JP2002298728A - 電界放射型電子源およびその製造方法 - Google Patents

電界放射型電子源およびその製造方法

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JP2002298728A JP2001096904A JP2001096904A JP2002298728A JP 2002298728 A JP2002298728 A JP 2002298728A JP 2001096904 A JP2001096904 A JP 2001096904A JP 2001096904 A JP2001096904 A JP 2001096904A JP 2002298728 A JP2002298728 A JP 2002298728A
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卓哉 菰田
Yasutsugu Iwata
康嗣 岩田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エミッション電流が大きくて電子放出効率が高
く、放出電子のエネルギ分布の広がりが小さな電界放射
型電子源およびその製造方法を提供する。 【解決手段】導電性基板としてガラス基板からなる絶縁
性基板11の一表面上に導電体層12を設けたもの用い
る。絶縁性基板11の一表面側に電子のドリフトする強
電界ドリフト層6が形成され、強電界ドリフト層6上に
表面電極7が形成される。強電界ドリフト層6は、ナノ
メータオーダの結晶粒径の分布が規定範囲に制限されて
いるシリコン微結晶63とシリコン微結晶63よりもバ
ンドギャップが大きいバリア用原子たる酸素原子81と
で構成される多数のクラスタ60からなり、隣り合うシ
リコン微結晶63間に酸素原子81が介在する形で連続
的に繋がって形成されていると考えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放射により電
子線を放射するようにした電界放射型電子源およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、導電性基板の一表面側に酸化
若しくは窒化した多孔質半導体層よりなる強電界ドリフ
ト層を形成し、強電界ドリフト層上に表面電極を形成し
た電界放射型電子源が提案されている(例えば、特開平
8−250766号公報、特開平9−259795号公
報、特開平10−326557号公報、特許第2966
842号、特許第2987140号など参照)。なお、
導電性基板としては、例えば、抵抗率が導体の導電率に
比較的近い半導体基板、金属基板、ガラス基板(絶縁性
基板)の一表面に導電性層を形成したものなどが用いら
れている。
【0003】ところで、上述の強電界ドリフト層は、例
えば半導体単結晶や半導体多結晶を陽極酸化処理にて多
孔質化した後、酸化若しくは窒化することにより形成さ
れており、結晶粒径がナノメータオーダの多数の半導体
微結晶と半導体微結晶の表面に形成され半導体微結晶の
結晶粒径よりも小さい膜厚の絶縁膜とを少なくとも含む
と考えられる。
【0004】この種の電界放射型電子源は、例えば、図
9に示すように導電性基板としてのn形シリコン基板1
の主表面側に強電界ドリフト層6’が形成され、強電界
ドリフト層6’上に表面電極7が形成されている。ま
た、n形シリコン基板1の裏面にはオーミック電極2が
形成されている。なお、図9に示す例では、n形シリコ
ン基板1と強電界ドリフト層6’との間に例えばノンド
ープの多結晶シリコンからなる半導体層3を介在させて
あるが、半導体層3を介在させずにn形シリコン基板1
の主表面上に強電界ドリフト層6’を形成した構成も提
案されている。
【0005】図9に示す構成の電界放射型電子源10’
から電子を放出させるには、図10に示すように、表面
電極7に対向配置されたコレクタ電極21を設け、表面
電極7とコレクタ電極21との間を真空とした状態で、
表面電極7がn形シリコン基板1(オーミック電極2)
に対して高電位側(正極)となるように表面電極7とn
形シリコン基板1との間に直流電圧Vpsを印加するとと
もに、コレクタ電極21が表面電極7に対して高電位側
となるようにコレクタ電極21と表面電極7との間に直
流電圧Vcを印加する。各直流電圧Vps,Vcを適宜に
設定すれば、n形シリコン基板1から注入された電子が
強電界ドリフト層6’をドリフトし表面電極7を通して
放出される(なお、図10中の一点鎖線は表面電極7を
通して放出された電子e-の流れを示す)。表面電極7
には仕事関数の小さな材料(例えば、金)が採用され、
表面電極7の膜厚は10〜15nm程度に設定されてい
る。
【0006】ここにおいて、強電界ドリフト層6’に印
加された電界の大部分は上記絶縁膜を集中的に通り、注
入された電子は上記絶縁膜を通る強電界により加速され
n形シリコン基板1の主表面の法線方向(図10の上向
き)にドリフトする。なお、強電界ドリフト層6’の表
面に到達した電子はホットエレクトロンであると考えら
れ、表面電極7を容易にトンネルし真空中に放出され
る。
【0007】上述の構成を有する電界放射型電子源1
0’では、表面電極7とオーミック電極2との間に流れ
る電流をダイオード電流Ipsと呼び、コレクタ電極21
と表面電極7との間に流れる電流をエミッション電流
(放出電子電流)Ieと呼ぶことにすれば(図10参
照)、ダイオード電流Ipsに対するエミッション電流I
eの比率(=Ie/Ips)が大きいほど電子放出効率が
高くなる。
【0008】なお、強電界ドリフト層6’が多結晶シリ
コンを陽極酸化処理により多孔質化した後に酸化するこ
とにより形成された電界放射型電子源10’では、直流
電圧Vpsを10〜20V程度の低電圧としても電子を放
出させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、陽極酸
化処理により半導体微結晶を形成したものでは、強電界
ドリフト層中の半導体微結晶のサイズや配列、半導体微
結晶の充填率などの制御が難しく、図11に示すように
強電界ドリフト層6’中の半導体微結晶たるシリコン微
結晶63の結晶粒径(サイズ)がばらついている場合、
シリコン微結晶63の結晶粒径のばらつきに起因した配
列の乱れによる電子の散乱や散乱確率の増大によって、
強電界ドリフト層6’内での電子のエネルギ損失が増え
て電子のエネルギが低減され、十分なエミッション電流
および十分な電子放出効率が得られない、温度が上昇し
やすくなるなどの不具合があった。ただし、特許第29
66842号、特許第2987140号に記載の電界放
射型電子源では強電界ドリフト層中に多結晶シリコンの
グレインを有しており、多結晶シリコンのグレインを通
して熱が放熱されることで温度上昇が抑制されていると
考えられる。
