JP2002296520A - 空間光変調器および画像表示装置 - Google Patents

空間光変調器および画像表示装置

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JP2002296520A
JP2002296520A JP2001100008A JP2001100008A JP2002296520A JP 2002296520 A JP2002296520 A JP 2002296520A JP 2001100008 A JP2001100008 A JP 2001100008A JP 2001100008 A JP2001100008 A JP 2001100008A JP 2002296520 A JP2002296520 A JP 2002296520A
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Japan
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light
light modulator
spatial light
plane
modulating means
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JP2001100008A
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English (en)
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Hitoshi Kondo
均 近藤
Hidenori Tomono
英紀 友野
Mayuka Osada
麻由佳 長田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光変調手段の数で制限される量を超える情報
を空間伝達でき、かつ構成が簡単な空間光変調器を提供
すること。 【解決手段】 1は空間光変調器で、複数の光変調手段
2が平面3上に一次元アレイ状に設けられ、平面3は軸
4を中心に回転可能となっている。図示しない光源(例
えばレーザ光源)から発せられた光ビーム5は空間光変
調器1に入射すると、空間光変調手段2によって空間的
に変調されると同時に、平面3が振動または回転するこ
とによって偏向・走査され、出射ビーム6となる。出射
ビーム6は投射レンズ7によって画面の大きさ、焦点を
合わせられてスクリーン8上に照射され、画像が投影表
示される。以上の動作において、画像データからの信号
はコントローラを介して、空間光変調手段2および平面
3の駆動信号として与えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空間光変調器、より
具体的には個別に動作可能な複数の光変調手段を具備し
つつ、光変調手段の数で制限される量を超える情報を空
間伝達可能な空間光変調器およびそれを用いた画像表示
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】空間光変調器として、例えば特開平5−
196880号公報に示されるような微小な回転鏡を二
次元状に多数配列したものが知られている。図8は従来
の空間光変調器の平面図であり、方形トーションビーム
反射表面200とビーム支持ポスト201のみが観察さ
れる。
【0003】図9はひとつの回転鏡の断面図で、aはヒ
ンジに沿っての断面図、bはそれと直角方向の断面図で
ある。ビーム支持ポスト201はポスト406に連結さ
れたヒンジ401の捻れによって、ビーム200を接地
電極405に向けて回転可能にする。
【0004】その駆動力はポスト403によって支持さ
れたアドレス電極404に印加される電圧で与えられ
る。アドレス電極404への電圧印加は、基板層503
に設けられたCMOS回路(図示せず)の信号を金属層50
2を介して伝達することによりおこなわれる。ビーム2
00の回転状態を回転鏡ごとに変えることによって、入
射した光を二次元的に空間変調することができる。
【0005】上記のような空間光変調器を用いた画像表
示装置が、例えば特開平8−304720号公報に示さ
れている。図10は従来の空間光変調器を用いた画像表
示装置を示す構成図である。
【0006】光源15から集光レンズ16aを介してカ
ラーホイール17に収束された白色光はフィールドシー
ケンシャルにRGB3色に分解され、第2のレンズ16
