【0043】また、本発明の絶縁膜形成用塗料は、プラ
ズマディスプレイパネルの背面板上にある隔壁の形成に
好ましく用いられる。この隔壁は通常、アドレス電極保
護膜としての背面誘電体層上に形成され、背面誘電体層
はガラス薄膜もしくはセラミックス薄膜からなる。した
がって、絶縁膜形成用塗料は、ガラス化合物及びセラミ
ックス化合物に対する濡れ性の良いことが必要であり、
特にガラス化合物およびセラミックス化合物に対する溶
媒の接触角が5°未満であることが好ましい。
【0044】絶縁膜形成用塗料を用いて隔壁をパターン
形成する方法は、特に限定されないが、例えば、スクリ
ーン印刷でパターニングを繰り返す方法や、スクリーン
印刷もしくはダイコート法などで全面塗布した後に、サ
ンドブラスト法でパターンを削りだす方法などがある。
ガラス化合物やセラミックス化合物に対する溶媒の接触
角が5°以上の場合は、被塗布面である背面誘電体層へ
の塗料の濡れ性が悪くなり、隔壁内に生じたボイドによ
り隔壁が崩れてしまったり、サンドブラストによる削れ
方が不均一になってしまったりするので好ましくない。
【0045】また、本発明の絶縁膜形成用塗料は、プラ
ズマディスプレイパネルやプラズマアドレス液晶ディス
プレイにおける誘電体層や保護膜、電子放出素子を用い
た画像形成装置における素子電極や、上下配線用の層間
絶縁膜の形成に好ましく用いられる。いずれも鉛ガラ
ス、青板ガラスなどのガラス基板と、そのガラス基板上
に形成された銀(Ag)などの金属電極や、ITO(in
dium tin oxide)などのセラミックス電極などの上で行
われる。その他、コントラスト向上のためにブラックス
トライプなどがガラス基板上にある場合もあるが、ブラ
ックストライプは主に酸化ルテニウムなどのセラミック
ス系黒色顔料と粉末ガラスの混合物(化合物)である。
したがって、絶縁膜形成用塗料は、ガラス化合物、金属
化合物及びセラミックス化合物のいずれに対しても濡れ
性が良いことが必要であり、特に、ガラス化合物、金属
化合物及びセラミックス化合物のいずれに対しても、溶
媒の接触角が5°未満であることが好ましい。ガラス化
合物、金属化合物及びセラミックス化合物に対する溶媒
の接触角が5°以上の場合は、ガラス基板や電極に対す
る塗料の濡れ性が低下するため、塗工時の気泡混入によ
り塗膜にボイドや空隙が発生するため好ましくない。
【0046】本発明の絶縁膜形成用塗料で用いる溶媒
(c)は、無機材料に対する接触角が5°未満のもので
あれば特に限定されず、例えば、ジエチルカルビトー
ル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
ルセロソルブ、カルビトールアセテート、ジブチルセロ
ソルブ、プロピレングリコールジアセテート等が挙げら
れる。これらの溶媒は、単独でも任意の組み合わせで使
用してもよい。
【0047】一般に、溶媒が2種以上の有機溶媒で構成
されている場合、その濡れ性は各溶媒の存在比に大きく
影響される。例えば、ガラス基板への濡れ性が良い溶媒
と悪い溶媒とを混合した場合、濡れ性が良い溶媒の割合
が多ければ多いほど、混合溶媒のガラス基板への濡れ性
は良くなる。ここで、上述した7種の有機溶媒は、全て
がガラス化合物、セラミックス化合物及び金属化合物の
いずれに対しても接触角が5°未満であり、上記無機材
料に対して非常に優れた濡れ性を有しているため、ガラ
ス基板のみならず、ガラス基板上に金属電極などが形成
された複合基板上においても良好な濡れ性を示す。従っ
て、絶縁膜形成用塗料中の溶媒として、上述の7つの溶
媒から選ばれた少なくとも1種を50質量%以上含むこ
とが、絶縁膜形成用塗料の被塗布面への濡れ性を良く
し、ボイドやピンホールの発生を防ぐ点で、より好まし
い。
【0048】また、溶媒(c)としては、上述した7種
の有機溶媒以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、
他の溶媒を混合した混合溶媒を用いてもよい。混合でき
る溶媒としては、例えば、α−、β−、γ−テルピネオ
ールなどのテルペン類、エチレングリコールモノアルキ
ルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル
類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジ
エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレング
リコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレン
グリコールジアルキルエーテルアセテート類、ジエチレ
ングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエ
チレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、プ
ロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレ
ングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコ
ールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレング
リコールジアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレ
ングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレング
リコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコー
ルモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレング
リコールジアルキルエーテルアセテート類、トリプロピ
レングリコールモノアルキルエーテル類、トリプロピレ
ングリコールジアルキルエーテル類、トリプロピレング
リコールトリアルキルエーテル類、トリプロピレングリ
コールモノアルキルエーテルアセテート類、トリプロピ
レングリコールジアルキルエーテルアセテート類、トリ
プロピレングリコールトリアルキルエーテルアセテート
類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−
ブタノールなどのアルコール類等が挙げられる。これら
の溶媒は、単独でも任意の2種類以上の組合わせで混合
して用いても良い。
【0049】中でも、溶媒(c)として、ジエチルカル
ビトール、ジプロピレングリコール−n−プロピルエー
テル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル及
びジエチルセロソルブから選ばれた少なくとも2種の溶
媒を用いることが好ましい。これらの4種の有機溶媒
は、紫外線による洗浄の有無に関わらず、ガラス化合
物、セラミックス化合物、金属化合物の全てに対して濡
れ性が良く、しかも安価に製造できるからである。ま
た、4種の有機溶媒は、沸点が10℃以上異なり(最低
はジエチルセロソルブの121℃、最高はトリプロピレ
ングリコールモノメチルエーテルの242℃)、乾燥速
度も全て異なっている。このため、2種以上を組み合わ
せることにより、乾燥時に塗布膜内から急激に溶媒成分
が揮発する現象を防止することができる。その結果、乾
燥膜内部におけるボイドやピンホールの発生、及び乾燥
膜表面の粗雑化が抑制される点からも好ましい。
【0050】本発明の絶縁膜形成用塗料を調製する場
合、前記溶媒(c)の割合は、絶縁膜形成用塗料全体に
対して4〜85質量%、好ましくは5〜60質量%、さ
らに好ましくは10〜40質量%とするのがよい。この
溶媒の含有量が4質量%未満の場合は、該塗料の流動性
が低下し塗布性が悪くなり、一方、85質量%を越える
場合は、乾燥時の収縮が大きく欠陥発生の原因となるほ
か、コスト高の原因となるからである。
【0051】本発明の絶縁膜形成用塗料に含まれる無機
成分である無機微粒子(a)としては、特に限定され
ず、絶縁膜を形成しうる公知の無機化合物からなる微粒
子を全て使用できる。中でも、金属酸化物が好ましく用
いられる。特に、SiO2、ZnO、B23、PbO、
Bi23、BaO、P25、CaO、SrO、MgOな
どの金属酸化物が好ましい。絶縁膜として一般的に用い
られる低融点ガラスには、これらの酸化物の中から2種
以上を混合したガラス粉末が用いられている。特に、P
bOを主成分としたガラス粉末は、軟化点調整などの点
で制御しやすいため、好ましく用いられている。したが
って、前記微粒子を絶縁膜形成用塗料に混合することに
より、塗料の絶縁性が良好となる。なお、これらの無機
微粒子は、単独でも任意の組み合わせで使用してもよ
い。
【0052】無機微粒子(a)は、その平均粒径が0.
