JP2002302621A - ポリアゾ化合物の製造方法およびジアゾニウム塩 - Google Patents

ポリアゾ化合物の製造方法およびジアゾニウム塩

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JP2002302621A JP2001107253A JP2001107253A JP2002302621A JP 2002302621 A JP2002302621 A JP 2002302621A JP 2001107253 A JP2001107253 A JP 2001107253A JP 2001107253 A JP2001107253 A JP 2001107253A JP 2002302621 A JP2002302621 A JP 2002302621A
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diazonium salt
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Takashi Kato
隆志 加藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高い収率でポリアゾ化合物を製造する製造方
法を提供する。 【解決手段】 単離された1以上のビスアゾ構造を有す
る一般式1のジアゾニウム塩を原料とし、一般式2のポ
リアゾ化合物を製造する。 (Ar〜ArおよびRは各々独立してアリール基
またはヘテロアリール基を、nは1または2を表す。
但し、n個の−N で表されるジアゾニウム基はA
〜Arのうち1つ以上が有する置換基に含まれ
る。Mはヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロ
ホウ酸イオン、過塩素酸イオンまたは有機スルホン酸イ
オンを、nは分子内の電荷を中和するのに必要な数を
表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアゾ化合物の新規な
製造方法および新規なジアゾニウム塩に関し、より詳細
には3以上のアゾ基を有するポリアゾ化合物の新規な製
造方法およびその原料として有用な新規なジアゾニウム
塩に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ジアゾニウム塩は、アゾ色素の原
料となることから数多くの研究がなされている。例え
ば、Heinrich Zollinger著、Color Chemistry、Second Ed
ition、VCH Verlagsgesellschaft、Weinheim社、1991年、Ch
ap. 7、pp.109-186ならびにK. Hunger et al., Ullman
n’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Ed.
Vol. A3, VCH Verlagsgesellschaft、Weinheim社、1985
年、p.245に詳しい。ところで、アゾ色素は染料として広
く用いられているが、最近では、液晶と混合することに
より表示を行うホストゲスト方式用2色性色素としての
有用性についても注目されている。2色性アゾ色素につ
いては、例えば、A. V. Ivashchenko著、Dichroic Dyes
for Liquid Crystal Display、CRC社、1994年に詳細に記
載されている。中でも、1つの分子中に3個以上のアゾ
基を含有するポリアゾ化合物は、高い2色比を与えるこ
とが知られていて、液晶表示用2色性色素として有望で
あるが、必ずしも合成が容易ではなく、ポリアゾ化合
物、特にトリスアゾ化合物を高い収率で得られる合成法
の開発が望まれている。
【0003】従来、トリスアゾ化合物の製造方法として
は、ビスアゾ構造を含むアニリン誘導体を亜硝酸ナトリ
ウムなどによりジアゾニウム塩へ変換した後、アゾカッ
プリング反応を行う方法が広く利用されている。しか
し、従来の方法では、ジアゾニウム塩を水溶液中で生成
させた後、単離することなく、引き続きアゾカップリン
グ反応を行っている。従って、アゾカップリング反応は
通常水溶液中で行うこととなるが、疎水性が比較的高
く、水溶液に難溶性の基質を用いた場合、あるいは水に
対して不安定な基質を用いた場合、反応が進行し難い等
の問題点がある。従来のトリスアゾ化合物の合成法とし
ては、例えば、A. V. Ivashchenko著、Dichroic Dyes fo
r Liquid Crystal Display、CRC社、1994年、p.47に詳し
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記諸問題に
鑑みなされたものであって、高収率でポリアゾ化合物を
製造し得る製造方法を提供することを課題とする。ま
た、本発明は、ポリアゾ化合物の原料として有用な新規
なジアゾニウム塩を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明のポリアゾ化合物の製造方法は、単離された
1以上のビスアゾ構造を有するジアゾニウム塩を原料と
し、ポリアゾ化合物を製造することを特徴とする。
【0006】本発明の製造方法では、ジアゾニウム塩を
一旦単離して、次のカップリング反応等を行うので、ジ
