JP2002298822A - 電池間の接続部材とそれを用いた電池間の接続構造 - Google Patents
電池間の接続部材とそれを用いた電池間の接続構造Info
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Abstract
械的強度を確保し、電気抵抗が低く、低コストで形成さ
れ、生産性と信頼性の高いものとなる電池間の接続部材
と、それを用いた電池間の接続構造を提供する。 【解決手段】 接続部材20の円環状部の底面B12と
円柱状電池Nの封口板N2との間、および接続部材20
の大円筒部Aの側部A1と円柱状電池Mの缶底部M1の
側面との間は、底面B12と側部A1にそれぞれ形成さ
れた縁にバリ部を有する小孔C1を無効分流防止孔と
し、かつ、バリ部をナゲットC3とするシリーズ式抵抗
溶接法で溶接され、また、電池Nの正極端子N3は接続
部材20の小円筒部Bの貫通孔B2と嵌合している。
Description
それを用いた電池間の接続構造に関し、更に詳しくは、
それを用いた電池間の接続構造が、充分な機械的強度を
確保し、電気抵抗が低く、低コストで形成され、生産性
と信頼性の高いものとなる電池間の接続部材と、それを
用いた電池間の接続構造に関する。
子機器類、ならびに各種の電動工具や電動アシスト自転
車、更には電気自動車の駆動源として、複数個のニッケ
ル・水素二次電池を直列に接続して成る電池モジュール
が使用されている。そして、これら製品の市場拡大に伴
って電池モジュールの需要も増加しており、その高出力
化という性能向上のみならず、生産性の向上やコスト低
減も強く求められている。
る、電池間の接続構造の一例を図7に示す。この接続構
造は、円柱状の電池M,Nが図8で示した形状の接続部
材40で直列に接続された構造になっている。接続部材
40は、底部と円筒部が一体化された皿形状をしてお
り、溶接時の無効分流を低減するためのスリットD4ま
たは小孔D1がそれぞれ底部と円筒部に設けられてい
る。
する場合には、まず、電池Nの上部に突設した状態で位
置する正極端子N3の上面に接続部材40の底部を位置
合わせして載置し、ついでスリットD4をまたいで2本
の溶接電極を当接させてシリーズ式抵抗溶接法により両
者を溶接する。しかる後、接続部材の円筒部の中に電池
Mの缶底部M1を挿入し、小孔D1をまたいで2本の溶
接電極を当接させてシリーズ式抵抗溶接法により両者を
溶接して、上下に2個の電池を直列に接続する。
た従来の電池間の接続構造には、以下のような問題があ
る。電池モジュールの高出力化に伴って、接続される電
池の個数が多くなっていくと、接続される電池の個数が
2個程度の場合に比較して、各接続構造の溶接部への機
械的負荷が大きくなる。具体的には、電池モジュール両
端部への外部端子接続のためのボルトを締付けるときに
発生する電池の円周方向の回転モーメントや、実使用時
に電池モジュールに加えられる曲げ応力は非常に大きく
なる場合がある。そのような場合、正極端子N3が電池
Nの径方向の中心に位置し、その上面が狭いこともあっ
て、正極端子N3と接続部材40の底部の溶接箇所に大
きな回転モーメントあるいは曲げ応力が集中するように
なり、溶接箇所が破断することがある。すなわち、この
接続構造の場合、機械的強度不足という問題がある。
伴って、接続構造には大電流が流れることとなる。これ
により、従来は問題とならなかった、電池間の接続構造
における電気抵抗によって生じる電力損失が無視できな
い問題となる。そして、この接続構造は、シリーズ式抵
抗溶接法により形成されるナゲットの形状や大きさが、
溶接時における接続部材と電池の接触状態の微妙な違い
により溶接ごとにばらつくため、溶接強度が安定せず、
信頼性が低いという問題もある。
正極端子N3に接続部材40を載置したのち溶接して形
成されるが、そのとき、当該接続部材40が電池Nの径
方向にずれないように両者を位置決めすることが必要に
なる。このような処置を施さないと、組み立てられた電
池モジュールは真っ直ぐなものにならないからである。
このようなことから、上記した接続構造の形成に際して
は、接続部材Eと電池Nとの位置決め用の治具が必要に
なる。
接作業に慎重さが求められるので生産性を低下させると
同時に、別体の位置決め用治具も必要になるという点
で、コスト上昇を招くことになる。本発明は、この従来
技術の電池間の接続部材及びそれを用いた電池間の接続
構造における上記した問題を全て解決し、それを用いた
電池間の接続構造が、充分な機械的強度を確保し、電気
抵抗が低く、低コストで形成され、生産性と信頼性の高
いものとなる電池間の接続部材と、それを用いた電池間
の接続構造の提供とを目的とする。
ために、本発明においては、複数の円柱状電池を直列に
接続するための導電材料から成る電池間の接続部材であ
って、円柱状電池の缶底部を収容する大円筒部と、その
大円筒部の下に位置し、円柱状電池の封口板と接触可能
な底面を有し、かつ中央には円柱状電池の正極端子と略
同寸の貫通孔が形成されている小円筒部とから成り、大
円筒部の側部および小円筒部の底面には、それぞれ、バ
リ部を有する複数個の小孔が形成されていることを特徴
とする電池間の接続部材が提供される(請求項1)。
が、円柱状電池の封口板と接触可能な底面を有する円環
状部と、円環状部の底面の内縁から上方に膨出する膨出
部とから成り、貫通孔が膨出部の上面中央に形成されて
いる電池間の接続部材が提供される(請求項2)。そし
て、前記バリ部の高さは0.2mm〜0.7mmである
ことが好ましい(請求項3)。
のニッケルめっきが施されている請求項1〜3のいずれ
かの電池間の接続部材が提供される(請求項4)。更
に、本発明においては、複数の円柱状電池が、請求項1
〜4のいずれかの電池間の接続部材を用いて直列に接続
された電池間の接続構造であって、小円筒部の底面と円
柱状電池の封口板の間、および大円筒部の側部と円柱状
電池の缶底部の間が、バリ部をナゲットとするシリーズ
式抵抗溶接法で溶接されていることを特徴とする電池間
の接続構造が提供される(請求項5)。
る電池間の接続部材の第1の実施形態を説明する。接続
部材10は、図1および図1のII−II線に沿う断面図で
ある図2に示したように、上部が開口する大円筒部Aと
その下に位置する小円筒部Bとが一体的に形成されて段
部を有する皿形状になっている。
したように、円柱状電池Mの缶底部M1の径と同じ大き
さの直径になっていて、ここに電池Mの缶底部M1が収
容できるようになっている。また、小円筒部Bは、その
高さが円柱状電池Nの上部に突出した状態で位置する正
極端子N3よりも若干高く、円柱状電池Nの上面に位置
する封口板N2と接触可能な底面を有し、その底面の中
央に正極端子N3と略同寸の貫通孔B2とを有する。
底面B1には、それぞれ、複数個の小孔C1が形成され
ている。そして、小孔C1の縁からはバリ部C2が突出
形成されている。このとき、大円筒部の側部A1に形成
されるバリ部C2は、側部A1の内側へと突出し、ま
た、小円筒部Bの底面B1に形成されるバリ部C2は、
小円筒部Bより下方へ向かって突出形成されている。
2の実施形態を説明する。接続部材20は、 図3
(a),3(b)および図3(a)のV−V線に沿う断
面図である図5に示したように、上述の接続部材10と
同様、上部が開口する大円筒部Aとその下に位置する小
円筒部Bとが一体的に形成されて段部を有する皿形状に
なっている。但し、この実施形態においては、小円筒部
Bが、円柱状電池Nの上面に位置する封口板N2と接触
可能な底面B12を有する円環状部B11と、この底面B
11の内縁より上方へ膨出する膨出部B3とから成り、
その膨出部B3の上面中央部に正極端子N3と略同寸の
貫通孔B2を有している。
筒部Bの円環状部B11の底面B12には、それぞれ、複
数個の小孔C1が形成されている。上述した接続部材1
0及び接続部材20は、所望厚みの例えば鉄板などをプ
レス成形したのち、バリ部C2が同時に形成されるよ
う、所定箇所に小孔C1を穴開け加工するなどの方法で
簡単に製造することができる。また、予めニッケルめっ
きが表面に施された鉄板を用いて接続部材10及び接続
部材20を製造すると、後述するシリーズ式抵抗溶接を
行ったのちの溶接強度が高くなるので好適である。その
場合、めっき厚は3μm以下であればよい。なお、この
ニッケルめっきは接続部材を製造した後に、接続部材の
表面に後めっきして形成してもよい。
たが、図4に示したようにスリット状、あるいは楕円
形、矩形等の形状であってもよい。また、接続部材の側
部A1に、図4に示したようにその周縁上端まで達する
スリットA11を2〜4箇所設けると、円柱状電池の缶
底部M1を接続部材の大円筒部Aへ収容するときにスリ
ットA11が開きスムーズな収容が可能となる。
の接続部材20を用いる場合について説明する。まず、
円柱状電池Nの上面(プラス極)に接続部材20を配置
する。このとき、接続部材20の貫通孔B2に電池Nの
正極端子N3が嵌入することにより、接続部材20は電
池Nの径方向について位置決めされる。そして、それと
同時に小円筒部Bの底面B12は電池Nの封口板N2と
バリ部C2を介して接触し、これらバリ部C2は小孔C
1の縁と略同じ長さで溶接箇所へと線接触するようにな
る。
位置する小孔C1の両脇に上方より2本の電極を配置し
てシリーズ式抵抗溶接が行われ、バリ部C2が溶融して
ナゲットC3を形成することにより上記接続部材20が
電池Nに溶接・固定される。このとき、小孔C1が無効
電流を防止するため、効率的にバリ部C2が溶融してナ
ゲットC3となる。また、このバリ部C2により、溶接
電流が流れる箇所の断面積を溶接ごとに常に一定にする
ことができるので、溶接強度のばらつきが小さい信頼性
の高い溶接が可能となる。
m〜0.7mmであるのが好ましい。0.19mm以下
であると、他の部分を溶接電流が流れてしまい、また
0.75mm以上であるとそれを小孔の縁に略均一に形
成するのが難しくなり、いずれの場合も溶接強度のばら
つきが大きくなる。ついで、接続部材20の大円筒部A
に円柱状電池Mの缶底部(マイナス極)M1が収容され
る。缶底部M1の側面は、大円筒部Aの側部A1の内側
とバリ部C2を介して接触し、また各バリ部C2は大円
筒部Aの側部A1と線接触するようになる。なお、小円
筒部Bは先に接続部材20に固定されている電池Nの正
極端子N3よりも高いので、正極端子N3が収容の障害
となることがない。
する小孔C1の両脇に2本の溶接電極を配置してシリー
ズ式抵抗溶接が行われる。その結果、缶底部M1と大円
筒部Aとの間が溶接・固定されるが、このときも、やは
り上記したと同じ理由により、溶接強度のばらつきが小
さい信頼性の高い溶接が実現される。このようにして、
図6で示したように、円柱状電池M,Nが接続部材20
を介して順次直列に接続された、本発明に係る電池間の
接続構造の一例が形成される。
に位置する封口板N2の上に、接続部材20の円環状部
B11の底面B12がナゲットC3を介して溶接・固定さ
れ、更に、電池Mの缶底部M1の側面が接続部材20の
大円筒部Aの側部A1にナゲットC3を介して溶接・固
定された構造になっている。このように、接続部材20
の円環状部B11の底面B12を、電池Nの正極端子N3
の上面ではなく、それよりも外径が大きい封口板N2が
支持するので、この部分に回転モーメントあるいは曲げ
応力が加えられても、それらの間に形成されたナゲット
C3に大きな回転モーメントあるいは応力が集中するこ
とがない。そのため、ナゲットC3の破断が防止され、
接続構造の機械的強度が確保される。また、それと同時
に、電池モジュールが放電する際に、電流が正極端子N
3を経由せずに円環状部B11と封口板N2との間を直
接流れるため、接続構造の電気抵抗を低くすることがで
きる。
の径によって形成されるナゲットC3の外径を大きくす
ることができ、もって容易に溶接強度の向上を図ること
ができる。また、大円筒部Aの底面と小円筒部Bに接続
されている円柱状電池の上面との間に、小円筒部Bの高
さに応じて形成される空間に、ポリカーボネートなどの
合成樹脂からなる絶縁リングを介在させると、それらが
接触して起こる短絡を防止することができる。
と大円筒部の側部に、その縁に高さ略0.2mmのバリ
部を有する直径4mmの小孔が合計8個形成された接続
部材20を用いて、6個の単1サイズの円柱状電池が、
本発明の接続構造にて接続された電池モジュール(M
6)を作製した。また、比較例として、小孔がバリ部を
有していない以外は接続部材20と同様の構成である接
続部材を用いて実施例と同様にして電池モジュールを作
製した。そして、実施例と比較例の電池モジュールそれ
ぞれ3個について、その中間部をチャックを用い固定し
た上で、その一端部に電池の円周方向で回転トルクを加
え、モジュールが破壊されたときの回転トルクの平均値
を求めた(回転強度試験)。
池モジュールそれぞれ5個について、電池モジュールの
長手方向における引張り強度を測定してその平均値とば
らつき(標準偏差)を求めた。以上の結果を溶接条件と
ともに表1に示す。
よりも回転強度が高く、また電池モジュール(M6)の
規定トルク1.76N・mを上回っており、機械強度が
充分確保されている。これは、溶接時にバリ部によりナ
ゲットの形成が効率的に進んだことにより、各溶接部の
強度が向上されたためと考えられる。また、引張り試験
結果では、実施例の方が比較例よりも引張り強度のばら
つきが抑制されていることがわかる。これは、バリ部に
より溶接電流の流れる断面積が溶接ごとに一定に保たれ
たためと考えられる。
個について50%深度(SOC)まで15Cにて充電し
てから10秒後の出力電圧を測定したところ5.92V
であった。図7に示した従来の電池間の接続構造の電池
モジュールにおける同一条件下での出力電圧が5.80
Vであったことから、実施例の方が従来の場合よりも出
力電圧が大きくなっており、電池モジュールの高出力化
が達成されている。これは、円環状部の底面と封口板を
接続することにより、接続構造の電気抵抗が減少し、も
ってそこでの電力損失が抑制されたためと考えられる。
いた電池間の接続構造は次のような効果を奏する。 (1)円環状部と封口板が溶接・固定されるため、溶接
時にバリ部がナゲットを形成することと相俟って、得ら
れる接続構造の機械的強度が大きく、かつそのばらつき
が小さい。
るため、得られる接続構造の電気抵抗が低く、高出力の
電池モジュールを作製することができる。 (3)接続部材には位置決め用の貫通孔が形成されてい
るので、この接続部材を電池の上面に配置したときに自
動的に両者の相互位置関係は調節され、直ちに次の工程
である溶接作業に移行でき、組立作業は非常に簡便にな
り、かつ位置決め用の治具が不必要となる。
向上し、かつ、コスト低減を実現することができる。
態の斜視図である。
態の斜視図である。
態の変形例の斜視図である。
略断面図である。
図である。
図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 複数の円柱状電池を直列に接続するため
の導電材料から成る電池間の接続部材であって、 前記円柱状電池の缶底部を収容する大円筒部と、その大
円筒部の下に位置し、前記円柱状電池の封口板と接触可
能な底面を有し、かつ中央には前記円柱状電池の正極端
子と略同寸の貫通孔が形成されている小円筒部とから成
り、 前記大円筒部の側部および前記小円筒部の底面には、そ
れぞれ、バリ部を有する複数個の小孔が形成されている
ことを特徴とする電池間の接続部材。 - 【請求項2】 前記小円筒部が、前記円柱状電池の封口
板と接触可能な底面を有する円環状部と、前記円環状部
の底面の内縁から上方に膨出する膨出部とから成り、前
記貫通孔が前記膨出部の上面中央に形成されている請求
項1の電池間の接続部材。 - 【請求項3】 前記バリ部の高さが0.2mm〜0.7
mmである請求項1または2の電池間の接続部材。 - 【請求項4】 厚み3μm以下のニッケルめっきが施さ
れている請求項1〜3のいずれかの電池間の接続部材。 - 【請求項5】 複数の円柱状電池が、請求項1〜4のい
ずれかの電池間の接続部材を用いて直列に接続された電
池間の接続構造であって、前記小円筒部の底面と円柱状
電池の封口板の間、および前記大円筒部の側部と円柱状
電池の前記缶底部の間が、前記バリ部をナゲットとする
シリーズ式抵抗溶接法で溶接されていることを特徴とす
る電池間の接続構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001095283A JP4996792B2 (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | 電池間の接続部材とそれを用いた電池モジュール |
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