1〜10μmの範囲であるのがよく、好ましくは0.3
〜7μmの範囲、さらに好ましくは0.5〜5μmの範
囲である。この平均粒径が0.1μm未満の場合は、微
粒子の凝集性が強く、塗膜に欠陥が生じやすくなり、一
方、10μmを越える場合は塗膜内部での充填率が低下
し、欠陥が生じ易くなるからである。
【0053】本発明の絶縁膜形成用塗料を調製する場
合、 前記無機微粒子(a)の割合は、絶縁膜形成用塗
料全体に対して、10〜95質量%、好ましくは40〜
90質量%、さらに好ましくは60〜80質量%とする
のがよい。この含有量が10質量%未満の場合は、乾燥
・焼成時の損失が大きく、コスト高となり、一方、95
質量%を越える場合は、塗料の流動性が低下し、塗布性
が悪くなるからである。
【0054】本発明の絶縁膜形成用塗料に含まれる
(b)バインダー樹脂としては、特に限定されず、前記
の無機微粒子のバインダーとして機能しうるものであれ
ば、従来公知のものを全て使用できる。これらのバイン
ダー樹脂を用いることにより、無機微粒子が有機溶媒中
に均質に分散され、塗料を塗布・乾燥した後の塗膜の型
崩れを防止することができる。
【0055】例えば、ニトロセルロースやエチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系
樹脂、ポリブチルアクリレート、ポリメタクリレートな
どのアクリル系樹脂やその共重合体、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルブチラールなどが好ましく挙げられ
る。バインダー樹脂は、絶縁膜形成用塗料中にその1種
を単独で、もしくは2種以上を併用して使用してもよ
い。
【0056】本発明の絶縁膜形成用塗料を調製する場
合、前記バインダー樹脂(b)の割合は、絶縁膜形成用
塗料全体に対して、0.1〜20質量%、好ましくは
0.5〜10質量%、さらに好ましくは1〜5質量%と
するのがよい。この含有量が0.1質量%未満の場合
は、塗膜(乾燥膜)の形状保持に必要な量が不足し、型
崩れが起こる。一方、20質量%を越える場合は、焼成
時の損失が大きく、欠陥が生じ易くなる。
【0057】さらに、本発明の絶縁膜形成用塗料には、
フィラー(d)として、チタニア、アルミナ、チタン酸
バリウム、ジルコニアなどのセラミックス、及び高融点
ガラスから選ばれた少なくとも1種の化合物を添加する
ことができる。これらのフィラーは、熱膨張係数を低下
させて焼成時の収縮率を小さくし、基板にかかる応力を
低下させるなどの効果がある。特に、白色フィラーを用
いた場合には、表示光の反射を向上させるため、高い輝
度の映像を提供するプラズマディスプレイパネルとする
ことができる。フィラーの添加量は、前記絶縁膜形成用
塗料の機能を阻害しない範囲であれば、特に制限されな
いが、塗料全体に対し、通常、1〜20質量%、好まし
くは2〜10質量%であることが、熱膨張係数のコント
ロールの点から好ましい。
【0058】前記の無機微粒子として用いるガラス化合
物は、一般に、溶融ガラス化合物を急冷し、粉砕するこ
とにより合成されるため、粉末状態である。従って、こ
の粉末ガラスと、該粉末ガラスを分散させるための有機
溶媒と、該粉末ガラスを有機溶媒中に均質に分散させる
ため及び塗布・乾燥後の塗膜が型崩れを起こすことを防
止するためのバインダーとしての樹脂と、を少なくとも
含有することにより、塗料を作製することができる。
【0059】このようにして調製した塗料を、塗布、乾
燥させた後に、焼成することによって、所望の絶縁膜が
得られる。分散媒としての有機溶媒は乾燥時に揮発し、
バインダーとしての樹脂は焼成時に揮発するため、最後
にガラス成分が残る。なお、分散媒としての有機溶媒と
バインダーとしての樹脂は、ガラス粉末を絶縁膜として
形成させる場合に、安価な塗布型の形成方法が使えるよ
うにするために必要である。
【0060】以上のことから、本発明の絶縁膜形成用塗
料に用いる、前記の無機微粒子(a)やフィラー(d)
等の無機成分としては、焼成によりガラスを形成する化
合物が好ましい。
【0061】さらに、本発明の絶縁膜形成用塗料には、
必要に応じて、分散剤、可塑剤、粘度調節剤、オリゴマ
ー、ポリマー、紫外線吸光材、感光性モノマー、光重合
開始材、増感剤などを添加することができる。可塑剤と
しては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、
ポリエチレングリコール、グリセリンなどが挙げられ、
また、粘度調節剤としては、アエロジルなどのチキソ剤
が挙げられる。これらの添加剤の配合割合は、前記絶縁
膜形成用塗料の機能を阻害しない範囲であれば、特に制
限されないが、塗料全体に対し、通常、0.01〜20
質量%、好ましくは0.1〜5質量%であることが、焼
成時の欠陥発生抑制の点から好ましい。
【0062】本発明の絶縁膜形成用塗料を調製する場
合、例えば、無機微粒子、バインダー樹脂、溶媒と、分
散剤、可塑剤、オリゴマー、ポリマー、紫外線吸光材、
感光性モノマー、光重合開始材、増感剤、その他の添加
剤及び溶媒などの各種成分を、所望の組成となるように
配合した後、3本ローラー、ボールミル、サンドミル等
の分散機によって均質に混合分散することにより、調製
することが出来る。
【0063】本発明の絶縁膜形成用塗料は、プラズマデ
ィスプレイパネル、プラズマアドレス液晶ディスプレイ
または電子放出素子を用いた画像形成装置の絶縁膜の形
成に好適に用いることが出来る。
【0064】次に、本発明の絶縁膜形成用塗料を用い
た、本発明のプラズマディスプレイパネル背面板の製造
方法について、図1を用いて説明する。
【0065】プラズマディスプレイパネルの背面板は、
通常、背面ガラス基板2上にアドレス電極5、保護膜と
しての背面誘電体層8、隔壁9及び蛍光体6が形成され
ている。従って、背面板を製造するに際し、まずは背面
ガラス基板2上にアドレス電極5を形成する。電極材料
としては、Ag、Cr−Cu−Crなどの金属化合物で
あることが、抵抗値、ガラス基板との密着性などの点か
ら好ましい。また、電極材料中に少量のガラス成分を含
有させることで、基板との密着性に優れたアドレス電極
とすることができる。
【0066】まず、アドレス電極5を形成した背面ガラ
ス基板2上に、本発明の絶縁膜形成用塗料を用いて、ア
ドレス電極保護膜としての背面誘電体層8を形成する。
具体的には、本発明の絶縁膜形成用塗料を、焼成後の厚
さが2〜10μmとなるように5〜30μm塗布して誘
電体塗膜を形成し、その後焼成することにより、アドレ
ス電極保護膜である背面誘電体層8を製造することがで
きる。
【0067】絶縁膜形成用塗料の塗布方法としては、ス
クリーン印刷法、バーコーター法、ロールコーター法、
ダイコーター法、ドクターブレード法など、一般的な方
法で行うことができる。焼成雰囲気や温度は、塗料や基
板の特性によって異なるが、空気中、窒素などの雰囲気
で焼成すると良い。焼成炉は、バッチ式の焼成炉や、ベ
ルト式、ウォーキングビーム式の連続型焼成炉を用いる
ことができる。焼成温度は、特に限定されないが、通常
400〜600℃で焼成する。