bにより、空間光変調器14のサイズに合わせられる。
画像データ信号に基づいて空間光変調器14によって空
間変調された反射光は、投射レンズ18によりサイズを
調製されて、スクリーン19上に投影され、カラー画像
を表示することができる。
【0007】このような空間光変調器においては、伝達
できる情報量が二次元配列された光変調手段(上記の例
では微小な回転鏡)の数で決定され、これを用いた画像
表示装置においては、表示できる画素数がそれによって
制限されてしまう。表示容量(画素数)を増加しようと
すると光変調手段の数を増加させなければならず、コス
トが高くなるという問題が生じる。
【0008】他の空間光変調器として、例えば特許第3
016871号公報や「D.T.Amm et a
l.,”Grating Light Valve T
echnology:Update and Nove
l Applications”,SID98 Dig
est,p.29−32(1998)」に示されるよう
な回折格子を一次元的に配列したものが知られている。
【0009】図11は従来の他の空間光変調器の光変調
手段であり、両端を固定された偶数個の可動リボン10
0により回折格子を形成している。各可動リボンと対向
する基板面との間に印加する電圧を制御することによ
り、リボンがフラットな状態と基板方向に撓んだ状態と
を選択的に形成できる。両状態でのリボン中央部の高さ
の差がλ/4(λは入射光の波長)に等しい時、図11の
状態では垂直方向から入射した光は回折を起こし、一次
回折の方向に出射する。
【0010】一方、全てのリボンがフラットな状態では
垂直方向から入射した光は正反射し、垂直方向に出射す
る。このような光変調手段を一次元的に多数配列すれ
ば、一次元の空間光変調が可能となる。
【0011】図12は上記のような空間光変調器を用い
た画像表示装置を示す構成図である。光源101から発
せられた光はビームスプリッタ102によって、空間光
変調器103(紙面垂直方向に一次元アレイ化してい
る)に照射され、シュリーレンフィルター104により
回折光のみが偏向手段105に到達する。
【0012】偏向手段105によって二次元像が形成さ
れ、投射レンズ106によりサイズを調製されて、スク
リーン107上に投影され、画像を表示することができ
る。カラーホイールや3色光源を用いて、フィールドシ
ーケンシャルに色を切り替えればカラー画像の表示が可
能である。
【0013】このような空間光変調器においては、二次
元の情報を伝達する場合に走査方向には本質的に情報量
の制限はないため、これを用いた画像表示装置において
も走査方向に表示できる画素数の制限がない。
【0014】しかしながら、空間光変調器で変調された
光を偏向手段によって走査するために、空間光変調器と
偏向手段との光軸合わせや、両者の動作タイミングの制
御等が複雑になるという問題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はこのよ
うな問題点を解決し、光変調手段の数で制限される量を
超える情報を空間伝達でき、かつ構成が簡単な空間光変
調器を提供することを目的とする。
【0016】また、第2に、より構成が簡単で、かつ情
報量を増加することが容易な空間光変調器を提供するこ
とを目的とする。
【0017】また、第3に、光変調手段の選択自由度が
大きい空間光変調器を提供することを目的とする。
【0018】また、第4に、オンオフ比(SN比)を大
きくすることができる空間光変調器を提供することを目
的とする。
【0019】また、第5に、光変調手段の構造が簡単
で、歩留まりを高くすることができる空間光変調器を提
供することを目的とする。
【0020】また、第6に、光変調手段を小型化・低コ
スト化することにより、小型で低コストな空間光変調器
を提供することを目的とする。
【0021】また、第7に、回転可能な平面を小型化・
低コスト化することにより、小型で低コストな空間光変
調器を提供することを目的とする。
【0022】また、第8に、より小型で低コストな光走
査装置を提供することを目的とする。
【0023】また、第9に、表示容量が大きく、小型で
低コストな画像表示装置を提供することを目的とする。
【0024】また、第10に、階調数を大きくすること
ができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴は、
複数の光変調手段が平面上に配列されてなる空間光変調
