JP2002299354A - パワー半導体装置 - Google Patents

パワー半導体装置

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JP2002299354A
JP2002299354A JP2001100795A JP2001100795A JP2002299354A JP 2002299354 A JP2002299354 A JP 2002299354A JP 2001100795 A JP2001100795 A JP 2001100795A JP 2001100795 A JP2001100795 A JP 2001100795A JP 2002299354 A JP2002299354 A JP 2002299354A
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semiconductor device
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power semiconductor
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JP2001100795A
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Katsuji Iida
克二 飯田
Naohiro Shimizu
尚博 清水
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NGK Insulators Ltd
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大電流・高電圧のパルス駆動において、高速の
ターンオン・ターンオフができ、ゲートパワーを軽減
し、ミスターンオンをなくし、半導体スイッチング素子
を破壊から保護するパワー半導体装置を提供する。 【解決手段】静電誘導サイリスタを形成したシリコン基
板41の一方の表面に、補助カソード電極42を介して
カソ−ド電極43を配置し、シリコン基板の他方の表面
にはアノード電極44を配置し、これら両電極の間を絶
縁パッケージ45で連結する。補助カソ−ド電極42と
カソード領域との間はカソ−ド電極43を介することな
く電気的に接続しカソード領域をゲート駆動回路に接続
する配線のインダクタンスを小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板の第1
および第2の主表面にそれぞれ形成された第1および第
2の主電極領域と、これら第1および第2の主電極領域間
を流れる電流を制御するように形成された制御領域と、
前記半導体基板の第1および第2の主表面のほぼ全体にそ
れぞれ圧接され、前記第1および第2の主電極領域にそれ
ぞれ接続された第1および第2の主電極と、これら第1お
よび第2の主電極の周縁部に、これらを囲むように連結
された絶縁パッケージと、一端が前記制御領域に接続さ
れ、他端が前記絶縁パッケージを貫通して外部へ導出さ
れた制御電極とを具え、この制御電極の他端と、前記第
1の主電極領域との間に制御回路を接続するようにした
パワー半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上述した種類のパワー半導体装置は既知
であり、種々の形式のものが実用化されているが、中で
も静電誘導サイリスタを構成要素とするパワー半導体装
置は、高電圧、大電流および高速動作が可能であり、特
にパルス電力用として注目されている。
【0003】図1は従来の代表的な平形構造のパワー半
導体装置の構成を線図的に示す断面図である。静電誘導
サイリスタの各種領域やそれらに対する各種のコンタク
ト層を形成した、例えばシリコン基板より成る半導体基
板11の上下の主表面には、それぞれモリブデンより成
る圧接緩衝板12および13を介して10mm以上の相
当厚肉の銅ブロックより成り、上述した第1および第2
の主電極として作用するカソード電極14およびアノー
ド電極15が配置されている。これらカソード電極14
およびアノード電極15には、実際の使用時において
は、半導体基板11を挟持するように15kN/cm
度の圧力を外部より加え圧接されている。
【0004】半導体基板11に形成された制御領域とし
て作用するゲート領域に接続された導電コンタクト層と