【0068】さらに、上述したように、絶縁膜形成用塗
料を塗布して誘電体塗膜を形成する場合、紫外線による
洗浄工程を、塗布工程の前工程に具備していることが好
ましい。紫外線洗浄とは、紫外線のエネルギーとそれに
よって生成されるO3を利用して、有機化合物を分解・酸
化し、最終的にCO2とH2Oまで反応させて汚れをガス
化し、除去する方法である。紫外線洗浄を行うことによ
り、ガラス基板上及び電極上の有機性汚れを除去し、ガ
ラス基板や電極への塗料の濡れ性を基板上で均一化で
き、基板面内での濡れ性の不均一性によるハジキを抑制
することができる。
【0069】なお、絶縁膜形成用塗料の有機成分を感光
性とし、全面露光などの方法によって誘電体塗膜を形成
し、焼成して背面誘電体層8を製造することもできる。
【0070】次に、背面誘電体層8が形成されたプラズ
マディスプレイパネル背面板上に、本発明の絶縁膜形成
用塗料を用いて隔壁9を形成する。具体的には、本発明
の絶縁膜形成用塗料を、焼成後の厚さが100〜200
μmとなるように300〜600μm塗布して誘電体塗
膜を形成する。この誘電体塗膜上にパターニングされた
保護膜を貼り、サンドブラスト法にて保護されていない
部分を削り、保護膜を除去して焼成を施すことで隔壁9
を製造することができる。
【0071】塗布方法、焼成方法としては、背面誘電体
層8の場合と同様の一般的な方法を用いることが出来
る。
【0072】さらに、背面誘電体層8の場合と同様に、
紫外線による洗浄工程を塗布工程の前工程に具備してい
ることが好ましい。紫外線洗浄により、背面誘電体層8
への塗料の濡れ性を基板上で均一化でき、基板面内での
濡れ性の不均一性によるハジキを抑制することが出来
る。
【0073】なお、絶縁膜形成用塗料の有機成分を感光
性とし、パターン露光などのフォトリソグラフィ法によ
って誘電体塗膜を形成し、焼成して隔壁9を製造するこ
とも出来る。フォトリソグラフィ法は、高アスペクト比
で高精細な隔壁9が得られる点で好ましい。
【0074】また、上述のように背面誘電体層8と隔壁
9を個々に焼成するのではなく、同時に焼成してプラズ
マディスプレイパネルの背面板を製造することも出来
る。
【0075】以上のように、本発明のプラズマディスプ
レイパネル背面板の製造方法によれば、背面誘電体層8
及び隔壁9を高歩留まりで製造することができる。
【0076】また、本発明のプラズマディスプレイパネ
ル背面板の製造方法にて製造されたプラズマディスプレ
イパネル背面板は、ボイドやピンホールが少なく、絶縁
効果が優れている点で好ましく用いることが出来る。
【0077】続いて、本発明の絶縁膜形成用塗料を用い
た、本発明のプラズマディスプレイパネル表面板の製造
方法について、図1を用いて説明する。
【0078】上述のように、プラズマディスプレイパネ
ルの前面板は、前面ガラス基板1上に透明電極4を、そ
してその上に2つの表示電極3を設け、更にその上を覆
うようにして表面誘電体層7、そして保護膜としてのM
gO膜10を形成しているのが一般的である。
【0079】この表面誘電体層7は、各表示電極3の間
及び表示電極3とアドレス電極5との間の短絡(リー
ク)を防止するために設けられているため、所望の絶縁
効果を有する必要がある。ただし、背面ガラス基板2に
設けられている隔壁9のようなパターン形成をする必要
はなく、逆に表示ムラを抑制するために平坦で透明性の
高い薄膜が必要である。そのため、印刷法により絶縁膜
形成用塗料を塗布して、乾燥・焼成して製造することが
出来る。
【0080】まずは、表面ガラス基板1上に、スパッタ
法などにより一般的にITOからなる透明電極4を形成
する。続いて、スクリーン印刷法もしくはフォトリソグ
ラフィ法などによりパターニングし、焼成して表示電極
3を形成する。電極材料としては、アドレス電極5と同
様の材料を用いることが出来る。ここで、透明電極4は
必ずしも必要であるというわけではなく、表面ガラス基
板1上に表示電極3を直接形成することもできる。
【0081】次に、本発明の絶縁膜形成用塗料を焼成後
の厚さが10〜50μmとなるように30〜150μm
塗布して誘電体塗膜を形成し、その後焼成することで表
面誘電体層7を形成する。塗布方法、焼成方法として
は、背面誘電体層8や隔壁9の場合と同様の一般的な方
法を用いることが出来る。
【0082】さらに、背面誘電体層8及び隔壁9の場合
と同様に、紫外線による洗浄工程を塗布工程の前工程に
有していることが好ましい。紫外線洗浄により、表面ガ
ラス基板1や透明電極4などへの塗料の濡れ性を基板上
で均一化でき、基板面内での濡れ性の不均一性によるハ
ジキを抑制することが出来る。
【0083】なお、絶縁膜形成用塗料の有機成分を感光
性とし、パターン露光などのフォトリソグラフィ法によ
って誘電体塗膜を形成し、焼成して表面誘電体層7を製
造することも出来る。
【0084】従って、本発明のプラズマディスプレイパ
ネル表面板の製造方法にて製造されたプラズマディスプ
レイパネル表面板は、ボイドやピンホールが少なく、絶
縁効果が優れている点で好ましく用いることが出来る。
【0085】続いて、以下に本発明を実施例を用いて具
体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるも
のではない。なお、実施例における%表示の濃度は、断
りの無い場合は質量%である。
【0086】
【実施例】(実施例1〜6及び比較例1、2)以下に示
す有機溶媒について、有機溶媒の各無機材料基板に対す
る濡れ性を、接触角を測定することにより評価した。無
機材料基板としては、ガラス基板(PD−200:旭硝
子(株)製)、及びITO、Ag、Cu、Crをそれぞ
れ全面に蒸着させたガラス基板を用いた。また、電極形
成後に紫外線(以下、「UV」とする)洗浄した基板に
ついても接触角を測定した。 ・実施例1:ジエチルカルビトール(ジエチレングリコ
ールジエチルエーテル) ・実施例2:ジプロピレングリコール−n−プロピルエ
ーテル ・実施例3:トリプロピレングリコールモノメチルエー
テル ・実施例4:ジエチルセロソルブ(エチレングリコール
ジエチルエーテル) ・実施例5:カルビトールアセテート(ジエチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート) ・実施例6:ジブチルセロソルブ(エチレングリコール
ジブチルエーテル) ・実施例7:プロピレングリコールジアセテート ・比較例1:α−テルピネオール ・比較例2:ブチルカルビトールアセテート(ジエチレ
ングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート)
【0087】(接触角の測定方法)接触角は、協和界面
科学(株)製CA−X型接触角計を用いて測定した。各
サンプルは、注射針の先端から液滴の下端までの長さを
一定にして液滴量をそろえた。一定量の液滴を基板上に
滴下して基板上に液滴を形成した後、拡大モニタ上にお
いて、滴下5秒後の接触角を測定した。接触角は、図2
に示すように、液滴の頂点までの高さ(h)と、液滴と
基板の界面の長さ(2r)を測定し、Height/Width法
