JP2002296728A - 熱現像感光材料 - Google Patents

熱現像感光材料

Info

Publication number
JP2002296728A
JP2002296728A JP2001096643A JP2001096643A JP2002296728A JP 2002296728 A JP2002296728 A JP 2002296728A JP 2001096643 A JP2001096643 A JP 2001096643A JP 2001096643 A JP2001096643 A JP 2001096643A JP 2002296728 A JP2002296728 A JP 2002296728A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
layer
photothermographic material
silver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001096643A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4183923B2 (ja
Inventor
Hirokazu Kyoda
浩和 京田
Toshihide Ezoe
利秀 江副
Minoru Sakai
稔 酒井
Toyohisa Oya
豊尚 大屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001096643A priority Critical patent/JP4183923B2/ja
Priority to US10/108,728 priority patent/US6800430B2/en
Publication of JP2002296728A publication Critical patent/JP2002296728A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4183923B2 publication Critical patent/JP4183923B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/494Silver salt compositions other than silver halide emulsions; Photothermographic systems ; Thermographic systems using noble metal compounds
    • G03C1/498Photothermographic systems, e.g. dry silver
    • G03C1/49836Additives
    • G03C1/49845Active additives, e.g. toners, stabilisers, sensitisers
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/494Silver salt compositions other than silver halide emulsions; Photothermographic systems ; Thermographic systems using noble metal compounds
    • G03C1/498Photothermographic systems, e.g. dry silver
    • G03C1/49827Reducing agents
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/494Silver salt compositions other than silver halide emulsions; Photothermographic systems ; Thermographic systems using noble metal compounds
    • G03C1/498Photothermographic systems, e.g. dry silver
    • G03C1/49872Aspects relating to non-photosensitive layers, e.g. intermediate protective layers
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
    • G03C1/91Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers characterised by subbing layers or subbing means