【0010】また、上述の電界放射型電子源では放出さ
れる電子のエネルギ分布の広がりが例えば図12に示す
ように比較的大きいので、電子線描画装置、電子顕微
鏡、電子線回折装置のように電子線を用いた分析装置な
どへ応用するのが難しいという不具合があった。ここ
に、図12は、上述の強電界ドリフト層6’が多結晶シ
リコンを陽極酸化処理により多孔質化した後に酸化する
ことにより形成された電界放射型電子源10’から放射
される電子のエネルギN(E)のエネルギ分布を示し、
同図においてイは直流電圧Vpsを12Vとした場合、ロ
は直流電圧Vpsを14Vとした場合、ハは直流電圧Vps
を16Vとした場合の測定結果である。図12に示した
各エネルギ分布では、エネルギの平均値をE、反値幅
(FWHM)をΔEとするとき、ΔE/Eが0.6〜
0.7という比較的大きな値になっている。
【0011】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、エミッション電流が大きくて電子放
出効率が高く、放出電子のエネルギ分布の広がりが小さ
な電界放射型電子源およびその製造方法を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、導電性基板と、導電性基板の一
表面側に形成された強電界ドリフト層と、該強電界ドリ
フト層上に形成された表面電極とを備え、表面電極を導
電性基板に対して正極として電圧を印加することにより
導電性基板から注入された電子が強電界ドリフト層をド
リフトし表面電極を通して放出される電界放射型電子源
であって、強電界ドリフト層は、ナノメータオーダの結
晶粒径の分布が規定範囲に制限されている半導体微結晶
と半導体微結晶よりもバンドギャップが大きいバリア用
原子とで構成される多数のクラスタからなり、隣り合う
半導体微結晶間にバリア用原子が介在する形で連続的に
繋がって形成されてなることを特徴とするものであり、
半導体微結晶のサイズとしての結晶粒径を量子効果が起
こる程度に小さくすることにより、従来のように強電界
ドリフト層が陽極酸化処理を利用して形成されている場
合に比べて、エミッション電流を大きくできるとともに
電子放出効率を高めることができ、さらに、放出電子エ
ネルギ分布の広がりを小さくすることができる。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記半導体微結晶がシリコン微結晶なので、半導体
微結晶を形成するための材料として一般的に広く用いら
れている半導体材料であるシリコンを使用でき、低コス
ト化を図ることが可能になる。
【0014】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2の発明において、前記半導体微結晶の結晶粒径が10
nmを超えないので、前記半導体微結晶がシリコン微結
晶であっても量子サイズ効果が起こる。
【0015】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、前記バリア用原子が、酸素原子と窒
素原子との少なくとも一方からなるので、前記半導体微
結晶がシリコン微結晶であっても確実にポテンシャルバ
リアを形成することができる。
【0016】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、前記強電界ドリフト層中の前記半導
体微結晶のサイズの平均値をN、サイズの分布曲線にお
ける半値幅をΔNとするとき、ΔN/Nが0.5を超え
ないので、ディスプレイなどへの用途をはじめとして、
電子放出効率が高く比較的大きなエミッション電流を必
要とする用途に用いた場合に、従来に比べて輝度の向上
や省エネルギ化を図れる。
【0017】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、前記強電界ドリフト層中の前記半導
体微結晶のサイズの平均値をN、サイズの分布曲線にお
ける半値幅をΔNとするとき、ΔN/Nが0.1を超え
ないので、従来に比べて電子放出効率を大幅に向上で
き、また、単一の波長で代表できる程度の狭い波長範囲
に含まれるエネルギの電子を放出することが要求される
電子線描画装置、電子線顕微鏡や電子線回折装置などの
分析装置への応用が可能となる。
【0018】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、前記強電界ドリフト層中の前記半導
体微結晶のサイズの平均値をN、サイズの分布曲線にお
ける半値幅をΔNとするとき、ΔN/Nが0.01を超
えないので、従来に比べて電子放出効率を大幅に向上で
き、また、単一の波長で代表できる程度の狭い波長範囲
に含まれるエネルギの電子を放出することが要求される
電子線描画装置、電子線顕微鏡や電子線回折装置などの
分析装置への応用が可能となり、請求項6の発明に比べ
て電子線描画装置、電子線顕微鏡や電子線回折装置など
の分析装置などの分解能を高めることができるととも
に、高分解能であることを必要とする新規な装置への応
用が可能となる。
【0019】請求項8の発明は、請求項1記載の電界放
射型電子源の製造方法であって、前記強電界ドリフト層
を形成するにあたっては、ナノメータオーダの半導体微
結晶を形成する半導体クラスタからなるクラスタビーム
を前記導電性基板の一表面側に照射することによって多
数の半導体微結晶からなる層状の微結晶層を形成した後
に、酸化処理若しくは窒化処理若しくは酸窒化処理を行
うことを特徴とし、半導体クラスタのサイズを上記規定
範囲に制限することによって強電界ドリフト層内の半導
体微結晶のサイズを規定範囲に制限することが可能にな
って、隣り合う半導体微結晶間に酸素原子と窒素原子と
の少なくとも一方がバリア用原子として介在した構造の
強電界ドリフト層を形成することができ、従来のように
強電界ドリフト層が陽極酸化処理を利用して形成されて
いる電界放射型電子源に比べて、エミッション電流が大
きくて電子放出効率が高く且つ放出電子のエネルギ分布
の広がりが小さな電界放射型電子源を提供することが可
能となる。
【0020】請求項9の発明は、請求項1記載の電界放
射型電子源の製造方法であって、ナノメータオーダの半
導体微結晶を形成する半導体クラスタからなるクラスタ
ビームを酸化種と窒化種との少なくとも一方を含む雰囲
気中で前記導電性基板の一表面側に照射することによっ
て前記強電界ドリフト層を形成することを特徴とし、半
導体微結晶間に酸素原子と窒素原子との少なくとも一方
がバリア用原子として介在した構造の強電界ドリフト層
を形成することができ、従来のように強電界ドリフト層
が陽極酸化処理を利用して形成されている電界放射型電
子源に比べて、エミッション電流が大きくて電子放出効
率が高く且つ放出電子のエネルギ分布の広がりが小さな
電界放射型電子源を提供することが可能となる。また、