により、下記式を用いて求めた値である。 TanΘ1=h/r、接触角Θ=2Θ1
【0088】測定結果を表1に示す。なお、接触角測定
結果は、5回測定した結果の平均値を示した。ただし、
バラツキが大きい場合はその範囲で示している。
【0089】
【表1】
【0090】表1より、比較例1及び2のように、現行
の絶縁膜形成用塗料を構成する溶媒では、Ag、Cu、
Crのような金属化合物には濡れ性が良いが、ITOの
ようなセラミックス化合物ではα−テルピネオールは濡
れ性がやや悪く、ガラス基板に対してはもっと濡れが悪
かった。これは、UV洗浄を施した基板に対しても同様
の結果であった。
【0091】一方、実施例1〜4の溶媒は、ガラス基
板、金属化合物、セラミックス化合物のいずれに対して
も濡れ性が優れており、UV洗浄後も同様であった。
【0092】実施例5の溶媒は、基板上の測定箇所によ
りやや接触角が変動する結果となったが、UV洗浄後の
基板上ではどの箇所においても良好な濡れ性を示してい
た。
【0093】実施例6及び7の溶媒は、未処理基板上に
おいて、ガラス基板、金属化合物、セラミックス化合物
に対して濡れ性が悪い場合が見られたが、UV洗浄を基
板に施すことにより、基板への濡れ性が大きく良化し、
バラツキも見られなかった。
【0094】(絶縁膜形成用塗料の調製)また、上記の
接触角測定で用いた有機溶媒を100%とする溶媒を用
いて、以下の組成比、方法にて絶縁膜形成用塗料を作製
した。エチルセルロース(ダウ・ケミカル製、商品名
「エトセルSTD−7」、重合度60,000)を10
%含有したビヒクル(樹脂を溶解した溶媒)200g
と、ガラス粉末として平均粒径3μmの酸化鉛系ガラス
フリット(組成系:PbO−MgO−B23−Si
2)300gを、混合・予備混練し、3本ロールで混
練して絶縁膜形成用塗料とした。
【0095】(耐電圧の評価)この絶縁膜形成用塗料を
施工して得られた誘電体層の絶縁性(耐電圧)を、以下
の方法にて測定した。
【0096】ガラス基板(PD−200)上に焼成タイ
プのAgペーストを印刷し、590℃で焼成して下部電
極を形成した。この上に本発明の絶縁膜形成用塗料を、
下部電極の端部が露出する形で印刷し、590℃で焼成
した。なお、焼成後の誘電体層膜厚が30μmとなるよ
うに、印刷条件を調整した。さらにこの上に熱硬化タイ
プのAgペーストを下部電極面積に収まる形で塗布し、
150℃で加熱して上部電極を形成した。上部電極と下
部電極の端部に相反対するような形で接点をとり、耐電
圧測定器(菊水電子製)で0.5mAの電力がリークし
た時点を絶縁破壊として、耐電圧値を測定した。同様に
して、Cr−Cu−Cr電極上に形成した誘電体層の耐
電圧も測定した。
【0097】また、Ag電極(下部電極)の下地電極と
して、スパッタ法によるパターニングでITO電極を厚
さ2μmで作製したガラス基板上(PD−200)に、
上述の方法でAg電極(下部電極)を形成したものも用
意した。そして、上述と同様に本発明の絶縁膜形成用塗
料を用いて誘電体層を形成し、そして熱硬化タイプのA
gペーストにより上部電極を形成した基板について、同
様にして耐電圧を測定した。同様にして、Cr−Cu−
Cr電極上に形成した誘電体層の耐電圧も測定した。
【0098】以上の測定結果を、表1にまとめて示し
た。
【0099】表1より明らかなように、実施例1〜4の
絶縁膜形成用塗料から作製された誘電体層は、ボイドや
ピンホールなどが無く、良好な耐電圧特性を有してい
た。
【0100】実施例5の絶縁膜形成用塗料から作製され
た誘電体層は、ボイドやピンホールなどが無く、基板未
処理の状態においても実用するに十分な耐電圧特性を有
する耐電圧特性を有していたが、UV洗浄を施すことに
より、より一層耐電圧特性が向上した誘電体層となって
いた。
【0101】実施例6及び7の絶縁膜形成用塗料から作
製された誘電体層は、未処理の基板上に作製した場合は
耐電圧特性が不十分であったが、UV洗浄を施すことに
より、実用するに充分な耐電圧特性を有する誘電体層と
なっていた。
【0102】一方、比較例1及び2の絶縁膜形成用塗料
から作製された誘電体層は、いずれもボイドやピンホー
ルが発生し、耐電圧特性も、実施例の耐電圧特性と比べ
てやや劣る結果であった。
【0103】(アドレス電極保護効果の評価)次に、ア
ドレス電極保護膜としての効果について評価した。ガラ
ス基板(PD−200)上に焼成タイプのAgペースト
を印刷し、590℃で焼成して下部電極を形成した。こ
の上に本発明の絶縁膜形成用塗料を、全面を被覆する形
で焼成後膜厚が3μmとなるように印刷し、590℃で
焼成した。得られた絶縁膜は1回の塗布で形成されたも
のである。この結果を表1に示す。
【0104】なお、アドレス電極保護効果は、以下の基
準で評価した。 ○:ボイドやピンホールが発生しない ×:ボイドやピンホールが発生する
【0105】表1より明らかなように、実施例1〜5の
絶縁膜形成用塗料から作製されたアドレス電極保護膜
は、ボイドやピンホールなどの欠陥が無く、保護膜とし
て十分な効果を示していた。
【0106】実施例6及び7の絶縁膜形成用塗料から作
製されたアドレス電極保護膜は、未処理基板ではボイド
やピンホールが発生し、保護膜として不十分であった
が、UV洗浄済基板ではボイドやピンホールなどの欠陥
が無く、保護膜として十分な効果を示していた。
【0107】一方、比較例1及び2の絶縁膜形成用塗料
から作製されたアドレス電極保護膜は、ボイドやピンホ
ールが発生し、保護膜としては不十分であった。
【0108】(隔壁としての評価)ガラス基板(PD−
200)上に、本発明の絶縁膜形成用塗料を焼成後の膜
厚が200μmとなるように塗布して乾燥し、パターニ
ングされた保護膜で被覆した後、サンドブラスト法で隔
壁パターンを形成した。そして、保護膜を除去した後、
590℃にて焼成して隔壁を形成した。その評価結果に
ついて表1に示す。
【0109】なお、隔壁は、以下の基準で評価した。 ○:ボイドやピンホールの発生、隔壁の剥がれがない △:ボイドやピンホールは発生しないが、隔壁が剥がれ
る ×:ボイドやピンホールが発生し、隔壁が剥がれる
【0110】表1より明らかなように、実施例1〜4の
絶縁膜形成用塗料から作製された隔壁は、ボイドやピン
ホールなどの欠陥が無く、隔壁の一部がガラス基板から
剥がれたりすることは無かった。
【0111】実施例5の絶縁膜形成用塗料から作製され
た隔壁は、ボイドやピンホールの発生は無かったが、隔
壁の剥がれが発生する場合もあった。しかし、UV洗浄
を行うことで隔壁の剥がれの発生も抑制された。
【0112】実施例6及び7の絶縁膜形成用塗料から作
製された隔壁は、未処理基板ではボイドやピンホールの
発生、隔壁の剥がれなどが生じる場合があったが、UV
洗浄済基板ではボイドやピンホールの発生、隔壁の剥が
れなどは起こらず、隔壁として十分であった。
【0113】一方、比較例1及び2の絶縁膜形成用塗料
から作製されたアドレス電極保護膜は、ボイドやピンホ
ールが発生し、隔壁が形成されない場所が発生したり、
隔壁の一部が剥がれたりした。
【0114】
【表2】
【0115】
【表3】
【0116】(実施例8〜11及び比較例3、4)有機