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度、Dmax(最高濃度)が高く、カブリ
が低い写真製版用途に最適な画像を得ることが可能な熱
現像感光材料を提供すること。 【解決手段】 支持体の同一面上に少なくとも感光性ハ
ロゲン化銀、還元可能な銀塩、下記式(1)で表される
還元剤、バインダー、および下記式(2)で表される化
合物を含有することを特徴とする熱現像感光材料。 【化1】 (V1〜V8は水素原子または置換基、Lは−CH
(V9)−または−S−、V9は水素原子または置換基を
表す。) 【化2】 (X1は置換基、X2〜X4は水素原子または置換基、R1
は水素原子、アルキル基、アリール基,ヘテロ環基、ア
ミノ基、アルコキシ基を表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像感光材料に関
するものであり、特に写真製版用に適したスキャナー、
イメージセッター用の熱現像感光材料に関し、さらに詳
しくは、感度、Dmax(最高濃度)が高く、カブリが
低い写真製版用途に最適な画像を得ることが可能な写真
製版用の熱現像感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】支持体上に感光層を有し、画像露光する
ことで画像形成を行う感光材料が、数多く知られてい
る。その中には、環境保全に寄与し画像形成手段を簡易
化できるシステムとして、熱現像により画像を形成する
技術がある。近年、写真製版分野においては環境保全や
省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれるよ
うになっている。そこで、レーザー・スキャナーまたは
レーザー・イメージセッターにより効率的に露光させる
ことができ、かつ高解像度および鮮鋭さを有する鮮明な
黒色画像を形成することができる写真製版用途の熱現像
感光材料に関する技術開発が必要とされている。このよ
うな熱現像感光材料によれば、溶液系処理化学薬品を必
要としない、より簡単で環境を損なわない熱現像処理シ
ステムを顧客に対して供給することが可能になる。
【0003】熱現像により画像を形成する方法は、例え
ば米国特許第3,152,904号明細書、同第3,4
57,075号明細書、およびD.モーガン(Morgan)
とB.シェリー(Shely)による「熱によって処理され
る銀システム(Thermally Processed Silver Systems)
A」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリ
アルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette
第8版、スタージ(Sturge)、V.ウォールワーズ(Wa
lworth)、A.シェップ(Shepp)編集、第2頁、19
69年)に記載されている。このような熱現像感光材料
は、還元可能な非感光性の銀源(例えば有機銀塩)、触
媒活性量の光触媒(例えばハロゲン化銀)、および銀の
還元剤を通常有機バインダーマトリックス中に分散した
状態で含有する。感光材料は常温で安定であるが、露光
後に高温(例えば、80℃以上)に加熱したときに、還
元可能な銀源(酸化剤として機能する)と還元剤との間
の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反
応は露光により形成された潜像の触媒作用によって促進
される。露光領域中の還元可能な銀塩の反応によって生
成した銀は黒色になり、非露光領域と対照をなすことか
ら画像の形成がなされる。
【0004】欧州特許公開EP762,196号公報、
特開平9−90550号公報等には、熱現像感光材料に
用いる感光性ハロゲン化銀粒子に第VII族またはVI
II族の金属イオンまたは金属錯体イオンを含有させる
こと、および感光材料中にヒドラジン誘導体を含有せし
めて高コントラストな写真特性を得ることができること
が開示されている。また、米国特許5,545,515
号明細書には、ヒンダードフェノールを還元剤として用
いて、アクリロニトリル化合物を造核剤(超硬調化剤)
として用いることが記載されている。
【0005】また、還元剤として電子吸引性基で置換さ
れたアミノ基を置換基として持つフェノール化合物(例
えば、スルホンアミドフェノール化合物)を用いる例に
ついても、すでに報告されている。例えば、特開昭49
−80386号公報、特開平5−257227号公報お
よび特開平10−221806号公報に報告されている
ように、2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミ
ドフェノールおよびp−ベンゼンスルホンアミドフェノ
ールなどを還元剤として単独で用いる方法が知られてい
る。しかし、これらの化合物を用いても、感度を向上さ
せたり、感光材料の保存時の写真性能の変化の問題(特
にカブリ)を解決することはできなかった。一方、特開
2000−267222号公報に報告されているよう
に、アミノフェノール誘導体を還元剤と併用する方法も
知られているが、高Dmax(最高濃度)、低カブリ、
高コントラストの要求を満足するものではなかった。こ
のため、感度、Dmax(最高濃度)が高く、カブリが
低く、コントラストの高い写真製版用途に最適な画像を
得ることが可能な写真製版用の熱現像感光材料を提供す
ることが望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
技術の問題点を解消することを解決すべき問題点とし
た。すなわち、本発明が解決しようとする第一の課題
は、特に写真製版用、特にスキャナー、イメージセッタ
ー用として、感度、Dmax(最高濃度)が高く、カブ
リが低い写真製版用途に最適な画像を得ることが可能な
熱現像感光材料を提供することにある。さらに、本発明
が解決しようとする第二の課題は環境面・コスト面で有
利な水系塗布可能な熱現像感光材料を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者らは鋭意検討した結果、画像形成層に特定の
ビスフェノール化合物および特定のフェノール化合物を
組み合わせて含有させることによって、所望の効果を有
する優れた熱現像感光材料を提供しうることを見出し、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれ
ば、支持体の同一面上に少なくとも(a)感光性ハロゲ
ン化銀、(b)還元可能な銀塩、(c)下記式(1)で
表される還元剤、(d)バインダー、および(e)下記
式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする
熱現像感光材料が提供される。
【化3】 (式(1)において、V1〜V8はそれぞれ独立に水素原
子または置換基を表し、Lは−CH(V9)−または−
S−なる連結基を表し、V9は水素原子または置換基を
表す。)
【化4】 (式(2)において、X1は置換基を表し,X2〜X4
それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただしX
1〜X4はヒドロキシ基であることはなく、X3はスルホ
ンアミド基であることはない。X1〜X4で表わされる置
換基は互いに結合して環を形成してもよい。R1は水素
原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基
またはアルコキシ基を表わす。)
【0008】好ましくは、式(2)において、R1は水
素原子、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アルコキ
シ基または炭素数1〜7のアルキル基である。より好ま
しくは、式(2)において、X1、X3のうち少なくとも
1つは電子求引性基であり、R1はアリール基または炭
素数1〜7のアルキル基である。さらに好ましくは、式
(2)において、X1、X3はともにハロゲン原子であ
り、R1がアリール基または炭素数1〜7のアルキル基
である。最も好ましくは、式(2)において、X 1、X3
はともに塩素原子または臭素原子であり、X2、X4は水
素原子またはアルキル基を表わし、R1はアリール基で
ある。好ましくは本発明の熱現像感光材料は、さらに造
核剤(超硬調化剤)を含有する。また、支持体と感光性
層の間にゼラチンを含有する下塗り層を有することが好
ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の熱現像感
光材料について詳細に説明する。なお、本明細書におい
て、「〜」はその前後に記載される数値を最小値および
最大値として含む範囲である。本発明の熱現像感光材料
は、支持体の同一面上に、少なくとも(a)感光性ハロ
ゲン化銀、(b)還元可能な銀塩、(d)バインダーを
有する。本発明の熱現像感光材料は、還元可能な銀塩
(有機銀塩)およびバインダーを含有する画像形成層
と、感光性ハロゲン化銀を含有する感光性ハロゲン化銀
乳剤層(感光層)を別個の層として有するものであって
もよいし、還元可能な銀塩(有機銀塩)、感光性ハロゲ
ン化銀およびバインダーを一緒に含む感光性の画像形成
層を有するものであってもよい。好ましいのは後者であ
る。本発明の熱現像感光材料は、上記3成分の他にさら
に、(c)上記式(1)で表される還元剤と、(e)上
記式(2)で表される化合物をともに含有することを特
徴とする。これによって、感度、Dmax(最高濃度)
が高く、カブリが低い写真製版用途に最適な画像を得る
ことが可能な写真製版用の熱現像感光材料を得ることが
できる。
【0010】本発明の熱現像感光材料は、支持体上、上
記の感光性ハロゲン化銀および還元可能な銀塩が存在す
る面と同一の面に、上記式(1)で表されるビスフェノ
ール化合物を有する。式(1)において、V1〜V8はそ
れぞれ独立に水素原子または置換基を表す。V1〜V8
表される置換基は同一でも異なっていてもよく、好まし
い例として、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子)、直鎖、分岐または環状
のアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好まし
くは炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜13
であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、tert−オクチル基、n−アミル基、ter
t−アミル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、シ
クロヘキシル基等)、アルケニル基(好ましくは炭素数
2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さらに好ま
しくは炭素数2〜12であり、例えば、ビニル基、アリ
ル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基等)、アリー
ル基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素
数6〜20、さらに好ましくは炭素数6〜12であり、
例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル
基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、よ
り好ましくは炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素数
1〜12であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(好ま
しくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜2
0、さらに好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、
フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等)、アシル
オキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは
炭素数2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12であ
り、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、
アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは
炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ
ブチルアミノ基、アニリノ基等)、アシルアミノ基(好
ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜1
6、特に好ましくは炭素数2〜13であり、例えば、ア
セチルアミノ基、トリデカノイルアミノ基、ベンゾイル
アミノ基等)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数
1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、さらに好ま
しくは炭素数1〜12であり、例えば、メタンスルホニ
ルアミノ基、ブタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスル
ホニルアミノ基等)、ウレイド基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは炭素数1〜16、さらに好まし
くは炭素数1〜12であり、例えば、ウレイド基、メチ
ルウレイド基、フェニルウレイド基等)、カルバメート
基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数
2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12であり、例
えば、メトキシカルボニルアミノ基、フェニルオキシカ
ルボニルアミノ基等)、カルボキシル基、カルバモイル
基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数
1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜12であり、例
えば、カルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル
基、N−ドデシルカルバモイル基、N−フェニルカルバ
モイル基等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭
素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さらに
好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、メトキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニ
ル基等)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭
素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、さらに
好ましくは炭素数6〜12)、アシル基(好ましくは炭
素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さらに
好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、アセチル
基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基等)、ス
ルホ基、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、よ
り好ましくは炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素数
1〜12であり、例えば、メシル基、トシル基等)、ス
ルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ま
しくは炭素数0〜16、さらに好ましくは炭素数0〜1
2であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファ
モイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルフ
ァモイル基等)、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ま
しくは炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜1
2であり、例えば、メチルチオ、ブチルチオ等)、ヘテ
ロ環基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭
素数2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12であ
り、例えば、ピリジル基、イミダゾイル基、ピロリジル
基等)などが挙げられる。これらの置換基はさらに他の
置換基で置換されていてもよい。
【0011】V1〜V8で表される置換基として特に好ま
しいものは、アルキル基(例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、tert−オクチル基、n−
アミル基、tert−アミル基、n−ドデシル基、n−
トリデシル基、シクロヘキシル基等)である。
【0012】式(1)において、Lは−CH(V9)−
または−S−なる連結基を表し、V9は水素原子または
置換基を表す。V9で表される置換基の好ましい例とし
て、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子)、直鎖、分岐または環状のアルキ
ル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素
数1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜13であり、
例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、t
ert−オクチル基、n−アミル基、tert−アミル
基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、シクロヘキシ
ル基、2,4,4−トリメチルペンチル基等)、アルケ
ニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭
素数2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12であ
り、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3
−ペンテニル基等)、アリール基(好ましくは炭素数6
〜30、より好ましくは炭素数6〜20、さらに好まし
くは炭素数6〜12であり、例えば、フェニル基、p−
メチルフェニル基、ナフチル基等)、アルコキシ基(好
ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
6、さらに好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基
等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、
より好ましくは炭素数6〜20、さらに好ましくは炭素
数6〜12であり、例えば、フェニルオキシ基、2−ナ
フチルオキシ基等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素
数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さらに好
ましくは炭素数2〜12であり、例えば、アセトキシ
基、ベンゾイルオキシ基等)、アミノ基(好ましくは炭
素数0〜20、より好ましくは炭素数1〜16、さらに
好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、ジメチルア
ミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、アニリ
ノ基等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜2
0、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭
素数2〜13であり、例えば、アセチルアミノ基、トリ
デカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、スルホ
ニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好まし
くは炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜12
であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ブタンス
ルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、
ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましく
は炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜12で
あり、例えば、ウレイド基、メチルウレイド基、フェニ
ルウレイド基等)、カルバメート基(好ましくは炭素数
2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さらに好ま
しくは炭素数2〜12であり、例えば、メトキシカルボ
ニルアミノ基、フェニルオキシカルボニルアミノ基
等)、カルボキシル基、カルバモイル基(好ましくは炭
素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、さらに
好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、カルバモイ
ル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−ドデシル
カルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基等)、ア
ルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、よ
り好ましくは炭素数2〜16、さらに好ましくは炭素数
2〜12であり、例えば、メトキシカルボニル基、エト
キシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アシル
基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数
2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12であり、例
えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロ
イル基等)、スルホ基、スルホニル基(好ましくは炭素
数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、さらに好
ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メシル基、ト
シル基等)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜
20、より好ましくは炭素数0〜16、さらに好ましく
は炭素数0〜12であり、例えば、スルファモイル基、
メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、
フェニルスルファモイル基等)、シアノ基、ニトロ基、
ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ基(好ま
しくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
6、さらに好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、
メチルチオ基、ブチルチオ基等)、ヘテロ環基(好まし
くは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、
さらに好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、ピリ
ジル基、イミダゾイル基、ピロリジル基等)などが挙げ
られる。これらの置換基はさらに他の置換基で置換され
ていてもよい。
【0013】V9で表される置換基の特に好ましい例と
しては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、t
ert−ブチル基、tert−オクチル基、n−アミル
基、n−オクチル基、tert−アミル基、n−ドデシ
ル基、n−トリデシル基、シクロヘキシル基、2,4,
4−トリメチルペンチル基等)、アルケニル基(例え
ば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテ
ニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、p−メ
チルフェニル基、ナフチル基等)、ヒドロキシル基、メ
ルカプト基、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、
ブチルチオ基等)などが挙げられる。以下に式(1)で
表されるビスフェノール化合物の具体例を挙げるが、本
発明に用いるビスフェノール化合物はこれらに限定され
るものではない。
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】式(1)で表される化合物は、アルデヒド
類とフェノール類(I−25およびI−26は二塩化硫
黄)を縮合する一般的な方法で容易に合成することがで
きる。本発明に用いる式(1)で表されるビスフェノー
ル化合物の使用量は、熱現像感光材料1m2当たり0.
01〜4.0gであることが好ましく、0.2〜2.0
gであることがより好ましく、0.5〜2.0gである
ことがさらに好ましい。また、画像形成層を有する面の
銀1molに対しては2〜40mol%含まれることが
好ましく、5〜30mol%含まれることがさらに好ま
しい。本発明に用いるビスフェノール化合物は、溶液、
粉末、固体微粒子分散物などいかなる方法で添加しても
よい。固体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボ
ールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミ
ル、ジェットミル、ローラーミルなど)で行われる。ま
た、固体微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
本発明に用いるビスフェノール化合物は、支持体上、上
記の感光性ハロゲン化銀および還元可能な銀塩と同一の
面であればいずれの層に添加してもよいが、ハロゲン化
銀を含む層またはそれに隣接する層に添加することが好
ましい。
【0021】本発明の熱現像感光材料は、支持体上、上
記の感光性ハロゲン化銀および還元可能な銀塩と同一の
面に、上記式(2)で表されるフェノール化合物を有す
る。
【0022】式(2)において、X1はベンゼン環上に
置換可能な置換基を表す(水素原子であることはな
い)。ただし、X1はヒドロキシル基であることはな
い。置換基の具体例としては、ハロゲン原子、アルキル
基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、
アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニ
ル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環
基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキ
シ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコ
キシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオ
キシ、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、ア
ルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニ
ルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよび
アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモ
イル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニ
ル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル
基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ
基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフ
ィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例
として挙げられる。
【0023】さらに詳しくは、ハロゲン原子(フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基
〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基
を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜
30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−
オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−
シアノエチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアル
キル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置
換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シ
クロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル
基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜3
0の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つま
り、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を
一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ
[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,
2,2]オクタン−3−イル基)、さらに環構造が多い
トリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明
する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基の
アルキル基)もこのような概念のアルキル基を表
す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしく
は無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル
基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のア
ルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル
基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基
(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換の
シクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロ
アルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。
例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロ
ヘキセン−1−イル基)、ビシクロアルケニル基(置換
もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、
炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケ
ニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの
水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビ
シクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、
ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル
基)を包含するものである。]、アルキニル基(好まし
くは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル
基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチル
シリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6〜
30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニ
ル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル
基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基)、ヘテロ
環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換
の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個
の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好まし
くは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテ
ロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル
基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、
シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基
(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換の
アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソ
プロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオ
キシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基
(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換の
アリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチル
フェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3
−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフ
ェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3
〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオ
キシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、
ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換
もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテト
ラゾールー5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオ
キシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ
基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカ
ルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置
換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオ
キシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステ
アロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシ
フェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基
(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換の
カルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカル
バモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキ
シ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n
−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチ
ルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキ
シ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置
換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカル
ボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、ter
t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボ
ニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基
(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換の
アリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキ
シカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボ
ニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシ
カルボニルオキシ基)、アシルアミノ基(好ましくは、
ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置
換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置
換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例え
ば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイル
アミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、
3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボ
ニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましく
は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカル
ボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,
N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエ
チルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニル
アミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましく
は炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカル
ボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ
基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシ
カルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニ
ルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ
基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましく
は、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオ
キシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニ
ルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ
基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミ
ノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数
0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ
基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチ
ルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノ
スルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホ
ニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしく
は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜3
0の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ
基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホ
ニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,
5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチ
ルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アル
キルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしく
は無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチ
ルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基
(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のア
リールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフ
ェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ
環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置
換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチ
オ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換も
しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチル
スルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピ
ル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイ
ル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイル
スルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイ
ル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキルおよびア
リールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の
置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30
の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例え
ば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フ
ェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニ
ル基)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好まし
くは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルス
ルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールス
ルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスル
ホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニル
スルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭
素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル
基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカ
ルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭
素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニ
ル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロ
アセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−
オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカ
ルボニル基、2−フリルカルボニル基)、アリールオキ
シカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換も
しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、
フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボ
ニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−te
rt−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカ
ルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしく
は無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキ
シカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル
基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の
置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバ
モイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチ
ルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモ
イル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、
アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜
30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3
〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例え
ば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−
エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルア
ゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド
基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましく
は、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ
基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフ
ィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニ
ル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置
換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオク
チルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル
基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜
30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例
えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチル
オキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基
(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換の
ホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニ
ルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、
シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは
無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、te
rt−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリ
ル基)が挙げられる。X1で表される置換基として好ま
しいものは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子、好ましくは塩素原子、臭素原
子)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、よ
り好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1
〜8、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、
ベンゾイルアミノ基など)、アルキル基(好ましくは炭
素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好
ましくは炭素数1〜8、例えば、メチル基、エチル基、
イソプロピル基、シクロヘキシル基など)、アリール基
(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6
〜14、特に好ましくは炭素数6〜8、例えばフェニル
基、ナフチル基、p−メチルフェニル基など)、アルコ
キシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭
素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばメ
トキシ基、エトキシ基など)、アリールオキシ基(好ま
しくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜1
4、特に好ましくは炭素数6〜8、たとえばフェノキシ
基、2−ナフチルオキシ基など)、アシルオキシ基(好
ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
4、特に好ましくは炭素数1〜8、例えば、アセトキシ
基、ベンゾイルオキシ基など)、スルホニルアミノ基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1
〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばメタンス
ルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ま
しくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、
例えばカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル
基、N−フェニルカルバモイル基など)、アシル基(好
ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
4、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばホルミル基、
アセチル基、ベンゾイル基など)、アルコキシカルボニ
ル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素
数2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12であり、
例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、ブトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボ
ニル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭
素数6〜16、さらに好ましくは炭素数6〜12、例え
ば、フェノキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカル
ボニル基等)、シアノ基、ニトロ基であり、より好まし
くは、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アルキル基であ
り、特に好ましくは塩素原子、臭素原子である。
【0024】式(2)において、X3は水素原子または
置換基を表わす。ただし、X3はヒドロキシル基、スル
ホンアミド基であることはない。置換基の具体例として
は、式(2)のX1の例として挙げた置換基が挙げられ
る(スルホンアミド基を除く)。X3として好ましいも
のは、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくは塩素原子、臭素
原子)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、
より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数
1〜8、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ
基、ベンゾイルアミノ基など)、アルキル基(好ましく
は炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特
に好ましくは炭素数1〜8、例えば、メチル基、エチル
基、イソプロピル基、シクロヘキシル基など)、アリー
ル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素
数6〜14、特に好ましくは炭素数6〜8、例えばフェ
ニル基、ナフチル基、p−メチルフェニル基など)、ア
ルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましく
は炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例え
ばメトキシ基、エトキシ基など)、アリールオキシ基
(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6
〜14、特に好ましくは炭素数6〜8、たとえばフェノ
キシ基、2−ナフチルオキシ基など)、アシルオキシ基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1
〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えば、アセト
キシ基、ベンゾイルオキシ基など)、カルバモイル基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1
〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばカルバモ
イル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−フェニ
ルカルバモイル基など)、アシル基(好ましくは炭素数
1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好まし
くは炭素数1〜8、例えばホルミル基、アセチル基、ベ
ンゾイル基など)、アルコキシカルボニル基(好ましく
は炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さ
らに好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、メトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカル
ボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(好ましく
は炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、さ
らに好ましくは炭素数6〜12、例えば、フェノキシカ
ルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基等)、シ
アノ基、ニトロ基であり、より好ましくは、ハロゲン原
子、アシルアミノ基、アルキル基であり、特に好ましく
は塩素原子または臭素原子である。
【0025】X1、X3で表される置換基は少なくとも一
方が電子求引性基であることが好ましい。電子求引性基
とは、ハメットの置換基定数σp値が正である置換基で
あり、具体例としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニト
ロ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、イミノ基、N原子で置換されたイミノ基、チオ
カルボニル基、パーフルオロアルキル基、スルホンアミ
ド基、ホルミル基、ホスホリル基、カルボキシル基、、
カルバモイル基、アシル基、スルホ基(またはその
塩)、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、
スルファモイル基、アシルオキシ 基、アシルチオ基、
スルホニルオキシ基、ヘテロ環基、またはこれらの電子
求引性基で置換されたアリール基などが挙げられる。X
1、X3はより好ましくはともに電子吸引性基であり、さ
らに好ましくはともにハロゲン原子であり、特に好まし
くはともに塩素原子または臭素原子である。
【0026】式(2)において、X2、X4は水素原子ま
たは置換基を表わす。ただし、X2、X4はヒドロキシル
基であることはない。置換基の具体例としては、式
(2)のX1の例として挙げた置換基が挙げられる。
2、X4として好ましいものは、水素原子、ハロゲン原
子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、好
ましくは、塩素原子、臭素原子)、アシルアミノ基(好
ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
4、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばホルミルアミ
ノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基など)、
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましく
は炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例え
ば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロへキ
シル基等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、
より好ましくは炭素数6〜14、特に好ましくは炭素数
6〜8、例えばフェニル基、ナフチル基、p−メチルフ
ェニル基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭
素数1〜8、例えばメトキシ基、エトキシ基等)、アリ
ールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好まし
くは炭素数6〜14、特に好ましくは炭素数6〜8、例
えばフェノキシ基、2−ナフチルオキシ基等)、アシル
オキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは
炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えば
アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホニルア
ミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭
素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばメ
タンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基
等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、よ
り好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1
〜8、例えばカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバ
モイル基、N−フェニルカルバモイル基など)、アシル
基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数
1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばホルミ
ル基、アセチル基、ベンゾイル基など)、アルコキシカ
ルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましく
は炭素数2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12で
あり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、ブトキシカルボニル基等)、アリールオキシカ
ルボニル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましく
は炭素数6〜16、さらに好ましくは炭素数6〜12、
例えば、フェノキシカルボニル基、2−ナフチルオキシ
カルボニル基等)、シアノ基、ニトロ基である。より好
ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲ
ン原子、アシルアミノ基であり、特に好ましくは水素原
子、メチル基、エチル基である。X1〜X4はさらに置換
されていてもよく、置換基の具体例としては式(2)の
1の例として挙げた置換基が挙げられる。また、X1
4は互いに結合して環を形成していてもよい。
【0027】式(2)において、R1は水素原子、アル
キル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭
素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜7、例えば、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロへキシル
基等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、より
好ましくは炭素数6〜14、特に好ましくは炭素数6〜
8、例えばフェニル基、ナフチル基、p−メチルフェニ
ル基等)、ヘテロ環基(例えば、ピリジル基、イミダゾ
リル基、ピロリジル基),アミノ基(好ましくは炭素数
0〜20、より好ましくは炭素数0〜14、特に好まし
くは炭素数0〜8、例えばアミノ基、メチルアミノ基、
N,N−ジメチルアミノ基、N−フェニルアミノ基
等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より
好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜
8、例えばメトキシ基、エトキシ基等)を表わす。好ま
しくは、水素原子、アリール基、ヘテロ環基、アミノ
基、アルコキシ基、炭素数1〜7のアルキル基であり、
さらに好ましくはアリール基または炭素数1〜7のアル
キル基であり、特に好ましくはアリール基である。R1
はさらに置換されていてもよく、置換基の具体例として
は式(2)のX1の例として挙げた置換基が挙げられ
る。
【0028】X1〜X4、R1の組み合わせとして好まし
くは、X1、X3の少なくとも1つがハロゲン原子であ
り、X2、X4は水素原子またはアルキル基であり、R1
はアリール基または炭素数1〜7のアルキル基である。
さらに好ましい組み合わせは、X1、X3はともに塩素原
子または臭素原子であり、X2は水素原子またはアルキ
ル基であり、X4は水素原子であり、R1はアリール基で
ある。
【0029】式(2)で表される化合物の総分子量の好
ましい範囲は170〜800であり、より好ましくは2
20〜650であり、特に好ましくは220〜500で
ある。
【0030】以下に式(2)で表される化合物の具体例
を挙げるが、本発明で用いることができる式(2)の化
合物はこれらの具体例に限定されるものではない。
【化11】
【0031】
【化12】
【0032】
【化13】
【0033】
【化14】
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】
【0037】
【化18】
【0038】本発明で用いる式(2)で表される化合物
は、写真業界で公知のフェノールカプラーの合成方法、
例えばオルトアミノフェノール類と、酸ハライド類の反
応により容易に合成することができる。本発明に用いる
式(2)で表される化合物の使用量は、熱現像感光材料
1m2当たり0.001〜4.0gであることが好まし
く、0.01〜2.0gであることがより好ましく、
0.1〜2.0gであることがさらに好ましい。また、
本発明に用いる式(2)で表される化合物の使用量は、
式(1)で表される化合物に対して0.1〜1000m
ol%であることが好ましく、1〜100%であること
がさらに好ましく、5〜50%であることが特に好まし
い。式(2)で表される化合物は1種のみを用いても2
種以上を併用してもよい。本発明に用いる式(2)で表
される化合物は、水または適当な有機溶媒、例えばアル
コール類(メタノール、エタノール、プロパノール、フ
ッ素化アルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエ
チルケトン等)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、メチルセロソルブなどに溶解して用いること
ができる。あるいは、既によく知られている乳化分散法
に従って、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフ
ェート、グリセリルトリアセテート、ジエチルフタレー
トなどのオイル、酢酸エチル、シクロヘキサノンなどの
補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製し
て用いることができる。または、よく知られている固体
分散法に従って、ボールミル、コロイドミル、サンドグ
ラインダーミル、マントンゴーリン、マイクロフルイダ
イザーまたは超音波によって式(2)で表される化合物
の粉末を水の中に分散し、用いることができる。
【0039】本発明に用いる式(2)で表される化合物
は、支持体上、上記の感光性ハロゲン化銀および還元可
能な銀塩が存在する面と同一の面であればいずれの層に
添加してもよいが、ハロゲン化銀を含む層またはそれに
隣接する層に添加することが好ましい。
【0040】本発明の熱現像感光材料においては、「色
調剤」と呼ばれる化合物が、銀画像の像密度(画像濃
度)、銀の色調および熱現像性を改良する目的で熱現像
感光材料中に必要により添加される。
【0041】有機銀塩を利用した熱現像感光材料におい
ては広範囲の色調剤が特開昭46−6077号公報、同
47−10282号公報、同49−5019号公報、同
49−5020号公報、同49−91215号公報、同
49−91215号公報、同50−2524号公報、同
50−32927号公報、同50−67132号公報、
同50−67641号公報、同50−114217号公
報、同51−3223号公報、同51−27923号公
報、同52−14788号公報、同52−99813号
公報、同53−1020号公報、同53−76020号
公報、同54−156524号公報、同54−1565
25号公報、同61−183642号公報、特開平4−
56848号公報、特公昭49−10727号公報、同
54−20333号公報、米国特許3,080,254
号明細書、同3,446,648号明細書、同3,78
2,941号明細書、同4,123,282号明細書、
同4,510,236号明細書、英国特許138079
5号明細書、ベルギー特許841910号明細書、特公
平1−25050号公報などに開示されている。色調剤
の例は、フタルイミドおよびN−ヒドロキシフタルイミ
ド;スクシンイミド、ピラゾリン−5−オン、ならびに
キナゾリノン、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オ
ン、1−フェニルウラゾール、キナゾリンおよび2,4
−チアゾリジンジオンのような環状イミド;ナフタルイ
ミド(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミ
ド);コバルト錯体(例えば、コバルトヘキサミントリ
フルオロアセテート);3−メルカプト−1,2,4−
トリアゾール、2,4−ジメルカプトピリミジン、3−
メルカプト−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリア
ゾールおよび2,5−ジメルカプト−1,3,4−チア
ジアゾールに例示されるメルカプタン;N−(アミノメ
チル)アリールジカルボキシイミド、(例えば、(N,
N−ジメチルアミノメチル)フタルイミドおよびN,N
−(ジメチルアミノメチル)ナフタレン−2,3−ジカ
ルボキシイミド);ならびにブロック化ピラゾール、イ
ソチウロニウム誘導体およびある種の光退色剤(例え
ば、N,N−ヘキサメチレンビス(1−カルバモイル−
3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−(3,6−ジ
アザオクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロア
セテート)および2−(トリブロモメチルスルホニル)
−ベンゾチアゾール);ならびに3−エチル−5[(3
−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン)−1−メチル
エチリデン]−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオ
ン;フタラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属