対向するカソード電極14の内側表面中心部に凹部14
aが形成され、そこに配置された制御電極として作用す
るゲート電極16はばね17によって導電コンタクト層
に圧接されている。このゲート電極16には、ゲートリ
ード18の一端がはんだ付けされている。また、カソー
ド電極14およびアノード電極15には金属リング19
および20がそれぞれ嵌合され、これらの金属リングの
間は、外周面に沿面放電を防止するためのコルゲート構
造を形成したセラミック製の絶縁パッケージ21で連結
されている。上述したゲートリード18は、この絶縁パ
ッケージ21に形成した開口を経て絶縁パッケージの外
部へ導出されている。
【0005】カソード電極14に嵌合された金属リング
19の延長端に銅製の補助カソード端子19aが配置さ
れている。この補助カソード端子19aと、上述したゲ
ートリード18の端部で構成されるゲート端子18aと
の間に図示していないゲート駆動回路が接続されるよう
に構成されている。
【0006】図2は上述したパワー半導体装置をゲ−ト
駆動回路に接続した場合の等価回路図であり、パワー半
導体装置の部分をPで示してある。本例では、静電誘導
サイリスタを使用するのが特に好適な大電流パルス発生
回路として構成したものである。静電誘導サイリスタ本
体SIThyのカソードおよびアノードは、それぞれカソー
ド電極14およびアノード電極15を経てコンデンサ3
1の両端に接続されている。このコンデンサ31は、図
示されていない直流電源から充電される。また、図2に
示す例では、コンデンサ31に蓄えられた静電エネルギ
ーを静電誘導サイリスタ本体SIThyをターンオンさせ、
インダクタンス(負荷および配線分lC、カソード側配
線分lA2、静電誘導サイリスタ本体内部アノード側分l
A1、静電誘導サイリスタ本体内部カソード側分lK1
カソード側配線分lK2の合計のインダクタンス)を経由
して放電させるが、パルスパワー応用ではこのインダク
タンスが非常に小さく、抵抗も小さいため、電流は振動
的となり、短周期で波高値の大きい振動電流となる。し
たがって振動電流の負成分を流す経路を設けないと、反
転電流の行き場がなくなり、回路に大きな誘起電圧を発
生させ、静電誘導サイリスタ本体を破壊する恐れがあ
る。このため、反転電流を流す経路として並列ダイオー
ド32が接続されている。
【0007】さらに、静電誘導サイリスタ本体SIThyの
ゲート電極16に接続されたゲートリード18の先端で
構成されるゲート端子18aと、カソード電極14に嵌
合された金属リング19の延長部分で構成される補助カ
ソ−ド端子19aは、ゲート駆動回路Gに接続されてい
る。このゲート駆動回路Gの構成そのものは周知である
ので、ここでは説明しないが、パワー半導体装置Pをタ
ーンオン・ターンオフする際に、そのゲート・カソード
間に所定の極性の電圧を印加するものである。
【0008】上述したように、図2ではパワー半導体装
置Pを高周波パルス発生回路に適用した場合であるの
で、その動作はインダクタンスの影響を大きく受ける。
そこで、図2の等価回路においては、カソ−ド電極14
およびアノード電極15が有するインダクタンスをそれ
ぞれlk1およびlA1で表し、ゲートリード18が有
するインダクタンスをlで表している。さらに、カソ
−ド電極14およびアノード電極15をコンデンサ3
1、負荷および配線部分が有するインダクタンスをl
K2、lA2,lで表し、ダイオード32の配線部分
のインダクタンスをまとめてlで表している。
【発明が解決すべき課題】
【0009】図1に示した従来の平形構造のパワー半導
体装置Pを使用した電力回路においては、パワー半導体
装置Pを通流する主電流の変化率は大きくても、200
0〜3000A/μ秒程度であり、一方パワー半導体装
置内のカソード側インダクタンスlK1は2nH程度ある。
例えば、3000A/μ秒の変化率を持った主電流がカ
ソード側インダクタンスlK1に流れると、このインダク
タンスに6Vの電圧が誘起されるが、この程度の低い電
圧が発生しても問題がない。しかし、パルスパワー応用
においては、電流変化率が100kA/μ秒以上となり、
上記インダクタンスに誘起される電圧は200V以上と
なる。このように高い電圧がゲート駆動回路Gから供給
されるターンオンゲート電流の通流経路に直列に挿入さ
れることになる。したがって、ターンオンにより静電誘
導サイリスタ本体SIThyが導通し、コンデンサ31から
の放電電流が急速に立ち上がると、前述のようにインダ
クタンスlK1に大きな電圧が発生し、これがゲート電流
の継続を阻止するため、静電誘導サイリスタ本体SIThy
のターンオン動作の進展が抑えられることによるターン
オン損失の増大の問題がある。また、ゲート駆動回路に
よって静電誘導サイリスタ本体SIThyがターンオフされ
る際の主電流の減少時の電流変化率が大きい場合にも、
重大な不具合が発生する。すなわち、負の電流変化率が
−100kA/μ秒以上となると、上記のインダクタンスl
K1に−200Vの電圧が発生する。この電圧は静電誘導
サイリスタ本体SIThyのゲート−カソード間を順方向に
バイアスすることになり、再度静電誘導サイリスタ本体
をターンオンさせる、いわゆるミスターンオンを起こ
し、パワー半導体装置を破壊する恐れがあることが確か
められた。
【0010】このような不具合が発生する理由は、パワ
ー半導体装置自身の主電極が有するインダクタンスに、
非常に大きな変化率の主電流が流れたときに、このイン
ダクタンスに大きな電圧が誘起され、ゲート駆動回路の
動作に支障を与えるからである。この主電流が流れる部
分がゲート電流通流経路に極力介在しなようにすればよ
い。しかしながら、図2で示すインダクタンスlk1
よびインダクタンスlA1は、それぞれ図1に示すよう
に銅の比較的厚いブロックで形成されたカソ−ド電極1
4およびアノード電極15のインダクタンスであるが、
これらの電極は半導体基板11に相当大きな圧力で圧接
されるので、大きな機械的な強度が要求され、これらを
薄くすることはできず、したがってそれらのインダクタ
ンスを小さくするには限界がある。
【0011】このように、従来のパワー半導体装置にお
いては、第1の主電極が有するインダクタンス
(lk1)間に大きな電圧が発生し、静電誘導サイリス
タがターンオンする場合に、ゲート電流の立ち上がりが
阻害され、アノード・カソード間を流れる電流の立ち上
がりが遅くなり、高速のターンオンができないという問
題がある。
【0012】さらに、静電誘導サイリスタがターンオフ
する際には、インダクタンスlk1の間に、ゲート電流
の流れる向きとは反対の極性に電圧が発生されるので、
ゲート電流の流れが阻害され、静電誘導サイリスタのタ
ーンオフ時間が長くなる。
【0013】本発明の目的は、従来のパワー半導体装置
の上述した種々の問題を解決若しくは軽減し、高速のタ
ーンオン・ターンオフ特性を有すると共に、破壊から保
護することができるパワー半導体装置を提供しようとす
るものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体基板の
第1および第2の主表面にそれぞれ形成された第1およ
び第2の主電極領域と、これら第1および第2の主電極
領域間を流れる電流を制御するように形成された制御領
域と、前記半導体基板の第1および第2の主表面のほぼ
全体にそれぞれ圧接され、前記第1および第2の主電極
領域にそれぞれ接続された第1および第2の主電極と、
これら第1および第2の主電極の周縁部に、前記半導体
基板を囲むように連結された絶縁パッケージと、一端が
前記制御領域に接続され、他端が前記絶縁パッケージの
外部へ導出された制御電極とを具え、この制御電極の他
端と、前記第1の主電極領域との間に制御回路を接続す
るようにした平形構造のパワー半導体装置において、前
記第1の主電極と前記半導体基板の第1の主表面に形成
された前記第1の主電極領域との間に一端が接続され、
他端が前記絶縁パッケージを経て外方へ延在する補助電
極を設け、前記制御回路をこの補助電極と前記制御電極
との間に接続したときに、前記第1の主電極領域と補助
電極との間に主電流が通流する第1の主電極部分が介在
しないようにし、かつ前記制御領域から制御電極に至る
距離を短縮することによりインダクタンスを減少させる
ように構成したことを特徴とするものである。
【0015】このような本発明によるパワー半導体装置
においては、第1の主電極領域と補助電極との間に主電
流が通流する第1の主電極部分が介在しないように補助
電極を設けることによって、主電流のゲート駆動回路に
与える影響を小さくすることができるが、さらに前記制
御電極の一端を、前記半導体基板の周辺部において前記
制御領域と接続したことによって、制御領域と制御回路
との間のインダクタンスをも小さくすることができる。
この場合、前記補助電極を前記第1の主電極のほぼ全周
と接続されるように形成すると共に、前記制御電極を前
記半導体基板のほぼ全周辺部において前記制御領域と接
続されるように形成するのが特に好適である。
【0016】本発明によるパワー半導体装置の好適な実
施例においては、前記補助電極を、周辺部を立ち上げて
フランジとした導電円板を以って構成し、この導電円板
の中央部分を、前記第1の主電極領域と前記第1の主電極
との間に挟持し、前記フランジとした周辺部を前記絶縁
パッケージの一方の端面に固定することができる。
【0017】このような実施例のように、補助電極を半
導体基板の全周を囲むように形成する場合には、半導体
基板の第1の主表面に、前記制御領域に接続された導電
性コンタクト層を設け、前記制御電極の一端を、半導体
基板の周辺部において前記導電性コンタクト層と弾性的
に圧接させるのが好適である。この場合には、前記制御
電極をリング状に形成し、その全周において導電性コン
タクト層と圧接させ、絶縁パッケージの一端面に沿っ
て、前記補助電極と絶縁分離した状態で外部へ延在させ
るものとするのが好適である。
【0018】本発明によるパワー半導体装置の他の好適
な実施例においては、前記補助電極および制御電極を、
前記半導体基板と平行な方向から見てほぼ同じ平面内を
延在させ、制御電極の内方端を半導体基板の周辺部にお
いて制御領域と接続し、補助電極の内方端を、第1の主
電極領域と第1の主電極との間に介挿した圧接緩衝部材
の周辺部に接続する。この場合、前記補助電極および制
御電極の前記絶縁パッケ−ジの外方へ延在する部分をそ
れぞれ複数設け、これら補助電極および制御電極の延在
部分を、前記半導体基板に垂直な方向から見て交互に配
置するのが好適である。
【0019】従来のパワー半導体装置においては、前記
第1および第2の主電極は一般に銅で形成されている
が、本発明によるパワー半導体装置においては、これら
第1および第2の主電極に加えて前記補助電極をも銅で
形成するのが好適である。
【0020】さらに本発明によるパワー半導体装置にお
いては、前記半導体基板の第1の主表面に、前記制御領
域に接続された導電性コンタクト層を設け、前記制御電
極の一端を、半導体基板の周辺部において前記導電性コ
ンタクト層と弾性的に圧接させるのが好適である。この
場合には、制御電極をリング状に形成し、その内周部を
前記導電性コンタクト層と圧接させることができるが、
このリング状の制御電極の、前記導電性コンタクト層と
圧接される内周部には複数の切込みを形成するのが良好
な圧接力を得る上で好適である。また、このリング状の
制御電極は、適当な導電特性および弾性特性を有する金
属、特にベリリウム銅やステンレスやチタン合金で形成
するのが好適である。
【0021】本発明によるパワー半導体装置の他の好適
な実施例においては、前記制御電極を、前記絶縁パッケ
ージの一方の端面に固定されたドーナッツ状の導電性円
板と、前記第1の主電極を、これから離間して取り囲
み、一端が前記円板の内方周縁に接触するように配置さ
れた導電性皿ばねと、一端が前記半導体基板の第1の主
表面に設けた導電性コンタクト層と接触し、他端が前記
導電性皿ばねの他端に接触するように配置された導電性
リングとで構成し、前記皿ばねの弾性復元力によって前
記導電性円板、導電性皿ばねおよび導電性リングを相互
に圧接させると共に導電性リングを前記導電性コンタク
ト層に圧接させる。このような構成では、前記導電性円
板を銅で形成し、前記導電性皿ばねをベリリウム銅で形
成し、前記導電性リングを黄銅で形成するのが好適であ
る。
【0022】上述した本発明によるパワー半導体装置に
おいては、前記半導体基板をn型半導体基板で形成
し、前記第1および第2の主電極領域をそれぞれカソー
ド領域およびアノード領域で形成し、前記第1および第
2の主電極をそれぞれカソード電極およびアノード電極
で形成し、前記制御領域をゲート領域で形成し、前記制
御電極をゲート電極で形成して静電誘導サイリスタとし
て構成するのが特に好適であるが、他の半導体スイッチ
ング素子を形成することもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】図3は本発明によるパワー半導体
装置の第1の実施例の構成を示す断面図であり、図6は
同じくその等価回路図である。本発明のパワー半導体装
置においては、半導体スイッチング素子として静電誘導
サイリスタを設けたものであり、この静電誘導サイリス
タの各種領域や導電層を設けたシリコン基板41の一方
の表面には、本発明による補助カソード電極42を介し
て厚い銅ブロックより成るカソ−ド電極43が配置さ