溶媒を表2に示した比率で混合して作製した各混合溶媒
について、実施例1〜7及び比較例1、2と同様にして
濡れ性の評価を行った。ただし、DCr:ジエチルカル
ビトール、CrAc:カルビトールアセテート、BC
A:ブチルカルビトールアセテートである。また、同様
に絶縁膜形成用塗料を作製し、その耐電圧、アドレス電
極保護効果、そして隔壁としての効果を評価した。これ
らの結果を表3に示す。
【0117】表3より明らかなように、実施例8及び9
の絶縁膜形成用塗料から作製された誘電体層は、ボイド
やピンホールなどが無く、良好な耐電圧特性を有してい
た。
【0118】実施例10及び11の絶縁膜形成用塗料か
ら作製された誘電体層は、ボイドやピンホールなどが無
く、基板未処理の状態においても実用するに十分な耐電
圧特性を有する耐電圧特性を有していたが、UV洗浄を
施すことにより、より一層耐電圧特性が向上した誘電体
層となっていた。
【0119】比較例3及び4の絶縁膜形成用塗料から作
製された誘電体層は、いずれもボイドやピンホールが発
生し、耐電圧特性もやや劣る結果であった。
【0120】また、アドレス電極保護膜としては、表3
より明らかなように、実施例8〜11の絶縁膜形成用塗
料から作製されたアドレス電極保護膜は、ボイドやピン
ホールなどの欠陥が無く、保護膜として十分な効果を示
していた。
【0121】一方、比較例3及び4の絶縁膜形成用塗料
から作製されたアドレス電極保護膜は、ボイドやピンホ
ールが発生し、保護膜としては不十分であった。
【0122】また、隔壁としては、表3より明らかなよ
うに、実施例8及び実施例9の絶縁膜形成用塗料から作
製された隔壁は、ボイドやピンホールなどの欠陥が無
く、隔壁の一部がガラス基板から剥がれたりすることは
無かった。実施例10及び11の絶縁膜形成用塗料から
作製された隔壁は、ボイドやピンホールの発生は無かっ
たが、隔壁の剥がれが発生する場合もあった。しかし、
UV洗浄を行うことで隔壁の剥がれの発生も抑制され
た。
【0123】一方、比較例3及び4の絶縁膜形成用塗料
から作製されたアドレス電極保護膜は、ボイドやピンホ
ールが発生し、隔壁が形成されない場所が発生したり、
隔壁の一部が剥がれたりした。
【0124】
【表4】
【0125】(実施例12〜17)有機溶媒を(表4)
に示した比率で混合して作製した各混合溶媒について、
実施例1〜11及び比較例1〜4と同様にして濡れ性の
評価を行った。ただし、DECe:ジエチルセロソル
ブ、DCr:ジエチルカルビトール、DPnP:ジプロ
ピレングリコール−n−プロピルエーテル、TPM:ト
リプロピレングリコールモノメチルエーテルである。ま
た、同様に絶縁膜形成用塗料を作製し、その耐電圧、ア
ドレス電極保護効果、そして隔壁としての効果を評価し
た。これらの結果を表5に示す。
【0126】
【表5】
【0127】表5より明らかなように、実施例12〜1
7の絶縁膜形成用塗料から作製された誘電体層は、ボイ
ドやピンホールなどが無く、良好な耐電圧特性を有して
いた。また、それらは溶媒が単成分である実施例1〜
7、及び濡れ性に劣る溶媒を含んだ実施例8〜11より
も耐電圧特性が向上した。
【0128】また、アドレス電極保護膜としては、表5
より明らかなように、実施例12〜17の絶縁膜形成用
塗料から作製されたアドレス電極保護膜は、ボイドやピ
ンホールなどの欠陥が無く、保護膜として十分な効果を
示していた。
【0129】また、表5より明らかなように、実施例1
2〜17の絶縁膜形成用塗料から作製された隔壁は、ボ
イドやピンホールなどの欠陥が無く、隔壁の一部がガラ
ス基板から剥がれたりすることは無く、隔壁として十分
であった。
【0130】(実施例18〜24及び比較例5、6)ガ
ラス基板が、青板ガラス(#0050:松浪硝子工業
製)の場合について、以下に示す有機溶媒の接触角を、
実施例1〜7及び比較例1、2と同様にして試験した。
青板ガラスに対する各溶媒の接触角を表6に示す。 ・実施例18:ジエチルカルビトール(ジエチレングリ
コールジエチルエーテル) ・実施例19:ジプロピレングリコール−n−プロピル
エーテル ・実施例20:トリプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル ・実施例21:ジエチルセロソルブ(エチレングリコー
ルジエチルエーテル) ・実施例22:カルビトールアセテート(ジエチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート) ・実施例23:ジブチルセロソルブ(エチレングリコー
ルジブチルエーテル) ・実施例24:プロピレングリコールジアセテート ・比較例5 :α−テルピネオール ・比較例6 :ブチルカルビトールアセテート(ジエチ
レングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート) また、同様に絶縁膜形成用塗料を作製し、ガラス基板
(PD−200)の代わりに青板ガラス(#0050)
を用いた以外は、実施例1〜7及び比較例1、2と同様
にして、その耐電圧、アドレス電極保護効果、そして隔
壁としての効果を評価した。これらの結果を表6に示
す。
【0131】
【表6】
【0132】表6より、比較例5及び6のように、現行
の絶縁膜形成用塗料を構成する溶媒は、ガラス基板に対
する濡れが悪く、UV洗浄を施した基板に対しても同様
の結果であった。
【0133】実施例18〜21の溶媒は、ガラス基板に
対して濡れ性が優れており、UV洗浄後も同様であっ
た。
【0134】実施例22の溶媒は、基板上の測定箇所に
よりやや接触角が変動する結果となっていたが、UV洗
浄後の基板上ではどの箇所においても良好な濡れ性を示
していた。
【0135】実施例23及び24の溶媒は、未処理基板
上においてガラス基板に対して濡れ性が悪い場合が見ら
れたが、UV洗浄を基板に施すことにより、基板への濡
れ性が大きく良化し、バラツキも見られなかった。
【0136】また、表6より明らかなように、実施例1
8〜21の絶縁膜形成用塗料から作製された誘電体層
は、ボイドやピンホールなどが無く、良好な耐電圧特性
を有していた。
【0137】実施例22の絶縁膜形成用塗料から作製さ
れた誘電体層は、ボイドやピンホールなどが無く、基板
未処理の状態においても実用するに十分な耐電圧特性を
有する耐電圧特性を有していたが、UV洗浄を施すこと
により、より一層耐電圧特性が向上した誘電体層となっ
ていた。
【0138】実施例23及び24の絶縁膜形成用塗料か
ら作製された誘電体層は、未処理の基板上に作製した場
合は耐電圧特性が不十分であったが、UV洗浄を施すこ
とにより、実用するに充分な耐電圧特性を有する誘電体
層となっていた。
【0139】一方、比較例5及び6の絶縁膜形成用塗料
から作製された誘電体層は、いずれもボイドやピンホー
ルが発生し、耐電圧特性もやや劣る結果であった。
【0140】また、表6より明らかなように、実施例1
8〜22の絶縁膜形成用塗料から作製されたアドレス電
極保護膜は、ボイドやピンホールなどの欠陥が無く、保
護膜として十分な効果を示していた。
【0141】実施例23及び24の絶縁膜形成用塗料か