塩、または4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−ク
ロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノンお
よび2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオンなど
の誘導体;フタラジノンとフタル酸誘導体(例えば、フ
タル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸およ
びテトラクロロ無水フタル酸、ホモフタル酸など)との
組合せ;フタラジン、フタラジン誘導体(例えば、4−
(1−ナフチル)フタラジン、6−クロロフタラジン、
5,7−ジメトキシフタラジン、6−イソプロピルフタ
ラジン、6−イソブチルフタラジン、6−tert−ブ
チルフタラジン、5,7−ジメチルフタラジン、および
2,3−ジヒドロフタラジンなどの誘導体)もしくは金
属塩、;フタラジンおよびその誘導体とフタル酸誘導体
(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロ
フタル酸およびテトラクロロ無水フタル酸、ホモフタル
酸など)との組合せ;キナゾリンジオン、ベンゾオキサ
ジンまたはナフトオキサジン誘導体;色調調節剤として
だけでなくその場でハロゲン化銀生成のためのハライド
イオンの源としても機能するロジウム錯体、例えばヘキ
サクロロロジウム(III)酸アンモニウム、臭化ロジ
ウム、硝酸ロジウムおよびヘキサクロロロジウム(II
I)酸カリウムなど;無機過酸化物および過硫酸塩、例
えば、過酸化二硫化アンモニウムおよび過酸化水素;
1,3−ベンゾオキサジン−2,4−ジオン、8−メチ
ル−1,3−ベンゾオキサジン−2,4−ジオンおよび
6−ニトロ−1,3−ベンゾオキサジン−2,4−ジオ
ンなどのベンゾオキサジン−2,4−ジオン;ピリミジ
ンおよび不斉トリアジン(例えば、2,4−ジヒドロキ
シピリミジン、2−ヒドロキシ−4−アミノピリミジン
など)、アザウラシル、およびテトラアザペンタレン誘
導体(例えば、3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェ
ニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペ
ンタレン、および1,4−ジ(o−クロロフェニル)−
3,6−ジメルカプト−1H,4H−2,3a,5,6
a−テトラアザペンタレン)などがある。
【0042】これらの色調剤は色調剤に求められる性能
(像密度、銀色調、熱現像改良)ならびに感光材料外へ
の揮発、昇華などの特性、被り防止剤などの他の添加剤
と組み合わせたときの感光材料特性などの観点から探索
が進められ、なかでも本発明の式(3)で表されるフタ
ラジン類とフタル酸誘導体との組み合わせが優れている
ことが知られている。
【0043】本発明は下記式(3)で表される、フタラ
ジン化合物を含有することが好ましい。
【化19】 (式(3)において、Yは水素原子または一価の置換基
を表し、mは1〜6の整数を表す。(Y)mはフタラジ
ン環上に1〜6個のYがそれぞれ独立に存在することを
示し、mが2以上の場合、隣接する2つのYが脂肪族あ
るいは芳香族の環を形成してもよい。)
【0044】Yで表される置換基としては、例えばアル
キル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭
素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例
えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル
基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル
基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましく
は炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特
に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル基、ア
リル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げ
られる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜2
0、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8で
あり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基等が挙
げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜3
0、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭
素数6〜12であり、例えばフェニル基、p−メチルフ
ェニル基、ナフチル基などが挙げられる。)、アラルキ
ル基(好ましくは炭素数7〜30、好ましくは炭素数7
〜20、より好ましくは炭素数7〜12、さらに好まし
くは炭素数1〜8のアラルキル基であり、例えば、ベン
ジル基、α−メチルベンジル基、2−フェニルエチル
基、ナフチルメチル基、(4−メチルフェニル)メチル
基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数
0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好まし
くは炭素数0〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミ
ノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジ
ルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ま
しくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
2、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキ
シ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。)、
アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好
ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜1
2であり、例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキ
シ基などが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素
数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ま
しくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル基、ベン
ゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基等が挙げられ
る。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2
〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましく
は炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリ
ールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、
より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数
7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニル基な
どが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素
数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ま
しくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベ
ンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ
基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数
2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例え
ばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げら
れる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは
炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に
好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカル
ボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシ
カルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より
好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜
12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基
などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましく
は炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特
に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスル
ホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙
げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0
〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましく
は炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル基、メ
チルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フ
ェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、カルバ
モイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは
炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジ
エチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが
挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましく
は炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチル
チオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好まし
くは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、
特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル
チオ基などが挙げられる。)、スルホニル基(好ましく
は炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特
に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル基、
トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ま
しくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
6、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタ
ンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げ
られる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、
より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数
1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド
基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸
アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは
炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えばジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸ア
ミド基などが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプ
ト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキ
シル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、
ヒドラジノ基、ヘテロ環基(例えばイミダゾリル基、ピ
リジル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基など
が挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は
さらに置換されていてもよい。
【0045】Yとして好ましくは、水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラル
キル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ
基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカ
ルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイ
ル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル
基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基であり、よ
り好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、アシル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、
シアノ基であり、さらに好ましくは、水素原子、アルキ
ル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン原子であ
り、特に好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール
基、アラルキル基である。
【0046】mは1〜6の整数を表す。mとしてより好
ましくは3以下であり、さらに好ましくは2以下であ
る。mが2以上の場合、隣接する2つのYが脂肪族(好
ましくは3〜8員、より好ましくは5〜6員)、あるい
は芳香族(好ましくはベンゼンあるいはナフタレン)の
環、またはヘテロ環(好ましくは5〜6員環)を形成し
てもよい。
【0047】式(3)で表されるフタラジン化合物の製
造方法としては、例えば、R.G.ElderField,''etrocycli
c Compounds''ohn Wiley and Sons,Vol.1〜9,1950-1967
やA.R.Katritzky,''mprehensive Heterocyclic Chemis
try''ergamon Press,1984などに記載されている様に対
応するフタル酸誘導体(フタルアルデヒド、フタル酸無
水物、フタル酸エステルなど)をヒドラジンと縮合して
フタラジン骨格を形成する方法、α,α,α’,α’−
テトラクロロ−o−キシレンをヒドラジンと縮合してフ
タラジンを合成する方法やTetrahedron Letters ,22巻,
345頁(1981年)に記載されている様にアリールアルダジ
ン誘導体を塩化アルミニウムと臭化アルミニウムの混合
物と共に溶融条件下に反応させ環化生成させる方法、特
開平11−180961号公報記載のアルダジン化合物
を有機溶媒中で塩化アルミニウム触媒により環化させて
合成する方法などをあげることができる。
【0048】以下に本発明の式(3)で表される化合物
の好ましい例を挙げるが、本発明で用いることができる
式(3)の化合物はこれらの具体例に限定されるもので
はない。
【0049】
【化20】
【0050】
【化21】
【0051】
【化22】
【0052】
【化23】
【0053】
【化24】
【0054】
【化25】
【0055】
【化26】
【0056】
【化27】
【0057】本発明に用いることができる有機銀塩は、
光に対して比較的安定であるが、露光された光触媒(感
光性ハロゲン化銀の潜像など)および還元剤の存在下
で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀画像を
形成する銀塩である。有機銀塩は、還元可能な銀イオン
源を含む任意の有機物質であってよい。有機酸の銀塩、
特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)
長鎖脂肪カルボン酸の銀塩が好ましい。配位子が4.0
〜10.0の範囲の錯体安定度定数を有する有機または
無機銀塩の錯体も好ましい。銀供給物質は、好ましくは
画像形成層の約5〜70重量%を構成することができ
る。好ましい有機銀塩として、カルボキシル基を有する
有機化合物の銀塩を挙げることができる。具体的には、
脂肪族カルボン酸の銀塩および芳香族カルボン酸の銀塩
を挙げることができるが、これらに限定されるものでは
ない。脂肪族カルボン酸の銀塩の好ましい例としては、
ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイ
ン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸
銀、パルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石
酸銀、リノール酸銀、酪酸銀および樟脳酸銀、これらの
混合物などを挙げることができる。
【0058】本発明においては、上記の有機酸銀ないし
は有機酸銀の混合物の中でも、ベヘン酸銀含有率75m
ol%以上の有機酸銀を用いることが好ましく、ベヘン
酸銀含有率85mol%以上の有機酸銀を用いることが
さらに好ましい。ここでベヘン酸銀含有率とは、使用す
る有機酸銀に対するベヘン酸銀のモル分率を示す。本発
明に用いる有機酸銀中に含まれるベヘン酸銀以外の有機
酸銀としては、上記の例示有機酸銀を好ましく用いるこ
とができる。
【0059】本発明に好ましく用いられる有機酸銀は、
上記の有機酸のアルカリ金属塩(Na塩、K塩、Li塩
等が挙げられる)溶液または懸濁液と硝酸銀を反応させ
ることにより調製される。これらの調製方法について
は、特開2000−292882号公報の段落番号00
19〜0021に記載の方法を用いることができる。
【0060】本発明においては、液体を混合するための
密閉手段の中に硝酸銀水溶液および有機酸アルカリ金属
塩溶液を添加することにより有機酸銀を調製する方法を
好ましく用いることができる。具体的には、特開200
0−33907号公報に記載されている方法を用いるこ
とができる。本発明においては有機酸銀の調製時に、硝
酸銀水溶液および有機酸アルカリ金属塩溶液、あるいは
反応液には水に可溶な分散剤を添加することができる。
ここで用いる分散剤の種類および使用量については、特
開2000−305214号公報の段落番号0052に
具体例が記載されている。
【0061】本発明に用いる有機酸銀は第3アルコール
の存在下で調製することが好ましい。第3アルコールと
しては、好ましくは総炭素数15以下の化合物が好まし
く、10以下の化合物が特に好ましい。好ましい第3ア
ルコールの例としては、tert−ブタノール等が挙げ
られるが、本発明で使用することができる第3アルコー
ルはこれに限定されない。本発明に用いる第3アルコー
ルの添加時期は有機酸銀調製時のいずれのタイミングで
もよいが、有機酸アルカリ金属塩の調製時に添加して、
有機酸アルカリ金属塩を溶解して用いることが好まし
い。また、本発明で用いる第3アルコールは、有機酸銀
調製時の溶媒としての水に対して重量比で0.01〜1
0の範囲で使用することができるが、0.03〜1の範
囲で使用することが好ましい。
【0062】本発明に用いることができる有機銀塩の形
状やサイズは特に制限されないが、特開2000−29
2882号公報の段落番号0024に記載のものを用い
ることが好ましい。有機銀塩の形状は、有機銀塩分散物
の透過型電子顕微鏡像から求めることができる。単分散
性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平均
直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径
で割った値の百分率(変動係数)は好ましくは80%以
下、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは30
%以下である。測定方法としては、例えば液中に分散し
た有機銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎ
の時間変化に対する自己相関関数を求めることにより得
られた粒子サイズ(体積加重平均直径)から求めること
ができる。この測定法での平均粒子サイズとしては0.
05μm〜10.0μmの固体微粒子分散物が好まし
い。より好ましい平均粒子サイズは0.1μm〜5.0
μm、さらに好ましい平均粒子サイズは0.1μm〜
2.0μmである。
【0063】本発明に用いる有機銀塩は、脱塩したもの
であることが好ましい。脱塩法は特に制限されず、公知
の方法を用いることができるが、遠心濾過、吸引濾過、
限外濾過、凝集法によるフロック形成水洗等の公知の濾
過方法を好ましく用いることができる。限外濾過の方法
については、特開2000−305214号公報に記載
の方法を用いることができる。
【0064】本発明では、高S/Nで、粒子サイズが小
さく、凝集のない有機銀塩固体分散物を得る目的で、画
像形成媒体である有機銀塩を含み、かつ感光性銀塩を実
質的に含まない水分散液を高速流に変換した後、圧力降
下させる分散法を用いることが好ましい。これらの分散
方法については特開2000−292882号公報の段
落番号0027〜0038に記載の方法を用いることが
できる。
【0065】本発明で用いる有機銀塩固体微粒子分散物
の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。具体
的には、体積荷重平均直径の標準偏差を体積荷重平均直
径で割った値の百分率(変動係数)が80%以下、より
好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下で
ある。
【0066】本発明に用いる有機銀塩固体微粒子分散物
は、少なくとも有機銀塩と水からなるものである。有機
銀塩と水との割合は特に限定されるものではないが、有
機銀塩の全体に占める割合は5〜50重量%であること
が好ましく、特に10〜30重量%の範囲が好ましい。
前述の分散助剤を用いることは好ましいが、粒子サイズ
を最小にするのに適した範囲で最少量使用するのが好ま
しく、有機銀塩に対して0.5〜30重量%、特に1〜
15重量%の範囲が好ましい。
【0067】本発明で用いる有機銀塩は所望の量で使用
できるが、銀量として0.1〜5g/m2が好ましく、
さらに好ましくは1〜3g/m2である。
【0068】本発明にはCa、Mg、ZnおよびAgか
ら選ばれる金属イオンを非感光性有機銀塩へ添加するこ
とが好ましい。Ca、Mg、ZnおよびAgから選ばれ
る金属イオンの非感光性有機銀塩への添加については、
ハロゲン化物でない、水溶性の金属塩の形で添加するこ
とが好ましく、具体的には硝酸塩や硫酸塩などの形で添
加することが好ましい。ハロゲン化物での添加は処理後
の感光材料の光(室内光や太陽光など)による画像保存
性、いわゆるプリントアウト性を悪化させるので好まし
くない。このため、本発明ではハロゲン化物でない、水
溶性の金属塩の形で添加することが好ましい。
【0069】本発明に好ましく用いるCa、Mg、Zn
およびAgから選ばれる金属イオンの添加時期として
は、該非感光性有機銀塩の粒子形成後であって、粒子形
成直後、分散前、分散後および塗布液調製前後など塗布
直前までであればいずれの時期でもよく、好ましくは分
散後、塗布液調製前後である。
【0070】本発明におけるCa、Mg、ZnおよびA
gから選ばれる金属イオンの添加量としては、非感光性
有機銀1molあたり10-3〜10-1molが好まし
く、特に5×10-3〜5×10-2molが好ましい。
【0071】本発明に用いる感光性ハロゲン化銀は、ハ
ロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、
臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀を用いることができ
る。感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子形成については、特
開平11−119374号公報の段落番号0217〜0
224に記載されている方法で粒子形成することができ
るが、特にこの方法に限定されるものではない。ハロゲ
ン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、十四面体、
平板状、球状、棒状、ジャガイモ状等を挙げることがで
きるが、本発明においては特に立方体状粒子あるいは平
板状粒子が好ましい。粒子のアスペクト比、面指数など
粒子形状の特徴については、特開平11−119374
号公報の段落番号0225に記載されているものと同じ
である。また、ハロゲン組成の分布はハロゲン化銀粒子
の内部と表面において均一であってもよく、ハロゲン組
成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的
に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有
するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。
構造としては好ましくは2〜5重構造、より好ましくは
2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができ
る。また塩化銀または塩臭化銀粒子の表面に臭化銀を局
在させる技術も好ましく用いることができる。
【0072】本発明で用いるハロゲン化銀粒子の粒径分
布は、単分散度の値が30%以下であり、好ましくは1
〜20%であり、さらに5〜15%である。ここで単分
散度は、粒径の標準偏差を平均粒径で割った値の百分率
(%)(変動係数)として定義されるものである。なお
ハロゲン化銀粒子の粒径は、便宜上、立方体粒子の場合
は稜長で表し、その他の粒子(八面体、十四面体、平板
状など)は投影面積円相当直径で算出する。
【0073】本発明で用いる感光性ハロゲン化銀粒子
は、周期律表の第VII族あるいは第VIII族の金属
または金属錯体を含有する。周期律表の第VII族ある
いは第VIII族の金属または金属錯体の中心金属とし
て好ましくはロジウム、レニウム、ルテニウム、オスニ
ウム、イリジウムである。特に好ましい金属錯体は、
(NH43Rh(H2O)Cl5、K2Ru(NO)C
5、K3IrCl6、K4Fe(CN)6である。これら
金属錯体は1種類でもよいし、同種金属および異種金属
の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀
1molに対し1×10-9mol〜1×10-3molの
範囲が好ましく、1×10-8mol〜1×10 -4mol
の範囲がより好ましい。具体的な金属錯体の構造として
は特開平7−225449号公報等に記載された構造の
金属錯体を用いることができる。これら重金属の種類、
添加方法に関しては、特開平11−119374号公報
の段落番号0227〜0240に記載されている。
【0074】感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フ
ロキュレーション法等、当業界で知られている水洗法に
より脱塩することができるが、本発明においては脱塩し
てもしなくてもよい。本発明で用いる感光性ハロゲン化
銀乳剤は化学増感することが好ましい。化学増感につい
ては、特開平11−119374号公報の段落番号02
42〜0250に記載されている方法を用いることが好
ましい。本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、欧州特
許公開第293,917号公報に示される方法により、
チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
【0075】本発明に用いる感光性ハロゲン化銀に含有
するゼラチンとしては、感光性ハロゲン化銀乳剤の有機
銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持するため
に、低分子量ゼラチンを使用することが好ましい。低分
子量ゼラチンの分子量は、500〜60,000であ
り、好ましくは分子量1,000〜40,000であ
る。これらの低分子量ゼラチンは粒子形成時あるいは脱
塩処理後の分散時に使用してもよいが、脱塩処理後の分
散時に使用することが好ましい。また、粒子形成時は通
常のゼラチン(分子量100,000程度)を使用し、
脱塩処理後の分散時に低分子量ゼラチンを使用してもよ
い。
【0076】分散媒の濃度は0.05〜20重量%にす
ることができるが、取り扱い上5〜15重量%の濃度域
が好ましい。ゼラチンの種類としては、通常アルカリ処
理ゼラチンが用いられるが、その他に酸処理ゼラチン、
フタル化ゼラチンの如き修飾ゼラチンも用いることがで
きる。
【0077】本発明に用いる感光材料中のハロゲン化銀
乳剤は、1種だけを用いてもよいし、2種以上(例え
ば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異な
るもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるも
の)を併用してもよい。
【0078】本発明で用いる感光性ハロゲン化銀の使用
量としては有機銀塩1molに対して感光性ハロゲン化
銀0.01mol〜0.5molが好ましく、0.02
mol〜0.3molがより好ましく、0.03mol
〜0.25molが特に好ましい。別々に調製した感光
性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法および混合条件に
ついては、それぞれ調製を終了したハロゲン化銀粒子と
有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロ
イドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法
や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミング
で調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩
を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に得ら
れる限り特に制限はない。また、混合する際に2種以上
の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を
混合することは、写真特性の調節のために好ましい方法
である。
【0079】本発明に用いることができる増感色素とし
ては、ハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域
でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源
の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に
選択することができる。例えば、550nm〜750n
mの波長領域を分光増感する色素としては、特開平10
−186572号公報の一般式(II)で表される色素
が挙げられ、具体的にはII−6、II−7、II−1
4、II−15、II−18、II−23、II−25
の色素を好ましい色素として例示することができる。ま
た、750〜1400nmの波長領域を分光増感する色
素としては、特開平11−119374号公報の一般式
(I)で表される色素が挙げられ、具体的には(2
5)、(26)、(30)、(32)、(36)、(3
7)、(41)、(49)、(54)の色素を好ましい
色素として例示することができる。さらに、J−ban
dを形成する色素として、米国特許第5,510,23
6号明細書、同第3,871,887号明細書の実施例
5に記載の色素、特開平2−96131号公報、特開昭
59−48753号公報に開示されている色素を好まし
い色素として例示することができる。これらの増感色素
は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよ
い。
【0080】これら増感色素の添加については、特開平
11−119374号公報の段落番号0106に記載さ
れている方法で添加することができるが、特に、この方
法に限定されるものではない。本発明における増感色素
の添加量は、感度やカブリの性能に合わせて所望の量に
することができるが、感光層のハロゲン化銀1mol当
たり10-6〜1molが好ましく、さらに好ましくは1
-4〜10-1molである。
【0081】本発明は分光増感効率を向上させるため、
強色増感剤を用いることができる。本発明に用いる強色
増感剤としては、欧州特許公開第587,338号公
報、米国特許第3,877,943号明細書、同第4,
873,184号明細書に開示されている化合物、複素
芳香族あるいは脂肪族メルカプト化合物、複素芳香族ジ
スルフィド化合物、スチルベン、ヒドラジン、トリアジ
ンから選択される化合物などが挙げられる。特に好まし
い強色増感剤は、特開平5−341432号公報に開示
されている複素芳香族メルカプト化合物、複素芳香族ジ
スルフィド化合物、特開平4−182639号公報の一
般式(I)あるいは(II)で表される化合物、特開平
10−111543号公報の一般式(I)で表されるス
チルベン化合物、特開平11−109547号公報の一
般式(I)で表わされる化合物である。具体的には特開
平5−341432号公報のM−1〜M−24の化合
物、特開平4−182639号公報のd−1)〜d−1
4)の化合物、特開平10−111543号公報のSS
−01〜SS−07の化合物、特開平11−10954
7号公報の31、32、37、38、41〜45、51
〜53の化合物である。これらの強色増感剤の添加量
は、乳剤層中にハロゲン化銀1mol当たり10 -4〜1
molの範囲が好ましく、ハロゲン化銀1mol当たり
0.001〜0.3molの範囲がより好ましい。
【0082】次に本発明に用いる造核剤について説明す
る。本発明で用いる造核剤の種類は特に限定されない
が、好ましい造核剤として、特開2000−28439
9号公報に記載の式(H)で表されるヒドラジン誘導体
(具体的には同公報の表1〜表4に記載のヒドラジン誘
導体)、特開平10−10672号公報、特開平10−
161270号公報、特開平10−62898号公報、
特開平9−304870号公報、特開平9−30487
2号公報、特開平9−304871号公報、特開平10
−31282号公報、米国特許第5,496,695号
明細書、欧州特許公開第741,320号公報に記載の
すべてのヒドラジン誘導体を挙げることができる。ま
た、特開2000−284399号公報に記載の式
(1)〜(3)で表される置換アルケン誘導体、置換イ
ソオキサゾール誘導体および特定のアセタール化合物、
さらに好ましくは同公報に記載の式(A)または式
(B)で表される環状化合物、具体的には同公報の化8
〜化12に記載の化合物1〜72も用いることができ
る。また、特開平11−119372号公報、特開平1
0−339932号公報、特開平11−84575号公
報、特開平11−84576号公報、特開平11−95
365号公報、特開平11−95366号公報、特開平
11−102047号公報、特開平11−109546
号公報、特開平11−119373号公報、特開平11
−133545号公報、特開平11−133546号公