請求項8の発明のようにクラスタビームを照射した後に
酸化処理若しくは窒化処理若しくは酸窒化処理を行うプ
ロセスを採用する場合に比べて工程数を削減できるとと
もに、隣り合う半導体微結晶間に酸素原子と窒素原子と
の少なくとも一方をより確実に介在させることができ
る。なお、酸化種としては、原子状酸素、酸素分子、オ
ゾン、酸素ラジカル、酸素イオンなどがあり、窒化種と
しては、原子状窒素、窒素分子、窒素ラジカル、窒素イ
オンなどがある。
【0021】請求項10の発明は、請求項8または請求
項9の発明において、前記クラスタビームは、前記半導
体クラスタのサイズの分布が規定範囲に制限されている
ので、前記強電界ドリフト層内の半導体微結晶のサイズ
のばらつきを小さくすることができる。
【0022】請求項11の発明は、請求項8ないし請求
項10の発明において、前記半導体クラスタは、シリコ
ン原子の集合体からなるので、前記半導体クラスタを形
成するための原料として一般的に広く用いられている半
導体材料であるシリコンを使用でき、低コスト化を図る
ことが可能になる。
【0023】請求項12の発明は、請求項8ないし請求
項11の発明において、前記クラスタビームは、半導体
クラスタのサイズが10nmを超えないので、前記強電
界ドリフト層内の半導体微結晶の結晶粒径を10nm以
下にすることができ、半導体微結晶がシリコン微結晶で
あっても量子サイズ効果が起こる。
【0024】請求項13の発明は、請求項8ないし請求
項12の発明において、前記クラスタビームは、前記半
導体クラスタのサイズの平均値をN’、前記半導体クラ
スタのサイズの分布曲線における半値幅をΔN’とする
とき、ΔN’/N’が0.5を超えないので、前記強電
界ドリフト層中の半導体微結晶のサイズの平均値をN、
サイズの分布曲線における半値幅をΔNとするとき、Δ
N/Nが0.5を超えないように前記強電界ドリフト層
を形成可能となり、ディスプレイなどへの用途をはじめ
として、電子放出効率が高く比較的大きなエミッション
電流を必要とする用途に用いた場合に、従来に比べて輝
度の向上や省エネルギ化を図れる電界放射型電子源を提
供できる。
【0025】請求項14の発明は、請求項8ないし請求
項12の発明において、前記クラスタビームは、前記半
導体クラスタのサイズの平均値をN’、前記半導体クラ
スタのサイズの分布曲線における半値幅をΔN’とする
とき、ΔN’/N’が0.1を超えないので、前記強電
界ドリフト層中の半導体微結晶のサイズの平均値を
N’、サイズの分布曲線における半値幅をΔNとすると
き、ΔN/Nが0.1を超えないように前記強電界ドリ
フト層を形成可能となり、従来に比べて電子放出効率を
大幅に向上でき、また、単一の波長で代表できる程度の
狭い波長範囲に含まれるエネルギの電子を放出すること
が要求される電子線描画装置、電子線顕微鏡や電子線回
折装置などの分析装置などへの応用が可能となる電界放
射型電子源を提供できる。
【0026】請求項15の発明は、請求項8ないし請求
項12の発明において、前記クラスタビームは、前記半
導体クラスタのサイズの平均値をN’、前記半導体クラ
スタのサイズの分布曲線における半値幅をΔN’とする
とき、ΔN’/N’が0.01を超えないので、前記強
電界ドリフト層中の半導体微結晶のサイズの平均値を
N、サイズの分布曲線における半値幅をΔNとすると
き、ΔN/Nが0.01を超えないように前記強電界ド
リフト層を形成可能となり、従来に比べて電子放出効率
を大幅に向上でき、また、単一の波長で代表できる程度
の狭い波長範囲に含まれるエネルギの電子を放出するこ
とが要求される電子線描画装置、電子線顕微鏡や電子線
回折装置などの分析装置などへの応用が可能となる電界
放射型電子源を提供でき、請求項14の発明に比べて応
用する装置の分解能をより高めることができる。
【0027】請求項16の発明は、請求項8ないし請求
項15の発明において、前記クラスタビームは、希ガス
雰囲気中で前記半導体微結晶の材料となるターゲットに
レーザ光を照射して蒸発させることによって発生した衝
撃波を反射させることで発生した反衝撃波を利用してタ
ーゲットからの蒸発ガスを一時的に滞留させて半導体ク
ラスタを生成するクラスタビーム銃から出射されるの
で、前記半導体クラスタのサイズの平均値をN’、前記
半導体クラスタのサイズの分布曲線における半値幅をΔ
N’とするとき、ΔN’/N’が0.01を超えないよ
うなクラスタビームを容易に生成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図1(a)に本実
施形態の電界放射型電子源10の概略断面図を、図3
(a)〜(d)に電界放射型電子源10の製造方法にお
ける主要工程断面図を示す。なお、本実施形態では、導
電性基板としてガラス基板からなる絶縁性基板11の一
表面上に導電性層(例えば、クロム膜などの金属膜やI
TO膜など)12を設けたものを用いている。このよう
に絶縁性基板11の一表面側に導電性層12を形成した
基板を用いる場合には、導電性基板として半導体基板を
用いる場合に比べて、電子源の大面積化および低コスト
化が可能になる。
【0029】本実施形態の電界放射型電子源10は、図
1に示すように、絶縁性基板11上の導電性層12上に
ノンドープのシリコン層からなる半導体層3が形成さ
れ、半導体層3上に電子のドリフトする強電界ドリフト
層6が形成され、該強電界ドリフト層6上に表面電極7
が形成されている。表面電極7には仕事関数の小さな材
料(例えば、金)が採用され、表面電極7の膜厚は10
〜15nm程度に設定されている。強電界ドリフト層6
の構造については後述する。
【0030】図1(a)に示す構成の電界放射型電子源
10から電子を放出させるには、図2に示すように、表
面電極7に対向配置されたコレクタ電極21を設け、表
面電極7とコレクタ電極21との間を真空とした状態
で、表面電極7が導電性層12に対して高電位側(正
極)となるように表面電極7と導電性層12との間に直
流電圧Vpsを印加するとともに、コレクタ電極21が表
面電極7に対して高電位側となるようにコレクタ電極2
1と表面電極7との間に直流電圧Vcを印加する。各直
流電圧Vps,Vcを適宜に設定すれば、導電性層12か
ら注入された電子が強電界ドリフト層6をドリフトし表
面電極7を通して放出される(図2中の一点鎖線は表面
電極7を通して放出された電子e-の流れを示す)。な
お、強電界ドリフト層6の表面に到達した電子はホット
エレクトロンであると考えられ、表面電極7を容易にト
ンネルし真空中に放出される。
【0031】本実施形態の電界放射型電子源10では、
表面電極7と導電性層12との間に流れる電流をダイオ
ード電流Ipsと呼び、コレクタ電極21と表面電極7と
の間に流れる電流をエミッション電流(放出電子電流)
Ieと呼ぶことにすれば(図2参照)、ダイオード電流
Ipsに対するエミッション電流Ieの比率(=Ie/I
ps)が大きいほど電子放出効率が高くなる。
【0032】以下、製造方法について図3を参照しなが
ら説明する。
【0033】まず、絶縁性基板11の一表面側にスパッ
タ法などによって導電性層12を形成して導電性基板を
構成した後、導電性基板上(つまり、導電性層12上)
に半導体層3を形成することにより、図3(a)に示す
ような構造が得られる。なお、半導体層3の成膜方法と
しては、例えば、CVD法(例えば、LPCVD法、プ
ラズマCVD法、触媒CVD法など)やスパッタ法やC
GS(Continuous Grain Silicon)法などを採用すれ
ばよい。
【0034】半導体層3を形成した後、後述のクラスタ
ビーム堆積法(cluster beam deposition)によって
ナノメータオーダのシリコン微結晶を形成する半導体ク
ラスタたるシリコンクラスタからなるクラスタビームを
照射して半導体層3上に多数のシリコン微結晶からなる
層状の微結晶層4を形成することにより、図3(b)に
示す構造が得られる。ここにおいて、クラスタビームと
しては、シリコンクラスタのサイズ(ここではシリコン
クラスタの原子数によって決まるシリコンクラスタの
径)の分布が規定範囲に制限されたクラスタビーム(つ
まり、シリコンクラスタを構成するシリコン原子の数の
分布が規定範囲に制限されたクラスタビーム)を照射す
る。なお、クラスタビームのクラスタは中性のクラスタ
でもイオン化されたクラスタでもよい。
【0035】上述の微結晶層4を形成した後、酸化処理
にて微結晶層4を酸化して強電界ドリフト層6を形成す
ることにより、図3(c)に示す構造が得られる。な
お、酸化処理としては、酸素やオゾンなどを含むガス中
で熱酸化する工程、酸素やオゾンを含むガスを用いたプ
ラズマにさらすことにより酸化する工程、酸素やオゾン
を含むガス中で紫外線を照射することにより酸化する工
程、液体中での化学反応を利用して酸化する工程(電気
化学的に酸化する工程)など種々の工程から適宜選択す
ればよい。
【0036】強電界ドリフト層6を形成した後は、強電
界ドリフト層6上に金薄膜よりなる表面電極7を例えば
蒸着により形成することによって、図3(d)に示す構
造の電界放射型電子源10が得られる。なお、表面電極
7の形成方法は蒸着法に限定されるものではなく、例え
ばスパッタ法を用いてもよい。
【0037】図4に上記微結晶層4を形成する際にクラ
スタビーム堆積法で用いるクラスタビーム銃の一例を示
す。シリコンクラスタの材料としてはシリコンからなる
ターゲット71を用いる。ターゲット71を保持したホ
ルダ72はチャンバ70内に収納される。ターゲット7
1には、図示しないレーザ光源(例えば、YAGレー
ザ)からのレーザ光がレンズ74およびミラー75を介
して間欠的に照射される。チャンバ70には内部を真空
に排気するための排気口(図示せず)と、希ガス(例え
ば、Heガス)を導入するガス導入口73とが設けられ
ている。なお、クラスタ生成室76は液体窒素を利用し
て冷却されている。ガス導入口73には希ガスの流量を
調整する流量調整手段(図示せず)が設けられている。
【0038】このクラスタビーム銃では、チャンバ70
内にガス導入口73から希ガスを導入してから上記レー
ザ光をターゲット71に照射して蒸発させることによっ
てクラスタ生成室76内に衝撃波が発生し衝撃波が反射
板77にて反射されることで反衝撃波が発生する。これ
により、クラスタ生成室76内では蒸発ガスと希ガスと
の境界と反衝撃波とが干渉して滞留し上記境界近傍で蒸
発ガスと希ガスとの混合領域が形成され、蒸発ガスが急
激に冷却されて比較的サイズの揃ったシリコンクラスタ
が生成されると考えられる。要するに、クラスタは反衝
撃波と蒸発ガスとが混合される領域で生成されると考え
られる。クラスタ生成室76で発生したシリコンクラス
タは反射板77に形成された小孔77aを通して出射さ
れスキマー78を通して半導体層3上に堆積される。こ
こに、半導体層3の表面側に到達したシリコンクラスタ
はクラスタ状態を保ったままシリコン微結晶を形成する
と考えられる。したがって、半導体層3上に形成される
層状の微結晶層4は、シリコン微結晶の結晶粒径の分布
が上記規定範囲に制限されていると考えられる。なお、
図4中のAは半導体層3が形成された導電性基板を示
す。
【0039】しかして、本実施形態の電界放射型電子源
10では、次のようなモデルで電子放出が起こると考え
られる。すなわち、強電界ドリフト層6は、図1(b)
に示すように、ナノメータオーダの結晶粒径の分布が規
定範囲に制限されているシリコン微結晶63とシリコン
微結晶63よりもバンドギャップが大きいバリア用原子
たる酸素原子81とで構成される多数のクラスタ60か
らなり、隣り合うシリコン微結晶63間に酸素原子81
が介在する形で連続的に繋がって形成されていると考え
られる(なお、図1(b)には隣り合うシリコン微結晶
63間に1個の酸素原子81を介在させた形で表してあ
るが、隣り合う酸素原子81の数は1個に限定するもの
ではない)。したがって、シリコン微結晶63のサイズ
としての結晶粒径を量子効果が起こる程度に小さくする
ことにより、図5に示すようにバンドギャップの大きな
酸素原子81のポテンシャルバリアB,Bによって挟ま
れたシリコン微結晶63内には当該シリコン微結晶63
のサイズで決まる量子化されたエネルギ準位である共鳴
準位E1,E2が生じ、表面電極7と導電性層12との
間に直流電圧Vpsを印加する(つまり、電界を印加す
る)と、導電性層12から半導体層3を通って強電界ド
リフト層6へ電子e-が注入され共鳴準位E1,E2と
上記クラスタ60への電子e-の入射エネルギとが一致
した場合に電子e-の透過確率が大きくなってトンネル
効果で電子e-が通り抜け、共鳴準位に一致するエネル
ギの電子e-のみがシリコン微結晶63を通り抜ける共
鳴トンネリングが起こる。つまり、共鳴トンネリングが
起こることにより、ある特定のエネルギの電子のみがシ
リコン微結晶63を通り抜け、最終的にエネルギの揃っ
た電子が表面電極7の表面から放出されることになる。
【0040】したがって、シリコン微結晶63の結晶粒
径の分布を規定範囲に制限することによって表面電極7
を通して放出される放出電子のエネルギ分布を小さくす
ることができ、従来のように強電界ドリフト層が陽極酸
化処理を利用して形成され半導体微結晶の結晶粒径がば
らついている場合に比べて、強電界ドリフト層6中での
散乱確率を低減でき、エミッション電流を大きくできる
とともに電子放出効率を高めることができる。また、単
一の波長で代表できる程度の狭い波長範囲に含まれるエ
ネルギの電子を放出することが可能になり、電子線描画
装置、電子顕微鏡、電子線回折装置のように電子線を用
いた分析装置などへの応用が可能となる。
【0041】なお、強電界ドリフト層6に注入された電
子がシリコン微結晶63で散乱されることなく強電界ド
リフト層6の表面に到達するためには、シリコン微結晶
63の結晶粒径を単結晶シリコン中の電子の平均自由行
程である約50nmよりも小さくする必要があり、シリ
コンで量子サイズ効果を実現するためには10nmを超
えないようにし、好ましくは5nmよりも小さいものが
よい。
【0042】また、上述のクラスタビーム銃から出射さ
れるシリコンクラスタのサイズ(原子数)は希ガスの流
量やチャンバ70内の圧力などを適宜調整することによ
り制御できると考えられ、シリコンクラスタのサイズ
(原子数)の平均値をN’、シリコンクラスタのサイズ
の分布曲線における半値幅をΔN’とし、シリコン微結
晶63のサイズ(原子数)の平均値をN、シリコン微結
晶63のサイズの分布曲線における半値幅をΔNとする
とき、ΔN’/N’が0.5を超えないようなクラスタ
ビームを利用して強電界ドリフト層6を形成することに
より、ΔN/Nが0.5を超えないようにすることがで
き(つまり、ΔN/Nを0.5以下にでき)、ディスプ
レイなどへの用途をはじめとして、電子放出効率が高く
比較的大きなエミッション電流を必要とする用途に用い
た場合に、従来に比べて輝度の向上や省エネルギ化を図
れる電界放射型電子源10を提供できる。また、ΔN’
/N’が0.1を超えないようなクラスタビームを利用
して強電界ドリフト層6を形成することにより、ΔN/
Nが0.1を超えないようにすることができ従来に比べ
て電子放出効率を大幅に向上でき、しかも単一の波長で
代表できる程度の狭い波長範囲に含まれるエネルギの電
子を放出することが要求される電子線描画装置、電子顕
微鏡や電子線回折装置などの分析装置などへの応用が可
能となる。また、ΔN’/N’が0.01を超えないよ
うなクラスタビームを利用して強電界ドリフト層6を形
成することにより、ΔN/Nが0.01を超えないよう
にすることができ電子線描画装置、電子顕微鏡や電子線
回折装置などの分析装置などの分解能をより向上でき
る。ここに、ΔN/Nが0.01を超えないようにすれ
ば、従来例で説明したΔE/Eを0.01以下にできる
から、電子線描画装置、電子顕微鏡や電子線回折装置な
どの高分解能が要求される装置の分解能を向上でき、Δ
E/Eとして0.01以下が要求されるような新規な分
析装置へも応用も可能となる。なお、上述したようにE
は電界放射型電子源10から放出される電子のエネルギ
分布における平均値、ΔEは半値幅である。
【0043】ところで、本実施形態では、上述の層状の
微結晶層4に酸化処理を施すことにより強電界ドリフト
層6を形成しているが、窒化処理を施すことにより強電
界ドリフト層6を形成してもよく、この場合には上述の
バリア用原子が窒素原子になる。また、酸窒化処理を施
すことにより強電界ドリフト層6を形成してもよく、こ
の場合には上述のバリア用原子が酸素原子および窒素原
子になる。上記酸素原子81および窒素原子はシリコン
微結晶63に対して確実にポテンシャルバリアBを形成
できる。なお、本実施形態では、半導体微結晶としてシ
リコン微結晶を採用しているが、シリコン微結晶以外の
半導体微結晶でもよい。ただし、本実施形態では、シリ
コン微結晶を採用していることで、一般的な半導体材料
であるシリコンを上記ターゲットと71して用いること
ができ、低コスト化を図れる。
【0044】(実施形態2)本実施形態の基本構成およ
び基本動作は実施形態1と略同じであって、実施形態1
とは製造方法が相違する。以下、製造方法について図6
を参照しながら説明する。なお、実施形態1と同様の構
成要素には同一の符号を付して簡単に説明する。
【0045】まず、絶縁性基板11の一表面側にスパッ
タ法などによって導電性層12を形成して導電性基板を
構成した後、導電性基板上(つまり、導電性層12上)
に半導体層3を形成することにより、図6(a)に示す
ような構造が得られる。
【0046】半導体層3を形成した後、実施形態1で説
明したクラスタビーム銃で生成したナノメータオーダの
シリコンクラスタからなるクラスタビームを照射する際
に、半導体層3が形成されている導電性基板Aの収納さ
れている空間にあらかじめ酸素ガスを導入しておくこと
により、半導体層3上に強電界ドリフト層6が形成され
て図6(b)に示す構造が得られる。
【0047】強電界ドリフト層6を形成した後は、強電
界ドリフト層6上に金薄膜よりなる表面電極7を例えば
蒸着により形成することによって、図6(c)に示す構
造の電界放射型電子源10が得られる。
【0048】本実施形態における強電界ドリフト層6は
次のようなモデルで形成されると考えられる。すなわ
ち、導電性基板の収納されている空間は酸素ガス雰囲気
となっているから、クラスタビームが照射されることに
より上記空間には図7に示すようにシリコン微結晶63
を形成するシリコンクラスタ63a、酸素分子80、酸
素原子81などが混在し、半導体層3の表面側には、シ
リコン微結晶63とシリコン微結晶63の表面に結合さ
れた酸素原子81とからなる多数のクラスタ60(図1
(b)参照)が配列されていくと考えられる。したがっ
て、本実施形態の電界放射型電子源10でも実施形態1
と同様のモデルで電子放出が起こると考えられる。
【0049】本実施形態の電界放射型電子源10では、
実施形態1と同様、シリコン微結晶63の結晶粒径の分
布を規定範囲に制限することによって表面電極7を通し
て放出される放出電子のエネルギ分布を小さくすること
ができ、従来のように強電界ドリフト層が陽極酸化処理
を利用して形成され半導体微結晶の結晶粒径がばらつい
ている場合に比べて、強電界ドリフト層6中での散乱確
率を低減でき、エミッション電流を大きくできるととも
に電子放出効率を高めることができる。
【0050】なお、本実施形態では、導電性基板の収納
されている空間を酸素ガス雰囲気としているが、酸化種
雰囲気であればよく、酸化種は酸素分子に限らず、原子
状酸素、オゾン、酸素イオン、酸素ラジカルなどでもよ
い。また、上記空間を窒化種雰囲気として実施形態1で
説明したバリア用原子を窒素原子としてもよい。なお、
窒化種としては、窒素分子、原子状窒素、窒素イオン、
窒素ラジカルなどがある。また、上記空間を酸化種と窒
化種との両方の雰囲気としてもよく、この場合にはバリ
ア用原子が酸素原子および窒素原子となる。
【0051】ところで、上記各実施形態では、導電性基
板としてガラス基板からなる絶縁性基板11の一表面に
導電性層12を形成したものを用いているが、導電性基
板としては、クロムなどの金属基板を用いてもよいし、
半導体基板(例えば、抵抗率が導体の抵抗率に比較的近
いn形シリコン基板や、一表面側に導電性層としてn形
領域が形成されたp形シリコン基板など)などを用いて
もよい。絶縁性基板11もガラス基板の他ににセラミッ
ク基板などを用いることができる。
【0052】例えば、導電性基板としてn形シリコン基
板1を用いた場合には、図8に示すように、導電性基板
としてのn形シリコン基板1の主表面上に半導体層3が
形成され、半導体層3上に強電界ドリフト層6が形成さ
れ、強電界ドリフト層6上に表面電極7が形成され、n
形シリコン基板1の裏面にオーミック電極2が形成され
る。なお、図8に示す例では、n形シリコン基板1と強
電界ドリフト層6との間に半導体層3を介在させてある
が、半導体層3を介在させずにn形シリコン基板1の主
表面上に強電界ドリフト層6を形成してもよい。
【0053】図8に示す構成の電界放射型電子源10か
ら電子を放出させるには、表面電極7に対向配置された
コレクタ電極21を設け、表面電極7とコレクタ電極2
1との間を真空とした状態で、表面電極7がn形シリコ
ン基板1(オーミック電極2)に対して高電位側(正
極)となるように表面電極7とn形シリコン基板1との
間に直流電圧Vpsを印加するとともに、コレクタ電極2
1が表面電極7に対して高電位側となるようにコレクタ
電極21と表面電極7との間に直流電圧Vcを印加す
る。各直流電圧Vps,Vcを適宜に設定すれば、n形シ
リコン基板1から注入された電子が強電界ドリフト層6
をドリフトし表面電極7を通して放出される(なお、図
8中の一点鎖線は表面電極7を通して放出された電子e
-の流れを示す)。
【0054】また、上記各実施形態においては、表面電
極7の材料として金を採用しているが、表面電極7の材
料は金に限定されるものではなく、例えば、アルミニウ
ム、クロム、タングステン、ニッケル、白金などを用い
てもよい。
【0055】また、表面電極7を厚み方向に積層された
少なくとも2層の薄膜層で構成してもよい。表面電極7
が2層の薄膜層で構成される場合には、上層の薄膜層の
材料としては、例えば金などを用いることができる。ま
た、下層の薄膜層(強電界ドリフト層6側の薄膜層)の
材料としては、例えば、クロム、ニッケル、白金、チタ
ン、イリジウムなどを用いることができる。
【0056】
【発明の効果】請求項1の発明は、導電性基板と、導電
性基板の一表面側に形成された強電界ドリフト層と、該
強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備え、表
面電極を導電性基板に対して正極として電圧を印加する
ことにより導電性基板から注入された電子が強電界ドリ
フト層をドリフトし表面電極を通して放出される電界放
射型電子源であって、強電界ドリフト層は、ナノメータ
オーダの結晶粒径の分布が規定範囲に制限されている半
導体微結晶と半導体微結晶よりもバンドギャップが大き
いバリア用原子とで構成される多数のクラスタからな
り、隣り合う半導体微結晶間にバリア用原子が介在する
形で連続的に繋がって形成されてなるものであり、半導
体微結晶のサイズとしての結晶粒径を量子効果が起こる
程度に小さくすることにより、従来のように強電界ドリ
フト層が陽極酸化処理を利用して形成されている場合に
比べて、エミッション電流を大きくできるとともに電子
放出効率を高めることができ、さらに、放出電子エネル
ギ分布の広がりを小さくすることができるという効果が
ある。
【0057】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記半導体微結晶がシリコン微結晶なので、半導体
微結晶を形成するための材料として一般的に広く用いら
れている半導体材料であるシリコンを使用でき、低コス
ト化を図ることが可能になるという効果がある。
【0058】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2の発明において、前記半導体微結晶の結晶粒径が10
nmを超えないので、前記半導体微結晶がシリコン微結
晶であっても量子サイズ効果が起こるという効果があ
る。
【0059】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、前記バリア用原子が、酸素原子と窒
素原子との少なくとも一方からなるので、前記半導体微
結晶がシリコン微結晶であっても確実にポテンシャルバ
リアを形成することができるという効果がある。
【0060】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、前記強電界ドリフト層中の前記半導
体微結晶のサイズの平均値をN、サイズの分布曲線にお
ける半値幅をΔNとするとき、ΔN/Nが0.5を超え
ないので、ディスプレイなどへの用途をはじめとして、
電子放出効率が高く比較的大きなエミッション電流を必
要とする用途に用いた場合に、従来に比べて輝度の向上
や省エネルギ化を図れるという効果がある。
【0061】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、前記強電界ドリフト層中の前記半導
体微結晶のサイズの平均値をN、サイズの分布曲線にお
ける半値幅をΔNとするとき、ΔN/Nが0.1を超え
ないので、従来に比べて電子放出効率を大幅に向上で
き、また、単一の波長で代表できる程度の狭い波長範囲
に含まれるエネルギの電子を放出することが要求される
電子線描画装置、電子線顕微鏡や電子線回折装置などの
分析装置への応用が可能となるという効果がある。
【0062】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、前記強電界ドリフト層中の前記半導
体微結晶のサイズの平均値をN、サイズの分布曲線にお
ける半値幅をΔNとするとき、ΔN/Nが0.01を超
えないので、従来に比べて電子放出効率を大幅に向上で
き、また、単一の波長で代表できる程度の狭い波長範囲
に含まれるエネルギの電子を放出することが要求される
電子線描画装置、電子線顕微鏡や電子線回折装置などの
分析装置への応用が可能となり、請求項6の発明に比べ
て電子線描画装置、電子線顕微鏡や電子線回折装置など
の分析装置などの分解能を高めることができるととも
に、高分解能であることを必要とする新規な装置への応
用が可能となるという効果がある。
【0063】請求項8の発明は、請求項1記載の電界放
射型電子源の製造方法であって、前記強電界ドリフト層
を形成するにあたっては、ナノメータオーダの半導体微
結晶を形成する半導体クラスタからなるクラスタビーム
を前記導電性基板の一表面側に照射することによって多
数の半導体微結晶からなる層状の微結晶層を形成した後
に、酸化処理若しくは窒化処理若しくは酸窒化処理を行
うので、半導体クラスタのサイズを上記規定範囲に制限
することによって強電界ドリフト層内の半導体微結晶の
サイズを規定範囲に制限することが可能になって、隣り
合う半導体微結晶間に酸素原子と窒素原子との少なくと
も一方がバリア用原子として介在した構造の強電界ドリ
フト層を形成することができ、従来のように強電界ドリ
フト層が陽極酸化処理を利用して形成されている電界放
射型電子源に比べて、エミッション電流が大きくて電子
放出効率が高く且つ放出電子のエネルギ分布の広がりが
小さな電界放射型電子源を提供することが可能となると
いう効果がある。
【0064】請求項9の発明は、請求項1記載の電界放
射型電子源の製造方法であって、ナノメータオーダの半
導体微結晶を形成する半導体クラスタからなるクラスタ
ビームを酸化種と窒化種との少なくとも一方を含む雰囲
気中で前記導電性基板の一表面側に照射することによっ
て前記強電界ドリフト層を形成するので、半導体微結晶
間に酸素原子と窒素原子との少なくとも一方がバリア用
原子として介在した構造の強電界ドリフト層を形成する
ことができ、従来のように強電界ドリフト層が陽極酸化
処理を利用して形成されている電界放射型電子源に比べ
て、エミッション電流が大きくて電子放出効率が高く且
つ放出電子のエネルギ分布の広がりが小さな電界放射型
電子源を提供することが可能となるという効果がある。
また、請求項8の発明のようにクラスタビームを照射し
た後に酸化処理若しくは窒化処理若しくは酸窒化処理を
行うプロセスを採用する場合に比べて工程数を削減でき
るとともに、隣り合う半導体微結晶間に酸素原子と窒素
原子との少なくとも一方をより確実に介在させることが
できるという効果がある。なお、酸化種としては、原子
状酸素、酸素分子、オゾン、酸素ラジカル、酸素イオン
などがあり、窒化種としては、原子状窒素、窒素分子、
窒素ラジカル、窒素イオンなどがある。
【0065】請求項10の発明は、請求項8または請求
項9の発明において、前記クラスタビームは、前記半導
体クラスタのサイズの分布が規定範囲に制限されている
ので、前記強電界ドリフト層内の半導体微結晶のサイズ
のばらつきを小さくすることができるという効果があ
る。
【0066】請求項11の発明は、請求項8ないし請求
項10の発明において、前記半導体クラスタは、シリコ
ン原子の集合体からなるので、前記半導体クラスタを形
成するための原料として一般的に広く用いられている半
導体材料であるシリコンを使用でき、低コスト化を図る
ことが可能になるという効果がある。
【0067】請求項12の発明は、請求項8ないし請求
項11の発明において、前記クラスタビームは、半導体
クラスタのサイズが10nmを超えないので、前記強電
界ドリフト層内の半導体微結晶の結晶粒径を10nm以
下にすることができ、半導体微結晶がシリコン微結晶で
あっても量子サイズ効果が起こるという効果がある。
【0068】請求項13の発明は、請求項8ないし請求
項12の発明において、前記クラスタビームは、前記半
導体クラスタのサイズの平均値をN’、前記半導体クラ
スタのサイズの分布曲線における半値幅をΔN’とする
とき、ΔN’/N’が0.5を超えないので、前記強電
界ドリフト層中の半導体微結晶のサイズの平均値をN、
サイズの分布曲線における半値幅をΔNとするとき、Δ
N/Nが0.5を超えないように前記強電界ドリフト層
を形成可能となり、ディスプレイなどへの用途をはじめ
として、電子放出効率が高く比較的大きなエミッション
電流を必要とする用途に用いた場合に、従来に比べて輝
度の向上や省エネルギ化を図れる電界放射型電子源を提
供できるという効果がある。
【0069】請求項14の発明は、請求項8ないし請求
項12の発明において、前記クラスタビームは、前記半
導体クラスタのサイズの平均値をN’、前記半導体クラ
スタのサイズの分布曲線における半値幅をΔN’とする
とき、ΔN’/N’が0.1を超えないので、前記強電
界ドリフト層中の半導体微結晶のサイズの平均値を
N’、サイズの分布曲線における半値幅をΔNとすると
き、ΔN/Nが0.1を超えないように前記強電界ドリ
フト層を形成可能となり、従来に比べて電子放出効率を
大幅に向上でき、また、単一の波長で代表できる程度の
狭い波長範囲に含まれるエネルギの電子を放出すること
が要求される電子線描画装置、電子線顕微鏡や電子線回
折装置などの分析装置などへの応用が可能となる電界放
射型電子源を提供できるという効果がある。
【0070】請求項15の発明は、請求項8ないし請求
項12の発明において、前記クラスタビームは、前記半
導体クラスタのサイズの平均値をN’、前記半導体クラ
スタのサイズの分布曲線における半値幅をΔN’とする
とき、ΔN’/N’が0.01を超えないので、前記強
電界ドリフト層中の半導体微結晶のサイズの平均値を
N、サイズの分布曲線における半値幅をΔNとすると
き、ΔN/Nが0.01を超えないように前記強電界ド
リフト層を形成可能となり、従来に比べて電子放出効率
を大幅に向上でき、また、単一の波長で代表できる程度
の狭い波長範囲に含まれるエネルギの電子を放出するこ
とが要求される電子線描画装置、電子線顕微鏡や電子線
回折装置などの分析装置などへの応用が可能となる電界
放射型電子源を提供でき、請求項14の発明に比べて応
用する装置の分解能をより高めることができるという効
果がある。
【0071】請求項16の発明は、請求項8ないし請求
項15の発明において、前記クラスタビームは、希ガス
雰囲気中で前記半導体微結晶の材料となるターゲットに
レーザ光を照射して蒸発させることによって発生した衝
撃波を反射させることで発生した反衝撃波を利用してタ
ーゲットからの蒸発ガスを一時的に滞留させて半導体ク
ラスタを生成するクラスタビーム銃から出射されるの
で、前記半導体クラスタのサイズの平均値をN’、前記
半導体クラスタのサイズの分布曲線における半値幅をΔ
N’とするとき、ΔN’/N’が0.01を超えないよ
うなクラスタビームを容易に生成することができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示し、(a)は概略断面図、
(b)は強電界ドリフト層の構造モデル図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上の製造方法を説明するための主要工程断面
図である。
【図4】同上の製造に用いる製造装置の概略構成図であ
る。
【図5】同上の電子放出原理の説明図である。
【図6】実施形態2の製造方法を説明するための主要工
程断面図である。
【図7】同上における強電界ドリフト層の形成モデル図
である。
【図8】本発明の他の構成例を示す概略断面図である。
【図9】従来例を示す概略断面図である。
【図10】同上の動作説明図である。
【図11】同上における強電界ドリフト層の構造モデル
図である。
【図12】同上の放出電子のエネルギ分布の説明図であ
る。
【符号の説明】
3 半導体層 6 強電界ドリフト層 7 表面電極 10 電界放射型電子源 11 絶縁性基板 12 導電性層 60 クラスタ 63 シリコン微結晶 81 酸素原子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菰田 卓哉 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 岩田 康嗣 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所つくばセンター内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基板と、導電性基板の一表面側に
    形成された強電界ドリフト層と、該強電界ドリフト層上
    に形成された表面電極とを備え、表面電極を導電性基板
    に対して正極として電圧を印加することにより導電性基
    板から注入された電子が強電界ドリフト層をドリフトし
    表面電極を通して放出される電界放射型電子源であっ
    て、強電界ドリフト層は、ナノメータオーダの結晶粒径
    の分布が規定範囲に制限されている半導体微結晶と半導
    体微結晶よりもバンドギャップが大きいバリア用原子と
    で構成される多数のクラスタからなり、隣り合う半導体
    微結晶間にバリア用原子が介在する形で連続的に繋がっ
    て形成されてなることを特徴とする電界放射型電子源。
  2. 【請求項2】 前記半導体微結晶がシリコン微結晶であ
    ることを特徴とする請求項1記載の電界放射型電子源。
  3. 【請求項3】 前記半導体微結晶の結晶粒径が10nm
    を超えないことを特徴とする請求項1または請求項2記
    載の電界放射型電子源。
  4. 【請求項4】 前記バリア用原子が、酸素原子と窒素原
    子との少なくとも一方からなることを特徴とする請求項
    1ないし請求項3のいずれかに記載の電界放射型電子
    源。
  5. 【請求項5】 前記強電界ドリフト層中の前記半導体微
    結晶のサイズの平均値をN、サイズの分布曲線における
    半値幅をΔNとするとき、ΔN/Nが0.5を超えない
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに
    記載の電界放射型電子源。
  6. 【請求項6】 前記強電界ドリフト層中の前記半導体微
    結晶のサイズの平均値をN、サイズの分布曲線における
    半値幅をΔNとするとき、ΔN/Nが0.1を超えない
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに
    記載の電界放射型電子源。
  7. 【請求項7】 前記強電界ドリフト層中の前記半導体微
    結晶のサイズの平均値をN、サイズの分布曲線における
    半値幅をΔNとするとき、ΔN/Nが0.01を超えな
    いことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか
    に記載の電界放射型電子源。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の電界放射型電子源の製造
    方法であって、前記強電界ドリフト層を形成するにあた
    っては、ナノメータオーダの半導体微結晶を形成する半
    導体クラスタからなるクラスタビームを前記導電性基板
    の一表面側に照射することによって多数の半導体微結晶
    からなる層状の微結晶層を形成した後に、酸化処理若し
    くは窒化処理若しくは酸窒化処理を行うことを特徴とす
    る電界放射型電子源の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の電界放射型電子源の製造
    方法であって、ナノメータオーダの半導体微結晶を形成
    する半導体クラスタからなるクラスタビームを酸化種と
    窒化種との少なくとも一方を含む雰囲気中で前記導電性
    基板の一表面側に照射することによって前記強電界ドリ
    フト層を形成することを特徴とする電界放射型電子源の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記クラスタビームは、前記半導体ク
    ラスタのサイズの分布が規定範囲に制限されていること
    を特徴とする請求項8または請求項9記載の電界放射型
    電子源の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記半導体クラスタは、シリコン原子
    の集合体からなることを特徴とする請求項8ないし請求
    項10のいずれかに記載の電界放射型電子源の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記クラスタビームは、前記半導体ク
    ラスタのサイズが10nmを超えないことを特徴とする
    請求項8ないし請求項11のいずれかに記載の電界放射
    型電子源の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記クラスタビームは、前記半導体ク
    ラスタのサイズの平均値をN’、前記半導体クラスタの
    サイズの分布曲線における半値幅をΔN’とするとき、
    ΔN’/N’が0.5を超えないことを特徴とする請求
    項8ないし請求項12のいずれかに記載の電界放射型電
    子源の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記クラスタビームは、前記半導体ク
    ラスタのサイズの平均値をN’、前記半導体クラスタの
    サイズの分布曲線における半値幅をΔN’とするとき、
    ΔN’/N’が0.1を超えないことを特徴とする請求
    項8ないし請求項12のいずれかに記載の電界放射型電
    子源の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記クラスタビームは、前記半導体ク
    ラスタのサイズの平均値をN’、前記半導体クラスタの
    サイズの分布曲線における半値幅をΔN’とするとき、
    ΔN’/N’が0.01を超えないことを特徴とする請
    求項8ないし請求項12のいずれかに記載の電界放射型
    電子源の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記クラスタビームは、希ガス雰囲気
    中で前記半導体微結晶の材料となるターゲットにレーザ
    光を照射して蒸発させることによって発生した衝撃波を
    反射させることで発生した反衝撃波を利用してターゲッ
    トからの蒸発ガスを一時的に滞留させて半導体クラスタ
    を生成するクラスタビーム銃から出射されることを特徴
    とする請求項8ないし請求項15のいずれかに記載の電
    界放射型電子源の製造方法。
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