ら作製されたアドレス電極保護膜は、未処理基板ではボ
イドやピンホールが発生し、保護膜として不十分であっ
たが、UV洗浄済基板ではボイドやピンホールなどの欠
陥が無く、保護膜として十分な効果を示していた。
【0142】一方、比較例5及び6の絶縁膜形成用塗料
から作製されたアドレス電極保護膜は、ボイドやピンホ
ールが発生し、保護膜としては不十分であった。
【0143】また、表6より明らかなように、実施例1
8〜21縁膜形成用塗料から作製された隔壁は、ボイド
やピンホールなどの欠陥が無く、隔壁の一部がガラス基
板から剥がれたりすることは無かった。
【0144】実施例22の絶縁膜形成用塗料から作製さ
れた隔壁は、ボイドやピンホールの発生は無かったが、
隔壁の剥がれが発生する場合もあった。しかし、UV洗
浄を行うことで隔壁の剥がれの発生も抑制された。
【0145】実施例23及び24の絶縁膜形成用塗料か
ら作製された隔壁は、未処理基板ではボイドやピンホー
ルの発生、隔壁の剥がれなどが生じる場合があったが、
UV洗浄済基板ではボイドやピンホールの発生、隔壁の
剥がれなどは起こらず、隔壁として十分であった。
【0146】一方、比較例5及び6の絶縁膜形成用塗料
から作製されたアドレス電極保護膜は、ボイドやピンホ
ールが発生し、隔壁が形成されない場所が発生したり、
隔壁の一部が剥がれたりした。
【0147】(実施例25〜28及び比較例7、8)有
機溶媒を表2に示した比率で混合して作製した各混合溶
媒について、実施例1〜7及び比較例1、2と同様にし
て、青板ガラス(#0050)に対する濡れ性の評価を
行った。ただし、DCr:ジエチルカルビトール、Cr
Ac:カルビトールアセテート、BCA:ブチルカルビ
トールアセテートであり、実施例25、26、27、2
8はそれぞれ実施例8、9、10、11と同組成の溶媒
とし、比較例7及び8はそれぞれ比較例3及び4と同組
成の溶媒を用いた。また、同様に絶縁膜形成用塗料を作
製し、実施例18〜24及び比較例5、6と同様に青板
ガラスに対して絶縁膜を形成し、その耐電圧、アドレス
電極保護効果、そして隔壁としての効果を評価した。こ
れらの結果を表7に示す。
【0148】
【表7】
【0149】表7より明らかなように、実施例25及び
26の絶縁膜形成用塗料から作製された誘電体層は、ボ
イドやピンホールなどが無く、良好な耐電圧特性を有し
ていた。
【0150】実施例27及び28の絶縁膜形成用塗料か
ら作製された誘電体層は、ボイドやピンホールなどが無
く、基板未処理の状態においても実用するに十分な耐電
圧特性を有する耐電圧特性を有していたが、UV洗浄を
施すことにより、より一層耐電圧特性が向上した誘電体
層となっていた。
【0151】比較例7及び8の絶縁膜形成用塗料から作
製された誘電体層は、いずれもボイドやピンホールが発
生し、耐電圧特性もやや劣る結果であった。
【0152】また、アドレス電極保護膜としては、表7
より明らかなように、実施例25〜28の絶縁膜形成用
塗料から作製されたアドレス電極保護膜は、ボイドやピ
ンホールなどの欠陥が無く、保護膜として十分な効果を
示していた。
【0153】一方、比較例7及び8の絶縁膜形成用塗料
から作製されたアドレス電極保護膜は、ボイドやピンホ
ールが発生し、保護膜としては不十分であった。
【0154】また、隔壁としては、表7より明らかなよ
うに、実施例25及び実施例26の絶縁膜形成用塗料か
ら作製された隔壁は、ボイドやピンホールなどの欠陥が
無く、隔壁の一部がガラス基板から剥がれたりすること
は無かった。実施例27及び28の絶縁膜形成用塗料か
ら作製された隔壁は、ボイドやピンホールの発生は無か
ったが、隔壁の剥がれが発生する場合もあった。しか
し、UV洗浄を行うことで隔壁の剥がれの発生も抑制さ
れた。
【0155】一方、比較例7及び8の絶縁膜形成用塗料
から作製されたアドレス電極保護膜は、ボイドやピンホ
ールが発生し、隔壁が形成されない場所が発生したり、
隔壁の一部が剥がれたりした。
【0156】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の絶縁膜形
成用塗料は、ガラス化合物(ガラス基板など)、金属化
合物(Ag電極など)、セラミックス化合物(ITO膜
など)のいずれとも濡れ性が良く、これらの各無機材料
との接触角が5°未満である有機溶媒を主溶媒とし、全
溶媒中におけるその存在比を50重量%以上とすること
により、ガラス基板、Ag電極、ITO膜のいずれとも
濡れ性がよく、その結果、ハジキや空隙発生が起こらな
い絶縁膜形成用塗料とすることが出来る。したがって、
本発明の絶縁膜形成用塗料を用いて絶縁層を形成するこ
とにより、ボイドやピンホールの発生がなく、耐電圧に
優れた、プラズマディスプレイパネルなどを提供するこ
とができる。
【0157】また、本発明の絶縁膜形成用塗料を用い
て、プラズマディスプレイパネルの表面ガラス基板の誘
電体層、または背面ガラス基板の誘電体層、または背面
ガラス基板の隔壁を形成することにより、高歩留まりで
プラズマディスプレイパネルを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマディスプレイパネルの構造を示す断面
図である。
【図2】接触角の測定方法の説明図である。
【符号の説明】
1 表面ガラス基板 2 背面ガラス基板 3 表示電極 4 透明電極 5 アドレス電極 6 蛍光体 7 表面誘電体層 8 背面誘電体層 9 隔壁 10 MgO膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 BA021 CE021 CE071 CG001 HA216 HA446 HA476 JA26 JA27 JA55 JA57 KA06 KA08 KA20 NA21 PB08 PB09 PC03 5C027 AA01 AA05 AA09 AA10 5C040 FA01 GD01 GD03 GD07 GD09 GE09 GF18 GF19 KA17 KB19

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス化合物、セラミックス化合物及び
    金属化合物から選ばれた少なくとも1種の無機材料上に
    絶縁膜を形成するための塗料であって、無機微粒子
    (a)と、バインダー樹脂(b)と、前記無機材料に対
    する接触角が5°未満である溶媒(c)とを、必須成分
    として含有することを特徴とする絶縁膜形成用塗料。
  2. 【請求項2】 前記無機材料が、ガラス化合物、セラミ
    ックス化合物及び金属化合物を全て含む材料である請求
    項1に記載に絶縁膜形成用塗料。
  3. 【請求項3】 前記ガラス化合物がガラス基板であり、
    前記セラミックス化合物がITO膜であり、前記金属化
    合物が金属電極である請求項1又は2に記載の絶縁膜形
    成用塗料。
  4. 【請求項4】 前記溶媒(c)が、ジエチルカルビトー
    ル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、
    トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
    ルセロソルブ、カルビトールアセテート、ジブチルセロ
    ソルブ及びプロピレングリコールジアセテートから選ば
    れた少なくとも1種の溶媒を50質量%以上含有する請
    求項1〜3のいずれかに記載の絶縁膜形成用塗料。
  5. 【請求項5】 前記溶媒(c)が、ジエチルカルビトー
    ル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、
    トリプロピレングリコールモノメチルエーテル及びジエ
    チルセロソルブから選ばれた少なくとも1種の溶媒を5
    0質量%以上含有する請求項1〜3のいずれかに記載の
    絶縁膜形成用塗料。
  6. 【請求項6】 前記溶媒(c)が、ジエチルカルビトー
    ル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、
    トリプロピレングリコールモノメチルエーテル及びジエ
    チルセロソルブから選ばれた2種以上の溶媒を含有する
    請求項5に記載の絶縁膜形成用塗料。
  7. 【請求項7】 前記無機微粒子(a)が、SiO2、Z
    nO、B23、PbO、Bi23、BaO、P25、C
    aO、SrO及びMgOから選ばれた少なくとも1種で
    ある請求項1〜6のいずれかに記載の絶縁膜形成用塗
    料。
  8. 【請求項8】 前記バインダー樹脂(b)が、セルロー
    ス系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール及び
    ポリビニルブチラールから選ばれた少なくとも1種であ
    る請求項1〜7のいずれかに記載の絶縁膜形成用塗料。
  9. 【請求項9】 前記無機微粒子(a)を10〜95質量
    %、前記バインダー樹脂(b)を1〜20質量%及び前
    記溶媒(c)を4〜85質量%の割合で含有する請求項
    1〜8のいずれかに記載の絶縁膜形成用塗料。
  10. 【請求項10】 前記絶縁膜が、プラズマディスプレイ
    パネル、プラズマアドレス液晶ディスプレイ又は電子放
    出素子を用いた画像形成装置の絶縁膜である請求項1〜
    9のいずれかに記載の絶縁膜形成用塗料。
  11. 【請求項11】 前記絶縁膜が、プラズマディスプレイ
    パネル背面板上に形成されるアドレス電極保護膜もしく
    は隔壁、又はプラズマディスプレイパネル表面板上に形
    成される誘電体層である請求項1〜10のいずれかに記
    載の絶縁膜形成用塗料。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の絶
    縁膜形成用塗料を、プラズマディスプレイパネル部材上
    に塗工し、焼成して前記部材上に絶縁膜を形成すること
    を特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記部材が、アドレス電極が形成され
    たプラズマディスプレイパネル背面板であり、かつ前記
    絶縁膜がアドレス電極保護膜である請求項12に記載の
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記部材が、プラズマディスプレイパ
    ネル背面板であり、かつ前記絶縁膜が隔壁である請求項
    12に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記部材が、表示電極が形成されたプ
    ラズマディスプレイパネル表面板であり、かつ前記絶縁
    膜が誘電体層である請求項12に記載のプラズマディス
    プレイパネルの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記部材は、紫外線洗浄処理が施され
    たものである請求項12〜15のいずれかに記載のプラ
    ズマディスプレイパネルの製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜11のいずれかに記載の絶
    縁膜形成用塗料を塗布してなる絶縁膜を備えていること
    を特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  18. 【請求項18】 前記絶縁膜がアドレス電極保護膜であ
    る請求項17に記載のプラズマディスプレイパネル。
  19. 【請求項19】 前記絶縁膜が隔壁である請求項17に
    記載のプラズマディスプレイパネル。
  20. 【請求項20】 前記絶縁膜が誘電体層である請求項1
    7に記載のプラズマディスプレイパネル。
JP2001294941A 2000-10-11 2001-09-26 プラズマディスプレイパネル用基板の製造方法 Expired - Fee Related JP3979813B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001294941A JP3979813B2 (ja) 2000-10-11 2001-09-26 プラズマディスプレイパネル用基板の製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000310390 2000-10-11
JP2000-310390 2000-10-11
JP2001021399 2001-01-30
JP2001-21399 2001-01-30
JP2001294941A JP3979813B2 (ja) 2000-10-11 2001-09-26 プラズマディスプレイパネル用基板の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002302648A true JP2002302648A (ja) 2002-10-18
JP2002302648A5 JP2002302648A5 (ja) 2005-10-13
JP3979813B2 JP3979813B2 (ja) 2007-09-19

Family

ID=27344904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001294941A Expired - Fee Related JP3979813B2 (ja) 2000-10-11 2001-09-26 プラズマディスプレイパネル用基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3979813B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1742247A2 (en) * 2005-07-05 2007-01-10 LG Electronics Inc. Plasma display panel