れ、シリコン基板41の他方の表面には同じく厚い銅ブ
ロックより成るアノード電極44が、モリブデンより成
る圧接緩衝板44aを間に介在させて配置され、シリコ
ン基板はこれらカソ−ド電極およびアノード電極の間に
挟持されており、これら両電極の間は、セラミックより
成り、外周面にコルゲート構造が形成された絶縁パッケ
ージ45で連結されており、絶縁パッケージで囲まれる
内部空間には窒素ガスやヘリウムガスなど不活性ガスが
充填されている。
【0024】本例では、補助カソ−ド電極42は、図4
に示すように、全体を薄い銅板より成る導電性円板を以
て形成し、その中央部42aをシリコン基板41とカソ
−ド電極43との間に介在させ、周辺部を立ち上げてフ
ランジ42bとし、このフランジを絶縁パッケージ45
の一方の端面に沿って延在させて固定する。この補助カ
ソ−ド電極42の中央部42aとフランジ42bとを連
結する高さの低い円筒部42cとカソ−ド電極43の外
周面との間は絶縁スリーブ46が配置されている。した
がって、補助カソ−ド電極42と、シリコン基板41に
形成されたカソード領域との間はカソ−ド電極43を介
することなく電気的に接続されることになる。本発明で
はこのようにして、静電誘導サイリスタのカソード領域
と後述するゲート駆動回路との間のインダクタンスを理
論上、最小化することができる。
【0025】さらに、シリコン基板41に形成したゲー
ト領域に接続された、例えばアルミより成る導電性コン
タクト層をシリコン基板の周辺部まで延在させ、この周
辺部に一端が圧接されたゲート電極47を設ける。この
ゲート電極47は良好な導電性および弾性を有する金属
板、本例ではベリリウム銅板を以って構成し、図5に示
すようにリング状に形成され、その内方縁の全周には下
方に向いた凸条47aを形成する。図3に示すように、
リング状のゲート電極47は、絶縁パッケージ45の上
端面に沿って外方へ延在する部分47bを有している。
また、このゲート電極47の外方へ延在する部分47b
と平行に補助カソ−ド電極42のフランジ42bを配置
し、これらの間にセラミックより成る絶縁リング48を
配置してある。この絶縁リング48の厚みを薄くして、
ゲート電極47の外方へ延在する部分47bと、補助カ
ソ−ド電極42のフランジ42bとを互いに接近させ
て、インダクタンスを減少するように構成してある。ゲ
ート電極47と、絶縁パッケージ45の上端面および絶
縁リング48との間、および絶縁リング48と補助カソ
−ド電極42のフランジ42bとの間は、例えば溶接に
より固着する。したがって、ゲート電極47の内周部に
形成した凸条47aは、カソード電極43とアノード電
極44をシリコン基板41を挟んで圧接させるときにシ
リコン基板の表面に形成したゲートコンタクト領域の周
辺部に圧接されることになり、ゲート領域とゲート電極
との間に良好な導電接続を形成することができる。
【0026】本例では、リング状のゲート電極47の内
周縁と補助カソ−ド電極42の円筒部42cとの間に絶
縁リング49を設けるが、この絶縁リングは上述した絶
縁リング48と一体に設けても良い。また、シリコン基
板41の外周縁には、従来のパワー半導体装置と同様に
絶縁性のシリコンゴムより成るリング50を嵌合してあ
る。さらに、絶縁パッケージ45の下端面とアノード電
極44との間の連結は、例えばFe+Ni製のリング状部材
51および52を溶接して行なっているが、この構成自
体も従来のパワー半導体装置と同様である。
【0027】さらに、図3において破線で示すように、
補助カソ−ド電極42のフランジ42bの絶縁パッケー
ジ45の外方に延在する部分にプリント配線基板53を
ねじ54により固定し、このプリント基板にゲート駆動
回路を構成する回路素子55を配置する。この回路素子
55の一部はゲート電極47に接続されている。本例で
は、このプリント基板53は、絶縁パッケージ45を囲
むリング状に形成し、ゲート駆動回路を構成する回路素
子55を絶縁パッケージの全周を囲むように分散して配
置するが、プリント基板を絶縁パッケージ45の一部分
を囲むセクタ状に形成することもできる。
【0028】図6は本例のパワー半導体装置の等価回路
図を示すものであるが、各部のインダクタンスは上述し
た図2に示したインダクタンスの符号と同じ符号を付け
て示すと共に静電誘導サイリスタも同じ符号Pで表し、
周辺回路も図2に示したものと同じ符号で示した。本例
においては、シリコン基板41とカソード電極43との
間に補助カソ−ド電極42を設けたので、これをシリコ