アゾニウム塩を生成する際の反応条件と、アゾカップリ
ングの反応条件とを別々に最適化することが可能とな
る。そのため、従来の方法と比較して、より効率的にポ
リアゾ化合物を製造することができる。
【0007】本発明のポリアゾ化合物の製造方法におい
て、前記ジアゾニウム塩には、下記一般式(1)で表さ
れる化合物が含まれる。
【0008】一般式(1)
【化4】
【0009】式中、Ar1、Ar2およびAr3は各々独
立して置換または無置換の、アリール基またはヘテロア
リール基を表し、n1は1または2を表す。但し、式
中、n1個の−N2 +で表されるジアゾニウム基はAr1
Ar2およびAr3のうち少なくとも1つが有する置換基
に含まれることを意味する。Mはヘキサフルオロリン酸
イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、過塩素酸イオン
または有機スルホン酸イオンを表し、n2は分子内の電
荷を中和するのに必要な数を表す。
【0010】また、本発明のポリアゾ化合物の製造方法
において、前記ポリアゾ化合物には下記一般式(2)で
表される化合物が含まれる。
【0011】
【化5】
【0012】式中、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4
各々独立して置換または無置換の、アリール基またはヘ
テロアリール基を表す。
【0013】本発明の製造方法において、有機溶媒中で
前記ジアゾニウム塩を反応させるのが好ましい。
【0014】前記課題を解決するため、本発明のジアゾ
ニウム塩は、下記一般式(3)で表されることを特徴と
する。
【0015】
【化6】
【0016】式中、Ar1、Ar2およびAr3は各々独
立して置換または無置換の、アリール基またはヘテロア
リール基を表し、n1は1または2を表す。但し、式
中、n1個の−N2 +で表されるジアゾニウム基はAr1
Ar2およびAr3のうち少なくとも1つが有する置換基
に含まれることを意味する。n2は分子内の電荷を中和
するのに必要な数を表す。
【0017】
【発明の実施の形態】以下において、本発明のポリアゾ
化合物の製造方法について詳細に説明する。なお、本明
細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれ
ぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
【0018】本発明の製造方法は、単離された1以上の
ビスアゾ構造を有するジアゾニウム塩をポリアゾ化合物
の原料として用いることを特徴とする。本発明は、ビス
アゾ構造を持つジアゾニウム塩を単離して用いることを
特徴とするが、従来、ビスアゾ構造を持つジアゾニウム
塩を単離した報告例はなく、アゾ構造を含むジアゾニウ
ム塩としては、モノアゾ構造を持つジアゾニウム塩の単
離例(例えば、J. Prakt. Chem., 第332巻、第835〜840
頁、1990年)が報告されているのみである。ここで、本
明細書において「ビスアゾ構造」とは、Ar−N=N−
Ar’−N=N−Ar’’で表される構造をいい、A
r、Ar’およびAr’’は各々独立して、置換または
無置換のアリール基またはヘテロアリール基を表す。前
記アリール基には、単環構造を有するものおよび縮環構
造を有するものの双方が含まれ、具体的には、ベンゼン
環、ナフタレン環、アントラセン環を含む基が挙げられ
る。また、前記へテロアリール基としては、単環構造を
有するものおよび縮環構造を有するものの双方が含ま
れ、具体的には、ピリジン環、キノリン環、ピリミジン
環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール
環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイ
ミダゾール環、チオフェン環、フラン環、ピロール環、
およびこれらの環と前記アリール基の環とが縮合して形
成された環を含む基が挙げられる。これらの環は、さら
に−N=N−Ar、−N=N−Ar’−N=N−Ar
(ArおよびAr’については、前述の定義の通りであ
る)等のアゾ基を含む基で置換されていてもよく、前記
ジアゾニウム塩は、分子内に2以上のビスアゾ構造を有
する化合物や、トリスアゾ構造、テトラアゾ構造等のポ
リアゾ構造を有する化合物であってもよい。
【0019】また、前記ジアゾニウム塩はジアゾニウム
基(−N2 +)を少なくとも1つ有していればよく、複数
有していてもよい。前記ジアゾニウム基は、Ar、A
r’およびAr’’の置換基として、分子内に含まれ
る。前記ジアゾニウム基をArまたはAr’’の置換基
として有するジアゾニウム塩を、原料として用いると、
トリスアゾ構造を有するポリアゾ化合物を製造すること
ができる。ここで、トリスアゾ化合物とは、Ar−N=
N−Ar’−N=N−Ar’’−N=N−Ar’’’で
表される構造をいい、Ar、Ar’およびAr’’につ
いては、前述と同義である。Ar’’’はAr等と同義
であり、カプラ−とのカップリング反応によって導入さ
れる基である。
【0020】前記ジアゾニウム塩は、分子内の電荷を中
和するのに必要な場合はカウンターイオンを有する。前
記カウンターイオンは、ジアゾニウム塩の溶解性を低下
させ、単離を容易とするイオンが好ましく、例えば、ヘ
キサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオ
ン、過塩素酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン等が好
ましい。なお、前記ジアゾニウム塩が分子内塩を形成し
ている場合は、前記カウンターイオンはなくてもよい。
また、前記ジアゾニウム塩がアニオン性基を有し、全体
としてアニオンである場合は、前記カウンターイオンは
カチオンとなり、例えば、ナトリウムイオンが好まし
い。
【0021】前記ジアゾニウム塩の単離は、一般的なジ
アゾニウム塩の単離方法に準じて行うことができる。例
えば、酸性水溶液中にて、対応するアミノ体から亜硝酸
ナトリウムあるいはアルキルナイトライトを作用させて
ジアゾ化反応を行った後に、ジアゾニウム基と塩を形成
し得る陰イオンを含有する化合物を添加して、ジアゾニ
ウム塩を系中に析出させて単離するのが好ましい。系中
に添加される前記化合物は、ジアゾニウム塩の溶解性を
低下させる陰イオンを含む無機化合物であるのが好まし
く、例えば、ヘキサフルオロリン酸カリウム、ヘキサフ
ルオロリン酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸ナトリ
ウム、過塩素酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム等が挙げられる。一般的なジアゾニウム塩の単離方
法は、例えば、Szele and Zollinger, Top. Curr. Che
m., 第112巻、1-66頁、1983年およびHegarty, in Pata
i,''the Chemistry of Diazonium and Diazo Group
s’’、Wiley, New York社, 1978年 に詳しい。
【0022】本発明の製造方法では、単離された前記ジ
アゾニウム塩を、カプラ−とカップリング反応させるこ
とによってポリアゾ化合物を製造することができる。こ
こで、本明細書において「ポリアゾ化合物」とは、分子
内に3以上のアゾ基を有する化合物をいう。例えば、ト
リスアゾ構造を有する化合物(Ar−N=N−Ar’−
N=N−Ar’’−N=N−Ar’’’、Ar、A
r’、Ar’’およびAr’’’については、前述の定
義の通りである)が含まれる。n(n≧2)個のアゾ基
とm(m≧1)個のジアゾニウム基を有する前記ジアゾ
ニウム塩を原料として用いると、分子内に(m+n)個
のアゾ基を有するポリアゾ化合物を製造することができ
る。
【0023】前記ジアゾニウム塩とカップリング反応す
るいわゆるカプラーとしては、アニリンおよびフェノー
ル誘導体が好ましい。また、前記カプラ−は、アミノ基
または水酸基を持つ複素環であってもよい。そのような
カプラーとしては、例えば、ジメチルアミノベンゼン、
ジエチルアミノベンゼン、ジブチルアミノベンゼン、ジ
メチルアミノ−3−メチルベンゼン、ジエチルアミノ−
2−クロロベンゼン、N−スルホナートメチルアニリ
ン、1−ナフチルアミン、1−ジメチルアミノナフタレ
ン、N−ベンジルー1−ナフチルアミン、フェノール、
1−ナフトール、2−メチルフェノール、2−アミノピ
リジン、5−アミノキノリン、5−ヒドロキシキノリン
などが挙げられる。
【0024】反応系中の前記ジアゾニウム塩とカプラー
との当量比については、特に制限はないが、ジアゾニウ
ム塩とカプラーとが、0.1〜10の当量比であるのが
好ましく、0.3〜3.0の当量比であるのがより好ま
しい。
【0025】カップリング反応に用いられる反応溶媒と
しては、水溶液、有機溶媒および水−有機溶媒の2相系
のいずれであってもよいが、有機溶媒を用いるのが好ま
しい。前記有機溶媒としては、いかなるものであっても
よいが、アルコール系溶媒としてメタノール、エタノー
ル;エーテル系溶媒としてジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン;芳香族系溶媒としてベンゼ
ン、トルエン、キシレン;炭化水素系溶媒としてヘキサ
ン、ペンタン;ハロゲン化炭化水素系溶媒としてクロロ
ホルム、塩化メチレン;ニトリル系溶媒としてアセトニ
トリル、ベンゾニトリル;アミド系溶媒としてジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド;エステル系溶媒
として酢酸エチルエステル;スルホキシド系溶媒として
ジメチルスルホキシド;などを用いることができ、さら
にこれらを2種類以上混合して用いてもよい。前記カッ
プリング反応に用いる有機溶媒としては、ニトリル系溶
媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒が好ま
しく、具体的にはアセトニトリル、テトラヒドロフラ
ン、クロロホルム、塩化メチレンであり、特に好ましく
は、クロロホルム、塩化メチレンが好ましい。
【0026】カップリング反応において、反応液中の原
料濃度については特に制限はないが、前記ジアゾニウム
塩が溶媒に対して0.1mmol/L〜10mol/L
であるのが好ましく、1mmol/L〜0.1mol/
Lであるのがより好ましい。
【0027】カップリング反応における反応温度は、い
かなる温度であってもよいが、−20〜100℃である
のが好ましく、−5〜50℃であるのがより好ましく、
0〜20℃であるのがさらに好ましい。