器において、該平面がその面に平行な一軸を中心として
回転可能であることを特徴とする空間光変調器にある。
【0025】上記空間光変調器によれば、液晶、微小回
転鏡、微小メカニカルシャッタ、電気光学結晶、回折格
子等の光変調手段に入射した光ビームは、外部信号によ
り動作状態を決定された複数の光変調手段によってひと
つの空間変調情報として伝達される。
【0026】つぎに、光変調手段が配列されている平面
がその面に平行な一軸を中心として所定の角度だけ回転
するとともに、外部信号により各光変調手段を別の動作
状態に変えることにより、入射した光ビームが別の空間
変調情報として別の位置に伝達される。
【0027】これを繰り返すことによって、大量の情報
を伝達することができる。光変調手段が配列されている
平面をその面に平行な一軸を中心として回転させる機構
としては、電磁的、静電的または圧電的作用力によって
平面を振動させるものや、多数の平面からなる多角柱が
中心軸回りに回転するもの等が好適に使用される。
【0028】前記回転可能な平面に入射する光ビーム
は、一定の位置から発せられるのが望ましい。この場
合、光ビームの位置が固定されているため構造が簡単と
なる。また、平面が回転することによる出射ビームの振
れ角は回転角の2倍となるため、光変調手段の空間分解
能や平面の回転角度分解能が同じであるならば、より多
くの情報を伝達することが可能となる。
【0029】一方で、平面(または光変調手段)に対す
る入射角が絶えず変化するために、例えば回折格子のよ
うな光路差を利用するような変調手段を用いることがで
きないという制約が発生する。
【0030】上記のような制約を解除するためには、前
記回転可能な平面に入射する光ビームは、該平面とのな
す角度が一定となるように入射方向を変化させられるこ
とが好ましい。
【0031】その方法として、平面の回転に同期して光
源の位置を変化させる、あるいは光源の位置は固定と
し、平面の回転に同期して回転可能な平面鏡を光源と光
変調手段との間に設け、光ビームを平面鏡で偏向させな
がら光変調手段に入射させる等がある。
【0032】この場合には、平面が回転することによる
出射ビームの振れ角は回転角に等しくなるため、伝達で
きる情報量は上記よりは減少する場合がある。
【0033】光変調のオンオフ比(SN比)を大きくす
る観点からは、光変調手段は、光ビームの反射方向を変
化させることによって、特定の出射方向の光強度を変化
させるものであることが望ましい。
【0034】この場合、例えば正反射方向をオフにと
り、信号を与えた時に変化する一定の方向をオンにとれ
ば、オフの光強度をほとんどゼロにできるのでSN比を
大きくすることができる。そのような光変調手段とし
て、微小回転鏡、回折格子等がある。
【0035】光変調手段としては、光ビームの反射率ま
たは透過率を変化させることによって、特定の出射方向
の光強度を変化させるものも好適に使用できる。この場
合、物質の状態変化でオンオフを制御できるものを使用
することができ、また可動部分を有する場合であっても
簡単な構造で済むので、歩留まりが高くなる。そのよう
な光変調手段として、液晶、微小メカニカルシャッタ、
電気光学結晶等がある。
【0036】上記の空間光変調器において、前記光変調
手段は半導体基板に形成されているのが望ましい。光変
調手段を外部信号にしたがって作動させるためには、駆
動回路・周辺回路が必要であるが、光変調手段を半導体
基板上に形成すれば、駆動回路・周辺回路と一体化でき
るため、小型化・低コスト化が可能となる。
【0037】上記の空間光変調器において、前記回転可
能な平面は半導体基板に形成されているのが望ましい。
このようにすることにより、半導体加工プロセスを用い
て、可動平面やアクチュエータを形成することができ、
さらにアクチュエータを駆動するための駆動回路・周辺
回路と一体化できるため、小型化・低コスト化が可能と
なる。
【0038】さらに、上記の空間光変調器において、前
記回転可能な平面および光変調手段は同一半導体基板に
形成されているのが望ましい。このようにすることによ
り、空間光変調器の大部分を半導体加工プロセスを用い
て作製できるため、さらに小型化・低コスト化を図るこ
とができる。
【0039】本発明の第2の特徴は、光変調手段が一次
元アレイ状に配列されてなり、該光変調手段が設けられ
た平面が、光変調手段の整列方向に平行な軸を中心とし
て回転可能である上記の空間光変調器と、該空間光変調
器に光ビームを入射させる手段と、該空間光変調器によ
り形成した画像をスクリーンに投影し表示する手段と、
を具備することを特徴とする画像表示装置にある。
【0040】光変調手段に入射した光ビームは、画像デ
ータに基づく信号により動作状態を決定された一次元ア
レイ状の光変調手段によって1ライン分の空間変調情報
としてスクリーンに伝達される。
【0041】つぎに、光変調手段が配列されている平面
がその面に平行な一軸を中心として所定の角度だけ回転
するとともに、画像データに基づく信号により各光変調
手段を別の動作状態に変えることにより、入射した光ビ
ームがつぎの1ライン分の空間変調情報としてスクリー
ンの別の位置に伝達される。
【0042】これを繰り返すことによって、二次元画像
をスクリーン上に表示することができる。この場合、平
面の回転方向(走査方向)に対しての画素数の制限は本
質的にない。
【0043】上記の画像表示装置においては、1フレー
ム時間が一定の時、表示ライン数が増加すると1ライン
当たりの選択時間が短くなる。階調を表現する場合には
選択時間内をさらに時分割する必要があるが、光変調手
段によっては応答速度が追いつかなくなる。
【0044】より階調性を高める観点からは、一次元ア
レイ状に配列された各光変調手段が、個別に動作可能な
複数の光変調素子よりなるものであることが望ましい。
光変調素子としては、前記の光変調手段と同様のものが
使用できる。
【0045】このようにすることにより、選択時間内を
時分割する代わりに空間分割することになるので、空間
変調素子の応答速度がそれほど速くなくても多階調表示
をおこなうことができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかる空間光変調器、および、その空間光変調器
をもちいた画像表示装置の好適な実施の形態について詳
細に説明する。
【0047】まず、本発明の実施の形態1を図1および
図2に基づいて以下に説明する。図1は本発明の空間光
変調器の一例を示す模式図である。1は空間光変調器
で、複数の光変調手段2が平面3上に一次元アレイ状に
設けられ、平面3は軸4を中心に回転可能となってい
る。
【0048】図2は図1の空間光変調器と、該空間光変
調器により形成された画像をスクリーンに投影し表示す
る手段と、を具備する画像表示装置の一例を示す模式図
である。
【0049】図示しない光源(例えばレーザ光源)から
発せられた光ビーム5は空間光変調器1に入射すると、
空間光変調手段2によって空間的に変調されると同時
に、平面3が振動または回転することによって偏向・走
査され、出射ビーム6となる。
【0050】出射ビーム6は投射レンズ7によって画面
の大きさ、焦点を合わせられてスクリーン8上に照射さ
れ、画像が投影表示される。以上の動作において、画像
データからの信号はコントローラを介して、空間光変調
手段2および平面3の駆動信号として与えられることは
言うまでもない。
【0051】上記の画像表示装置において、カラー画像
を表示する場合には入射光ビーム5をフィールドシーケ
ンシャルにRGBと切り替えるか、RGB用に光ビーム
5を発する光源と空間光変調器1を用意し各空間光変調
器からの出射ビーム6を重畳して、スクリーン上に投影
するかのいずれかでおこなうことができる。
【0052】入射光ビーム5をフィールドシーケンシャ
ルにRGBと切り替えるには、白色光をカラーホイール
を用いてRGBに分解するか、RGBの各光源をフィー
ルドシーケンシャルに点灯させるかのいずれかの方法を
用いることができる。
【0053】上記の画像表示装置において、光変調手段
に要求される応答速度は走査線数によって異なり、下記
(1)または式(2)の式で算出される。ただし、階調
手段はアナログ変調ではなく、フルデジタルのパルス幅
変調を想定している。図1313に示す表に走査線数が
変化した時の光変調手段に要求される応答速度を示す。
フレーム周波数は90Hzとした。
【0054】 光変調手段応答速度(sec)=1/[F×N×(n−1)] (単色または 3板カラー)・・・(1)
【0055】 光変調手段応答速度(sec)=1/[3F×N×(n−1)] (フィール ドシーケンシャル)・・・(2)
【0056】F:フレーム周波数,N:走査線数,n:
階調数
【0057】走査線数が1000本を超える高容量の表
示の場合には、2値(n=2)表示で数μs、フルカラ
ー(n=256)表示では数10〜数nsの応答速度が
光変調手段に要求される。前者は微小回転鏡、微小メカ
ニカルシャッタ等で達成可能なレベルであるが、後者を
達成できる光変調手段は少なく、回折格子がかろうじて
使用できる程度である。
【0058】しかしながら、本実施の形態においては、
光ビーム5は常に一定の方向から空間光変調器1に入射
する、すなわち空間光変調器1と入射光ビーム5とのな
す角度は平面3の回転にともなって刻々と変化するた
め、光路差を利用する回折格子等の方式を使用すること
はできない。
【0059】本発明の実施の形態2を図3に基づき説明
する。上記実施の形態1(図2)との違いは、平面3の
回転に同期して、光ビーム5の入射方向を変化させるこ
とができる点であり、これにより光ビーム5と空間光変
調器1とのなす角度を一定にすることが可能となる。
【0060】したがって、光変調手段として回折格子の
ように光路差を利用するものも使用することができる。
光ビーム5の入射方向を変化させる方法としては、光源
自体を回転させてもよいが、光源からの光を偏向させる
ことができる振動平面鏡等を光源と空間光変調器1との
間に設ける方がより制御が簡便である。
【0061】本発明の実施の形態3を図4に基づき説明
する。図4は本発明の空間光変調器の他の一例を示す模
式図である。1’は空間光変調器で、複数の光変調手段
2が平面3上に一次元アレイ状に設けられ、各光変調手
段は個別に動作可能な複数の光変調素子20よりなる。
【0062】平面3は軸4を中心に回転可能となってい
る。空間光変調器1’を空間光変調器1の代わりに使用
すれば、図2と同様に画像表示装置を得ることができ
る。各光変調手段ごとに光変調素子20を(階調数−
1)個設け、光変調手段が画素に対応するようにすれ
ば、光変調素子が、表1における2値の場合と同程度の
応答速度であっても、(光変調素子数+1)階調の表示
が可能となる。
【0063】1画素内の明るさを均一化するためには、
平面3の回転(走査)方向と光変調素子の線順次駆動方
向を逆向きにした方がよい。
【0064】図5および図6に本発明に用いられる光変
調手段(または光変調素子)の例を示す。図5は微小反
射鏡の例である。
【0065】Si基板111上にCMOSプロセスで作
製されたSRAM(図示せず)が、各素子に対応して設
けられ、絶縁層112を貫通して接続されるアドレス電
極113に画像データにしたがって信号を与える。ミラ
ー114はヨーク115とそれを支持するヒンジ116
を介してバイアス電極117に接続される。
【0066】ヨークの先端にはランディングチップ11
8が設けられ、ミラーの動きを規定する。ミラーがヒン
ジを軸として回転運動することにより、ミラーに入射し
た光ビームの反射方向が変わるので、特定の方向の反射
光のみがオンデータとなるようにすれば、ミラーアレイ
によって、空間光変調が可能となる。
【0067】可動微小反射鏡の構造は、基本的には表面
マイクロマシニング技術を用いて作製する。すなわち、
ポリマー(犠牲層)上に積層したAl膜を所望の形状に
フォトリソエッチング加工した後、ポリマーを選択的に
除去(酸素プラズマエッチング)することによって、A
lの可動ミラーを作製することができる。
【0068】図6は微小メカニカルシャッタの例であ
る。(a)は平面模式図、(b)は断面模式図で、1素
子部分を表している。Si基板21には各素子に対応し
て、図示しないSRAMが設けられ、アドレス電極25
に接続される。シャッタ22はトーションバー23を介
して、絶縁層24を貫通しているアドレス電極に接続さ
れる。
【0069】Si基板には図示しないバイアス電極によ
り、バイアス/リセット信号が印加される。画像データ
にしたがってアドレス電極に印加される信号により、シ
ャッタが静電引力でSi基板に引きつけられると、入射
した光ビームは光吸収層26で吸収される。シャッタが
もとの位置にもどると、光ビームはシャッタで正反射さ
れるので、正反射光のみがオンデータとなるようにすれ
ば、シャッタアレイによって、空間光変調が可能とな
る。
【0070】微小メカニカルシャッタの構造も、微小反
射鏡とほぼ同様にして、ポリマー(犠牲層)とAl膜を
用いた表面マイクロマシニング技術で作製することがで
きる。
【0071】上記のようにSi基板上に作製された光変
調手段は、通常の振動平面や回転多面体の表面にSi基
板ごと貼り付ければよいが、振動平面として、例えば、
特開平7−175005号公報に開示されているような
ガルバノミラーや、特開平6−180428に開示され
ているような静電力駆動ミラーをSi基板に形成したも
の等が好ましく使用できる。
【0072】つぎに、本発明に用いられる、光変調手段
と振動平面とを同一Si基板に形成したものについて、
図7に基づき説明する。図7は製造工程ごとの概略平面
図で、光変調手段として微小メカニカルシャッタを用
い、振動平面としてガルバノミラーを用いた場合の例で
ある。
【0073】まず、前記図6に示したような微小メカニ
カルシャッタアレイをSi基板31上に形成するが、ポ
リマー(犠牲層)27は除去しないものとする。シャッ
タアレイを囲むようにして、平面コイル32を形成す
る。平面コイルは例えば、公知の電鋳コイル法を用いて
作製することができる(工程a)。
【0074】つぎに、表面をレジスト33で保護し、裏
面に深さが、最終的な可動平面の厚さと等しい溝を異方
性エッチングにより形成する(工程b)。
【0075】つぎに、Si基板を、溝の外側に接する額
縁の部分を除いて異方性エッチングし、溝の底がレジス
ト33に到達したところでエッチングを止める(工程
c)。
【0076】つぎに、レジスト33を除去し、Si基板
の上下面にガラス基板35、36を陽極接合によって、
貼り合わせる(工程d)。
【0077】最後に、ポリマー27を除去した後、上下
のガラス基板の所定位置に永久磁石37A,37Bと3
8A,38Bを取り付ける(工程e)。
【0078】なお、図において、Si基板に形成される
メカニカルシャッタおよびガルバノミラーを駆動するた
めの駆動回路および周辺回路は省略してある。
【0079】この構成によれば、光変調手段と振動平面
を別々の基板に形成して貼り合わせる場合に比べて、工
程の短縮が図れ、基板のスペース効率も高くなるので、
小型化、低コスト化に多大な効果をもたらす。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の空間光
変調器によれば、光変調手段の数で制限される量を超え
る情報を空間伝達でき、かつ構成が簡単な空間光変調器
を提供することができる。
【0081】また、請求項2の空間光変調器によれば、
上記に加えて、より構成が簡単で、かつ情報量を増加す
ることが容易な空間光変調器を提供することができる。
【0082】また、請求項3の空間光変調器によれば、
請求項1に加えて、光変調手段の選択自由度が大きい空
間光変調器を提供することができる。
【0083】また、請求項4の空間光変調器によれば、
上記に加えて、オンオフ比(SN比)を大きくすること
ができる空間光変調器を提供することができる。
【0084】また、請求項5の空間光変調器によれば、
さらに光変調手段の構造が簡単で、歩留まりを高くする
ことができる空間光変調器を提供することができる。
【0085】また、請求項6の空間光変調器によれば、
上記に加えて、光変調手段を小型化・低コスト化するこ
とができるので、小型で低コストな空間光変調器を提供
することができる。
【0086】また、請求項7の空間光変調器によれば、
上記に加えて、回転可能な平面を小型化・低コスト化す
ることができるので、小型で低コストな光走査装置を提
供することができる。
【0087】また、請求項8の空間光変調器によれば、
上記に加えて、さらに小型で低コストな空間光変調器を
提供することができる。
【0088】また、請求項9の画像表示装置によれば、
表示容量が大きく、小型で低コストな画像表示装置を提
供することができる。
【0089】請求項10の画像表示装置によれば、上記
に加えて、より階調数を大きくすることができる画像表
示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空間光変調器の一例を模式的に示
す図である。
【図2】本発明による画像表示装置の一例を模式的に示
す図である。
【図3】本発明による画像表示装置の他の一例を模式的
に示す図である。
【図4】本発明による空間光変調器の他の一例を模式的
に示す図である。
【図5】本発明による空間光変調器に用いられる光変調
手段の一例を模式的に示す図である。
【図6】本発明による空間光変調器に用いられる光変調
手段の他の一例を模式的に示す図である。
【図7】本発明による空間光変調器の製造工程の一例を
模式的に示す断面図である。
【図8】従来の空間光変調器の一例を模式的に示す平面
図である。
【図9】従来の空間光変調器に用いられる光変調手段の
一例を模式的に示す断面図である。
【図10】従来の画像表示装置の一例を模式的に示す図
である。
【図11】従来の他の空間光変調器に用いられる光変調
手段の一例を模式的に示す図である。
【図12】従来の他の画像表示装置の一例を模式的に示
す図である。
【図13】走査線数と光変調手段応答速度の要求値との
関係を示す図表である。
【符号の説明】
1、1’、14、103 空間光変調器 2 光変調手段 3 回転可能な平面 4 回転軸 5 光ビーム 6 出射ビーム 7、18、106 投射レンズ 8、19、107 スクリーン 15、101 光源 16a、16b レンズ 17 カラーホイール 20 光変調素子 22 シャッタ 23 トーションバー 26 光吸収層 27 ポリマー(犠牲層) 32 平面コイル 33 レジスト 35、36 ガラス基板 37A、37B、38A、38B 永久磁石 100 可動リボン 102 ビームスプリッタ 104 シュリーレンフィルター 105 偏向手段 111、21、31 Si基板 112、24 絶縁層 113、25 アドレス電極 114 ミラー 115 ヨーク 116 ヒンジ 117 バイアス電極 118 ランディングチップ 200 トーションビーム反射表面 201、403、406 ポスト 401 ヒンジ 404 アドレス電極 405 接地電極 502 金属層 503 基板層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長田 麻由佳 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H041 AA14 AB14 AC06 AZ01 AZ08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の光変調手段が平面上に配列されて
    なる空間光変調器において、 該平面がその面に平行な一軸を中心として回転可能であ
    ることを特徴とする空間光変調器。
  2. 【請求項2】 前記回転可能な平面に入射する光ビーム
    が、一定の位置から発せられることを特徴とする請求項
    1に記載の空間光変調器。
  3. 【請求項3】 前記回転可能な平面に入射する光ビーム
    は、該平面とのなす角度が一定となるように入射方向を
    変化させることが可能であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の空間光変調器。
  4. 【請求項4】 前記複数の光変調手段が、光ビームの反
    射方向を変化させることによって、特定の出射方向の光
    強度を変化させるものであることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれか一項に記載の空間光変調器。
  5. 【請求項5】 前記複数の光変調手段が、光ビームの反
    射率または透過率を変化させることによって、特定の出
    射方向の光強度を変化させるものであることを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空間光変調
    器。
  6. 【請求項6】 前記複数の光変調手段が、半導体基板に
    形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいず
    れか一項に記載の空間光変調器。
  7. 【請求項7】 前記回転可能な平面が、半導体基板に形
    成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれ
    か一項に記載の空間光変調器。
  8. 【請求項8】 前記回転可能な平面および前記光変調手
    段が、同一半導体基板に形成されていることを特徴とす
    る請求項1乃至7のいずれか一項に記載の空間光変調
    器。
  9. 【請求項9】 光変調手段が一次元アレイ状に配列され
    てなり、該光変調手段が設けられた平面が、光変調手段
    の整列方向に平行な軸を中心として回転可能である請求
    項1乃至8のいずれか一項に記載の空間光変調器と、該
    空間光変調器に光ビームを入射させる手段と、該空間光
    変調器により形成した画像をスクリーンに投影し表示す
    る手段と、を具備することを特徴とする画像表示装置。
  10. 【請求項10】 一次元アレイ状に配列された各光変調
    手段が、個別に動作可能な複数の光変調素子よりなるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
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