ン基板41に形成された静電誘導サイリスタPのカソー
ド領域は、カソ−ド電極43を介することなく補助カソ
−ド電極42を経てゲート駆動回路Gに電気的に接続さ
れることになるので、静電誘導サイリスタPの主電流が
流れるカソード電極43がゲート電流の通流経路から取
り除かれたことにより、電流変化率の大きい主電流が流
れてもゲート駆動機能に干渉することを防止でき、ま
た、このような構成とすることで、静電誘導サイリスタ
Pのカソード領域とゲート駆動回路Gとの間のインダク
タンスlKGを従来に比べて小さくすることができる。
すなわち、厚い銅ブロックより成るカソード電極43の
バルクによって形成されるインダクタンスlK1を、静
電誘導サイリスタPのゲートをゲート駆動回路Gに接続
する回路部分から除くことができる。さらに本例におい
ては、ゲート電極47の内方端部に形成した凸条47a
をシリコン基板41の周辺部に圧接させて電気的な接続
を行なっているので、ゲート電極の長さを短くすること
ができ、したがって図6に示すインダクタンスlを小
さくすることができる。
【0029】このように静電誘導サイリスタPの主電流
が流れるカソード電極43がゲート電流の通流経路から
取り除かれたことにより、電流変化率の大きい主電流が
流れてもゲート駆動機能に干渉することを防止すること
ができる。また、このような構成とすることによって、
従来に比べてゲート電流通流経路の距離が短縮され、イ
ンダクタンス(lG,lKG)の減少することができる。した
がって、静電誘導サイリスタPをターンオンするときお
よびターンオフするときに、主電流の影響が小さくな
り、高速のターンオン、ターンオフが可能となり、ゲー
ト駆動回路の電力が低減され、さらに静電誘導サイリス
タを破壊から有効に保護することができる。
【0030】図7、8および9は本発明によるパワー半
導体装置の第2の実施例の構造を示す断面図および平面
図であり、上述した第1の実施例と同じ部分には同じ符
号を付けて示し、その詳細な説明は省略する。図7およ
び8は、図9の直線A−AおよびB−Bに沿って切った
断面図である。本例においては、補助カソ−ド電極61
とゲート電極47とを同一平面に沿って延在させてい
る。すなわち、ゲート電極47の内方端47aは、図7
に示すように、シリコン基板41の外周に形成したゲー
トコンタクト層と接触させ、延在部分47bを絶縁パッ
ケ−ジ45の上側縁を経て外部へ導出する。また、この
ゲート電極47の延長部47bは絶縁パッケ−ジ45と
絶縁リング62との間に挟持し、この絶縁リングとカソ
ード電極43との間は金属製のリング状部材63で連結
する。
【0031】さらに本例においては、シリコン基板41
とカソード電極43との間には、モリブデン円板64を
介在させる。このモリブデン円板64は、カソード電極
43およびアノード電極44を圧接させるときの、圧接
力を緩衝する作用を有している。静電誘導サイリスタの
カソード領域をゲート駆動回路に接続する補助カソード
電極61の内方端を内方に延在させ、モリブデン円板6
4の周縁に形成した凹部に嵌合させる。したがって、補
助カソ−ド電極61は、モリブデン円板64を介してシ
リコン基板41に形成したカソード領域に電気的に接続
されることになり、カソード領域とゲート駆動回路との
間の回路部分にはカソード電極43の厚さの厚いバルク
の部分が介在することがなくなる。また、図9に示すよ
うに、ゲート電極47および補助カソード電極61は互
いに干渉しないように、円周方向に見て、所定の角度を
以て交互に配置する。
【0032】図10は、本発明によるパワー半導体装置
の第3の実施例の構成を示す断面図である。本例の補助
カソ−ド電極42の構成は図3に示した第1の実施例の
補助カソ−ド電極の構成と同じである。本例では、ゲー
ト電極71を、リング状プレート71aと、このリング
状プレートの内周部分と上端縁が接触するリング状の導
電性皿ばね71bと、このリング状の導電性皿ばねの下
端縁と、シリコン基板41に形成されたゲート領域に接
続されるように形成された導電性コンタクト層との間に
介挿された導電性リング71cとで構成する。
【0033】パワー半導体装置を組立てる際に、カソー
ド電極43とアノード電極44とを、それらの間にシリ
コン基板41を挟んで圧接させると、リング状の導電性
皿ばね71bはリング状プレート71aと導電性リング
71cとの間で力を受け、その弾性反発力により、導電
性リング71cの下端面は導電性コンタクト層に圧接さ
れることになり、良好な電気的な接続が得られる。本例
では、リング状プレート71aを銅で形成し、リング導
電性皿ばね71bをベリリウム銅で形成し、導電性リン
グ71cを黄銅で形成するが、他の金属材料で形成する
こともできる。また、リング状の導電性皿ばね71bの
弾性反発力を得るために、図11に示すように、その内
周部に半径方向に延在する複数の切込み71dを形成し
てある。本例における作用効果は上述した第1および第
2の実施例の作用効果と同様である。
【0034】本発明は上述した実施例にのみ限定される
ものではなく、幾多の変更や変形が可能である。例え
ば、上述した実施例では半導体スイッチング素子として
静電誘導サイリスタを用いたが、他の半導体スイッチン
グ素子を用いることもできる。さらに、上述した実施例
では、ゲート電極も補助カソ−ド電極と同様にシリコン
基板の全周に亘って設けたが、ゲート電極を図1に示し
た従来のパワー半導体装置と同様に一端がシリコン基板
の中央部においてゲート領域に接続され、他端を絶縁パ
ッケージに形成した開口を経て外部へ導出させたゲート
リードを以って構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のパワー半導体装置の構成を示す断面図で
ある。
【図2】従来のパワー半導体装置の等価回路図である。
【図3】本発明のパワー半導体装置の第1の実施例の構
成を示す断面図である。
【図4】第1の実施例の補助カソード電極の形状を示す
斜視図である。
【図5】第1の実施例のゲート電極の形状を示す斜視図
である。
【図6】第1の実施例の等価回路図である。
【図7】本発明のパワー半導体装置の第2の実施例の構
成を、図9の平面図において直線A−Aに沿って切って
示す断面図である。
【図8】同じく直線B−Bに沿って切った断面図であ
る。
【図9】同じくその平面図である。
【図10】本発明のパワー半導体装置の第3の実施例の
構成を示す断面図である。
【図11】第3の実施例のリング状の導電性皿ばねの構
造を示す平面図である。
【符号の説明】
41 シリコン基板、 42 補助カソ−ド電極、 4
3 カソード電極、 44 アノード電極、 45 絶
縁パッケージ、 46、49 絶縁スリーブ、47 ゲ
ート電極、 48 リング状絶縁プレート、 53 プ
リント基板、55 ゲート駆動回路素子、 61 補助
カソ−ド電極、 62 絶縁リング、63 リング状部
材、 64 モリブデン円板、 71 ゲート電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F047 JA02 JA10 JA13

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板の第1および第2の主表面にそ
    れぞれ形成された第1および第2の主電極領域と、これ
    ら第1および第2の主電極領域間を流れる電流を制御す
    るように形成された制御領域と、前記半導体基板の第1
    および第2の主表面のほぼ全体にそれぞれ圧接され、前
    記第1および第2の主電極領域にそれぞれ接続された第
    1および第2の主電極と、これら第1および第2の主電
    極の周縁部に、これらを囲むように連結された絶縁パッ
    ケージと、一端が前記制御領域に接続され、他端が前記
    絶縁パッケージを経て外部へ導出された制御電極とを具
    え、この制御電極の他端と、前記第1の主電極領域との
    間に制御回路を接続するようにした平形構造のパワー半
    導体装置において、前記第1の主電極と前記半導体基板
    の第1の主表面に形成された前記第1の主電極領域との
    間に一端が接続され、他端が前記絶縁パッケージを経て
    外方へ延在する補助電極を設け、前記制御回路をこの補
    助電極と前記制御電極との間に接続したときに、前記第
    1の主電極領域と制御回路との間に、主電流通流経路と
    なる第1の主電極が介在しないような構成したことを特
    徴とするパワー半導体装置。
  2. 【請求項2】前記制御電極の一端を、前記半導体基板の
    周辺部において前記制御領域と接続し、この制御電極
    と、前記補助電極とを絶縁部材を挟み、近接してほぼ平
    行に延在させたことを特徴とする請求項1に記載のパワ
    ー半導体装置。
  3. 【請求項3】前記補助電極を前記第1の主電極の全周ま
    たはほぼ全周と接続されるように形成すると共に、前記
    制御電極を前記半導体基板の全周辺部またはほぼ全周辺
    部において前記制御領域と接続されるように形成したこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のパワー半導体
    装置。
  4. 【請求項4】前記補助電極を、周辺部を立ち上げてフラ
    ンジとした導電円板を以って構成し、この導電円板の中
    央部分を、前記第1の主電極領域と前記第1の主電極と
    の間に挟持し、前記フランジとした周辺部を前記絶縁パ
    ッケージの一方の端面に固定したことを特徴とする請求
    項3に記載のパワー半導体装置。
  5. 【請求項5】前記補助電極および制御電極を、前記半導
    体基板と平行な方向から見てほぼ同じ平面内を延在さ
    せ、制御電極の内方端を前記半導体基板の周辺部におい
    て前記制御領域と接続し、補助電極の内方端を、前記第
    1の主電極領域と前記第1の主電極との間に介挿した圧
    接緩衝部材の周辺部に接続したことを特徴とする請求項
    1に記載のパワー半導体装置。
  6. 【請求項6】前記補助電極および制御電極の前記絶縁パ
    ッケ−ジの外方へ延在する部分をそれぞれ複数設け、こ
    れら補助電極および制御電極の延在部分を、前記半導体
    基板に垂直な方向から見て交互に配置したことを特徴と
    する請求項5に記載のパワー半導体装置。
  7. 【請求項7】前記第1および第2の主電極および前記補
    助電極を銅で形成したことを特徴とする請求項1〜6の
    何れかに記載のパワー半導体装置。
  8. 【請求項8】前記半導体基板の第1の主表面に、前記制
    御領域に接続された導電性コンタクト層を設け、前記制
    御電極の一端を、半導体基板の周辺部において前記導電
    性コンタクト層と弾性的に圧接させたことを特徴とする
    請求項1〜7の何れかに記載のパワー半導体装置。
  9. 【請求項9】前記制御電極をリング状に形成し、その内
    周部を前記制御領域に接続された導電性コンタクト層と
    圧接させたことを特徴とする請求項8に記載のパワー半
    導体装置。
  10. 【請求項10】前記リング状の制御電極の、前記導電性
    コンタクト層と圧接される内周部に複数の切込みを形成
    したことを特徴とする請求項9に記載のパワー半導体装
    置。
  11. 【請求項11】前記リング状の制御電極をベリリウム銅
    またはステンレスまたはチタン合金で形成したことを特
    徴とする請求項9または10に記載のパワー半導体装
    置。
  12. 【請求項12】前記制御電極を、前記絶縁パッケージの
    一方の端面に固定されたドーナッツ状の導電性円板と、
    前記第1の主電極を、これから離間して取り囲み、一端
    が前記円板の内方周縁に接触するように配置された導電
    性皿ばねと、一端が前記半導体基板の第1の主表面に設
    けた導電性コンタクト層と接触し、他端が前記導電性皿
    ばねの他端に接触するように配置された導電性リングと
    で構成し、前記皿ばねの弾性復元力によって前記導電性
    円板、導電性皿ばねおよび導電性リングを相互に圧接さ
    せると共に導電性リングを前記導電性コンタクト層に圧
    接させたことを特徴とする請求項8に記載のパワー半導
    体装置。
  13. 【請求項13】前記導電性円板を銅で形成し、前記導電
    性皿ばねをベリリウム銅またはステンレスまたはチタン
    合金で形成し、前記導電性リングを黄銅で形成したこと
    を特徴とする請求項12に記載のパワー半導体装置。
  14. 【請求項14】前記半導体基板をn型半導体基板で形
    成し、前記第1および第2の主電極領域をそれぞれカソ
    ード領域およびアノード領域で形成し、前記第1および
    第2の主電極をそれぞれカソード電極およびアノード電
    極で形成し、前記制御領域をゲート領域で形成し、前記
    制御電極をゲート電極で形成して静電誘導サイリスタと
    して構成したことを特徴とする請求項1〜13の何れか
    に記載のパワー半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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