【0028】カップリング反応における反応系は、酸
性、中性、塩基性いずれであってもよいが、好ましくは
塩基性である。反応系中に添加される塩基性物質として
は、無機塩基(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
ど)および有機塩基(トリエチルアミン、ピリジン、ピ
ペラジンなど)いずれであってもよく、さらに混合して
もよい。好ましくは、無機塩基であり、特に好ましくは
炭酸カリウムである。
【0029】本発明の製造方法の一実施形態として、1
以上のビスアゾ構造を有するジアゾニウム塩を単離する
単離工程と、前記ジアゾニウム塩とカプラ−とを反応さ
せてポリアゾ化合物を製造するカップリング反応工程と
を有するポリアゾ化合物の製造方法が挙げられる。
【0030】本発明の製造方法において、原料として用
いられるジアゾニウム塩には、下記一般式(1)で表さ
れるジアゾニウム塩が含まれる。また、本発明の製造方
法において、製造されるポリアゾ化合物には、下記一般
式(2)で表されるポリアゾ化合物が含まれる。前記一
般式(1)中、Ar3が少なくとも1個のジアゾニウム
基を置換基として有するジアゾニウム塩を原料として用
いることにより、下記一般式(2)で表されるポリアゾ
化合物を製造することができる。
【0031】
【化7】
【0032】前記一般式(1)中、Ar1、Ar2および
Ar3は各々独立して、置換または無置換の、アリール
基またはヘテロアリール基を表し、n1は1または2を
表す。但し、式中、n1個の−N2 +で表されるジアゾニ
ウム基はAr1、Ar2およびAr3のうち少なくとも1
つが有する置換基に含まれることを意味する。Mはヘキ
サフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオ
ン、過塩素酸イオンまたは有機スルホン酸イオンを表
し、n2は分子内の電荷を中和するのに必要な数を表
す。前記一般式(2)中、Ar1、Ar2およびAr3
ついては、前記一般式(1)中の各基と各々同義であ
り、Ar4は置換または無置換の、アリール基またはヘ
テロアリール基を表す。
【0033】Ar1、Ar2、Ar3およびAr4でそれぞ
れ表されるアリール基には、単環構造のものおよび縮環
構造を有するものの双方が含まれる。前記アリール基と
しては、炭素数2〜20のアリール基が好ましく、具体
的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環を
含む基が挙げられる。前記へテロアリール基としては、
単環構造のものおよび縮環構造を有するものの双方が含
まれる。前記ヘテロアリール基としては、炭素数2〜2
0のヘテロアリール基が好ましく、具体的には、ピリジ
ン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピ
ラジン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾー
ル環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾ
ール環、トリアゾール環からなる基、およびこれらの環
または前記アリール基の環が縮合して形成される環を含
む基が挙げられる。
【0034】但し、前記一般式(1)において、A
1、Ar2およびAr3のうち少なくとも1つは、ジア
ゾニウム基(−N2 +)を含む置換基をn1個有する。A
1および/またはAr3がジアゾニウム基を含む置換基
をn1個有しているのが好ましい。n1は1または2を表
し、n1は1であるのが好ましい。
【0035】Ar1、Ar2、Ar3およびAr4は各々置
換基を有していてもよく、代表的な置換基の例として
は、ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ
素);メルカプト基;シアノ基;カルボキシル基;リン
酸基;スルホン酸基;ヒドロキシ基;炭素数1〜10、
好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは炭素数2〜5
のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、エチ
ルカルバモイル基、モルホリノカルバモイル基);炭素
数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、更に好ましくは
炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルフ
ァモイル基、エチルスルファモイル基、ピペリジノスル
ファモイル基);ニトロ基;炭素数1〜40、好ましく
は炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアル
キル基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、
n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−
ヘプチル基、n−オクチル基、シクロヘキシル基、4−
メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル
基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロ
ヘキシル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜
10、更に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例
えばメトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ
基、2−フェニルエトキシ基);炭素数6〜20、好ま
しくは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10
のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基、p−メチル
フェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、1−ナフトキ
シ基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、
更に好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えばアセチ
ル基、ベンゾイル基、トリクロロアセチル基);
【0036】炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜1
2、更に好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例
えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基);炭素数
1〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは
炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ
基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、更
に好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えばメタ
ンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホ
ニル基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜1
0、更に好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例
えばメタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、ベ
ンゼンスルフィニル基);炭素数1〜20、好ましくは
炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8のスルホ
ニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、エタ
ンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ
基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、更
に好ましくは炭素数0〜8のアミノ基(例えばアミノ
基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ベンジルアミ
ノ基、アニリノ基、ジフェニルアミノ基);炭素数0〜
15、好ましくは炭素数3〜10、更に好ましくは炭素
数3〜6のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニ
ウム基、トリエチルアンモニウム基);炭素数0〜1
5、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数
1〜6のヒドラジノ基(例えばトリメチルヒドラジノ
基);炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、更
に好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えばウレイ
ド基、N,N−ジメチルウレイド基);炭素数1〜1
5、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数
1〜6のイミド基(例えばスクシンイミド基);
【0037】炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜1
2、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例
えばメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基);
炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、更に好ま
しくは炭素数6〜10のアリールチオ基(例えばフェニ
ルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、p−クロロフェ
ニルチオ基、2−ピリジルチオ基、ナフチルチオ基);
炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、更に好ま
しくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えば
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−ベ
ンジルオキシカルボニル基);炭素数6〜20、好まし
くは炭素数6〜12、更に好ましくは炭素数6〜10の
アリーロキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニ
ル基);炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、
更に好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例え
ばビニル基、エチニル基、1−シクロヘキセニル基、ベ
ンジリジン基、ベンジリデン基);炭素数6〜20、好
ましくは炭素数6〜15、更に好ましくは炭素数6〜1
0の置換または無置換のアリール基(例えばフェニル
基、ナフチル基、p−カルボキシフェニル基、p−ニト
ロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、p−シア
ノフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−トリル
基);炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、更
に好ましくは炭素数4〜6の置換または無置換のヘテロ
環基(例えばピリジル基、5−メチルピリジル基、チエ
ニル基、フリル基、モルホリノ基、テトラヒドロフルフ
リル基);が挙げられる。また、ベンゼン環やナフタレ
ン環が縮合した構造もとることができる。
【0038】Ar1、Ar2、Ar3およびAr4の置換基
としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アル
コキシ基が好ましく、水素原子、フッ素原子、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、パーフルオロア
ルキル基またはパーフルオロアルコキシ基が好ましい。
【0039】また、Ar1、Ar2、Ar3およびAr
4は、−N=N−Ar5基、−N=N−Ar6−N=N−
Ar7基などで置換されてポリアゾ構造をとることがで
きる。ここで、Ar5、Ar6およびAr7は先に示した
Ar1、Ar2およびAr3と同義であり、具体例、置換
基の例ともAr1、Ar2およびAr3で示したものと同
様である。この場合、前記一般式(1)で表される化合
物は形式上トリスアゾあるいはテトラキスアゾ構造を含
むジアゾニウム塩となるが、これらも前記一般式(1)
で表される化合物に含まれる。
【0040】前記一般式(1)中、Mはヘキサフルオロ
リン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、過塩素酸
イオンまたは有機スルホン酸イオンを表す。有機スルホ
ン酸イオンとしては、例えば、ベンゼンスルホン酸イオ
ン、パラトルエンスルホン酸イオン、1,5−ナフタレ
ンジスルホン酸イオンなどが挙げられる。好ましくは、
ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イ
オン、過塩素酸イオンであり、特に好ましくは、ヘキサ
フルオロリン酸イオンである。n2は分子内の電荷を中
和するのに必要な数を表し、n1の値、Mの電荷等に応
じて決定される。
【0041】前記一般式(1)で表される化合物には、
下記一般式(3)で表される化合物が含まれる。
【0042】
【化8】 前記一般式(3)中、Ar1、Ar2、Ar3、n1および
2については、前記一般式(1)中のそれぞれと同義
であり、具体例、および好ましい範囲についても同様で
ある。
【0043】以下に、本発明の製造方法に原料として使
用可能な前記一般式(1)で表されるジアゾニウム塩の
具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら
制限されるものではない。
【0044】
【化9】
【0045】
【化10】
【0046】以下に本発明の製造方法で合成可能な前記
一般式(2)で表されるポリアゾ化合物の具体例を示す
が、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるも
のではない。
【0047】
【化11】
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操
作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更する
ことができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す
具体例に制限されるものではない。 <合成例1 例示化合物1−2の合成>
【0049】
【化12】
【0050】窒素雰囲気下、化合物(C−1)1.0g
を酢酸10mL中に溶解させ、塩酸1.0mLを添加し
た。氷冷下、次亜塩素酸ナトリウム 0.40gの水溶
液10mLを滴下して、2時間攪拌した後、室温にてK
PF6を反応液に1.10g添加した。室温にて1時間
攪拌し、析出した結晶をろ別、乾燥することにより目的
の例示化合物1−2を黄色粉体として得た(収量は1.
4g、収率97%)。
【0051】<合成例2. 例示化合物1−5の合成>
【0052】
【化13】
【0053】窒素雰囲気下、化合物(C−2)1.0g
を酢酸10mL中に溶解させ、塩酸0.6mLを添加し
た。氷冷下、次亜塩素酸ナトリウム 0.15gの水溶
液10mLを滴下して、2時間攪拌した後、室温にてK
PF6を反応液に0.4g添加した。室温にて1時間攪
拌し、析出した結晶をろ別、乾燥することにより目的の
例示化合物1−5を黄色紛体として得た(収量1.3
g、収率100%)。
【0054】<実施例1. 例示化合物1−2を原料と
した化合物2−2の合成)
【0055】
【化14】
【0056】窒素雰囲気下、原料として化合物(1−
2)1.0gと化合物(C−3)0.45gをクロロホ
ルム中に溶解させ、室温下炭酸カリウム0.20gを作
用させ、室温下4時間攪拌した。反応液に水を添加し、
有機物をクロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムにて
乾燥させた。クロロホルムを減圧下留去し、得られた残
査をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液クロロホル
ム)にて精製した後、メタノールより再結晶させること
により目的化合物(2−2)を黄色結晶として得た(収
量0.95g、収率80%)。得られた化合物の吸収ス
ペクトルは、478nm(ジメチルホルムアミド)に吸
収極大を示し、吸光係数は40000であった。
【0057】<比較例1. 一貫法による化合物2−2
の合成>窒素雰囲気下、原料(C−1)1.0gを酢酸
10mL中に溶解させ塩酸1.0mLを添加した。氷冷
下、次亜塩素酸ナトリウム0.40gの水溶液10mL
を滴下して2時間攪拌した。該反応液を、酢酸ナトリウ
ム0.5gおよび原料(C−3)0.55gのジメチル
スルホキシド100mLおよび水20mLの混合溶液中
に室温下添加し、4時間攪拌した。反応液中の有機物を
クロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムにて乾燥させ
た。クロロホルムを減圧下留去し、得られた残査をシリ
カゲルクロマトグラフィー(溶離液クロロホルム)にて
精製した後、メタノールより再結晶させることにより目
的の例示化合物(2−2)を得た(収量0.25g、収
率21%)。
【0058】実施例の製造方法では、原料C−1に対す
る化合物2−2のトータル収率が78%であるのに対し
て、従来の製造方法である比較例では、収率が21%と
極めて低いことが明らかとなった。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、高い収率でポリアゾ化
合物を製造し得る製造方法を提供することができる。ま
た、本発明によれば、ポリアゾ化合物の原料として有用
な新規なジアゾニウム塩を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09B 31/18 C09B 31/18 31/20 31/20 Fターム(参考) 4C033 AE13 4C055 AA01 BA02 BA54 BB17 CA02 CA54 CB17 DA01 4H006 AA01 AB84

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離された1以上のビスアゾ構造を有す
    るジアゾニウム塩を原料とし、ポリアゾ化合物を製造す
    ることを特徴とするポリアゾ化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ジアゾニウム塩が下記一般式(1)
    で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記
    載のポリアゾ化合物の製造方法。 【化1】 (式中、Ar1、Ar2およびAr3は各々独立して置換
    または無置換の、アリール基またはヘテロアリール基を
    表し、n1は1または2を表す。但し、式中、n1個の−
    2 +で表されるジアゾニウム基はAr1、Ar2およびA
    3のうち少なくとも1つが有する置換基に含まれるこ
    とを意味する。Mはヘキサフルオロリン酸イオン、テト
    ラフルオロホウ酸イオン、過塩素酸イオンまたは有機ス
    ルホン酸イオンを表し、n2は分子内の電荷を中和する
    のに必要な数を表す。)
  3. 【請求項3】 前記ポリアゾ化合物が下記一般式(2)
    で表される化合物であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のポリアゾ化合物の製造方法。 【化2】 (式中、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4は各々独立し
    て置換または無置換の、アリール基またはヘテロアリー
    ル基を表す。)
  4. 【請求項4】 有機溶媒中で前記ジアゾニウム塩を反応
    させることを特徴とする請求項1〜3までのいずれか1
    項に記載のポリアゾ化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 下記一般式(3)で表されるジアゾニウ
    ム塩。 【化3】 (式中、Ar1、Ar2およびAr3は各々独立して置換
    または無置換の、アリール基またはヘテロアリール基を
    表し、n1は1または2を表す。但し、式中、n1個の−
    2 +で表されるジアゾニウム基はAr1、Ar2およびA
    3のうち少なくとも1つが有する置換基に含まれるこ
    とを意味する。n2は分子内の電荷を中和するのに必要
    な数を表す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008056898A (ja) * 2006-06-15 2008-03-13 Mitsubishi Chemicals Corp 異方性色素膜用アゾ色素

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