JP2008027862A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Sony Corp 交流駆動型プラズマディスプレイパネル及び交流駆動型プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2008181759A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Mitsuboshi Belting Ltd 銅導体ペースト、導体回路板及び電子部品
US7482753B2 (en) 2003-10-30 2009-01-27 Samsung Sdi Co., Ltd. Plasma display panel with angled dielectric film

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7482753B2 (en) 2003-10-30 2009-01-27 Samsung Sdi Co., Ltd. Plasma display panel with angled dielectric film
US8043653B2 (en) 2003-10-30 2011-10-25 Samsung Sdi Co., Ltd. Method of forming a dielectric film and plasma display panel using the dielectric film
EP1742247A2 (en) * 2005-07-05 2007-01-10 LG Electronics Inc. Plasma display panel
EP1742247A3 (en) * 2005-07-05 2007-10-24 LG Electronics Inc. Plasma display panel
JP2008027862A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Sony Corp 交流駆動型プラズマディスプレイパネル及び交流駆動型プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2008181759A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Mitsuboshi Belting Ltd 銅導体ペースト、導体回路板及び電子部品
TWI409827B (zh) * 2007-01-24 2013-09-21 Mitsuboshi Belting Ltd Copper conductor paste, conductor circuit boards and electronic components

Also Published As

Publication number Publication date
JP3979813B2 (ja) 2007-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6855196B2 (en) Ink for a display panel and method for producing plasma display panel using the ink
US6808435B2 (en) Paint for forming insulating film, and plasma display panel using the paint and method of manufacturing the same
KR100730042B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널의 격벽용 페이스트 조성물,그린시트, 및 이를 이용한 플라즈마 디스플레이 패널
JP3998900B2 (ja) 絶縁膜形成用塗料及びプラズマ・ディスプレイ・パネルの製造方法
JP3979813B2 (ja) プラズマディスプレイパネル用基板の製造方法
WO2007040121A1 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2002373592A (ja) プラズマディスプレイパネル用電極およびその製造方法
US6758062B2 (en) Plasma display panel production method
KR100757519B1 (ko) 잉크젯 방식에 의한 플라즈마 디스플레이 패널용 전극의제조방법
JP5243469B2 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
KR101075633B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널의 제조 방법
JP4663776B2 (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP5092650B2 (ja) 黒色ペースト組成物及び該組成物を用いた黒色膜の製造方法
JP4017816B2 (ja) プラズマディスプレイの製造方法
JP2002367518A (ja) プラズマディスプレイパネル用電極、プラズマディスプレイパネル
JP4013340B2 (ja) プラズマディスプレイ用部材
JP2002015664A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2009037890A (ja) プラズマディスプレイ用部材の製造方法
JP2000063152A (ja) ディスプレイ用基板およびその製造方法
JPH11354035A (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JPWO2009028046A1 (ja) プライミング粒子放出粉体ペースト、及びプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2008255346A (ja) 黒色ペースト組成物及びこれを用いた黒色膜の製造方法。
JP2002015663A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2008186749A (ja) ディスプレイ用部材の形成方法。
JP2002329462A (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050606

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050606

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070529

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070626

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110706

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees