JP2002298839A - アルカリ二次電池用水酸化ニッケル及びその選別方法 - Google Patents

アルカリ二次電池用水酸化ニッケル及びその選別方法

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Takahisa Komata
孝久 小俣
Shinya Matsuo
伸也 松尾
Atsushi Yamanaka
厚志 山中
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ二次電池の正極活物質として優れた
出力特性を発揮し得る水酸化ニッケルを提供すると共
に、水酸化ニッケルの原料粉末の中から正極活物質とし
て好適なものだけを正確に、迅速且つ容易に選別する方
法を提供する。 【解決手段】 水酸化ニッケルのスペクトルプロファイ
ルとアルカリ二次電池の出力特性には相関関係がある。
硫酸イオンの含有量が0.3重量%以下で、ラマンスペ
クトルにおいて、波数443cm−1付近のピーク強度
を100としたときのピーク強度比が、306cm−1
付近のピークで70以下、511cm−1付近のピーク
で55以下、及び3581cm−1付近のピークで26
0以下を示す水酸化ニッケルを選別し、正極活物質の原
料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル水素二次
電池のような非焼結式アルカリ二次電池の正極用活物質
として好適な水酸化ニッケル、及びその選別方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポータブルエレクトロニクス機器の小型
軽量化により、その電源である電池には高エネルギー密
度化が要求されてきた。それに伴って電池のエネルギー
密度は年々向上し、現在では容量エネルギー密度は約3
50Wh/lを達成するようになっている。更に機器の
多機能・高性能化が進むなかで、電池性能に対しても、
機器の発熱からくる高温状態での高性能化、あるいは高
負荷での使用に対しての高出力化、長寿命化等が望まれ
ている。
【0003】このような状況の下で、ニッケル−カドミ
ウム電池に代わるアルカリ二次電池として、ニッケル水
素二次電池の需要が近年急増している。ニッケル水素二
次電池では、正極の活物質に水酸化ニッケル及び負極の
活物質には水素吸蔵合金等が使用され、その支持体とし
て多孔質ニッケル又は鉄にニッケルめっきしたパンチン
グ板等が使用されている。そして、これらの電極活物質
を支持体に保持した正極と負極をセパレータで分離し、
電解液と共に容器に収納している。
【0004】このニッケル水素二次電池に対しては、例
えばEUのように環境への配慮から有害なカドミウムを
含むニッケル−カドミウム二次電池の使用を規制する動
きがあるため、ニッケル−カドミウム二次電池の代替と
して、更に出力特性に優れた電池の開発が急がれてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ニッケル水素二次電池
のようなアルカリ二次電池における出力特性の改良に関
しては、例えば、USP5023155及び特開平7−
320738号公報に水酸化ニッケルにホウ素(B)等
を添加することが提案され、また特開平10−7451
3号公報にはフッ化カルシウム(CaF)等を添加す
ることが提案されているが、十分な出力特性の向上が得
られないため実用に至っていない。また、電極構造の改
良や、コーティングによる水酸化ニッケル粉末の改質等
が考案されているが、コストアップを招くという問題が
ある。
【0006】このような現状から、正極活物質である水
酸化ニッケルの改良についても検討されている。しか
し、工業的に製造された水酸化ニッケル粉末は、反応速
度その他の条件の変動から安定した特性を連続的に得る
ことが難しい。そのため、出力特性の優れたアルカリ二
次電池を安定的に製造するには、原料粉末の水酸化ニッ
ケルが正極活物質用として適切か否かについて評価判定
する必要があった。
【0007】現在、アルカリ二次電池の正極活物質用の
水酸化ニッケル粉末としては、密度が高く、粒子が球状
であって、その寸法分布が狭いものが好ましいこと、ま
たあるいはX線回折が得られる101面の回折線の半値
幅適性値が知られているに過ぎない。そのため、正極活
物質用として使用される水酸化ニッケルは、そのタップ
密度やかさ密度、粒度分布測定等の粉末の外観的な物
性、又は水酸化ニッケルの一次粒子の大きさ(通常は1
01面方向の結晶子径であり、前記半値幅よりシェラー
の式により求められる)により評価して選別されてい
る。しかしながら、このような方法で選別された水酸化
ニッケルを用いても、得られるアルカリ二次電池の出力
特性はなお満足すべきものではなかった。
【0008】本発明は、このような従来の事情に鑑み、
ニッケル水素二次電池のような非焼結式アルカリ二次電
池の正極活物質として用いたとき、優れた出力特性を発
揮し得る水酸化ニッケルを提供すると共に、水酸化ニッ
ケルの原料粉末の中から正極活物質として好適なものだ
けを、正確に、迅速且つ容易に選別する方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため種々研究、検討を重ねた結果、ラマン分
光測定において得られる水酸化ニッケルのスペクトルプ
ロファイルと、その水酸化ニッケルを正極活物質とした
アルカリ二次電池の出力特性に相関関係があることを発
見し、ラマンスペクトルを解析することで出力特性に優
れたアルカリ二次電池用として好適な水酸化ニッケルが
得られることを見出し、本発明に至ったものである。
【0010】即ち、本発明における第一の形態として、
本発明は、アルカリ二次電池の正極活物質として用いる
水酸化ニッケルの粉末であって、硫酸イオンの含有量が
0.3重量%以下であり、ラマンスペクトルにおいて、
波数443cm−1付近のピーク強度を100としたと
きのピーク強度比が、306cm−1付近のピークで7
0以下、511cm−1付近のピークで55以下、及び
3581cm−1付近のピークで260以下を示すこと
を特徴とするアルカリ二次電池用水酸化ニッケルを提供
する。
【0011】上記本発明のアルカリ二次電池用水酸化ニ
ッケルにおいては、好ましくは、ラマンスペクトルにお
いて、波数1650cm−1付近に蛍光が観測され、波
数443cm−1付近のピーク強度を100としたとき
の1650cm−1付近での強度比が80以上であるこ
とを特徴とする。
【0012】更に好ましくは、本発明のアルカリ二次電
池用水酸化ニッケルは、ラマンスペクトルにおいて、波
数1650cm−1付近に蛍光が観測され、波数358
1cm−1付近の水酸基の伸縮振動によるピーク面積を
100としたとき、波数200cm−1と4000cm
−1を結ぶ直線と観測されたラマンスペクトル曲線とで
囲まれた面積から格子振動によるピーク面積を除いた面
積比が40以上であることを特徴とする。
【0013】本発明における第二の形態では、本発明
は、アルカリ二次電池の正極活物質に用いる水酸化ニッ
ケルの粉末として、硫酸イオンの含有量が0.3重量%
以下の水酸化ニッケルの原料粉末から、ラマンスペクト
ルにおいて、波数443cm 付近のピーク強度を1
00としたときのピーク強度比が、306cm−1付近
のピークで70以下、511cm−1付近のピークで5
5以下、及び3581cm−1付近のピークで260以
下を示す粉末を選別することを特徴とするアルカリ二次
電池用水酸化ニッケルの選別方法を提供する。
【0014】上記本発明のアルカリ二次電池用水酸化ニ
ッケルの選別方法は、好ましくは、ラマンスペクトルに
おいて、波数1650cm−1付近に蛍光が観測され、
波数443cm−1付近のピーク強度を100としたと
きの1650cm−1付近での強度比が80以上である
粉末を選別することを特徴とする。
【0015】また、更に好ましくは、本発明のアルカリ
二次電池用水酸化ニッケルの選別方法は、ラマンスペク
トルにおいて、波数1650cm−1付近に蛍光が観測
され、波数3581cm−1付近の水酸基の伸縮振動に
よるピーク面積を100としたとき、波数200cm
−1と4000cm−1を結ぶ直線と観測されたラマン
スペクトル曲線とで囲まれた面積から格子振動によるピ
ーク面積を除いた面積比が40以上である粉末を選別す
ることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】アルカリ二次電池用の水酸化ニッ
ケル粉末は、例えば特開平9−017429号公報に記
載の方法で製造することができる。即ち、ニッケルを含
む水溶液と水酸化アルカリとアンモニウム水とを、撹拌
機を備えた反応槽に同時に且つ連続的に供給し、反応液
中のニッケルイオン濃度を1〜50mg/l、反応温度
を40〜70℃、反応温度の変動幅を±1℃、撹拌機の
攪拌羽根の吐出ヘッドを14〜70m/sec、及
び生成水酸化ニッケルの反応槽内での滞留時間を6時間
以上として合成する方法である。
【0017】本発明においては、上記方法等により工業
的に製造された水酸化ニッケルの原料粉末について、ラ
マン分光測定によるスペクトルの解析を行なう。ラマン
分光測定は、前面傾斜照射法により、Arレーザーを光
源として、波数100〜4000cm−1の範囲で行な
う。具体的には、真鍮製の試料ホルダーに粉末の試料を
充填し、前面傾斜照射法により90°方向の散乱光を測
定ステップ1cm−1で計測する。測定は5〜10回程
度繰り返して行ない、積算することで試料のスペクトル
とする。
【0018】水酸化ニッケルのラマンスペクトルにおい
ては、波数443cm−1付近、306cm−1付近及
び511cm−1付近にピークが存在する。波数443
cm −1付近のピークはNi−Oの格子の伸縮振動によ
るものであり、3581cm −1付近のピークは水酸基
の伸縮振動によるものであり、その他の306cm
付近及び511cm−1付近のピークは格子振動による
ものである。尚、通常のラマン散乱では強度の絶対値に
ついては比較することが困難であり、他のピークとの相
対強度で比較する必要がある。
【0019】本発明においては、得られたラマンスペク
トルの解析方法として、波数443cm−1付近のピー
ク強度を100とし、波数306cm−1付近、511
cm −1付近、及び3581cm−1付近のピークにお
けるピーク強度比を比較する。即ち、波数306cm
−1付近のピーク強度比が70以下、511cm−1
近のピーク強度比が55以下、及び3581cm−1
近のピーク強度比が260以下、好ましくは220〜2
60の値をもつ原料粉末を選別することにより、アルカ
リ二次電池の正極活物質として好適な水酸化ニッケルが
得られる。
【0020】更に、アルカリ二次電池の正極活物質用の
水酸化ニッケルとしては、結晶内の欠陥に起因する蛍光
によって、波数1600cm−1付近でスペクトル曲線
のベースラインが高くなっているものが好ましい。即
ち、上記解析方法に加えて、波数1650cm−1付近
に蛍光が観測され、その1650cm−1の強度が44
3cm−1付近のピーク強度を100とした場合に80
以上であるものを選別することが好ましい。
【0021】更に好ましくは、上記解析方法に加えて、
波数1650cm−1付近を中心に蛍光が観測され、2
00cm−1と4000cm−1を結ぶ直線と、観測さ
れたラマンスペクトル曲線とで囲まれる面積から、格子
振動により観測されたピーク面積を除いた面積が、35
81cm−1付近の水酸基の伸縮振動によるピーク面積
を100とした場合に、40以上であるものを選別す
る。
【0022】アルカリ二次電池の正極活物質として水酸
化ニッケルを用いる場合、充放電時における反応は下記
化学式1に示すようになる。
【0023】
【化1】β−Ni(OH) + OH → β−NiO
OH + HO + e
【0024】この充放電反応においては、Ni−O結合
はそのままで、プロトンが水酸化ニッケル結晶より挿脱
入されるだけであり、結晶中でNi−Oの格子の均一性
が高いほどプロトンの移動が容易になり、充放電反応が
均一に行われることが考えられる。また、プロトンの移
動が容易であれば、放電特性を悪化させるγ−オキシ水
酸化ニッケルの生成も抑制される。更に、結晶の均一性
によりキャリアーの移動度が向上し、導電性が増大する
ことによって、酸素発生等の電池反応を阻害する競合反
応を抑えることも期待できる。
【0025】このようなことから、水酸化ニッケルにお
けるラマンスペクトルのプロファイルと、その水酸化ニ
ッケルを正極活物質としたアルカリ二次電池の出力特性
との間に上記した相関関係が現れ、特にNi−Oの格子
の伸縮振動による波数443cm−1付近のピークが他
のピークと比較して相対的に高いほど、充放電特性の向
上が得られるものと考えられる。
【0026】また、結晶の導電性を向上させる要因とし
て、水酸化ニッケル中の欠陥(プロトン)の生成による
キャリアー密度の増加があり、これによっても電池の充
放電反応における均一化の向上が期待できる。そのた
め、ラマンスペクトルのプロファイルにおいても、結晶
内の欠陥に起因する蛍光により波数1600cm−1
近でスペクトル曲線のベースラインが高くなっている水
酸化ニッケルほど、充放電特性に優れるものと考えられ
る。ただし、欠陥の生成量が多くなり過ぎると、同時に
結晶内の格子も歪みが生じるために移動度が低下し、ラ
マンスペクトルのピーク強度も低下してしまう。
【0027】尚、原料粉末の水酸化ニッケル中における
硫酸イオンの含有量が多い場合、水酸化ニッケルの層構
造が硫酸イオンの挿入により乱れるため、結晶の歪みが
大きくなる。従って、硫酸イオン含有量が多いと格子の
乱れをラマンスペクトルで判断するのが困難になるた
め、硫酸イオンの含有量は0.3重量%以下であること
が必要と考えられる。
【0028】
【実施例】試料として水酸化ニッケルの4種類の原料粉
末A〜Dを用意し、それぞれラマン分光光度計NR?1
100(日本分光製)を用いて、前面傾斜照射法により
90°方向の散乱光を計測した。測定は波数100〜4
000cm−1の範囲にいて、レーザー出力10mW、
測定ステップ1cm−1、スキャンスピード120cm
−1/分で積算を4回行ない、各試料のラマンスペクト
ルを得た。
【0029】得られた各試料A〜Dのラマンスペクトル
を図1に示した。また、スペクトルの各ピークの強度に
ついて、波数443cm−1付近のピーク強度を100
とした時の強度比で下記表1に示した。また、波数16
50cm−1付近の蛍光による散乱光の強度について
も、上記と同様の強度比として表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】更に、図1における各試料のスペクトル曲
線と、波数200cm−1と4000cm−1を直線で
結んだライン(点線で図示)とで囲まれる面積を求め、
この面積から4本の各ピークによる合計ピーク面積を除
いた面積を求めた。この面積は結晶内に存在する欠陥に
起因して発生した蛍光によるもの、いわば各試料の蛍光
強度である。この蛍光強度による面積を、3581cm
−1付近のOH基の伸縮振動によるピーク面積を100
として規格化し、各試料について得られた面積比を下記
表2に示した。
【0032】
【表2】
【0033】次に、上記試料A〜Dの水酸化ニッケルの
粉末を用いて、以下のように正極を作製した。即ち、各
水酸化ニッケル粉末に水酸化コバルト(伊勢化学製)を
正極中のCo量が7重量%となるように添加し、バイン
ダー量が2重量%となるようにHPC(ヒドロキシプロ
ピルセルロース1000〜4000cP:和光純薬工業
製、試薬1級)水溶液を加えてノンバブリングニーダー
(日本精工製)を用いてペースト化し、発泡ニッケル
(住友電工製セルメット:多孔度95%)に充填し、乾
燥した後、2ton/cmの圧力で静水圧プレスして
正極とした。
【0034】負極にはカドミウム電極を用い、セパレー
タとしてスルホン化ポリオレフィン不織布を用い、電解
液には8.0mol/lの水酸化カリウム水溶液を用い
て、正極容量規制の単セルを作製した。得られた各試料
のアルカリ二次電池について、0.1Cで理論容量(2
89mAh/g)の150%まで充電を行い、放電は
0.2、1.0、3.0Cの各放電レートで1.0Vまで行
った。このときの放電レートに対する利用率(理論容量
に対する放電容量の百分率で表される)を下記表3にそ
れぞれを示した。
【0035】
【表3】
【0036】上記の結果から、図1のラマンスペクトル
において表1に示すように、波数306cm−1付近の
ピーク強度比が70以下、511cm−1付近のピーク
強度比が55以下、3581cm−1付近のピーク強度
比が260以下、及び1650cm−1の強度が80以
上であり、表2に示すように蛍光によるラマンスペクト
ルの面積比が40以上である試料AとBは、共に電池の
ハイレート時の利用率低下が極めて少ないことが分か
る。
【0037】一方、波数3581cm−1付近のピーク
強度比が260以下であることを除き、他のピーク強度
比及び面積比に関する上記要件を満たさない試料Dで
は、電池のハイレート時の利用率が大幅に低下すること
が分かる。また、波数3581cm−1付近のピーク強
度比が260を超え、1650cm−1の強度が80未
満であること以外、上記の各要件を満たしている試料C
では、試料A及びBと試料Dの中間的な出力特性を示し
ている。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、アルカリ二次電池用の
好適な正極活物質として特定のラマンスペクトルを有す
る水酸化ニッケルを提供することができ、この正極活物
質を用いることによって、特に出力特性に優れたニッケ
ル水素二次電池等のアルカリ二次電池を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における各水酸化ニッケルのラ
マンスペクトルを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 厚志 愛媛県新居浜市西原町3−5−3 住友金 属鉱山株式会社別子事業所内 Fターム(参考) 5H050 AA02 AA19 BA11 CA03 CB16 FA17 FA19 GA28 HA00 HA13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ二次電池の正極活物質として用
    いる水酸化ニッケルの粉末であって、硫酸イオンの含有
    量が0.3重量%以下であり、ラマンスペクトルにおい
    て、波数443cm−1付近のピーク強度を100とし
    たときのピーク強度比が、306cm−1付近のピーク
    で70以下、511cm−1付近のピークで55以下、
    及び3581cm−1付近のピークで260以下を示す
    ことを特徴とするアルカリ二次電池用水酸化ニッケル。
  2. 【請求項2】 ラマンスペクトルにおいて、波数165
    0cm−1付近に蛍光が観測され、波数443cm−1
    付近のピーク強度を100としたときの1650cm
    −1付近での強度比が80以上であることを特徴とす
    る、請求項1に記載のアルカリ二次電池用水酸化ニッケ
    ル。
  3. 【請求項3】 ラマンスペクトルにおいて、波数165
    0cm−1付近に蛍光が観測され、波数3581cm
    −1付近の水酸基の伸縮振動によるピーク面積を100
    としたとき、波数200cm−1と4000cm−1
    結ぶ直線と観測されたラマンスペクトル曲線とで囲まれ
    た面積から格子振動によるピーク面積を除いた面積比が
    40以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記
    載のアルカリ二次電池用水酸化ニッケル。
  4. 【請求項4】 アルカリ二次電池の正極活物質に用いる
    水酸化ニッケルの粉末として、硫酸イオンの含有量が
    0.3重量%以下の水酸化ニッケルの原料粉末から、ラ
    マンスペクトルにおいて、波数443cm−1付近のピ
    ーク強度を100としたときのピーク強度比が、306
    cm−1付近のピークで70以下、511cm−1付近
    のピークで55以下、及び3581cm−1付近のピー
    クで260以下を示す粉末を選別することを特徴とする
    アルカリ二次電池用水酸化ニッケルの選別方法。
  5. 【請求項5】 ラマンスペクトルにおいて、波数165
    0cm−1付近に蛍光が観測され、波数443cm−1
    付近のピーク強度を100としたときの1650cm
    −1付近での強度比が80以上である粉末を選別するこ
    とを特徴とする、請求項4に記載のアルカリ二次電池用
    水酸化ニッケルの選別方法。
  6. 【請求項6】 ラマンスペクトルにおいて、波数165
    0cm−1付近に蛍光が観測され、波数3581cm
    −1付近の水酸基の伸縮振動によるピーク面積を100
    としたとき、波数200cm−1と4000cm−1
    結ぶ直線と観測されたラマンスペクトル曲線とで囲まれ
    た面積から格子振動によるピーク面積を除いた面積比が
    40以上である粉末を選別することを特徴とする、請求
    項4又は5に記載のアルカリ二次電池用水酸化ニッケル
    の選別方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024036437A1 (zh) * 2022-08-15 2024-02-22 宁德新能源科技有限公司 金属氢氧化物、正极材料、电化学装置及用电设备

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WO2024036437A1 (zh) * 2022-08-15 2024-02-22 宁德新能源科技有限公司 金属氢氧化物、正极材料、电化学装置及用电设备

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