報、特開平11−149136号公報、特開平11−2
31459号公報、特開2000−162733号公
報、US−5,545,515号明細書、US−5,6
35,339号明細書、US−5,654,130号明
細書、US−5,686,228号明細書、US−5,
705,324号明細書に記載の化合物も用いることが
できる。さらに、これら造核剤を複数併用してもよい。
【0083】上記造核剤は、水または適当な有機溶媒、
例えばアルコ−ル類(メタノ−ル、エタノ−ル、プロパ
ノ−ル、フッ素化アルコ−ル)、ケトン類(アセトン、
メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用い
ることができる。また、既によく知られている乳化分散
法によって、ジブチルフタレ−ト、トリクレジルフォス
フェ−ト、グリセリルトリアセテ−トあるいはジエチル
フタレ−トなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノ
ンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物
を作製して用いることができる。あるいは固体分散法と
して知られている方法によって、造核剤の粉末を水等の
適当な溶媒中にボ−ルミル、コロイドミル、あるいは超
音波によって分散して用いることもできる。造核剤は、
支持体に対して画像形成層側のいずれの層に添加しても
よいが、該画像形成層あるいはそれに隣接する層に添加
することが好ましい。造核剤の添加量は銀1molに対
し1×10-6〜1molが好ましく、1×10-5〜5×
10-1molがより好ましく、2×10-5〜2×10-1
molが最も好ましい。
【0084】また上記の化合物の他に、米国特許第5,
545,515号明細書、同第5,635,339号明
細書、同第5,654,130号明細書、国際公開WO
97/34196号公報、米国特許第5,686,22
8号明細書に記載の化合物、或いはまた特開平11−1
19372号公報、特開平11−133546号公報、
特開平11−119373号公報、特開平11−109
546号公報、特開平11−95365号公報、特開平
11−95366号公報、特開平11−149136号
公報に記載の化合物を用いてもよい。
【0085】本発明では超硬調画像形成のために、前記
の造核剤とともに硬調化促進剤を併用することができ
る。例えば、米国特許第5,545,505号明細書に
記載のアミン化合物、具体的にはAM−1〜AM−5、
米国特許第5,545,507号明細書に記載のヒドロ
キサム酸類、具体的にはHA−1〜HA−11、米国特
許第5,545,507号明細書に記載のアクリロニト
リル類、具体的にはCN−1〜CN−13、米国特許第
5,558,983号明細書に記載のヒドラジン化合
物、具体的にはCA−1〜CA−6、特開平9−297
368号公報に記載のオニュ−ム塩類、具体的にはA−
1〜A−42、B−1〜B−27、C−1〜C−14な
どを用いることができる。
【0086】非感光性銀塩、感光性ハロゲン化銀および
バインダーを有する熱現像感光材料において、蟻酸ある
いは蟻酸塩は強いかぶらせ物質となる。本発明では、熱
現像感光材料の感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成
層を有する側の蟻酸あるいは蟻酸塩の含有量が銀1mo
l当たり5mmol以下、さらには1mmol以下であ
ることが好ましい。
【0087】本発明の熱現像感光材料には五酸化二リン
が水和してできる酸またはその塩を造核剤と併用して用
いることが好ましい。五酸化二リンが水和してできる酸
またはその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸
(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン
酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることが
できる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和し
てできる酸またはその塩としては、オルトリン酸
(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができ
る。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オル
トリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウ
ム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどがある。本発明
において好ましく用いることができる五酸化二リンが水
和してできる酸またはその塩は、少量で所望の効果を発
現するという点から画像形成層あるいはそれに隣接する
バインダー層に添加する。五酸化二リンが水和してでき
る酸またはその塩の使用量(感光材料1m2あたりの塗
布量)は感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量で
よいが、0.1〜500mg/m2が好ましく、0.5
〜100mg/m2がより好ましい。
【0088】本発明の熱現像感光材料の熱現像処理前の
膜面pHは6.0以下であることが好ましく、さらに好
ましくは5.5以下である。その下限には特に制限はな
いが、3程度である。膜面pHの調節はフタル酸誘導体
などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアな
どの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させ
るという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しや
すく、塗布する工程や熱現像される前に除去できること
から低膜面pHを達成する上で好ましい。なお、膜面p
Hの測定方法は、特開2000−284399号公報の
段落番号0123に記載されている。
【0089】本発明の熱現像感光材料において、ハロゲ
ン化銀乳剤および/または有機銀塩は、カブリ防止剤、
安定剤および安定剤前駆体によって、付加的なカブリの
生成に対してさらに保護され、在庫貯蔵中における感度
の低下に対して安定化することができる。単独または組
合せて使用することができる適当なカブリ防止剤、安定
剤および安定剤前駆体は、米国特許第2,131,03
8号明細書および同第2,694,716号明細書に記
載のチアゾニウム塩、米国特許第2,886,437号
明細書および同第2,444,605号明細書に記載の
アザインデン、米国特許第2,728,663号明細書
に記載の水銀塩、米国特許第3,287,135号明細
書に記載のウラゾール、米国特許第3,235,652
号明細書に記載のスルホカテコール、英国特許第62
3,448号明細書に記載のオキシム、ニトロン、ニト
ロインダゾール、米国特許第2,839,405号明細
書に記載の多価金属塩、米国特許第3,220,839
号明細書に記載のチウロニウム塩、ならびに米国特許第
2,566,263号明細書および同第2,597,9
15号明細書に記載のパラジウム、白金および金塩、米
国特許第4,108,665号明細書および同第4,4
42,202号明細書に記載のハロゲン置換有機化合
物、米国特許第4,128,557号明細書および同第
4,137,079号明細書、同第4,138,365
号明細書および同第4,459,350号明細書に記載
のトリアジンならびに米国特許第4,411,985号
明細書に記載のリン化合物などがある。
【0090】本発明の熱現像感光材料は、高感度化やカ
ブリ防止を目的として安息香酸類を含有してもよい。本
発明で用いる安息香酸類はいかなる安息香酸誘導体でも
よいが、好ましい例としては、米国特許第4,784,
939号明細書、同第4,152,160号明細書、特
開平9−329863号公報、同9−329864号公
報、同9−281637号公報などに記載の化合物が挙
げられる。安息香酸類は熱現像感光材料のいかなる層に
添加してもよいが、支持体に対して画像形成層側の層に
添加することが好ましく、有機銀塩含有層に添加するこ
とがさらに好ましい。安息香酸類の添加は塗布液調製の
いかなる工程で行ってもよく、有機銀塩含有層に添加す
る場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工
程でもよいが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。
安息香酸類の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物
などいかなる方法で行ってもよい。また、増感色素、還
元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加
してもよい。安息香酸類の添加量としてはいかなる量で
もよいが、銀1mol当たり1×10-6mol〜2mo
lが好ましく、1×10-3mol〜0.5molがさら
に好ましい。
【0091】本発明を実施するために必須ではないが、
画像形成層にカブリ防止剤として水銀(II)塩を加え
ることが有利なことがある。この目的のために好ましい
水銀(II)塩は、酢酸水銀および臭化水銀である。本
発明に使用する水銀の添加量としては、塗布された銀1
mol当たり好ましくは1×10-9mol〜1×10 -3
mol、さらに好ましくは1×10-8mol〜1×10
-4molの範囲である。
【0092】本発明で特に好ましく用いられるカブリ防
止剤は有機ハロゲン化物であり、例えば、特開昭50−
89020号公報、同50−119624号公報、同5
0−120328号公報、同50−137126号公
報、同51−121332号公報、同54−58022
号公報、同56−70543号公報、同56−9933
5号公報、同59−57234号公報、同59−908
42号公報、同61−129642号公報、同62−1
29845号公報、特開平6−208191号公報、同
7−5621号公報、同7−2781号公報、同8−1
5809号公報、同9−160164号公報、同9−1
60167号公報、同9−244177号公報、同9−
244178号公報、同9−258367号公報、同9
−265150号公報、同9−319022号公報、同
10−197988号公報、同11−242304号公
報、特開2000−002963号公報、特開2000
−112070号公報、特開2000−284412号
公報、特開2000−284410号公報、同11−2
05330号明細書、米国特許第3,874,946号
明細書、同第4,756,999号明細書、同第5,3
40,712号明細書、同第5,369,000号明細
書、同第5,464,737号明細書に開示されている
ような化合物が挙げられる。特開2000−28439
9号公報に記載の式(P)で表される親水性有機ハロゲ
ン化物がカブリ防止剤として好ましく用いられる。具体
的には、同公報に記載の(P−1)〜(P−118)が
好ましく用いられる。有機ハロゲン化物の添加量は、A
g1molに対するmol量(mol/molAg)で
示して、好ましくは1×10-5〜2mol/molA
g、より好ましくは5×10-5〜1mol/molA
g、さらに好ましくは1×10-4〜5×10-1mol/
molAgである。これらは1種のみを用いても2種以
上を併用してもよい。
【0093】また、特開2000−284399号公報
に記載の式(Z)で表されるサリチル酸誘導体がカブリ
防止剤として好ましく用いられる。具体的には、同公報
に記載の(A−1)〜(A−60)が好ましく用いられ
る。式(Z)で表されるサリチル酸誘導体の添加量は、
Ag1molに対するmol量(mol/molAg)
で示して、好ましくは1×10-5〜5×10-1mol/
molAg、より好ましくは5×10-5〜1×10-1
ol/molAg、さらに好ましくは1×10 -4〜5×
10-2mol/molAgである。これらは1種のみを
用いても2種以上を併用してもよい。
【0094】本発明に好ましく用いられるカブリ防止剤
として、ホルマリンスカベンジャーが有効であり、例え
ば、特開2000−221634号公報に記載の式
(S)で表される化合物およびその例示化合物(S−
1)〜(S−24)が挙げられる。
【0095】本発明に用いるカブリ防止剤は、水あるい
は適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、
エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケ
トン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブ
などに溶解して用いることができる。また、既によく知
られている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、
トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテー
トあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチ
ルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、
機械的に乳化分散物を作製して用いることができる。あ
るいは固体分散法として知られている方法によって、粉
末を水の中にボールミル、コロイドミル、サンドグライ
ンダーミル、マントンゴーリン、マイクロフルイダイザ
ーあるいは超音波によって分散し用いることもできる。
【0096】本発明に用いるカブリ防止剤は、支持体に
対して画像形成層側の層、即ち画像形成層あるいはこの
層側の他のどの層に添加してもよいが、画像形成層ある
いはそれに隣接する層に添加することが好ましい。画像
形成層は還元可能な銀塩(有機銀塩)を含有する層であ
り、好ましくはさらに感光性ハロゲン化銀を含有する画
像形成層であることが好ましい。
【0097】本発明の熱現像感光材料には現像を抑制あ
るいは促進させ現像を制御することや、現像前後の保存
性を向上させることなどを目的としてメルカプト化合
物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させるこ
とができる。本発明にメルカプト化合物を使用する場
合、いかなる構造のものでもよいが、Ar−SM、Ar
−S−S−Arで表されるものが好ましい。式中、Mは
水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは1個以
上の窒素、イオウ、酸素、セレニウムまたはテルリウム
原子を有する芳香環または縮合芳香環である。好ましく
は、複素芳香環はベンズイミダゾール、ナフスイミダゾ
ール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオ
キサゾール、ナフスオキサゾール、ベンゾセレナゾー
ル、ベンゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾー
ル、ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、テト
ラゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラ
ジン、ピリジン、プリン、キノリンまたはキナゾリノン
である。この複素芳香環は、例えば、ハロゲン(例え
ば、BrおよびCl)、ヒドロキシ、アミノ、カルボキ
シ、アルキル(例えば、1個以上の炭素原子、好ましく
は1〜4個の炭素原子を有するもの)、アルコキシ(例
えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素
原子を有するもの)およびアリール(置換基を有してい
てもよい)からなる置換基群から選択されるものを有し
てもよい。メルカプト置換複素芳香族化合物をとして
は、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプ
トベンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾール、
6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2,
2’−ジチオビス−(ベンゾチアゾール)、3−メルカ
プト−1,2,4−トリアゾール、4,5−ジフェニル
−2−イミダゾールチオール、2−メルカプトイミダゾ
ール、1−エチル−2−メルカプトベンズイミダゾー
ル、2−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリン、
2−メルカプト−4(3H)−キナゾリノン、7−トリ
フルオロメチル−4−キノリンチオール、2,3,5,
6−テトラクロロ−4−ピリジンチオール、4−アミノ
−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジンモノヒド
レート、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チ
アジアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,
4−トリアゾール、4−ヒドキロシ−2−メルカプトピ
リミジン、2−メルカプトピリミジン、4,6−ジアミ
ノ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカプト−4−
メチルピリミジンヒドロクロリド、3−メルカプト−5
−フェニル−1,2,4−トリアゾール、1−フェニル
−5−メルカプトテトラゾール、3−(5−メルカプト
テトラゾール)−ベンゼンスルホン酸ナトリウム、N−
メチル−N’−{3−(5−メルカプトテトラゾリル)
フェニル}ウレア、2−メルカプト−4−フェニルオキ
サゾールなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定さ
れない。これらのメルカプト化合物の添加量としては画
像形成層中に銀1mol当たり0.0001〜1.0m
olの範囲が好ましく、さらに好ましくは、銀の1mo
l当たり0.001〜0.3molの量である。
【0098】本発明の熱現像感光材料は、支持体上に、
有機銀塩、還元剤および感光性ハロゲン化銀を含む画像
形成層を有し、画像形成層上には少なくとも1層の保護
層が設けられていることが好ましい。また、本発明の熱
現像感光材料は支持体に対して画像形成層と反対側(バ
ック面)に少なくとも1層のバック層を有することが好
ましく、画像形成層、保護層、そしてバック層のバイン
ダーとしてポリマーラテックスが用いられる。これらの
層にポリマーラテックスを用いることによって、水を主
成分とする溶媒(分散媒)を用いた水系塗布が可能にな
り、環境面、コスト面で有利になるとともに、熱現像時
にシワの発生がない熱現像感光材料が得られるようにな
る。また、所定の熱処理をした支持体を使用することに
より、熱現像の前後で寸法変化の少ない熱現像感光材料
が得られる。
【0099】本発明で用いるバインダーとして以下に述
べるポリマーラテックスを用いることが好ましい。本発
明の熱現像感光材料の感光性ハロゲン化銀を含有する画
像形成層のうち少なくとも1層は以下に述べるポリマー
ラテックスを全バインダーの50重量%以上用いた画像
形成層であることが好ましい。また、ポリマーラテック
スは画像形成層だけではなく、保護層やバック層に用い
てもよく、特に寸法変化が問題となる印刷用途に本発明
の熱現像感光材料を用いる場合には、保護層やバック層
にもポリマーラテックスを用いることが好ましい。ただ
しここで言う「ポリマーラテックス」とは水不溶な疎水
性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散
されたものである。分散状態としてはポリマーが分散媒
中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル
分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親
水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散されたものな
どいずれでもよい。なお本発明で用いるポリマーラテッ
クスについては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣
寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラ
テックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原
啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成
ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1
970))」などに記載されている。分散粒子の平均粒
径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000
nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関し
ては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分
散の粒径分布を持つものでもよい。
【0100】本発明で用いるポリマーラテックスとして
は、通常の均一構造のポリマーラテックス以外の、いわ
ゆるコア/シェル型のラテックスでもよい。この場合コ
アとシェルはガラス転移温度を変えると好ましい場合が
ある。
【0101】本発明で用いるバインダーに好ましく用い
るポリマーラテックスのガラス転移温度(Tg)は保護
層、バック層と画像形成層とでは好ましい範囲が異な
る。画像形成層にあっては熱現像時に写真有用素材の拡
散を促すため、−30〜40℃であることが好ましい。
保護層やバック層に用いる場合には種々の機器と接触す
るために25〜70℃のガラス転移温度が好ましい。
【0102】本発明で用いるポリマーラテックスの最低
造膜温度(MFT)は−30℃〜90℃、より好ましく
は0℃〜70℃程度が好ましい。最低造膜温度をコント
ロールするために造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤
は可塑剤ともよばれポリマーラテックスの最低造膜温度
を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)で、例えば前
述の「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行
会発行(1970))」に記載されている。
【0103】本発明で用いるポリマーラテックスに用い
られるポリマー種としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹
脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂、またはこれらの共重合体などが挙げられる。
ポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリ
マーでも、また架橋されたポリマーでもよい。またポリ
マーとしては単一のモノマーが重合したいわゆるホモポ
リマーでもよいし、2種以上のモノマーが重合したコポ
リマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマ
ーでもブロックコポリマーでもよい。ポリマーの分子量
は数平均分子量で5,000〜1,000,000、好
ましくは10,000〜100,000程度が好まし
い。分子量が小さすぎるものは画像形成層の力学強度が
不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く、好まし
くない。
【0104】本発明の熱現像感光材料の画像形成層のバ
インダーとして用いられるポリマーラテックスの具体例
としては、メチルメタクリレート/エチルアクリレート
/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメタク
リレート/ブタジエン/イタコン酸コポリマーのラテッ
クス、エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマー
のラテックス、メチルメタクリレート/2−エチルヘキ
シルアクリレート/スチレン/アクリル酸コポリマーの
ラテックス、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コポリ
マーのラテックス、スチレン/ブタジエン/ジビニルベ
ンゼン/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチル
メタクリレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマーの
ラテックス、塩化ビニリデン/エチルアクリレート/ア
クリロニトリル/メタクリル酸コポリマーのラテックス
などが挙げられる。さらに具体的には、メチルメタクリ
レート/エチルアクリレート/メタクリル酸=33.5
/50/16.5(重量%)のコポリマーラテックス、
メチルメタクリレート/ブタジエン/イタコン酸=4
7.5/47.5/5(重量%)のコポリマーラテック
ス、エチルアクリレート/メタクリル酸=95/5(重
量%)のコポリマーラテックスなどが挙げられる。ま
た、このようなポリマーは市販もされていて、例えばア
クリル樹脂の例として、セビアンA−4635,465
83、4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、N
ipol LX811、814、821、820、85
7(以上日本ゼオン(株)製)、VONCORT−R3
340、R3360、R3370、4280(以上大日
本インキ化学(株)製)など、ポリエステル樹脂として
は、FINETEX ES650、611、675、8
50(以上大日本インキ化学(株)製)、WD−siz
e、WMS(以上イーストマンケミカル製)など、ポリ
ウレタン樹脂としてはHYDRAN AP10、20、
30、40(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴ
ム系樹脂としてはLACSTAR 7310K、330
7B、4700H、7132C(以上大日本インキ化学
(株)製)、Nipol LX410、430,43
5、438C(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビ
ニル樹脂としてはG351、G576(以上日本ゼオン
(株)製)など、塩化ビニリデン樹脂としてはL50
2、L513(以上旭化成工業(株)製)、アロンD7
020、D504、D5071(以上三井東圧(株)
製)など、オレフィン樹脂としてはケミパールS12
0、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙
げることができる。これらのポリマーは単独で用いても
よいし、必要に応じて2種以上ブレンドして用いてもよ
い。
【0105】画像形成層には全バインダーの50重量%
以上として上記ポリマーラテックスが好ましく用いられ
るが、70重量%以上として上記ポリマーラテックスが
用いられることがさらに好ましい。
【0106】画像形成層には必要に応じて全バインダー
の50重量%以下の範囲でゼラチン、ポリビニルアルコ
ール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよ
い。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成層の全
バインダーの30重量%以下、さらには15重量%以下
が好ましい。
【0107】画像形成層は水系の塗布液を塗布後乾燥し
て調製することが好ましい。ただし、ここで言う「水
系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の60重量%以上が水
であることをいう。塗布液の水以外の成分はメチルアル
コール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、
メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ジメチルホルム
アミド、酢酸エチルなどの水混和性の有機溶媒を用いる
ことができる。具体的な溶媒組成の例としては以下のよ
うなものがある。水/メタノール=90/10、水/メ
タノール=70/30、水/エタノール=90/10、
水/イソプロパノール=90/10、水/ジメチルホル
ムアミド=95/5、水/メタノール/ジメチルホルム
アミド=80/15/5、水/メタノール/ジメチルホ
ルムアミド=90/5/5。(ただし数字は重量%を表
す。)
【0108】画像形成層の全バインダー量は0.2〜3
0g/m2、より好ましくは1〜15g/m2の範囲が好
ましい。画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布性改
良のための界面活性剤などを添加してもよい。
【0109】さらに、保護層用のバインダーとして、特
開2000−267226号公報の段落番号0025〜
0029に記載の有機概念図に基づく無機性値を有機性
値で割ったI/O値の異なるポリマーラテックスの組み
合わせを好ましく用いることができる。
【0110】本発明においては必要に応じて、特開20
00−267226号公報の段落番号0021〜002
5に記載の可塑剤(例、ベンジルアルコール、2,2,
4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブ
チレートなど)を添加して、造膜温度をコントロールす
ることができる。また、特開2000−267226号
公報の段落番号0027〜0028に記載の如くポリマ
ーバインダー中に親水性ポリマーを、塗布液中に水混和
性の有機溶媒を添加してもよい。
【0111】それぞれの層には、特開2000−196
78号公報の段落番号0023〜0041に記載の官能
基を導入した第一のポリマーラテックスとこの第一のポ
リマーラテックスと反応しうる官能基を有する架橋剤お
よび/または第二のポリマーラテックスを用いることも
できる。上記の官能基は、カルボキシル基、ヒドロキシ
ル基、イソシアネート基、エポキシ基、N−メチロール
基、オキサゾリニル基など、架橋剤としては、エポキシ
化合物、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネー
ト化合物、メチロ−ル化合物、ヒドロキシ化合物、カル
ボキシル化合物、アミノ化合物、エチレンイミン化合
物、アルデヒド化合物、ハロゲン化合物などから選ばれ
る。架橋剤の具体例として、イソシアネート化合物とし
てヘキサメチレンイソシアネート、デュラネートWB4
0−80D、WX−1741(旭化成工業(株)製)、
バイヒジュール3100(住友バイエルウレタン(株)
製)、タケネートWD725(武田薬品工業(株)
製)、アクアネート100、200(日本ポリウレタン
(株)製)、特開平9−160172号公報記載の水分
散型ポリイソシアネート;アミノ化合物としてスミテッ
クスレジンM−3(住友化学工業(株)製);エポキシ
化合物としてデナコールEX−614B(ナガセ化成工
業(株)製);ハロゲン化合物として2,4ジクロロ−
6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウムな
どが挙げられる。
【0112】画像形成層用の全バインダー量は0.2〜
30g/m2、より好ましくは1.0〜15g/m2の範
囲が好ましい。保護層用の全バインダー量は0.2〜1
0.0g/m2、より好ましくは0.5〜6.0g/m2
の範囲が好ましい。バック層用の全バインダー量は0.
01〜10.0g/m2、より好ましくは0.05〜
5.0g/m2の範囲が好ましい。
【0113】これらの各層は、2層以上設けられる場合
がある。画像形成層が2層以上である場合は、すべての
層のバインダーとしてポリマーラテックスを用いること
が好ましい。また、保護層は画像形成層上に設けられる
層であり2層以上存在する場合もあるが、少なくとも1
層、特に最外層の保護層にポリマーラテックスが用いら
れることが好ましい。また、バック層は支持体バック面
の下塗り層の上部に設けられる層であり2層以上存在す
る場合もあるが、少なくとも1層、特に最外層のバック
層にポリマーラテックスを用いることが好ましい。
【0114】本明細書における滑り剤とは、物体表面に
存在させた時に、存在させない場合に比べて物体表面の
摩擦係数を減少させる化合物を意味する。その種類は特
に制限されない。
【0115】本発明に用いる滑り剤としては、特開平1
1−84573号公報の段落番号0061〜0064、
特願2000−47083号明細書の段落番号0049
〜0062に記載の化合物を挙げることができる。好ま
しい滑り剤の具体例としては、セロゾール524(主成
分カルナバワックス)、ポリロンA,393,H−48
1(主成分ポリエチレンワックス)、ハイミクロンG−
110(主成分エチレンビスステアリン酸アマイド)、
ハイミクロンG−270(主成分ステアリン酸アマイ
ド)(以上、中京油脂(株)製)、 W−1 C1633−O−SO3Na W−2 C1837−O−SO3Na などが挙げられる。滑り剤の使用量は添加層のバインダ
ー量の0.1〜50重量%であり、好ましくは0.5〜
30重量%である。
【0116】本発明において、特開2000−1719
35号公報、特願2000−47083号明細書に記載
のように予備加熱部を対向ローラーで搬送し、熱現像処
理部は画像形成層を有する側をローラーの駆動により、
その反対側のバック面を平滑面に滑らせて搬送する熱現
像処理装置を用いる場合、現像処理温度における熱現像
感光材料の画像形成層を有する側の最表面層とバック面
の最表面層との摩擦係数の比は、1.5以上であり、そ
の上限に特に制限はないが30程度である。また、μb
は1.0以下、好ましくは0.05〜0.8である。こ
の値は、下記の式によって求められる。 摩擦係数の比=熱現像機のローラー部材と画像形成層を
有する面との動摩擦係数(μe)/熱現像機の平滑面部
材とバック面との動摩擦係数(μb) 本発明において熱現像処理温度での熱現像処理機部材と
画像形成層を有する面および/またはその反対面の最表
面層の滑り性は、最表面層に滑り剤を含有させ、その添
加量を変えることにより調整することができる。
【0117】支持体の両面には、特開昭64−2054
4号公報、特開平1−180537号公報、特開平1−
209443号公報、特開平1−285939号公報、
特開平1−296243号公報、特開平2−24649
号公報、特開平2−24648号公報、特開平2−18
4844号公報、特開平3−109545号公報、特開
平3−137637号公報、特開平3−141346号
公報、特開平3−141347号公報、特開平4−96
055号公報、米国特許第4,645,731号明細
書、特開平4−68344号公報、特許第2,557,
641号公報の2頁右欄20行目〜3頁右欄30行目、
特開2000−39684号公報の段落番号0020〜
0037、特願2000−47083号明細書の段落番
号0063〜0080に記載の塩化ビニリデン単量体の
繰り返し単位を70重量%以上含有する塩化ビニリデン
共重合体を含む下塗り層を設けることが好ましい。
【0118】塩化ビニリデン単量体が70重量%未満の
場合は、十分な防湿性が得られず、熱現像後の時間経過
における寸法変化が大きくなってしまう。また、塩化ビ
ニリデン共重合体は、塩化ビニリデン単量体のほかの構
成繰り返し単位としてカルボキシル基含有ビニル単量体
の繰り返し単位を含むことが好ましい。このような繰り
返し単位を含ませるのは、塩化ビニル単量体のみでは、
重合体(ポリマー)が結晶化してしまい、防湿層を塗設
する際に均一な膜を作り難くなり、また重合体(ポリマ
ー)の安定化のためにはカルボキシル基含有ビニル単量
体が不可欠であるからである。本発明で用いる塩化ビニ
リデン共重合体の分子量は、重量平均分子量で45,0
00以下、さらには10,000〜45,000が好ま
しい。分子量が大きくなると塩化ビニリデン共重合体層
とポリエステル等の支持体層との接着性が悪化してしま
う傾向がある。
【0119】本発明で用いる塩化ビニリデン共重合体の
含有量は、塩化ビニリデン共重合体を含有する下塗り層
の片面当たりの合計膜厚として0.3μm以上であり、
好ましくは0.3μm〜4μmの範囲である。
【0120】なお、下塗り層としての塩化ビニリデン共
重合体層は、支持体に直接設層される下塗り層第1層と
して設けることが好ましく、通常は片面ごとに1層ずつ
設けられるが、場合によっては2層以上設けてもよい。
このような層には塩化ビニリデン共重合体のほか、架橋
剤やマット剤などを含有させてもよい。
【0121】支持体は必要に応じて塩化ビニリデン共重
合体層のほか、SBR、ポリエステル、ゼラチン等をバ
インダーとする下塗り層を塗布してもよいが、本発明で
は下塗り層としてゼラチン層を付与することが好まし
い。これらの下塗り層は多層構成としてもよく、また支
持体に対して片面または両面に設けてもよい。下塗り層
の厚み(1層当たり)は一般に0.01〜5μm、より
好ましくは0.05〜1μmである。
【0122】本発明の熱現像感光材料には、種々の支持
体を用いることができる。典型的な支持体としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
などのポリエステル、硝酸セルロース、セルロースエス
テル、ポリビニルアセタール、シンジオタクチックポリ
スチレン、ポリカーボネート、両面がポリエチレンで被
覆された紙支持体などが挙げられる。このうち二軸延伸
したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート
(PET)が強度、寸法安定性、耐薬品性などの点から
好ましい。支持体の厚みは下塗り層を除いたベース厚み
で90〜180μmであることが好ましい。
【0123】本発明の熱現像感光材料に用いる支持体と
しては、特開平10−48772号公報、特開平10−
10676号公報、特開平10−10677号公報、特
開平11−65025号公報、特開平11−13864
8号公報に記載の二軸延伸時にフィルム中に残存する内
部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪み
をなくすために、130〜185℃の温度範囲で熱処理
を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレー
トが好ましく用いられる。
【0124】このような熱処理後における支持体の12
0℃、30秒加熱による寸法変化率は縦方向(MD)が
−0.03%〜+0.01%、横方向(TD)が0〜
0.04%であることが好ましい。
【0125】本発明の熱現像感光材料には、ゴミ付着の
減少、スタチックマーク発生防止、自動搬送工程での搬
送不良防止などの目的で、特開平11−84573号公
報の段落番号0040〜0051に記載の導電性金属酸
化物および/またはフッ素系界面活性剤を用いて帯電防
止することができる。導電性金属酸化物としては、米国
特許第5,575,957号明細書、特開平11−13
3546号公報の段落番号0012〜0020に記載の
アンチモンでドーピングされた針状導電性酸化錫、特開
平4−29134号公報に記載のアンチモンでドーピン
グされた繊維状酸化錫が好ましく用いられる。
【0126】金属酸化物含有層の表面比抵抗(表面抵抗
率)は25℃、相対湿度20%の雰囲気下で1012Ω以
下、好ましくは1011Ω以下がよい。これにより良好な
帯電防止性が得られる。このときの表面抵抗率の下限は
特に制限されないが、通常107Ω程度である。
【0127】本発明の熱現像感光材料の画像形成層を有
する面およびその反対面の最外層表面の少なくとも一
方、好ましくは両方のベック平滑度は、2000秒以下
であり、より好ましくは10秒〜2000秒である。本
発明におけるベック平滑度は、日本工業規格(JIS)
P8119「紙および板紙のベック試験器による平滑度
試験方法」およびTAPPI標準法T479により容易
に求めることができる。熱現像感光材料の画像形成層を
有する面の最外層およびその反対面の最外層のベック平
滑度は、特開平11−84573号公報の段落番号00
52〜0059に記載の如く、前記両面の層に含有させ
るマット剤の粒径および添加量を適宜変化させることに
よってコントロールすることができる。
【0128】本発明では水溶性ポリマーが塗布性付与の
ための増粘剤として好ましく利用され、天然物でも合成
ポリマーでもよく、その種類は特に限定されない。具体
的には、天然物としてはデンプン類(コーンスターチ、
デンプンなど)、海藻(寒天、アルギン酸ナトリウムな
ど)、植物性粘着物(アラビアゴムなど)、動物性タン
パク(にかわ、カゼイン、ゼラチン、卵白など)、発酵
粘着物(プルラン、デキストリンなど)などであり、半
合成ポリマーであるデンプン質(可溶性デンプン、カル
ボキシルデンプン、デキストランなど)、セルロース類
(ビスコース、メチルセルロース、エチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースなど)も挙げられ、さらに合成ポ
リマー(ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、
ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリエチ
レンイミン、ポリスチレンスルホン酸またはその共重合
体、ポリビニルスルフィン酸またはその共重合体、ポリ
アクリル酸またはその共重合体、アクリル酸またはその
共重合体等、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエス
テル共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸
またはその共重合体など)などである。
【0129】これらの中でも好ましく用いられる水溶性
ポリマーは、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、デキス
トラン、デキストリン、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリスチレ
ンスルホン酸またはその共重合体、ポリアクリル酸また
はその共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、ア
クリロイルメチルプロパンスルホン酸またはその共重合
体などであり、特に増粘剤として好ましく利用される。
【0130】これらでも特に好ましい増粘剤としては、
ゼラチン、デキストラン、メチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニル
ピロリドン、ポリスチレンスルホン酸またはその共重合
体、ポリアクリル酸またはその共重合体、マレイン酸モ
ノエステル共重合体などである。これらの化合物は、
「新・水溶性ポリマーの応用と市場」(株式会社シーエ
ムシー発行、長友新治編集、1988年11月4日発
行)に詳細に記載されている。
【0131】増粘剤としての水溶性ポリマーの使用量
は、塗布液に添加した時に粘度が上昇すれば特に限定さ
れない。一般に液中の濃度は0.01〜30重量%、よ
り好ましくは0.05〜20重量%、特に好ましくは
0.1〜10重量%である。これらによって得られる粘
度は、初期の粘度からの上昇分として1〜200mPa
・sが好ましく、より好ましくは5〜100mPa・s
である。なお、粘度はB型回転粘度計で25℃で測定し
た値を示す。塗布液などへの添加に当たっては、一般に
増粘剤はできるだけ希薄溶液で添加することが望まし
い。また添加時は十分な攪拌を行なうことが好ましい。
【0132】本発明で用いる界面活性剤について以下に
述べる。本発明で用いる界面活性剤はその使用目的によ
って、分散剤、塗布剤、濡れ剤、帯電防止剤、写真性コ
ントロール剤などに分類されるが、以下に述べる界面活
性剤を適宜選択して使用することによってそれらの目的
は達成することができる。本発明で用いる界面活性剤
は、ノニオン性、イオン性(アニオン、カチオン、ベタ
イン)のいずれも使用できる。さらにフッ素系界面活性
剤も好ましく用いられる。
【0133】好ましいノニオン系界面活性剤としては、
ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキ
シブチレン、ポリグリシジルやソルビタンをノニオン性
親水性基とする界面活性剤を挙げることができ、具体的
には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニールエーテル、ポリオキシエ
チレン−ポリオキシプロピレングリコール、多価アルコ
ール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アル
コール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエ
タノールアミド、トリエタノールアミン脂肪酸部分エス
テルを挙げることができる。
【0134】アニオン系界面活性剤としては、カルボン
酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩を挙げ
ることができ、代表的なものとしては脂肪酸塩、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン
酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン
酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂
肪酸塩、N−メチル−N−オレイルタウリン、石油スル
ホン酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン
スチレン化フェニールエーテル硫酸塩、アルキルリン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ナ
フタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物などを挙
げることができる。
【0135】カチオン系界面活性剤としてはアミン塩、
4級アンモニウム塩、ピリジウム塩などを挙げることが
でき、第1〜第3脂肪アミン塩、第4級アンモニウム塩
(テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジ
ルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、アルキルイ
ミダゾリウム塩など)を挙げることができる。
【0136】ベタイン系界面活性剤としてはカルボキシ
ベタイン、スルホベタインなどを挙げることができ、N
−トリアルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベ
タイン、N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアン
モニウムベタインなどを挙げることができる。
【0137】これらの界面活性剤は、「界面活性剤の応
用」(幸書房、刈米孝夫著、昭和55年9月1日発行)
に記載されている。本発明においては、好ましい界面活
性剤はその使用量において特に限定されず、目的とする
界面活性特性が得られる量であればよい。なお、フッ素
含有界面活性剤の塗布量は、1m2当り0.01mg〜
250mgが好ましい。
【0138】以下に界面活性剤の具体例を記すが、これ
に限定されるものではない(ここで、−C64−はフェ
ニレン基を表わす)。 WA-1 :C16H33(OCH2CH2)10OH WA-2 :C9H19-C6H4-(OCH2CH2)12OH WA-3 :ト゛テ゛シルヘ゛ンセ゛ンスルホン酸ナトリウム WA-4 :トリ(イソフ゜ロヒ゜ル)ナフタレンスルホン酸ナトリウム WA-5 :トリ(イソフ゛チル)ナフタレンスルホン酸ナトリウム WA-6 :ト゛テ゛シル硫酸ナトリウム WA-7 :α-スルファコハク酸シ゛(2-エチルヘキシル)エステル ナトリウム塩 WA-8 :C8H17-C6H4-(CH2CH2O)3(CH2)2SO3K WA-10 :セチルトリメチルアンモニウム クロライト゛ WA-11 :C11H23CONHCH2CH2N(+)(CH3)2-CH2COO(-) WA-12 :C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)16H WA-13 :C8F17SO2N(C3H7)CH2COOK WA-14 :C8F17SO3K WA-15 :C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)4SO3Na WA-16 :C8F17SO2N(C3H7)(CH2)3OCH2CH2N(+)(CH3)3-CH3
C6H4-SO3 (-) WA-17 :C8F17SO2N(C3H7)CH2CH2CH2N(+)(CH3)2-CH2COO
(-)
【0139】本発明の好ましい態様においては、画像形
成層および保護層に加えて、必要に応じて中間層を設け
てもよい。生産性の向上などを目的として、これらの複
数の層は水系において同時重層塗布することが好まし
い。塗布方式はエクストルージョン塗布、スライドビー
ド塗布、カーテン塗布などがあるが、特開2000−2
964号公報の図1に示されるスライドビード塗布方式
が特に好ましい。
【0140】ゼラチンを主バインダーとして用いるハロ
ゲン化銀写真感光材料の場合は、コーティングダイの下
流に設けられている第一乾燥ゾーンで急冷され、その結
果、ゼラチンのゲル化が起こり、塗布膜は冷却固化され
る。冷却固化されて流動の止まった塗布膜は続く第二乾
燥ゾーンに導かれ、これ以降の乾燥ゾーンで塗布液中の
溶媒が揮発され、成膜される。第二乾燥ゾーン以降の乾
燥方式としては、U字型のダクトからローラー支持され
た支持体に噴流を吹き付けるエアーループ方式や円筒状
のダクトに支持体をつるまき状に巻き付けて搬送乾燥す
る、つるまき方式(エアーフローティング方式)などが
挙げられる。
【0141】バインダーの主成分がポリマーラテックス
である塗布液を用いて層形成を行うときには、急冷では
塗布液の流動を停止させることができないため、第一乾
燥ゾーンのみでは予備乾燥が不十分である場合もある。
この場合は、ハロゲン化銀写真感光材料で用いられてい
る様な乾燥方式では流れムラや乾燥ムラが生じ、塗布面
状に重大な欠陥を生じやすい。
【0142】本発明における好ましい乾燥方式は、特開
2000−2964号公報に記載されているような第一
乾燥ゾーン、第二乾燥ゾーンを問わず、少なくとも恒率
乾燥が終了するまでの間は水平乾燥ゾーンで乾燥させる
方式である。塗布直後から水平乾燥ゾーンに導かれるま
での支持体の搬送は、水平搬送であってもなくてもどち
らでもよく、塗布機の水平方向に対する立ち上がり角度
は0〜70°の間にあればよい。また、本発明における
水平乾燥ゾーンとは、支持体が塗布機の水平方向に対し
て上下に±15°以内に搬送されればよく、水平搬送を
意味するものではない。
【0143】本発明における恒率乾燥とは、液膜温度が
一定で流入する熱量全てが溶媒の蒸発に使用される乾燥
過程を意味する。減率乾燥とは、乾燥末期になると種々
の要因(水分移動の材料内部拡散が律速になる、蒸発表
面の後退など)により乾燥速度が低下し、与えられた熱
が液膜温度上昇にも使用される乾燥過程を意味する。恒
率過程から減率過程に移行する限界含水率は200〜3
00%である。恒率乾燥が終了する時には、流動が停止
するまで十分乾燥が進むため、ハロゲン化銀写真感光材
料の様な乾燥方式も採用することができるが、本発明に
おいては恒率乾燥後も最終的な乾燥点まで水平乾燥ゾー
ンで乾燥させることが好ましい。
【0144】画像形成層および/または保護層を形成す
る時の乾燥条件は、恒率乾燥時の液膜表面温度がポリマ
ーラテックスの最低造膜温度(MTF;通常ポリマーの
ガラス転移温度Tgより3〜5℃高い)以上にすること
が好ましい。通常は製造設備の制限より25℃〜40℃
にすることが多い。また、減率乾燥時の乾球温度は支持
体のTg未満の温度(PETの場合通常80℃以下)が
好ましい。本明細書における液膜表面温度とは、支持体
に塗布された塗布液膜の溶媒液膜表面温度を言い、乾球
温度とは乾燥ゾーンの乾燥風の温度を意味する。
【0145】恒率乾燥時の液膜表面温度が低くなる条件
で乾燥した場合、乾燥が不十分になりやすい。このため
特に保護層の造膜性が著しく低下し、膜表面に亀裂が生
じやすくなる。また、膜強度も弱くなり、露光機や熱現
像機での搬送中に傷がつきやすくなるなどの重大な問題
が生じやすくなる。
【0146】一方、液膜表面温度が高くなる条件で乾燥
した場合は、主としてポリマーラテックスから構成され
る保護層は速やかに皮膜を形成するが、その一方で画像
形成層などの下層は流動性が停止していないので、表面
に凹凸が発生しやすくなる。また、支持体(ベース)に
Tgよりも高い過剰の熱がかかると、感光材料の寸度安
定性、耐巻き癖性も悪くなる傾向にある。
【0147】下層を塗布乾燥してから上層を塗布する逐
次塗布においても同様であるが、特に、下層の乾燥前に
上層を塗布して、両層を同時に乾燥する同時重層塗布を
行うための塗布液物性としては、画像形成層の塗布液と
保護層の塗布液とのpH差が2.5以下であることが好
ましく、このpH差は小さい程好ましい。塗布液のpH
差が大きくなると塗布液界面でミクロな凝集が生じやす
くなり、長尺連続塗布時に塗布筋などの重大な面状故障
が発生しやすくなる。
【0148】画像形成層の塗布液粘度は25℃で15〜
100mPa・sが好ましく、さらに好ましくは30〜
70mPa・sである。一方、保護層の塗布液粘度は2
5℃で5〜75mPa・sが好ましく、さらに好ましく
は20〜50mPa・sである。これらの粘度はB型粘
度計によって測定される。
【0149】乾燥後の巻取りは温度20〜30℃、相対
湿度45±20%の条件下で行うことが好ましく、巻き
姿はその後の加工形態に合わせ画像形成層側の面を外側
にしてもよいし、内側にしてもよい。また、加工形態が
ロール品の場合は巻き姿で発生したカールを除去するた
めに加工時に巻き姿とは反対側に巻いたロール形態にす
ることも好ましい。なお、感光材料の相対湿度は20〜
55%(25℃測定)の範囲で制御されることが好まし
い。
【0150】ハロゲン化銀を含みゼラチンを基体とする
粘性液である従来の写真乳剤塗布液は、通常加圧送液す
るだけで気泡が液中に溶解、消滅してしまい、塗布時に
大気圧下に戻されても気泡が析出するようなことはほと
んどない。ところが、本発明で好ましく用いられる有機
銀塩分散物とポリマーラテックスなどを含む画像形成層
塗布液の場合は、加圧送液だけでは脱泡が不十分になり
やすいため、気液界面が生じないようにして送液しなが
ら超音波振動を与え脱泡することが好ましい。
【0151】本発明において塗布液の脱泡は、塗布液を
塗布される前に減圧脱気し、さらに1.5kg/cm2
以上の加圧状態に保ち、かつ気液界面が生じないように
して連続的に送液しながら超音波振動を与える方式が好
ましい。具体的には、特公昭55−6405号公報(4
頁20行から7頁11行)に記載されている方式が好ま
しい。このような脱泡を行う装置として、特開2000
−98534号公報の実施例と図3に示される装置を好
ましく用いることができる。
【0152】加圧条件としては、1.5kg/cm2
上が好ましく、1.8kg/cm2以上がより好まし
い。その上限に特に制限はないが、通常5kg/cm2
程度である。与えられる超音波の音圧は0.2V以上、
好ましくは0.5V〜3.0Vであり、一般的に音圧は
高い方が好ましいが、音圧が高すぎるとキャピテーショ
ンにより部分的に高温状態になりカブリの発生原因とな
る。周波数は特に制約はないが、通常10kHz以上、
好ましくは20kHz〜200kHzである。なお、減
圧脱気は、タンク内(通常、調液タンクもしくは貯蔵タ
ンク)を密閉減圧し、塗布液中の気泡径を増大させ、浮
力をかせぎ脱気させることを指し、減圧脱気の際の減圧
条件は−200mmHgないしそれより低い圧力条件、
好ましくは−250mmHgないしそれより低い圧力条
件とし、その最も低い圧力条件は特に制限はないが通常
−800mmHg程度である。減圧時間は30分以上、
好ましくは45分以上であり、その上限は特に制限され
ない。
【0153】本発明において、画像形成層、画像形成層
の保護層、下塗層およびバック層には特開平11−84
573号公報の段落番号0204〜0208、特願20
00−47083号明細書の段落番号0240〜024
1に記載の如くハレーション防止などの目的で、染料を
含有させることができる。
【0154】画像形成層には色調改良、イラジエーショ
ン防止の観点から各種染料や顔料を用いることができ
る。画像形成層に用いる染料および顔料はいかなるもの
でもよいが、例えば特開平11−119374号公報の
段落番号0297に記載されている化合物を用いること
ができる。これらの染料の添加法としては、溶液、乳化
物、固体微粒子分散物、高分子媒染剤に媒染された状態
などいかなる方法でもよい。これらの化合物の使用量は
目的の吸収量によって決められるが、一般的に1m2
たり1×10-6g〜1gの範囲で用いることが好まし
い。
【0155】本発明でハレーション防止染料を使用する
場合、該染料は所望の範囲で目的の吸収を有し、処理後
に可視領域での吸収が充分少なく、上記バック層の好ま
しい吸光度スペクトルの形状が得られればいかなる化合
物でもよい。例えば特開平11−119374号公報の
段落番号0300に記載されている化合物を用いること
ができる。また、ベルギー特許第733,706号明細
書に記載されるように染料による濃度を加熱による消色
で低下させる方法、特開昭54−17833号公報に記
載されるように光照射による消色で濃度を低下させる方
法等を用いることもできる。
【0156】本発明の熱現像感光材料が熱現像後におい
て、PS版により刷版を作製する際にマスクとして用い
られる場合、熱現像後の熱現像感光材料は、製版機にお
いてPS版に対する露光条件を設定するための情報や、
マスク原稿およびPS版の搬送条件等の製版条件を設定
するための情報を画像情報として担持している。従っ
て、前記のイラジエーション染料、ハレーション染料、
フィルター染料の濃度(使用量)は、これらを読み取る
ために制限される。これら情報はLEDあるいはレーザ
ーによって読み取られるため、センサーの波長域のDm
in(最低濃度)が低い必要があり吸光度が0.3以下
である必要がある。例えば、富士写真フイルム(株)社
製、製版機S−FNRIIIはトンボ検出のための検出
器およびバーコードリーダーとして670nmの波長の
光源を使用している。また、清水製作社製、製版機AP
MLシリーズのバーコードリーダーとして670nmの
光源を使用している。すなわち670nm付近のDmi
n(最低濃度)が高い場合にはフィルム上の情報が正確
に検出できず搬送不良、露光不良など製版機で作業エラ
ーが発生する。従って、670nmの光源で情報を読み
取るためには670nm付近のDminが低い必要があ
り、熱現像後の660〜680nmの吸光度が0.3以
下である必要がある。より好ましくは0.25以下であ
る。その下限に特に制限はないが、通常は0.10程度
である。
【0157】本発明において、像様露光に用いられる露
光装置は露光時間が10-7秒未満の露光が可能な装置で
あればいずれでもよいが、一般的にはレーザダイオード
(LD)、発光ダイオード(LED)を光源に使用した
露光装置が好ましく用いられる。特に、LDは高出力、
高解像度の点でより好ましい。これらの光源は目的波長
範囲の電磁波スペクトルの光を発生することができるも
のであればいずれでもよい。例えばLDであれば、色素
レーザー、ガスレーザー、固体レーザー、半導体レーザ
ーなどを用いることができる。
【0158】本発明における露光は光源の光ビームをオ
ーバーラップさせて露光する。オーバーラップとは副走
査ピッチ幅がビーム径より小さいことをいう。オーバー
ラップは、例えばビーム径をビーム強度の半値幅(FW
HM)で表わしたとき、FWHM/副走査ピッチ幅(オ
ーバーラップ係数)で定量的に表現することができる。
本発明ではこのオーバーラップ係数が0.2以上である
ことが好ましい。
【0159】本発明に使用する露光装置の光源の走査方
式は特に限定はなく、円筒外面走査方式、円筒内面走査
方式、平面走査方式などを用いることができる。また、
光源のチャンネルは単チャンネルでもマルチチャンネル
でもよいが、円筒外面方式の場合にはマルチチャンネル
が好ましく用いられる。
【0160】本発明の熱現像感光材料は露光時のヘイズ
が低く、干渉縞が発生しやすい傾向にある。この干渉縞
の発生防止技術としては、特開平5−113548号公
報などに開示されているレーザー光を感光材料に対して
斜めに入光させる技術や、国際公開WO95/3175
4号公報などに開示されているマルチモードレーザーを
利用する方法が知られており、これらの技術を用いるこ
とが好ましい。
【0161】本発明に用いる画像形成方法の加熱現像工
程はいかなる方法であってもよいが、通常イメージワイ
ズに露光した熱現像感光材料を昇温して現像される。用
いられる熱現像機の好ましい態様としては、熱現像感光
材料をヒートローラーやヒートドラムなどの熱源に接触
させるタイプとして特公平5−56499号公報、特開
平9−292695号公報、特開平9−297385号
公報および国際公開WO95/30934号公報に記載
の熱現像機、非接触型のタイプとして特開平7−132
94号公報、国際公開WO97/28489号公報、同
97/28488号公報および同97/28487号公
報に記載の熱現像機がある。特に好ましい態様としては
非接触型の熱現像機である。好ましい現像温度としては
80〜250℃であり、さらに好ましくは100〜14
0℃である。現像時間としては1〜180秒が好まし
く、10〜90秒がさらに好ましい。
【0162】熱現像時における熱現像感光材料の寸法変
化による処理ムラを防止する方法として、80℃以上1
15℃未満の温度で画像が出ないようにして、5秒以上
加熱した後、110℃〜140℃で熱現像して画像形成
させる方法(いわゆる多段階加熱方法)を採用すること
が有効である。
【0163】本発明の熱現像感光材料を熱現像処理する
とき、110℃以上の高温にさらされるため、該材料中
に含まれている成分の一部、あるいは熱現像による分解
成分の一部が揮発してくる。これらの揮発成分は現像ム
ラの原因になったり、熱現像機の構成部材を腐食させた
り、温度の低い場所で析出し異物として画面の変形を引
起こしたり、画面に付着して汚れとなる種々の悪い影響
があることが知られている。これらの影響を除くための
方法として、熱現像機にフィルターを設置し、また熱現
像機内の空気の流れを最適に調整することが知られてい
る。これらの方法は有効に組み合わせて利用することが
できる。国際公開WO95/30933号公報、同97
/21150号公報、特表平10−500496号公報
には、結合吸収粒子を有し揮発分を導入する第一の開口
部と排出する第二の開口部とを有するフィルターカート
リッジを、フィルムと接触して加熱する加熱装置に用い
ることが記載されている。また、国際公開WO96/1
2213号公報、特表平10−507403号公報に
は、熱伝導性の凝縮捕集器とガス吸収性微粒子フィルタ
ーを組み合わせたフィルターを用いることが記載されて
いる。本発明ではこれらを好ましく用いることができ
る。また、米国特許第4,518,845号明細書、特
公平3−54331号公報には、フィルムからの蒸気を
除去する装置とフィルムを伝熱部材へ押圧する加圧装置
と伝熱部材を加熱する装置とを有する構成が記載されて
いる。また、国際公開WO98/27458号公報に
は、フィルムから揮発するカブリを増加させる成分をフ
ィルム表面から取り除くことが記載されている。これら
についても本発明では好ましく用いることができる。
【0164】本発明の熱現像感光材料の熱現像処理に用
いられる熱現像機の一構成例を図1に示す。図1は熱現
像機の側面図を示したものである。図1の熱現像機は熱
現像感光材料10を平面状に矯正および予備加熱しなが
ら加熱部に搬入する搬入ローラー対11(上部ローラー
はシリコンゴムローラーで、下部ローラーがアルミ製の
ヒートローラー)と熱現像後の熱現像感光材料10を平
面状に矯正しながら加熱部から搬出する搬出ローラー対
12を有する。熱現像感光材料10は搬入ローラー対1
1から搬出ローラー対12へと搬送される間に熱現像さ
れる。この熱現像中の熱現像感光材料10を搬送する搬
送手段は画像形成層を有する面が接触する側に複数のロ
ーラー13が設置され、その反対側のバック面が接触す
る側には不織布(例えば芳香族ポリアミドやテフロン
(登録商標)から成る)等が貼り合わされた平滑面14
が設置される。熱現像感光材料10は画像形成層を有す
る面に接触する複数のローラー13の駆動により、バッ
ク面を平滑面14の上に滑らせながら搬送される。ロー
ラー13の上部および平滑面14の下部には、熱現像感
光材料10の両面から加熱されるように加熱ヒーター1
5が設置される。この場合の加熱手段としては板状ヒー
ター等が挙げられる。ローラー13と平滑面14とのク
リアランスは平滑面の部材により異なるが、熱現像感光
材料10が搬送できるクリアランスに適宜調整される。
好ましくは0〜1mmである。
【0165】ローラー13の表面の材質および平滑面1
4の部材は、高温耐久性があり、熱現像感光材料10の
搬送に支障がなければ何でもよいが、ローラー表面の材
質はシリコンゴム、平滑面の部材は芳香族ポリアミドま
たはテフロン(PTFE)製の不織布が好ましい。加熱
手段としては複数のヒーターを用い、それぞれ加熱温度
を自由に設定することが好ましい。
【0166】なお、加熱部は、搬入ローラー対11を有
する予備加熱部Aと、加熱ヒーター15を備えた熱現像
加熱部Bとで構成されるが、熱現像処理部Bの上流の予
備加熱部Aは、熱現像温度よりも低く(例えば10〜3
0℃程度低く)、熱現像感光材料10中の水分量を蒸発
させるのに十分な温度および時間に設定することが望ま
しく、熱現像感光材料10の支持体のガラス転移温度
(Tg)よりも高い温度で、現像ムラが出ないように設
定することが好ましい。予備加熱部と熱現像処理部の温
度分布としては±1℃以下が好ましく、さらには±0.
5℃以下が好ましい。また、熱現像処理部Bの下流には
ガイド板16が設置され、搬出ローラー対12とガイド
板16とを有する徐冷部Cが設置される。ガイド板16
は熱伝導率の低い素材が好ましく、熱現像感光材料10
に変形が起こらないようにするために冷却は徐々に行う
のが好ましく、冷却速度としては、0.5〜10℃/秒
が好ましい。
【0167】以上、図示例に従って説明したが、これに
限らず、例えば特開平7−13294号公報に記載のも
のなど、本発明に用いる熱現像機は種々の構成のもので
あってもよい。また、本発明において好ましく用いられ
る多段加熱方法の場合は、上述のような装置において、
加熱温度の異なる熱源を2個以上設置し、連続的に異な
る温度で加熱するようにすればよい。
【0168】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、
処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限
り適宜変更することができる。したがって、本発明の範
囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきも
のではない。
【0169】<実施例1> 《ハロゲン化銀乳剤Aの調製》水700mlにアルカリ
処理ゼラチン(カルシウム含有量として2700ppm
以下)11g、臭化カリウム30mg、および4−メチ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.3gを溶解して、
45℃にてpHを6.5に調整した。その後、硝酸銀1
8.6gを含む水溶液159mlと臭化カリウムを1m
ol/L、(NH42RhCl5(H2O)を5×10-6
mol/LおよびK3IrCl6を2×10-5mol/L
で含む水溶液を、pAg7.7に保ちながらコントロー
ルダブルジェット法で6分30秒間かけて添加した。つ
いで、硝酸銀55.5gを含む水溶液476mlと臭化
カリウムを1mol/LおよびK3IrCl6を2×10
-5mol/Lで含むハロゲン塩水溶液を、pAg7.7
に保ちながらコントロールダブルジェット法で28分3
0秒間かけて添加した。その後pHを下げて凝集沈降さ
せて脱塩処理をし、平均分子量15,000の低分子量
ゼラチン(カルシウム含有量として20ppm以下)5
1.1g加え、pH5.9、pAg8.0に調整した。
得られた粒子は平均粒子サイズ0.11μm、投影面積
変動係数9%、(100)面比率90%の立方体粒子で
あった。得られたハロゲン化銀粒子を60℃に昇温して
銀1mol当たりベンゼンチオスルホン酸ナトリウム7
6μmolを添加し、3分後にトリエチルチオ尿素71
μmolを添加した後、100分間熟成し、4−ヒドロ
キシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデ
ンを5×10-4mol、化合物Aを0.17g加えた
後、40℃に降温させた。その後、40℃に温度を保
ち、ハロゲン化銀1molに対して4.7×10-2mo
lの臭化カリウム(水溶液として添加)、12.8×1
-4molの下記増感色素A(エタノール溶液として添
加)、6.4×10-3molの化合物B(メタノール溶
液として添加)を攪拌しながら添加し、20分後に30
℃に急冷してハロゲン化銀乳剤Aの調製を終了した。
【0170】
【化28】
【0171】《ベヘン酸銀分散物Aの調製》ベヘン酸
(ヘンケル社製、EdenorC22−85R)87.
6kg、蒸留水423L、5mol/LのNaOH水溶
液49.2L、tert−ブチルアルコール120Lを
混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナ
トリウム溶液を得た。これとは別に、硝酸銀40.4k
gの水溶液206.2Lを用意し、10℃にて保温し
た。635Lの蒸留水と30Lのtert−ブチルアル
コールを入れた反応容器を30℃に保温し、攪拌しなが
ら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の
全量を流量一定でそれぞれ62分10秒と60分かけて
添加した。この時、硝酸銀水溶液添加開始後7分20秒
間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあと
ベヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液添
加終了後9分30秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが
添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は
30℃とし、液温度が上がらないようにコントロールし
た。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、
スチームトレースにより保温し、添加ノズル先端の出口
の液温度が75℃になるようにスチーム量をコントロー
ルした。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管
の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン
酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置
は攪拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に
接触しないような高さに調節した。ベヘン酸ナトリウム
溶液を添加終了後、そのままの温度で20分間攪拌放置
し、25℃に降温した。その後、遠心ろ過で固形分を濾
別し、固形分を濾水の伝導度が30μS/cmになるま
で水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥させない
でウエットケーキとして保管した。得られたベヘン酸銀
の粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、
平均投影面積径0.52μm、平均粒子厚み0.14μ
m、平均球相当径の変動係数15%の鱗片状の結晶であ
った。
【0172】次に、以下の方法でベヘン酸銀の分散物を
作製した。乾燥固形分100g相当のウエットケーキに
対し、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA
−217、平均重合度:約1700)7.4gおよび水
を添加し、全体量を385gとしてからホモミキサーに
て予備分散した。次に予備分散済みの原液を分散機(マ
イクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレ
ーション製、マイクロフルイダイザーM−110S−E
H、G10Zインタラクションチャンバー使用)の圧力
を1750kg/cm2に調節して、3回処理し、ベヘ
ン酸銀分散物Aを得た。このとき、蛇管式熱交換器をイ
ンタラクションチャンバーの前後に各々装着して冷媒の
温度を調節することにより、所望の分散温度に設定し
た。得られたベヘン酸銀分散物Aに含まれるベヘン酸銀
粒子は、体積加重平均直径0.52μm、変動係数15
%の粒子であった。粒子サイズの測定は、MalvernInstr
uments Ltd.製MasterSizerXにて行った。また電子顕微
鏡撮影により評価したところ、長辺と短辺の比は1.
5、粒子厚みは0.14μm、平均アスペクト比(粒子
の投影面積の円相当径と粒子厚みの比)が5.1であっ
た。得られたベヘン酸銀分散物Aは、下記の塗布液の調
製に用いた。
【0173】《還元剤の固体微粒子分散物の調製》還元
剤[1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
フェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン](I−
1)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ
(株)製、ポバールMP203)の20質量%水溶液1
0kgに、サーフィノール104E(日信化学(株)
製)400g、メタノール640g、および水16kg
を添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリ
ーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mm
のジルコニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメ
ックス(株)製、UVM−2)にて3時間30分分散し
たのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩4gと水
を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調整
し、還元剤の固体微粒子分散物を得た。こうして得られ
た分散物に含まれる還元剤粒子は、メジアン径が0.4
4μm、最大粒子径が2.0μm以下、平均粒子径の変
動係数が19%であった。得られた分散物は、孔径3.
0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行いゴ
ミ等の異物を除去したうえで、下記の塗布液の調製に用
いた。
【0174】《フェノール化合物の固体微粒子分散物の
調製》表1および表2に記載されるフェノール化合物1
kg、変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポ
バールMP203)の20質量%水溶液1kg、および
水2kgを添加して、よく混合してスラリーとした。こ
のスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径
0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビーズミ
ル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて5時間分
散したのち水を加えて現像促進剤Wの濃度が20質量%
になるように調整し、フェノール化合物の固体微粒子分
散物を得た。得られた分散物に含まれる有機ポリハロゲ
ン化合物粒子は、メジアン径が0.5μm、最大粒子径
が2.0μm以下、平均粒子径の変動係数が18%であ
った。得られた分散物は、孔径3.0μmのポリプロピ
レン製フィルターにてろ過を行いゴミ等の異物を除去し
たうえで、下記の塗布液の調製に用いた。表1および表
2に記載されるフェノール化合物のうち、Y−1、Y−
2、Y−3の構造は以下に示す通りである。これらの化
合物は、特開2000−267222号公報化23に記
載の化合物である。
【0175】
【化29】
【0176】《有機ポリハロゲン化合物Aの固体微粒子
分散物の調製》有機ポリハロゲン化合物A[トリブロモ
メチル(4−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホ
ニル)フェニル)スルホン]10kgと、変性ポリビニ
ルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)
の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフ
タレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液639
g、サーフィノール104E(日信化学(株)製)40
0g、メタノール640g、および水16kgを添加し
て、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイ
アフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコ
ニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメックス
(株)製、UVM−2)にて5時間分散したのち水を加
えて有機ポリハロゲン化合物Aの濃度が25質量%にな
るように調製し、有機ポリハロゲン化合物Aの固体微粒
子分散物を得た。こうして得られた分散物に含まれる有
機ポリハロゲン化合物粒子は、メジアン径が0.36μ
m、最大粒子径が2.0μm以下、平均粒子径の変動係
数が18%であった。得られた分散物は、孔径3.0μ
mのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行いゴミ等
の異物を除去したうえで、下記の塗布液の調製に用い
た。
【0177】《有機ポリハロゲン化合物Bの固体微粒子
分散物の調製》有機ポリハロゲン化合物B[トリブロモ
メチルナフチルスルホン]5kgと変性ポリビニルアル
コール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の20
質量%水溶液2.5kg、トリイソプロピルナフタレン
スルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液213g、お
よび水10kgを添加して、よく混合してスラリーとし
た。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均
直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビー
ズミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて5時
間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩
2.5gと水を加えての有機ポリハロゲン化合物Bの濃
度が23.5質量%になるように調製し、有機ポリハロ
ゲン化合物Bの固体微粒子分散物を得た。得られた分散
物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子は、メジアン
径が0.38μm、最大粒子径が2.0μm以下、平均
粒子径の変動係数が20%であった。得られた分散物は
孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過
を行いゴミ等の異物を除去したうえで、下記の塗布液の
調製に用いた。
【0178】《有機ポリハロゲン化合物C水溶液の調
製》室温で攪拌しながら、水75.0ml、トリプロピ
ルナフタレンスルホン酸ナトリウム(20%水溶液)
8.6ml、オルトリン酸二水素ナトリウム・2水和物
(5%水溶液)6.8ml、および水酸化カリウムの1
mol/L水溶液9.5mlを順次添加し、添加終了後
5分間攪拌混合した。さらに、攪拌しながら有機ポリハ
ロゲン化合物C(3−トリブロモメタンスルホニルベン
ゾイルアミノ酢酸)4.0gの粉末を添加し、溶液が透
明になるまで均一に溶解して水溶液100mlを得た。
得られた水溶液は、200メッシュのポリエステル製ス
クリーンにてろ過を行いゴミ等の異物を除去したうえ
で、下記の塗布液の調製に用いた。
【0179】《化合物Zの乳化分散物の調製》化合物Z
を85質量%含有する三光(株)製R−054を10k
gとMIBK11.66kgを混合した後、窒素置換し
て80℃1時間溶解した。この液に水25.52kgと
クラレ(株)製MPポリマー(クラレ(株)製、MP−
203)の20質量%水溶液12.76kgとトリイソ
プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%
水溶液0.44kgを添加して、20〜40℃、360
0rpmで60分間乳化分散した。さらに、この液にサ
ーフィノール104E(日信化学(株)製)0.08k
gと水47.94kgを添加して減圧蒸留しMIBKを
除去したのち、化合物Zの濃度が10質量%になるよう
に調製した。こうして得た分散物に含まれる化合物Zの
粒子はメジアン径0.19μm、最大粒子径1.5μm
以下、粒子径の変動係数17%であった。得られた分散
物は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターに
てろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0180】《6−イソプロピルフタラジン化合物の分
散液の調製》室温で水62.35gを攪拌しながら変性
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP
203)2.0gが塊状にならない様に添加し10分間
攪拌混合した。その後加熱し、内温が50℃になるまで
昇温した後、内温50〜60℃の範囲で90分間攪拌し
均一に溶解させた。内温を40℃以下に降温し、ポリビ
ニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−217、1
0質量%水溶液)25.5g、トリプロピルナフタレン
スルホン酸ナトリウム(20質量%水溶液)3.0g、
および6−イソプロピルフタラジン(70質量%水溶
液)7.15gを添加し、30分攪拌し透明分散液10
0gを得た。得られた分散物は、孔径3.0μmのポリ
プロピレン製フィルターにてろ過を行いゴミ等の異物を
除去したうえで、下記の塗布液の調製に用いた。
【0181】《造核剤の固体微粒子分散物の調製》下記
造核剤(造核剤AA−1〜AA−3)1kgに対して、
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールPV
A−217)0.25kgと水9kgを添加し、よく混
合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポ
ンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズ
を充填した横型ビーズミル(アイメックス(株)製、U
VM−2)にて12時間分散したのち、ベンゾイソチア
ゾリノンナトリウム塩1gと水を加えて造核剤の濃度が
10質量%になるように調整し、造核剤の固体微粒子分
散物を得た。得られた分散物に含まれる造核剤の粒子
は、メジアン径が0.34μm、最大粒子径が3.0μ
m以下、粒子径の変動係数が19%であった。得られた
分散物は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルタ
ーにてろ過を行いゴミ等の異物を除去したうえで、下記
の塗布液の調製に用いた。
【0182】
【化30】
【0183】《画像形成層塗布液の調製》上記で作製し
た有機酸銀塩の銀1molに対して、以下のバインダ
ー、素材、およびハロゲン化銀乳剤を添加して、水を加
えて、画像形成層塗布液とした。調製後、圧力0.54
atmで減圧脱気を45分間行った。塗布液のpHは
7.7、粘度は25℃で50mPa・sであった。有機
酸銀塩は表15に示す通り添加した。 バインダー;SBRラテックス (St/Bu/AA=68/29/3(重量%)、 重合開始剤としてNa228を使用) 固形分として 397g 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5− ジメチルフェニル−3,5,5−トリメチルヘキサン (還元剤I−1) 固形分として 89.7g 有機ポリハロゲン化合物B 固形分として 36.3g 有機ポリハロゲン化合物C 固形分として 2.34g エチルチオスルホン酸ナトリウム 0.47g ベンゾトリアゾール 1.02g ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−235) 10.8g 6−イソプロピルフタラジン 5.0g 化合物Z 固形分として 9.0g 造核剤(表1に記載される種類) 0.02mol 染料A(平均分子量15,000の 低分子量ゼラチンとの混合液として添加) 783nmの光学濃度が0.3になる塗布量 (目安として固形分0.40g) ハロゲン化銀乳剤A Ag量として0.06mol 防腐剤として化合物A 塗布液中に40ppm (塗布量として2.5mg/m2) メタノールの塗布液中総溶媒量として 1質量% エタノールの塗布液中総溶媒量として 2質量% (なお、塗布膜のガラス転移温度は17℃であった。)
【0184】
【化31】
【0185】《保護層塗布液の調製》メチルメタクリレ
ート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/2
−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=5
8.9/8.6/25.4/5.1/2(質量%)のポ
リマーラテックス溶液(共重合体のガラス転移温度46
℃(計算値)、固形分濃度21.5質量%、化合物Aを
100ppm含有させ、さらに造膜助剤として化合物D
をラテックスの固形分に対して15質量%含有させ塗布
液のガラス転移温度を24℃として溶液とした;平均粒
子径116nm)943gに水を加え、有機ポリハロゲ
ン化合物C水溶液を114.8g、有機ポリハロゲン化
合物Aを固形分として17.0g、オルトリン酸二水素
ナトリウム・二水和物を固形分として0.69g、フェ
ノール化合物(表1および表2に記載の種類)を上記の
画像形成層塗布液の調整に用いた還元剤(I−1)に対
して2.5mol%、マット剤(ポリスチレン粒子、平
均粒径7μm、平均粒径の変動係数8%)1.58gお
よびポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−
235)29.3g、化合物Eを1.62g加え、さら
に水を加えて塗布液(メタノール溶媒を0.8質量%含
有)を調製した。調製後、圧力0.47atmで減圧脱
気を60分間行った。得られた保護層塗布液のpHは
5.5、粘度は25℃で45mPa・sであった。
【0186】《下層オーバーコート層塗布液の調製》メ
チルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルア
クリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ア
クリル酸=58.9/8.6/25.4/5.1/2
(質量%)のポリマーラテックス溶液(共重合体のガラ
ス転移温度46℃(計算値)、固形分濃度21.5質量
%、化合物Aを100ppm含有させ、さらに造膜助剤
として化合物Dをラテックスの固形分に対して15質量
%含有させ、塗布液のガラス転移温度を24℃として容
器とした;平均粒子径74nm)625gに水を加え、
化合物Cを0.23g、化合物Eを0.13g、化合物
Fを11.7g、化合物Hを2.7gおよびポリビニル
アルコール(クラレ(株)製、PVA−235)11.
5gを加え、さらに水を加えて塗布液(メタノール溶媒
を0.1質量%含有)を調製した。調製後、圧力0.4
7atmで減圧脱気を60分間行った。塗布液のpHは
2.6、粘度は25℃で30mPa・sであった。
【0187】《上層オーバーコート層塗布液の調製》メ
チルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルア
クリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ア
クリル酸=58.9/8.6/25.4/5.1/2
(質量%)のポリマーラテックス溶液(共重合体のガラ
ス転移温度46℃(計算値)、固形分濃度21.5質量
%、化合物Aを100ppm含有させ、さらに造膜助剤
として化合物Dをラテックスの固形分に対して15質量
%含有させ、塗布液のガラス転移温度を24℃として溶
液とした;平均粒子径116nm)649gに水を加
え、カルナヴァワックス(中京油脂(株)製、セロゾー
ル524、シリコーン含有量5ppm未満)の30質量
%溶液18.4g、化合物Cを0.23g、化合物Eを
1.85g、化合物Gを1.0g、マット剤(ポリスチ
レン粒子、平均粒径7μm、平均粒径の変動係数8%)
3.45gおよびポリビニルアルコール(クラレ(株)
製、PVA−235)を26.5g加え、さらに水を加
えて塗布液(メタノール溶媒を1.1質量%含有)を調
製した。調製後、圧力0.47atmで減圧脱気を60
分間行った。塗布液のpHは5.3、粘度は25℃で2
5mPa・sであった。
【0188】
【化32】
【0189】《バック/下塗り層のついたポリエチレン
テレフタレート(PET)支持体の作製》 (1)PET支持体の作製 テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従
い、固有粘度IV=0.66(フェノール/テトラクロ
ロエタン=6/4(質量比)中25℃で測定)のPET
を得た。これをペレット化して、130℃で4時間乾燥
した後、300℃で溶融後T型ダイから押し出した。そ
の後急冷し、熱固定後の膜厚が120μmになるような
厚みの未延伸フィルムを作製した。これを周速の異なる
ロールを用い、110℃で3.3倍に縦延伸し、ついで
テンターを用いて130℃で4.5倍に横延伸した。こ
の後、240℃で20秒間熱固定した後、同じ温度で横
方向に4%緩和した。この後、テンターのチャック部を
スリットした後、両端にナール加工を行い、4.8kg
/cm2で巻きとった。このようにして、幅2.4m、
長さ3500m、厚み120μmのロール状のPET支
持体を得た。
【0190】(2)下塗り層およびバック層の作製 下塗り第一層 上記PET支持体に0.375kV・A・分/m2のコ
ロナ放電処理を施した後、以下に示す組成の塗布液を
6.2ml/m2となる様に支持体上に塗布し、125
℃で30秒、次いで150℃で30秒、さらに185℃
で30秒乾燥した。 ラテックス−A 280g KOH 0.5g ポリスチレン微粒子(平均粒径2μm、 平均粒径の変動係数7%) 0.03g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 1.8g 化合物−Bc−C 0.097g 蒸留水 合計量が1000gとなる量
【0191】下塗り第二層 以下に示す組成の塗布液を5.5ml/m2となる様に
下塗り第一層の上に塗布し、125℃で30秒、次いで
150℃で30秒、さらに170℃で30秒乾燥した。
【0192】 脱イオン処理ゼラチン(Ca2+含量0.6ppm、 ゼリー強度230g) 10g 酢酸(20質量%水溶液) 10g 化合物−Bc−A 0.04g メチルセルロース(2質量%水溶液) 25g ポリエチレンオキシ化合物 0.3g 蒸留水 合計量が1000gとなる量
【0193】バック第一層 前記下塗り層塗布面とは反対側の面に0.375kV・
A・分/m2のコロナ放電処理を施し、その面に以下に
示す組成の塗布液を13.8ml/m2となる様に塗布
し、125℃で30秒、次いで150℃で30秒、さら
に185℃で30秒乾燥した。
【0194】 ジュリマーET410(30質量%水分散物、 日本純薬(株)製) 23g アルカリ処理ゼラチン(分子量約10000、 Ca2+含量30ppm) 4.44g 脱イオン処理ゼラチン(Ca2+含量0.6ppm) 0.84g 化合物−Bc−A 0.02g 染料−Bc−A (783nmの光学濃度として1.3〜1.4になるように調整) 目安として0.88g ポリオキシエチレンフェニルエーテル 1.7g 水溶性メラミン化合物(住友化学工業(株)製、 スミテックスレジンM−3、8質量%水溶液) 15g SbドープSnO2の針状粒子の水分散物 (石原産業(株)製、FS−10D) 24g ポリスチレン微粒子(平均粒径2μm、平均粒径の変動係数7%) 0.03g 蒸留水 合計量が1000gとなる量
【0195】バック第二層 以下に示す組成の塗布液を5.5ml/m2となる様に
バック第一層上に塗布し、125℃で30秒、次いで1
50℃で30秒、さらに170℃で30秒乾燥した。
【0196】 ジュリマーET410(30質量%水分散物、 日本純薬(株)製) 57.5g ポリオキシエチレンフェニルエーテル 1.7g 水溶性メラミン化合物(住友化学工業(株)製、 スミテックスレジンM−3、8質量%水溶液) 15g セロゾール524(30質量%水溶液、中京油脂(株)製) 6.6g 蒸留水 合計量が1000gとなる量
【0197】バック第三層 下塗り第一層と同じ塗布液を6.2ml/m2となる様
にバック第二層上に塗布し、125℃で30秒、次いで
150℃で30秒、さらに185℃で30秒乾燥した。
【0198】バック第四層 以下に示す組成の塗布液を13.8ml/m2となる様
にバック第三層上に塗布し、125℃で30秒、次いで
150℃で30秒、さらに170℃で30秒乾燥した。
【0199】 ラテックス−B 286g 化合物−Bc−B 2.7g 化合物−Bc−C 0.6g 化合物−Bc−D 0.5g 2,4ジクロロ−6−ヒドロキシーs−トリアジン 2.5g ポリメチルメタクリレート(10質量%水分散物、 平均粒子径5μm、平均粒子の変動係数7%) 7.7g 蒸留水 合計量が1000gとなる量
【0200】
【化33】
【0201】ラテックス−A: コア部90質量%、シェル部10質量%のコアシェルタ
イプのラテックス コア部 塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチル
メタクリレート/アクリロニトリル/アクリル酸=93
/3/3/0.9/0.1(質量%) シェル部 塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチ
ルメタクリレート/アクリロニトリル/アクリル酸=8
8/3/3/3/3(質量%) 質量平均分子量38,000 ラテックス−B: メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシル
アクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/
アクリル酸=59/9/26/5/1(質量%)の共重
合体
【0202】(3)搬送熱処理 (3−1)熱処理 このようにして作製したバック/下塗り層のついたPE
T支持体を、160℃に設定した全長200m熱処理ゾ
ーンに入れ、張力2kg/cm2、搬送速度20m/分
で搬送した。 (3−2)後熱処理 上記熱処理に引き続き、40℃のゾーンに15秒間通し
て後熱処理を行い、巻き取った。この時の巻き取り張力
は10kg/cm2であった。
【0203】《熱現像感光材料の作製》PET支持体の
下塗り第二層の上に、特開2000−2964号公報の
図1に示されているスライドビート塗布方式を用いて、
前記の画像形成層塗布液を、塗布銀量1.5g/m2
なるように塗布した。さらにその上に、前記保護層塗布
液をポリマーラテックスの固形分塗布量が1.29g/
2になるように画像形成層塗布液と共に同時重層塗布
した。その後、保護層の上に前記下層オーバーコート層
塗布液をポリマーラテックスの固形分塗布量が1.97
g/m2および前記上層オーバーコート層塗布液をポリ
マーラテックスの固形分塗布量が1.07g/m2にな
るように下層オーバーコート塗布液と共に同時重層塗布
し、熱現像感光材料を作製した。塗布時の乾燥は、恒率
過程、減率過程とも乾球温度70〜75℃、露点8〜2
5℃、液膜表面温度35〜60℃の範囲で、塗布液の流
動がほぼなくなる乾燥点近傍までは水平乾燥ゾーン(塗
布機の水平方向に対し支持体が1.5°〜3°の角度)
で行った。乾燥後の巻取りは温度25±5℃、相対湿度
45±5%の条件下で行い、巻き姿はその後の加工形態
(画像形成層面側外巻)に合わせ、画像形成層面側を外
にした。なお、熱現像感光材料の包袋相対湿度は20〜
40%(25℃測定)で、得られた熱現像感光材料の画
像形成側の膜面pHは5.0、ベック平滑度は750秒
であり、反対側の膜面pHは5.9、ベック平滑度は6
00秒であった。
【0204】《写真性能の評価》 (露光処理)得られた熱現像感光材料を、ビーム径(ビ
ーム強度の1/2のFWHM)12.56μm、レーザ
ー出力50mW、出力波長783nmの半導体レーザー
を搭載した単チャンネル円筒内面方式のレーザー露光装
置を使用し、ミラー回転数60000rpm、露光時間
1.2×10-8秒の露光を実施した。この時のオーバー
ラップ係数は0.449にし、熱現像感光材料面上のレ
ーザーエネルギー密度は75μJ/cm2とした。 (熱現像処理)露光済みの熱現像感光材料に対して、図
2に示した熱現像機を用いて熱現像処理を行った。熱現
像処理部のローラー表面材質はシリコンゴム、平滑面は
テフロン不織布とし、搬送のラインスピードは150c
m/minに設定した。熱現像処理は、予備加熱部で1
2.2秒(予備加熱部と熱現像処理部の駆動系は独立し
ており、熱現像部との速度差は−0.5%〜−1%に設
定、各予熱部の金属ローラーの温度設定、時間は第1ロ
ーラー温度67℃、2.0秒、第2ローラー温度82
℃、2.0秒、第3ローラー温度98℃、2.0秒、第
4ローラー温度温度107℃、2.0秒、第5ローラー
温度115℃、2.0秒、第6ローラー温度120℃、
2.0秒にした)、熱現像処理部(熱現像感光材料面温
度120℃)で17.2秒、徐冷部で13.6秒行っ
た。なお、幅方向の温度精度は±0.5℃であった。各
ローラー温度の設定は熱現像感光材料の幅(例えば幅6
1cm)よりも両側それぞれ5cm長くして、その部分
にも温度をかけて、温度精度が出るようにした。なお、
各ローラーの両端部分は温度低下が激しいので、熱現像
感光材料の幅よりも5cm長くした部分はローラー中央
部よりも1〜3℃温度が高くなるように設定し、熱現像
感光材料(例えば幅61cmの中で)の画像濃度が均質
な仕上がりになるように留意した。
【0205】(評価方法)得られた画像の評価をマクベ
スTD904濃度計(可視濃度)により行った。測定の
結果は、カブリ、Dmax(最高濃度)、コントラスト
で評価した。コントラストは露光量の対数を横軸とし
て、Dmin部分を差し引いた濃度0.1と3.0の点
を結ぶ直線の傾きで表した。実用的には、カブリは0.
15以下、Dmaxは3.5以上、コントラストは12
以上であることが好ましく、さらにはカブリは0.13
以下、Dmaxは4.0以上、コントラストは16以上
であることが最も好ましい。
【0206】各熱現像感光材料について上記評価を実施
した結果を表1に示す。
【0207】
【表1】
【0208】式(2)で表されるフェノール化合物を用
いた熱現像感光材料は、超硬調、低カブリ、高Dmax
であり、写真製版用途に適切な写真性能を備えている。
【0209】<実施例2> 《画像形成層塗布液の調製》実施例1で作製した有機酸
銀塩の銀1molに対して、以下のバインダー、素材、
およびハロゲン化銀乳剤を添加して、水を加えて、画像
形成層塗布液とした。完成後、減圧脱気を圧力0.54
atmで45分間行った。塗布液のpHは7.3〜7.
7、粘度は25℃で40〜50mPa・sであった。
【0210】 バインダー;SBRラテックス (St/Bu/AA=68/29/3(重量%)、 重合開始剤としてNa228を使用) 固形分として 397.0g 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5− ジメチルフェニル−3,5,5−トリメチルヘキサン (還元剤I−1) 固形分として 88.8g 有機ポリハロゲン化合物A 固形分として 40.0g 有機ポリハロゲン化合物B 固形分として 12.0g 有機ポリハロゲン化合物C 固形分として 2.0g フェノール化合物(表1に記載される種類) 還元剤に対して 2.5mol% エチルチオスルホン酸ナトリウム 0.3g ベンゾトリアゾール 1.2g ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、 PVA−235) 10.8g 6−イソプロピルフタラジン 13.0g 化合物Z 固形分として 9.6g 化合物C 0.2g 造核剤 0.02mol 染料A(平均分子量15,000の低分子量ゼラチンとの混合液として添加) 783nmの光学濃度が0.3になる塗布量 (目安として固形分0.40g) ハロゲン化銀乳剤 Ag量として0.06mol 防腐剤として化合物A 塗布液中に40ppm (塗布量として2.5mg/m2) メタノールの塗布液中総溶媒量として 1質量% エタノールの塗布液中総溶媒量として 2質量% pH調整剤としては、NaOHを用いた。 (なお、塗布膜のガラス転移温度は17℃であった。)
【0211】《下層保護層塗布液の調製》メチルアクリ
レート/メチルメタアクリレート=70/30(質量
比、平均粒径110nm、質量平均分子量800,00
0)のポリマーラテックス溶液(共重合体のガラス転移
温度30℃、固形分濃度28.0%、化合物Aを100
ppm含有)900gに水を加え、化合物Eを0.2
g、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−
235)を35.0g加え、さらに水を加えて塗布液
(メタノール溶媒を0.5質量%含有)を調製した。調
製後、圧力0.47atmで減圧脱気を60分間行っ
た。塗布液のpHは5.2、粘度は25℃で35mPa
・sであった。
【0212】《上層保護層塗布液の調製》メチルアクリ
レート/メチルメタアクリレート=70/30(質量
比、平均粒径110nm、質量平均分子量800,00
0)のポリマーラテックス溶液(共重合体でガラス転移
温度30℃、固形分濃度として28.0%、化合物Aを
100ppm含有)900gに、カルナヴァワックス
(中京油脂(株)製、セロゾール524、シリコーン含
有量として5ppm未満)30質量%溶液を10.0
g、化合物Cを0.3g、化合物Eを1.2g、化合物
Fを25.0g、化合物Hを6.0g、マット剤(ポリ
スチレン粒子、平均粒径7μm、平均粒径の変動係数8
%)5.0gおよびポリビニルアルコール(クラレ
(株)製、PVA−235)40.0gを加え、さらに
水を加えて塗布液(メタノール溶媒を1.5質量%含
有)を調製した。調製後、圧力0.47atmで60分
間行った。塗布液のpHは2.4、粘度は25℃で35
mPa・sであった。
【0213】《熱現像感光材料の作製》実施例1に記載
したように下塗り層を塗布したPET支持体の下塗り層
の上に、特開2000−2964号公報の図1に示され
ているスライドビ−ド塗布方式を用いて、前記の画像形
成層塗布液を塗布銀量1.5g/m2になる様に、その
上に、前記の保護層下層塗布液をポリマーラテックスの
固形分塗布量が1.0g/m2になる様に、さらにその
上に前記の保護層上層塗布液をポリマーラテックスの固
形分塗布量が1.3g/m2になる様に、画像形成層と
保護層下層および上層の3層を同時に重層塗布した。塗
布時の乾燥条件は、第一乾燥ゾーン(低速風乾燥域)が
乾球温度70〜75℃、露点9〜23℃、支持体面上で
の風速8〜10m/s、液膜表面温度35〜40℃の範
囲で乾燥し、第二乾燥ゾーン(高速風乾燥域)が、乾球
温度65〜70℃、露点20〜23℃、そして支持体面
上での風速20〜25m/sで乾燥した。第一乾燥ゾー
ンの滞在時間は、このゾーンでの恒率乾燥期の2/3の
時間で、第二乾燥ゾーンに移行させ、乾燥した。第一乾
燥ゾーンは、水平乾燥ゾーン(塗布機の水平方向に対し
支持体が1.5°〜3°の角度)である。塗布速度は、
60m/minで行った。乾燥後の巻取りは温度25±
5℃、相対湿度45±10%の条件下で行った。巻き姿
はその後の加工形態(画像形成層面側外巻)に合わせ、
画像形成層面側を外にした。なお、感光材料の包袋湿度
は相対湿度20〜40%(25℃測定)で、得られた熱
現像感光材料の画像形成側の膜面pHは5.1、ベック
平滑度は5000秒であり、反対側の膜面pHは5.
9、ベック平滑度は500秒であった。
【0214】塗布方法を変更したこと以外は、実施例1
と同様に試料を作製し評価を実施したところ、実施例1
同様に本発明の条件を満たす熱現像感光材料が良好な性
能を示した。
【0215】<実施例3>実施例2と同様に、下層保護
層塗布液を調製した。上層保護層塗布液は、マット剤と
して平均粒径11μmのポリスチレン粒子(平均粒径の
変動係数8%)5.0gを使用する以外は実施例2とま
ったく同様の方法で調製した。そして、実施例1に記載
したように下塗り層を塗布したPET支持体の下塗り層
の上に、特開2000−2964号公報の図1に示され
ているスライドビード塗布方式を用いて、前記の画像形
成層塗布液を塗布銀量1.5g/m2になる様に、その
上に、前記の保護層下層塗布液をポリマーラテックスの
固形分塗布量が1.2g/m2になる様に、さらにその
上に前記の保護層上層塗布液をポリマーラテックスの固
形分塗布量が1.4g/m2になる様に、画像形成層と
保護層下層および上層の3層を同時に重層塗布した。
【0216】塗布時の乾燥条件、巻き姿は実施例2と同
様とし、その後の加工形態(画像形成層面側外巻)に合
わせ、画像形成層面側を外にした。なお、熱現像感光材
料の包袋湿度は相対湿度20〜40%(25℃測定)
で、得られた熱現像感光材料の画像形成側の膜面pHは
5.1、ベック平滑度は1300秒であり、反対側の膜
面pHは5.9、ベック平滑度は500秒であった。こ
うして得られた試料について、実施例1と同様の方法で
評価を行ったところ、実施例1と同様に本発明の条件を
満たす熱現像感光材料が良好な性能を示した。
【0217】<実施例4>実施例1、2および3で作製
した熱現像感光材料を、DRY SYSTEM PROCESSOR FDS-610
0X(富士写真フイルム社製)にて熱現像処理を行ったと
ころ、実施例1、2および3と同様に本発明の条件を満
たす熱現像感光材料が良好な性能を示した。
【0218】<実施例5>実施例1に記載の熱現像感光
材料について、造核剤を含まない熱現像感光材料を作製
し、実施例1と同様に評価した。結果を表2に記載し
た。実施例5についても、本発明の条件を満たす熱現像
感光材料は、Dmax(最高濃度)が高く、カブリが低
い、良好な写真特性を備えている。
【0219】
【表2】
【0220】
【発明の効果】本発明の熱現像感光材料は、造核剤の存
在下、高Dmax(最高濃度)、高コントラストを与
え、カブリが低く、写真製版用途に最適な写真特性を備
えている。また、造核剤を含まない場合においても高D
max、低カブリの良好な写真特性を与える。
【0221】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱現像感光材料の熱現像処理に用い
られる熱現像機の一構成例を示す側面図である。
【符号の説明】
10 熱現像感光材料 11 搬入ローラー対 12 搬出ローラー対 13 ローラー 14 平滑面 15 加熱ヒーター 16 ガイド板 A 予備加熱部 B 熱現像処理部 C 徐冷部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 稔 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 大屋 豊尚 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H123 AB00 AB28 BA00 BA45 BB00 BB02 BB24 BB27 BB31 BB39 CA00 CA22 CB03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の同一面上に少なくとも(a)感
    光性ハロゲン化銀、(b)還元可能な銀塩、(c)下記
    式(1)で表される還元剤、(d)バインダー、および
    (e)下記式(2)で表される化合物を含有することを
    特徴とする熱現像感光材料。 【化1】 (式(1)において、V1〜V8はそれぞれ独立に水素原
    子または置換基を表し、Lは−CH(V9)−または−
    S−なる連結基を表し、V9は水素原子または置換基を
    表す。) 【化2】 (式(2)において、X1は置換基を表し,X2〜X4
    それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただしX
    1〜X4はヒドロキシ基であることはなく、X3はスルホ
    ンアミド基であることはない。X1〜X4で表わされる置
    換基は互いに結合して環を形成してもよい。R1は水素
    原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基
    またはアルコキシ基を表わす。)
  2. 【請求項2】 前記式(2)において、R1が水素原
    子、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アルコキシ基
    または炭素数1〜7のアルキル基を表わすことを特徴と
    する、請求項1に記載の熱現像感光材料。
  3. 【請求項3】 前記式(2)において、X1、X3のうち
    少なくとも1つが電子求引性基を表わし、R1がアリー
    ル基または炭素数1〜7のアルキル基を表わすことを特
    徴とする、請求項1に記載の熱現像感光材料。
  4. 【請求項4】 前記式(2)において、X1、X3がとも
    にハロゲン原子を表わし、R1がアリール基または炭素
    数1〜7のアルキル基を表わすことを特徴とする、請求
    項1に記載の熱現像感光材料。
  5. 【請求項5】 前記式(2)において、X1、X3がとも
    に塩素原子または臭素原子を表わし、X2、X4が水素原
    子またはアルキル基を表わし、R1がアリール基を表わ
    すことを特徴とする、請求項1に記載の熱現像感光材
    料。
  6. 【請求項6】 さらに造核剤(超硬調化剤)を含有する
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の熱
    現像感光材料。
  7. 【請求項7】 支持体と感光性層の間にゼラチンを含有
    する下塗り層を有することを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかに記載の熱現像感光材料。
JP2001096643A 2001-03-29 2001-03-29 熱現像感光材料 Expired - Lifetime JP4183923B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001096643A JP4183923B2 (ja) 2001-03-29 2001-03-29 熱現像感光材料
US10/108,728 US6800430B2 (en) 2001-03-29 2002-03-29 Photothermographic material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001096643A JP4183923B2 (ja) 2001-03-29 2001-03-29 熱現像感光材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002296728A true JP2002296728A (ja) 2002-10-09
JP4183923B2 JP4183923B2 (ja) 2008-11-19

Family

ID=18950541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001096643A Expired - Lifetime JP4183923B2 (ja) 2001-03-29 2001-03-29 熱現像感光材料

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6800430B2 (ja)
JP (1) JP4183923B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020023528A (ja) * 2011-04-28 2020-02-13 ザ・ブロード・インスティテュート・インコーポレイテッド ヒストンデアセチラーゼ阻害剤
US11377423B2 (en) 2012-07-27 2022-07-05 The Broad Institute, Inc. Inhibitors of histone deacetylase

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7148000B2 (en) * 2001-04-23 2006-12-12 Fuji Photo Film Co., Ltd. Heat-developable photosensitive material and image-forming process
US20040018458A1 (en) * 2002-05-17 2004-01-29 Hajime Nakagawa Photothermographic material
US7241561B1 (en) 2006-02-10 2007-07-10 Carestream Health, Inc. Photothermographic reducing agents with bicyclic or tricyclic substitution
US9791269B2 (en) 2014-08-29 2017-10-17 Jutta Krebber Dent mirror

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000267222A (ja) 1999-03-18 2000-09-29 Fuji Photo Film Co Ltd 熱現像感光材料
JP4043663B2 (ja) * 1999-09-17 2008-02-06 富士フイルム株式会社 熱現像感光材料
JP2001264929A (ja) 2000-03-17 2001-09-28 Fuji Photo Film Co Ltd 熱現像感光材料

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020023528A (ja) * 2011-04-28 2020-02-13 ザ・ブロード・インスティテュート・インコーポレイテッド ヒストンデアセチラーゼ阻害剤
JP7042244B2 (ja) 2011-04-28 2022-03-25 ザ・ブロード・インスティテュート・インコーポレイテッド ヒストンデアセチラーゼ阻害剤
US11572368B2 (en) 2011-04-28 2023-02-07 The General Hospital Corporation Inhibitors of histone deacetylase
US11377423B2 (en) 2012-07-27 2022-07-05 The Broad Institute, Inc. Inhibitors of histone deacetylase

Also Published As

Publication number Publication date
US20030064330A1 (en) 2003-04-03
JP4183923B2 (ja) 2008-11-19
US6800430B2 (en) 2004-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6645714B2 (en) Photothermographic material
JP4183923B2 (ja) 熱現像感光材料
JP2001249425A (ja) 熱現像感光材料および画像形成方法
JP2002296729A (ja) 熱現像感光材料
JP2002040592A (ja) 画像記録材料
JP2001154309A (ja) 熱現像感光材料の画像形成方法
JP3974308B2 (ja) 高速熱現像感光材料およびその画像形成方法
JP2002365760A (ja) 熱現像感光材料
JP2002055409A (ja) 熱現像感光材料
JP2001305693A (ja) 熱現像感光材料
JP2003043613A (ja) 熱現像画像記録材料
JP2001337414A (ja) 熱現像感光材料
JP2002323733A (ja) 熱現像画像記録材料
JP2002148753A (ja) 熱現像画像記録材料
JP2002250985A (ja) 熱現像画像記録材料
JP2001209144A (ja) 熱現像感光材料
JP2001305692A (ja) 高速熱現像感光材料およびその画像形成方法
JP2002258435A (ja) 熱現像感光材料
JP2001075228A (ja) 熱現像感光材料
JP2002323732A (ja) 熱現像画像記録材料
JP2002287295A (ja) 熱現像感光材料
JP2002062613A (ja) 熱現像感光材料
JP2001281795A (ja) 高速熱現像感光材料およびその画像形成方法
JP2001272748A (ja) 熱現像感光材料
JP2002278020A (ja) 熱現像感光材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050920

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080404

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080703

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080821

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080903

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4183923

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term